ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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お知らせ

2週間ほどブログの更新をお休みします。
次回更新は7月6日(土)~9日(火)予定です。
→7月4日(木)からフライングで更新再開予定です。
そして・・・8月以降~来年の2月中旬まではブログの更新頻度を大幅に減らしたいと思います。
おそらく、更新は週に一度か二度程度になります。
内容も、新作の劇場映画の感想のみになると思います(7月中は今の更新ペースを保てると思います)。

ブログのコメントも全く返せておらず、新規の読者の方が増えてきている中、申し訳有りません。


ありがたいことに、現在「ブログ戦闘力チェッカー」にてドドリアなみの戦闘力を手にすることができました。

DRAGON BALL Z 第8巻 [DVD]

このブログの戦闘力

19469

「ドドリア」
クラスです。

by ブログ戦闘力チェッカー


*少し前まではサイバイマン程度でした

このブログを更新し、皆様からの感想をいただくことは、今まで経験した趣味の中でも最も楽しかったことなので、今後とも続けていきたいと思います。いや本当に・・・

ではまた。
次回更新の「モンスターズ・ユニバーシティ」の感想(予定)でお会いしましょう。
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2013-06-25 : 日記 : コメント : 10 : トラックバック : 0
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史上最悪のパーティにようこそ 映画「プロジェクトX」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

レンタルDVDで観た映画「プロジェクトX」の感想です。

トーマス・マン
1487円
powered by yasuikamo
*セル版は7月3日発売


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:非道徳的だけど、教訓を与えてくれるバカ映画


あらすじ


トーマス、コスタ、JB、ダックスの4人はイケていない「負組み」の高校生だった。
両親が不在の日、トーマスの誕生日パーティのために4人は学校中の人々に声をかけ、パーティを盛り上げようとする。
しかし実際のパーティに訪れたのは、彼らの予想をはるかに超える人数であった。
パーティはいつしか混沌を極め、予想もしない事態に発展していく・・・




「プロジェクトX」と聞くと、日本人であれば同名のNHKの番組を思い浮かべるでしょうが、本作はそれとは全くの無関係です。
先人の卓越した努力や軌跡を見せる日本のプロジェクトXと違い、本作は「若者たちがやりすぎなパーティをしちゃう」というだけのもの。志としては天と地ほどの違いがあるでしょう。

制作に関わったのは「ハングオーバー」の監督のトッド・フィリップスで、「酒におぼれるバカ」を描くにおいては彼の右に出るものはいません。
本作ではパーティが混乱を極めるあまり、若者たちが近所迷惑をかけまくり、クスリをキめ、酒も飲みまくり、男女は乱交・・・ととにかくヒドいありさまになっていくのです。
R15+指定は当然、くれぐれもお子様に見せてはいけません。

自分はこんなパーティには死んでも参加したくないですし、関わりたくありません。
中盤のやりすぎなパーティのシーンは、アメリカンなどんちゃんさわぎが苦手な人には苦痛に感じるかもしれません。
「若者がパーティしているだけの映画の何が面白いんだ」と思う方も多いことでしょう。

しかしこの映画は面白いです。
作中には本当にありそうなハプニングや、あっと驚く展開、巧みな心理描写などがあり、物も盛大にぶっ壊れたりするので安っぽさを感じません。

また、「パラノーマル・アクティビティ」「クローバー・フィールド」のようなPOVの撮影方式も本作では非常に効果的です。
このホームビデオで撮られたような雰囲気は、本当のパーティを目撃しているようなリアリティに一役買っています。

そして映画を観終わってみると、反面教師的に教訓を与えてくれる映画のように思えます。
そこにあるのは「情報が広がることの恐ろしさ」「迷惑をかけることを想像しないことの浅はかさ」あり、若者たちにはいい薬になるのではないでしょうか。

若者たちのバカ騒ぎを見ながらも、後味は意外と悪くない。
そんなオトナからの目線で観れる本作はかなりオススメの作品です。
でも間違っても恋人や家族と観ないように!

以下、作中のシーンがほんのちょっとだけネタバレ↓ 未見でも問題ないかと思われますが、予備知識なく観たい方は要注意。下ネタもあります。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2013-06-23 : 旧作映画紹介 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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恐怖を超えて 「アフター・アース」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアフター・アースです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:はじめてのおつかい In 微妙に進化した地球


あらすじ


人類はその昔に地球を捨て、新星ノヴァ・プライムに新たな生活拠点を築いていた。
ある日、サイファー(ウィル・スミス)と、その息子のキタイ(ジェイデン・スミス)は、小惑星の嵐に会い、共に地球に不時着してしまう。
サイファーは骨折していまい、キタイに100キロ離れた宇宙船の後部まで通信機を取りに行くように命じる。
しかし、地球は人類が住むのに適さない未知の惑星と化していて・・・




傑作サスペンス「シックス・センス」のM・ナイト・シャマラン監督最新作です。

・・・にも関わらず本作の宣伝にはシャマラン監督が全然アピールされていません
しかも日本だけでなくそれは世界中でも共通。シャマラン監督は全力でスルーされているのです。

