1000万ヒットありがとう&ブログを引っ越します!
※ブログ引越し作業中です。映画レビュー50音順一覧のページから、一部の映画のタイトルがどんどん見れなくっていっていますが、これは新ブログに移動したんだな、と思っていただけると幸いです。
当ブログが1000万ヒットを達成しました!
このブログを始めたのが、2010年10月末。ほぼ丸6年かかっての1000万ヒットか……感慨深いですね。
これまで続けてこれたのも、読者の方々、ブログでコメントをしてくれる皆さんがいたおかげであります。本当にありがとうございます。
さてさて、この節になんですが、ブログを引っ越します。
まだ移転作業は全部済んでいないけど、ひとまず大嫌いな映画『グッドモーニングショー』の感想を書きましたよ!

こちらからぜひお読みください↓
『グッドモーニングショー』がいかに醜悪な精神性を持っているかを全力で語る(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
こちらも書きました↓
『GANTZ:O ガンツオー』ラストで訪れる感動の理由(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
『SCOOP! スクープ』報道の道義を問う映画だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
なんで心機一転!ブログ引っ越し!というタイミングで『グッドモーニングショー』をレビューしているんですかね(自分でもわかりません)
そんなわけで今後はこちらでブログを続けていきます。
↓
<カゲヒナタの映画レビューブログ>
あ、そうそう、以下の約束をしてしまったのですが。
いまからマジで震えております。
あと、引越し作業はまだまだ膨大だよ!(過去の記事を移転するから)
当ブログが1000万ヒットを達成しました!
このブログを始めたのが、2010年10月末。ほぼ丸6年かかっての1000万ヒットか……感慨深いですね。
これまで続けてこれたのも、読者の方々、ブログでコメントをしてくれる皆さんがいたおかげであります。本当にありがとうございます。
さてさて、この節になんですが、ブログを引っ越します。
まだ移転作業は全部済んでいないけど、ひとまず大嫌いな映画『グッドモーニングショー』の感想を書きましたよ!

こちらからぜひお読みください↓
『グッドモーニングショー』がいかに醜悪な精神性を持っているかを全力で語る(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
こちらも書きました↓
『GANTZ:O ガンツオー』ラストで訪れる感動の理由(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
『SCOOP! スクープ』報道の道義を問う映画だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
なんで心機一転!ブログ引っ越し!というタイミングで『グッドモーニングショー』をレビューしているんですかね(自分でもわかりません)
そんなわけで今後はこちらでブログを続けていきます。
↓
<カゲヒナタの映画レビューブログ>
あ、そうそう、以下の約束をしてしまったのですが。
みなさんの投票のおかげで、史上もっとも嫌いな脚本家の作品をレビューすることになりました。ありがとうございます!(なんで自分はこいつを選択肢に入れてしまったんだろう……) pic.twitter.com/inyQKufoGh
— ヒナタカ (@HinatakaJeF) 2016年7月17日
いまからマジで震えております。
あと、引越し作業はまだまだ膨大だよ!(過去の記事を移転するから)
『高慢と偏見とゾンビ』原点にリスペクトしすぎ(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『高慢と偏見とゾンビ』(原題:Pride and Prejudice and Zombies)です。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:マジメか!
あらすじ
18世紀のイギリス、その地では大量のゾンビがはびこっており、リジー(リリー・ジェームズ)ら5人姉妹は少林寺拳法とナイフ術を駆使してゾンビと戦う毎日を過ごしていた。
ある日、リジーは大富豪の騎士であるダーシー(サム・ライリー)と出会うが、その高慢な態度にリジーは苛立ちをつのらせる。
ジェーン・オースティンによる名著『高慢と偏見』の物語にゾンビを登場させちゃった愉快な映画です。
この1行でもう紹介を終わってもいい気がします。
今回は、詳しい解説と見所を以下に書きました↓
<『高慢と偏見とゾンビ』をもっと楽しむための5つのポイント>
要するに、
本作はほとんど『高慢と偏見』まんまであり、
真面目な恋愛話に半ば無理やりゾンビがねじ込まれるのが楽しい、
『プライドと偏見』を観ておくとおもしろさが5割増しする
ということですよ!
さてさて、上の記事では存分に褒めたので(そんなに褒めていない気もするけど)で、こちらではちょっと残念だったことを書きます。
何より、ゾンビ映画なのに血しぶきや臓物がほとんど出てこないんですよね。
記事に書いた通り、B吸映画にせずに格調高く仕上げたのは本作の美点なのですが、やはり自分はアホアホグログロ悪趣味B吸ゾンビ映画のほうが好きなのだと再認識しました(身も蓋もない発言)。
展開も『高慢と偏見』をなぞりすぎるがあまり、パンチ力が足りません。
ゾンビ映画だったらこれもほしいなーあれもあるといいなーという希望が、メロドラマが主体であるために叶えられないんですよね。
それでいて、せっかく張った伏線が生かされていないところもあるし……もう少しハジけてくれてもいいんだけどな。
自分がこの映画で一番好きだったのは、ゾンビそのものではなく、豪華な衣装に身を包んだ女性たちがナイフを脚に忍ばせたり、女性たちのお茶会かと思っていたらライフルを磨いていたり、会話をしながらカンフーバトルをするといった狂った(超褒めています)世界観だったりします。
オープニングでの舞台説明は頭がクラクラするくらいアホらしい(超褒めています)ので最高だったぜ!
<この世界の常識
あ、そうそう、作中では日本語を話すシーンがひとつだけあるのですが、かなり高度なヒアリング能力が問われます。
まあ字幕はあるんだけど、それがなかったらマジで何言ってんだかわかんないよ。
そんなわけで、そこそこ以上にはおすすめ。
ゾンビ好きな男の子と、ラブストーリー好きな女の子の両方の需要を満たせるので、デートにもどうぞ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ すぐ終わります。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:マジメか!
あらすじ
18世紀のイギリス、その地では大量のゾンビがはびこっており、リジー(リリー・ジェームズ)ら5人姉妹は少林寺拳法とナイフ術を駆使してゾンビと戦う毎日を過ごしていた。
ある日、リジーは大富豪の騎士であるダーシー(サム・ライリー)と出会うが、その高慢な態度にリジーは苛立ちをつのらせる。
ジェーン・オースティンによる名著『高慢と偏見』の物語にゾンビを登場させちゃった愉快な映画です。
この1行でもう紹介を終わってもいい気がします。
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今回は、詳しい解説と見所を以下に書きました↓
<『高慢と偏見とゾンビ』をもっと楽しむための5つのポイント>
要するに、
本作はほとんど『高慢と偏見』まんまであり、
真面目な恋愛話に半ば無理やりゾンビがねじ込まれるのが楽しい、
『プライドと偏見』を観ておくとおもしろさが5割増しする
ということですよ!
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さてさて、上の記事では存分に褒めたので(そんなに褒めていない気もするけど)で、こちらではちょっと残念だったことを書きます。
何より、ゾンビ映画なのに血しぶきや臓物がほとんど出てこないんですよね。
記事に書いた通り、B吸映画にせずに格調高く仕上げたのは本作の美点なのですが、やはり自分はアホアホグログロ悪趣味B吸ゾンビ映画のほうが好きなのだと再認識しました(身も蓋もない発言)。
展開も『高慢と偏見』をなぞりすぎるがあまり、パンチ力が足りません。
ゾンビ映画だったらこれもほしいなーあれもあるといいなーという希望が、メロドラマが主体であるために叶えられないんですよね。
それでいて、せっかく張った伏線が生かされていないところもあるし……もう少しハジけてくれてもいいんだけどな。
自分がこの映画で一番好きだったのは、ゾンビそのものではなく、豪華な衣装に身を包んだ女性たちがナイフを脚に忍ばせたり、女性たちのお茶会かと思っていたらライフルを磨いていたり、会話をしながらカンフーバトルをするといった狂った(超褒めています)世界観だったりします。
オープニングでの舞台説明は頭がクラクラするくらいアホらしい(超褒めています)ので最高だったぜ!

