クズを守る理由 映画「藁の楯 わらのたて」ネタバレなし感想+ネタバレ(ツッコミ)レビュー
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:スキありすぎ
あらすじ
快楽殺人犯・清丸(藤原竜也)は、幼い少女を惨殺した。
少女の祖父である大富豪の蜷川(山崎努)は「この男を殺した者に10億円を支払う」という新聞広告を出し、身の危険を感じた清丸は福岡県警に自ら出頭する。
SPの銘苅(大沢たかお)、白岩(松嶋菜々子)、警視庁捜査課の奥村(岸谷五朗)、関谷(伊武雅刀)、神箸(永山絢斗)の5人は清丸を東京まで護送しようとするのだが、すでに清丸の命を奪おうとするものは、眼前に迫っていた。
「一命」「悪の教典」の三池崇史監督最新作です。
木内一裕の小説を原作としています。
![]() | 木内 一裕 600円 powered by yasuikamo |
本作はとにかく力技で押し切る、スケール感のあるアクション大作になっています。
日本では不可能なアクション(高速道路と新幹線のシーン)を台湾で撮影していることも、その気合いの現れでしょう。
物語は「大富豪が憎き犯罪者に10億円の賞金をかけ、SP(四係)がその犯人を護送する」という奇抜なものです。
同じようなアイディアは「S.W.A.T」でもありました(そちらは犯人を逃せば金が貰えるという設定)が、本作は三池監督ならではのパワフルな演出と展開が盛り込まれ、見せ場がたっぷりある娯楽作に仕上がっていました。
アクション以外でも、SPたちが疑心暗鬼になる描写が面白く仕上がっています。
ターゲットの周りには武装した警察隊がいるのですが、その中にもターゲットをねらう者がいるかもしれないのです。
そして特筆すべきは、ターゲットの男「清丸」の邪悪さです。
これを演じた藤原竜也はちょっとオーバーアクトすぎるし、とても見た目は猟奇殺人犯にはに思えないのですが、その憎たらしさは多くの観客の神経を逆撫でするでしょう。
作中に「クズ」と言われた以上の犯人のクズっぷり、そしてこのクズを守る価値があるのかと苦悩する主人公たちの心理描写は見応えがありました。
さて、本作の弱点はいくらなんでもツッコミどころが多すぎることです。
そもそもの「犯人殺したら10億円あげるよ」にしたって
・殺人教唆にあたることなので、殺したところで金は国に没収されて受け取れないのでは?(公序良俗に反する)
・大富豪は殺し屋を雇えばいいのでは?(世間を騒がせる理由は何?)
などの気になる点が全くもって解決されていません。
*コメントで、以下のご意見をいただきました(小説の設定が少しネタバレ)
清丸を殺した者が蜷川を「清麿を殺したから十億よこせ!」と脅し、そして民事裁判を起こし、賠償金として蜷川が十億を払う、こうすることで法律上として問題がなくなります。と、小説では描かれてました。
まあこれらは「映画だから」で許容できる範囲なのですが・・・それ以外の展開のツッコミどころがあまりにもヒドくて、とても容認できるものではありませんでした。
二転三転する勢いのある展開をとにかく入れて、設定の穴が気にならないようにする気概は感じられるのですが、これはいくらなんでもダメです。
終盤はあまりにも変なので、笑いをこらえるのが大変でした。*シリアスなシーンで笑うとほかのお客さんに迷惑がかかります。
だからといってこの映画がつまらないかと言えばそうではなく、徹頭徹尾荒々しくも無骨な物語を楽しめます。
クライマックスがとにかく長くてダレてしまうこと、終盤に5分1回くらいツッコミどころがあるのが玉に致命傷ですが、それも含めて楽しんでしまうのが吉です。
ちなみに本作はG(全年齢)指定で、三池監督らしいエロやグロは封印されています。
それでも猟奇的なセリフや銃殺のシーンはあるのでご注意を。おすすめします。