なぜかと言えばシャマラン監督が評判がアレな映画ばっかり撮っているからでしょう。
「シックスセンス」でシャマラン監督のファンになった方たちは
サイン」あたりは「まだ行ける」と希望を持ち、
ハプニング」では「これはちょっと」と微妙な雰囲気になり、
エアベンダー」では「もうダメだ」と絶望の淵に追いやられました
エアベンダーのRottenTomatoesでの6%の評価というのはなかなか見れるもんじゃありません。

そんな中でも今だシャマラン監督の作品を待ち望んでいる方は多いはず(たぶん)。
そして本作も・・・いい感じにシャマラン監督らしい、好き嫌いの分かれそうな作品に仕上がっていました。


まず、本作に「アバター」のような大作っぽさを期待すると確実に裏切られます。
何せ、ストーリーは「危険な状態になった地球で、息子がちょっと離れた場所におつかいに行き、父がそれをサポートする」というだけです。

舞台は「人類抹消のために進化した地球」という設定ですが、そんなすごそうなもんじゃなくちょっと危険なジャングル程度の印象です。
登場人物も両手で数えられる程度で、それほど劇的な展開はなく、かなり地味な映画と言っていいでしょう。

こうなったのは、ストーリーの原案が(本作で主演も務めた)ウィル・スミスであることも関係しています。
さらに本作は「幸せのちから」と同じく、ウィルとそのリアル息子のジェイデン・スミスが共演している作品でもあります。
つまり、ウィルの「息子に役者として成長して欲しいなあ」という願いが込められた親バカムービーと考えて差し支えありません。
「親に反発していた息子が成長する」という要素なんて、まんまウィルの「理想」としか思えませんもの・・・

本作の評判がすこぶる悪いのは、こじんまりとした物語だけでなく、そんなウィルによる「公私混合」な映画作りが批判されたせいもあるのではないのでしょうか。

さらに設定と展開はツッコミどころ満載で、SF的なガジェットにあんまりワクワクしなかったり、武器がいくらなんでもショボすぎるあたりはSFファンにとってもがっかりしそうなところです。


そんな問題点だらけのこの作品ですが、個人的には好きな映画です。

注目すべきなのは、本作が登場人物の「内面」を丹念に描いていることです。
親が子を想う気持ち、子が親を疎ましく想う気持ち、自身のせいで肉親を失った苦しみ・・・そうしたものを大切にしているのです。

ウィルによる原案はもともとSFでなかったらしいです。参考→アフター・アース - Wikipedia
親子の情を強調されていることを踏まえると、本作はSFではなく人間ドラマと観てみたほうが楽しめるのかもしれません。

ストーリーは悪く言えば単調ですが、よく言えばシンプルにまとまっています。
複雑な固有名詞が登場するSFが苦手な人にとっても、抵抗なく観ることができるでしょう。

CGで精巧に作られた動物はかなりリアルです。
本作にはシャマラン監督らしいホラー演出もあり、ファンもある程度は(演出面では)納得できるのではないでしょうか。


まとめると、シャマラン監督のファンにはぜひ観てほしいけど、そのほかの方にはおすすめはできない、といった印象です。
監督のファンなら上記のお気に入り点数に+1点してもいいと思います。
酷評されるほど悪くはないと思いますよ。

あ、あとウィル・スミスはあんまり活躍しません。基本的にサポートに回っているだけです。
主役は息子のジェイデン君なのでご注意を。

また、ジェイデン君の役名は「キタイ」で、実はこれは日本語の「期待」から来た名前です。
キタイの姉の名前は「センシ」で、これも「戦士」からとられた名前でしょう。
親日家のウィルが、こうした日本の名前を付つけるのは、日本人として嬉しく思います。
本作の評価はキタイはずれだろうけどね!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2013-06-22 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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ジブリのオマージュと小さなカケラ 映画「ハッシュパピー」ネタバレなし感想+ナレーション

遅ればせながら、映画ハッシュパピー バスタブ島の少女(原題:(Beasts of the Southern Wild)を劇場で観ました。



個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ファンタジーかと思いきや、退廃的


あらすじ


6歳の少女・ハッシュパピー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、「バスタブ島」で父親のウィンクとともに暮らしていた。
しかしこのバスタブ島はすぐに沈んでしまう場所だった。
ウィンクは病気にかかり、さらにバスタブ島には嵐がやってきようとしていた。




主演のクヮヴェンジャネ・ウォレスがわずか9歳(撮影時は6歳)にしてアカデミー主演女優賞にノミネートされたことで話題になった作品です。

そして映画ファンがもうひとつ注目していることが、本作にはジブリ映画っぽい場面がふんだんにあるということでしょう。

シーンを詳しく書くとネタバレになるので↓に書きますが、そもそもの「今住んでいる場所が水に沈んでしまう」という設定は「崖の上のポニョ」を思わせます。
「水没した街」というのは、「天空の城ラピュタ」や「ルパン三世 カリオストロの城」でも見られたものでした。

さらには「少女の成長」というのは「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」でも描かれたことですし、「自然と対立する人間」というのは「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」らしくもあります。
ジブリ映画をよく観ている方ほど、その類似性に気付けるでしょう。

「ハッシュパピー」というかわいらしい邦題ですが、本作にファンタジー的な楽しさを期待するとちょっと裏切られると思います。

原題は「Beasts Of The Southern Wild(南の野生の野獣)」。
沈んでしまうバスタブ島、どこかにいる強い野獣、病気の父・・・描かれているのは、そんなシビアで退廃的なディストピアなのです。

