ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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誰にも奪えない 映画「白ゆき姫殺人事件」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は白ゆき姫殺人事件です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:シニカルで現代的な「羅生門」


あらすじ


美人OLの三木典子(菜々緒)はナイフで体中を刺され、焼死体となって発見された。
容疑者として浮上したのは地味な同僚の城野美姫(井上真央)。TV局の契約社員の赤星雄治(綾野剛)は城野美姫の同僚や友人の証言をたどり、彼女が犯人ではないかと確信する。
赤星は事件の動向をTwitterでつぶやいており、それが思いもよらぬ波紋を呼ぶことになる。




ゴールデンスランバー」「ポテチ」の中村義洋監督最新作にして、湊かなえによる同名小説の映画化作品です。

湊 かなえ
630円
powered by yasuikamo

本作のテーマのひとつにあるのが、ネット用語の"炎上"です。
炎上とは不謹慎な発言や反社会的な行動があらわになったときにインターネット上で袋だたきにされること。少し前にTwitter上でシャレにならない行為をさらしてしまうバカッターも話題になったので、その危険性を知る方は多いでしょう。

本作でもTwitterでつぶやいたことがあれよあれよと炎上したり、ヤバい情報が拡散してしまったりします。
それは低俗かつ下品で、常識的な人であれば「ツイッターでこんなことしないよ!」と思えるものでしょう。
(監督自身も「バカッターは理解できない感覚」とインタビューに答えています

しかし、ツイッターの利用者の中には他人を貶めたり、事件を不用意に煽ったりする人がいるのも事実。この映画は、そうした行為の抑止につながるのではないでしょうか。
Twitterそのものを批判するのではなく、描かれているのはあくまで"間違った使い方"です。
ネットに依存しがちな現代人には、今一度ツイッターやSNSの利用方法を考えるきっかけになるはずです。

現代のネット文化の描写の取り入れ方が面白いのはもちろん、物語も奥深いものに仕上がっています。
映画ファンが連想するのは、名作「羅生門」でしょう。

三船敏郎
1736円
powered by yasuikamo

羅生門では"たったひとつの事実"にも関わらず、証言者それぞれの意見が食い違う様が描かれています。
本作でも多くの登場人物が事件の概要を語るのですが、その証言にはほんの少しの"ほころび"が見え始めてきます。

何が真実なのか?何が嘘なのか?と観客を疑心暗鬼にさせ、最終的に真実を明かす過程が上手く仕上がっています。
騙されてやるものかと身構えて観るのもよし、ただただ騙される快感を期待して観るのもよいでしょう。
本作は警察が事件を証拠を掴んで推理するようなドラマではなく、多くの証言の中から真実を探すミステリーなのです。

作品の情報量は膨大なのですが、誰にとってもわかりやすく、また演出過剰にならないように工夫がされています。
真実が明かされたときの"そうだったのか!"という驚きが嬉しい作品ですが、そのどんでん返し部分だけをウリにするのではなく、"過程"も大事にされていました。
氏の作品の中では「アヒルと鴨のコインロッカー」の印象に近かったので、こちらが好きな方には大いに楽しむことができるでしょう。
アンサンブル・ユニットのTSUKEMENを劇中歌に選んだセンスも抜群でした。
*映画のサントラもあります→<All alone in the world(DVD付)>

作品のモチーフが「白雪姫」であることは誰もが想像がつくでしょうが、実は作中ではもうひとつ重要になる物語が登場します。それは「赤毛のアン」です。

L.M. モンゴメリ
693円
powered by yasuikamo

白雪姫は見た目も心も美しい女性ですが、赤毛のアンは自分の容姿にコンプレックスを持っている少女です。
この"コンプレックス"に関する描写が作中では重要となっており、他人を羨んだり、陰湿ないじめを経験した女性にはきっと思うことがあるものでしょう。

難点は、事件の細部に納得ができないところがあることと、ネットの反応や作中のテレビ報道が極端なため、今ひとつリアリティを感じられないことでしょうか。
どちらかと言えばライトなノリなので、重圧な雰囲気やサスペンスとしての整合性を期待する人にはイマイチなのかもしれません。
その部分も含めて楽しんでしまうのが吉。真実が明かされる過程を楽しみ、ネットでバカなことばっかりやっている人たちを上から目線でほくそ笑むのがこの映画の正しい観かたなのではないでしょうか。

もうひとつ難点をあげるとすれば、主演の井上真央が"地味な同僚"を演じるには美人すぎることでしょうか。

美人な地味な同僚<この美貌で地味な同僚って言われても・・・

でもそこは演技派女優。見た目は美人でも演技はしっかり地味な同僚でした。彼女の普段とのギャップを楽しめるだけでも、ファンは必見です。
もうひとりの主人公である綾野剛もダメ男を好演しており、「普段から綾野剛はこんなやつなんだな」と思われてしまう勢いでした。
個人的な注目株は、「さんかく」で野暮ったい女子中学生を演じていた小野恵令奈と、「くちづけ」で知的障がいを持つ女性を演じていた貫地谷しほりでした。本作ではザ・極端なキャラクターを演じているのですが、文句のつけようがないほどにハマっていました。

レーティングは全年齢指定ですが、人がナイフで刺される描写や、性関係をほのめかす描写があるのでお子様の鑑賞にはご注意を。
"ゴシップエンターテイメント"という触れ込みはまさに的を得ていました。本作はそのことばだけを念頭に置き、なるべく予備知識を入れずに観ることをおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いきなり物語の核心に触れているので、未見の方は読まないようにお願いします。

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2014-03-30 : 映画感想 : コメント : 15 : トラックバック : 1
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救いのある物語 映画「ウォルト・ディズニーの約束」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はウォルト・ディズニーの約束(原題:Saving Mr. Banks)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:この原作者、超めんどくさい


あらすじ


1961年、作家のパメラ・トラヴァース(エマ・トンプソン)は、ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)と作品の映画化について交渉するためにロサンゼルに向かう。
その作品の名前は「メリー・ポピンズ」。ウォルトは数えること20年に渡り、映画化を熱望していたのだ。
頑固なパメラは、ウォルトの思い通りに映画をつくることをよしとはしない。その理由は、彼女の過去にあった・・・




本作で描かれるのは、名作ミュージカル・ファンタジー映画の「メリーポピンズ」の誕生秘話です。

ジュリー・アンドリュース
3123円
powered by yasuikamo
*現在は「hulu」でも観ることができます

メリー・ポピンズを観たことがない方でも、作中の楽曲「チム・チム・チェリー」「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は聞いたことがあるでしょう。

世界中の人に愛された映画ですが、実は原作者のパメラ・トラバースが作品の出来に不服を漏らしていたことでも有名です。
彼女の不満がどういったものかと言うと、こんな感じです。

①ミュージカルは御法度よ
②アニメなんか絶対ダメ、実写しか認めないわ
③あの俳優は最悪だから絶対起用しないで
④このセットはイメージと違うわ

うるさいよ。こんな感じの要望を製作途中に出しまくるために、当然ウォルト・ディズニーが思う通りに映画化が進みません。

アニメは子供騙しだ<アニメはイヤ!
俳優はダメ!<あの俳優は使わないで!
こりゃ手強い!<こりゃ手強いな・・・

恐ろしいことに、上記の①〜④は本編の要望の中ではまだマシなほうだったりします。
本作で描かれるパメラ・トラヴァースは、世界一めんどくさい原作者と言っても過言ではないでしょう。

この頑固すぎる原作者に、ウォルト率いる製作陣も負けてはいません。
上記の①や②は映画の主役と言っていいほどに重要なものなので、彼らはあの手この手で作品にその要素を入れようとします。
この「製作陣が原作者の要望に振り回され、それでも何とか彼女を説得しようとする」描写こそがこの作品の魅力です。
彼らの奮闘はときに笑え、ときに同情してしてしまうでしょう。

映画のもうひとつの魅力は、「なぜパメラはそこまで頑固なのか?」という謎を解き明かす過程です。
パメラの幼少期と、メリー・ポピンズの製作途中の時代を平行して描くことで、メリー・ポピンズというキャラクターが生まれた理由、物語の根幹にあるのは何であるのか、ということも観客は知ることができます。
メリー・ポピンズを愛した方にとって、新たな作品の魅力、その奥深さに気づけることでしょう。

原題の「Saving Mr. Banks」も大きな意味を持っています。
バンクス氏とはメリー・ポピンズの登場人物であり、銀行員として働く厳格な父親です。
なぜ彼を救ってほしいと訴えているのか?ぜひ、その題に込められた想いに注目してみてください。

また、邦題の「ウォルト・ディズニーの約束」はちょっと的外れです。
主役はどちらかと言うとウォルトではなくパメラですし、ウォルトは映画化を実現するためにパメラとの約束をむしろ破ろうと頑張っています(笑)。
作中でウォルトは「父親としてこの映画を世に出す」という自身の子どもとの約束も確かにしているのですが、それは映画の主題とは全く異なります。
原題のままではピンとこないので、仕方がないところもあるのですけどね。

ベテランのトム・ハンクスエマ・トンプソンの存在感も格別であり、個人的にはポール・ジアマッティも大好きでした。
トム・ハンクスが演じるウォルト・ディズニーは「子どもの心を持った大人」そのもの。ファンは必見です。

この映画は、メリー・ポピンズを事前に観ておいた方がより楽しめます
完成した映画を観ていることを前提としたギャグがありますし、メリー・ポピンズの登場人物を知っていた方がより感慨深いものがあるはずです。
裏を返せば、メリー・ポピンズを知らない方にとって100%の映画の魅力が伝わらないことが欠点であるでしょう(最低限の説明は入るので、知らない方でも90%以上は楽しめるのですが)。

事実からの改変は大いにあるのでしょうが、自分は原作者も制作者も「悪」と描かない作品の姿勢が大好きでした。
きっと映画を観た後は、ズルいことをしようとしていたウォルトのことも、偏屈なおばさんであったパメラのことも大好きになるはずです。

