ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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最高に意味のある68分 映画「ポテチ」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

DVDで観た映画「ポテチ」の感想です。

濱田岳
3565円
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個人的お気に入り度:8/10

一言感想:ダメな自分への最高の応援歌!


あらすじ


宮城県仙台市。
空き巣をなりわいとする今村(濱田岳)は、恋人の若葉(木村文乃)と共に地元のプロ野球選手・尾崎の家に忍び込む。
部屋のTVで野球を見ている今村と若菜のもとに、電話がかかってきて・・・




アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」の中村義洋監督×伊坂幸太郎原作の作品です。

つーか、すげー面白ええええ!
このコンビの作品はこれまでのも大好きでしたが、その中でも全くひけをとりません。

本作の上映時間は、わずか68分
この監督と原作者のファンでも、この上映時間を見て劇場へ行く足を止めた方も多いのではないでしょうか(自分がそうでした)。
いやーでもこの上映時間であることはむしろ長所。
ただ長くて中身のない映画よりもはるかに価値があると言い切れます。

「ポテチ」という、観る前は絶対にわけのわからないタイトルですが、この意味はしっかりあります。
脚本は本当に気が利いていて、何気ない台詞にもしっかり意味があります。

それでいて、この映画はコンプレックスを持っている人間への応援歌でもあります

空き巣に身を落とした主人公と、人気プロ野球選手という2人の登場人物。
この2人が、どう関わるのかー
その顛末は、きっと感動を呼ぶはずです。

全てが洗練された1時間は、本当に観なければ損だ!超オススメです!
エンドロール後にも1シーンあるので、お見逃しなく。

以下は序盤のシーンと、何気ないシーンがちょっとだけネタバレ↓
結末や「秘密」については書いていないので、未見でも大丈夫とは思います。

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2012-10-31 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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長いだけの失敗作か「終の信託」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は終の信託です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:主人公の葛藤と、家族への配慮が足らなすぎだよ・・・


あらすじ


呼吸器内科に勤める医師の折井綾乃(草刈民代)は、同じ職場の医師・高井(浅野忠信)との不倫のために傷つき、自殺未遂を図る。
その後折井は、気管支ぜんそくを患う江木秦三(役所広司)と触れ合い、その傷は癒されるようになってゆく。
しかし江木の症状は悪くなる一方で、死期を悟った彼は、延命治療をせずに楽に死なせてほしいと折井に強く訴える。





それでもボクはやってない」「Shall we ダンス?」の周防正行監督最新作です。

本作は「それでもボクはやってない」と似たところがあります。
そのひとつが、ことがらに客観性があまりなく、どちらかといえば(監督の)主観による訴えがあることです。

本作がテーマとしているのは「尊厳死」です。
しかし本作は、主人公のやった行為が尊厳死にあたるか否かを模索するようなサスペンスではありません。

キャッチコピーなどでは「医療か、殺人か」という二者択一をしているように思えますが、本作で提示される行為は明らかに「殺人」です
「それでも~」の主人公が冤罪であることと同じように、真実を明らかにした上での物語作りなのです。

「それでも~」は優れた映画作品ですが、「(冤罪ではない場合の)被害者の視点が抜け落ちている」(←リンク先ネタバレ注意)と、批判を受けたところもありました。

そして・・・本作「終の信託」はそれ以上に批判を浴びやすいのではないのでしょうか。
自分は「それでも~」が大好きなのですが、本作品では拒否反応を起こしてしまいました。


本作の一番大きな問題点は、主人公の女医に感情移入がしにくい(できない)ことです。

前述のとおり主人公の行為は明らかな殺人なのですから、そうせざるを得なかった、そうなってしまった経緯を細やかに描かなければ、共感することができないと思います。

しかし、本作の主人公にはその説得力があまりにもありません。
主人公が自殺未遂をした理由、
主人公と患者とを結びつけた絆、
主人公が最終的に下した決断、
その全てが、客観的に見て「おかしい」と思ってしまいます。

殺人を犯した主人公が、どういった経緯でそれを行い、どのように糾弾され、反論するかが見所のはずなのですが、この描写ではそれも上滑りしてしまっています。

最悪なのが、肝心の患者を看取るシーンです。
このときの主人公の描写は本気でひどく、リアリティのある映画を撮ってきた周防監督の仕事ではない、とさえ思いました。


もうひとつの大きな欠点はとにかくだらだらと長いこと。
本作の上映時間は2時間24分ですが、その時間をかけた割には描ききれていないことが多く、同じ訴えを何度も繰り返しているようにも見え、正直前半はかなり退屈です。

役者の「ゆっくりした台詞」が多い演技は見所のひとつですが、あまりにもテンポが悪くてストレスがたまります。
加えて本作にはストーリー上の起伏があまりなく、「それでも~」のような娯楽性はありません。

ラストシーンにも正直がっかりしました。
これだけ長い時間をかけて、最後に提示されることがこれなのか、と。
あまりにバランスの悪い構成に辟易しました。


本作にはいいところもたくさんあります。
役者の演技は素晴らしく、特に大沢たかお演じる検事の「凄み」には圧倒されました。

この映画の検事は司法制度の体現者といえる存在で、主人公は彼に理不尽なまでのことばを浴びせかけられ、屈服させられていきます。

本作で真に観客に訴えられているのは
「尊厳死を決めるのは、法か、それとも人の心(意思)か」
「その両者を取り持つためにはどうすればよいのか」

ということでしょう。

医師と検事の迫力あることばのやりとりでそれを表現するのは、文句無く上手かったと思います。


しかし本作は、前述のとおり「殺人をせざるをえなかった」主人公の描写があまりにもずさんに思えるのです。

それでは「お前のやっていることは殺人だ!」と言う検事のことばに同意してしまうだけです。
主人公のやってくることに全く賛同できず、観客に解釈の自由を与えず、主人公と対する側の意見に「そりゃそうだ」「全くだ」と思ってしまう内容は、社会派の映画として明らかに失敗であるのではないでしょうか。

終盤の検事へ反論する主人公の主張には大いに共感できるのですが、時すでに遅し、という印象です。


ちなみに朔立木による原作では、主人公の描写がだいぶ違っているそうです。

朔 立木
540円
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原作での主人公は高慢で、まわりから疎まれている人物として描かれているそうですが、映画では「悪い人間」としなかったためにちぐはぐに思える主人公が生まれてしまったのではないのでしょうか・・・

とにかくオススメはしません。
軽い気持ちで観ると、「なんでこんなしんどい話をお金を払って見なきゃならんのだ」になる可能性は大です。
尊厳死を考える目的では意味はありますが、その本質にはたどり着いていない、残念な作品です。


以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2012-10-29 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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障がい者・病気をテーマとした映画その6「レインマン」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

障がい者・病気をテーマにした映画の6つ目(たぶん最終回)は「レインマン」(製作:1988年)です。

ダスティン・ホフマン
882円
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個人的お気に入り度:8/10