登場人物が置かれた過酷な現実は、日本人であれば東北大震災を否応なしに思い出すでしょう。
本作は、そんな「逆境に生きる人たち」にエールを送っているのです。

少々ゆったりしたテンポのため人によっては退屈かもしれませんし、説明されていないこと(登場人物の生業など)も多いので釈然としないところもあります。
展開も荒削りなところがあり、映画としての完成度は決して高いとは言えないでしょう。

しかし本作は低予算のインディペンデント映画にして、監督は若干29歳の新人。これからの作品に期待が持てるものです。

ちなみに登場人物を演じているのはほとんどが演技未経験の素人です。
主人公の父親を演じていたのが、映画関係者が通っていたパン屋のおじさんという事実にはびっくりしました。

万人にはおすすめできませんが、派手なハリウッド映画にお疲れ気味の方には是非観てほしい作品です。

以下は作中のジブリっぽい場面と、ナレーションがほんの少しだけネタバレです↓ 展開についてはほとんど触れてはいませんが、未見の方は要注意。

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テーマ : 映画レビュー
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2013-06-20 : 旧作映画紹介 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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母の呪縛 映画「二流小説家」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は二流小説家 シリアリストです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:ツカミはいいのに後半雑すぎ


あらすじ


赤羽一兵(上川隆也)は二流小説家であり、アメリカに出張中の兄の家を借りながら、官能小説を寄稿して生計を立てていた。
ある日赤羽の元に、死刑囚・呉井大悟(武田真治)から手紙が届く。呉井は「シリアル・フォト・キラー」として全国に名を知られた殺人鬼だった。
呉井は赤羽に、自分のためだけに官能小説を書いて欲しいと依頼をするのだが・・・




様々な賞を受賞した推理小説「二流小説家(原題はThe Serialist)」の映画化作品です。

デイヴィッド・ゴードン
1050円
powered by yasuikamo

作者の名前を見てわかるように、原作は海外の作品です。
しかしこの映画版は舞台を日本に移し、キャラクターも日本人に一新しています。
海外の作品がこうして日本で実写映画化されるのは、かなりめずらしいのではないでしょうか。

自分はこの原作は未読でしたが、キャラ設定をはじめ、真犯人やどんでんがえしもほぼ変更なく実写化されているようです。
参考→二流小説家 - Wikipedia(微ネタバレ注意)
原作を読んだ方には日本を舞台にしたことによる描写の違いを、読んでいない方には新鮮な気持ちで映画を楽しむことができるでしょう。


抜群に面白いのは「死刑囚が自分のためだけに小説を執筆してもらうように、二流小説家に依頼をする」という設定です。
死刑囚は小説を書いてもらうことを依頼する代わりに、自身についての告白をすると言うのです。

二流小説家である主人公は「犯罪者の告白本は売れる」ということに乗っかって仕事を引き受けるのですが、想像を絶する事件が起きてしまう・・・というのが大まかなプロット。
推理小説やミステリーが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。

素晴らしいのは役者の演技で、特筆すべきは殺人鬼・呉井を演じた武田真治でしょう。
どこか映画版「DEATH NOTE」の「L(松山ケンイチ)」を思わせる切れ目のない話し方は存在感があり、見る者の神経を逆なでするその態度には邪悪さを感じます。

キャストは有名どころを抑えながらもやや地味ではありますが、新しく役者の魅力を知れるということだけでも、劇場で観る価値があるでしょう。


しかし映画そのものの出来は決して良くはありません。
なにがひどいって、後半に伏線の多くが吹っ飛ばされるのです。
ちょっと思い返すだけでも「アレはなんだったの?」「アレはどういうこと?」「どうしてそうなるの?」と思ってしまうツッコミどころが多すぎます。

ミステリーとしても「今まで知らない情報」の謎が急に持ち出されたりするので、戸惑いを覚えます。
心理描写は役者の卓越した演技のおかげで見ごたえがあるのですが、展開が雑すぎるせいで説得力がありません。

「観ているあいだは楽しめるけど、完成度はテレビで観る凡庸なサスペンスドラマ程度」の印象にとどまっているのは残念でした。
監督の猪崎宣昭ももともとTVドラマを土俵にしている方だしなあ・・・ジャパニーズホラーっぽい演出や音楽は面白いのですけどね。


本作には素晴らしい要素がもうひとつ。
主人公の中年男性に寄り添ってくる姪っ子の女子高生がめちゃくちゃカワイイのです。

ツインテール女子高生<普段は寮に住んでいる女子高生。自称マネージャー兼助手。

「気が強い」「ドジ」「ツインテール」「主人公の名前を呼び捨てにする」という萌え属性は好きな人にはたまらないでしょう。もはやカワイイを通り越してあざといです。
たびたび家に上がり込んで世話を焼かれる主人公に「おい俺と変われ」と言いたくなることは必死。
演じている小池里奈さんのファンであれば、人生の何を差し置いてでも観ることをおすすめします。


また本作は何故か全年齢指定ですが、首が切り取られた女性の全裸の死体が映し出されたり、性的な話題もふんだんなのでお子様には見せないほうがいいです。ご注意を。

以下、真犯人や結末も含めて思いっきりネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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ジャンル : 映画