以下、結末も含めてネタバレです↓ 容赦なくツッコミを入れています。この映画が好きな人にはごめんなさい。
~ルール~
大富豪・蜷川が掲げたルールは以下のようなものでした。
①殺人罪の判決を受けたものが賞金を受け取れる。複数可。
②国家が認めた殺人であること
このふたつの条件は、揃えば認められるというANDのものでなく、どちらかを達成すればよいというORのものでした。②の意味は後半に明かされることになります。
そして恐るべきことは、はじめに清丸を殺そうとした犯罪組織の男が、殺人未遂をしただけで1億円を支払うことが決定したと報道されたことです。
留置係の警官はナイフで切りつけようとし、看護婦はカリウム製剤で殺そうとする。もはや誰が清丸の命を狙っているかわからない状態です。
事件の過程が「清丸サイト」で発信されていることも、清丸を狙おうとする者を多くさせているのでしょう。
「なんでこんな広告が一般紙に?」という疑問を、上層部を買収した(辞表まで書かせた)と、一応晴らしてくれたのはよかったです。無理あるけど。
また、蜷川が「10億円お支払いする」と言ったとき、札束は100億くらいは余裕でありそうだったんですけど。<多すぎ
まあこれは本編中に蜷川が他にも金を湯水のように使っていたので、そのぶんも含まれていたのだと納得はできます。
~MISSION1 高速道路横断~
警察は飛行機で清丸を護送するつもりでしたが、整備士の中にも清丸を狙うものがいたために頓挫します。
選んだ手段は、高速道路を5台のトラックで(どこに清丸がいるかをわからないようにして)走行するというものでした。
「なんでヘリコプターを使わないの?」というツッコミどころも、「ヘリで飛んでバズーカ砲を撃たれるよりは安全だな」と一応言い訳していました。でもその後に隠密行動するときは新幹線じゃなくヘリ使えばいいのに。
途中、ニトログリセリンを積んだトラックが突進してきますが、トラックは縦にひっくり返ってしまいます。<でんぐり返り
神箸は「馬鹿な奴だ、どのトラックに清丸が乗っているのかもわからないのに」と言いましたが、マスコミは明らかに自分たちと清丸が乗ったトラックを追っているようでした。
なんと「清丸サイト」には自分たちの居場所が示されていたのです。
さらに2人の機動隊員が報告があると嘘をつき、トラック内に侵入し、銘苅を誤って撃ってしまいます。
銘苅は防弾チョッキを着ていたおかげで助かりますが、このことが後に恐るべきツッコミどころを産むことになります。
~MISSION2 新幹線へ
5人と清丸は、救急車に乗り高速道路を離脱し、高速道路の護送車は「おとり」となります。
選んだ手段は新幹線。「電気系統の故障」と偽り車両をまるごと借り上げます。
しかし「清丸サイト」を見た白岩は驚愕します。サイトには新幹線に清丸が乗っていることが示されていたのです。
神箸は「俺たちにできることは可能性をひとつづつ潰していくことだ」と言い、皆の携帯を含めた持ち物をチェックします。
とりあえずツッコむけど、携帯電話に電源を入れている時点で居場所は特定できるんじゃないのか?(GPSの機能がたいていはあります)
携帯電話の中身を開けて見ていたりしていたけど、電源も切りなさいよ。
神箸は「俺は被害者の女の子の死体を見た。本当に無残な死体だった。あんなのは人間のできることじゃない。清丸を殺してやりたいって思っているよ!」と本心を口にします。
銘苅は自分の妻もまた、クズの犯罪者が起こした事故に巻き込まれ殺されたことを口にします。
そして「俺の妻は『あなたの仕事は人を守ること、仕事に行って』と言った。そのことばが俺を支えている」と、自らが清丸を守ろうとする理由を言います。
この銘苅のことばは、最後に重大な意味を持つようになります。
そしてその後・・・神箸はヤクザの風格の男に撃たれて殺されてしまいます。
なんで防弾チョッキ着てないんや。銘苅は着ていたのに!