一言感想:自閉症の兄と、けっこうチャラ目な弟のロードムービー


あらすじ


高級車のディーラーをしているチャーリー(トム・クルーズ)の元に、かつて自分を勘当した父の訃報が届く。
父の残した遺産目当てに故郷に戻ったチャーリーだったが、遺産の300万ドルは自分に相続されないことを知る。
相続の相手は見た事もない、自閉症の兄・レイモンド(ダスティン・ホフマン)だった。
どうしても遺産を手に入れたいチャーリーは、レイモンドを連れ出し、ロサンゼルスに戻ろうとするのだが・・・




トム・クルーズダスティン・ホフマン主演のヒューマンドラマであり、ロードムービーです。

テーマとしているのは自閉症です。
自閉症は周りの人とコミュニケーションが取れなかったり、会話の意図を読み取ることが難しかったり、「自分なりのこだわり」や習慣的な行動を好んだりする特性のことを言います。

この映画に出てくる自閉症は、その特徴を上手く捉え、それをドラマに生かしています。
父を嫌っていた弟・チャーリーとひきかえ、自閉症の兄・レイモンドは父の死を理解できません。
さらに父のお金を目当てとしているチャーリーと違い、レイモンドは「お金という概念」すらありません。
レイモンドは「自分の世界」を作っていて、チャーリーをはじめ周りの人間とと上手くコミュニケーションができないのです。

本作は自閉症の症状を理解するのにもうってつけでしょう。
「自閉症」ということばは誤解を招くことが多かったのですが、この映画はその誤解を解くきっかけになりえます。

それでいて、この映画が上手いのは他者への共感が乏しいはずの自閉症の兄よりも、健常者である弟のほうが周りのことを考えていなかった描写があること。
ヒューマンドラマとしても、格別な完成度を誇っています。

地味な映画に思われるかもしれませんが、作中のエピソードの全てが面白く作られているので、若い方でも楽しめると思います。
自閉症を知りたいというきっかけでなくとも、家族、特に兄弟のドラマが観たい方全てにオススメします。

また、健常者と障がい者の2人の交流を描いている映画には、他にも「八日目」があります。
こちらも「レインマン」が好きな方に観て欲しい映画です。

以下、作中のシーンがいくつかネタバレです↓核心部分は反転しています。

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2012-10-27 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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障がい者・病気をテーマとした映画その5「おにいちゃんのハナビ」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

障がい者・病気をテーマにした映画の5つめは「おにいちゃんのハナビ」(製作:2010年)です。

高良健吾
3124円
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個人的お気に入り度:9/10

一言感想:「お涙頂戴」じゃないのに、泣けて仕方がない傑作!


あらすじ


須藤一家は、白血病にかかった16歳の華(谷村美月)のため、新潟県の町に5年前に引っ越してきた。
片貝花火まつり」の日、半年間の入院生活を終えた華は、兄の太郎(高良健吾)が自室にひきこもっていることを知り、町の成人会に参加させようとするのだが・・・




これは世にある「難病もの」の映画の中でもベスト級に大好きな映画です!

特筆すべきは、難病ものでありながら、人の死そのもので泣かせる映画ではないということ。
描かれているのは、「残されたもの」が生きるための一歩を踏み出す姿。
「お涙頂戴」なわざとらしい演出でないのに、感動的な物語に仕上がっています。

話の中心になるのは、白血病を患った妹だけでなく、ひきこもりになった兄が成長していく過程です。
この描写がとても丁寧で、妹との関係も微笑ましくて、2人の幸せを願いたくなりました。


タイトルの「花火」が作中で大きな意味を持っていることも素晴らしいです。

日本の花火には死んだ者を見送るという「鎮魂」の意味があります。
*昨年の震災のとき、被災者の方へ向けられた花火も打ち上げられました↓
<夏の花火の意味 夜空への“献花”…再起のきっかけに- MSN産経ニュース>

くわえて、実在する「片貝花火まつり」では「奉納煙火」という、「成人」「結婚」「初孫誕生」などの節目に花火を奉納するしきたりがあります。
本作の主人公(兄)も、20歳を迎えたときに「成人会」に参加し、みんなで花火を打ち上げようと画策します。
映画ではこのこの風習とともに、兄とその周りの人々が、一歩前を踏み出す物語を綴るのです。

ラストは泣けて泣けて仕方がありませんでした。
しかもそれは悲しい涙じゃなく、すごく爽やかで、高揚感のある感動なのです。

ともかくレンタルビデオ屋に埋もれたままにしておくのは勿体ない作品です。
家族と、恋人と、いろいろな方とともに観る映画としてオススメします。

ちなみに脚本は良作「半分の月がのぼる空」を手がけた西田征史さん。今後とも、注目したいと思います。
高良健吾の演じるイケメンなお兄ちゃん、谷村美月の天真爛漫な妹に萌えたい方も、是非。


以下は展開が少しだけネタバレ↓ ネタバレしているのは序盤だけで、核心部分は反転しているので未見でも大丈夫だとは思います。

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2012-10-26 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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障がい者・病気をテーマとした映画その4「奇跡の海」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

障がい者・病気をテーマにした映画の4つめは「奇跡の海」(原題:Breaking the Waves)(製作:1996年)です。

エミリー・ワトソン
3129円
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個人的お気に入り度:6/10

一言感想:夫婦にドン引き鬱映画


あらすじ


スコットランド・高地地方の海沿いの村に住むベス(エミリー・ワトソン)は石油プラットホームで働くヤン(ステラン・スカルスガルド)と結婚する。
夫の帰りを待つベスのところに、ヤンが事故にあったという知らせが届いて・・・




変態の異名をほしいままにしているラース・フォン・トリアー監督の作品です。

物語の中心は全身麻痺の夫を持つ「妻」の描写であるので、厳密な意味では病気をテーマとした映画ではないのですが、愛するものの願いにより女性が不幸になっていく描写は「終の信託」と一致していると思ったので選んでみました。

しかし・・・この映画はとてもじゃないけど一般の方におすすめできるものじゃありません。

その理由のひとつがこの夫婦の行動が全く共感できない(であるだろう)ことです。

物語は
夫が事故により全身麻痺になり、さらに不能になってしまう→妻を抱くことができない夫は、妻にほかの男と寝るように頼む→妻は言われたとおりに男を誘惑していく
というものです。
はっきり言って、胸くそが悪いにもほどがある内容でしょう。
よくもまあここまで意地の悪い物語を考え、映画として作ったなあと・・・

でもこうして不幸になる女性をとことん描いていることも、意味があることだと思います。
愛する人の頼みだとはいえ、この物語の主人公にはそれを選択するか否かの余地は残されています。
選択により不幸になる姿を見せることは、「このようになるな」という警告のようにも、不幸になった女性を慈愛の目で見ているようにも思えます。