2013-06-19 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 1
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僕だけが知っている リメイク版「華麗なるギャツビー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は華麗なるギャツビー(2013)(原題:The Great Gatsby)です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:世の中、金ばっかりじゃない


あらすじ


金融マンのニック(トビー・マグワイア)は、とある大富豪の物語を精神科医に話しはじめる。
ニックは宮殿のような豪邸のそばで暮らしていた。その豪邸の持ち主こそジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)だった。
ニックの知り合いの富豪トム(ジョエル・エドガートン)の妻であるデイジー(キャリー・マリガン)は、ギャツビーのことを知っているようだったが・・・




ムーラン・ルージュ」のバズ・ラーマン監督最新作です。

原作はF・スコット・フィッツジェラルド による同名の小説であり、長らく古典として親しまれていた作品です。
今までに2度実写映画化もされている作品で、特に有名なのはロバート・レッドフォード主演の1974年の作品でしょう。

ロバート・レッドフォード
1000円
powered by yasuikamo

自分はこの映画も原作も未見だったので、新鮮な気持ちで本作を楽しむことができました。

1974年版は原作とは異なる解釈で物語が綴られている箇所があり、今回の2013年版はそれよりもだいぶ原作に忠実になっているようです。
参考↓
華麗なるギャツビー(1974年) - Wikipedia(超ネタバレ注意)
【ネタばれ】「勝者は鉄人Fコッポラ コッポラ版との比較」 ユーザーレビュー - Yahoo!映画(超ネタバレ注意)

その作品群を全く知らない自分でもすんなりと飲み込めたので、本作は過去作品を知らなくても問題なく楽しめるでしょう。


本作の舞台は1920年代のアメリカ・ニューヨークです。
第一次世界大戦が終了したばかりの「ジャズ・エイジ(狂乱の時)」と呼ばれる時代で、とにかく世の中はバブル景気に湧いていました。

監督自身が2008年に体験したリーマン・ショックが、1920年代の人々が体験したこととそっくりであることに気づいたからこそ、本作を現代に蘇らせることを決めたそうです。

何せ、その「狂乱の時代」の先には1929年の大恐慌が待ち受けているのです。
その華やかな生活はやがて終わりを迎え、退廃していく・・・本作がきらびやかなビジュアルに対し、もの悲しい雰囲気を感じられるのは、そのためでもあります。

原作者が「グレート・ギャツビー」を執筆したのは1920年のことなので、原作者は大恐慌が起こることを知りません。
しかし、この物語はやがて来る「悲劇」を想定して書かれたようにしか思えません。
原作者は先見の明をもって、この物語を考えていたのではないでしょうか。

セレブレティは毎日のように豪遊し、街中のモラルが低下しまくっていたときに、ギャツビーは多くの「謎」を携えて登場します。

なぜギャツビーはこの時代に大富豪になったのか?なぜ自宅でパーティを行っているのか?彼の正体は?ヒロイン・デイジーとの関係は?
当時のきらびやかな風情に圧倒されながら、そのミステリー要素や、ラブストーリーが楽しめることが本作の魅力と言っていいでしょう。


役者も総じて魅力的で、言わずものがなのレオナルド・ディカプリオをはじめ、狂言回しとしてのトビー・マグワイア、「弱い」立場であるキャリー・マリガンも素晴らしかったです。

ただ上映時間が2時間24分と大変長く、会話シーンばかりで物語の進展がない中盤はかなり退屈でした。
きらびやかな装飾やパーティーのシーンも何度も流されるので、くどさを感じます。
役者の演技も、この冗長さでは少し魅力を削いでしまうような気がします。

ここは監督の個性だと割り切るしかないですが、ほかの監督が撮っていたらどんな作品だっただろう?と想像もしてしまいます。

また本作には3Dで観たい!と思わせるシーンもたくさんあったのですが、会話シーンの比重が大きい作品なので、2Dでもよいでしょう。

「金で幸せをつかもうとした男の悲劇」を描いた本作は、普遍的で、多くの人の共感を呼ぶことでしょう。
本作が再びリメイクされることがあるのなら、それはまた世界中が不景気になったときなのかもしれません。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2013-06-16 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 1
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ド・シリアススプラッター リメイク版「死霊のはらわた」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

リメイク版死霊のはらわた(2013)(原題:EVIL DEAD)の全国の劇場公開から1ヶ月遅れでようやく観ました。

EVIL DEADポスター

個人的お気に入り度:6/10

一言感想:シリアス&クスリはダメ、絶対!


