中途半端トンデモ歴史絵巻「リンカーン / 秘密の書」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
今日の映画感想は「リンカーン / 秘密の書」(原題:Abraham Lincoln:Vampaire Hunter)です。
個人的お気に入り度:5/10
一言感想:きわめてフツーなハリウッド式B級映画
あらすじ
エイブラハム・リンカーン(ベンジャミン・ウォーカー)は、かつて母親を殺した相手がヴァンパイアであることを知る。
復讐に燃えるリンカーンだったが、失敗し、ヴァンパイア・ハンターのヘンリー・スタージス(ドミニク・クーパー)の指導のもとで修行する。
ヘンリーはヴァンパイア・ハンターとして生きるのなら、家族や恋人は絶対に持つなと助言する。
昼は弁護士になるための勉強と店番、夜はヴァンパイアを狩る生活をするリンカーンの前にトッド(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)という美しい女性が現れる。
一方、南部のヴァンパイア一味は、仲間を狩るリンカーンに目をつけ、「舞踏会」に招待しようと企むのだが・・・
「実在の超有名な大統領が、実はヴァンパイアハンターだったら楽しくね?」という大変頭のよろしい発想をされたアクション・ファンタジー作品です。
監督は、「弾丸が曲がったら超格好良くね?」という中二病をお患いになられた方をピンポイントでねらい打った作品「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフです。
「ぼくがかんがえたかっこういい設定」を具現化しまくった世界観はそれだけで楽しいもの。
こういう監督が好き勝手やっている映画は大好きです。
本作の魅力のひとつが、「リンカーン大統領の歴史の影に、ヴァンパイアとの戦いが存在していた」という設定です。
ヴァンパイアとの戦いは荒唐無稽なものですが、時折リンカーンが実際に行った政策やエピソードが語られるので、南北戦争が起こったときの時代背景を知っているとより楽しめるでしょう。
「忙しいはずのリンカーンが夜にヴァンパイアを狩っている」と聞くと、あんたそんなことやってる場合じゃないでしょと言いたくなるところですが、本作はちゃんとこの理由付けをしています。
なにせ黒人の奴隷=ヴァンパイアたちの食料となっているのですから、リンカーンが(自身の復讐のためだけでなく)ヴァンパイアを倒すことに合理性があるのです。
設定はトンデモながら、大筋は納得ができるように構成されているのは見事でした。
ちなみに原作となる小説も存在しています。
小説は「リンカーンの本物の日記を入手した作者が、それを元にして書いた」という設定ですが、映画ではリンカーン自身が自分のトンデモな生涯を語るという構成になっています。
日本版のサブタイトルに「秘密の書」とあるのは、この日記を指したものなのでしょうね。
もうひとつの魅力が、言わずもがなアクション描写です。
リンカーンが斧を振り回し、ヴァンパイアが飛び跳ね、スローをふんだんに使ったアクションは魅力たっぷりです。
3Dも効果的で、中盤のとある格闘シーンは3Dがあってこそ映えるものでした。
ちょっと暗い画が多いのは玉にキズだったけれどね。
しかし・・・設定はそこそこ練られているとはいえ、お話のほうははっきり言って面白くありません。
敵の魅力のなさや、盛り上がりのなさがかなり気になるし、「ウォンテッド」のような突き抜けた楽しさは感じません。
ツッコミどころも満載なので、物語の整合性を気にする人は素直に回れ右です。
+3D料金のことを考えると割高感は否めませんが、「お金をかけたB級アクション映画」を期待すると十分楽しめますよ。
以下、ネタバレです 展開と結末に触れまくっているので、鑑賞後にどうぞ↓
個人的お気に入り度:5/10
一言感想:きわめてフツーなハリウッド式B級映画
あらすじ
エイブラハム・リンカーン(ベンジャミン・ウォーカー)は、かつて母親を殺した相手がヴァンパイアであることを知る。
復讐に燃えるリンカーンだったが、失敗し、ヴァンパイア・ハンターのヘンリー・スタージス(ドミニク・クーパー)の指導のもとで修行する。
ヘンリーはヴァンパイア・ハンターとして生きるのなら、家族や恋人は絶対に持つなと助言する。
昼は弁護士になるための勉強と店番、夜はヴァンパイアを狩る生活をするリンカーンの前にトッド(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)という美しい女性が現れる。
一方、南部のヴァンパイア一味は、仲間を狩るリンカーンに目をつけ、「舞踏会」に招待しようと企むのだが・・・
「実在の超有名な大統領が、実はヴァンパイアハンターだったら楽しくね?」という大変頭のよろしい発想をされたアクション・ファンタジー作品です。
監督は、「弾丸が曲がったら超格好良くね?」という中二病をお患いになられた方をピンポイントでねらい打った作品「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフです。
![]() | ジェームズ・マカヴォイ 1409円 powered by yasuikamo |
「ぼくがかんがえたかっこういい設定」を具現化しまくった世界観はそれだけで楽しいもの。
こういう監督が好き勝手やっている映画は大好きです。
本作の魅力のひとつが、「リンカーン大統領の歴史の影に、ヴァンパイアとの戦いが存在していた」という設定です。
ヴァンパイアとの戦いは荒唐無稽なものですが、時折リンカーンが実際に行った政策やエピソードが語られるので、南北戦争が起こったときの時代背景を知っているとより楽しめるでしょう。
「忙しいはずのリンカーンが夜にヴァンパイアを狩っている」と聞くと、あんたそんなことやってる場合じゃないでしょと言いたくなるところですが、本作はちゃんとこの理由付けをしています。
なにせ黒人の奴隷=ヴァンパイアたちの食料となっているのですから、リンカーンが(自身の復讐のためだけでなく)ヴァンパイアを倒すことに合理性があるのです。
設定はトンデモながら、大筋は納得ができるように構成されているのは見事でした。
ちなみに原作となる小説も存在しています。
![]() | セス・グレアム=スミス 1050円 powered by yasuikamo |
小説は「リンカーンの本物の日記を入手した作者が、それを元にして書いた」という設定ですが、映画ではリンカーン自身が自分のトンデモな生涯を語るという構成になっています。
日本版のサブタイトルに「秘密の書」とあるのは、この日記を指したものなのでしょうね。
もうひとつの魅力が、言わずもがなアクション描写です。
リンカーンが斧を振り回し、ヴァンパイアが飛び跳ね、スローをふんだんに使ったアクションは魅力たっぷりです。
3Dも効果的で、中盤のとある格闘シーンは3Dがあってこそ映えるものでした。
ちょっと暗い画が多いのは玉にキズだったけれどね。
しかし・・・設定はそこそこ練られているとはいえ、お話のほうははっきり言って面白くありません。
敵の魅力のなさや、盛り上がりのなさがかなり気になるし、「ウォンテッド」のような突き抜けた楽しさは感じません。
ツッコミどころも満載なので、物語の整合性を気にする人は素直に回れ右です。
+3D料金のことを考えると割高感は否めませんが、「お金をかけたB級アクション映画」を期待すると十分楽しめますよ。
以下、ネタバレです 展開と結末に触れまくっているので、鑑賞後にどうぞ↓