思えばこの監督の作品では「ダンサー・イン・ザダーク」「ドッグウィル」「メランコリア」でも一人の女性が大勢から非難を受けたり迫害される姿を描いています。
そうすることで監督は悩みを持つ女性の立場にたち、問題提起をしたかったのではないかな、と深読みしてしまうのです。

ちなみにトリアー監督は、知的障がい者を演じて周りに迷惑をかけまくる集団を描たインモラルな映画「イディオッツ」も撮っています。やっぱりこの監督はどこかおかしいな(ほめ言葉)。

性的なシーンが多いので少なくともR15+指定。
恋人と観るような映画でもありません。
2時間半超えの上映時間も手伝って、観た後は何もする気が起きなくなることは必死。
心が健康なときにご覧ください。

以下、作中のシーンが少しネタバレです↓結末には触れていません

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2012-10-25 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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障がい者・病気をテーマとした映画その3「震える舌」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

障がい者・病気をテーマにした映画の3つめは「震える舌」(製作:1980年)です。

渡瀬恒彦
2035円
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*長年DVD化がされていませんでしたが、昨年に『あの頃映画 松竹DVDコレクション』として発売されました


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:子どもの演技がすごすぎて・・・


あらすじ


娘の昌子の様子がおかしくなっていった。
はじめは風邪かと思われたが、昌子は口を開けたがらず、奇妙な歩き方をはじめていた。
大病院の詳しい検査で、破傷風であることが分かる。
すさまじい病態を前に、両親は次第に看護に疲れ果ててゆき・・・




破傷風を題材とした作品です。
今では聞くことが少なく、発症率もとても低い病気ですが、本作を観るとすさまじく恐ろしい病気であることがわかるはずです。

なにせ本作の触れ込みは「医療映画」ではなく「恐怖映画
本作の破傷風の症状は、確かにホラーというにふさわしいもの。
観た人の多くは「エクソシスト」を思い出すのではないでしょうか。
ていうかビデオのパッケージが悪意を感じるほどホラーなんですが→<閲覧注意>

原作は三木卓による小説で、自分の娘が破傷風に感染したときの出来事をモチーフにしています。
自分の家族がこのような病気になったら・・・それは想像を絶する出来事でしょう。

正直映画作品としては展開がやや地味で、単調に感じるところもあります。
それでも音楽と映像のセンスが抜群なので飽きさせませんし、何より子役の演技は本当に素晴らしいので作品に引き込まれるはずです。
両親役の渡瀬恒彦十朱幸代の演技もインパクトがありました。

個人的には、本作品はホラーでなく、重い病気に立ち向かう家族の物語として観てもらいたいです。
映画の中にほとんど悪人がいないのですが、それでも家族は不幸になり、母はしだい精神が冒されていく・・・
物語はとても凄惨で観ていて気が滅入るものですが、だからでこそ見えてくるものがあるはずです。

以下少しだけ作中のシーンがネタバレです↓ 結末などはネタバレしていません。

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2012-10-24 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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障がい者・病気をテーマとした映画その2「レナードの朝」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

障がい者・病気をテーマにした映画の2つめは「レナードの朝」(原題:Awakenings)(製作:1990年)です。

ロバート・デ・ニーロ
930円
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個人的お気に入り度:9/10

一言感想:全医療人に観て欲しい!


あらすじ


セイヤー博士(ロビン・ウィリアムズ)は精神神経科の慢性病棟に勤務を始める。
彼が出会ったのは、パーキンソン症候群をわずらい動けなくなった患者たちだった。
セイヤー博士は患者の一人であるレナード(ロバート・デ・ニーロ)の治療を試みるのだが・・・




今まで観ていなかったことが恥ずかしいくらいの素晴らしい作品でした。

本作は実話をもととしており、当時「眠り病」と呼ばれた嗜眠性脳炎を扱っています。
物語は、主人公・レナードをはじめとした患者にパーキンソン病の治療薬であるL-ドーパを投与したところ、長年昏睡状態にあった彼らが目覚めるというものです。

実際には昏睡というよりも、彼らには一部「反応」があるので「半昏睡」か「植物状態」のほうが正しいのですが、歩くことも、話すことも、意思疎通もままならないので「眠っている」とらえてもいいでしょう。

彼らが長い年月を経て起き上がったときにどういったドラマが展開するのかーそこが見所になっています。

本作の優れたところの筆頭にあがるのは、ロバート・デ・ニーロの名演技です。
デニーロはパーキンソン症候群の症状を演じるだけでなく、「心が少年である中年男性」を見事に表現しています。

医療ドラマとしても抜群に面白く、もう一人の主人公の医師・セイヤーがユニークな方法で患者の治療に立ち向かう様は万人が楽しめるでしょう。

前述のL-ドーパ薬は、当時パーキンソン「病」の特効薬として発表されていましたが、本作の嗜眠性脳炎によるパーキンソン「症候群」に効くかどうかは未知数であり、投薬の許可はされていませんでした。
このことも、しっかりドラマに生かされています。

さらに素晴らしいのは、患者が医師により治療されるだけでなく、医師も患者に影響されて変化・成長していくことが細やかに描かれていることです。
患者・レナードと医師・セイヤーの友情の物語は、多くの人、特に医療関係者にこそ観て欲しいです。

以下、作中のシーンと台詞が少しネタバレです↓重要な部分は反転し、結末にも触れていませんが、未見の方は要注意

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2012-10-23 : 旧作映画紹介 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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障がい者・病気をテーマとした映画その1「ギルバート・グレイプ」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

10月27日に重圧な医療ドラマである「終の信託」が公開されます。
それを踏まえて、障がい者や病気をテーマとした名作映画をいくつかご紹介してみます。

今日ご紹介するのは「ギルバート・グレイプ」(製作:1993年)です。

ジョニー・デップ
889円
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個人的お気に入り度:8/10

一言感想:日々の暮らしの中で自分を律する主人公に、涙


あらすじ


アイオワ州エンドーラ。生まれてから一度もこの退屈な町を出たことがない24歳の青年・ギルバート(ジョニー・デップ)は、知的障がいを伴う自閉症を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、過食症の母、姉と妹の面倒を見つづけていた。
ある日アーニーは給水塔に登り、皆の迷惑をかけてしまう。
その後、ギルバートの前にトレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける少女・ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れるのだが・・・




いやあもうね、すごくいい映画ですよ、これ。
片田舎で、障がい者の面倒をみている青年の物語なのですが、とにかく人物描写が丁寧なので心にしみ入る良さがあります。

豪華キャストも魅力のひとつで、主人公を演じるのがジョニー・デップの上、知的障がいのある少年を演じているのはなんと当時19歳のレオナルド・ディカプリオ
どちらも素晴らしい名演です。