映画製作を描いた映画としても、人間ドラマとしても優れています。
ディズニー映画が好きな人にとっても、ウォルトの作品作りの「情熱」を今一度知ることができるでしょう。
エンドロールがはじまってすぐにもおまけがあるので、席を立たれぬように。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
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2014-03-28 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 1
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ただ、一人の青年を見つめて 映画「フルートベール駅で」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はフルートベール駅で(原題;Fruitvale Station)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:「主張」はなくてもいいんだなあ・・・


あらすじ


2009年の新年を迎えたばかりフルートベール駅で、22歳の黒人青年オスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)は警官に銃で撃たれてしまう。
なぜ彼は撃たれなければならなかったのか。彼はなぜフルートベール駅に来たのか。映画は、彼が過ごした1日をただただ綴っていく・・・




実在の事件をもとにつくられた映画です。
この映画の素晴らしいところは、「現代の黒人の青年」の姿を描いたことにあると思います。

昨今は黒人を主人公とした映画がトレンドのようで、評価の高い作品が多く世に出されています。
ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」「ジャンゴ 繋がれざる者」「42 世界を変えた男」「それでも夜は明ける」・・・そられも素晴らしい映画でしたが、すべて黒人が虐げられていた「過去」が主題でした。

しかし、この「フルートベール駅で」は今からわずか5年前の2009年の出来事です。
当然、かつての奴隷などの差別は無くなっており、人々はむやみやたらに黒人を貶めたりはしません。

では、そのような時代に、なぜ無抵抗の黒人青年・オスカーが警官に撃たれなければならなかったのか?
ここが物語の焦点になってきているのです。

その「なぜ」を丹念に描きながらも、この映画ではそのオスカーをヒーローのように扱ったり、銃を撃った警官を貶めたりはしていません。
あくまで「黒人青年の1日」を通じて、客観的な立場でこの事件を描いています。

公式ページにある監督のインタビューを抜粋してみます。

裁判の間、状況が政治化するのを目の当たりにしていた。その人の政治的な立ち位置によってオスカーは、 何ひとつ悪いことをしていない聖人か、又は受けるべき報いをあの晩受けた悪党かのどちらかに分かれた。 その過程で、オスカーの人間性が失われてしまったように僕には感じたんだ。 亡くなったのが誰であろうと、悲劇の真髄はもっとも近しかった人々にとってその人がどういう人だったのかというところにある。

事件に関わる者は、物事を「いい」「悪い」と極端な二元論で語ることが多かったのでしょう。
監督の目的は、そうした主張をせず、オスカーを複雑な心境を持つ「人間」として描くということだったのです。

映画のオスカーはとっても人間くさいです。
明日の日銭を気にして、時には恋人に文句を言い、可愛い子どもに無償の愛を注ぐ、どこにでもいるような青年です。
彼が過ごした1日を通して、この事件を「感じる」ことができる映画なのです。
まさしく、映画でしかできない体験でしょう。

これほどのことを描きながら、上映時間が85分というのもすごい!
今回が初の長編映画となるライアン・クールガー監督はまだ27歳。これからの活躍も大期待です。

難点は、最後まで観ないとこの映画の良さがわからないことでしょうか。
それもそのはずです。映画の大半は黒人青年の(ある意味で退屈な)日常を描いているのに過ぎないのですから。
しかし、それは彼が凶弾に倒れる前のかけがえのない1日です。
映画を観終わった後は、その1日がいかに大切なものであるかが気づけるはずです。

できれば、予備知識なく観ることをおすすめします。
知っておくのは「黒人の青年が無抵抗のまま撃たれてしまう」という事実だけでよいでしょう。
事件の背景を知らなくても、この映画は大切なことを教えてくれるはずです。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-27 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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レゴだからできること 映画「 LEGO レゴムービー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はLEGO® ムービーです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:EVERYTHING IS AWESOME!


あらすじ


平凡なミニフィギュアであるエメットは穴に転落し、そこで期せずして「選ばれし者」と認められる。
エメットは超人的な運動能力を誇るワイルドガールや、盲目の魔術師ウィトウィルスの助けを借り、レゴの世界を支配しようとしているおしごと社長に戦いを挑む。




傑作です!
ああ、もうこれ以上何も言わなくてもいいです。いいから観に行け

作品の題材となっているのは、知育玩具(玩具と言う呼び方は適切ではないけど)の大ベストセラー「レゴ」です。

レゴ
2400円
powered by yasuikamo

レゴが映像化されたのはこれがはじめてではなく、スター・ウォーズのパロディバットマン版があったりします。
自分も子どものころにレゴで遊びまくっていたので、思い入れもひとしお。しかも本作にはかつて(今でも)レゴを愛した人へのメッセージが込められています。

レゴの面白さって何でしょうか?
それは、パーツを組み合わせて何でもつくれてしまうこと、自分のアイディアで好きなものをつくれることであると思います。
この映画ではそのレゴの面白さを映像であらわし、なおかつレゴならではアイディアに溢れまくっているのです。

まず、登場人物はもちろん、レゴですべてを表現した世界観が魅力的です。

ブロックシティ*レゴでできています

ブロックシティ2*よく見るとカクカクしています

他にも「え?そこまでレゴなの?」と思わせるビジュアルが盛りだくさん。それだけで楽しく観れてしまいます。

また、「マスタービルダー」と呼ばれるキャラたちは、その辺にあるパーツを組み合わせて色んなものをつくっちゃいます。レゴの面白さを、登場人物が今一度教えてくれるのでたまりませんでした。

そして後半で描き出される怒濤のレゴ愛、そして「平凡な人」に送る最高のメッセージ!
クライマックスで3回くらい泣いた自分にも驚きますが、一見子ども向けにも思える映画で、ここまで直球にオトナを狙い撃ちにした描写があるとは思ってもみませんでした。

これは「トイ・ストーリー3」のレゴ版としても観ることができます。
子どもたちはおもちゃたちの冒険にワクワクし、オトナはかつて遊んだおもちゃのことを思い出し、そして作品のメッセージに涙する。
子どもと大人の両方が楽しめる映画として、申し分のない出来でした。


本作のすごいところは、アクション描写にもあると思います。
だってレゴですよ?おもちゃの人形が飛んだりはねたりしても面白くないって思っていましたけどすみません最高でした
「箱庭」でできた世界をカメラは縦横無尽に動き回り、カーチェイスシーンあり、空中での大乱闘ありと、ハリウッドの実写映画顔負けの大迫力バトルを見せてくれます。

しかも絶望的状況を見せるのがものすごく上手いのです。
「どうやっても勝てない」と思わせる状況でも、主人公たちは道を探し、ときには自分の特技を生かして行動し、ときには協力し、立ち向かっていきます。
「少年ジャンプ」的なバトル漫画が好きな方も、きっと気に入るのではないでしょうか。

レゴはどちらかというと男の子向けのイメージがあり、女の子は敬遠してしまうかもしれませんが、それも無問題です。なぜなら、作中で登場する「ユニキャット」というキャラがとっても可愛いからです。

可愛いユニキャット<KAWAII!

そして映画オタクの方たちにも大プッシュでおすすめです。
本作には「バットマン」をはじめとしたアメコミやポップカルチャーのパロディ、映画ギャグも満載なのですから。
なだれのように繰り出されるネタの数々に、お腹いっぱいになることは間違いありません。

音楽も素晴らしかったですね。

Mark Mothersbaugh
882円
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ポップな音楽はもちろん、アクションシーンでかかる勇ましい音楽も作品を盛り上げてくれました。

いやーしかし、流行語ばっかり出てくる日本版の予告編は史上最悪だと思っていましたが、本編を観るとさらにゲスの極みだとわかりました。
あの予告編では↑にあげたような映画の魅力をこれっぽっちも伝えれていません。
なーにが激おこぷんぷん丸だ。こっちはマジギレしてるっつーの。
海外版の予告編はどれも秀逸なので口直しに観てください(本編のネタバレ注意)↓
<The LEGO® Movie - Official Teaser Trailer [HD] - YouTube>
<The LEGO® Movie - Official Main Trailer [HD] - YouTube>
<The LEGO Movie - Man of Plastic - YouTube>マン・オブ・スティールのパロディ)

本編の吹き替え版は予告編とは違う配役となっており、予告のような流行語をほざくシーンはひとつもありません
それ以外に2、3個ほど日本人向けに変えたギャグがあったのですが、そちらは気になるほどではなく、むしろひとつはゲラゲラ笑ってしまいました。放送作家の鈴木おさむさんはいい仕事をされたと思います。
吹き替え版の声優はとっても豪華で、自分は沢城みゆき玄田哲章の演技が大好きでした。両者がカッコいい役と可愛い役の二役を演じているのでたまりません。

字幕版もモーガン・フリーマンリーアム・ニーソンなど豪華配役なのですが、字幕版の上映は全国で2館しかない状況です。
吹き替え版しかやっていない→じゃあ観なくていいや、という選択をするのはあまりにもったいないので、ぜひ吹き替え版も視野に入れて劇場に足を運ぶことをおすすめします。


あえて本編の欠点をあげるのであれば、大半がハイテンションのしゃべりとバトルシーンなので、人によっては苦手なノリに感じてしまうことでしょうか。
とにかくテンポが早いので、「ちょっと落ち着かせて!」って思う方も少なくないでしょう。

しかし、それ以外では極めて万人向けです。
おそらく日本では「アナと雪の女王」の影響もあり興行成績は芳しくないのでしょうが、だからでこそ全力で応援します。

観たことのない映像のジェットコースターにただただ身を任せるだけでもいいでしょう。
レゴが好きな方ももちろん、レゴに触れたことがない人もその魅力に気づけるに違いありません。
泣いて笑って、観た後は元気になる映画としてこの春のイチオシ映画です!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 終盤の展開がミソなので、未見の方は読まないで!