最後のことばは、「俺がいなくなったら、母ちゃんひとりになっちゃうじゃないか」でした。
このことばは、終盤に清丸が話すこととシンクロしています。
~MISSION3 駅の男~
新幹線は、列車会社の(余計)なはからいにより無人のホームに停車します。
さらに清丸を狙うかもしれない機動隊員もそこにいるのです。
列車のホームに現れたのは包丁を持った男でした。
男は女の子を人質にとります。
関谷が説得をしようとしているなか、白岩は清丸に銃をつきつけ、奥村に「ここで清丸を殺せば、あの子も助かります。奥村さんは銃が暴発したと証言してくれればいい。10億円は山分けしましょう」と言います。
関谷は説得を続けますが、男は包丁を振り上げ、関谷がやむをえず男を撃ってしまいます。
清丸は女の子を見て「ブサイクなガキ」と思ったばかりか、男を撃った関谷に対して両手の親指をあげます。<こんなにムカツク「グッ!」はない
関谷は警察に連れて行かれ、残り3人で護送を続けることになります。
~MISSION4 徒歩で車道を行く~
新幹線の途中に障害物が置かれたため、徒歩で移動することになります。
障害物を置いた犯人はどこに行ったんや。
その後に、3人は1台の車をパクります。
しかし車に乗っていた男は通りすがりではなく、清丸が殺した最初の犠牲者の父親でした。
3人はナイフで無理やり清丸を殺そうとする男をなんとか止めます。
ていうか、いまだ場所が知れているはずなのに1人しか来ないのはなぜ?
さっきの新幹線のときには大量に人がいたのに、急激に少なくなったおかげで映画のスケールも小さくなっています。
男は「清丸を守る価値があるのか!」と訴え、白岩は「清丸を殺すとしたら、この人が一番ふさわしいと思いませんか」と言います。それでも銘苅は清丸を殺すことをよしとはしません。
再度銘苅は、誰かが位置を発信しているのではないかと疑います。
白岩はメールを打っていたため疑われますが(だから電源・・・)、それは一人息子への「今日も遅くなるから、カレーを温めて食べてね」というたわいもないものでした。
そして銘苅は奥村の腕に傷を見つけます。それはマイクロチップが埋め込まれたあとでした。
奥村は10億円とひきかえに、場所を教えていたのです。
奥村は「あの清丸は女の子の顔を、まぶたが開かなくなるほどに殴り、精液をぶちまけたんたぞ。生まれついてのクズは溢れているんだよ。清丸を生かしておいたことをいつか後悔するときがくるぞ!」と訴えます。
これに銘苅は「奥村さん、不思議だな。金の話が聞こえると、あんたの話が全部言い訳に聞こえてくるよ」と返します。
~MISSION5 タクシー~
ついに護送メンバーは銘苅と白岩の2人だけになりました。
奥村により「清丸がSPの2人を人質にとっている」というウソ情報が流されます。
ここで前述のルールの「②国家が認めた殺人」が思い出されます。
国家が認めた殺人とは「射殺」。警官が罪を問われずに行えるものでした。
ここで銘苅は一般人の車をまたも拝借しようとするのですが・・・すげーびっくりしたことに、ここで白岩は清丸に「あそこで誰かが見ていますよ」と指差さされて、よそ見をしていたおかげで清丸を逃します。なんで引っかかるんだよ!なんでちゃんと拘束せずによそ見してんだよ!お前本当にSPかよ!
清丸は民家にいた少女にいたずらをしようとしますが、銘苅に止められます。
清丸は「どうせ死ぬんだからいたずらするくらいいいでしょ~」とほざきますが、その後に「おふたりが10億円を手にしたら、僕の母ちゃんに少しだけでもわけてやってください」と殊勝なことを言います。
その後に3人はタクシー運転手(余貴美子)の車に乗り、運転手は今まで清丸を襲ったものがいかに金に困っていたかを教えてくれます。
そして運転手は「みんな家族に金を残そうとしていた」とも言います。
これは先ほど、清丸が母にお金を残したいと言っていたこととシンクロします。
タクシー運転手はいつの間にかいなくなり(たぶん銘苅たちが金を払い、その代わりにタクシーを譲渡した)、2人は一般人のふりをして(清丸はトランクに入れて)検問を抜けます。
「検問は客を乗せたタクシーには甘い」なんて情報は初めてしりました。
そして・・・ラジオから清丸の母が自殺したという報道が流れます。
遺書の内容は「もう悪いことをせんでください」と言うものでした。
たまらず「車を止めてください」と言う清丸。
そして、銘苅の携帯に、蜷川からの電話が入ります。
~MISSSION6 畑のそばで~
銘苅は蜷川に「あんたのやり方は間違っている!」と激昂しますが、蜷川は「どんなやり方も全て間違いだ」と言いました。
蜷川は序盤に「私は金でなんでも買える。子どもの命以外はな」と言っていました。蜷川自身も、自分のやっていることの虚しさをどこかに感じていたのだと思います。
さらに蜷川は「君の奥さんを殺した犯人も、私が請け負おう」と言います。あんたじゃなくて普通に殺し屋雇いたいです。
蜷川が「君も私と同じじゃないのかね」と話している最中・・・清丸は鎖を持ち上げようとしていました。
そしてまたもよそ見をしていた白川に鎖アタック。銃を奪い、清丸は白川を撃ち殺してしまいます。
スー、ハー(ツッコミの準備)
なんでよそ見してんだよ!(2回目)
なんで防弾チョッキを着てねえんだよ!(2回目)
悲しいシーンなのに笑いそうになってしまったじゃないか!