知的障がいがあり、なおかつ自閉症の弟のアーニーは、周りにとにかく迷惑をかけてしまう。
そんな彼を、兄のギルバートはとにかくかばおうとします。

さらに過食症で肥えている母親も世間から奇異にみられ、蔑まれ、嘲笑の対象となってしまいます。

そんな中、ギルバートは自分を律し、アーニーと家族の面倒をみようとするのです。

誰にもお前はいじめさせない<左がギルバート(ジョニデ様)、右がアーニー(レオ様)です

決して心あたたまるだけの物語ではなく、障がい者であることの苦しみ、身内にいることでの確執が細やかに描かれています。
決して美化することなく、悪い面も、良い面も描いたこの作品が大好きです。

これは障がい者を身内に持つ人はもちろん、障がい者を知らない人にこそ観てほしい映画だと思います。
障がい者とともに暮らすということはさまざまな問題を抱えていて、甘いものではありません。
それは知的障がいのある者の行動と、それによる周りの人の対応を見ればわかることだと思います。

その中でも、主人公は自分の生活を肯定することも、「不幸だ」と否定をすることもしていません。
ただ今の状況を受け入れているように思えます。

たとえ望んだ環境でなくとも、自分を律し、生活をしていくことに意義がある。
自分のいる環境で生きることの尊さ。
そんな想いがみてとれるのです。

障がいを持つ人たちの日常を見たい人は、是非。
ジョニデ様と若き日のレオ様のカップルにハァハァしたい腐った人にもオススメです

以下、ほんのちょっとだけネタバレです↓未見の方は要注意。

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2012-10-22 : 旧作映画紹介 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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おじさま版アベンジャーズ「エクスペンダブルズ2」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はエクスペンダブルズ2です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:むしろ長持ち軍団だよね


あらすじ


おっさんたちが悪い奴らをぶっ殺します。




オススメです!
この映画に出てくる筋肉ムキムキなおじさまがたのファンの方、今すぐ観なさい
強いおっさんたちが戦う!悪い奴をぶっ殺す!それ以外は何にもないという期待を裏切らない作品ですよ!

監督はシルベスター・スタローンから、「トゥームレイダー」「コン・エアー」のサイモン・ウェストにバトンタッチ。
少しウェット感があった前作から比べて、とにかくアクションで押し通す作風に切り替わったように思えます。

その甲斐あってか、本作の面白さは前作よりも上回っています
<前作の感想>(外部リンク、微ネタバレ注意)
前作に消化不良を感じた方も、本作のぶっ続きアクションには満足できるんじゃないでしょうか。
これを観ずにして、何のアクション映画を観るんだっていうくらいに見せ場が満載です。

有名なヒーローたちが勢ぞろいする様は、さながら「アベンジャーズ」のようです。
以下、見ているだけで惚れてしまいそうな素敵な登場人物をご紹介!

バーニー(シルヴェスター・スタローン
スタローン<「エクスペンダブルズ」のリーダー! 特技:早撃ち

クリスマス(ジェイソン・ステイサム
ステイサム<よくバーニーとイチャイチャする。 特技:ナイフ術

ヤン(ジェット・リー
ジェットリー<ちっちゃいけど頑張るよ! 特技:マーシャルアーツ

ガンナー(ドルフ・ラングレン
ラングレン<前作で一時期「仲間を裏切っていたが、更生」。 特技:空手と数学(実はインテリ)

トール・ロード(ランディ・クートゥア
ランディ・クートゥア<正直影薄いよ!自称変人。 特技:破壊工作

シーザー(テリー・クルーズ 狂っている海外のボディソープのCMも話題になった)
テリークルーズ<性格はけっこうお茶目✩ 特技:銃火器

ビリー“ザ・キッド”(リアム・ヘムズワース
ヘムズワース<新たに加わったメンバー。 特技:スナイプ

ブッカー(チャック・ノリス
チャックノリス<『一匹狼』なベテラン傭兵。 特技:単独行動で大活躍

マギー・チャン(ユー・ナン
ユーナン<本作のあんまり可愛くないヒロイン。 特技:暗号解読

ヴィラン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ヴァンダム<本作の敵。残虐非道な犯罪武装集団のリーダー。 特技:回し蹴り

そして、そして・・・ついにあの2人が参戦です。

チャーチ(ブルース・ウィリス
ウィリス<CIAに属する司令官。 特技:裏に隠れて指令

トレンチ(アーノルド・シュワルツェネッガー
シュワちゃん<民間軍事会社の経営者。 特技:商売

前作では顔見せ程度だったこの2大スターが、本作ではスタローンたちとともに思い切り戦ってくれます!
さらに素晴らしいのは、このシュワちゃんの登場シーンが全てギャグに等しいこと。
あの手この手でシュワちゃんをイジってくるのでもう最高。
前作の「あいつは大統領にでもなろうとしてるんじゃないか?」にも大笑いしましたが、本作はそれ以上。
男子トイレに掲載されたネタ満載のポスターも「今度はコメディだよ!」とアピールした結果なのかもしれません。

本作は吹き替え版が超豪華キャストです。
その豪華声優陣の演技による、木曜映画劇場のような雰囲気を味わうのもいいでしょう。
*実際にそれっぽく作られている予告編もあります(割とネタバレが多いので注意)↓
<「最強の11人編」 - YouTube>
<「ヴァン・ダム編」 - YouTube>
<「チャック・ノリス編 」- YouTube>
個人的には原語でこそシュワちゃんの台詞の面白さが味わえると思うので、字幕版もオススメです。

とにかく観る前に多くは語りません。
前作を観ていなくても全く問題なく楽しめます。
ターミネーター2」「ダイ・ハード」を観ているとより楽しめるネタもあります。

アクション最高!
筋肉最高!
スターたちの共闘が最高!
そんな炎の男白質が摂取できる本作は絶対スクーンで観ろ!
以上だ!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2012-10-20 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 3
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これが日本の特撮だ!「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」ネタバレなし感想+変身シーン

10月20日に「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」が公開されます。

宇宙刑事ギャバンは1980年代に放映されていた特撮ヒーロー番組です。
現代の若い人で見たことのある人はほとんどいないでしょうが、「宇宙刑事ギャバ」というFLASHアニメがネット界隈で人気を博していたので、名前だけは知っている人も多いでしょう。

放映から30年経っての劇場映画というのが驚きですが、他にもノベライズやwebコミック化のメディアミックスが展開されているのです↓
宇宙刑事ギャバン THE COMIC

なぜ今頃?と思うところですが、実はこれは、とあるコラボ作品のスマッシュヒットを受けてのことなのです。
本日は海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIEをご紹介します。

小澤亮太
2982円
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個人的お気に入り度:8/10

一言感想:すげー楽しいんですけど!


あらすじ


宇宙海賊のゴーカイジャーは、突如謎の船から襲撃を受ける。
船から降り立った宇宙刑事ギャバンによりゴーカイジャーたちは逮捕され、あやうく処刑されそうになる。
それはギャバンによる、宇宙帝国ザンギャックをおびき寄せるための作戦だった。

ところがギャバンは、ギャンザックの作り出した自身のコピーに敗れ、魔空監獄へと収監されてしまう。
ゴーカイジャーたちは、ギャバンを助け出すことができるのか・・・?