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2014-03-24 : 映画感想 : コメント : 16 : トラックバック : 0
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チャンスよりも大切なこと 映画「ワンチャンス」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はワンチャンスです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:努力と愛情の物語だった


あらすじ


ポール・ポッツ(ジェームズ・コーデン)は何をやってもうまくいかない36歳の携帯電話販売員。そんな彼の夢はオペラ歌手になることだった。
ポールはメル友のジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)と出会ったことで勇気づけられ、道化師の格好までして歌を披露しようとする。




実在のオペラ歌手ポール・ポッツを主人公とした映画です。

ポール・ポッツ
1402円
powered by yasuikamo

彼が一躍脚光を浴びたのは、公開オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」でその歌声を披露したことでした。
同番組はスーザン・ボイルコニー・タルボットといったスターを輩出した登竜門的存在であり、このオーディションがなければ彼がオペラ歌手として成功することはありませんでした。

おそらく、彼が歌う姿を動画を観て「棚からぼた餅だな」「運良くオーディションに出られてよかったね」と、「その時」しか見ていない方もきっと多いことでしょう。
結末が否応無しにネタバレしてしまっているので、「わかりきっている話をわざわざ観る必要があるのか」と思う方もいるのではないでしょうか。

この映画は、そういう方にこそ観てほしいです。
なぜなら、本作の意義は、彼がその「ワンチャンス」を掴むまでの過程こそにあるからです。

物語を追ってわかることは、ただ一度のオーディションで成功したようなポールの人生は、実は長年の努力と周りの人の愛情によって成り立っていたということことです。
「えー友達が勝手に応募しちゃったんだけど、でもアイドルになれるからいいかなーって」っていうような安いアイドル話とは全く違うのです(超偏見)。
テレビ番組では彼の「栄光」のみを切り取りますが、映画で観ることができるのは彼の酸いも甘いも知り尽くした人生そのもの。この映画を観るとポールポッツのことがより好きになるでしょうし、彼をもっと応援したくなるはずです。

タイトルが「ワンチャンス」でありながらも、実は今までチャンスを掴めなかった男の物語になっているのも見逃せません。
逆説的なタイトルなようにも思えますが、このタイトルだからでこそ最後の成功がより感動的に思えるのではないでしょうか。
終盤である人物が言うアドバイスも、おおよそ「ワンチャンス」ということばからほど遠いものです。自分は、ここに本作の主題が込められていると感じました。

監督は「プラダを着た悪魔」「31年目の夫婦げんか」のデヴィッド・フランケル。テレビドラマのようなテンポのよい作品を得意としているので、本作の軽快さ、わかりやすさは極めて万人向けであることでしょう。
過度にセンチメンタルにならず、気持ちよく映画を観終わることができるエピソードのバランスも見事です。事実との違いはいくつかありますが、映画としてはほどよくまとまっているためにいい改変であると思いました。

素晴らしいのは、主演とヒロインが全くもって美男美女ではないことです。
ジェームズ・コーデンは普段はけっこう美男子にも見えますが、映画では本当にちょっぴり残念なブ男(超失礼)にしか見えません。ていうか、本物のポールポッツに激似でした。

ポールポッツ    ポールポッツに似てる<ほぼ完璧

歌は残念ながら吹き替えですが、なんと歌をあてているのは本物のポール・ポッツです。
その歌唱は、劇場で堪能する価値も充分でしょう。

彼女役のアレクサンドラ・ローチはじゅうぶん可愛らしいのですが、どことなく「美人」とははっきり言えない容姿がまた魅力的であったりします。

アレクサンドル<充分可愛いけどね

見逃せないのが、同僚の携帯販売員を演じたマッケンジー・クルックです。
こんな店員がいたらちょっとイヤだよ!

こんな店員やだよ<これでも店長です

そんなわけで、キャラクター全てが魅力的なのです。
ちなみに、本編ではジェームズ・コーデンのふくよかなセミヌードを強制的に見せられますwまあそこは何とか我慢をしてください。

これはオススメです。
オペラ好きであればより名曲の数々に酔いしれるでしょうし、「ポールポッツって誰?」って方にも問題なく楽しめます。
夢を叶えたい人、今努力をしている人にとっても、とても勇気づけられる内容です。

難点はスポ根ものとしては各エピソードが少々弱く、盛り上がりにかけているところ。
「実話だから」と納得できる範囲なのですが、もっと「どん底からの這い上がり」を見たかった気もします。

個人的に、これは付き合いだして(または結婚して)数年経ったカップルにこそ観てほしいと思いました。
「クタクタになって帰宅したのに、パートナーが先にご飯を食べてしまってがっかり」というあるあるエピソードがあるのですが、そこでのことばがまた感慨深いものがあるのです。
美男美女が主人公の映画と違って観終わったあとにお互いの顔を観て幻滅することもありません(超失礼)し、きっと「ふたりで上手くやっていこう」って思えるはずです。

みんながほっこり幸せになれる映画が観たい方は、ぜひ劇場へ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-21 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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映画「レゴムービー」の史上最悪の予告編は、本編とは関係ありません!

3月21日より公開の「LEGO® ムービー」が楽しみで仕方がありません。
評判の高さは並々ならぬもので、海外ではRotten Tomatoesで満足度96%IMDbでは10点満点中8.3点を記録評価の高さを受けて興行収入は2週連続1位など、大きな話題となっているのです。

しかし、この「レゴムービー」はいまひとつ日本で目立っていないような印象があります。
公開館は若干少なめですし、宣伝もほとんど見かけません。

これはもったいない!予告編ももっとアピールしてみんなに観てもらいたい!と思っていましたが、なんとその予告編が史上最悪のシロモノでした。

とりあえず、こちらをご覧ください。
*人によっては本気で不愉快になる可能性があるのでご注意ください



なんと予告の内容に
「いつやるか、今でしょ!」「じぇじぇじぇ」「ワイルドだろう」「フライングゲット」「お・も・て・な・し」「激おこぷんぷん丸」
といった流行語ばっかり出てくるのです!
(ちなみに「姉さんのためなら」というのは、サザエさんのカツオ役として有名な富永みーなさんだからこその台詞ですね。どうでもいいけど)

いや〜予告編を企画した方にぜひお会いしたいですね。並べて正座させて往復ビンタしたいなあ
Twitter で「レゴムービー 予告」で検索すると「これ本編関係ないよね?」「最悪」などと不安と落胆が入り交じった意見のオンパレード。間違いなくこの予告のせいで観る人が確実に減っていると思います。

しかしご安心を、この予告編と本編は全く関係がないとほぼ断言できるのです。

こちらの記事をご覧ください(ごくわずかにネタバレ注意)↓
<LEGOムービーを心待ちにする人の叫び - のりまきとニンテン>

記事では以下のことが明確にされています。
・予告と本編では世界設定が違う
・台詞も違う
・ほとんどの声優も異なる

また、日本語吹き替え版の試写を観た方で、このような流行語の引用の不満を書いた方はひとりもいません
このようにツイートされている方もいらっしゃいました。


これは信用して大丈夫でしょう。

吹き替え版の声優陣は沢城みゆき森川智之山寺宏一と超豪華です。
放送作家鈴木おさむが吹き替えの監修を担当している上に、声優8人で150以上のキャラを吹き替えるという荒芸をしています(こちらは賛否ある点かもしれませんが)。
本編の吹き替えは、充分に気合いが入っていそうです。

もう一度確認のために言います。予告編に辟易した方も、あのような流行語をほざくシーンはないので安心して観に行って大丈夫です!

それでも不安であれば、字幕版を選択するというのもアリでしょう。
モーガン・フリーマンリーアム・ニーソンが声を担当していますし、映画のパロディが満載な本作は字幕版でこそ楽しめるポイントも多々あるのかもしれません。
しかし・・・字幕版の上映は全国で2館しかない状況です。もう少し増やしてくれたら嬉しかったですね。

日本では大ヒット上映中の「アナと雪の女王」の影に隠れ気味ですが、現時点の評判はそれを上回っています。
ぜひ、親子やカップルで観る映画の選択肢に入れてみてください。

(追記)↓映画は傑作でした!
<映画「 LEGO レゴムービー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー>  

(追記)↓公式レベルの予告編をつくっていただきました!
<これが真のレゴムービーの日本版予告編だよ!>

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2014-03-21 : いろいろコラム : コメント : 7 : トラックバック : 0
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現実の冒険をしよう 映画「LIFE! ライフ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はLIFE!(原題:The Secret Life of Walter Mitty)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:「本物の冒険」がしたくなる


あらすじ


ウォルター・ミティー(ベン・ステイラー)はLIFE誌の写真管理部で働く真面目な社員。だが、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者でもあった。
彼の趣味は空想をすること。空想の中で彼はヒーローとなり、どんなことでもできた。
しかし現実のウォルターは、デジタル化の流れによりLIFE誌の廃刊が決まり、表紙を飾るはずのネガが見つからないままでいたたために窮地に立たされていた。
ウォルターはネガを探すため、写真家のショーン(ショーン・ペン)を探す旅に出る。




ズーランダー」「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」のベン・スティラー監督・主演最新作です。
原作となっているのはジェームズ・サーバーによる短編小説「虹を掴む男(原題はThe Secret Life of Walter Mitty)」。1947年にも一度映画化されています。

ダニー・ケイ
3730円
powered by yasuikamo

おそらく、多くの人は原作や1947年版を知らないまま「LIFE!」に触れることでしょう。
それでよいと思います。
作品のテーマは現代に通じるところがあり、現代ならではの改変があり、なおかつ目を見張る映像マジックがてんこもりであり、予備知識がなくても(ないほうが)楽しめるのですから。

主人公のウォルター・ミティーは空想癖のある男で、仕事中でさえもふとしたことで空想に入り込んでしまいます。
その空想は奇天烈であり、ときに美しく、ときに笑いを届けてくれます。

予告編でも空想シーンばかりに目がいきますが、実はそこに主点を置いていないのがミソです。
主人公が体験するのは、空想ではなく現実の冒険。その冒険で、彼は大切なことを学びます。
これは、空想ではなく現実でこそアクションを起こしたいという想いを喚起させてくれる物語でした。


今回の再映画化に際して、いくつかのアレンジがされています。
たとえば、実在の雑誌・LIFEを登場させ、なおかつデジタル化の波のために廃刊が決まるというのは本作オリジナルの設定です。
空想の世界だけでなくリアルな現代社会も描くことで、現代に生きる人に向けたメッセージをより鮮明にし、主人公に感情移入をしやすくなったなのではないのでしょうか。

映画の内容に合わせたように「毎日同じ生活を繰り返していますか」「変わりたいと思っていますか」と、多くの「行動したい」と思っている人たちへ向けた宣伝にしたことが実に上手いと思います。
邦題もシンプルに「LIFE!」。「悪の法則」の上映前に流れた6分間の予告編はほとんど海外版そのままなのですが、日本版では後半に映画のメッセージが示されています。