あ、そうそう、作中では日本語を話すシーンがひとつだけあるのですが、かなり高度なヒアリング能力が問われます。
まあ字幕はあるんだけど、それがなかったらマジで何言ってんだかわかんないよ。
そんなわけで、そこそこ以上にはおすすめ。
ゾンビ好きな男の子と、ラブストーリー好きな女の子の両方の需要を満たせるので、デートにもどうぞ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ すぐ終わります。
『怒り』疑うことと、信じること(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想『怒り』です。
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:信じるって難しい(いや、簡単かも)
あらすじ
東京・八王子で凄惨な殺人事件が起き、その現場には「怒」の血文字が残されていた。
その事件から1年、千葉の漁港に住む洋平(渡辺謙)の娘である愛子(宮崎あおい)は、田代(松山ケンイチ)と名乗る青年と恋仲になる。
時を同じくして、東京、沖縄でも、「殺人犯と疑わしき男」がフラッと現れるのだが……。
本作は、BL(ボーイズラブ)な要素があるため、SNS上で大いに話題を集めています。
Twiiterの検索候補には「怒り BL」とか「綾野剛 受け」とか出てきますからね。どんな形でも映画が話題になるのはいいことです(たぶん)。
このあたりのBL要素、本作のテーマ、役者などの魅力、ネタバレなしの原作小説との違いについては以下にも書きました↓
<『怒り』BL全開な綾野剛に萌えた理由と、“信じる”難しさを描いた傑作であった5つの理由 | シネマズ by 松竹>
まあなんつーか、綾野剛が可愛すぎて新しい扉を開いてしまいそうなんですよ。
<ベストカップル
そんなわけで、綾野剛と妻夫木聡のカップリングに期待する人は絶対に観に行きましょう。
さてさて、本作は吉田修一の同名小説の映画化作品であり、監督は『フラガール』『許されざる者』の李相日(り そうじつ)です。
この原作者と監督のタッグは、興行収入20億円近いヒットを記録した『悪人』以来6年ぶりとなります。
この機会に『悪人』を観てみたのですが……好きな人にはごめんなさい、これはあまり肯定できる内容ではなかったです。
なぜなら、人を殺した主人公(妻夫木聡)を善、大学生(岡田将生)と殺された女性(満島ひかり)を超クズに描くという、「観客に想像の余地を残さない」作風だったからです。
これは「本当の悪人は誰か」(を観客に考えてもらう)というテーマとも矛盾していないでしょうか。
自分の不満は、以下の論理的かつ明確な記事でもよくわかるので、ぜひ読んでみてください(ネタバレ全開)↓
<悪人 [映画感想] | にわか映画ファンの駄目な日常>
しかし、今回の『怒り』はこの不満が完全に解消されていました。
終盤ギリギリまで「信じた人が殺人犯か否か」ということが明確にされないため、ずーっと「この人を信じていいのか」という疑心暗鬼に追い込んでくれるからです。
これは、推理小説によくある「犯人が誰かを当てる」という要素と同じようで、ちょっと違います。
観客はほんのちょっとだけの「情報」や、登場人物の「些細な言動やしぐさや特徴」をもとに、その人物を信じるかどうかに迫られるのです。
この疑心暗鬼に陥ることが、まさに「この人は殺人犯なのか」と考える登場人物にシンクロしていきます。
「感情移入をする」「登場人物と自分を同調させる」という映画の醍醐味を、存分に味わうことができるでしょう。
<この親子関係も身につまされるなあ……。
PG12指定ではやや甘い性的なシーンもありますが、それは作品に必要なものです。
3つの物語を(ほぼ)同時並行で描くという構成、編集も見事に成功しています。
撮影と照明は「極上」と呼んでもいいほどの美しさがありました。
坂本龍一のピアノ主体の音楽は、『レヴェナント』以上に心をかき乱してくれます。
2時間22分という上映時間ですが、その長さを感じさせません。
豪華すぎる俳優陣の演技を期待する人、重圧な映画を求める方に、ぜひおすすめします。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:信じるって難しい(いや、簡単かも)
あらすじ
東京・八王子で凄惨な殺人事件が起き、その現場には「怒」の血文字が残されていた。
その事件から1年、千葉の漁港に住む洋平(渡辺謙)の娘である愛子(宮崎あおい)は、田代(松山ケンイチ)と名乗る青年と恋仲になる。
時を同じくして、東京、沖縄でも、「殺人犯と疑わしき男」がフラッと現れるのだが……。
本作は、BL(ボーイズラブ)な要素があるため、SNS上で大いに話題を集めています。
『怒り』の妻夫木聡と綾野剛、役作りの為に同棲してたというだけでも最高なのに
— スルメ王子 (@surume1119) 2016年9月17日
綾野「コンビニ行くけどなんかいる?」
妻夫木「いらない」
と行ってコンビニ行った綾野剛がそのまま帰らなかった。それが2人の同棲の終わりだったっていうのもう100点満点の120点。
Twiiterの検索候補には「怒り BL」とか「綾野剛 受け」とか出てきますからね。どんな形でも映画が話題になるのはいいことです(たぶん)。
このあたりのBL要素、本作のテーマ、役者などの魅力、ネタバレなしの原作小説との違いについては以下にも書きました↓
<『怒り』BL全開な綾野剛に萌えた理由と、“信じる”難しさを描いた傑作であった5つの理由 | シネマズ by 松竹>
まあなんつーか、綾野剛が可愛すぎて新しい扉を開いてしまいそうなんですよ。

そんなわけで、綾野剛と妻夫木聡のカップリングに期待する人は絶対に観に行きましょう。
さてさて、本作は吉田修一の同名小説の映画化作品であり、監督は『フラガール』『許されざる者』の李相日(り そうじつ)です。
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この原作者と監督のタッグは、興行収入20億円近いヒットを記録した『悪人』以来6年ぶりとなります。
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この機会に『悪人』を観てみたのですが……好きな人にはごめんなさい、これはあまり肯定できる内容ではなかったです。
なぜなら、人を殺した主人公(妻夫木聡)を善、大学生(岡田将生)と殺された女性(満島ひかり)を超クズに描くという、「観客に想像の余地を残さない」作風だったからです。
これは「本当の悪人は誰か」(を観客に考えてもらう)というテーマとも矛盾していないでしょうか。
自分の不満は、以下の論理的かつ明確な記事でもよくわかるので、ぜひ読んでみてください(ネタバレ全開)↓
<悪人 [映画感想] | にわか映画ファンの駄目な日常>
しかし、今回の『怒り』はこの不満が完全に解消されていました。
終盤ギリギリまで「信じた人が殺人犯か否か」ということが明確にされないため、ずーっと「この人を信じていいのか」という疑心暗鬼に追い込んでくれるからです。
これは、推理小説によくある「犯人が誰かを当てる」という要素と同じようで、ちょっと違います。
観客はほんのちょっとだけの「情報」や、登場人物の「些細な言動やしぐさや特徴」をもとに、その人物を信じるかどうかに迫られるのです。
この疑心暗鬼に陥ることが、まさに「この人は殺人犯なのか」と考える登場人物にシンクロしていきます。
「感情移入をする」「登場人物と自分を同調させる」という映画の醍醐味を、存分に味わうことができるでしょう。

PG12指定ではやや甘い性的なシーンもありますが、それは作品に必要なものです。
3つの物語を(ほぼ)同時並行で描くという構成、編集も見事に成功しています。
撮影と照明は「極上」と呼んでもいいほどの美しさがありました。
坂本龍一のピアノ主体の音楽は、『レヴェナント』以上に心をかき乱してくれます。
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2時間22分という上映時間ですが、その長さを感じさせません。
豪華すぎる俳優陣の演技を期待する人、重圧な映画を求める方に、ぜひおすすめします。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』ジジイ萌えを開拓せよ!(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:スピルバーグなんだからみんな観よう!
あらすじ
ロンドンの児童養護施設で暮らしている10歳の女の子ソフィー(ルビー・バーンヒル)は、身長約7メートルの巨人BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(マーク・ライランス)と出会う。
巨人の国へ連れて行かれたソフィーは、BFGが子どもたちに夢を吹き込む仕事をしていることを知る。
嘆かわしい!ああまったく嘆かわしい!なんでわしはこんな国に生まれてしまったんや!
何がって、本作『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』がせっかくのスティーブン・スピルバーグ監督の最新作なのに、興行収入が8位スタートだということですよ!
まあ嘆かわしいは言い過ぎなのですが、もうちょっと話題になってもいいと思うんだけどなあ。
本作の魅力については、以下にもこれでもかと書いています↓
<『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』いまだからでこそ観てほしい5つの理由 | シネマズ by 松竹>
要するに、本作は『インディ・ジョーンズ』『未知との遭遇』『E.T.』のスピルバーグ節が炸裂しているんですよ!
![インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51He4DT8IcL._SL160_.jpg)
![未知との遭遇 スペシャル・エディション [SPE BEST] [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/518nKAufxjL._SL160_.jpg)
<全部の要素があります。
しかもディズニー映画ならではのファンタジックさもあいまって、美しさとワクワクに惚れ惚れするという展開が待ち受けているんですよ!
これだけでも観てほしいし、子どもに大いにオススメできるんだけどな。
本作の原作は、ロアルド・ダールによる児童小説『BFG オ・ヤサシ巨人』です。
この機会に原作を読んでみたのですが、映画はかなり原作に忠実です。
ストーリーラインはほぼ同じで、英語の言葉遊びもしっかり日本語(字幕or吹き替え)でわかるように表現されていました。
BFGは人間とは違ってちゃんとした教育を受けていないため、しょっちゅういいまつがい(言い間違い)をしてしまいます。たとえば、「ヘリコプター→ヘッピリコプター」とかね。ああ、かわいいなあ、もう。
それ、それなんですよ、このおじいちゃん巨人がかわいいことが最高に魅力的なんですよ!
<BFGの肩に乗れちゃう!
<BFGは女の子の味方!
だってこのBFGは、ちょっと変わっているけど気は優しくて、ほかの巨人からはいじめられていて、それでいて主人公の小さな女の子を守ろうとするんですよ。むしろお前を守りたくなるわ!母性本能がくすぐられるわ!
かねてから自分は2次元のアニメの萌え萌えな女の子よりも、ジジババがかわいいことに気づいてほしいと訴えてきましたが(※そんなに言ってません)、本作はそんなジジイ萌えの極致なんですよ!
もしジジイ萌えが流行っていたらさー本作は女子高生を中心に人気を博してさー『君の名は。』を打ち破ったかのかもしれないのになー(※BFGが好きすぎてだいぶあたまがおかしくなっています)
そして、無垢な子どもが本作を観れば、リアルじっじとばっばにもっともっとやさしくなれるでしょう。みんなが幸せになるじゃないか!
そんなわけで、本作は「ジジイ萌え」を開拓できる映画として、多くの方に観てほしい所存でございます。
本作の難点は、何よりも目新しさがないということ。
上の記事で書いた通り、スピルバーグ監督の手で、児童文学の名作を忠実に映画化する、ということに意義のある作品であり、その「保守的」であることがむしろ作品の魅力ではあるのですが、続々と革新的な作品が生まれている現代では、少しパンチが足りないようにも思えます。
これはイコール、奥深さを求めているオトナにはちょっと物足りない、という意味でもあるんですよね。
ギャグのレベルはおならぷうであり、物語のシンプルさもはっきり「子ども向け」なのですから。
上の記事で書いたような「ダークさ」も、原作からちょっと薄味になっています。『チャーリーとチョコレート工場』くらいエグいこともしてほしかったですね。
それでも大人に注目してほしいのは、会話シーンからアクションに至るまで、「長回し」が多いこと。
この長回しにより、巨人の部屋の中の「空間の広がり」を感じられること、まるで観客自身が小さくなって「探検できる」感覚になれるのがうれしいですね。
なお、本作は『E.T.』でスピルバーグとタッグを組んだ、脚本家メリッサ・マシスンの遺作です。
最後に遺したのが、朋友とともにつくった『E.T.』の魅力が詰まった作品であったというのが、スピルバーグファンとしてはなんとも感慨深いものがあります。
ぜひぜひ、お子さん、お孫さんをお持ちの方は、ご一緒にご覧ください。
誰にでも分け隔てなく楽しめるので、『君の名は。』や『映画 聲の形』が満席だったときの代替案として観るのもおすすめです。
※以下はネタバレですが、そんなに言うこともないので超短いです↓
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:スピルバーグなんだからみんな観よう!
あらすじ
ロンドンの児童養護施設で暮らしている10歳の女の子ソフィー(ルビー・バーンヒル)は、身長約7メートルの巨人BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(マーク・ライランス)と出会う。
巨人の国へ連れて行かれたソフィーは、BFGが子どもたちに夢を吹き込む仕事をしていることを知る。
嘆かわしい!ああまったく嘆かわしい!なんでわしはこんな国に生まれてしまったんや!
何がって、本作『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』がせっかくのスティーブン・スピルバーグ監督の最新作なのに、興行収入が8位スタートだということですよ!
まあ嘆かわしいは言い過ぎなのですが、もうちょっと話題になってもいいと思うんだけどなあ。
本作の魅力については、以下にもこれでもかと書いています↓
<『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』いまだからでこそ観てほしい5つの理由 | シネマズ by 松竹>
要するに、本作は『インディ・ジョーンズ』『未知との遭遇』『E.T.』のスピルバーグ節が炸裂しているんですよ!
![インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51He4DT8IcL._SL160_.jpg)
![未知との遭遇 スペシャル・エディション [SPE BEST] [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/518nKAufxjL._SL160_.jpg)
![E.T. [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51GCrpGjbeL._SL160_.jpg)
しかもディズニー映画ならではのファンタジックさもあいまって、美しさとワクワクに惚れ惚れするという展開が待ち受けているんですよ!
これだけでも観てほしいし、子どもに大いにオススメできるんだけどな。
本作の原作は、ロアルド・ダールによる児童小説『BFG オ・ヤサシ巨人』です。
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ロアルド ダール
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この機会に原作を読んでみたのですが、映画はかなり原作に忠実です。
ストーリーラインはほぼ同じで、英語の言葉遊びもしっかり日本語(字幕or吹き替え)でわかるように表現されていました。
BFGは人間とは違ってちゃんとした教育を受けていないため、しょっちゅういいまつがい(言い間違い)をしてしまいます。たとえば、「ヘリコプター→ヘッピリコプター」とかね。ああ、かわいいなあ、もう。
それ、それなんですよ、このおじいちゃん巨人がかわいいことが最高に魅力的なんですよ!