滅茶苦茶面白え!Yahoo!映画の超高評価にも納得です!

・ものすごくテンポがいい
・見せ場満載
・ギャグが小気味いい
・アクションがすごい
・なにより超格好いい
などなど、特撮ヒーローものの面白さを全て網羅したような展開に興奮しっぱなしでした。

本作は「VS」というタイトルながら、往年の人気ヒーロー「宇宙刑事ギャバン」と、現代のヒーロー「海賊戦隊ゴーカイジャー」が「共闘」して悪を倒すという、単純明快な物語になっています。
その「ヒーロー勢ぞろい!」な面白さは、さながら「アベンジャーズ」のよう。
娯楽のツボを押さえまくってくれていたので、観ていて楽しくって仕方がありません。

本作の上映時間は、わずか64分です。
そうとは思えないほど満足感が高いのは、とにかく余分を根こそぎ取り、面白い展開を詰め込んだサービス精神のたまものでしょう。
なにせ、本作は説明とか一切なしに、戦闘シーンから映画がはじまりますからね。
上映時間の半分、いや5分の3は戦闘シーンだったような印象で、その全てが面白く仕上がっているのはすごすぎます。

また、「ゴーカイジャー」の剣と銃を使った戦い方が「ガン=カタ」っぽく見えるのにもニヤニヤしてしまいました。

宇宙刑事ギャバンを演じるのは、TVシリーズと同じく「大葉健二」さん。
これだけでファンにとっては感涙ものでしょうが、その貫禄ある雰囲気は現在でも見劣りしません。格好よすぎで惚れそうですよ。

多少なりとも「ゴーカイジャー」を知っていないとわからないサブキャラクターの描写もありますが、それ以外は一見さんでも全く問題なく楽しめます。

最近では「仮面ライダーウィザード」の「シャバドゥビタッチヘーンシーン!」という意味不明な変身シーンが話題になりましたし、特撮ヒーローもののブームが再来しているのかもしれません。

ともかくこんな面白いものを、子どもと、イケメン狙いのお母さんだけに独占させておくのはもったいないですよ。
熱いヒーローの姿を見たい大人の男にこそ、オススメです!

以下、作中の宇宙刑事ギャバンの変身シーンのみがネタバレ↓ 展開のネタバレは反転させていますが、未見の方は要注意。

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2012-10-17 : 旧作映画紹介 : コメント : 6 : トラックバック : 1
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それでも伝えたかった「スープ 生まれ変わりの物語」ネタバレなし感想+作品のテーマ

公開開始から3ヶ月以上経っているのでいまさら感もありますが、劇場で観た映画スープ〜生まれ変わりの物語〜の感想です。

スープ 映画


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:これからのことを考えたくなる・・・


あらすじ


渋谷健一(生瀬勝久)は2年前の妻との離婚以来、娘との関係がうまくいっていなかった。
さらに娘の誕生日に、彼女が万引きで捕まったとき、さらに2人の関係に亀裂が入ってしまう。

翌日、上司の綾瀬由美(小西真奈美)とともに出張に行ったとき、予想もしない事態が起きてしまう。
目覚めた時、渋谷と綾瀬は「あの世」にいた。




これはかなり好きな映画!

お話のほうはシンプルかつ、いい意味で「ベタ」、そしてすごく丁寧に作られています。
離婚した父に反発する娘の描写、娘の気持ちが理解できない父は普遍的なものであるし、なおかつ本作は「生まれ変わり」という設定がとても上手く脚色されているので凡庸な出来になっていません。

映画は2部構成とみることができます。
「あの世」にいる父と、辛い現実に直面する娘の描写が交互に繰り返されるのが第1部
終盤の「生まれ変わり後」の世界が第2部です。

第1部の父と娘の描写がとにかく上手く、それがあるがゆえに、父の「娘に会って、伝えたいことがある」という気持ちに同調します。

それでいてこの映画が上手いのは、主人公がこの世に生まれ変わっても、すぐにはこの想いを叶えることはできないという設定です。

結果として父は、辛いまま生きている娘を見守ることすらできない(辛い思いをしていることすら知らない)。
この設定は残酷だけど、だからこそラストの展開がとても感動的になっていると思います。

映画のもとととなったのは、森田健による「生まれ変わりの村」です。

森田 健
1575円
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こうした「生まれ変わり」という、ある種宗教めいたことを描いているのに、押し付けがましさが全くなく、人間ドラマ&エンターテイメントとしてしっかり楽しめるのが好印象。
幸福の科学の映画も見習って欲しいです。

原作者の意見も必見です↓
「涙も笑いもあり最後には希望が残りました」 ユーザーレビュー - Yahoo!映画
作中の「あの世」で自殺をした人がいたのも、原作を反映したがゆえのものなかもしれません。


役者も本当素晴らしかったです。<何気に豪華キャスト>
特に広瀬アリスの役柄は凄まじいインパクト。観た人全てが彼女の演技を忘れられないでしょう。


ただ個人的には、肝心の「あの世」のエピソードひとつひとつがあまり洗練されているようには思えなかったのが残念です。
それ以外の「親に取り残された娘」「生まれ変わりの後」の描写が良すぎるだけかもしれないですけどね。

また音楽も素晴らしかったのですが、多用しすぎてちょっとうるさく感じてしまいました。
何気ないようなシーンでは、抑えてほしかったですね。


残る上映館はごくわずか(10月中旬現在)だけど、近くで上映していたら是非おすすめしたい良作です。

映像のリズム、音楽、光の表現に岩井俊二っぽさも感じたので、好きな方は是非。
エンドロール後にも、1シーンありますよ。

以下はちょっとだけ作中のテーマがネタバレ↓ 具体的にはあまりネタバレしていませんが、なるべく映画を観てからどうぞ。

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2012-10-16 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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これこそ真のイケメンだよ! 少女漫画「俺物語!!」レビュー

少女漫画っていいよね!(決めつけ)

本日はネタ要素満載、少女漫画ならではの恋愛のモキュモキュ感が楽しめ、しかも笑えて泣ける大傑作「俺物語!!」を紹介します。

アルコ
420円
powered by yasuikamo
現役マンガ編集者176人が年度折り返しの秋に選ぶ、この1年間に刺激を受けたマンガBest100の1位
このマンガがすごい!の女性部門1位
にも選ばれました。

あ、リンク貼り間違えたりしていないですよ。
そう、この表紙で少女漫画なのです。
はじめ見たときは目を疑いました。漫画ゴラク掲載かなと思ったもの。

本屋で平積みされていたら、周りがピンク一色なのにひとつだけこれ。
すでに凄まじい吸引力です。

そして中身はもっと普通の少女漫画じゃなかったのでした・・・

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2012-10-14 : いろいろコラム : コメント : 6 : トラックバック : 0
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その名前の意味とは「推理作家ポー 最期の5日間」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は推理作家ポー 最期の5日間(原題:The Raven)です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:ポーを知らないといまいちミステリー