*本編のネタバレ注意

「この映画の主人公は、あなたです」という思わせぶりな文句も的外れではありません。
映画には、主人公のウォルター・ミティーに限らず、全ての人にも当てはまる「こうしたい」という想いが詰まっているのですから。

今までのベン・ステイラーの作品群は海外では評価が高くても、日本ではややマニアックな位置づけでした。
しかし本作は万人向けであり、勤勉な日本人であればより共感できる内容なのです。
ベンが日本でメジャーとなる、記念碑的な作品になるのではないでしょうか。
いちファンとして、とても嬉しく思います。

また、原作者のジェームズ・サーバーは独特の絵を描く漫画家としても知られています。
彼は脳に障害を持ち、視野の一部が欠損し、それを脳が補うためにありもしない光景が見えるという症候群を持っていたようです。
それが功を制し、彼の独特の感性を持つ作品が生まれました。
さらに、35歳で全盲になってからはさらなるイマジネーションが開花したのだとか。
「The Secret Life of Walter Mitty」の空想癖のある主人公は、そんなジェームズ・サーバー自身が投影された姿に違いありません。


これはオススメです。
一人の会社員の冒険を描いた人間ドラマとしても、奇想天外な映像を見せてくれるファンタジーとしても優れています。
ロードムービーとしてはエピソードがやや淡白なところがありますが、それでもグリーンランドアイスランドの風景の美しさには見とれるはずです。
映像とシンクロした音楽も、その感動を盛り上げてくれるものでした。

Various Artists
1049円
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ホセ・ゴンザレスによる主題歌「Step Out」はもちろん、デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」のリミックスも実に魅力的です。

ちなみに、Space Oddityの歌詞に登場する「Major Tom(トム少佐)」とは、「2001年宇宙の旅」の登場人物のことです。
歌詞には「For here am I sitting in a tin can. Far above the world, Planet Earth is blue and there’s nothing I can do.(ここではブリキでできた宇宙船に腰掛けている。地球から遠く離れた世界で、地球はただ青く、何もできることはない)」ともあり、広大な宇宙を体験して自分の無力さを感じるという内容になっています。
それは主人公の気持ちそのものでもあったのでしょうが、映画の最後にはガラリと変わっているはずです。

最後に・・・実は作中の空想には有名映画のパロディと思わしき(似ている)シーンがあります。
そのうちひとつは名指しで堂々とパロディにしていました。
映画ファンであればあるほど、小ネタに気づけてより楽しめるかもしれませんよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-20 : 映画感想 : コメント : 10 : トラックバック : 0
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赦しの宗教 映画「あなたを抱きしめる日まで」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はあなたを抱きしめる日まで(原題:Philomena)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:少しずつ見える、感動


あらすじ


1952年のアイルランド。フィロミナ(ソフィー・ケネディ・クラーク)は10代で妊娠したことから強引に修道院に入れられ、過酷な暮らしをした上に息子と引き離されてしまう。
50年後、イギリスで娘と暮らしながら息子のことを考えていたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、その消息を捜すために元ジャーナリストのマーティン(スティーブ・クーガン)に協力をあおぐ。




本作はいわゆる「実話もの」。ノンフィクション本「The Lost Child of Philomena Lee」を原作とした映画です。

マーティン・シックススミス
1050円
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物語は少女が男と関係を持ち、妊娠をしてまったことからはじまります。
当時のアイルランドはカトリックの規律が厳しく、未婚の女性の妊娠や姦淫は御法度とされていました。
そうした少女たちは、マグダレンという修道院に強制的に入れられた上に過酷な労働を強いられたのです。
参考→<アイルランド、マグダレン修道院での著しい人権侵害に政府が関わっていたと認められた>

しかも、主人公の子どもは勝手に養子に出されてしまいます。
神の子を自称したキリスト教者が、犯罪を行っているのです。
こんな人権を無視したことがあってのいいのか、と憤りを隠せません。

当時の修道院の姿を描いた映画に「マクダレンの祈り」があります。

ノーラ=ジェーン・ヌーン
3990円
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いとこに強姦された少女ですら、「穢れ」と見なされ奴隷のような生活を送るのです。
耳に入れるだけで不快に思ってしまう事実ですが、知る必要のある歴史でしょう。

さて、そのような悪しき歴史を描いた本作なので、重〜い気が滅入る映画なのかな?と思われるところですが、そんなことはありません。本作はコメディ映画と言っていいほど、クスクス笑えるシーンも満載なのです。

何が笑えるって、主人公のフィロミナの言動です。
辛い経験を経ているにも関わらずいつもユーモアを忘れず、さらには下ネタにだって寛容だったりします。
そんな肝っ玉を持つ彼女を演じたのは、超大御所のジュディ・デンチ
「007」シリーズでは厳格な女性を演じていた彼女ですが、今回はなんというかすごく可愛いです。
おばあちゃんに萌えたい方は、それだけでも観る価値があります。

ミステリー映画としてもなかなか手が込んでいます。
修道院にまつわる謎だけでなく、息子がどのような人生を歩んできたのか、今息子はどうしいているのかが、ゆっくりと明かされてくという、「少しずつ」の真実の提示方法には先が気になる面白さがあります。

宗教映画としても抜群に面白いです。
世界中に信者があるカトリックにも、無宗教者からすればおかしなところ、寛容できないところもあります。
本作は、キリスト教徒、無宗教者それぞれの立場で、その事実を見つめています。
キリスト教徒はもちろん、無宗教者にとっても共感のできる内容でしょう。

「あなたを抱きしめる日まで」という邦題には「感動巨編」な印象もありますが、本編は大きな感動を狙わない、極めて地味な作品です。
しかし、台詞の端々にたくさんの想いがつまっており、上映時間がわずか98分というのが信じられないほどの「濃さ」を感じられるのではないでしょうか。
複雑な人間の感情を繊細に描く、卓越したドラマがそこにはありました。

主に描かれるのは、母親の息子への想いです。
子を持つお母さんに、ぜひ観てほしい作品です。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-19 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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Youtubeで聴ける「アナと雪の女王」主題歌「Let It Go」アレンジ・カバーベスト10

アナと雪の女王」は素晴らしい映画でした。
観た人がほぼ満場一致で思うのは、とにかく主題歌の「Let It Go」が魅力的であることでしょう。

「Let It Go」は世界中で愛されており、世界中の人がYoutubeで自らのアレンジ・カバーを披露しています。
本日はその中から、個人的に大好きでたまらない「Let It Go」のアレンジ・カバーのベスト10をご紹介します。

↓以下、動画が重いのでご注意ください。

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2014-03-17 : いろいろコラム : コメント : 1 : トラックバック : 0
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ありのままで 映画「アナと雪の女王」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアナと雪の女王(原題:FROZEN)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:これぞ「ミュージカル」のディズニー映画!


あらすじ


エルサとアナは仲良しの姉妹。だが、エルサは自身の氷の魔法の力によりアナを傷つけてしまう。
秘密を隠したまま成長したエルサは、王女として即位をしても力を隠そうとしていた。
しかし、アナとの衝突から、その力は再び発現してしまうのだった。




(様々な意見をいただいたのでネタバレ部分に追記をしています、ありがとうございました!)

「昔のディズニーが帰ってきた!」
この映画で、自分はそう思いました。
なぜなら、魅力的な登場人物、ファンタジーならではの映像美、物語の本質が古き良きディズニー作品そのものであり、なおかつミュージカルを全面に推し出した作品であったからです。

ターザン」以降、業界は3Dアニメが主体となり、ディズニーもミュージカルを一時的に封印していました。
アトランティス」は非ミュージカル作品でしたし、「魔法にかけられて」ではミュージカルを茶化していましたし、「プリンセスと魔法のキス」はミュージカル作品であってもジャジーでファンキーな音楽が多く、「塔の上のラプンツェル」もミュージカルを全面に押し出した作品ではありませんでした。

しかし、「アナと雪の女王」では、ミュージカルが映画の主役と言ってもよいほどのものになっています。
予告でも流れていた「Let It Go」だけでも、そのことは感じとれるでしょう。



その歌詞は登場人物の心情を観客に伝え、感情の入った歌い方は物語を彩るー
これこそがミュージカルの面白さであり、「白雪姫」「ノートルダムの鐘」「美女と野獣」にあった感動ではありませんか!
アラン・メンケンのスコアとは違うポップな楽曲ではありますが、ディズニー映画が好きな自分はこれだけで嬉しいのです。

輸入版のサントラは豪華2枚組。作中の楽曲に聞き惚れた方には必携です。

Various Artists
1463円
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V.A.
3780円
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(日本語版のサントラも5月3日発売!)

さて、本作はアンデルセンの童話「雪の女王」が原作とされていますが、物語は完全に別物です。(日本のアニメ「聖闘士星矢」に酷似していることは置いておいて)ほぼオリジナル作品と言ってよいでしょう。
物語にほんの少しの味付けと効いているのは、同じくアンデルセンの童話「雪だるま」でした。

物語のテーマは「愛」という普遍的なものです。
それだけであれば凡百の映画で描かれたことではありますが、本作はそこをちょっとひねっています。
冒険物語としては王道でも、「意外性」というスパイスも加えた物語は大いに楽しむことができました。


登場人物もとても魅力的です。
本作の主人公は、明るく活発な性格の妹「アナ」と、しっかり者の姉の「エルサ」のふたりです。

妹のアナ <アナ   姉のエルサ<エルサ

面白いのは、このふたりの関係が「姉妹あるある」であること。
姉はおてんばな妹をたしなめるのだけど、可愛い妹をついつい甘やかせてしまいます。
妹は姉のことが大好きなのですが、自分のことを邪見にする姉に不満を募らせます。
なんとも普遍的で、かつ愛おしい関係ではありませんか!