あらすじ


麻薬中毒に陥っていたミア(ジェーン・レヴィ)は、兄のデイヴィッド(シャイロ・フェルナンデス )ら4人の男女ともに森の中の小屋にやってきた。
依存から抜け出そうとするミアの前に、やがて異形の者が迫ってきて・・・




1998年に制作された元祖スプラッター・ホラーのリメイク作です。
オリジナル版とのもっとも大きな違いは、本作がコメディ色がほぼなくなっていることです。

本作にはオリジナル版にはなかった「ヒロインが麻薬中毒者である」というシリアスな設定があります。
そしてオリジナル版で顕著だった「なんだか笑ってしまうバカバカしさ」は本作にはありません。
スプラッター描写はかなりのリアル志向で、「痛さ」をとにかく感じます。
「笑い」の要素が感じられないことは、オリジナル版が好きだった方にとって「否」を突きつける要因になっているでしょう。

しかし、自分はとにかく凄惨な映画を作ろうとするスピリットを感じられたので、大いに気に入りました。

本作で監督を務めたのは新人の方で、Youtubeの動画が高く評価された人物です。
その動画→Ataque de Pánico! (Panic Attack!) 2009 - YouTube
被写体を至近距離で捉えたカメラワーク、、陰影をつけた映像表現は非凡さを感じました。

そして限界ギリギリアウト気味なスプラッター描写がほぼ文句なしの仕上がりです。
腕がブシュー!血がドバー!痛てててててて!な悪趣味スプラッターが好きならとりあえず観に行っても損はないでしょう。

驚くことに、そのスプラッター描写にはCGによる処理が一切使われていません。
オリジナル版の展開を踏襲し、かつ手作りでグッチョグッチョなシーンを作り上げてしまう本作は、確かなリスペクトを捧げているのです。

またヒロインが麻薬中毒者であり、彼女のために小屋に訪れるという設定はなかなかうまいと思います。
cold turkey(禁断症状を出させる荒療治)」のために外界と隔たれた場所に来るというのは筋が通っていますし、彼女が「何か」に襲われても「幻覚だから」と誤解されてしまうのです(何もあんなに汚い小屋に来なくてもとも思いますが)。

ホラー映画の定石(誰かが言ったことをみんなが信じてくれない)を踏んだ展開にはニヤニヤしてしまいました。


展開は穴だらけでツッコミどころもそれなりな本作は、まじめに考えるよりもグログロを楽しめれる方にこそおすすめしたい映画です。

でもやっぱり、オリジナル版のアホっぷりが恋しいのも事実です。
次回作があるのであれば、1作目を撮ったサム・ライミ監督が好き勝手やってる画を期待しています。

エンドロール後にもオマケがありますので、最後まで観ましょう!


以下、結末も含めて盛大にネタバレです 鑑賞後にお読みください↓

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2013-06-16 : 旧作映画紹介 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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宮崎駿の遺言? ジブリ最新作「風立ちぬ」の4分間の特別予告編+事前情報

7月20日から宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」が公開されます。

風立ちぬポスター

宮崎駿監督作品なのにタイトルに「の」が入っていなかったり
主人公声優にエヴァの庵野秀明監督を起用したり
大きな話題を振りまいている本作ですが、それに限らず本作の宣伝方法は特殊です。

現在、多くの劇場で4分間という長い時間を使った予告編が公開されているのです。

一部の劇場では映画の本編終了後に流されてしまって余韻泥棒などと言われている予告ではありますが、その内容は深く、面白いものでした。

本日はその予告で流れた台詞とテロップ、そして事前情報をちょっと書き出してみます。

↓以下は予告の内容のネタバレです。

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2013-06-13 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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前作ファン大激怒「G.I.ジョー バック2リベンジ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はG.I.ジョー バック2リベンジ(原題: G.I. Joe: Retaliation)です。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:ハイパー中途半端ねえ


あらすじ


パキスタンで核兵器回収のミッションに就いていた特殊部隊G.I.ジョーのメンバーは、突如襲撃を受けて壊滅した。
G.I.ジョーを襲ったのは大統領(ジョナサン・プライス)になりすましたコブラの一員・ザルタンだった。
G.I.ジョーの生き残りのロードブロック(ドウェイン・ジョンソン)たち数名と、スネークアイズ(レイ・パーク)はコブラの暴虐を防ぐために行動を起こす。
一方、地下刑務所に捕らえれたストームシャドー(イ・ビョンホン)は、コブラの仲間の助けを借りて脱獄をするのだが・・・




*メタメタに書いているのでこの映画が好きな人にはごめんなさい。

お金をかけまくったアホアホアクション「G.I.ジョー」の4年ぶりとなる続編です。
前作のスティーヴン・ソマーズ監督は降板し、制作総指揮官を務めることになりました。

えー・・・この映画の良いところはほぼ「ニンジャたちの断崖絶壁ロープアクションが面白い」くらいのもんです。ここだけは本当にすばらしい出来です。
でもほかが絶望的につまらなかったです。

何がひどいって、まず前作へのリスペクトが全くもって足りないことでしょう。

本作は前作から設定が都合よく変わっていて、たとえばG.I.ジョーが「世界各国の協力の下に構成された国際混成部隊」から「アメリカ政府直属の機関」になっていたりします。
それだけだったらいいのだけど、本作には前作のキャラクターへの敬意が感じられません。
「使い捨て」をされるキャラクターの描写が雑すぎて泣きそうになりました

さらに前作で登場した「街を縦横無尽に走り回れるパワードスーツ」のような男の子心をくすぐるアイテムはあまり登場しません。
作中にあるアクションは、銃でドンパチやっているばかりの既視感のあるもので、話の適当さも相まって前述のロープアクション以外すべてがどうでもいい感じになっているのは致命的でしょう。

この前作の「おもちゃ(G.I.ジョーはもともと人形玩具)で遊んでる」印象から「無駄にミリタリー色が濃くなった」印象への転換はがっかりを通り越してあきれてくるほどでした。
これじゃあ前作で培った個性を殺しているだけ、ただのC級アクション映画になっただけです。