あらすじ


1849年。アメリカ、ボルティモアで猟奇殺人事件が起きる。
現場に駆け付けた若き刑事エメット・フィールズ(ルーク・エヴァンス)は、この事件が作家エドガー・アラン・ポーの作品「モルグ街の殺人」の模倣であることに気づく。
フィールズはポー(ジョン・キューザック)の助けを借り、犯人を付きとめようとするのだが、第二、第三の殺人が次々に起きてしまい・・・





Vフォー・ヴェンデッタ」「ニンジャ・アサシン」のジェームズ・マクティーグ監督最新作です。

タイトルが示すとおり、本作は実在の推理小説作家エドガー・アラン・ポーを題材とした映画です。

そのポーの死因が謎に包まれているのは有名な話。
映画はそこから話を膨らませ、「セブン」を思わせる、殺人現場に残されたヒントから事件を解明するミステリーに仕上げています。

作中ではポーのファンに向けられた描写が盛りだくさんです。
ポーの死にまつわる独自の解釈や、
彼が連れ添った女性についても語られる場面があり、
そしてポーの小説の模倣をする連続殺人事件が起きるのです。

そのため、彼の著作や半生を知っているとより楽しめるでしょう。

予告編ー推理作家ポー予告編で示される、ポーの著作とキーワード

観る前にWikipediaなどで知識を入れておくことをおすすめします↓
エドガー・アラン・ポー - Wikipedia(特に「その死」の項目は必見)
精神障害に悩まされていた10人の作家の壮絶人生 : カラパイア

著作はこちらで↓Wikipediaのあらすじは犯人まで記載されているというネタバレっぷりなので、これから読もうと思っている方は要注意。
モルグ街の殺人 - Wikipedia
落とし穴と振り子 - Wikipedia
赤死病の仮面 - Wikipedia
マリー・ロジェの謎 - Wikipedia
アモンティリャードの酒樽


さて、ポーの小説の内容が現実に起きるという展開は面白いのですが、本作はひとつのミステリー映画としてはいまひとつな印象です。
展開には強引さを感じるし、ミスリーディングがあまり上手く機能していません。

ポーの著作を読んでいなくても大筋の話は理解できますが、ポーに関する「豆知識」がふんだんに仕込まれているので、楽しむにはそれなりの知識を要する作品とも言えます。
ポーの著作にあまりなじみのない日本人には、おすすめしづらくなっているのは残念です。


ちなみに原題は「The Raven」。意味は「オオガラス」で、不吉の象徴ともされるものです。
そしてポーによる有名な詩のタイトルでもあります↓
大鴉 - Wikipedia
作中の台詞はこれが元ネタのものもあり、これもファンにとっては歓喜できるものでしょう。

量は少ないながらも、R15+指定も納得のグロテスクな殺人描写があるので要注意。
さらに閉所恐怖症の人にはきついシーンもあります。

ポーの著作が好きな推理小説ファンにおすすめです。

以下、結末や犯人も含めて盛大にネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2012-10-12 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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少年誌にしては挑戦しすぎ?漫画版「新世界より」レビュー

11月10日に映画「悪の教典」が公開されます。

エログロ大好きな三池崇史監督によるR15+指定作品、
主演の伊藤英明だけでなく、二階堂ふみ染谷将太という「ヒミズ」コンビの豪華キャストなど、
楽しみでたまらない要素が盛りだくさんです。

個人的に注目しているのが、原作者が貴志祐介さんであることです。
初めて読んだのが「クリムゾンの迷宮」で、そこからはもうハマリにはまった小説家さんでした。
個人的なオススメは「青の炎」と「天使の囀り」。
後者は最大級のレベルのグロ描写があるので気軽にはおすすめしませんが、それが大丈夫な方にはぜひ読んで欲しいです。


さて、貴志祐介原作で最近映像化されたのは、「悪の教典」だけでなく、「新世界より」があります。
文庫本であると上・中・下巻に分かれるという読むのに労力を要する大作なので、映像で本作のことを知れるのは喜ばしいことでしょう。

「新世界より」が映像化された媒体はアニメ。
ニコニコ動画で観ることもできます↓
<新世界より 第一話「若葉の季節」 ‐ ニコニコ動画(原宿)>

貴志祐介好きとしては楽しみに思い観てみたのですが・・・これわかりづらい
キャラクターはあまり立っていないし、専門用語は説明不足だし、回想シーンのはさみ方もわかりづらいし・・・正直、原作を読んでいないと話についていくのは難しいと思います。
(追記)何話か観ると、意味不明だったシーンがどんどん氷解していく構成になっていました。

長くなりましたが本題。
今日は原作を読んでいなくてもわかりやすい&楽しめる漫画版「新世界より」をご紹介します。

及川 徹
440円
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まずは世界観を紹介しましょう。
舞台は1000年後の日本(茨城県)で、少年少女たちは外界とは隔たれたまま暮らしています。

001新世界より

004新世界より

はるか未来ではありますが、文化はむしろ退行しているように思えます。
しかし、未来に住む彼らは新しい力を手にしていたのです。

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2012-10-10 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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出世のために・・・「アウトレイジビヨンド」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアウトレイジ ビヨンドです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:前作よりも大真面目ヤクザ映画


あらすじ


その昔、山王会の配下にある大友組は潰され、その組長の大友(ビートたけし)は死んだかに見えた・・・
しかし大友は生きており、丸暴の刑事の片岡(小日向文世)は獄中の大友に会いにいく。
片岡の狙いは、山王会と関西最大の極道・花菱会とを対立させることだったのだが・・・




北野武監督初の続編映画です。

ビートたけし
2999円
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前作で描かれたのは、ヤクザのリアルな上下関係&抗争、そして過剰なまでのバイオレンス。

続編である本作ではバイオレンスシーンはぐっと抑えられ、シリアスさが増しています。
これは監督の作り方が「暴力シーンを先に考えた」から「脚本重視」に変わったため。
全編会話劇だらけの上、多くの登場人物が入れ替わり立ち変わるのにもかかわらず、混乱することも退屈することもなく見られるのはこの脚本の力によるものでしょう。

しかし個人的にはこれこそが「肩すかし」に感じてしまったことでもありました。
・バリエーション豊富な暴力シーンが詰め込まれた前作と比べて、おとなしさを感じた
・あるべきところにあるべき登場人物や展開が置かれている印象で、やや予定調和に感じた
・前作の「暴力シーンがひどいのに、なんだか笑ってしまう」という「悪趣味な笑い」も、本作には感じられるシーンが少ない
のは残念でした。