このために、子どもはアナにもエルサにも自分を投影しやすくなっています。
親御さんも「妹のあなたは、アナのようにお姉ちゃんを大切にしなきゃね」などと映画になぞらえ、たしなめることもできるのではないでしょうか。

楽しい冒険を一緒に体験できることはもちろんですが、本作はぜひ家族で観てほしい作品であると感じました。
今の子どもがこれを映画館で観れば、きっと忘れられない思い出になるでしょう。


不満もあります。
多くの方が気になるであろうことは、展開が早すぎることでしょう。
序盤からダイジェスト感が否めず「えっ?」と驚いてしまいますし、終盤は登場人物の立ち位置を示す描写が省かれているように感じます。
突如「巻き」に入ったかのような違和感があるのは、明らかな欠点ではないでしょうか。
上映時間を延ばしてでも、もう少し丁寧な描写がほしかったところです。

伏線が生かしきれていないところもありますし、登場人物の背景も少し描写不足に思えました。
主人公が「なぜ」望まない状況にいるのかの詳しい説明がなく、モヤっとしてしまうのも惜しいところです。


日本語吹き替え版の評価も非常に高くなっています。
松たか子による歌声は世界で大反響を呼んでおり神田沙也加もそれに負けていません。
さらには、エンディング曲は人気歌手のMay J.が吹き替えています。

May J.
2940円
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ディズニーのミュージカルは日本語で聞くとこっぱ恥ずかしくなるところもあったのですが、本作にその心配は無用でしょう。訳詞の苦労も納得です。
字幕版を観た方は吹き替え版を、吹き替え版を観た方は字幕版をもう一度観たくなるはずです。

また、本作は3D版を大プッシュでオススメします
あたりに雪が降る描写はもちろん、映画のはじめかから3Dを生かしたシーンが用意されています。
「Let It Go」を歌うシーンも、今までの予告編では体験できなかった3Dで観ることで感動も大きくなるでしょう。

3Dをおすすめしたい理由のもうひとつが、本編と同時上映の短編「ミッキーのミニー救出大作戦」があることです。



「いやいや、白黒の古い感じの映画じゃん、3Dとかないじゃん」と思わせますよね?
でも3Dがものすごく効果的な作品であったのです。なぜなのかは、ぜひ劇場で確認して観てください。


デート・ムービー、ファミリー・ムービーとして大・大・大推薦できる作品です。
もはや物語の不満なんて、たいした問題ではないです。
キャラの可愛さ、ミュージカルの素晴らしさ、ビジュアルの美しさ、それらはもう満点の出来なのですから。

「いい映画を観た」と万人が思える作品です。絶対に映画館で観ましょう!
エンドロール後にもおまけがありますよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-16 : 映画感想 : コメント : 18 : トラックバック : 1
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哀しき企業戦士 リメイク版「ロボコップ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はロボコップ(2014)です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:いいところが少なくなっちゃった


あらすじ


2028年のデトロイト。警官のアレックス・マーフィー(ジョエル・キナマン)は爆破事件に巻き込まれるも、かろうじて命を取り留める。
アレックスは巨大企業・オムニ社の最先端のテクノロジーによって、機械化した警官「ロボコップ」として生まれ変わることを余儀なくされる。変わり果てた自分の姿を見て動揺するマーフィーは、研究所の外へ出て行こうとするが・・・




ポール・バーホーベン監督による1987年のSF映画「ロボコップ」のリメイク作品です。

ピーター・ウェラー
1124円
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オリジナル版の魅力には、
・荒唐無稽な機械警官を導入されるまでの設定に手が込んでいる
・ヒーローとしてのロボコップが格好いい
・爽快感抜群
などがありました。
その点を今回のリメイク作にも期待していたのですが・・・正直、がっかりとしか言いようがありません。

まず物語の導入部分が異なります。
オリジナル版では「これではもう機械化した警官を導入するしかない!」という状況をあの手でこの手でつくっているのですが、このリメイク版ではかなり説得力がありません。
設定自体はほぼそのままなのですが、その描き方が全然違うのです。

オリジナル版のロボコップはその辺の犯罪者をちぎっては投げちぎっては投げの無双っぷりが楽しかったのですが、本作ではアクションシーンそのものが少なめです。

主となるドラマは、機械になってしまった主人公の悲哀、企業の暗躍です。
主人公の悲哀はオリジナル版と「正反対」の描き方をされており、感情移入がしにくくなっています。
企業の事情はオリジナル版よりも複雑に描かれ、かつ「いろいろあってロボコップが企業に勝手に改造されたりする」だけの描写に留まっています。

何より、今回のリメイク作は「真面目」すぎるのかなあ・・・と思いました。
オリジナル版では「すげー!ロボコップ強えー!」「犯罪者のク○野郎!ロボコップが成敗してやるぜ!」というノリが楽しくって仕方が無かったのです(注:自分の中二心が増し増しになっています)が、今回のロボコップは企業で抑圧されながら戦うサラリーマン程度の印象なのです。

オリジナル版もサラリーマンのような悲哀は確かに描かれていたのですが、それはドラマの主題ではなく、ヒーローに感情移入をさせるための「味付け」でした。
しかし、本作はサラリーマンの姿ばかりを描写したばかりに、敵をやっつけるヒーローとしての爽快感がまるでないのです。
純粋な男の子の心を持っている方ほど、この点はがっかりするのではないでしょうか。

動きに「ロボらしさ」が無くなったのも賛否ある点かもしれません。オリジナル版のピーター・ウェラーは、CGなどに頼らず機械であるがゆえの動作を表現していましたが、今回はキビキビと人間らしく動いてしまっています。

よい部分もあります。
オリジナル版ではほとんど「いない」状態になっていた主人公の家族が重要な存在となっているのは見逃せないですし、時折TV番組の司会として出てくるサミュエル・L・ジャクソンのキャラも面白いです。
オリジナル版でも「悪趣味なCM」でアメリカの社会を茶化していたのですが、今回はそこがさらに直接的に描かれています。社会を皮肉るブラックジョークとしては、なかなか楽しめました。

トータルではオススメはできません。
SF的なガジェットも大きな驚きは与えてくれないし、単純なアクション映画を求める方にもいまひとつな印象になってしまうのではないでしょうか。
オリジナル版のことをひとまず忘れて、大真面目な企業戦士を描いたドラマとして観ることができる方にはそこそこにオススメします。
でも・・・やっぱり観たいのは格好いいヒーローの姿なんだよなあ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 少しだけオリジナル版のネタバレに触れるところもありますのでご注意を。基本的に不満ばかりを漏らしていますので、この映画が好きな人にはごめんなさい。

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2014-03-14 : 映画感想 : コメント : 12 : トラックバック : 0
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それでもできること 実写映画版「銀の匙 Silver Spoon」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は「銀の匙 Silver Spoonです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:若者にこそ観てほしい泥臭い青春映画!


あらすじ


八軒勇吾(中島健人)は、実家から離れたい一心で北海道の大蝦夷農業高校へ入学した。
同級生の御影アキ(広瀬アリス)に誘われるがまま馬術部に入り、酪農実習に翻弄される毎日。八軒は夢を持つことができていなかったが、その生活を経て何かが変わろうとしていた。




同名の大ヒットコミックを原作とした実写映画です。

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原作は累計1300万部を誇り、アニメ化もされた大人気作品です。

ここまで多くの支持を集めた理由の一つは、「現実」を見据えた子どもにこそ知ってほしいメッセージがあったことだと思います。

主人公が入学するのは農業高校です。
農業高校を卒業して酪農家として働く人々は、長時間の肉体労働を強いられ、借金を背負いながらも一生懸命生きています。
そんな中、主人公は「何の夢も持たないけど、とりあえず家を出たい(全寮制だから)」という理由で学校に来るのです。
農業を営む方でなくても、「酪農をなめるな」と思うのは当然でしょう。

しかし、これこそが作品のミソです。
「夢を持たない」主人公は、学校生活を送る中で「夢があっても叶わない」ことがあることを知っていきます。
いくら理想論をかかげても、現実の世界ではどうにもならないことがある。主人公はそのことを知り、それでも何か出来ることはないかともがくのです。
それは農業に限らず、この社会を生きていく上で考えておくべきことでしょう。

映画版でもその精神は変わっていません。
主人公は現実という壁にぶち当たり、何とか自分の納得する答えを探そうとします。
「何になりたいのかわからない」「将来が不安」と思っている若者こそ、この作品のメッセージはより響くはずです。


吉田恵輔が本作の監督で、本当によかったです。
監督は「ばしゃ馬さんとビッグマウス」「麦子さんと」などの作品でほぼ一貫して「ダメな人」を主人公にしています。
今回の「夢を持たない若者」への視線もとても優しいもので、原作のメッセージ性との親和性も高いものでした。
監督ならではのユルいギャグも、原作の持ち味を生かしながらバッチリはまっています。

2時間弱の映画におさめるための、原作のエピソードの取捨選択も上手くできています。
ほんの少しだけの改変、映画ならではのクライマックスもよい方向に働いています。
原作のリスペクトを忘れず、映画としてもまとまりがあるように、絶妙なバランスで作られていました。

見逃せないのがキャスティングです。
主演の中島健人はアイドルであり素顔はザ・イケメンなのですが、しっかりと冴えない高校生の役作りをされています。
かっこうよく見えないようにするためにメガネの選定には特に気を使ったのだとか。なかなかのプロ精神です。

ヒロインの広瀬アリスも可愛く素直で天然ボケの女子高生を好演しています。
彼女のファンになった方は、ぜひ「スープ~生まれ変わりの物語~」を観ましょう。終盤にインパクトがありまくる役で登場するので。

他にも黒木華吹石一恵上島竜兵などの豪華なキャスティングがされています。
個人的に大笑いしたのはヒロインの家族の配役。これはぜひ劇場で観て驚いて欲しいです。

なんと言っても、MVPは「タマコ」を演じた安田カナでしょう!漫画そのまんまにもほどがあります。

タマコ銀の匙   安田カナ<完璧

映画公開記念として「たまこブログ」もはじめており、こちらも読んでいて楽しいです。


不満もあります。
まず原作を読んだ方であればどうしても気になるのが、エピソードの大幅な省略でしょう。
時間の制約上仕方が無いとはいえ、存在そのものが抹消されたキャラがいることや、登場人物の心情に深く関わるエピソードがないことは、「漫画に比べて薄い」と思ってしまうことの原因になってしまいます。