だってこのBFGは、ちょっと変わっているけど気は優しくて、ほかの巨人からはいじめられていて、それでいて主人公の小さな女の子を守ろうとするんですよ。むしろお前を守りたくなるわ!母性本能がくすぐられるわ!
かねてから自分は2次元のアニメの萌え萌えな女の子よりも、ジジババがかわいいことに気づいてほしいと訴えてきましたが(※そんなに言ってません)、本作はそんなジジイ萌えの極致なんですよ!
もしジジイ萌えが流行っていたらさー本作は女子高生を中心に人気を博してさー『君の名は。』を打ち破ったかのかもしれないのになー(※BFGが好きすぎてだいぶあたまがおかしくなっています)
そして、無垢な子どもが本作を観れば、リアルじっじとばっばにもっともっとやさしくなれるでしょう。みんなが幸せになるじゃないか!
そんなわけで、本作は「ジジイ萌え」を開拓できる映画として、多くの方に観てほしい所存でございます。
本作の難点は、何よりも目新しさがないということ。
上の記事で書いた通り、スピルバーグ監督の手で、児童文学の名作を忠実に映画化する、ということに意義のある作品であり、その「保守的」であることがむしろ作品の魅力ではあるのですが、続々と革新的な作品が生まれている現代では、少しパンチが足りないようにも思えます。
これはイコール、奥深さを求めているオトナにはちょっと物足りない、という意味でもあるんですよね。
ギャグのレベルはおならぷうであり、物語のシンプルさもはっきり「子ども向け」なのですから。
上の記事で書いたような「ダークさ」も、原作からちょっと薄味になっています。『チャーリーとチョコレート工場』くらいエグいこともしてほしかったですね。
それでも大人に注目してほしいのは、会話シーンからアクションに至るまで、「長回し」が多いこと。
この長回しにより、巨人の部屋の中の「空間の広がり」を感じられること、まるで観客自身が小さくなって「探検できる」感覚になれるのがうれしいですね。
なお、本作は『E.T.』でスピルバーグとタッグを組んだ、脚本家メリッサ・マシスンの遺作です。
最後に遺したのが、朋友とともにつくった『E.T.』の魅力が詰まった作品であったというのが、スピルバーグファンとしてはなんとも感慨深いものがあります。
ぜひぜひ、お子さん、お孫さんをお持ちの方は、ご一緒にご覧ください。
誰にでも分け隔てなく楽しめるので、『君の名は。』や『映画 聲の形』が満席だったときの代替案として観るのもおすすめです。
※以下はネタバレですが、そんなに言うこともないので超短いです↓
『レッドタートル ある島の物語』亀は“孤独”の象徴か(映画ネタバレなし感想+ネタバレ解釈&レビュー)
今日の映画感想は『レッドタートル ある島の物語』です。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:この作風こそが大切だった
あらすじ
無人島にたどり着いた男は脱出を試みるが、なぜかいかだを壊され島に引き戻されてしまう。
絶望的な状況に置かれた男の前に、ひとりの女が現れて……。
フランス発、あのスタジオジブリが共同製作を務めたアニメ作品です。
本作の監督であるマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット(←言い難い)は、シナリオ、絵コンテから効果音・音楽に至るまでスタジオジブリと何度も打ち合わせを重ね、なんとオファーから10年の歳月をかけて完成させたのだとか。
この『レッドタートル』のもっとも大きな特徴は、全編にセリフがないということでしょう。
吹き替えや字幕もいらない、そのままグローバルに展開できる映画なのです。
そういえば、今年は『父を探して』という同じくセリフなしのアニメ映画が公開されていましたね。
『レッドタートル』と『父を探して』で思ったことは、アニメと「セリフなし」という作風は相性がいいということでした。
実写ではできないイマジネーション溢れる画は、言葉をかぶせなくても「それ」だけで訴えられるものがあります。
そこには、画からいろいろな想像を膨らませるという、小説などでは決して感じられるないおもしろさが存在しています。
音楽も落ち着いており、そこには「癒し」の効果もあるよう。ゆったりとした映画を観たい方にはうってつけと言えるでしょう。
ドゥ・ヴィット監督はこの作品を通じて、「人間性を含めた自然への深い敬意、そして平和を思う感性と生命の無限さへの畏敬の念を伝えたい」と語っています。
そのことを感じるのはもちろんですが、個人的にこの作品で描かれていることは「孤独」だと思いました。
もちろん人によってさまざまな解釈があるでしょう。
ぜひ、ご自身の感性で、作品を読み解いてみることをおすすめします。
<赤い亀の解釈も人によって違うはず。
また、スタジオジブリが海外の監督をプロデュースしたのは初めてとのことですが、過去には他社が制作した映画のビデオを販売するレーベル「ジブリCINEMAライブラリー」も展開していたりします。
その1作品、『キリクと魔女』はマイナーだからと言って切り捨てるのはあまりに惜しい傑作だったので、ぜひ多くの人に観て欲しいです。
なお、『キリクと魔女』も含めいままでのジブリ作品は子どもから大人まで楽しめる作品だったのですが、『レッドタートル』は子どもにはおすすめしません。
落ち着いた島や海の画ばかりでバリエーションは少なく、あまり劇的な展開もないので、「ジブリだから」と言って小さい子を連れて行くとグズってしまう可能性が高いでしょう。
小学校高学年以上推奨、という感じですね。
大人にとっても、到底万人向けとは言えない内容です。
「解釈をぶん投げ」スタイルは観る人を選びまくることは間違い無し。
怒涛の展開と力強い言葉で攻めてきた『君の名は。』の後に観ると、余計に面食らうのではないでしょうか。
ドゥ・ヴィット監督の短編作『岸辺のふたり』を観ても、そのことはよくわかるでしょう。
でも、どちらがいい、悪いというわけでなく、それは「作風」を突き詰めた結果にあらわれたものです。
『レッドタートル』は、映画(アニメ)という芸術の多様性を知らしめてくれるでしょう。
個人的には『ファインディング・ドリー』で同時上映された短編『ひな鳥の冒険』(傑作!)が好きだった人にオススメしたいですね。
波打ち際の画、訴えられていること、ちょっとかわいい生き物がでてくることにはかなり似たものを感じました。
そのほかで似ていると思ったのは、やはりサバイバルものであり、「孤独」との戦いが描かれた『キャスト・アウェイ』ですね。
積極的なオススメができるかと言えば否、ですが一風変わったアニメ、ジブリ作品の新機軸を観たい方はぜひ劇場へ。
上映時間が81分と短く、空いた時間に気軽に観られるのも長所ですよ。
※お子さんにはこちらもオススメです↓
<『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』が必見である5つの理由 | シネマズ by 松竹>
※『レッドタートル』はカンヌ国際映画祭の「ある視点」特別賞というややマニアックな賞を受賞している時点で、玄人向けだったことがわかりますね。「ある視点」ある才能賞を受賞したこんな映画も同じ日(9月17日)に公開されています↓
<『トレジャー オトナタチの贈り物。』が“奇妙”で“おもしろい”5つの理由 | シネマズ by 松竹>
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:この作風こそが大切だった
あらすじ
無人島にたどり着いた男は脱出を試みるが、なぜかいかだを壊され島に引き戻されてしまう。
絶望的な状況に置かれた男の前に、ひとりの女が現れて……。
フランス発、あのスタジオジブリが共同製作を務めたアニメ作品です。
本作の監督であるマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット(←言い難い)は、シナリオ、絵コンテから効果音・音楽に至るまでスタジオジブリと何度も打ち合わせを重ね、なんとオファーから10年の歳月をかけて完成させたのだとか。
この『レッドタートル』のもっとも大きな特徴は、全編にセリフがないということでしょう。
吹き替えや字幕もいらない、そのままグローバルに展開できる映画なのです。
そういえば、今年は『父を探して』という同じくセリフなしのアニメ映画が公開されていましたね。
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『レッドタートル』と『父を探して』で思ったことは、アニメと「セリフなし」という作風は相性がいいということでした。
実写ではできないイマジネーション溢れる画は、言葉をかぶせなくても「それ」だけで訴えられるものがあります。
そこには、画からいろいろな想像を膨らませるという、小説などでは決して感じられるないおもしろさが存在しています。
音楽も落ち着いており、そこには「癒し」の効果もあるよう。ゆったりとした映画を観たい方にはうってつけと言えるでしょう。
ドゥ・ヴィット監督はこの作品を通じて、「人間性を含めた自然への深い敬意、そして平和を思う感性と生命の無限さへの畏敬の念を伝えたい」と語っています。
そのことを感じるのはもちろんですが、個人的にこの作品で描かれていることは「孤独」だと思いました。
もちろん人によってさまざまな解釈があるでしょう。
ぜひ、ご自身の感性で、作品を読み解いてみることをおすすめします。