その後の白岩の「すみません、油断しました」という台詞もキツい。油断しすぎ。
*ちなみに原作小説ではみんな防弾チョッキを着ており、白岩の殺され方も全く違うそうです。
銘苅は「なぜ殺した!お前を命懸けで守ろうとしたんだぞ!」と激昂し、清丸は「だってこの人オバサン臭いんだもの」と笑いながらほざきました。
銘苅は何度も、何度も清丸を殴りつけます。
銘苅は以前、挑発に乗ろうとした神箸には「殴るのは面会室に行ってからにしろ」と冷静に言っていたのに・・・
さらに清丸は「死んだ奥さんがっかりだろうな、『あなたは人を守るのが仕事でしょう』ってさ」とさらに挑発します。
銘苅は「妻はそんなこと言っていない!病院ではずっと昏睡状態だった。俺が勝手に作り上げたんだ。その小さな物語を信じなければ、俺は生きていけなかったんだ。教えてやる、5人の中で一番お前を殺したかったのは、この俺だ!」と声を荒げながら言います。
銃口を口に突きつけられた清丸が高らかに笑い、そして画面は暗転します。
~LAST MISSSION 事件の終焉~
舞台は東京の裁判所の前になります。そこに銘苅の乗った車もたどり着きます(どうやって来たんや)。
そして、車の中には清丸もいました。銘苅は、清丸を殺さなかったのです。
大勢の警官たちに囲まれている中、蜷川もそこにやってきます。
銘苅は路上の真ん中に清丸をほっぽり出して蜷川と会話を始めます。
以降
蜷川「なぜこんなことが許せる?」
銘苅「死者のことばに耳を傾けてください、ちかちゃんはこの男を殺してくれと言っていますか」
蜷川「死んだ人間はしゃべらないんだ」
などと2人はシリアスな会話をしますが、超フリー状態になっている清丸が気になって仕方がありません。<この間清丸はほったらかしです
そして蜷川が杖に仕込んだ刀で清丸を殺そうとします。
なんとか銘苅が蜷川をふん縛ります。
そして、蜷川の刀を取って銘苅に突撃をしていく清丸!
清丸は銘苅を思い切りぶっ刺し、「すっげえ」と言います。
周りの警察が「清丸、確保ー!」と今更行動します。
スー、ハー、スー(ツッコミの準備)
なんで清丸を誰も撃たねえんだよ!
ほったらかしにしている状態もひどいもんですが、刀を持っている危険人物(しかも賞金は10億円✩)を見ていて誰も発砲しないのはおかしいなんてもんじゃねえです。
~ラスト~
蜷川は殺人教唆の罪で逮捕され、賞金も取り消しになると報道されます。
最後に清丸は死刑を言い渡されます。
清丸の最後のことばは「後悔、反省しています。どうせ死刑になるなら、もっとやっておけばよかったかなって」というおぞましいものでした。
クズはクズのまま、多くの人間の不幸と死を巻き込みながら、死ぬのです。
最後は、銘苅が白岩の息子を迎えに行き、2人が歩き出すというシーンでした。
しかし銘苅が、刀で刺されていて無事だったかどうかは作中では示されていません。
ラストシーンは本当のことかもしれないし、銘苅が死ぬ前に見た夢なのかもしれません。
しかしそれではあまりに救いがないので、ラストシーンは現実のことであったと信じたいです。
~藁の楯~
藁とは弱いものの代名詞であり、藁の楯とは銘苅たちを示したものです。
しかし銘苅は最後の最後まで清丸を殺さず、守り通しました。
藁とは一本一本は弱いものだが、信念を持つものであれば、それは強固なものになる。
そんな逆説的なタイトルに思えます。
~クズを守る理由~
銘苅が奥村に言ったとおり、いくら「クズだから」という理由を掲げても、そこに金が絡んでくれば私利私欲です。
後に白岩が清丸を殺そうとするとき、銘苅は「そんなことをすれば君に10億が入る。君のプライドが許すはずがない」と言い、白岩は「蜷川の誤算ですね。10億がなければよかったのに」と返します。
白岩は、金ではなく自分の矜持のために清丸を生かそうとしていたのです。
そして銘苅は、妻のことばを支えに清丸を殺そうとしないと言っていましたが、それは自身が作り上げた物語にすぎませんでした。
銘苅は、自分が正しいと信じたことをやり遂げるために、クズを生かそうとしました。
恨みよりもそれを重んじた銘苅は、誰よりも強い存在であったと思います。
~ツッコミどころベスト5~
5位 なんで新幹線降りた後、一般人が一人しかこないの?