また、「食べ物がおいしい」と思わせる描写が少なかったことも残念です。
その描写もあるにはあるのですが、「命を奪い、それを食す」という点がクローズアップされている作品にしてはインパクトは薄めです。
原作では読みながらお腹が空いてしまうシーンがいくつもあり、ある意味辛いシーンでもありました(すぐに北海道に行きたくなるから)。


余談ですが、本作は馬が巨大なそりを引っ張ってレースをする「ばんえい競馬」が描かれています。
映画ファンがこの題材で思い浮かべるのが、「雪に願うこと」でしょう。

伊勢谷友介
4011円
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本作と同じく「勝負は勝たなければ意味が無いのか」 「勝つことだけがすべてではないのか」と疑問を持たせる内容であり、邦画の隠れた名作として知られています。ばんえい競馬に興味をもたれた方には、ぜひ観ていただきたいです。

キャッチコピーは「最強に理不尽な青春!!」とありますが、実際はそれほど理不尽ではありません(原作ではかなり理不尽なことが描かれています)。
むしろ「納得せざるを得ない状況」こそがこの作品の主題であり、映画を観た後は「それでも何かをしたい」と思わせる、とても勇気づけられる映画です。

この映画が気に入った方は、ぜひ原作漫画や、吉田恵輔監督のほかの作品にも触れてほしいです。
どれも「生きていることに頑張っている人」に多大なエールを送っている作品なのですから。

タイトルの「銀の匙」の意味、その副題に「Silver Spoon」とある理由は、映画を観た後にはきっとわかることでしょう。
万人向けの青春映画として、原作好きにも、読んだことが無い方にもおすすめです。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 少々原作のネタバレに触れるところがあるので、未読の方はご注意を。

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2014-03-12 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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All aboutにて「設定がヤバいB級映画ランキング」まとめ記事を書きました

All aboutにて「まとめ」記事を書きました。
コンセプトは「設定がヤバいB級映画」です。以下のリンクからどうぞ。

<お寿司が凶暴化!? くだらなすぎて逆に観たい映画ランキング>

B級どころかZ級の映画が混ざっている気がしますが、たぶん気のせいです。

また、先週参加させていただいた「映画ブロガーサミット」の記事を紹介します。

<第2回「映画について語ろう会」開催しました!>

プレゼンの内容もいつか、何らかのかたちでご紹介します。
以下、記事に書いた映画のアフィリエイトと、ちょっとだけ補足を載せておきます。

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2014-03-11 : いろいろコラム : コメント : 7 : トラックバック : 0
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ぜんぶが魔法 実写映画版「魔女の宅急便」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は魔女の宅急便(2014)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:原作により近くなったのかも


あらすじ


13歳になったキキ(小芝風花)は魔女になるため、1年間だけ見知らぬ街で生活するという修行をはじめる。
キキは海辺の町コリコへとたどり着き、パン屋の女主人おソノ(尾野真千子)の家に居候することになる。
彼女がはじめたのは、その空を飛ぶ魔法を生かした「お届け屋さん」という仕事。お客さん第一号として、トンボという男の子(広田亮平)がやってきた。




角野栄子による児童小説「魔女の宅急便」の実写映画化作品です。

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「魔女宅」はスタジオジブリが手がけたアニメ版が有名すぎて、原作小説があることを知らない方も多いようです。

アニメ版は大人から子どもまで楽しめるファンタジーの傑作として愛されているだけに、今回の実写映画化に抵抗感を持つ人多いことでしょう。
何せ、キャストが全員日本人で、ロケ地が小豆島、日本風の家屋も出てくるのですから。
アニメ版では西洋風の世界観であったのに、実写版では「とある東洋のお話」であり、日本風の世界観となっています。これに違和感を覚えるのは致し方ないことなのかもしれません。

しかし、自分はこのことも肯定的に捉えたいです。
なぜなら、もともと原作でも「少しだけ日本風」の要素があったからです。
原作から「『お』ソノ」や「すみれ」という人名がありましたし、原作の物語はとても狭い範囲で起こる人情劇です。
角野栄子さんも「このお話は現実離れしたものではなく、身近な生活に密着した場所で起こっていること。今回の映画ではそのことがすごくよく出ていた」と語っています。

もともと「魔女宅」の実写映画は、ハリウッドと契約を結び製作されるはずでした。
このプロジェクトが頓挫してしまったために、結果として日本で製作されることになったのです。
これが良かったか、悪かったかは観る人それぞれ感じ方が異なるでしょうが、自分はよかったと思います。

角野さんはアニメ版の物語について宮崎駿にダメ出しをしていたことがあったそうで、今回の映画では「少しでも原作に近い」ものを作ってほしかったのでしょう。
日本的な要素があったことにより、より原作らしく、またアニメ版との差別化が図れていると感じました。

パン屋にある小道具や主役のキキの衣装も丁寧に作られており、ファンタジーらしさもしっかり表現されていることも魅力のひとつでしょう。
そのおかげで日本的な風景とのギャップもより感じてしまうのですが・・・肯定派の自分も、「○○丸」と書かれた漁船や、明らかにコンクリートでつくられた学校は映して欲しくなかったかなと思います。


さて、本作の問題点は企画や美術そのものよりも、終盤の展開にあります。
本作のクライマックスは原作の2巻にあるエピソードがもととなっているのですが、状況を改変をしたために全く説得力がなくなっているのです。
主人公に試練を与えるためには、「それ以外の方法は無い」と外堀を埋めるような説明が必要だと思います。
しかし、本作のクライマックスではその説明に明らかに矛盾が生じており、行動の理由に納得ができないのです。

また、動物をCGで作ってしまったために、映像から浮きまくっていることはかなり気になりました(黒猫のジジはよかったです)。
空を飛ぶシーンが合成っぽく見えてしまうことも残念でした。
小道具などの美術がしっかりしているだけに、このあたりの映像にももっと工夫が欲しかったです。


いいところもいっぱいあります。
まず、主役のキキを務めた小柴風花が死ぬほど可愛いです。

こしばふうか<太い眉毛も特徴的

高飛車でちょっとわがままで、でも本当は素直なキキの性格を見事に表現していました。
彼女自身、キキを演じるのにものすごいプレッシャーがあったと語っていますが、今回の配役は完璧なのではないでしょうか。
その他のキャストも、おソノさんを演じた尾野真千子、トンボを演じた広田亮平はバッチリはまっていました。

岩代太郎による軽快な音楽、ポップな主題歌「Wake me up」も作品の雰囲気にマッチしていました。

何より嬉しかったのは、原作にあり、アニメ版にはなかったエピソードを描いてくれたことです。
アニメ版で描かれているエピソードはほぼ原作の1巻のみであるため、その「先」は映像で観ることは叶わないものでした。
本作ではアニメ版にはなかった「魔女であることの辛さ」も描かれており、よりキキに感情移入しやすくなっていると感じました。

ちなみに、本作には原作ではなく、アニメ版の設定を踏襲しているところもあります。
たとえば、原作でのトンボは「魔法の絨毯や魔女のを研究して空を飛ぼうとしている」のですが、アニメ版と今回の実写映画では「自分で自転車飛行機を作って空を飛ぼうとしている」のです。
これはトンボとキキの価値観の対比を見せるために必要なものであったので、アニメ版の設定を借りたのは正解だと感じました。

トータルでは良作です。
映画独自のメッセージもあり、それは多くの人の心に響くでしょう。
原作とアニメ版両方へのリスペクトがみられるので、「魔女宅」が好きな人は観て損は無いのではないでしょうか。

どうしてもアニメ版と比べがちな本作ではありますが、「どちらにもそれぞれの良さがある」というスタンスで観ることをおすすめします。
どっちのほうが良くて、どっちのほうが悪いと議論するのではなく、作品のいいところを見つけるのも楽しいですよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-10 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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また冒険へ 「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は映画ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:原作にここまで忠実だとは!


あらすじ


ジャンアンとスネ夫は、夏休みを利用してまだ誰も見つけていない魔境に冒険に行きたいとのび太に提案する。
ドラえもんの道具で魔境を探している最中、のび太は空き地で一匹の子犬を拾い、ペコと名付けた。
ペコは写真の中から奇妙なものを見つける。それは巨大な犬のかたちをした石像だった。




劇場版ドラえもんシリーズの3作目「のび太の大魔境」のリメイク作品です。
ぼく桃太郎のなんなのさを含めれば4作目です)

大山のぶ代
1627円
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もう32年前の作品になるのですね。
子どもの頃の自分はこの作品を飽きるほど(飽きなかったけど)観ていたので、今回のリメイク作品は「あったあったこういうシーン」と懐かしみながら楽しむことができました。

本作は、これまでのリメイク作品の中ではもっとも原作に忠実な作品になっています。
物語の筋は9割方同じで、印象的なシーンの多くもほぼそのまま踏襲しています。
違うのは、ほんのちょっぴりだけの「付け加え」のみです。原作の良さを損なわない程度の味付けは、安心して楽しむことができました。

中には原作よりも良くなったと思うところもありました。
ゲストキャラクターはより感情移入しやすく、魔境の国の設定はより飲み込みやすくなっています。
敵キャラ「サベール隊長」はより格好よくなり、「スピアナ姫」はものすごく可愛いキャラデザインがされています。

サベール隊長<格好いい  スピアナ姫2<可愛い

声優陣も豪華で、いつもの5人のメンバーはもちろん、アナウンサーの夏目三久が声優に初挑戦していたり、怖すぎる絵を書くことで有名な小林ゆうもとある声を担当しています。声優ファンにとっては、その配役とハマリっぷりに驚けるのかもしれません。

難点は、原作を知っている方にとっては目新しさに乏しいことです。
新・のび太と鉄人兵団」には原作をよく知る人こそが驚き、また感動できる変更点もありましたが、本作にはその点においては少し弱いと言わざるを得ません。

しかし、はじめて「のび太の大魔境」に触れる方には大プッシュでおすすめします。
おなじみの道具を使い、のび太たちがジャングルで大冒険をする物語は大人も子どもも、きっと楽しめることでしょう。

余談ですが、いくら現実の時代が流れようとも、作風が変化しようも、ドラえもんの世界は変わらない時代にあるように思えました。
のび太が住む町並みは、空き地があり、庶民的なスーパーがあるのです。