また、スタジオジブリが海外の監督をプロデュースしたのは初めてとのことですが、過去には他社が制作した映画のビデオを販売するレーベル「ジブリCINEMAライブラリー」も展開していたりします。
その1作品、『キリクと魔女』はマイナーだからと言って切り捨てるのはあまりに惜しい傑作だったので、ぜひ多くの人に観て欲しいです。
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なお、『キリクと魔女』も含めいままでのジブリ作品は子どもから大人まで楽しめる作品だったのですが、『レッドタートル』は子どもにはおすすめしません。
落ち着いた島や海の画ばかりでバリエーションは少なく、あまり劇的な展開もないので、「ジブリだから」と言って小さい子を連れて行くとグズってしまう可能性が高いでしょう。
小学校高学年以上推奨、という感じですね。
大人にとっても、到底万人向けとは言えない内容です。
「解釈をぶん投げ」スタイルは観る人を選びまくることは間違い無し。
怒涛の展開と力強い言葉で攻めてきた『君の名は。』の後に観ると、余計に面食らうのではないでしょうか。
ドゥ・ヴィット監督の短編作『岸辺のふたり』を観ても、そのことはよくわかるでしょう。
でも、どちらがいい、悪いというわけでなく、それは「作風」を突き詰めた結果にあらわれたものです。
『レッドタートル』は、映画(アニメ)という芸術の多様性を知らしめてくれるでしょう。
個人的には『ファインディング・ドリー』で同時上映された短編『ひな鳥の冒険』(傑作!)が好きだった人にオススメしたいですね。
波打ち際の画、訴えられていること、ちょっとかわいい生き物がでてくることにはかなり似たものを感じました。
そのほかで似ていると思ったのは、やはりサバイバルものであり、「孤独」との戦いが描かれた『キャスト・アウェイ』ですね。
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積極的なオススメができるかと言えば否、ですが一風変わったアニメ、ジブリ作品の新機軸を観たい方はぜひ劇場へ。
上映時間が81分と短く、空いた時間に気軽に観られるのも長所ですよ。
※お子さんにはこちらもオススメです↓
<『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』が必見である5つの理由 | シネマズ by 松竹>
※『レッドタートル』はカンヌ国際映画祭の「ある視点」特別賞というややマニアックな賞を受賞している時点で、玄人向けだったことがわかりますね。「ある視点」ある才能賞を受賞したこんな映画も同じ日(9月17日)に公開されています↓
<『トレジャー オトナタチの贈り物。』が“奇妙”で“おもしろい”5つの理由 | シネマズ by 松竹>
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
『セルフレス/覚醒した記憶』批判しているのは臓器売買!?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『セルフレス/覚醒した記憶』(原題:Self/Less)です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:正しい選択をする物語だった
あらすじ
大富豪の建築家ダミアン(ベン・キングスレー)は、一人娘のクレアとの仲を修復することなく、余命が半年と迫っていた。
天才科学者のオルブライト(マシュー・グード)は、ダミアンに遺伝子操作で作った肉体へその頭脳を転送することを提案する。
莫大な料金と引き換えに、マーク(ライアン・レイノルズ)という若者として生きようとするダミアンだったが、何者かに命を狙われるようになり……。
『インモータルズ-神々の戦い-』『白雪姫と鏡の女王』のターセム・シン監督最新作です。
本作の魅力、訴えられていることについては以下の記事でも書きました。
<『セルフレス/覚醒した記憶』をより楽しむ5つのポイント | シネマズ by 松竹>
※最近『君の名は。』にひっかけた紹介文ばかり書いていますが、要するに「『君の名は。』は大好きだし何回観てもいいけど、ほかの映画も観てよ!」というアピールだと思っていただければ幸いです。
ターセム監督の魅力のひとつは、幻想的で美麗な画。自殺願望のある青年の話を映像化した『ザ・フォール』は、監督の魅力が前面に出た秀作でした。
ただし、今回の『セルフレス』は現代(近未来)を舞台としたSFスリラーということで、その個性は控えめです。
同じSFスリラーの『ザ・セル』は犯罪者の脳内をグロテスクな画で描くという魅力があったのですが、今回はそれもなく、アクションも含めて見た目は凡庸なままに止まってしまっていました。
そもそも、「記憶はないけど、追っ手から逃亡すると体が覚えている格闘術が繰り出される」というのは『ボーン・アイデンティティー』シリーズにそっくりだしなあ……。
ベン・キングスレーとライアン・レイノルズというキャスティングは豪華ですが、そのほかは低予算の香りも存分にしています。
何せ、頭脳転送の装置が明らかに医療用CTスキャンをちょっと改造しただけのものだったりするんだもん。
<CTスキャンほぼそのままやん
ヴィクトリア調の内装にはターセム監督らしさを感じるのですが、これはドナルド・トランプのマンションを借りて撮影したらしいし……まあ予算不足をカバーする方法としては適切なのでしょう。
そんなわけでターセム監督の大ファンとしてはちょっとガッカリしたところもあったのですが、トータルではこの映画は大・大・大好きでした。
その理由のひとつが、「金で何でも解決してきた主人公が、新しく生き直して、正しい選択をしようと努力する」というプロットです。
主人公は大富豪であるのものの、娘からの愛情をもらえない、典型的な「お金で買えない幸せ」を手に入れてない男です。
彼が他人の体を手に入れて、その体の持ち主にも家族がいることを知る、そして大切な価値観、家族への接し方を学んでいく、という過程はとても感動的なのです。
見た目も規模もまったく大作感のない「小粒」な作品なのですが、この極めて内省的かつ閉じた世界で物語が完結していることは、むしろプラスに働いていました。
主役ふたりの演技がよいのはもちろんのこと、敵役のマシュー・グードがかなりいい感じですね。
インテリ気取りで相手を煙に巻く、全身から溢れ出すイラっとする感じ(ほめています)はなかなか出来るもんじゃありません。
<右のヤツはイラッとします
話題作が続々と公開されている中では目立っていませんが、だからでこそお勧めします。
ぜひ、上映が終わってしまう前に劇場へ駆けつけてください。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:正しい選択をする物語だった
あらすじ
大富豪の建築家ダミアン(ベン・キングスレー)は、一人娘のクレアとの仲を修復することなく、余命が半年と迫っていた。
天才科学者のオルブライト(マシュー・グード)は、ダミアンに遺伝子操作で作った肉体へその頭脳を転送することを提案する。
莫大な料金と引き換えに、マーク(ライアン・レイノルズ)という若者として生きようとするダミアンだったが、何者かに命を狙われるようになり……。
『インモータルズ-神々の戦い-』『白雪姫と鏡の女王』のターセム・シン監督最新作です。
本作の魅力、訴えられていることについては以下の記事でも書きました。
<『セルフレス/覚醒した記憶』をより楽しむ5つのポイント | シネマズ by 松竹>
※最近『君の名は。』にひっかけた紹介文ばかり書いていますが、要するに「『君の名は。』は大好きだし何回観てもいいけど、ほかの映画も観てよ!」というアピールだと思っていただければ幸いです。
ターセム監督の魅力のひとつは、幻想的で美麗な画。自殺願望のある青年の話を映像化した『ザ・フォール』は、監督の魅力が前面に出た秀作でした。
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ただし、今回の『セルフレス』は現代(近未来)を舞台としたSFスリラーということで、その個性は控えめです。
同じSFスリラーの『ザ・セル』は犯罪者の脳内をグロテスクな画で描くという魅力があったのですが、今回はそれもなく、アクションも含めて見た目は凡庸なままに止まってしまっていました。
そもそも、「記憶はないけど、追っ手から逃亡すると体が覚えている格闘術が繰り出される」というのは『ボーン・アイデンティティー』シリーズにそっくりだしなあ……。
ベン・キングスレーとライアン・レイノルズというキャスティングは豪華ですが、そのほかは低予算の香りも存分にしています。
何せ、頭脳転送の装置が明らかに医療用CTスキャンをちょっと改造しただけのものだったりするんだもん。

ヴィクトリア調の内装にはターセム監督らしさを感じるのですが、これはドナルド・トランプのマンションを借りて撮影したらしいし……まあ予算不足をカバーする方法としては適切なのでしょう。
そんなわけでターセム監督の大ファンとしてはちょっとガッカリしたところもあったのですが、トータルではこの映画は大・大・大好きでした。
その理由のひとつが、「金で何でも解決してきた主人公が、新しく生き直して、正しい選択をしようと努力する」というプロットです。
主人公は大富豪であるのものの、娘からの愛情をもらえない、典型的な「お金で買えない幸せ」を手に入れてない男です。
彼が他人の体を手に入れて、その体の持ち主にも家族がいることを知る、そして大切な価値観、家族への接し方を学んでいく、という過程はとても感動的なのです。
見た目も規模もまったく大作感のない「小粒」な作品なのですが、この極めて内省的かつ閉じた世界で物語が完結していることは、むしろプラスに働いていました。
主役ふたりの演技がよいのはもちろんのこと、敵役のマシュー・グードがかなりいい感じですね。
インテリ気取りで相手を煙に巻く、全身から溢れ出すイラっとする感じ(ほめています)はなかなか出来るもんじゃありません。

話題作が続々と公開されている中では目立っていませんが、だからでこそお勧めします。
ぜひ、上映が終わってしまう前に劇場へ駆けつけてください。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
『キング・オブ・エジプト』吹き替え版の法則が乱れる!(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『キング・オブ・エジプト』(原題:God Of Egypt)です。
個人的お気に入り度:5/10
一言感想:圧倒的ふつう+聖闘士星矢
あらすじ
古代エジプト。オシリス王がその弟であるセト(ジェラルド・バトラー)に殺されてしまい、人々はセトの暴政に苦しめられていた。
セトの甥であるホルス(ニコライ・コスター=ワルドー)は、コソ泥の青年ベック(ブレントン・スウェイツ)と手を組み、セトを倒すための冒険の旅に出る。
まずは映画ファンに衝撃が走った、吹き替え版予告編をご覧ください。
すごいよね。
これまで大不評の歴史を築いた吹き替えには『ハンコック』のマキダイ、『ウォンテッド』のDAIGO、『アベンジャーズ』の米倉涼子、『プロメテウス』の剛力彩芽、『TIME/タイム』の篠田麻里子、『ライフ』の岡村隆史(個人的にこいつが歴代最悪)、『劇場版 シンプソンズ』のぜんぶ芸能人とっかえ、などいろいろありましたが、また時代の寵児が現れました。
主役ふたりの声を担当しているのは、ジャニーズのKis-My-Ft2(キスマイフットツー)の玉森裕太、および『俺物語!』などで知られる若干16歳の女優の永野芽郁。そして、脇を固める(←これがどうなんだ)キャストが超豪華声優勢揃いとなっております。
<「その他」扱いすんじゃねえよ!
映画ファンどころか声優ファンを敵に回す手腕には恐れ入りますね。
さらに、キスマイ玉森は「吹き替えの参考に『ファインディング・ニモ』というアニメを観ちゃいました(てへぺろ)」とおっしゃっておりまして、私としてはほのかな殺意を覚えたしだいでございます。
こうしたゲスト声優の登用は、必死で努力して、なんとかそれで食べていけるようにがんばってきた本業声優の方に失礼だと思うんだけどなあ……。
でも、こうした若い子に人気のある有名人を登用して、なんとか映画に興味を持ってもらおうという広報担当者の気持ちもよくわかるんです。
実際、こういう芸能人登用を怒っているのは映画ファンであり、実際の若い方の反応は以下のようになっているんですよ!

