ラリったら3Dで殺される映画「ジャッジ・ドレッド(2012)」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
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個人的お気に入り度:6/10
一言感想:アクションよりも麻薬による幻覚の描写が面白いんですけど
あらすじ
ジャッジ・ドレッドとそのパートナーがビルの中で悪人たちをぶっ殺します。
ジャッジ・ドレッドはコミック原作の人気キャラクターであり、「JUDGE(裁判官)」の名前通りに悪を裁く法の執行者です。
シルベスター・スタローン主演で1995年に映画化されたこともあるのですが、ものごっそい大コケ&評価が悪かったためにリメイク(リブート)としてこのたび復活を遂げました。
まあ作中では法がどーとか言う前に悪党どもを問答無用にぶっ殺すキャラにも見えますが、それはそれ。こういう躊躇のないヒーロー像は大好きです。
本作の物語はシンプルで「新人の美女と一緒にビルにいるボスを倒すために頑張る」というだけです。
多くの方が思うでしょうが、この「ビル内で戦う」という設定は昨年公開されたインドネシア産映画「ザ・レイド」とそっくりです。
ただの偶然なのでしょうが、ここまで似ているのはなかなか類を見ません。
ザ・レイドかジャッジ・ドレッドを観た方は、もう一つを同じ映画の別バージョンとして楽しめるのかもしれません。
正直に言うと、本作は高速体術バトルが楽しめるザ・レイドに比べると、アクション描写はいまひとつでした。
中ボス、大ボスキャラの存在が希薄で、敵を追いつめるまでの知略や緊張が見えにくく、少し単調に感じてしまいます。
しかしこの映画ならではの面白さもあります。
それは麻薬による幻覚の描写でした。
(軽いネタバレかもしれませんが、言ってしまうと)本作で登場する麻薬は「スローモーションの幻覚を見る」作用があるのです。
しかも服用しているときの痛覚もスローにやってくるので、そのことが拷問に使われたりしています。
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」にも似た設定がありました。

本作はクスリでラリってしまって世界がキラキラと輝いていてヤバい幻覚をスローでばっちり描きます。
クスリの幻覚を疑似体験できる本作はかなりお得(?)と言えるでしょう
惜しむらくは、3D対応バージョンのDVD&Blu-rayの発売が予定されていないことです。
自分は3D版を劇場で観ていたのですが、今まで観た中でもトップクラスで3Dが効果的に使われていた作品だと感じたので、もったいないと思います。
まあその3Dが最も生かされていたのも、ラリってるシーンなんですけどね。
日本版の予告ではアクションばかりがアピールされていましたが、海外版の予告ではその幻覚のシーンを観ることができます(ネタバレ注意)↓
あと日本の宣伝にひとつ苦言を呈するなら、「2人対75000人」というのがうそっぱちであること。
75000人の中には無害な住民もいるので、実際は2人対50人くらいのもんです。
映画としてのバランスはあんまりよくないので積極的にはオススメしないものの、気軽に麻薬の幻覚を体験をしたい方(こう言うと危ないな)には是非観ていただきたい作品です。
R15+指定だけに肉片や血が飛び散る残酷描写がかなり強烈ですので、その点もご注意ください。
以下は超絶ネタバレ 思い切りラストの展開もネタバレしているので、鑑賞後にご覧ください↓
~作中の特殊な彈VS「ママ」~
ドレッドが使う特殊な弾丸の数々は実に楽しかったです。
「白熱弾」<なんかかわいそう・・・
「焼夷弾」<けむにまく
「破壊弾」<頭も吹っ飛ぶ
他にも弾の残量が具体的な数字じゃなく、「あとわずか」とアバウトな表示をするのに笑いました。
まあそれより強かったのはボスキャラ「ママ」の使う機関銃だけど。<撃ちまくり
1フロアまるごと、住民ごと撃ちまくるママ。マジで外道でした。
~どっちがドレッド?~
弱ったのが、途中でジャッジたちを装った(買収された)集団が敵としてビルに入り込んでくるのですが、このおかげで今観ているのが敵なのか、それともドレッドなのか見分けがつかないことになってしまうことです。<全員同じに見える