本当話の適当さはやばくって、高揚感はなく、シーンのつながりも雑で、とってつけたようなキャラ描写も全く魅力がありません。
この手の映画にストーリーの出来を求めること自体野暮なのかもしれませんが、いくらなんでもこれはないです。

結果として、前作が好きだった人には到底おすすめできず、単純なアクション映画を求める人にも微妙な出来になっているのは残念です。
日本のキャッチコピーの「ハイパーハンパねえ!」という超B級なセンスは好きなんですけど、実際にハイパーなのは中途半端さだった印象でした。

ロープアクションは大迫力、北朝鮮のいじり方が楽しいなどの魅力はありますが、全体的には特に観なくてもいいかと思われます。
3D効果が期待できるのはロープアクションだけなので、2Dでもよいでしょう。

あ、あとブルース・ウィリスはあんまり活躍しません。チョイ役です。ブルースファンも回れ右で。
イ・ビョンホンファンにはその肉体美を堪能できますが、それでもなあ・・・

以下、結末も含めてネタバレです。 前作のネタバレも含んでいるのでご注意を↓

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2013-06-09 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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木下恵介監督の想い「はじまりのみち」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想ははじまりのみちです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:きっと、親孝行がしたくなる


あらすじ


映画監督・木下恵介(加瀬亮)は、自身の作品である『陸軍』が戦意を高揚させる映画でないと軍に非難されてしまい、次回作の製作は中止となってしまう。
辞表を出した木下は母・たま(田中裕子)のいる浜松へ帰るが、大空襲が起きて木下家が商売していた店も焼け落ちてしまう。
山間地へと疎開すると決めた恵介は、兄・敏三(ユースケ・サンタマリア)と便利屋(濱田岳)とともに、山間部へ母親をリヤカーに乗せて向かおうとするのだが・・・





おすすめです!
もう日本映画ファンであれば絶対に観て!と言える素晴らしい作品でした。


監督は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」で高い評価を得た原恵一さんで、本作は監督初の実写映画となっています。

アニメ映画から実写映画へと、畑違いとまではいかなくとも土俵の違う分野への仕事だったので、監督の個性が出ないのではないか?と少し心配になっていましたが、それは全くの杞憂でした。

「はじまりのみち」は、まさしく原監督ならではと言える作品になっていました。
なにせ、本作には「オトナ帝国」「戦国大合戦」を思わせるシーンがあるのです。

登場人物の台詞が「えらい(しんどい)」「~だに」「~ずら」などと「訛っている」のも「戦国大合戦」で描かれたことですし、作品のテーマもとても似ています。
これだけで、原恵一監督が大好きな自分は本作が好きでたまらないのです。


さらに豪華キャストも文句のつけようがない名演を披露してくれます。

まじめな木下監督を演じた加瀬亮、母役の田中裕子、父役の斉木しげる、兄役のユースケサンタマリアは「家族の距離感」を見事に演じきっています。

そして観た方の多くが思うのが、濱田岳さんの芸達者ぶりでしょう。
作中ではもう落語の1シーンとしか思えないほど「演技」で魅せるシーンがあり、その上手さには感服しっぱなしでした。


また、本作は実在の映画監督・木下惠介を主人公とした伝記映画でもあります。
この手の映画は、その人物のことを深く知らないとシーンの意味が理解できなっかたり、不親切に感じることも多いのですが、本作はそれも心配無用です。
本作は木下監督作品を知らなくても、全く問題なく楽しめるのです

自分も恥ずかしながら、代表作の「二十四の瞳」がどういった作品かを知っているくらいで、木下監督作品をひとつも観たことがありませんでした。
それでもこの映画のほとんどのことが理解できました。
この敷居の低さは、伝記映画として理想的でしょう。

そもそものストーリーも小難しいものではなく、「息子(木下監督)が、病気の母を疎開先までリヤカーで送る」というだけです。
旅の道中で様々な人と出会い、大切なものを知るというスタンダードなロードムービーでもあるため、多くの方が抵抗なく観ることができるでしょう。
数十キロもある山道をリヤカーを引いて進む無茶さは観ていて心配になるのですが、これが実話なんだというからまた驚きです。


そもそも木下監督は(評価が高いにも関わらず)それほど認知度が高い監督ではありません。
同世代の監督には黒澤明がおり、精鋭たちが活躍する時代で、自分の信条を大切にした作品を作ってきたのが木下監督なのです。

本作は、原恵一監督の「世の中の人に木下監督の映画の素晴らしさを知ってもらいたい」という気持ちにあふれています
そしてその試みは成功しています。
押しつけがましさはほとんどなく、木下監督という人間と、その作品の魅力をこれ以上ない方法で伝えています。
自分はこの映画で、いままで全くなじみのなかった木下監督のことを知り、その作品に込められたメッセージを知り、そしてその作品を観たくなりました。


「はじまりのみち」にこめられたメッセージは「母が子を想う気持ち」「親孝行」、そして「戦国大合戦」でも描かれていた「戦争がないことの幸せ」です。
そしてそれは作中で引用される作品『陸軍』のテーマにも通ずるものなのです。