※現実
ああ、わかるさ、わかるとも!映画ファンなんかほっといてもいい、本当にアピールすべきなのはあまり映画館で映画を観ない若い女性であるってことはさ!話題作りをする広報担当者は大変だよね!実際は『君の名は。』に根こそぎ話題を奪われているけど。
えーさんざん愚痴ったので、実際に吹き替え版を観た感想。
すみませんでした。キスマイ玉森はぜんぜん悪くなかったです。いや、もうこれは「上手い」と言っていいんじゃないか?
なぜかと言うと、彼が演じているのが「チャラいコソ泥」であり、その軽さが玉森くんの声にとても合っているから。
緊急時にも間の抜けた声を出すのですが、これさえもキャラにマッチしているという奇跡が起きていました。
ほかのインタビューを見ると、玉森くんは声優初挑戦なので「走ったりするときの演技のために実際に動いていました(笑)」など言っており、しっかり努力をしているようでとても好感が持てました。
いやー偏見はよくないですね!実際に映画を観てみないとわからない!
あ、でも永野芽郁ちゃんはマジでダメでした。
なんていうか、彼女はもともとホワホワした雰囲気を持ちホワホワした喋り方をする子(それが彼女の魅力)であるため、セクシーで真面目なヒロインとの雰囲気に合っていなさすぎなんですよ。
おかずクラブ(芸人)とLiLiCoも吹き替えに参加しているのですが、ちょい役だったし、ふつうに上手かったのでこちらは問題なかったです。
そんなわけで、今回の吹き替え騒動をまとめますと適材適所はめっちゃ大切だということ。
アイドルを起用しても、吹き替えを当てはめるキャラを考えればちゃんと輝く、そうでなければ絶望するしかないっていうね。
なお、予告を見る限り、キスマイ玉森&長野芽衣ちゃんのふたりが主役であるという印象が強いですが、実際の映画はニコライ・コスター=ワルドー(演:中村悠一)とジェラルド・バトラー(演:小山力也)のほうが目立っています。
このベテラン声優ふたりがしっかり物語を引っ張ってくれたので助かったぜ!
海外版のポスターを見てみると、ちゃんと「主役が複数いる」ことがわかりますね。
<日本版ポスターでキスマイ玉森が演じるコソ泥は……
<海外版ポスターではこんなに小さく(中央)!
<!?
あ、そうそう、言い忘れていましたけど、本作は金ピカのカッチョいい鎧を着ての空中バトルアクション描写が見どころとなっており、まるで『聖闘士星矢』の黄金聖闘士(ゴールドセイント)を実写化したような興奮があるんですよ!
<クリソツ
もうあれだね、広報担当者はコラボ相手を間違えたよ。
こんなの星矢ファンが大熱狂するに決まってんじゃん!こっちにアピールしろよ!
ついでなので、公式ツイッターのおもしろ宣伝も紹介しておきますね。
※メジェドはエジプト神話の謎の神で、その姿から若い子にも人気があるらしい。メジェドが萌え萌えな女の子になる漫画も存在する。
※田中真弓さんが6役を演じているけど、演じていないキャラを当ててね!
※力士も声優になりました。
なんかもう全方位的にコレジャナイ。
あとスフィンクス役の大砂嵐が何言ってんだかさっぱり聞き取れないのはそれなりに問題でした。たぶんエフェクトをかけすぎたせいで、大砂嵐さんは悪くないと思う。
そういや、自分は遊んでいないけど、スマホアプリゲーム『パズドラ』でエジプトの神がよく出てくるらしいですね。若者にささるんだからマジでコラボしたらいいのに……。
<アリなコラボだと思う。
<閑話休題>
えーさんざん吹き替えやら広報やらを言いすぎたのでいいかげん本編の感想を。
まあなんていうか圧倒的にふつうです。
『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』的なギミックたっぷりなアクション(キモい虫も出てくる)、『メン・イン・ブラック』や『ズートピア』のような凸凹コンビによる「バディ」要素、『300(スリーハンドレッド)』のような「止め絵」、お金を惜しげもなく使ったエフェクトの数々、恋愛要素などが多分に込められたアトラクションムービーであり、とりあえずは退屈しません。
主人公が実質ふたりいて、それぞれの思惑を並行して描くという話運びもなかなか成功しているんじゃないでしょうか。
そうであるのに、どこか煮え切らない印象があるのはアレックス・プロヤス監督の「妙に真面目」な作家性が出ちゃっているから。
娯楽性とテーマ性のバランスが少々悪く、ワクワクが長め&重めの人間ドラマに飲み込まれちゃっている印象でした。
物語はツッコミどころ満載で、お世辞にも脚本の出来がいいとは言えません。
兄弟の確執などの描写はちゃんとしているし、ツボは押さえているんだけどねえ……。
なお、本作はアメリカで大コケしたせいでイギリスでの公開がキャンセルされたうえ、キャストのホワイトウォッシュ(白人化)がバッシングを浴びた不遇な映画でもありました。
ホワイトウォッシュは考えすぎだと思うし、そんなに悪い映画でもないと思うんだけどな。
そんなわけで、吹き替え版のことを置いとけおけば、可もなく不可もなく、多くの人が楽しめるアドベンチャー映画としてちゃんとオススメします。
吹き替え版の破壊力を期待する好き者もいるとは思いますが、予告の時点でオチているので、その目的だったら字幕版でもいいような気がします。
でも、吹き替え版だと「ベテラン声優とゲストの格の違いを思い知らされる」「チャラい役ならゲストでもけっこうイケる」「大砂嵐の声には相当なヒアリング能力が問われる」「田中真弓どこ?」など、いろんな意味で楽しさがいっぱいですよ。
2Dで観ましたが、確実に3D映えする画がいくつもあったので、今回は3Dを選択する意義も十分ありそうですね。
個人的には、チャラいけど意外と真面目でもあるキャラのキスマイ玉森と、イケボでちょっと冷たいキャラの中村悠一さんとの掛け合いはけっこうツボでした。そんなわけで、これは吹き替え版がオススメDEATH!
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 不満点ばかりを書いているので、この映画が好きな人にはごめんなさい。
個人的お気に入り度:5/10
一言感想:圧倒的ふつう+聖闘士星矢
あらすじ
古代エジプト。オシリス王がその弟であるセト(ジェラルド・バトラー)に殺されてしまい、人々はセトの暴政に苦しめられていた。
セトの甥であるホルス(ニコライ・コスター=ワルドー)は、コソ泥の青年ベック(ブレントン・スウェイツ)と手を組み、セトを倒すための冒険の旅に出る。
まずは映画ファンに衝撃が走った、吹き替え版予告編をご覧ください。
すごいよね。
これまで大不評の歴史を築いた吹き替えには『ハンコック』のマキダイ、『ウォンテッド』のDAIGO、『アベンジャーズ』の米倉涼子、『プロメテウス』の剛力彩芽、『TIME/タイム』の篠田麻里子、『ライフ』の岡村隆史(個人的にこいつが歴代最悪)、『劇場版 シンプソンズ』のぜんぶ芸能人とっかえ、などいろいろありましたが、また時代の寵児が現れました。
主役ふたりの声を担当しているのは、ジャニーズのKis-My-Ft2(キスマイフットツー)の玉森裕太、および『俺物語!』などで知られる若干16歳の女優の永野芽郁。そして、脇を固める(←これがどうなんだ)キャストが超豪華声優勢揃いとなっております。

映画ファンどころか声優ファンを敵に回す手腕には恐れ入りますね。
さらに、キスマイ玉森は「吹き替えの参考に『ファインディング・ニモ』というアニメを観ちゃいました(てへぺろ)」とおっしゃっておりまして、私としてはほのかな殺意を覚えたしだいでございます。
こうしたゲスト声優の登用は、必死で努力して、なんとかそれで食べていけるようにがんばってきた本業声優の方に失礼だと思うんだけどなあ……。
でも、こうした若い子に人気のある有名人を登用して、なんとか映画に興味を持ってもらおうという広報担当者の気持ちもよくわかるんです。
実際、こういう芸能人登用を怒っているのは映画ファンであり、実際の若い方の反応は以下のようになっているんですよ!