ビジュアルを変えた方がよかったんじゃ・・・
*以下のご指摘を受けました
ジャッジは法の執行官なので、悪のジャッジも全員同じ制服なんですよね。
自分は原作に忠実な点をむしろ評価しました(スタローン版はここを守らなかず、スタローンにタンクトップを着せて原作ファンからかなり叩かれていました)。むしろ、障害物の中での銃撃戦の緊迫感が増しているような印象さえ持ちました。
また、よく見ると悪ジャッジの制服は若干ネームプレートや帽子がボロボロになっているという演出がされていて、敵-味方の区別について製作側も憂慮・苦心しているのを感じ、製作者の誠意を感じました。
一人だけ女性がいたのはわかりやすかったけどね。
その女性が、ドレッドの相棒で「新人」のアンダーソンの心を読む能力であっさり本心読まれちゃって、5秒で倒されるのには笑いました。
~ラスト~
残念なのが、「ママ」がボスキャラとして全く戦わなかったこと。
最後に「このビルを爆破するわよ」と脅すだけなんて・・・そりゃないよ。
そしてドレッドに「スローモー」を飲まされ、地面に落とされるママ。
ここで3D限定で驚ける描写があります。
ママは「ガラス張り」になっている地面に落ちてグシャってなるのですが、そのとき3Dで飛び出してこないのです。
「3Dで飛び出してくるぞ!」と思わせといて、その手前でグシャグシャとつぶれるショックシーンを見せるとは恐れ入りました。<直前のこのシーンでは3Dでガラスの破片が舞っていたのに・・・
あとママの腕の装置のランプが消えたのに爆発しないのはどうして?と思っていたのですが、自分は重要な台詞を聞き逃していました。
*頂いたご意見より
ママの爆弾が爆発しなかったのは屋上と一階だと起爆装置が圏外になる為に爆弾しないという事が、ママとドレッドの会話で示唆されていたと思います。
「起爆装置が心臓とつながっているからお前は私を殺せな」いと勝ち誇るママ→ドレッド「1階なら電波の圏外だよな?」→ママ「(ハッ)」→ドレッド、ママにヤクぶち込んで突き落す。という展開に劇場でテンションあがちゃった記憶があります。
しかしあの高ーい吹き抜けをゆ~っくり落ちるなんて考えたくない!
やっぱりクスリはダメ、ゼッタイ!
オススメ(超ネタバレ)↓
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私は劇場で結構楽しく楽しみました、ジャッジドレッド。カゲヒナタさん風に言えば7点くらいでしょうか。もっとも私は原作漫画好きなのでマイノリティかもしれません(あと、あの新人の女の子を演じている女優さんが、自分の好みすぎたという点からも公正な評価になっていない可能性濃厚です)。
差し出がましいようですが、一点だけご指摘を。ママの爆弾が爆発しなかったのは屋上と一階だと起爆装置が圏外になる為に爆弾しないという事が、ママとドレッドの会話で示唆されていたと思います。
「起爆装置が心臓とつながっているからお前は私を殺せな」いと勝ち誇るママ→ドレッド「1階なら電波の圏外だよな?」→ママ「(ハッ)」→ドレッド、ママにヤクぶち込んで突き落す。という展開に劇場でテンションあがちゃった記憶があります。
そのあとの、ママ衝突シーンで「飛び出さない」演出は私も秀逸と思いました。
こちらは細かい点ですが、ジャッジは法の執行官なので、悪のジャッジも全員同じ制服なんですよね。ご指摘通り、戦闘シーンは敵ー味方の区別がつかずちょっと分かりにくかったですね。
しかし、自分は原作に忠実な点をむしろ評価しました(スタローン版はここを守らなかず、スタローンにタンクトップを着せて原作ファンからかなり叩かれていました)。むしろ、障害物の中での銃撃戦の緊迫感が増しているような印象さえ持ちました。
また、よく見ると悪ジャッジの制服は若干ネームプレートや帽子がボロボロになっているという演出がされていて、敵-味方の区別について製作側も憂慮・苦心しているのを感じ、製作者の誠意を感じました。
あの敵か味方がわからないシーンは、原作に忠実なのですね。しかも細かい演出まで!
自分はスタローン版は見ていないのですが、タンクトップにまでなって「違い」を見せなくても(笑)と思いました。
あのあとにドレッドが「待て」と言う件は大好きです。