ドラえもんの楽しい道具にあるものは「今に無い、未来への期待」だと思います。
ここにインターネットやスマートフォンが登場してしまうと、その期待は薄れてしまうのではないでしょうか。
本作にノスタルジーを感じるのは、まるで昭和後期のような世界観の構築がされているからでしょう。
大人にとっては懐かしく、またちょっと切なくなってしまうかもしれません。

そして・・・ジャイアンがとてつもなく愛おしいんですよ、この作品。
劇場版のジャイアンがいつもよりイイヤツになるのはよく知られた事実ですが、この「大魔境」では人間らしさがにじみ出ていて、なんとも親しみが持てます。

しずかちゃんもあざといほど可愛いです。恥ずかしがっている表情はもちろん、原作よりもおいしい活躍の場が用意されてるのでたまりません。

そんなわけで、ジャイアン萌え、しずかちゃん萌えをしたい方はぜひ劇場へ。
あ、でもスネ夫も萌えるし、のび太も萌えるし、ドラえもんももちろん萌えます。要するにドラえもんの全てが大好きです

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-09 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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きっと変わるから 映画「それでも夜は明ける」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はそれでも夜は明ける(原題:12 Years a Slave)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:みんな、我が身が可愛いのかな


あらすじ


1841年のニューヨーク。
家族と一緒に幸せに暮らしていた音楽家のソロモン(キウェテル・イジョフォー)は、突如誘拐され奴隷となってしまう。
自由黒人であることを必死で訴えるソロモンであったが、その声は聞き入れてもらえない。彼は本当の名前を呼ばれることもなくなり、非人道的な扱いをされ続けるが、それでも生きることを諦めなかった。




SHAME -シェイム-」のスティーヴ・マックイーン監督の最新作です。
本作は実話をもととした映画であり、1968年に発表された伝記を原作としています。

Solomon Northup
1842円
powered by yasuikamo

物語のはじまりである1841年は南北戦争が勃発する8年前であり、奴隷制度が廃止されていない時代です。
主人公・ソロモンはニューヨーク(北部)で自由黒人としての暮らしを送っていたのですが、突如誘拐され、黒人への差別が激しいジョージア州(南部)へと送られてしまいます。
当時、黒人を誘拐して売り飛ばすという犯罪は多発しており、ソロモンもその犯罪に巻き込まれたにすぎなかったのです。

そのために失った時間は、原題にあるように12年という途方も無い月日です。
彼はどれほどの苦汁をなめ、耐え、そして家族に再び会うことを願ったでしょうか。

この映画の素晴らしさは、巧みな演出や役者の演技により、主人公の気持ちに寄り添えることにあります。
主人公や周りの黒人たちの「苦しみ」「狂気」をこれでもかと描き、あるときは画面に映らないようにして観客に想像をさせ、あるときは目を背けたくなるほどの光景を映し出します。

表情のみで心情を語るキウェテル・イジョフォー、情を持っている白人を演じたベネディクト・カンバーバッチ、観ているだけでぶん殴りたくなるイヤな役のマイケル・ファスベンダーは文句のつけようのない名演を披露してくれました。
女性奴隷を演じたルピタ・ニョンゴは新人であるとのことですが、名優を前に負けてはいません。「生きるか死ぬか」を感じさせるほどの表情を見せてくれました。


この作品で描かれている「人間への迫害」は、決して人ごとではないと思います。
大多数に迎合するために弱者を救えない社会。
能力よりも学歴や肩書きが重視される社会。
若者を食い物にして、経営者のみが肥え太る社会。
そうした、現代にも通ずるものがあるのではないでしょうか。

この映画では「(社会が)おかしいと思っても、それを行動にできない」人が出てきます。
その原因のほとんどは「我が身可愛さ」です。
可哀想だとは思う、助けてあげたいとも思う、でもやっぱり自分が一番大切なのです。

人は善と悪で完全に二分することはできません。
悪行を行わざるを得ない人、矛盾した行動を取る人もいます。
この映画は、そうした人間の本質をも描ききっていました。

この作品がアカデミー賞作品賞を受賞したのは、映画としての完成度はもちろん、そうした現代にも通ずるテーマ性があり、複雑な人間の心理を描いたためでもあるのでしょう。


最近では「42 世界を変えた男」「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」など、黒人を主人公とした完成度の高いドラマが数多く世に出ています。
これらの映画は、その昔に黒人として迫害をされた方のみを対象としているわけではありません。

苦しい状況の中で強くなり、勝利のために努力する姿は多くの方の共感を産みます。
迫害の歴史を知らない方にも、このような歴史を二度と繰り返してはならない、と強く思うことができるでしょう。

苦しい歴史を経て今があるなら、この先もよりよい未来を築かなければなりません。
これらの映画には、それをひとりひとりが思うことができるほどの力があります。
映画は娯楽ですが、人を動かすこともできるはずです。


コメディ要素はほぼ皆無で、観ていてとても気が滅入る映画です。
ショーシャンクの空に」のような爽快感もありませんし、物語の面白さを期待すると裏切られるかもしれません。
PG12指定ではやや甘いと思われる残酷な描写もありますので、決して万人向けではないでしょう。

しかし、本作は人間の心理を描いた作品としても、主人公の辛い気持ちに同調できる作品としても最高峰です。
心に残る作品に触れたい方、今辛い思いをしている方に、この映画をおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-07 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 1
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All Aboutにて「最低映画を決める"ラジー賞"受賞作のここがヤバい!」の記事をあげました

All About(オールアバウト)にて記事を執筆しました。
以下のリンクからどうぞ。

<最低映画を決める"ラジー賞"受賞作のここがヤバい!>

あえてアカデミー賞をテーマとしていないのは自分の天の邪鬼さのせいです。
読んでいただいたらわかる通り、4位と3位はわりと好きな映画ですよ。

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2014-03-07 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 0
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愛すべきB級 映画「マチェーテ・キルズ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はマチェーテ・キルズです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:後半が悪ノリすぎる・・・


あらすじ


マチェーテ(ダニー・トレホ)は アメリカ大統領(カルロス・エステベス)から、メキシコの革命家メンデス(デミアン・ビチル)を殺害されるように命じられる。
メンデスはワシントンをターゲットにミサイルを発射しようとしていた。
装置がメンデスの心臓と連動しているため、マチェーテは解除のために装置の開発者のところへ急行する。




人生で何のプラスにもならない、超ド級の(金かかっているけど)B級映画「マチェーテ」の続編です。

ダニー・トレホ
800円
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もともとマチェーテは、「グラインドハウス」という「古き良きB級映画を再現しよう」という企画の中で、「ニセモノの予告編」として世に出たものです。
そのニセモノの予告編が本当に映画化されちゃって、さらにその映画で続編を予告したら、今回の続編もできちゃったという流れなのです。まるで冗談のようですね。

本当に冗談めいているのは、この続編の内容です。
かいつまんで言えば超絶にアホです。
美女・グロ・B級映画的な展開以外には何も無いという潔さで、観た後は自分のIQがだだ下がりになっていることを実感しました。

残念なのは、そのB級バカ展開がイマイチハジキきれていないことです。
登場人物がバンバン殺されていくのは楽しいのですが、クライマックスに畳み掛けるようなカタルシスは感じられません。
レディー・ガガの出演も魅力のひとつですが、その個性を生かした配役であるようには思えません。
メル・ギブソン演じる悪役も、さほど印象的ではありませんでした。

前作はB級の悪ふざけの中にも、移民問題をシリアスに描いている面がありました。
しかし、本作はB級の悪ふざけの一辺倒です。
後半の展開は「なんじゃこりゃ」なので、ついていけない人はとことんついていけないでしょう。
この辺は好みの問題でもありますが、個人的にはB級の中にキラリと光るA級の演出がある前作のほうが好きです。

まあ、でもこの映画はこれでいいんじゃないでしょうか。
前作を観ていなくても話はだいたいわかります(ていうか一切理解しなくてもいい)し、次々と繰り出されるアホ展開を眺めるだけでも楽しめます。
現在公開中の「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」にも似た破天荒ぶりなので、これを観た後に「もうひとつくらい頭の悪い映画を観たいなあ」と思う方におすすめします。

ちなみに一番笑ったのは、映画のはじめの「新作のご紹介(予告編)」でした。
しかもその内容は・・・いや、それ以上言うのはよしておきましょう。あの脱力具合はぜひ劇場で体験してほしいです。
エンドロール後にもおまけがあるので、最後まで観ましょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-06 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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2本立て上映の理由とは?老舗映画館「目黒シネマ」紹介

本日は、とある映画館をご紹介します。

その名は目黒シネマ
東京都品川区にある「名画座」系の劇場です。

th_IMG_0120.jpg<目黒唯一の映画館です

その一番の特徴は、ほぼ必ず「2本立て」の上映が行われているということです。

そう、1枚の入場券で、映画を2本観ることができるのです。
少しでも安く、たくさんの映画を観たい映画ファンにとっては嬉しい限りのサービスであることでしょう。。

↓館内をご案内します

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2014-03-05 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 1
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父の理由とかつての恋 映画「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(原題:NEBRASKA)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:良い日本(←違うけど)映画を観たなあ・・・


あらすじ


モンタナ州に住む老人ウディ(ブルース・ダーン)のもとに、「貴殿は宝くじに当選したので、100万ドルをお支払いします」という内容の手紙が届く。
それは誰がどう見てもインチキな広告であったが、ウディはしっかり信じ込み、リンカーンまで金を受け取ろうとしていた。
息子のデイビッド(ウィル・フォーテ)はしぶしぶウディに付き添うことになる。
デイビッドは立ち寄った父の故郷のネブラスカで、父の意外な過去を知るのだが・・・




タイトルのネブラスカとは、アメリカの州の名前です。

ネブラスカ州の特徴を端的に言えば、ザ・ど田舎です。農業が盛んであるものの、そこには何もありません。
本作で描かれるのは、そんな「退屈」の象徴のような場所でこそ起こりうる人間ドラマです。
ど田舎であるからこそ成り立つ「ストレイト・ストーリー」のようなロードムービーと言ってもよいでしょう。