※現実
ああ、わかるさ、わかるとも!映画ファンなんかほっといてもいい、本当にアピールすべきなのはあまり映画館で映画を観ない若い女性であるってことはさ!話題作りをする広報担当者は大変だよね!
えーさんざん愚痴ったので、実際に吹き替え版を観た感想。
すみませんでした。キスマイ玉森はぜんぜん悪くなかったです。いや、もうこれは「上手い」と言っていいんじゃないか?
なぜかと言うと、彼が演じているのが「チャラいコソ泥」であり、その軽さが玉森くんの声にとても合っているから。
緊急時にも間の抜けた声を出すのですが、これさえもキャラにマッチしているという奇跡が起きていました。
ほかのインタビューを見ると、玉森くんは声優初挑戦なので「走ったりするときの演技のために実際に動いていました(笑)」など言っており、しっかり努力をしているようでとても好感が持てました。
いやー偏見はよくないですね!実際に映画を観てみないとわからない!
あ、でも永野芽郁ちゃんはマジでダメでした。
なんていうか、彼女はもともとホワホワした雰囲気を持ちホワホワした喋り方をする子(それが彼女の魅力)であるため、セクシーで真面目なヒロインとの雰囲気に合っていなさすぎなんですよ。
おかずクラブ(芸人)とLiLiCoも吹き替えに参加しているのですが、ちょい役だったし、ふつうに上手かったのでこちらは問題なかったです。
そんなわけで、今回の吹き替え騒動をまとめますと適材適所はめっちゃ大切だということ。
アイドルを起用しても、吹き替えを当てはめるキャラを考えればちゃんと輝く、そうでなければ絶望するしかないっていうね。
なお、予告を見る限り、キスマイ玉森&長野芽衣ちゃんのふたりが主役であるという印象が強いですが、実際の映画はニコライ・コスター=ワルドー(演:中村悠一)とジェラルド・バトラー(演:小山力也)のほうが目立っています。
このベテラン声優ふたりがしっかり物語を引っ張ってくれたので助かったぜ!
海外版のポスターを見てみると、ちゃんと「主役が複数いる」ことがわかりますね。



あ、そうそう、言い忘れていましたけど、本作は金ピカのカッチョいい鎧を着ての空中バトルアクション描写が見どころとなっており、まるで『聖闘士星矢』の黄金聖闘士(ゴールドセイント)を実写化したような興奮があるんですよ!

もうあれだね、広報担当者はコラボ相手を間違えたよ。
こんなの星矢ファンが大熱狂するに決まってんじゃん!こっちにアピールしろよ!
ついでなので、公式ツイッターのおもしろ宣伝も紹介しておきますね。
史上初?! クマの演奏で踊る神! 「それにしてもこのメジェド様、ノリノリである」 https://t.co/6qUqtSmDNt #getnews #ガジェット通信 pic.twitter.com/H8UIGs82qk
— ガジェット通信記事配信 (@getnewsfeed) 2016年9月9日
※メジェドはエジプト神話の謎の神で、その姿から若い子にも人気があるらしい。メジェドが萌え萌えな女の子になる漫画も存在する。
声優の田中真弓さんが6役を担当!
— 映画『キング・オブ・エジプト』 (@kingofegyptjp) 2016年9月9日
みなさんに田中さん“じゃない”役を当てていただきます🎯
正解者から抽選で1名様に、田中さんがあなたの名前を入れた"サイン入りグッズをプレゼント💓締切は9/25!
大ヒット上映中!ぜひ劇場へ👀https://t.co/oj244TFSBF
※田中真弓さんが6役を演じているけど、演じていないキャラを当ててね!
私が声優を務めた「キングオブエジプト」が本日公開されます🙌⁰私はエジプトでとても有名な役の声をしました😁😁⁰とてもエキサイティングな映画なので、映画館にぜひ観に来て下さい!⁰9月場所も頑張りますので応援よろしくお願いします🎉🎉https://t.co/QWKUlVSZs3
— Oosunaarashi 大砂嵐 (@Oosunaarashi) 2016年9月9日
※力士も声優になりました。
なんかもう全方位的にコレジャナイ。
あとスフィンクス役の大砂嵐が何言ってんだかさっぱり聞き取れないのはそれなりに問題でした。たぶんエフェクトをかけすぎたせいで、大砂嵐さんは悪くないと思う。
そういや、自分は遊んでいないけど、スマホアプリゲーム『パズドラ』でエジプトの神がよく出てくるらしいですね。若者にささるんだからマジでコラボしたらいいのに……。

<閑話休題>
えーさんざん吹き替えやら広報やらを言いすぎたのでいいかげん本編の感想を。
まあなんていうか圧倒的にふつうです。
『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』的なギミックたっぷりなアクション(キモい虫も出てくる)、『メン・イン・ブラック』や『ズートピア』のような凸凹コンビによる「バディ」要素、『300(スリーハンドレッド)』のような「止め絵」、お金を惜しげもなく使ったエフェクトの数々、恋愛要素などが多分に込められたアトラクションムービーであり、とりあえずは退屈しません。
主人公が実質ふたりいて、それぞれの思惑を並行して描くという話運びもなかなか成功しているんじゃないでしょうか。
そうであるのに、どこか煮え切らない印象があるのはアレックス・プロヤス監督の「妙に真面目」な作家性が出ちゃっているから。
娯楽性とテーマ性のバランスが少々悪く、ワクワクが長め&重めの人間ドラマに飲み込まれちゃっている印象でした。
物語はツッコミどころ満載で、お世辞にも脚本の出来がいいとは言えません。
兄弟の確執などの描写はちゃんとしているし、ツボは押さえているんだけどねえ……。
なお、本作はアメリカで大コケしたせいでイギリスでの公開がキャンセルされたうえ、キャストのホワイトウォッシュ(白人化)がバッシングを浴びた不遇な映画でもありました。
ホワイトウォッシュは考えすぎだと思うし、そんなに悪い映画でもないと思うんだけどな。
そんなわけで、吹き替え版のことを置いとけおけば、可もなく不可もなく、多くの人が楽しめるアドベンチャー映画としてちゃんとオススメします。
吹き替え版の破壊力を期待する好き者もいるとは思いますが、予告の時点でオチているので、その目的だったら字幕版でもいいような気がします。
でも、吹き替え版だと「ベテラン声優とゲストの格の違いを思い知らされる」「チャラい役ならゲストでもけっこうイケる」「大砂嵐の声には相当なヒアリング能力が問われる」「田中真弓どこ?」など、いろんな意味で楽しさがいっぱいですよ。
2Dで観ましたが、確実に3D映えする画がいくつもあったので、今回は3Dを選択する意義も十分ありそうですね。
個人的には、チャラいけど意外と真面目でもあるキャラのキスマイ玉森と、イケボでちょっと冷たいキャラの中村悠一さんとの掛け合いはけっこうツボでした。そんなわけで、これは吹き替え版がオススメDEATH!
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 不満点ばかりを書いているので、この映画が好きな人にはごめんなさい。
『後妻業の女』悪党への反逆(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『後妻業の女』です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:殴りてえ(主に大竹しのぶを)
あらすじ
婚活パーティーにいた女性・小夜子(大竹しのぶ)は、結婚相談所所長の柏木(豊川悦司)と手を組み、高齢者の遺産を狙った犯罪を繰り返す「後妻業の女」だった。
小夜子の新しい夫であった耕造(津川雅彦)は病に倒れ他界し、その娘の朋美(尾野真千子)は、遺産は全て小夜子に渡り遺族には一切残らないと知らされる。
父の死に疑念を抱く朋美は、探偵の本多(永瀬正敏)を雇い、小夜子の身辺を調査を開始する。
『愛の流刑地』『源氏物語 千年の謎』の鶴橋康夫監督・脚本作品にして、黒川博行の小説『後妻業』を原作とした映画です。
後妻業とは高齢者の遺産を狙った犯罪であり、要するに「すげー金持ちのジジイと結婚してすぐくたばれば(ときには事故に見せかけて殺せば)遺産丸儲け!」というクズすぎる女の姿が描かれているわけです。
こんな胸糞の悪い話が現実にあるっていうのがまたイヤですね。
思春期の男女のまっすぐな想いが描かれた『君の名は。』のおかげで心がすっかり浄化されていたのですが、本作のおかげで濁りきました(褒めています)。
そうであるのに、本作がブラックコメディになっているというのがすごいところ。
『日本で一番悪い奴ら』でも思ったのですが、こんなにヒドい(褒めています)話を乾いた笑いに昇華させるって……いや、日本映画でこういう作品が生まれるのは喜ばしいのですが、マジで攻めているなあと。
そもそものこの話を笑い飛ばすことができない、老人が搾取されてしまう姿を(あとで犯人にしっぺ返しがあっても)どうあっても見たくない人には、とてもじゃないけどおすすめできません。
皆が口を揃えて絶賛するのは、主演の大竹しのぶの怪演っぷりでしょう。
なんつーか、「何か問題でも?」とでも言いたげな目の動きがぶん殴りたいほどムカつくんですよね(褒めています)。
<この顔、殴りたい。
そのほか「クソボケが!」というセリフがハマりすぎな豊川悦司、気の強い女性の尾野真千子、考えていることが読みづらい探偵の永瀬正敏と、役者陣の演技合戦が本作の大きな見どころでしょう。
大笑いしたのは、放蕩息子役を演じた風間俊介さんですね。
<ポンコツです。
はっきり言ってその演技はオーバーアクトすぎてヒドい(褒めてません)。ヒドいんだけど、これが一周回って「なんだこいつ」「アホや……ほんまアホや……」な感じで楽しいんですよ。
彼の出てくるシーンはもれなく笑えましたが、まあまあ賛否ありそうですね。
本作はブラックコメディのほかに、悪人が成功していくことにカタルシスを覚えるというピカレスクロマン的なおもしろさもあります。
近年で言えば『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ナイトクローラー』がこれに当てはまりますね。
主人公がガチのどクズで大嫌い!だけど成功していくことがちょっと気持ちいいっていうね(←アブねえ)。
映画はさまざまな感情を体験させてくれる媒体。こういう作品があってもいいのです(青少年の健全育成にすこぶる悪いけど)。
本作で残念だったのは、気になることを「うやむや」にしてしまうこと。
中盤まではこの「わからなさ」こそが「知りたい」という観客の興味を引く原動力になっていたのに、終盤ではそのあたりを解消していないから「飲み込みづらい」「納得できない」という感情が残ってしまいます。
「観客の想像におまかせする」ことが重要な作品もありますが、本作は一番重要なことを放棄しちゃったようにしか感じないんですよね。ここは明らかな欠点だと思います。
また、鶴橋康夫監督の演出は堅実なのですが、『ウルフ〜』のような勢い良くクズの経歴を描いて→地獄に突き落とす、というカタルシスはそんなにありません。
あくまで淡々とした話運びで、役者の演技で魅せる(ときどきすげえシーンが出てくる)というのは本作の利点なのですが、やはり自分は『ウルフ〜』のようなラリパッパっぷりが飛び抜けているほうが好みです(『日本で〜』でも同じことを思ったなあ)。
それでも、クライマックスのありえねー(褒めています)展開にはヒーヒー笑えたし、もれなくゲスどもが出てくるのである種のスガスガしさを感じる快作でした。
濡れ場はそこそこの過激さで、PG12指定ギリギリのちょうどいい感じなのではないかと。
はじめに書いたように『君の名は。』を観て「世界はこんなに美しくねーよ、クソボケが!」と思っている歪んだ大人にオススメしますよ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:殴りてえ(主に大竹しのぶを)
あらすじ
婚活パーティーにいた女性・小夜子(大竹しのぶ)は、結婚相談所所長の柏木(豊川悦司)と手を組み、高齢者の遺産を狙った犯罪を繰り返す「後妻業の女」だった。
小夜子の新しい夫であった耕造(津川雅彦)は病に倒れ他界し、その娘の朋美(尾野真千子)は、遺産は全て小夜子に渡り遺族には一切残らないと知らされる。
父の死に疑念を抱く朋美は、探偵の本多(永瀬正敏)を雇い、小夜子の身辺を調査を開始する。
『愛の流刑地』『源氏物語 千年の謎』の鶴橋康夫監督・脚本作品にして、黒川博行の小説『後妻業』を原作とした映画です。
後妻業とは高齢者の遺産を狙った犯罪であり、要するに「すげー金持ちのジジイと結婚してすぐくたばれば(ときには事故に見せかけて殺せば)遺産丸儲け!」というクズすぎる女の姿が描かれているわけです。
こんな胸糞の悪い話が現実にあるっていうのがまたイヤですね。
思春期の男女のまっすぐな想いが描かれた『君の名は。』のおかげで心がすっかり浄化されていたのですが、本作のおかげで濁りきました(褒めています)。
そうであるのに、本作がブラックコメディになっているというのがすごいところ。
『日本で一番悪い奴ら』でも思ったのですが、こんなにヒドい(褒めています)話を乾いた笑いに昇華させるって……いや、日本映画でこういう作品が生まれるのは喜ばしいのですが、マジで攻めているなあと。
そもそものこの話を笑い飛ばすことができない、老人が搾取されてしまう姿を(あとで犯人にしっぺ返しがあっても)どうあっても見たくない人には、とてもじゃないけどおすすめできません。
皆が口を揃えて絶賛するのは、主演の大竹しのぶの怪演っぷりでしょう。
なんつーか、「何か問題でも?」とでも言いたげな目の動きがぶん殴りたいほどムカつくんですよね(褒めています)。

