垣間見えた感情 漫画「外天楼」紹介+ネタバレレビュー
映画「ミッション:8ミニッツ」は素晴らしいSF作品でした。
そのすぐあとに「こんなに面白いSFミステリーが読めるなんて!」と衝撃を受けた&大興奮だった作品があります。
それは漫画「外天楼(げてんろう)」です。
もうね、最高なんてもんじゃないです。
一巻完結の漫画でこれ以上満足感を得れる作品はないとまで言い切れます。
買ってから何度も読んでいますが、一向に飽きません。
作者の石黒正数さんは、代表作の「それでも町は廻っている」も一話の構成力がものすごいと思っていたのですが、今作ではその力量を思い知りました。
この漫画は
ショートストーリーが積み重なり、一つの大きな話につながっていく・・・
という構成がとられています。
一見バラバラに見える物語が収束していくのです。
全体の構成は映画「運命じゃない人」や、ゲーム「428 ~封鎖された渋谷で~」に近い印象です。
すごいのは、一見した程度ではそれぞれの話が関係ないように見えること。
そして物語の前半部分はゆるゆるな雰囲気で、基本的にくだらないんですよ。
しかし、そのしょうもない話の中にも巧みな伏線がいくつも隠されているのです。
ちょっとそれぞれの話を見ていきましょう。
1話:リサイクル
エロ本を目立たないように買おうとする3人の中学生の話です(万引きじゃないよ)。

うん、くだらないね。
でもこれにも「推理」パートがあったりして、これだけでもミステリーとして楽しめる話になっています。
2話:宇宙刑事ディクト
いきなり特撮ものになります。

そんな中、戦闘員が一人増えていることに気づき・・・という話。
このセリフはまんま萩尾望都先生の有名なSF作品「11人いる!」からのものですね。
3話:罪悪
一人暮らしの女性がロボットを手に入れたけど、目覚ましくらいにしか価値を感じなくて・・・という話。

この話のラストに提示される「感情」も後半の伏線になっています。
4話:面倒な館
アホっぽい女刑事が登場し、密室殺人の謎を解く・・・という話。

一番ミステリーらしい話ですが、結末にはずっこけそうになりました。
5話:フェアリー殺人事件
別の殺人事件が起き、さっきの女刑事が「ダイイングメッセージ」を解読し始めます。しかし・・・

登場人部たちがメッセージを押し付け合うという、醜くもわりとどうでもいい話になっていきます。
いやあこうして並べてみると本当ゆるいな。
でもこの「くだらない話」にも、「ウラ」があるのです。
この話の中にもいくつのも複線があり、登場人物の行動の結果や感情が現れているのです。
それは最終話のシリアスで、かつ衝撃的な結末につながります。
最終話を読んだあとに、これらの話を振り返ると、きっと一度目とは違った感情が沸き起こるはずです。
「本当かよ」とお思いでしたら、是非読んでみてください。
嫌悪感を覚える人もいるであろう&お子様には向かない性描写もありますし、万人向けではありません。
でも「面白い話が読みたい」という動機があればそれだけでオススメです。
構成力の高い作品が読みたい方は必見です!
↓以下はネタバレで、後半の真相と展開について書いています。未見の方は絶対に読まないでください
そのすぐあとに「こんなに面白いSFミステリーが読めるなんて!」と衝撃を受けた&大興奮だった作品があります。
それは漫画「外天楼(げてんろう)」です。
![]() | 石黒 正数 735円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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もうね、最高なんてもんじゃないです。
一巻完結の漫画でこれ以上満足感を得れる作品はないとまで言い切れます。
買ってから何度も読んでいますが、一向に飽きません。
作者の石黒正数さんは、代表作の「それでも町は廻っている」も一話の構成力がものすごいと思っていたのですが、今作ではその力量を思い知りました。
この漫画は
ショートストーリーが積み重なり、一つの大きな話につながっていく・・・
という構成がとられています。
一見バラバラに見える物語が収束していくのです。
全体の構成は映画「運命じゃない人」や、ゲーム「428 ~封鎖された渋谷で~」に近い印象です。
すごいのは、一見した程度ではそれぞれの話が関係ないように見えること。
そして物語の前半部分はゆるゆるな雰囲気で、基本的にくだらないんですよ。
しかし、そのしょうもない話の中にも巧みな伏線がいくつも隠されているのです。
ちょっとそれぞれの話を見ていきましょう。
1話:リサイクル
エロ本を目立たないように買おうとする3人の中学生の話です(万引きじゃないよ)。

うん、くだらないね。
でもこれにも「推理」パートがあったりして、これだけでもミステリーとして楽しめる話になっています。
2話:宇宙刑事ディクト
いきなり特撮ものになります。

そんな中、戦闘員が一人増えていることに気づき・・・という話。
このセリフはまんま萩尾望都先生の有名なSF作品「11人いる!」からのものですね。
3話:罪悪
一人暮らしの女性がロボットを手に入れたけど、目覚ましくらいにしか価値を感じなくて・・・という話。

この話のラストに提示される「感情」も後半の伏線になっています。
4話:面倒な館
アホっぽい女刑事が登場し、密室殺人の謎を解く・・・という話。

一番ミステリーらしい話ですが、結末にはずっこけそうになりました。
5話:フェアリー殺人事件
別の殺人事件が起き、さっきの女刑事が「ダイイングメッセージ」を解読し始めます。しかし・・・

登場人部たちがメッセージを押し付け合うという、醜くもわりとどうでもいい話になっていきます。
いやあこうして並べてみると本当ゆるいな。
でもこの「くだらない話」にも、「ウラ」があるのです。
この話の中にもいくつのも複線があり、登場人物の行動の結果や感情が現れているのです。
それは最終話のシリアスで、かつ衝撃的な結末につながります。
最終話を読んだあとに、これらの話を振り返ると、きっと一度目とは違った感情が沸き起こるはずです。
「本当かよ」とお思いでしたら、是非読んでみてください。
嫌悪感を覚える人もいるであろう&お子様には向かない性描写もありますし、万人向けではありません。
でも「面白い話が読みたい」という動機があればそれだけでオススメです。
構成力の高い作品が読みたい方は必見です!
↓以下はネタバレで、後半の真相と展開について書いています。未見の方は絶対に読まないでください