付け加えて、脚本がよくできている反面、前作のアラがあるがゆえの「誰が死ぬのかわからない」不安感や展開の読めなさが後退してしまった印象も受けます。
「脚本を練りすぎてつまらなくなった」なんてのはナンセンスな批判ですが、こうした暴力映画だと、もっと予想外の展開を望んでしまうのです。


それでも本作は、前作を気に入った人ならきっと楽しめると思います。
前作でお気に入りだった、聞いているだけでストレスが溜まりそうな「悪人の罵声」は本作でもフルスロットル。
「バカヤロー!」「コノヤロー!」「てめえ〇〇しくさって!」「なめてんじゃねえぞ!」などの台詞は、小心者の自分は聞くたびに胃がキュってなるのですが、普段こういうことを言わなそうな役者さんが言うとなんとも面白さを感じてしまうのです。

以下がそれを演じる豪華俳優陣です。

「大友組」:前作で壊滅させられた
たけし元組長:大友(ビートたけし)

「山王会」:関東の強豪ヤクザ。政治の世界にまで手を出している
三浦友和会長:加藤(三浦友和) 前作で「先代の会長を殺した」 
加瀬若頭:石原(加瀬亮) 前作で「大友を裏切り」、そのため若頭に出世
中尾彬富田(中尾彬) 立場の弱いヤクザ。石原のことを良く思っていない。

「花菱会」:本作で初登場の関西最大のヤクザ
神山会長:布施(神山繁)
西田敏行若頭:西野(西田敏行)
塩見幹部:中田(塩見三省)

「丸暴刑事」:本作ではそれぞれのヤクザにちょっかいを出しまくる
小日向片岡(小向日文世) 腹黒く、八方美人な刑事。大友の大学時代の後輩。
松重豊繁田(松重豊) 片岡の部下で、片岡のやり方をよく思っていない。

「木村組」:元は「村瀬組」だった
中野英雄木村(中野英雄) 前作のラストで「大友を刺す」。今は足を洗った・・・?

個人的MVPは加瀬亮さんと西田敏行さん。
普段が温厚な役柄ばかりなのに、本当に悪い奴にしか見えないのは役者の底力を見せつけられたようです。


本作は完全な続編なので、前作の鑑賞がほぼ必須です。
前作の展開を忘れている人は、公式ページの「予習復習」がとても親切なので、ある程度読んでから映画を観るのがよいでしょう(自分がそうでした)。

登場人物が入り乱れる群像劇なので観る人は選びますが、それが好きな方は是非劇場へ。
純粋な大人のエンターテイメントとして、おすすめします。

以下は結末のネタバレを書いています 鑑賞後にお読みください↓

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2012-10-08 : 映画感想 : コメント : 10 : トラックバック : 1
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宗教×ダメダメメンインブラック「神秘の法」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は神秘の法です。


個人的お気に入り度:1/10

一言感想:なんかもうどうでもいいや・・・


あらすじ


202X年。東アジア共和国でクーデターが勃発し、帝国ゴドムが誕生した。
ゴドムの皇帝のタターガタ・キラーは軍事力を強化し、日本をはじめとする国々を占領しようとしていた。

ゴドムに反旗を翻す秘密組織ヘルメス・ウィングスに所属している獅子丸翔は、仏教僧に自らがブッダの生まれ変わりであり、救世主でもあると告げられるのだが・・・




なんでかわからんけど今年2つも公開された幸福の科学布教用映画です。
とりあえず言えるのは目を開けて観るのが苦行レベルでつまんなかったです。


本作は前作「ファイナル・ジャッジメント」の流れを汲み、日本と世界各国が架空の独裁国に侵略されていく過程を描いています。
その問題意識の主張はよくわかるし、志の高いものですが、あいかわらず映画の出来がひどいので心を素通りしまくります。

本作のそもそものテーマは以下のようなものです。
①何もしなければ何も変わらない
②信じるものは救われるんだ!

思うんですけど、①と②って相反することでは?
信じる=(神に)祈ることと、自分自身が行動を起こすことは全く違うものであり、相成れないものだと思うのです。

「他国から侵略されるかもしれない」→「皆でともに問題意識を持とう!」
ならわかるんですが、この映画で描かれることは
「他国から侵略されるかもしれない」→「救世主を信じれば万事OK」に思えてしょうがない。
世界平和を訴えるのはいいんですが、そこにいく過程も正直寒かったです。

「他国からの侵略」を描きながら、その問題意識が上滑りして、結局は宗教が正しいという主張・・・
前作に引き続きこれは無宗教者にはキツすぎます。

憲法9条の是非の話題が出てきたときは面白くなるかも!と期待していたのだけど、それも本当に名前が出ただけで終了しやがりました。
頼むから問題意識を持たせてください。


そんなテーマうんぬんを考えずに、一本の映画としても正直ドイヒー。
伏線の貼り方がつまらなすぎます。

一応敵側と味方側の描写はそこそこ丁寧に描かれているのですが、これも全く話を盛り上げることがないので退屈極まりないです。

そして映画は超展開を迎え、「霊界」「救世主」「ブッダの再誕」などの香ばしいワードだけでなく、ついに「宇宙人」という単語まで出やがります。
その宇宙人の描写は作中で大きなファクターとして働いており、宇宙人の敵や味方がいる様やトンデモな設定はまるで「メン・イン・ブラック」です。
キツいのはこれを大真面目に描いており、霊や宇宙人は本当にいるんだよ!と主張が心底ウザイほどに強調されること。
マジで洗脳させようという製作者の意図がみてとれました。


えーと・・・いいところもあるんですよ。

まず絵はとても綺麗。アニメーションの出来はいいです。
でも本作は顔のアップの画がやたらと多く、それもウザく感じる原因になっています。

もうひとつは豪華声優陣の熱演。
特に主人公の子安武人さんの特徴のある声には軽く惚れそうでした。

悪役の描き方や、クライマックスの盛りだくさんな展開もそこそこ楽しめました。
一応エンターテイメントとして成立させようとする気概は感じられます。
その後のオチは死んだ目で観ていたけど。


なんかもうね、いじる気力もないっていうか、本当に疲れたっていうか、もう幸福の科学の映画は観たくないです。

ただ、声優・子安武人さんのファンにとっては観る価値があるかもしれません。
演じているキャラクターがマジイケメンなので、キャーキャー言えますよ。

以下、結末も含めてネタバレです↓でも観る気がないのなら読んでもいいと思います。

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2012-10-07 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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ワケはわかるがメチャクチャで面白い映画「ロボット」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

10月3日にDVDが発売されたインド産映画ロボット(原題: ENDHIRAN/THE ROBOT)の感想です。
ニコニコ動画で生放送も行われていました

ラジニカーント
4156円
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個人的お気に入り度:7/10

一言感想:すっげー疲れる(褒めことば)


