ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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復讐の神 映画「オンリー・ゴッド」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はオンリー・ゴッド(原題:Only God Forgives)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:賛否両論映画の極地すぎる・・・


あらすじ


ジュリアン(ライアン・ゴズリング)タイのバンコクでボクシングジムを経営しながら、その裏で麻薬商売に手を染めていた。
ジュリアンの兄ビリーは16歳の少女をなぶり殺し、その父親の報復により殺害されてしまう。
ジュリアンは事情を理解して父親を許すが、母親のクリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)は復讐に燃えていた。




ブロンソン」「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督最新作です。

本作はこれ以上なく「賛否両論」の評価を受けています。
その好き嫌いの別れっぷりは凄まじく、カンヌ国際映画祭で上映されたときにはスタンディングオベーションとブーイングの両方が飛び交ったとのだとか。
そのことを宣伝材料としているだけあって、大衆向けの娯楽映画とは全く違う内容でした。

なぜ賛否両論なのか、その理由を以下にあげてみます。

①意味わかんない
まあ理由のほとんどはコレでしょうね。
台詞の数はごく少なく、夢と現実が交錯し、展開そのものも抽象的です。
「ドライヴ」はわかりやすい映画だっただけに、戸惑う方は多いでしょう。
意味がわからない=つまらないと考えてしまうのは安易ではありますが、そのような印象を持つ方がいるのも当然です。

②雰囲気が独特
常に不安をあおるような演出・展開がされています。
赤を基調とした「夢」の画、夜のバンコクの街の「現実」の画は美しく仕上がっています。
重低音の音楽はおどろおどろしさを加速させるものでした。

Only God Forgives
1398円
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③暴力描写が過激
凄惨な暴力シーンが多く、グロテスクな描写が苦手な方にはとてもおすすめできません。

④「間」が長い
登場人物が「ただ歩く」シーンが多めです。
そのほかでも役者の表情のみで物語る場面があり、人によってはやや退屈に感じてしまうかもしれません。

これら①〜④の特徴全てが人を選びまくる要素であることは間違いないでしょう。
本作に似ている監督には、以下が思い浮かびます。

アレハンドロ・ホドロフスキー→意味わかんない、グロい。
ウォン・カーウァイ→色彩感覚が似ている。
スタンリー・キューブリック:→恐怖描写、奥に向かうカメラワークは「シャイニング」っぽい。
デヴィッド・リンチ→意味わかんない、色彩感覚が似ている、重低音の音楽もそっくり。

いやあ・・・本当万人向けじゃない監督ばかりですね。

さて、個人的にはこの作品はかなり気に入りました。
面白いのは、「これの意味はなんだろうか?」と、抽象的なシーンの意味をあれこれと考察できることです。

その「深読みすると面白い」キャラクターのひとりが、情け容赦のない元・警官のチャン(ウィタヤー・パーンシーガーム)でしょう。

警官刀を持つ<普通のおっさんに見えるけど・・・

こいつは全編大活躍どころか、下手をすると主人公よりも目立っていました。
彼の趣味(なのか?)を披露するシーンでは、劇場が微妙に居心地の悪そうな雰囲気になっていました。

痛烈な印象を持つキャラクターのもうひとりは、主人公の母・クリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)です。

赤い母親<すでに怖い

初登場時から性格がすげえ悪いので、主人公に同情してしまいました。

このインパクトがありすぎるキャラクターのおかげで、本作にはちょっと笑ってしまう要素もあったりします。
そのおかしみからくる笑いも、展開の意味不明さのおかげで乾いた笑いへと変わってしまうのだけど・・・

おすすめかどうかと問われればおすすめできないのですが、「ドライヴ」にハマった方や、上記の似ている作風の監督が好きな人には劇場で観る価値があります。
上映時間は90分とコンパクトですので、それほど疲労感はなく観れるでしょう。

また、原題は「only god forgives」となっています。
「神のみの許し」というタイトルが示すものが何であるのか、観ながら考えてみてみるのもよいでしょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
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2014-01-31 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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グロ映像頂上決戦 映画「V/H/S ネクストレベル」ネタバレなし感想+各作品紹介

今日の映画感想はV/H/S ネクストレベル(原題:V/H/S 2)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:マジで気分悪くなるよこれ(褒め言葉)


あらすじ


探偵業に携わる男とそのアシスタントは、失踪した大学生の調査のために空き家に入る。
そこには画面がついたままのテレビ、そして数本のビデオテープがあったー




オムニバス・ホラー「V/H/S シンドローム」の続編です。

3536円
powered by yasuikamo

この作品はいわゆる「ファウンド・フッテージ(ある理由により埋もれていたという設定のドキュメンタリー風作品)」もので、基本のプロットは若者が空き家に入る→次々と恐ろしいビデオ(ホラー作品)を観るというシンプルなものです。
この2作目でもそれは全く変わっておらず、メインの物語の1本+ビデオ映像の4本のホラー作品が楽しめるという構成になっています。

前作があまり評判がよくなかったので敬遠していたのですが・・・今回の「ネクストレベル」を観てびっくりしました。めちゃくちゃ面白いじゃん!
前作を観てこそわかるオマージュもあったそうですが、本作は前作を観ていなくても全く問題なく楽しめるでしょう。
各作品は完全に独立していますし、ストーリーはあってないようなものなのですから。

流されるホラー作品のコンセプトもシンプルで、言わばエロ・グロ全部乗せです。
次々と映し出される超ハイテンションな阿鼻叫喚の地獄絵図こそが本作の最大の魅力であり、POVならではの手ぶれ映像も相まって、満腹の状態で観たりするとマジで吐きかねない勢いでした。
そんなわけで本作は当然のようにR18+指定。女性や子どもにはとても観せられません(劇場には女性もたくさんいたけど)。

ちなみに前作は低予算ホラーとしてはスマッシュヒットを飛ばしていたのですが、今作の興行収入は1/5程度に下がってしまったそうです。
今作の方が世間的な評判も高いのに、ちょっともったいないですね。
ホラー映画ファンからはそこそこ知られた監督が作品を撮っているので、各監督の作品が好きな方にはぜひ観ていただきたいです。