4位 なんで防弾チョッキを着ているのは銘苅だけなの?
3位 なんで白岩は2回もよそ見して清丸を取り逃すの?
2位 なんで銘苅はあんだけ必死に守ってきた清丸を路上にほっぽり出すの?
1位 路上でほったらかしになっている清丸をなぜ誰も撃たないの?
作中で「俺たちにできることは(居場所が知れている理由の)可能性を潰すことだ」という台詞が2回あるのですが、この映画はツッコミどころの可能性をまったくもって潰せていませんでした。
たぶんこれが洋画であれば、暴行殺人だとか復讐だとか警護だとか質面倒くさい話は抜きにして、「何故か知らないが皆が自分を狙っている!」「気が付けばウェブや新聞で俺を殺せと書かれている!」「警護する奴が現れた、これで助かるか!?」「否、こいつらも敵か!?」みたいな映画になるのでしょうね。
どうも日本のこの手の作品は、設定を逐々作っておかしくなるか、マクガフィンと割り切ったは良いがラストが中途半端になるかの2択という気がしています。
昔、黒澤がやっていたようにロールプレイングで複数の作家が立場を入れ替えて攻め、守るというパターンで組み立てていけばいくつかの穴は防げるだろうに。
まぁあんなのは黒澤組しかできないだろうけど。
何しろ、日本はホウチ国家ですから、いかに権力上部と癒着していても、そんな条件が公開された時点で、禁止事項でしょうに。
発信人の特定は、割合簡単に、どっちか一人に決まってました。
新幹線妨害があったのに、降りたら、普通、妨害工作者が攻撃してくるもんですが、それに降りて歩いたりしたら、こりゃ、馬鹿でしょう。
最後の、公衆の前での犯人引き渡しシーン。
あんなことが、実際起きるわけないでしょう。
普通、本署の中庭に車を入れて、拘留開始のはず。
なんで、アンナ道路上で、パフォーマンスをする?
「ハリウッド並みになった」とか書いている人もいましたが、冗談じゃない!
前の方も書いていますが「一人よがり」の筋立てでは、困っちゃいますね。
日本映画は、本当に、警察、銃撃戦、爆破ものは、よほどの骨格がないと、見るたびに失望ですね。
シュワちゃんのラス・スタンドは荒唐無稽さにおいては、同じようなものですが、もう少し、伏線を張り巡らしてあります。
試写→死者ではないかと。
さて中味ですが、確かに言われてみれば穴の多い作品でした。
日本は脚本家が上の人しか書けないみたいなルールでもあるのか、殆ど同じ人ばかりだから超テキトウな脚本が多い気がします。
でも私は本作品がかなり好き。なぜなら藤原竜也の気持ち悪い演技が大好きだから(笑)
いや、ムカつきましたが。映画をみていてあれほどムカつく演技ができるのはやはり凄いことなのでは?