あらすじ


バシー博士(ラジニカーント)は人間をはるかに上回る能力を持つ、自分と同じ姿を持つロボットを作り上げた。
彼は「チッティ」と名付けられ、博士の恋人のサナ(アイシュワリヤー・ラーイ)も彼のことを気に入っていた。
しかし、博士がチッティに「感情」を持たせようとしたことから事態は一変する。
チッティは、サナに恋をしてしまったのだ・・・




インド映画は上映時間が長めなのが特徴で、この作品も例に漏れずその上映時間は約3時間

観てみると本当に長く感じてけっこうしんどいです。
その疲労感が心地よいかといえばそうでもなくて、観たあとはあと半年はアクション映画観なくていいやって感じになります。
この満腹感が長所でもあり、短所。
個人的にはダンスシーンがかなり長く(フルコーラス)、作中何度挿入されるので、ちょっとな胃もたれ気味になってしまいした。

日本で編集されたバージョンが公開されると知ったときには、「カットするなんてとんでもない!」と思いましたが、実際に観てみるとそれもしょうがないとも思ったり。
ただカットされたシーンはなんで削ったんだろう?と疑問に思うシーンが多かったので、やはり映画を余すことなく観てみることをオススメします(DVDに収録されているのはカットなしの「完全版」です)。


そんな「長さ」への批判はナンセンスでしかありません。
この映画は間違いなく、面白い!

何よりアクションシーンの壮絶さがすさまじいのです。
予告編で見せたビジュアルの面白さは、本編ではそれを上回っています。

派手にいくぜ<マシンガン勢ぞろい!

球体<ロボットが集まって球体に!

こうした画の面白さにワクワクできれば、それだけで必見です。
さらにロボットたちはこれ以外の変形も次々に見せるので楽しくって仕方がない。
主人公と、このロボット(たち)を演じたラジニカーント氏も素晴らしい存在感でした。

ストーリーもシンプルにまとまっています。
かいつまんで言えば博士が作ったロボットが恋心を持って、<微ネタバレなので反転>「反乱を起こしてしまう」という内容なのですが、人物描写が丁寧なので決して凡庸な出来にはなっていません。
ロボットの境遇はフランケンシュタインを思わせますね。

「ロボットの存在の是非」に関する話題があったのもよかったです。
作中で生まれるロボットは人間をはるかに凌駕する能力を持っていて、博士はそれを軍事利用しようとします。
さらにロボットは「感情を持つこと」にも成功します。
このことが終盤とラストの展開にしっかり生きてくるのです。

作中にアシモフのロボット三原則の話題も出てきますし、SFファンにとっても考えることのある内容に仕上がっていると思います。
荒唐無稽なアクションと、破天荒な展開と、歌とダンスが楽しめればそれでOKな内容でもあるので、それを期待する人にも文句なしにおすすめです。

G(全年齢指定)のわりにはかなり残酷なシーンもあるし、人がバッタバッタ死にまくるのでお子さま向きではありません。ご注意を。

以下、結末のみがネタバレです 映画をごらんになった方だけお読みください↓

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2012-10-04 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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過保護ドラキュラとチャラ男の戦い「モンスター・ホテル」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はモンスター・ホテル(原題: HOTEL TRANSYLVANIA)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:人間のほうがウザいモンスター映画


あらすじ


ドラキュラは一人娘のメイビスを大切に育ててきた。
メイビスはいまだ「モンスター・ホテル」の中から出たことがなく、118歳の誕生日を前にどこか浮かない気分だった。

バースデイパーティのためにホテルに怪物たちが集まってきているさなか、人間の青年ジョナサンが迷いこんでしまう。
怪物たちに見つかる前に、ドラキュラはジョナサンをなんとか追い返そうとするのだが、メイビスに見つかってしまって・・・




えーつかぬことをお聞きしますが、この映画の存在、知っています?

本作は日米同時公開という好待遇で、上映劇場もそれなりに多いのにもかかわらず、恐ろしいほど一般にアピールされていません。
吹き替え版が豪華キャスト勢ぞろいなのに、予告編が1種類しか作られていなかったりで、宣伝のやる気のなさが見て取れます。

今年公開された「ザ・マペッツ」、昨年公開された「アーサー・クリスマスの大冒険」のように、「本国では話題性があるけど、日本では受けそうもないから宣伝費をかけず、劇場公開だけはとりあえずしておこう」な作品なのでしょう。

来週(10月6日)に「ロラックスおじさんの秘密の種」が公開されれば、余計にファミリー層のお客を取られてしまいそうです。
不憫で仕方がありません(ちなみに興行成績は初登場11位でした)。


さて、本編はとっても楽しい、ファミリーに安心しておすすめできる作品に仕上がっています。

本作の物語の主軸は2つあります。
①過保護な親と、それに反発する娘
②いきなり現れたチャラ男と、怪物たちとの交流

①は普遍的なものなので、多くの方が共感できるでしょう。
注目すべきは②。「モンスター・ホテル」にいる怪物たちを変えるのがバリバリのチャラ男なのです。

モンスターホテル ジョニー<見た目も性格も言動もチャラい。フランケンシュタインのメイクをしてる。

正直言って、こいつすげえウザい
ちなみに、日本語吹き替え版でこのチャラ男を演じているのはオリエンタルラジオの藤森慎吾です。

ふじもり<君カワウィ~ネ~とか言う人

台詞も彼のための用意されたのか「カワウィ~ネ~」だけでなく「それウィ~ネ~」とか「チョリーッス」とかほざきます。おかげでウザさが10割増しに。いや演技は上手いし、役にあっているんだけど。

この青年を受け入れれるか否かで作品の評価が変わりそうな勢いですが、ちゃんと「いいやつ」である描写もあるし、親近感がわくような工夫もされているので、そこまで不快と感じることもないでしょう。

なにより「チャラ男がよい変化をもたらす」という展開がすごく面白いのです。
彼は「ノリにまかせろ!」という後先考えない性格なのですが、その価値観が怪物たちにとって新鮮であり、劇的に変化をする引き金になるのです。
チャラ男という人種のことを、もっと認めてやってもいいのでは?と思わせるパワーがそこにはあります。

また、川島海荷さん演じるメイビス(ドラキュラの娘)がとっても可愛いです。

モンスターホテル メイビス<口癖はなぜか「きまい」です

彼女は118歳ですが、ちょうどマイナス100歳して18歳の少女のような印象ですね。デーモン閣下が10万24歳と言うのと似たようなもんです。
境遇は「塔の上のラプンツェル」のヒロイン(同じく18歳)にそっくりでした。


一本の映画としては物足りない印象もあります。
これは悪役の出番が少なかったり、中盤のドタバタの割合の比重が大きくてバランスが悪いことなどが原因。
ドラキュラの仲間たちの活躍や、終盤の冒険をもっと観たかったですね。

3Dの効果はそこそこの印象なので、本作は2Dでもよいでしょう。
エンドロールまでしっかり楽しませてくれますよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にどうぞ↓

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2012-10-02 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
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