手ぶれ映像で気分が悪くなる方、グロ映像が苦手な方は絶対観るなと断言できます。
しかし、ホラーファンにとってはかなりの満足感を得ることができるのではないでしょうか。
こんなに面白い作品が、全国で6館でしか観れないのはなんとももったいないですね。いや、作品のターゲットがニッチすぎるから、しょうがないんだけど。

以下、各作品の紹介です↓
結末などはネタバレしておらず、紹介程度にはとどめています。
しかし、本作は予備知識がないほうがより楽しめるかもしれないのでご注意を。
ついでなので各作品の邦題も勝手に考えてみました。

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テーマ : 映画レビュー
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2014-01-27 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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ずっと秘密のままに 映画版「小さいおうち」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は小さいおうちです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:身近な問題のほうが深刻だよなあ・・・


あらすじ


大学生の健史(妻夫木聡)は、大伯母のタキ(倍賞千恵子)が遺した“自叙伝”を読む。

昭和初期、若き日のタキ(黒木華)は郊外の平井家に奉公する。
赤い三角屋根の小さい家には、玩具会社に勤める雅樹(片岡孝太郎)と妻の時子(松たか子)、まだ幼い一人息子の恭一が暮らしていた。
雅樹の部下の板倉正治(吉岡秀隆)がやってきたことから、徐々に小さいおうちには不穏な空気が漂いはじめる・・・




山田洋次監督最新作にして、中島京子の直木賞受賞作を原作とした映画です。

中島 京子
570円
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本作は戦争映画であり、秘密の恋を描いたミステリーでもあります。
物語の舞台である昭和初期は、支那事変が長きに渡って続き、二・二六事件が起こり、太平洋戦争が勃発しようとした時代です。

物語は激動の時代を生きた大伯母の自叙伝を読んでいくという「語り」により進められていきます。
にわか知識の大学生は、ことあるごとに「そんなことが(この大変な時代に)あるわけないじゃん」と伯母の物語にツッコミを入れます。
しかし、それは「小さいおうち」という非常にミニマムな世界で起こった事実です。

時代が変化し、大きな事件が起こったとしても、人が生きていくためにはごく狭い範囲にあることがらのほうがよっぽど重要なのでしょう。
男たちが戦争についてばかり話し合うものの、奥さんが「男って戦争の話ばかりでいやあね」と言うのも、その「価値観」を示しているようでした。

本作でモチーフになっているのは、バージニア・リー・バートンによるベストセラー絵本です。

バージニア・リー・バートン
672円
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絵本では、周りの環境が変わろうともただただその場所にあり続けているおうちの顛末が描かれています。
このモチーフが示すものは何かーそれは映画を観終わった人それぞれが想像することだと思います。

物語を追うごとに提示されるのは、恋心により起こった情事であり、「秘密」です。
女中として奉公に出たタキが「秘密」を守るためにした行動は、多くの人の心の琴線に触れるでしょう。

山田監督による画作りも納得の仕上がりです。
作品の大部分はフィックス(固定)で撮影されており、「東京家族」で見せた小津安二郎への敬意が本作でも感じられます。
後半には新たな試みもされており、ベテラン監督の力量を思い知らされました。

残念だったのが、山田洋次監督らしい「戦争批判」が過剰なまでに入っていることです。
本作は観る人によって解釈が異なる奥深い物語です。
戦争に翻弄される人々の姿を描いているとはいえ、ここに「主観」が入ってしまうと観る側としては煩わしさを感じざるを得ませんでした。
上映時間が2時間16分と少々長めで、展開にもどかしさがあるのも欠点であるでしょう。

山田洋次監督が好きな方、当時の戦争に詳しい方にはぜひ観てほしい作品です。
戦争をあまり知らない世代の方にも、当時の人の「身近な暮らし」を体験できる面白さがあるはずです。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-01-26 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
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愛と攻撃性 映画「エンダーのゲーム」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はエンダーのゲーム(原題:Ender's Game)です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:映画にはしにくい物語だったよね・・・


あらすじ


エンダー(エイサ・バターフィールド)は禁断のサードとして生まれたために、世間から蔑まれ孤独な少年時代を過ごしていた。
しかし、彼はたぐいまれな才能を持ち、宇宙戦争を「終わらせる者」の宿命を背負っていた。
エンダーは少年戦士たちととももに、防衛軍ベースキャンプのバトルスクールに送られ、過酷な訓練を受け続ける。




同名のオースン・スコット・カードによる小説の映画化作品です。

オースン・スコット・カード
798円
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原作はネビュラ賞ヒューゴー賞をダブル受賞をするという快挙を成し遂げ、「セカイ系」の作品に多大な影響を与えた作品とされています。
セカイ系とは「主人公が世界を救う」「主人公の孤独な戦い」という要素が入った作品のことで、日本人であれば「新世紀エヴァンゲリオン」を思い浮かべるでしょう。

実際に、本作の主人公のエンダーはエヴァのシンジくんに似ているところもあります。
彼らは「戦いたくない」という思いを抱えており、なぜか女性にはモテて、周りからは「あなたが必要」と持ち上げられ、わりと性格もよくありませんw

この映画で多くの人が拒否反応を覚えるのが、このエンダーのキャラクターでしょう。
こいつは主人公のくせに、シンジくんばりのイヤな性格ばかりを見せるので全然共感できないのです

原作にはエンダーの機転や洞察力が丹念に描かれているのですが、映画だけでは彼の能力の具体的な描写に乏しくなっています。
主人公のどこがの秀でているのかわからないのに、周りはさんざん彼のことを「すごい子どもだ!」と言い、さらに出世をしていく・・・
ここからもう置いてけぼり感が否めません。