そのほか「クソボケが!」というセリフがハマりすぎな豊川悦司、気の強い女性の尾野真千子、考えていることが読みづらい探偵の永瀬正敏と、役者陣の演技合戦が本作の大きな見どころでしょう。
大笑いしたのは、放蕩息子役を演じた風間俊介さんですね。

はっきり言ってその演技はオーバーアクトすぎてヒドい(褒めてません)。ヒドいんだけど、これが一周回って「なんだこいつ」「アホや……ほんまアホや……」な感じで楽しいんですよ。
彼の出てくるシーンはもれなく笑えましたが、まあまあ賛否ありそうですね。
本作はブラックコメディのほかに、悪人が成功していくことにカタルシスを覚えるというピカレスクロマン的なおもしろさもあります。
近年で言えば『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『ナイトクローラー』がこれに当てはまりますね。
主人公がガチのどクズで大嫌い!だけど成功していくことがちょっと気持ちいいっていうね(←アブねえ)。
映画はさまざまな感情を体験させてくれる媒体。こういう作品があってもいいのです(青少年の健全育成にすこぶる悪いけど)。
本作で残念だったのは、気になることを「うやむや」にしてしまうこと。
中盤まではこの「わからなさ」こそが「知りたい」という観客の興味を引く原動力になっていたのに、終盤ではそのあたりを解消していないから「飲み込みづらい」「納得できない」という感情が残ってしまいます。
「観客の想像におまかせする」ことが重要な作品もありますが、本作は一番重要なことを放棄しちゃったようにしか感じないんですよね。ここは明らかな欠点だと思います。
また、鶴橋康夫監督の演出は堅実なのですが、『ウルフ〜』のような勢い良くクズの経歴を描いて→地獄に突き落とす、というカタルシスはそんなにありません。
あくまで淡々とした話運びで、役者の演技で魅せる(ときどきすげえシーンが出てくる)というのは本作の利点なのですが、やはり自分は『ウルフ〜』のようなラリパッパっぷりが飛び抜けているほうが好みです(『日本で〜』でも同じことを思ったなあ)。
それでも、クライマックスのありえねー(褒めています)展開にはヒーヒー笑えたし、もれなくゲスどもが出てくるのである種のスガスガしさを感じる快作でした。
濡れ場はそこそこの過激さで、PG12指定ギリギリのちょうどいい感じなのではないかと。
はじめに書いたように『君の名は。』を観て「世界はこんなに美しくねーよ、クソボケが!」と思っている歪んだ大人にオススメしますよ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
『グランド・イリュージョン2 見破られたトリック』真実はここに(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(原題:NOW YOU SEE ME 2)です。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:ごめん、やっぱりツッコませて
あらすじ
マジシャン集団のフォー・ホースメンは、マジックとイリュージョンで不正に搾取された金を奪取し、人々の注目の的になっていた。
彼らはハイテク企業の不正を暴こうとするが、何者かによっては失敗に終わる。その裏にはウォルター(ダニエル・ラドクリフ)という科学者の存在があった。
華麗で大胆なマジックを題材とした映画『グランド・イリュージョン』の続編です。
前作のレビュー↓
いま、君が見ている 映画「グランド・イリュージョン」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
前作は細いところに目をつぶればやたらめったら楽しかったので、今作も大いに期待していました。
監督が『トランスポーター』『タイタンの戦い』のルイ・レテリエから、前作の魅力を台無しにした駄作『G.I.ジョー バック2リベンジ』のジョン・チュウにバトンタッチしていたのでイヤな予感がしましたが、そこは問題まあちょっとはあったかもしれないけどなかったです。
しっかり前作の魅力と欠点を受け継いでいました。超・超・超楽しかった!
魅力についてはネタバレなしで、以下に全力で書いております↓
<『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』をより楽しむための5つのポイント | シネマズ by 松竹>
……さてさて、小文字で書いたように、本作は手放しで絶賛できないわけで。何より「そのマジックは無理だろ!」「催眠術が無敵すぎるだろ!」といったツッコミどころが満載なんですよね。
劇中のマジックそのものはすべて現実でも可能なものであり、実際に特殊効果なしの「本物」がスクリーンに映し出されてはいるのですが、「その状況的に不可能に感じてしまう」ものが多いのです。
マジシャン集団フォー・ホースメンが派手なマジックで人々を魅了して目立ちまくっているのに、彼らがほぼ変装をしないまま潜入ミッションをしているのがそもそも変です。誰かに顔見られた瞬間、「あっフォー・ホースメンだ!」って言われるんじゃね?
彼らに必要なのは、マジックの技術はもとより『ミッション・インポッシブル』にあるような顔をベリィって剥がす変装技術だと思う。
前作でも思っていたのですが、この映画に必要なのは圧倒的な「小二病」の力なんです。
明らかに無理だろ的なツッコミをしてしまうのは野暮、無垢な子ども時代になんでも楽しめて、すげー!かっこいいー!と興奮していたときの病気にかかればマジで幸せ。そういうもんです。少年の心に戻りましょう!戻れよ!(自分に催眠術のスキルはありません)
まあ今回は脚本段階から「もうちょっとやりようなかったか」としか思えない、ツッコミどころか「ノイズ」と言ってもいいくらいに杜撰なシーンがあったんですけど……。そこをパワーアップしてどうする!
もう少しくらい、「気持ちよく騙される」ための工夫が欲しかったですね。
あと終盤のとある展開は、別の意味でまったく飲み込めないというかかなりイラっとしたよ?
何言ってもネタバレになるから↓に書きますけどさ。
そうそう、地味に邦題(サブタイトルのほう)がよくないよね。内容に即していないよ?
そんな不満はともかく、自分がこの映画が好きな理由は、とにかく「どんどんマジック出そーぜ!」「どんでん返ししてやろーぜ!」なサービス精神、ケレン味にあふれまくっているから。
細かいことを気にせず、ただただ楽しい映画を期待すれば、存分に満足できるんじゃないでしょうか。
ダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター)のクズ男っぷりを観たい方はぜひどうぞ。
マジック好きな方はもちろんのこと、『君の名は。』が満席で入れなかったカップルにもオススメですよ。
<クズオーラが半端ないハリー
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:ごめん、やっぱりツッコませて
あらすじ
マジシャン集団のフォー・ホースメンは、マジックとイリュージョンで不正に搾取された金を奪取し、人々の注目の的になっていた。
彼らはハイテク企業の不正を暴こうとするが、何者かによっては失敗に終わる。その裏にはウォルター(ダニエル・ラドクリフ)という科学者の存在があった。
華麗で大胆なマジックを題材とした映画『グランド・イリュージョン』の続編です。
グランド・イリュージョン Blu-ray
posted with amazlet at 16.09.03
KADOKAWA / 角川書店 (2014-11-28)
売り上げランキング: 153
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前作のレビュー↓
いま、君が見ている 映画「グランド・イリュージョン」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
前作は細いところに目をつぶればやたらめったら楽しかったので、今作も大いに期待していました。
監督が『トランスポーター』『タイタンの戦い』のルイ・レテリエから、前作の魅力を台無しにした駄作『G.I.ジョー バック2リベンジ』のジョン・チュウにバトンタッチしていたのでイヤな予感がしましたが、そこは問題まあちょっとはあったかもしれないけどなかったです。
しっかり前作の魅力と欠点を受け継いでいました。超・超・超楽しかった!
魅力についてはネタバレなしで、以下に全力で書いております↓
<『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』をより楽しむための5つのポイント | シネマズ by 松竹>
……さてさて、小文字で書いたように、本作は手放しで絶賛できないわけで。何より「そのマジックは無理だろ!」「催眠術が無敵すぎるだろ!」といったツッコミどころが満載なんですよね。
劇中のマジックそのものはすべて現実でも可能なものであり、実際に特殊効果なしの「本物」がスクリーンに映し出されてはいるのですが、「その状況的に不可能に感じてしまう」ものが多いのです。
マジシャン集団フォー・ホースメンが派手なマジックで人々を魅了して目立ちまくっているのに、彼らがほぼ変装をしないまま潜入ミッションをしているのがそもそも変です。誰かに顔見られた瞬間、「あっフォー・ホースメンだ!」って言われるんじゃね?
彼らに必要なのは、マジックの技術はもとより『ミッション・インポッシブル』にあるような顔をベリィって剥がす変装技術だと思う。
前作でも思っていたのですが、この映画に必要なのは圧倒的な「小二病」の力なんです。
明らかに無理だろ的なツッコミをしてしまうのは野暮、無垢な子ども時代になんでも楽しめて、すげー!かっこいいー!と興奮していたときの病気にかかればマジで幸せ。そういうもんです。少年の心に戻りましょう!戻れよ!(自分に催眠術のスキルはありません)
まあ今回は脚本段階から「もうちょっとやりようなかったか」としか思えない、ツッコミどころか「ノイズ」と言ってもいいくらいに杜撰なシーンがあったんですけど……。そこをパワーアップしてどうする!
もう少しくらい、「気持ちよく騙される」ための工夫が欲しかったですね。
あと終盤のとある展開は、別の意味でまったく飲み込めないというかかなりイラっとしたよ?
何言ってもネタバレになるから↓に書きますけどさ。
そうそう、地味に邦題(サブタイトルのほう)がよくないよね。内容に即していないよ?
