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罪の意識 映画「リアル 完全なる首長竜の日」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はリアル~完全なる首長竜の日~です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:原作無視&黒沢清ワールド全開すぎ


あらすじ


藤田浩市(佐藤健)の恋人の和淳美(綾瀬はるか)は自殺未遂をしてしまい、1年以上のも昏睡状態が続いていた。
浩市は彼女を救い出すために、昏睡状態にある患者と意思の疎通が可能となる先端医療「センシング」を利用して淳美の意識にダイブする。




トウキョウソナタ」「回路」の黒沢清監督最新作です。
原作は乾緑郎による『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した小説です。

乾 緑郎
590円
powered by yasuikamo

自分は小説をだいぶ前に読んでいたのですが、驚きました。
なにがって映画の内容が原作と全然違うことです。

原作小説と映画の違うところを範囲で書き出すと、こんな↓感じになります。


(注)ほんの少しだけネタバレしているので、予備知識なく小説や映画に触れたい方は以下を読み飛ばしてください

・主要人物の2人は原作では姉弟だったが、映画では恋人になっている
・主役は原作では「敦美」だったが、映画では「浩市」になっている
・原作の重要人物だった「仲野泰子」が映画には登場しない。他にもキャラの改変が多い。
・原作で引用として用いられた胡蝶の夢や、J・D・サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」の話題は映画には出てこない
・作中に起こる悲劇の内容が違う
・「完全なる首長竜」が描かれた理由も違う
・どんでんがえしの内容も異なる
・クライマックスも全く違う
・ホラー演出もほぼ映画オリジナル



共通しているのは相手の意識の中に入るという「センシング」という機器の概念、首長竜というモチーフ、ヒロインの敦美が漫画家という設定くらいのもんでしょうか。
ここまで原作と乖離があるのも、なかなか類を見ません。

黒沢清監督(脚本も兼任)は原作をそのまま映像化することに難しさを感じ、途方に暮れた末に大幅な改変をする決断をしたそうです。
原作者もこれに快諾されたようですが、原作の骨組みだけを残し重要な要素も改変してしまったこの映画は、原作のファンにとっては賛否両論のことでしょう。
原作と映画を見比べて違いを楽しむのも一興かもしれません。


そして出来上がったのは、もはや黒沢清監督の独壇場と言える映画作品でした。
本作には監督ならではのホラー演出が満載なのです。

恐怖を呼び起こすのは、洋画のホラーにありがちな「ワッ」と驚かせる安直なものではありません。
いつの間にか恐怖の存在が画面に映り込み、世界が侵食されていくような感覚を得ます。
これは同監督の「回路」を思い出されるもので、見ごたえがありました。

原作にもホラー要素はわずかながらにもあるのですが、本作にある恐怖演出はほとんど映画オリジナルです。
明らかに黒沢清監督は好き勝手やっています
そこが映画の魅力になっているのだから、なんとも複雑な気持ちになります。


そんなわけで「回路」が好きだった自分としては、前半は大いに楽しめたのですが・・・終盤の展開はつまらなくてがっかりしてしまいました。今までの物語の雰囲気と乖離しまくっています。
このあたりは原作小説のほうが明らかに優れていました。

不自然な(というよりも矛盾している)登場人物の言動や、ご都合主義的な展開が多いことも残念でした。
このあたりは監督の前々からの弱点だと思うのですが・・・


とにかく「佐藤健や綾瀬はるかのファン」というだけで観に行くのは危険な一本です。
淡々としていてテンポが少々悪く、いろいろ詰め込みすぎてジャンルがSFなのか恋愛なのかホラーなのかよくわからなくなるのは本作の欠点でしょう。
とても万人に勧めれるものではありません。

しかし「インセプション」「パプリカ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」などの、「夢(意識)の中で冒険をするSF」が好きな人にはぜひ観てほしい作品です。
黒沢清監督に馴染みのない方は、「回路」だけでも観ておいて、監督のクセを知ってから劇場に足を運ぶことをおすすめします。

余談ですが、Mr.Childrenによる主題歌が普段の楽曲と雰囲気が違うことにも驚きました。

250円
powered by yasuikamo
<Mr.Children「REM」Music Video - YouTube>
曲調は映画とはミスマッチかもしれませんが、その歌詞は映画の内容を表しているように思えます。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いきなりオチ部分を書いているので注意!

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2013-06-02 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 1
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
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<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
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『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
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