説明不足なのはエンダーのキャラクターだけではありません。
彼がたてる作戦の内容も、映画を観ただけではよくわからないのです。
映画の戦闘シーンは具体的な状況がわかってこそアツくなれるものですが、この映画の戦闘シーンはまるで「観客席から観たルールも知らないスポーツ」のようでした。

作中の用語すら説明不足です。
例えば主人公が呼ばれている「サード」とは、人口過剰による少子化政策のために2人の子どもしか許されない時代に、その2人が優秀な子供の場合のみ許される3番目の子どもという意味なのですが、作中ではさっぱり説明されません。
SFになじみのない方には、これも脱落してしまう原因になるでしょう。


なんでこうなってしまったのか・・・それは2時間の映画におさめるために端折りすぎたせいでしょう。
原作は少年兵の成長を交えた壮大な物語が描かれるのですが、映画版はそれをダイジェストにしたような感覚でした。

本作は長らく「映像化不可能」と言われていました。その理由は映像面のことばかりではありません。
大衆やスタジオが好む「単純な物語」とは違うため、製作チームは自分たちで制作費を出資しなければならない状況に陥っていたそうです。
参考→<伝説のSF小説『エンダーのゲーム』がついに実写化 - ぴあニュース - 朝日新聞デジタル&M>

つくられた映画は、まさに万人向けとはほど遠いものであり、本国での興行成績も芳しくありませんでした。
「そもそも映像化することが難しかった」故の結果と言えるでしょう。


ネガティブな面ばかりを書いてきましたが、本作には良いところもたくさんあります。

そのひとつが、とても奥深いテーマを持っていることです。
エンダーという名前はアンドリューの別名だそうですが、「終わらせる者」という含意があります。
前述の通り、エンダーは本心では戦いたくない(相手を殺したくない)と考えている少年です。
しかし周りは彼の才能を見出し、戦争の終結のための攻撃に参加をさせようとしています。
その先にある結末には、確かなメッセージ性がありました。

もうひとつが映像面のクオリティです。
宇宙での戦闘シーンには新鮮な驚きはないものの、かなり細かいところまで作り込まれています。
ゼロ・グラビティ」のような「無重力状態」の戦闘も、見応えは抜群でした。

映画ファンにとっては、豪華キャストも魅力のひとつでしょう。
ハリソン・フォードベン・キングズレーといったベテランをはじめ、多数の実力派の若手俳優が集結しています。
ヒューゴの不思議な発明 」のエイサ・バターフィールド、「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン、「トゥルー・グリット」のヘイリー・スタインフェルドと、有名作の主演を務めていた彼らの「成長」を観ることができるのです。
個人的に注目株だったのが、イヤ〜な性格の上官・ボンソーを演じたモイセス・アリアスでした。
年齢不詳の見た目はもちろん、その演技力のインパクトもすさまじいものでした。


お子様や、単純明快な娯楽作を求める人には全く向きません。
しかし、SFが好きな方や、主人公とともに哲学的な考えをしたい方にはハマる魅力が充分にあります。
エヴァンゲリオンの原点が観たい方、わかりやすいSFに飽き飽きしている方は、ぜひ劇場へ。

余談ですが、以下の予告編ではエンダーが「僕は戦いたくない」言った直後に「撃てー!」とほざくのでチグハグ感が否めませんw
<「エンダーのゲーム」TVスポット(ストーリー編 15秒) - YouTube>
いや、そういう映画なんだけどね。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-01-25 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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それも愛のかたち 映画「MUD-マッド-」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はMUD-マッド-です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:愛を知って大人になるって、大変だ


あらすじ


アメリカ南部の州アーカンソーに住む14歳のエリス(タイ・シェリダン)は友達のネックボーン(ジェイコブ・ロフランド)ともに、洪水により木の上にあげられたボートを発見する。
そのボートには、マッドと名乗る男(マシュー・マコノヒー)が住んでいた。
マッドはこの場所を離れることができないため、食料を持ってきてほしいとふたりに頼むのだが・・・




テイク・シェルター」のジェフ・ニコルズ監督最新作です。
海外では批評家から大絶賛され、興行的にも成功した作品ですが、日本ではヒューマントラストシネマ渋谷でしか現在上映がない状態です。

これはかなりもったいないです。
本作は、多くの大人が共感できる「愛」についての寓話なのですから。

主人公の少年が出会うのは、「マッド(madではなくmud)」と名乗る正体不明の大人です。
マッドには好きな女性がいるのですが、彼はとある理由により結婚することどころかそばにいることすら叶いません。
その「なぜ」をゆっくりと解き明かし、「愛」について知らなかった少年は、やがてその本質を知る物語になっています。

愛を知った少年はやがて大人になるための準備をして、大人もまた子どものおかげで成長をします。
ごく少ない登場人物が織りなす人間ドラマと、それぞれの「主張」が紡ぎだす価値観の違い、そして衝突ー
それら全てが、とても丁寧に描かれていました。

画作りもとても丁寧で、ロングショットを多用した撮影の上手さ、荒れた川辺の風景の美しさは筆舌に尽くしがたいものがありました。

公式ページでは「現代版スタンド・バイ・ミー」という宣伝がなされていましたが、より近い作品は「トム・ソーヤーの(大)冒険」でしょう。

ジョナサン・テイラー・トーマス
1312円
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ハックルベリー・フィンが「マッド」という大人に変わったような印象でした。
実際にニコルズ監督は物語の執筆にあたり、トム・ソーヤーから多大なインスピレーションを受けたそうです。

本作の難点は、とてつもなく地味なことです。
作中で大きな事件はそれほど起こりませんし、ゆったりとしたテンポで描かれているので、人によっては退屈に感じてしまうでしょう。
上映時間が2時間10分と長めなのも、観る人を少し選んでしまう要素であると思います。

「想い」や「成長」が伝わる映画としては、最高峰の出来です。
登場人物のことばをひろいあげるだけで、いくつもの奥行きが見えるようになります。
「スタンド・バイ・ミー」はもちろん、「マイ・フレンド・フォーエバー」のような少年たちの冒険を期待する人には大プッシュでおすすめします
近くで上映がはじまりましたら、ぜひ。