田中絹代
2067円
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木下監督は戦争中に、国民に戦意を奮い立たせるための作品づくりを余儀なくされ、そこで母が子を想う気持ちを描いていた『陸軍』を撮ったのですが、軍にその描写が「女々しい」と言われ、映画監督としての仕事を中断してしまいします。

そして、母をリヤカーで送っていく道中、そして旅路の先で、木下監督は大切なことを知るのです。
その過程の素晴らしさ、メッセージ性の高さに、心が震えっぱなしでした。


難点もあります。

それは原監督の「木下監督愛」が強すぎて、木下監督作品の引用シーンがとても長いことです。
流される木下監督作品は本編のストーリーと巧みに絡み合っているのですが、少し冗長さは否めません。
上映時間が95分とコンパクトであることも、アンバランスさを際だたせているように感じます。
原監督にとってはどのシーンもカットできないものだったのでしょうが、ここで気持ちが引いてしまう人もいるのではないか?と思わせるのは本作の弱点でしょう。

他にも展開のごく細かい部分に違和感を感じるところもありました。
これはディテールに凝った仕事をする原監督らしくなく、悪い意味で驚いてしました。


しかしそんな不満も、作品の素晴らしさからすれば大した問題ではありません。
何気ないシーンの意味を知り、人間模様と込められたメッセージに感動できる本作は、もっともっと多くの方に観てもらいたい作品です(興行収入が初登場10位圏外って・・・)。

予備知識は特に必要ありませんが、できれば「戦国大合戦」を観てから劇場に足を運ぶことをおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです。鑑賞後にご覧ください 「オトナ帝国」「戦国大合戦」のネタバレも含んでいます↓

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2013-06-08 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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このステマがひどい! Yahoo!映画のステマ評価ワースト5

みなさまはステルスマーケティング、略して「ステマ」というものをご存じでしょうか。

企業や個人が第三者を偽って好評価をしたりする「サクラ」「ヤラセ」に近いもので、しばしばネットでは蔑称のようにステマということばが使われています。

最近では「食べログ」のステマが話題になり、アニメでおかゆがなぜかサムゲタンになっていたり(これはステマじゃないかもしれないけど)、消費者にとってステマはとても深刻な問題なのです。

そして同じくステマが大きな問題になっているサイトがあります。

それはYahoo!映画
投稿者が多いため、試写会での評判も早く知ることができ、自分もとても参考にしているのですが・・・残念ながらその評価はあてにできないものもたくさんありました。

本日はYahoo!映画にみるヒドいステマ評価ワースト5をご紹介します。
*タイトルをクリックするとそれぞれのYahoo!レビューに飛びます。

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2013-06-04 : いろいろコラム : コメント : 16 : トラックバック : 0
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罪の意識 映画「リアル 完全なる首長竜の日」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はリアル~完全なる首長竜の日~です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:原作無視&黒沢清ワールド全開すぎ


あらすじ


藤田浩市(佐藤健)の恋人の和淳美(綾瀬はるか)は自殺未遂をしてしまい、1年以上のも昏睡状態が続いていた。
浩市は彼女を救い出すために、昏睡状態にある患者と意思の疎通が可能となる先端医療「センシング」を利用して淳美の意識にダイブする。




トウキョウソナタ」「回路」の黒沢清監督最新作です。
原作は乾緑郎による『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した小説です。

乾 緑郎
590円
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自分は小説をだいぶ前に読んでいたのですが、驚きました。
なにがって映画の内容が原作と全然違うことです。

原作小説と映画の違うところを範囲で書き出すと、こんな↓感じになります。


(注)ほんの少しだけネタバレしているので、予備知識なく小説や映画に触れたい方は以下を読み飛ばしてください

・主要人物の2人は原作では姉弟だったが、映画では恋人になっている
・主役は原作では「敦美」だったが、映画では「浩市」になっている
・原作の重要人物だった「仲野泰子」が映画には登場しない。他にもキャラの改変が多い。
・原作で引用として用いられた胡蝶の夢や、J・D・サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」の話題は映画には出てこない
・作中に起こる悲劇の内容が違う
・「完全なる首長竜」が描かれた理由も違う
・どんでんがえしの内容も異なる
・クライマックスも全く違う
・ホラー演出もほぼ映画オリジナル



共通しているのは相手の意識の中に入るという「センシング」という機器の概念、首長竜というモチーフ、ヒロインの敦美が漫画家という設定くらいのもんでしょうか。
ここまで原作と乖離があるのも、なかなか類を見ません。

黒沢清監督(脚本も兼任)は原作をそのまま映像化することに難しさを感じ、途方に暮れた末に大幅な改変をする決断をしたそうです。
原作者もこれに快諾されたようですが、原作の骨組みだけを残し重要な要素も改変してしまったこの映画は、原作のファンにとっては賛否両論のことでしょう。
原作と映画を見比べて違いを楽しむのも一興かもしれません。


そして出来上がったのは、もはや黒沢清監督の独壇場と言える映画作品でした。
本作には監督ならではのホラー演出が満載なのです。

恐怖を呼び起こすのは、洋画のホラーにありがちな「ワッ」と驚かせる安直なものではありません。
いつの間にか恐怖の存在が画面に映り込み、世界が侵食されていくような感覚を得ます。
これは同監督の「回路」を思い出されるもので、見ごたえがありました。

