駄菓子をクスリのように吸って依存症になる漫画『だがしかし』レビュー
高級なケーキやフランスのお菓子には職人の魂が込めらていますが、大量生産される駄菓子は“駄”とついている通り“価値”があるものとは普段思うことはありません。
本日は、そんな駄菓子の魅力を最大限に引き出した漫画『だがしかし』をご紹介します。
コトヤマ 463円 powered by yasuikamo |
まあなんて言うか、タイトルが秀逸ですよね(てっきり哲学系の作品かと思っていました)。
「駄菓子菓子」と漢字変換できますし、「一見駄菓子は価値のないもの、“だがしかし”……」という反論を唱えているようにも思えます。
駄菓子にスポットを当てている漫画がどのようなことになるのか……当然、ふつうの漫画になるわけがなかったのでした。
↓
主人公は、田舎の駄菓子屋のひとり息子。
彼の夢は漫画家で、お店を継ぐことをいやがっています。
※ドラゴンボールではありません。
そこに現れたのは、駄菓子をこよなく愛する女の子のほたるでした。
彼女は主人公に「キング・オブ・駄菓子は何であるのか?」と質問します。
えーと、だいたいの人は意見が一致しますよね。当然答えはアレです。
<そりゃもう“うまい棒”ですよ
そしてうまい棒の魅力とは? 彼女はただ「おいしい」なんてものでは終わりません。
うまい棒には、気分しだいで“組み合わせて”食べることができるという魅力があると言うのです!
<食べたいものに悩んだら……?
<そう、うまい棒!
どうですか、すごい説得力ではありませんか(洗脳)。
そんなわけで、この漫画の基本のプロットは、ヒロインのほたるが駄菓子がいかにすばらしいかを説いていくのみです(だがそこがいい)。
1巻に収録されている駄菓子のエピソードをちょっと見てみてましょう。
<ポテトフライ>
<油っぽさが魅力
外で食べる駄菓子にふさわしいのはコレ、というのは(理由はないけど)何となくわかります。
この後の「“ポテトフライ”のいちばん贅沢な食べかた」が大納得できるものなので、ぜひ読んでみましょう(←ダイレクトマーケティング)
ちなみに2014年に販売終了になった“ポテトスナック”とは別の商品です。
<きなこ棒>
<類似商品もあります
ほたるは、駄菓子の世界は“戦場”であり、それぞれの駄菓子が魅力を引き出すために苦労をしていると語ります。
その中で、箱もキャラクターも何もないきなこ棒は“砂漠の戦士”であると表現します。
<かっけえ
<生いきビール>
子ども心をくすぐる(?)ニセのビールです。
この商品の魅力は……? そう、大人の気分になれることですよね。
<大人はずるいよね
<ブタメン>
これは多くの人が知っているでしょう。
ほたるはブタメンについて、「駄菓子はふつうは10円や20円だが、ブタメンは70円もする。子どもにとっては味のチョイスも含めてハイリスクだ」と分析します。
<究極の選択
ああ、子どものころって10円20円でも気にしていたよなあ……と懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
そんな中でもとくに笑ったのが、駄菓子を麻薬のように吸うエピソードです。
※少年誌掲載です
もちろん彼女たちが吸っているのは『ウルフ・オブ・ウォールストリート』にわんさか登場したようなシロモノではなく、“ビンラムネ”でした。
ツッコミどころ満載なのは、モナカの中のラムネを吸っているだけなのに依存症になっていくことです。
※吸っているのは粉タイプのラムネです
訴えられないのかこれ。
危険ドラッグの恐ろしさが問われている現代でヤク中描写をギャグとして描くのはギリギリだなあ……(しかも少年誌で)(爆笑したからいいけど)。
このエピソードでは、さらにラムネの粉がドラッグっぽい表現をされまくるのでした。
そうそう、この漫画は駄菓子の雑学が満載なことの魅力のひとつです。
たとえば“こざくら餅”のエピソードでは、主人公がある事実に驚愕します。
<懐かしすぎる
その事実とは、商品ひとつに入っている餅の数が減っていること。
なんという嘆かわしい事態……と思っていたところに、ほたるはさらなる事実を告げます。
<な、なんだってー!
18個も入っていたのかよ!(いまは10個)
このことに主人公はさみしがります(←かつてないほどの共感)。
しかし、ほたるは「私はそうは思わない」と、数が減っても、それが気にならない方法があると宣うのです!
その方法は、ぜひ単行本を読んでご確認ください(←ダイレクトマーケティング)。
そのほかにも、ただただ懐かしいと思える駄菓子や、こんなものがあったのか!と驚け、駄菓子の新たな魅力に気づくことができる『だがしかし』は文句なくおすすめの漫画です。
少しだけラブコメ的な要素もあったり、駄菓子だけでなくめんこを紹介したりと、バリエーション豊かで楽しくってしかたがありませんでした。
読めばきっと駄菓子が食べたくなるはず。でも駄菓子をドラッグのように吸うのはダメ!ゼッタイ!(通報されるから)
↓こちらで1話〜7話が読めます。
<だがしかし / コトヤマ - ニコニコ静画 (マンガ)>
ニコニコ静画に掲載されている分まで読みましたがどれもこれ知ってる駄菓子でニヤニヤが止まりません。
しかし一番驚いたのはこざくら餅の内容量……あれって昔は18個も入ってたんですね!?
自分が知ってるのは4×3のやつだったので今は10個というのも衝撃でした……
ビンラムネでキメてるシーンといい久々にどストライクな漫画に出会えた気がします。
買います!w
あ、やべぇ
キャベツ太郎切れてきた…
新しいの…(ガクガク
だがしかし!かつて幼年期の憩いと交流の場だった近所の駄菓子屋さんもほとんどが閉店してしまっています。作中でもその原因である「後継者不足」が語られていますが、商売として儲からないというのも致命的のようです。なにせお客さんが10人来ても売り上げ1000円だもの・・・(安倍総理!駄菓子に軽減税率を!!)
だがしかし!この文化をなんとか21世紀の子ども達に遺したい!
そこで、セレブなリタイヤ生活を送る高齢者の皆様「駄菓子屋起業」してみませんか!?可愛い盛りの孫世代の子ども達との交流や、次世代への教育も出来るなど魅力もりだくさん!
地中海にクルーザーを浮かべて美女を侍らせたり、カジノでサラリーマンの生涯収入級の資産を一晩で散在するよりも、有意義で社会貢献にもなりますよ!?
子どもの頃はビンラムネをヤクみたいにストローで吸ったり
ココアシガレットを煙草みたいにしたり
危ない人ごっこしてましたねー!
食べたくなりました
ニコニコのコメントにもありましたが『OH!MYコンブ』の現代版ですわ、これ。
実在商品を使っているところと言い。
ただ個人的には、実在のものを実名で使う作品が少なくなっている今を思うと、こういう作品はどこか嬉しい気がします。
> 訴えられないのかこれ
「バーロー、サンデーだったら問題ねーだろ?」
「見せられないよ!」