ちなみに、ヒューマントラストシネマ渋谷では「未体験ゾーンの映画たち」という未公開作を連日上映する企画がなされています。
<未体験ゾーンの映画たち2014>(pdfファイルなのでクリック注意)
日本で劇場で観ることができない(DVDスルーになる)良作はかなり多いので、こうした企画はもっと盛り上がってほしいですね。

以下、作品の終盤までネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 
一応結末には触れていませんが、かなりのネタバレです。
本作は観ている人が少ないのですが、作中の登場人物の主張だけは書きたいので・・・

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2014-01-23 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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映画レビューの最新系?「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ

インターネット時代となった昨今、誰でも映画の感想を読むことができるようになったのは喜ばしいことです。
その媒体もインターネット黎明期から進化を続け、さまざまな映画感想サイト、ブログやアプリが登場しててきました。
映画(ハル)超めんどくさいパソコン通信での映画のファンの交流が描かれていたことを思えば、ずいぶんと便利になったものです。

本日はその最先端となるサイト&スマートフォン用アプリFilmarksをご紹介します。

firmarks.png

使ってみて思った、filmarksの優れた点&ちょっと微妙なところを書いています。

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2014-01-21 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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あなたを守る理由 実写映画版「黒執事」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は黒執事です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:もっとひどいのを期待していたのに・・・


あらすじ


そこは、2020年のアジア某国ー
世間では人々が突然ミイラ化をする「悪魔の呪い事件」が起こっていた。
幻蜂家の現当主である清玄(剛力彩芽)は、執事のセバスチャン(水嶋ヒロ)とともに事件の解決に挑む。




TVアニメミュージカルも好評を博した、枢やなによる同名のコミックの実写映画化作品です。

枢 やな
600円
powered by yasuikamo

のっけから言うと、この映画は原作漫画とはまるっきり別物になっていました。
表にするとこんな感じです。

表黒

日本で製作されている以上しかたがないところもありますが、原作のネームバリューを利用しているだけのようにも感じます。
原作を読まずに映画を観た方には問題ないことですが、原作が好きだった方にとっては怒り心頭であることでしょう。

肝心の映画本編の出来なのですが、これが意外にも(失礼)ちゃんとしています。
凸凹コンビが事件を解決のためにあれこれ行動する様は原作らしさもありますし、ミステリーとしてそれなりに整合性・意外性がありました。
大内貴仁が手がけた主人公のアクションはかなりキレッキレで、日本映画とは思えないクオリティでした。

感心(?)したのは海外の有名映画をキレイにパクっていることです。
ブレードランナー」っぽいビジュアル、「ガンカタ」っぽい立ち回り、オープニング映像に感じるデジャヴは映画ファンであればいい意味で笑いながら観ることができるでしょう。


問題はクライマックスの演出がいくらなんでも長過ぎることです。
さんざん観ている側が「わかっている」ことをくどくど繰り返し、何度も回想を反芻するので退屈で仕方がありませんでした。
シュガーラッシュ」が回想シーンを10秒程度で描いた潔さを見習ってほしいものです。

ミステリー部分はそこそこですが、それ以外のツッコミどころがとても多くて容認できないものも多々ありました。
なぜ○○しないの?と思ってしまうと、イライラすることは必死でしょう。

さんざんネットなどで批判を浴びている剛力彩芽さんのごり押しっぷりも気の毒ではありました。
予告編の「ボクヲタスケロ!」にはトホホ感がありましたが、本編では相当に頑張って仕事をこなしています。
「男装の麗人」という設定にした理由もちゃんとありましたし、この映画では彼女のことはとても責められません。


原作漫画を知らなければ、そこそこ以上には楽しめる映画です。
水嶋ヒロ演じる性格の悪い執事はかなりハマッているので、ファンは観て損はないでしょう。
サブキャラクターの優香の存在感も抜群でしたので、彼女の女優としての活躍を期待する人にとっても観る価値があります。

冒頭のテロップにはふりがなが振られており、低年齢層の客層も視野に入れているのでしょう。
しかし人がミイラ化する画などは普通に怖いので、お子様の鑑賞はあまりおすすめできません。

ダメ映画フリークの自分としては「ガッチャマン」クラスのク○っぷりを期待していたので、本作の中途半端な出来の良さには逆にがっかりしました。
アクションの無茶さに反比例して物語は真面目なので、観客のほとんどは笑うことなく観ていました。
おかげで失笑できるシーンでも笑いをこらえるしかなく、疎外感ばかりを得るというしんどい時間を過ごしていました。

原作への愛よりも、商売優先の嫌らしさを感じてしまうので、やっぱり好きにはなれない映画だなあ・・・

以下、結末も含めてネタバレです↓ ツッコミを入れまくっているのでこの映画が好きな人にはごめんなさい。

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2014-01-19 : 映画感想 : コメント : 18 : トラックバック : 0
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おいしくいただきました 映画「ジャッジ!」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はジャッジ!(2014年)です。
*昨年にも同名の映画がありましたが、本作とは関係ありません。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:堤幸彦っぽいギャグと、ありえない展開が許容できたら最高に楽しめる!