原作にもホラー要素はわずかながらにもあるのですが、本作にある恐怖演出はほとんど映画オリジナルです。
明らかに黒沢清監督は好き勝手やっています
そこが映画の魅力になっているのだから、なんとも複雑な気持ちになります。


そんなわけで「回路」が好きだった自分としては、前半は大いに楽しめたのですが・・・終盤の展開はつまらなくてがっかりしてしまいました。今までの物語の雰囲気と乖離しまくっています。
このあたりは原作小説のほうが明らかに優れていました。

不自然な(というよりも矛盾している)登場人物の言動や、ご都合主義的な展開が多いことも残念でした。
このあたりは監督の前々からの弱点だと思うのですが・・・


とにかく「佐藤健や綾瀬はるかのファン」というだけで観に行くのは危険な一本です。
淡々としていてテンポが少々悪く、いろいろ詰め込みすぎてジャンルがSFなのか恋愛なのかホラーなのかよくわからなくなるのは本作の欠点でしょう。
とても万人に勧めれるものではありません。

しかし「インセプション」「パプリカ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」などの、「夢(意識)の中で冒険をするSF」が好きな人にはぜひ観てほしい作品です。
黒沢清監督に馴染みのない方は、「回路」だけでも観ておいて、監督のクセを知ってから劇場に足を運ぶことをおすすめします。

余談ですが、Mr.Childrenによる主題歌が普段の楽曲と雰囲気が違うことにも驚きました。

250円
powered by yasuikamo
<Mr.Children「REM」Music Video - YouTube>
曲調は映画とはミスマッチかもしれませんが、その歌詞は映画の内容を表しているように思えます。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いきなりオチ部分を書いているので注意!

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2013-06-02 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 1
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忘れえぬ故郷 映画「オブリビオン」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はオブリビオンです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:設定がゴリ押しSF


あらすじ


人類とエイリアン「スカヴ」の戦いにより、地球が崩壊してから60年が過ぎた。
生き残った人類が土星へと移住する中、ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)とそのパートナーのヴィクトリア(アンドレア・ライズボロー)は上空から地上を監視する日々を送っていた。
ある日ジャックは宇宙船の墜落を目撃し、生存者の女性ジュリア(オルガ・キュリレンコ)を助け出すのだが・・・




アウトロー」に続くトムクル様主演作にして、「トロン:レガシー」のジョセフ・コシンスキー監督最新作です。

タイトルのoblivionの意味は「忘却」。
同名のゲームがありますが本作はそれとは無関係で、本格的なSFの様相を呈しています。

タイトルのとおり、主人公・ジャックはなぜか故意に記憶を消されていて、彼の境遇は謎だらけです。
徐々に謎が解き明かされていく過程には求心力があり、そのネタばらしのタイミングも絶妙で、効果的な伏線もあります。
ミステリー風味のSFを期待する方には存分に楽しめるでしょう。


残念なのが、設定に論理性が見いだせず、かなり強引に感じてしまうことです。
少し考えただけでも「え?それっておかしいぞ?」と思うところばかりでした。
序盤の疑問は伏線としてしっかり回収されているし、難しいことを考えずにサラッと流して観たほうが楽しめるのでしょうが・・・後半はツッコミどころが盛りだくさんでなかなか容認できるものではありませんでした。

さらに新鮮味もあまりありません。
地球が崩壊した後の世界観も今ではありふれていますし、「2001年宇宙の旅」「猿の惑星」「スター・ウォーズ」を思わせるシーン(オマージュ)や設定もあるので、あっと驚けるシークエンスは期待しないほうがいいかもしれません。
登場人物がとても少なく、主人公の一人芝居が多いのも「月に囚われた男」を思わせました。

上映時間は2時間4分とSF大作としてはごく普通ですが、ものすごく長く感じました。
これは世界観をじっくり見せるためにテンポがややゆっくりしていることだけでなく、作中に山場が何回もあって「いつ映画が終わってもおかしくない」と思ってしまったせいもありそうです。


良いところはそのビジュアル。
ディストピアである世界観、シルバーを基調とした画はSFとしての魅力に溢れています。

「忘却」だけでなく、「故郷」をテーマとしていたこともよかったです。

主人公は崩壊前の地球を写真でしか知らないはずであるのに、ニューヨーク(ヤンキース)のキャップをかぶったり、レコードで「青い影」を聞いたり、スーパーボウルのスタジアムで思いにふけったり、エンパイアステートビルの風景がフラッシュバックしたりします。
主人公が地球を懐かしむことにもちゃんと意味があるのです。

台詞の端々にも気が利いていて、何気ないことばにも深みが感じられました。
戸田奈津子さんの字幕がちょっとアレだけど・・・
エンパイアステートビルを表すTOP OF THE WORLDを「世界一高いところで会おう」と訳すしanother day in paradiseを「今日もパラダイス」と訳すし・・・


こういう作品は予備知識をあまり入れずに観るのがいいでしょう。
映画としてのまとまりは悪いですし、終盤に向かうほど大味になる展開は「トロン・レガシー」と一緒ではありますが、それを許せるSFファンの方であれば存分におすすめできます。

また、本作のはじめに表示されるUNIVERSALのロゴにはちょっとした変化があります。
ぜひ忘れずに、注目してみてください。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2013-06-01 : 映画感想 : コメント : 16 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

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