そんな不満はともかく、自分がこの映画が好きな理由は、とにかく「どんどんマジック出そーぜ!」「どんでん返ししてやろーぜ!」なサービス精神、ケレン味にあふれまくっているから。
細かいことを気にせず、ただただ楽しい映画を期待すれば、存分に満足できるんじゃないでしょうか。
ダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター)のクズ男っぷりを観たい方はぜひどうぞ。
マジック好きな方はもちろんのこと、『君の名は。』が満席で入れなかったカップルにもオススメですよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影』シャドウ感ねえ!(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』(原題:Teenage Mutant Ninja Turtles: Out of the Shadows)です。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:安心と信頼のマイケル・ベイ節炸裂(上映時間短め)
あらすじ
タートルズの宿敵シュレッダー(ブライアン・ティー)は、バクスター博士(タイラー・ペリー)の協力で脱獄し、再びニューヨークを大混乱に陥れようとしていた。
さらに、ビーバップ(ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ)とロックステディ(ステファン・“シェイマス”・ファレリー)もシュレッダーの仲間に加わり、悪の帝王クランゲも異次元から襲来する。
タートルズたちはこの強敵たちに勝てるのか!?
アメリカンコミックの実写映画化作品であり、2014年に公開されたリブート作『ミュータント・タートルズ』の続編です。
前作のレビューはこちら↓
まさに10代のヒーロー 『ミュータント・タートルズ(2014)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
なぜか今回のタイトルが、ミュータント・タートルズ→ミュータント・ニンジャ・タートルズと、「ニンジャ」が付け加えられていますが、これは邦題をつける担当者の「なんでニンジャをアピールしていないんだよ!」という魂の叫びなんですかね?まあどっちでもいいか。
えー、でね、本作の感想ね。
キモかわいいカメたちが飛んだり跳ねたり、おバカな敵たちと戦っててちょう楽しかったです。おしまい。
……うん、もうそんなんで終わっていい内容なんだもん。
本作の何がすごいって、前作に引き続きハリウッドの破壊王マイケル・ベイが制作を務めており、その作家性がめっちゃ現れているということ。
具体的には、
(1)動きまくるカメラワーク
(2)ツッコミどころ満載のシナリオ
(3)しょうもないギャグ
あたりに集約されます。これでベイが監督じゃないってどういうことだってばよ。
とくに(1)はなかなかヤバいですねえ(褒めています)。
カメラが被写体に近すぎ、その被写体に合わせてグワングワン動きまくっているので、ときどきどーなってんだかわからなくなるのは『トランスフォーマー』のアクションそのまんまです。
まあこれもサービス精神満点で楽しいんでいいでしょう。
バカなキャラのしょうもない発言に対し、マジメなキャラが白い目で見るというギャグが多かったのがうれしかったですね。
作り手が「バカなキャラ多すぎたやべっ」という欠点をわかってんじゃん!やるじゃん!(上から目線)
そして旧アニメ版などを観た方にはおなじみの「クランゲ」のほか「ロックステディ&ビーバップ」という悪役が登場するのがいいですね。
クランゲのキモさが実写でさらにエンガチョな感じになっている(褒めています)のが素敵です。
何よりテンポがよく、上映時間が2時間に収まっており(それでも前作よりは10分長い)、気楽に頭空っぽで観られるのが最大の利点でしょう。
退屈しないような工夫は随所に凝らされているので、期待せずに観に行ったらとっても楽しめると思います。
まあストーリーは大したことがないです(わかっていました)。
中盤からタートルズたちがとあることで悩むようになるんだけど、それの解決方法がいくらなんでも性急すぎます。
「あの描写意味ないじゃん」「敵のニンジャ部隊が雑魚すぎ」など、ツッコミどころがいくらでも出てくるガバい脚本は一周回って楽しかったです。
また、吹き替え版で観たのですが、これもよかったです。
メインの4人のキャラとのマッチっぷりはもちろんですが、黒人の科学者に屋良有作、ボスキャラのクランゲに玄田哲章と、シュワちゃんの吹き替えをされていた大御所が両方出演されているのがたまりません。
宮川大輔&藤森慎吾の関西弁の吹き替えも、これなら十分にあり。
おふたりは関西弁でのアフレコに不安を感じていたそうで、なんだか好感が持てますね。存分に上手かったです。
<このふたりのキャラも大好きですよ。
『君の名は。』の大ヒットも手伝って劇場はガラガラ、初登場10位スタートというかわいそうなことになっているだけに、おすすめします。
『君の名は。』は一生忘れられない作品ですが、本作はとりあえず観ていただき1時間程度で忘れてしまっていい内容でした(どちらがいい悪いという話ではなく)。
一応続編なので前作を観ておいたほうがいいですが、基本的にアクションばっかなんで今回からでも楽しめます。2Dか3Dかはお好みで選びましょう。
頭空っぽなアクション映画を期待する人は、ぜひ劇場へ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ツッコミ入れているだけです。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:安心と信頼のマイケル・ベイ節炸裂(上映時間短め)
あらすじ
タートルズの宿敵シュレッダー(ブライアン・ティー)は、バクスター博士(タイラー・ペリー)の協力で脱獄し、再びニューヨークを大混乱に陥れようとしていた。
さらに、ビーバップ(ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ)とロックステディ(ステファン・“シェイマス”・ファレリー)もシュレッダーの仲間に加わり、悪の帝王クランゲも異次元から襲来する。
タートルズたちはこの強敵たちに勝てるのか!?
アメリカンコミックの実写映画化作品であり、2014年に公開されたリブート作『ミュータント・タートルズ』の続編です。
ミュータント・タートルズ [Blu-ray]
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パラマウント (2016-04-08)
売り上げランキング: 368
売り上げランキング: 368
まさに10代のヒーロー 『ミュータント・タートルズ(2014)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
なぜか今回のタイトルが、ミュータント・タートルズ→ミュータント・ニンジャ・タートルズと、「ニンジャ」が付け加えられていますが、これは邦題をつける担当者の「なんでニンジャをアピールしていないんだよ!」という魂の叫びなんですかね?まあどっちでもいいか。
えー、でね、本作の感想ね。
キモかわいいカメたちが飛んだり跳ねたり、おバカな敵たちと戦っててちょう楽しかったです。おしまい。
……うん、もうそんなんで終わっていい内容なんだもん。
本作の何がすごいって、前作に引き続きハリウッドの破壊王マイケル・ベイが制作を務めており、その作家性がめっちゃ現れているということ。
具体的には、
(1)動きまくるカメラワーク
(2)ツッコミどころ満載のシナリオ
(3)しょうもないギャグ
あたりに集約されます。これでベイが監督じゃないってどういうことだってばよ。
とくに(1)はなかなかヤバいですねえ(褒めています)。
カメラが被写体に近すぎ、その被写体に合わせてグワングワン動きまくっているので、ときどきどーなってんだかわからなくなるのは『トランスフォーマー』のアクションそのまんまです。
まあこれもサービス精神満点で楽しいんでいいでしょう。
バカなキャラのしょうもない発言に対し、マジメなキャラが白い目で見るというギャグが多かったのがうれしかったですね。
作り手が「バカなキャラ多すぎたやべっ」という欠点をわかってんじゃん!やるじゃん!(上から目線)
そして旧アニメ版などを観た方にはおなじみの「クランゲ」のほか「ロックステディ&ビーバップ」という悪役が登場するのがいいですね。
クランゲのキモさが実写でさらにエンガチョな感じになっている(褒めています)のが素敵です。
何よりテンポがよく、上映時間が2時間に収まっており(それでも前作よりは10分長い)、気楽に頭空っぽで観られるのが最大の利点でしょう。
退屈しないような工夫は随所に凝らされているので、期待せずに観に行ったらとっても楽しめると思います。
まあストーリーは大したことがないです(わかっていました)。
中盤からタートルズたちがとあることで悩むようになるんだけど、それの解決方法がいくらなんでも性急すぎます。
「あの描写意味ないじゃん」「敵のニンジャ部隊が雑魚すぎ」など、ツッコミどころがいくらでも出てくるガバい脚本は一周回って楽しかったです。
また、吹き替え版で観たのですが、これもよかったです。
メインの4人のキャラとのマッチっぷりはもちろんですが、黒人の科学者に屋良有作、ボスキャラのクランゲに玄田哲章と、シュワちゃんの吹き替えをされていた大御所が両方出演されているのがたまりません。
宮川大輔&藤森慎吾の関西弁の吹き替えも、これなら十分にあり。
おふたりは関西弁でのアフレコに不安を感じていたそうで、なんだか好感が持てますね。存分に上手かったです。

『君の名は。』の大ヒットも手伝って劇場はガラガラ、初登場10位スタートというかわいそうなことになっているだけに、おすすめします。
『君の名は。』は一生忘れられない作品ですが、本作はとりあえず観ていただき1時間程度で忘れてしまっていい内容でした(どちらがいい悪いという話ではなく)。
一応続編なので前作を観ておいたほうがいいですが、基本的にアクションばっかなんで今回からでも楽しめます。2Dか3Dかはお好みで選びましょう。
頭空っぽなアクション映画を期待する人は、ぜひ劇場へ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ツッコミ入れているだけです。