あらすじ


太田喜一郎(妻夫木聡)はあこがれの広告代理店に勤めているも、プレゼンも企画も下手なダメ社員だった。
ある日喜一郎は上司の大滝一郎(豊川悦司)から、審査員としてサンタモニカ国際映画祭に行くことを命じられる。
しかも喜一郎は取引先のドラ息子がつくったCMに賞を取らさなければ、クビになってしまうのだった。




これは面白かった!
予告編のおふざけ具合といい、なぜかフィーチャーされている「ちくわ」というアイテムといい、全っっったく期待していなかったのですが・・・・つくづく映画というのは観ていないとわからないものです。

本作の脚本を手がけたのはCMプランナーの澤本嘉光であり、映画の中心に居座っているのはもちろん「CM」です。
ダメダメ主人公の気持ちに寄り添いながら、CMの舞台裏や海外で行われる広告祭を体験できることが本作の魅力のひとつでしょう。

映画の登場人物に撮って、広告祭は単に賞をとって嬉しいということだけではありません。
主人公にとってはクビをかけた、またある者にとっては生活がかかっているものでもあります。
そのため、参加者はみんな賞をとることに必死です、

競合をして票を集めるチームもいます。
汚い手だって使うやからもいます。
お人好しで純粋な主人公は、その中であっても自らの価値観で広告を売り出していくのです。
この行動には、多くの方が勇気づけられるのではないでしょうか。

本作にはCMの製作に携わる方だけでなく、仕事をする人全てに向けたメッセージも込められています。
これは「好きなことを仕事にした人」であればあるほど、きっと心に響くはずです。

そして、本作最大の魅力と言ってよいのが、その伏線のおもしろさです。
その伏線のほとんどがふざけていて、さりげなさながまったくない超オープンな状態で出てくるのですが、ものな「そんなところで出てくるのかよ!」とあの手この手で回収してくる驚きがありました。
冗談のような伏線の多さは、昨年の娯楽作「謝罪の王様」を彷彿とさせました。

異様なまでの豪華キャストも、「あの人がこんな(チョイ)役で!」とこれまた驚けます。
特に多くの人が笑っちゃうのが、あの昭和のアイドルでしょうね。


さて、本作の欠点は明確です。しかも3つもあります。

ひとつが堤幸彦っぽいギャグが多いことです。
劇場版 ATARU」のように監督が堤幸彦の弟子だということはないのですが、そのギャグのナンセンスさは「トリック」「SPEC」っぽさを感じます。
妻夫木聡が見せる「カマキリ(蟷螂拳)!」のようなギャグが受け入れられない方にはとてもおすすめできません。

カマキリ!<これは人によってはキツい

ふたつ目は、この手の日本映画にありがちな「登場人物が自分の想いをベラベラしゃべる」ことです。
懇切丁寧に登場人物が自分の考えていることを口に出してしまうため、役者の表情や行間から感情を読むような要素は微塵もありません。
作中に「silence is golden(沈黙は金)」ということばが出てきたのですが、この映画にもそれを言ってやりたいです。

そして多くの人が拒否反応を覚えるであろうことは、「ありえない」展開が多いことです。
上司の無茶ぶりや広告の決め方、あからさますぎる組織票の集め方、海外の人の日本語への反応などは、素人目に見ても「こんなことがあってたまるか」と思ってしまいます。
そのリアリティのなさ、極端さは、むしろ本作の売りとして楽しんでしまったほうがよいでしょう。


間違いなく好き嫌いの別れる映画です。
堤幸彦が大嫌いな方にとっては、ひどい映画にしか映らないのかもしれません。
↑の一言感想の高いハードルを乗り越えてくる映画ファンはあんまりいないような気がしますのでw映画をあまり観ない人にこそおすすめと言えるでしょう。

個人的には、欠点を補ってあまりある伏線の面白さ、メッセージ性の高さを感じ、多いに楽しむことができました。
純粋な心を持っている人であれば、大いに笑え、そして泣けるかもしれませんよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-01-18 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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自分の道 映画版「オッド・トーマス」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

今日の映画感想はオッド・トーマス 死神と奇妙な救世主です。

*DVDは3月19日発売

個人的お気に入り度:7/10

一言感想:これは全国で大々的に公開するべきだろう・・・


あらすじ


ダイナーで働く20歳のコックのオッド・トーマス(アントン・イェルチン)は、死者をみることができる能力を持っていた。
オッドの周りには残酷な死を栄養源とする「ボダッハ」がはびこっていた。
凄惨な事件が起こることを防ぐため、オッドは恋人のストーミー(アディソン・ティムリン)、警察署長(ウィレム・デフォー)に協力をあおぎつつ行動するのだが・・・




ハムナプトラ」「G.I.ジョー」のスティーヴン・ソマーズ監督最新作です。

本作は存在そのものを知らない方も多そうですが、それもそのはずです。
1月10日(金)より1週間限定公開、公開劇場は2館しかないというシロモノなのですから。

こうなったのは「大人の事情」によるものです。
すでに映画が完成していたのにもかかわらず、スポンサーが出資をしぶったために訴訟に発展、アメリカでは公開が行われないままになっているのです。

大人の事情だよ!<予告編でこんなアピールをするなんて・・・

それでもカナダやイタリアでは公開済みで、DVDもすぐにリリースされるのだとか。
映画は劇場でかけることで大きな利益を得るはずなのですが、そのぶんの収入もなくなってしまうことに・・・なんとも不遇な映画です。

不遇なのは映画だけでなく、原作者のディーン・R・クーンツも同様でしょう。
海外ではスティーヴン・キングに並び高く評価をされている作家なのですが、その映画化作品は「B級(C級)映画」ばかりでいまいちぱっとしません。

スティーブン・キング原作の映画には「ショーシャンクの空に」「シャイニング」などの名作が目白押しなしのに、方やクーンツは「スティグマ 邪神降臨」「ウォッチャーズ~第3生命体~ 」とかだもんなあ(しかもDVDの発売はなし)。

クーンツ本人やファンが長年待ち望んでいたであろう、巨費をかけ、人気のある監督が手がけ、実力あるVFXのスタッフが満を持してつくった映画が、まさかの公開無期限延期(事実上の公開中止)になるとは・・・本当に気の毒です。

*小説版は日本では知名度は低いけど、海外では絶賛されています

大人の事情のことはさておき、本作は一本の娯楽映画として、とても楽しめる作品に仕上がっています。

ジャンルは「平凡な青年が平和を守るために奮闘する」ヒーロー・ムービーであり、青春映画であり、事件の犯人の正体を追うサスペンスでもあります(クーンツの小説はジャンルが特定しにくく、様々な要素が絡み合っているそうです)。