と思います。この映画の一番凄いのは、藤原竜也の演技で一番ダメなのは脚本家だと思います。
誤字指摘感謝です。
みなさんも不満に思われていますが、本当に脚本はどうにかならなかったのかな、と。
藤原竜也をはじめ、大沢たかおも素晴らしい名演でした。
やむをえないです
本当にこれ誤用多いんですね。
止む を 得ない んです。
止む負えないだと意味がわかりません。
>
> やむをえないです
ご指摘感謝です^^)
私も先日この作品を観に行ったばかりですので、コメントさせていただきます。
私的には、蜷川がプロの殺し屋に頼まずわざわざ広告にして一般市民に殺させようとした理由は、なんとなくわかります。
清丸を怯えさせる為ではないでしょうか?すぐに殺すのではなく、死に対する恐怖を煽りたかった。そんな気持ちだと思います。
でも10億円支払うというのは、どうもしっくりこなかったです。多額すぎてリアリティがないというか、もし作中の一般庶民の立場だったら本当に支払ってくれるのか?と疑問に思います。1億円の方が現実味がある気がします…。
それから私もSPの油断と防弾チョッキを着ていなかったこと、ツッコミたいところでした。笑
それから携帯電話もずっと気になって仕方なかったです。銘苅と白岩がやたら携帯電話を使っていましたが、GPSついてるだろー!!そのせいで居場所がわかっちゃうんじゃないのかー!!と言いたくなりました。結局、居場所がわかってしまう原因は違いましたが…。
とにかくツッコミどころもありましたが、藤原竜也と大沢たかおの迫真の演技とアクションやスリル感がとても良かったので、面白かったです。
ツッコミどころ満載ですが、原作はどうなんでしょうね?(((^_^;)
打たれた直後はちゃんと銃弾の穴が開いていたのに、
いつの間にか綺麗なワイシャツに…! どこで着替えたの!?
原作にはそんなに矛盾を感じない。
あちこち設定を変えたのがイケナイんだね。
私が気になるのは、なぜ白岩がSPに選ばれたのか。
これについては説得力が弱いかなぁと…。
でも、面白い映画だった。大沢たかお、よかったし。
この手の映画は苦手でした。
が、心が病んじまった昨年から、悪の経典やらなんやかや、
とても見たくなりました。
こんな状況にいると思えば、今の自分はすっげー幸せだ、と
自分の甘さを認識して元気になれると思ったからです。
後味悪いという評判が多かったので、友人と見に行こうか一人で行こうか迷いましたが、これは一人で見たいと思いました。
素晴らしい文章表現力でいらっしゃいますね。
とてもよくわかりました。
誤字の指摘に対する謙虚な姿勢も尊敬します。
ほしかったものを与えていただきました。
本当にありがとうございました。
> 打たれた直後はちゃんと銃弾の穴が開いていたのに、
> いつの間にか綺麗なワイシャツに…! どこで着替えたの!?
一応その後、救急隊員に診てもらって、着替えていたと思います。
> 原作にはそんなに矛盾を感じない。
> あちこち設定を変えたのがイケナイんだね。
設定もそうですが、後半の展開が・・・
> 清丸をタクシーから下ろした時、タクシーの後ろのドアが自動で閉まって、次のシーンではドアが開きっぱなしになってました。
細かいところをみるともっとツッコミどころありそうですね。
> 素晴らしい文章表現力でいらっしゃいますね。
> とてもよくわかりました。
> 誤字の指摘に対する謙虚な姿勢も尊敬します。
> ほしかったものを与えていただきました。
> 本当にありがとうございました。
多分な褒め言葉痛み入ります。たしかにこの映画は後味が悪いので、人を選びそうです。
「志村~、うしろうしろ~」といいたくなるシーンがいくつもありましたねw
さて、
>そもそもの「犯人殺したら10億円あげるよ」にしたって
>・殺人教唆にあたることなので、殺したところで金は国に没収されて、受け取れないのでは?
ここの突っ込みの部分を観たときは、「ごめん、やっぱりナシwww」ってのが落ちかと思いました。何故なら公序良俗に反する契約は保護されないから。
まあ、細かい突っ込みは置いておけば良い映画だと重いました
参考になったので追記します。
おおいにツッコミましたが、展開自体は楽しめました。
しかし、法律には抜け道があります。
例をあげます。
蜷川に「清麿を殺したから十億よこせ!」
と犯人が迫った場合。
蜷川が「法律違反だから無理(笑)」
そして民事裁判を起こし、賠償金として蜷川が十億を払う。
茶番劇ですが、法律上として問題がなくなります。と、小説では描かれてました。
他にも原作では色々と取材したあとがあったのですが、脚本が……ね(笑)
白岩や他のSPも原作とおりに防弾チョッキを着せれば、まだ違和感が消せたのに。白岩の殺しかたも改悪してしまいましたし。
俳優陣の演技が圧倒的だけに残念でした。
結果は、ブーイングで「無残」の一言!
当たり前ですね。
原作ではちゃんとしていたのに、どうしてこうなった・・・
俳優陣の演技は本当に素晴らしかったです。