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普通の人も、こわい 映画「凶悪」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅ればせながら、映画凶悪を劇場で観ました。

凶悪ー画像


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:直接的な描写よりも人の心がエグい・・・


あらすじ


ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、死刑囚の須藤(ピエール瀧)が書いた手紙を受け取り、刑務所に面会に訪れる。
須藤は藤井に、ある男が娑婆で暮らしていること許せないと告げる。
その男は「先生」と呼ばれていた・・・・




人が映画を観て得るものには、どんなものがあるでしょうか。
たとえば「胸躍る冒険が観たい!」「素敵な恋愛を観たい!」という夢を叶えるのも、映画の持つ力のひとつでしょう。

この「凶悪」はそういった「良い子」の映画とは一線を画す内容です。
この映画はとにかく悪い人間の、悪しき所業の数々を見せ続けます。
ひたすらエグく、観ていていや~な気分になる作品です。マジで吐き気を催した部分もあります。
こんなものを、お金を払って、時間を費やして観る価値があるのか?と問われるかもしれません。

しかし、本作はそんじょそこらの映画よりも、はるかに観る価値があると思わせる作品でした。
なにせ、「人間の心のエグさ」をすさまじい方法で描いているのですから。
しかも作中に出てくる殺人鬼だけでなく、「普通の人」の闇の部分をも暴くのです。

長年生きていると、人間ってそんな美しいもんじゃないな、嫌な部分もいっぱいあるな、と思ってしまうこともあります。
そうなると「人間って素晴らしい」「人生って素晴らしい」という訴えや主張に、ある種の懐疑心を持ったり、斜に構えていしまうこともあると思います。
それには、人間の「闇」の部分から目を背けていることも理由にあるのではないでしょうか。

この映画はその人間の闇の部分を暴くことで、「人間って、みんなが思っているよりもさらにエグいぞ!」ということを教えてくれます。
作品を観たあとには物事の善悪や、そして(観た自分自身も含む)人の持つ恐ろしさを考えてしまうでしょう。
こうしたイヤな部分を観てこそ、人間というものの本質がわかり、生きていく糧になるのではないでしょうか。
残酷でグロテスクな内容ですが、確かな意義を感じるのです。

本作が作品として優れているのは、前述のとおりの人の残酷さを描いていることがひとつ、さらに以下のことが理由にあります。

①とある特徴的な構成が成功している
②主人公の境遇など、脚本の細かい部分が緻密な計算のもとにつくられている
③役者たちの演技がすさまじい

②は史実を記録した原作から、大胆な脚色がなされています(そのため、本作は「史実をもとにしたフィクション」になっています)。

580円
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ほかにも原作との違いは多々あるのですが、この②で描かれる「主人公の妻の一言」には身震いがするほどの衝撃を受けました。

③は本当にすさまじいです。
ピエール瀧の非道な殺人鬼、リリー・フランキーの「笑顔」には戦慄すること必死です。
この演技を観たら、「冷たい熱帯魚」のでんでんがそうだったように、ほかでどんな役を演じても裏で殺人をしている極悪人にしか見えなくなってしまいそうです。
しかもこの2人は現在公開中の「そして父になる」にも出演しているんだよなあ・・・
ピエール瀧が人を殺すときに言う「ぶっ込む」というワードの怖さも、忘れられそうにありません。

この「凶悪」はとても観る人を選ぶ作品でもあります。
デートに選んだら相手はどん引きすること必死です。
ザ・R15+なシーンが満載で、女性や高齢者への暴行も直接的に描かれているので、それを絶対に観たくないという人にはおすすめしません。

それでも本作は、映画を観慣れている方にこそおすすめしたい傑作であると思います。
現在は多くの場所で上映が終了してしまいましたが、10月25日まで上映しているところ、セカンド上映をするところもあるので、近くで上映していたらぜひ足を運んでみてください。

この映画を観た後は、自分が「闇」の部分に踏み込んでいないことが、いかに幸せかを思い知らされるかもしれません。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2013-10-20 : 旧作映画紹介 : コメント : 15 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
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<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
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<2014年上半期>
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『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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