その物語をこの監督が料理するとどういうことになるのか、だいたい予想はついていました。
基本的にCG満載&アクション大盤振る舞いです。

敵の「ボダッハ」のビジュアルのキモさ、キモい虫が出てくる悪趣味さ、無理矢理入るお笑い要素、スマートさが全くない語り口など、「ハムナプトラ」っぽい要素がそこらじゅうに顔を出します。

ぼだっは死神<ハムナプトラに出てきても違和感がなさそう

これらはもはや弱点ではなく、監督ならではの長所でしょう。
とにかくどんどん見せ場を作って、観客を楽しませようとする気概に溢れています。

主人公は「死者が見える」こと以外に特殊能力を持たないので、基本的に闘い方は地味です。
しかしそこはソマーズ監督。スローしつつのアップのショットや、画面が左右に動きまくる画を利用し、迫力のシーンを作ってくれました。

中盤が伏線を張るばかりで物語が進まなかったり、展開に御都合主義っぽさを感じるのは玉に傷ですが、ソマーズ監督のファンにはぜひ劇場で観てほしい作品です。

それにしても・・・「クロニクル」と同じように後に拡大公開してくれないかなあ・・・大人の事情でダメなのかなあ・・・

以下は作中の展開がほめのかす程度にネタバレ↓
今回は観ている人が少ないはずなので、オチなどは書いていません。
未見でもたぶん問題はないですが、予備知識なく観たい方はお控えください。

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2014-01-13 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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記憶を消す理由 映画「インシディアス 第2章」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はインシディアス 第2章です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:ずいぶん変化球を投げてきたなあ・・・


あらすじ


前作の事件の直後・・・父親・ジョシュ(パトリック・ウィルソン)の様子がおかしかった。
母親のレネ(ローズ・バーン)は祖母のロレーン(バーバラ・ハーシー)とともに、ジョシュの秘密と超常現象の原因を探りはじめる。




ヒットホラー「インシディアス」の続編です。
<前作のレビューはこちら>

パトリック・ウィルソン
2273円
powered by yasuikamo

前作はホラー映画でありながら、脅かし方がバリエーションに富んでいて、笑ってしまう要素がふんだんにありました。
物語も「家で起こる超常現象を起こす相手と闘う」というシンプルなものであり、その基本的なスタンスはこの続編でも変わっていません。

今回の続編で違うのは、かなり謎解きの要素が強まったということです。
主人公たち「調査班」は、家の中だけでなく様々なところを歩き回り、現在の状況の理由を探るのです。
前作がストレートだったぶん、変化球を投げて、違った面白さを提供しようとする気概が伝わりました。

残念だったのは、物語が複雑になった分、前作の「お笑いホラー」の要素が少しだけ薄れてしまったことでしょうか。
前作の、大きい音が「ドーン!」と鳴る→同時に多種多様な驚かせ方をするアホらしさが好きだった自分としては、ちょっと寂しいところです。

ホラー以外の部分でのギャグ要素はそれなりにあるのですが、それほど面白いものでもありませんでした。
自分はこの作品に「ホラーなのにギャグになっている」「シリアスな笑い」を求めていたのだと気づきました。

そして重要なこととして、本作は前作の鑑賞がほぼ必須です。
登場人物は前作からまるごと継承しています。
物語は前作のラストの直後からスタートしていますし、前作の展開と絡んだシーンも多数登場します。
前作からなるべく間を空けずに観た方が、より楽しむことができるでしょう。

ちなみに、前作や「ソウ」が出世作となったジェームズ・ワン監督は、「ワイルド・スピード」の次回作を手がけることが決定しています。
好きな監督がジャンルを超えた活躍をするのは、いちファンとしてとても嬉しいです。

日本の宣伝では「完結」とされている本作ですが、すでに3作目の公開が決まっています
ジェームズ・ワンは3作目を監督しない(ホラー映画をもう撮らない)そうですが、またホラー作品にも戻ってきてほしいですね。

前作がイマイチだった方にはおすすめしませんが、前作の「続き」を観たい方には劇場へ足を運ぶ価値があります。
本気で怖がれるホラーではなく、物語性の強い&ちょっと笑えるホラーを期待して観ることをおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 前作の展開(ラスト含む)もネタバレするのでご注意を。

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2014-01-13 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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大味監獄バトル 映画「大脱出」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は大脱出(原題:Escape Plan)です。
*公式ページのキャッチコピーやポスターはそれなりのネタバレがあるので注意


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:バカ映画かと思ったら、大バカ映画だった


あらすじ


すたろーんとしゅわちゃんがいっしょにかんごくからだっしゅつするよ。




この映画は「シルヴェスター・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガーが一緒にアクションしてればそれでいいや」な内容と思われがちですが、いやいや失礼な話ですね、全くその通りです。
頭のわるーい予告編よりもさらに偏差値が下回ってくるバカ映画っぷりでした。むしろ期待通りでした。

だいたいですね、さんざん「脱出不可能な監獄!」「360度監視される!」などと言っておきながら警備がザルなところが超ステキです。
つぎつぎと主人公たちの都合の良い展開が押し寄せるためにツッコミどころ満載、失笑必死、真面目に観ようとすると損な内容でした。むしろ期待通りでした。

なんでこんなことになってんでしょうか。
原題は「Escape Plan」ですよね?
作中で「プランBだ」とも言っていましたよね?
監獄はハイテク設備が満載だと言う設定でしたよね?
スタローン演じる主人公はインテリだという設定でしたよね?
仲間にハイテク専門のエンジニアがいましたよね?