老人のウディは自分のことを話そうとはしない性格であるので、息子のデイビッドは父がどういうふうに生きてきたかを全く知りません。
デイビッドがネブラスカで人づてにウディのことを聞いていき、その人生を知っていく、というのが基本のプロットになっています。

親子の軋轢は、無駄に声を荒げたりするのではなく、「微妙なすれ違い」として描かれています。
ことばでベラベラと語らない、映画ならではの面白さを追求した演出がなされていました。

優れているのは、観客が「父はどういう人間であったのだろう?」という主人公と同じ気持ちで映画を観ることができるために、感情移入しやすいことです。
年老いた両親を持つ現在40〜50代くらいの人にとって、この主人公の姿はより自身と重なるのではないでしょうか。
本作は父と子のドラマであるとともに、親孝行がしたい世代に向けられた、とても優しい作品なのです。

シリアスな内容かと思えば、意外に笑えるシーンも豊富です。
特に下ネタばかりを繰り出すお母さんのキャラクターはかなり強烈で、一部の人にとっては笑え、多くの人にとってはドン引きであることでしょう。
お母さんを演じたジューン・スキッブは(受賞は逃しましたが)アカデミー賞助演女優賞にノミネートされており、その演技力も格別なものがありました。

60歳で映画デビュー<遅咲きの女優

ジューン・スキップはデビューしたのが60歳、今作での出演時には84歳だったりします。


また本作が真に特徴的なのが、日本映画へのリスペクトがあることです。
アレクサンダー・ペイン監督は小津安二郎の大ファンであり、「アバウト・シュミット」は「東京物語」をアメリカでやろうとした映画であるとも言っています。

とことんフィックス(固定)で撮られた画、人物の表情をちょっと上からの目線で捕らえた画、いくつもの人物がすっぽりと画面に収まる画は、日本映画的であり、派手なハリウッド映画では全く観られないものでした。

1画面<みんな1画面に収まります

また、全編モノクロで撮られています。
モノクロならではの画の美しさも際立っており、広大な風景でだけでなく、パブの内装までもがより魅力的に映りました。

そのため、本作を観たあとは「いい日本映画を観たなあ」という奇妙な感覚を得ました。
パラマウントのロゴが、「松竹」に見えてしまうくらいです(これはウソ)。


イヤー・オブ・地味映画の称号を与えてもいいくらいに地味な作品であり、作中では大きな事件は何も起こりません。
あっと驚く展開や劇的な展開を求める方には全く向かないでしょう。

しかし、古き良き(日本)映画を観たい方には、大プッシュでおすすめします。
スクリーンで小津(っぽい)映画が観られるチャンスとしても、この映画の存在は貴重です。

もちろん、古い日本映画を観たことがない方にもおすすめします。
一見退屈なようだけど、実は登場人物の想いがいろいろなところから感じられる・・・そんな映画ならではの面白さに気づけるかもしれませんよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-03 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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星の光の下で 映画「ホビット 竜に奪われた王国」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はホビット 竜に奪われた王国(原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:より大人向けになったのかも


あらすじ


ホビット族のビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)や屈強なドワーフの一行ととももに、邪悪な邪悪な竜スマウグがいる隠れ家に向かっていた。
狙うは、スマウグが守っている宝の中にある、団結に欠かせないとされる宝玉「アーケン石」。その場所に向かうまでのタイムリミットは刻一刻と迫っていた。




J・R・R・トールキンによるファンタジー小説「ホビットの冒険」を原作とした、全3部作のうち第2部にあたる映画作品です。
<前作のレビューはこちら>

本作は完全な続編であり、前作の鑑賞はほぼ必須です。
後日談「ロード・オブ・ザ・リング」を観ているとより楽しめる、ファン向けの要素も大いにありますので、ロード〜3部作も一度は観ておいたほうがよいでしょう。
とはいえ、前作やロード〜の(多くの観客が忘れたであろう)設定には一応の説明がはいりますので、直前の予習は必要ないのかもしれません。

本作の感想をかいつまんで言えば、
・前作よりドラマが大人向け!
・アクションの面白さも前作以上!
・長さを感じさせない!
ということです。

前作はコミカルなシーンがやや多く、ロード〜に比べると良くも悪くも子どもが楽しめる内容でした。
本作はややシリアスよりな作品になり、キャラクターが織りなすドラマはより深く、複雑になっています。
相変わらず上映時間は2時間43分とべらぼうに長いのですが、それを感じさせないサービス精神に溢れていました。

1シーンごとの尺を長く取り、美しい風景を俯瞰して見せ、多くの人間ドラマも省略せず、最新鋭のCGも惜しげもなく投入され、時にはユーモアを交えて展開するという「贅沢」さはこの映画の長所でしょう。
それにしても冗長さを感じる部分が多いことは残念でしたが、ファンタジー世界に酔いしれたい方にとっては必見の内容と言っていいでしょう。

個人的に、今回はキーリ(エイダン・ターナー)のイケメンっぷりにほれぼれしました。

キーリ格好いい<イケメンすぎる

憂いを帯びた表情には世のイケメン好きがハァハァすること必死です。イケメンを守ってあげたくなるお姉さん方は絶対に観ましょう。
他にもロード〜でも登場したレゴラスオーランド・ブルーム)が大活躍することも嬉しいところ。
ちなみにタイトルにもなっている「竜」の声を演じていたのはベネディクト・カンバーバッチだったりします。しかもモーションまで担当しているという徹底ぶりでした。

3Dはごく自然な使われ方をしているので、より世界観に没入したいかたは3Dの選択がよいでしょう。
3Dのインパクトとしてはそれほどではないため、色鮮やかな世界(発色)を楽しみたい方は2Dでも良いのかもしれません。

そうそう、本作の一番の欠点は終わり方がエグすぎることですね。
映画史上最高レベルの「次回に続く」的な終わり方で、劇場では「えっ」って感じのどよめきが聞こえました。
これで最終作の公開が延期されているとか、何の生殺しかと思いました。

ちなみに、本作は公開からわずか3日でDVD&Blu-Rayの発売が決定しました。

イアン・マッケラン
3980円
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発売日や特典は未定ですが、これも最終作の劇場公開に合わせたための戦略でしょう。ああ、最終作が待ち遠しい!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-03-02 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 0
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みんなどこかで生きている 映画「東京難民」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は東京難民です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:闇金ウシジマ君4連発


あらすじ


大学生の時枝修(中村蒼)は、突如学校から除籍を言い渡される。実家の父親が何の連絡もなしに蒸発し、授業料が未払いとなっていたのだ。
家賃も払えずアパートを追い出された彼は、ネットカフェで宿泊しながら日払いのアルバイトで過ごす。
それは、転落人生のはじまりにしかすぎなかった。




福澤徹三による同名小説の映画化作品です。

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テーマとなっているのは、格差社会の実態です。
ネットカフェ難民はもちろん、貧困ビジネスホームレスなど、次々の社会の「底辺」の部分に触れていくのです。
聞いているだけでどんよりと暗い気持ちになってしまうことばばかりですが、とにかく立て続けにこの描写が続くことこそが、映画の魅力になっています。

主人公は粗野で愚鈍なところもありますが、普通の大学生です。
彼はちょっとしたきっかけで、運が悪さもありずるずると転落していきます。
下手なホラー映画よりも、恐怖を感じられるでしょう。

この映画は若い方にこそ観てほしい作品であると思います。
R15+は高校生をターゲットにしているためでもあるそうですし、社会の「落とし穴」を知るきっかけになるのですから。
一度「落とし穴」に入ると、簡単には出て来れないことを充分に教えてくれます。
自分の人生に危機感を持ち、社会問題を考えるきっかけになる本作は、きっと糧になるはずです。

また、主演の中村蒼の熱演、大塚千弘の脱ぎっぷりはファンなら必見と言えるでしょう。
井上順が意外な役として登場しており、こちらはファンであればあるほど驚けるはずです。


ただ、本作には「自分もこうなってしまうかも」というリアリティをあまり感じませんでした。

その理由のひとつが、いくらなんでも早く転落し過ぎであることです。
主人公が変えた職業は6つ、エピソードを分割しようとすれば4つ、それを半年間で経験するという内容です。
闇金ウシジマくんのエピソード4つを半年間で一人でこなす主人公、と言えばわかりやすいでしょうか。

主人公が必要以上に「甘い」性格であることも気になります。
こうは普通はしないであろう行動もするし、考えが極端なところもありました。
なぜ生活保護を受けないのか?という点に一応のソリューションを用意していたのはよかったのですが、主人公の気持ちに共感できないところは少なくなかったです。

おかげで、「さすがにここまでにはならないだろ〜」と思ってしまいます。
これでは映画を観る若者は絵空事のように感じて、「自分は大丈夫だな」と安心してしまうのではないでしょうか。

映画の構成上仕方の無いところもありますが、もっとゾッとさせてほしかったというのが正直なところです。
それぞれのエピソードはリサーチが充分になされた「本当に存在する世界」であり、恐ろしいものなのですけどね。

また、エピソードの細かい部分に違和感を覚えることが多くありました。
自分が一番とまどったのはクライマックスで、感動するはずの場面ですさまじい居心地の悪さを感じました。
もっとほかの描き方があったはずだと思わずにはいられません。


作り手の「貧しい人が救われてほしい」という願いが込められた映画です。
転がり落ちすぎにもほどがある人生の描写も、そうなってしまう可能性がある社会を知ってほしいという結果です。

強者がもっと強く、弱者がもっと弱くなることは社会の常なのでしょう。
それを少しでも無くすために社会保障や各種対策がなされているのですが、まだまだ充分ではありません。

社会だけでなく、その人自身の「選択」と「努力」も重要です。
それが間違っていなければ、貧困への道から脱却することも不可能ではないのではないでしょうか。

そして、人は優しさを持っています。
弱肉強食な面を持っていても、どこか困った人を放っておけない心を持った方が多いはずです。
もう少しだけでもそれが行動に現れ、弱い方に手を差し伸べることができれば、救われる人も多いのではないでしょうか。

この映画を観て、多くの方がそうした意識を持つことを願ってやみません。
身近な日本社会にある貧困について考えたい方におすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

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