そういう知的な展開にもできる要素が丸ごとどっかに行って、プランとか全く考えているようには思えない行動ばっかりで、ほぼ全編ごり押し展開ばっかりでした。
お話のほうの出来はお世辞にもいいとは言えません。むしろ期待通りでした

素晴らしいのは、シュワルツネッガーのアクションをしっかりギャグとして描いていることですね。
後半のシュワちゃんの大活躍では、観客がみんな楽しそうにゲラゲラと笑っていました。
ちゃんと需要に応えた内容です。

警備がザル&バカ映画という点では「ロックアウト」を思わせました。
この映画に「大脱出」という大味っぽい邦題をつけたのは大正解でしょう。
大脱走」のような高級フランス料理にあたる傑作を期待するのではなく、ジャンクフードを食べにいく感覚で観に行きましょう。

苦言を呈したいのは、日本の宣伝です。
予告編どころか公式ページのトップで、監獄の隠された設定を思い切り言ってしまっているのです。
これはけっこう驚ける内容のネタバレなので、もったいなく思いました。
参考→<「アメリカ版予告編との相違」 ユーザーレビュー - Yahoo!映画>(ちょっとだけネタバレ注意)

また、中盤には主人公たちが監獄で虐げられる場面が多いため、スカッとさわやかな内容を期待するとちょっと裏切られます。
大スターがこれでもかと共演していた「エクスペンダブルズ」に比べると、大スターの共闘という魅力も薄く感じてしまうのかもしれません。

何にせよ、なるべく予備知識を入れずに観ることをおすすめします。
スタローンとシュワちゃんのアクション映画が大好きな人にとっては上記のお気に入り点数に+2点してよいでしょう。
物語に整合性を求める方にはー5点くらいでw
はっきり言ってひどい映画であることは間違いないのですが、それでもおすすめです!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-01-12 : 映画感想 : コメント : 16 : トラックバック : 0
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ウザさ以上の愛情 映画「麦子さんと」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は麦子さんとです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:親孝行がしたいなあ・・・


あらすじ


アニメショップで働く麦子(堀北真希)とその兄・憲男(松田龍平)住まいに、突如幼いころのふたりを捨てた母・彩子(余貴美子)がやってくる。
麦子にとって彩子は最低の母親でしかなく、麦子は同居をすると言い張る母の言動や行動にいらだちを募らせていく。
しかし、麦子は後に訪れた母の故郷で、その意外な一面を見ることになる。




いやもう最高!
吉田恵輔監督は、「さんかく」「ばしゃ馬さんとビッグマウス」に続き、またしても素晴らしい映画を撮ってくれました!

本作の何がすごいって、その脚本の巧みさです。
ちょっとした登場人物の行動を、後になって他のキャラクターが反芻をします。
なんでもないようなシーンが、後に重要な意味を持つようになります。
いろいろなことが「後で気づける」のです。

脚本家になりたい方、将来映画の仕事に携わりたい方は、この映画を観て学べばよいのではないでしょうか。
地味な映画に思えますが、凡百のお金をかけた映画よりも細かな工夫がされているため、全く退屈することがありませんでした。


本作で描かれるのは
①母と娘の確執
②夢に破れた&向かう人へのエール
です。

①は普遍的なもので、多くの人の共感を呼ぶでしょう。

本作で描かれる母親は、いい母親ではありません。
離婚をしてから長年子どもの前に姿を見せなかったため。娘と息子からうっとおしく思われてしまいます。

母親役の余貴美子の演技がまた素晴らしく、端々に「母親特有のウザさ」がにじみでています。
おかげで娘役の堀北真希に感情移入しまくり、気持ちがわかりまくるのです。

母親に対して「うっとおしいと思うこと」「素直になれないこと」は、後の主人公の想うことに強く関係しています。
そのことがわかる終盤の展開は、涙でスクリーンが見えないほどのものでした。

②は監督の前作「ばしゃ馬」でも描かれたことです。

主人公の麦子はアニメオタクで、声優学校の進学を希望しています。
バイト先のアニメショップでは勤務中にノリノリでアニメ声を練習(?)しています。
堀北真希がアニメオタクとして描かれる作品は、おそらくこれが最初で最後でしょうね。

アニメ大好きです<バイト中にアニメ声を出す堀北真希

麦子は「これから夢に向かおうとしている(ちょっとダメな)若者」の象徴でしょう。
ちなみに作中のアニメを製作しているのはProduction I.Gです。豪華だなあ。

母親も、かつてはある夢を持っていました。
現在はくたびれた中年女性になっており、その生活はいいものとは到底思えません。
夢に破れた彼女が、どういう人生を歩んでいたか、その人生に意義があったのか、そして幸せだったのか・・・
観た後は、そのことを考えてみることをおすすめします。


吉田監督は、公式ページでこのようにコメントをしています。

本作は私が親不孝だった事もあり、母に対して素直に言えない想いを作品にしました。
母が死んでから後悔しか残らず、喪失感も湧いてこない。
そんな麦子が喪失感を見つけるまでの物語です。


そう、本作で描かれるのは「親孝行ができなかったこと」への想いなのです。

人にはそれぞれの母親がいます。
優しかった母親、嫌いだった母親ーいろいろな母親がいるでしょうが、子どもにとってはたったひとりの母親です。

母親にはそれぞれの子どもがいます。
母親に孝行できた方、亡くなるまでに満足のいく孝行ができなかった方ーいろいろな想いを抱えたかたもきっと多いことでしょう。

「麦子さんと」は、そうした母と子の関係を見つめています。
母は子を、子は母を大事にしたいという想いを強めてくれる、とても優しい作品でした。

タイトルの「と〜」の続きには、麦子の周りの優しい人々の名前が当てはまるのでしょう、
もしくは、「と〜」の続きにあるのは、親を持つ子である観客かもしれないし、子を持つ親である観客なのかもしれません。


母のかつての足跡を辿るという点では、昨年の「四十九日のレシピ」にも似た作風でした。
親孝行をしたくなるという点では、「はじまりのみち」を思わせました。
こうした丁寧で面白い日本映画がつくられることが、嬉しくて仕方がありません。

惜しむらくは、上映時期が地域によってバラバラであることでしょうか。
近くで上映されていたら、親子でも、デートでも、ぜひ劇場へ足を運んでみてください。
エンドロール後にもおまけがあるので、最後まで観ましょう!

吉田監督による最新作「実写版銀の匙 Silver Spoon」も大期待です!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-01-11 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
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みんなの願い 映画「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

明けましておめでとうございます(遅い)。
今日の映画感想は魔女っこ姉妹のヨヨとネネです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:とにかく絵が動き、可愛いアニメ!


あらすじ


魔女の姉妹のヨヨとネネは、魔法の国で「のろい屋」を経営していた。
ある日、森に突如見たことがない高層ビルが出現する。ヨヨがビルのエレベーターに乗ると、突如現代の日本へとワープしてしまうのだった。
しかも日本では人間たちが異形の者へと姿を変えてしまう事件が発生していた。ヨヨは小学生のタカヒロと協力し、事件の調査をはじめる。




漫画「のろい屋しまい」及び「のろいや姉妹 ヨヨとネネ」を原作としたアニメ映画です。

ひらりん
770円
powered by yasuikamo

今回の映画版の物語は、原作にはないオリジナルのものです(漫画は原案と言った方が正しいのかもしれません)。
原作を先に読んだ方は映画を新たな物語として、映画を先に観た方は原作を「エピソード0」として楽しむことができるでしょう。

また、原作では「のろい屋」というタイトルですが、映画では「魔女っこ」になっています。
映画版で主人公ふたりは自らを「のろい屋」と名乗っていますし、その「のろい」は作中で重要な意味を持っているので、原作通りのタイトルのほうが合っているとは思います。
幅広い層にアピールするためには致し方のないことでしょうが、無難なタイトルとなってしまったは原作を読んでいた方には少し寂しいことなのかもしれません。


本作の最も優れたところは、アニメとしてのクオリティが段違いに高いことだと思います。
キャラクターはとっても表情豊かです。
アクションシーンではめまぐるしいまでに動き回ります。
背景ひとつひとつも観ているだけで楽しくて仕方がありませんでした。

個人的に大好きだったのが、夜空の星々を本当に「☆(のかたち)」で表していること、ビルに足が生えて動き回る画です。
こういうのは、実写ではできないことです。
アニメーションを製作された「ufotable」の作品ははじめて観ましたが、本作だけでもオタク層から多大な支持を集めていることが存分に納得できました。

声優陣にも文句の言いようがありません。
沢城みゆき櫻井孝宏などの有名どころはもちろん、主人公を演じた諸星すみれの声は多くの人が大好きになるのではないでしょうか。
シュガー・ラッシュ」の吹き替え版でも小生意気な女の子を演じており、今回もすこぶるキュートです。
「~です」を多用するあざといしゃべり方もオタク心を捉えていました。

物語も手堅くまとまっています。
違う世界の男女が交流をするというボーイ・ミーツ・ガールの物語が展開し、そこには文化のギャップを楽しむコメディ要素も盛り込まれています。
アニメで言うなら「翠星のガルガンティア」「はたらく魔王さま!」を思わせるものでした。

伏線が存分に仕込まれていることも長所でしょう。
意味深な登場人物の台詞や行動の意味が後にわかるようになっており、魔法の国の人たちが持つ「価値観」の違いをシリアスに示したエピソードは実に上手いと思いました。

アニメファンでこそ思うことは、細田守監督の影響を多分に受けていることです。
デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(もしくはサマーウォーズ )」と、この前放送されたばかりの「おおかみこどもの雨と雪」に似たシーンを随所に感じるので、オリジナリティを求める人はちょっとがっかりしてしまうかもしれません。
これは非難するのではなく、「よいものは後の作品にも応用される」と広い心で受け入れてしまえばよいでしょう。
さすがに「星を追う子ども」のジブリ臭ほど露骨ではなかったですしね。


難点もあります。
まず気になったのは、キャラクターについての説明がほとんどないことです。
主人公ふたりの生活がわかるのはせいぜい開始数分くらいで、すぐに異世界へと旅立ってしまうので、感情移入ができないままになってしまいます。

劇場版の「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」であれば、すでに観客はキャラクターを知っているので問題がないことですが、「ヨヨとネネ」は原作漫画があるだけで、ほかの媒体での展開がありません。
そのため、多くの観客は予備知識がない状態で劇場に来るはずです。

せっかく異世界に旅立つ物語なのですから、その異世界の人物に自分の素性を語る=観客に知ってもらうこともできたのではないでしょうか。
設定を知らないということは想像できる楽しさがあるということでもあるので、むやみに非難することでもないとは思いますが、本作では「説明不足のためによくわからない」というデメリットのほうが大きいと思いました。

そんなわけで、本作は公式ページのキャラクター紹介で、少し予備知識を入れておくことをおすすめします(観た後でも楽しめます)。
主人公のヨヨが小さな子どもに見えるのは、12年間氷付けにされて成長が止まっていたからなのですね。

実年齢は18歳<ヨヨの実年齢は18歳  こっちのほうが妹<だからネネのほうが妹です

また、後半の展開がかなりごちゃごちゃしていて、展開そのものにも強引さが否めないも残念です。
少々抽象的に感じる描写があり、「なぜ」と考えるとツッコミどころがいくつも出てきてしまっています。
本作は細かいことを考えず、ただただ映像の面白さを期待してみるのがいいのかもしれません。
たとえば、「なぜ魔法の国の人たちが日本語を話せるのか」という疑問には目をつぶりましょうw


成熟した大人には物語に不満が残るかもしれませんが、アニメが好きな方にとっては劇場で観る価値が存分にある作品です。
アニメの面白さというのは、やはり「絵が動く」ことにあり、それだけでも突出した楽しさがあるものだと思い知らされました。

ちなみに自分の観た回は観客の9割がメガネをかけた成人男性でした。
アニメファンにしか注目されていないのはもったいないことですし、まどマギみたいに実は大人向けということもないので、ぜひ家族連れや女性にもおすすめしたいところです。
女性の観客が9割以上を占めていた「カノジョは嘘を愛しすぎてる」も実は幅広い層が楽しめる映画ですし、映画を観るときに新しいジャンルを開拓してみるのもいいと思いますよ。

エンドロール後にもおまけがあるので、最後まで観ましょう!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-01-05 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

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