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ぜんぶが魔法 実写映画版「魔女の宅急便」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は魔女の宅急便(2014)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:原作により近くなったのかも


あらすじ


13歳になったキキ(小芝風花)は魔女になるため、1年間だけ見知らぬ街で生活するという修行をはじめる。
キキは海辺の町コリコへとたどり着き、パン屋の女主人おソノ(尾野真千子)の家に居候することになる。
彼女がはじめたのは、その空を飛ぶ魔法を生かした「お届け屋さん」という仕事。お客さん第一号として、トンボという男の子(広田亮平)がやってきた。




角野栄子による児童小説「魔女の宅急便」の実写映画化作品です。

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「魔女宅」はスタジオジブリが手がけたアニメ版が有名すぎて、原作小説があることを知らない方も多いようです。

アニメ版は大人から子どもまで楽しめるファンタジーの傑作として愛されているだけに、今回の実写映画化に抵抗感を持つ人多いことでしょう。
何せ、キャストが全員日本人で、ロケ地が小豆島、日本風の家屋も出てくるのですから。
アニメ版では西洋風の世界観であったのに、実写版では「とある東洋のお話」であり、日本風の世界観となっています。これに違和感を覚えるのは致し方ないことなのかもしれません。

しかし、自分はこのことも肯定的に捉えたいです。
なぜなら、もともと原作でも「少しだけ日本風」の要素があったからです。
原作から「『お』ソノ」や「すみれ」という人名がありましたし、原作の物語はとても狭い範囲で起こる人情劇です。
角野栄子さんも「このお話は現実離れしたものではなく、身近な生活に密着した場所で起こっていること。今回の映画ではそのことがすごくよく出ていた」と語っています。

もともと「魔女宅」の実写映画は、ハリウッドと契約を結び製作されるはずでした。
このプロジェクトが頓挫してしまったために、結果として日本で製作されることになったのです。
これが良かったか、悪かったかは観る人それぞれ感じ方が異なるでしょうが、自分はよかったと思います。

角野さんはアニメ版の物語について宮崎駿にダメ出しをしていたことがあったそうで、今回の映画では「少しでも原作に近い」ものを作ってほしかったのでしょう。
日本的な要素があったことにより、より原作らしく、またアニメ版との差別化が図れていると感じました。

パン屋にある小道具や主役のキキの衣装も丁寧に作られており、ファンタジーらしさもしっかり表現されていることも魅力のひとつでしょう。
そのおかげで日本的な風景とのギャップもより感じてしまうのですが・・・肯定派の自分も、「○○丸」と書かれた漁船や、明らかにコンクリートでつくられた学校は映して欲しくなかったかなと思います。


さて、本作の問題点は企画や美術そのものよりも、終盤の展開にあります。
本作のクライマックスは原作の2巻にあるエピソードがもととなっているのですが、状況を改変をしたために全く説得力がなくなっているのです。
主人公に試練を与えるためには、「それ以外の方法は無い」と外堀を埋めるような説明が必要だと思います。
しかし、本作のクライマックスではその説明に明らかに矛盾が生じており、行動の理由に納得ができないのです。

また、動物をCGで作ってしまったために、映像から浮きまくっていることはかなり気になりました(黒猫のジジはよかったです)。
空を飛ぶシーンが合成っぽく見えてしまうことも残念でした。
小道具などの美術がしっかりしているだけに、このあたりの映像にももっと工夫が欲しかったです。


いいところもいっぱいあります。
まず、主役のキキを務めた小柴風花が死ぬほど可愛いです。

こしばふうか<太い眉毛も特徴的

高飛車でちょっとわがままで、でも本当は素直なキキの性格を見事に表現していました。
彼女自身、キキを演じるのにものすごいプレッシャーがあったと語っていますが、今回の配役は完璧なのではないでしょうか。
その他のキャストも、おソノさんを演じた尾野真千子、トンボを演じた広田亮平はバッチリはまっていました。

岩代太郎による軽快な音楽、ポップな主題歌「Wake me up」も作品の雰囲気にマッチしていました。

何より嬉しかったのは、原作にあり、アニメ版にはなかったエピソードを描いてくれたことです。
アニメ版で描かれているエピソードはほぼ原作の1巻のみであるため、その「先」は映像で観ることは叶わないものでした。
本作ではアニメ版にはなかった「魔女であることの辛さ」も描かれており、よりキキに感情移入しやすくなっていると感じました。

ちなみに、本作には原作ではなく、アニメ版の設定を踏襲しているところもあります。
たとえば、原作でのトンボは「魔法の絨毯や魔女のを研究して空を飛ぼうとしている」のですが、アニメ版と今回の実写映画では「自分で自転車飛行機を作って空を飛ぼうとしている」のです。
これはトンボとキキの価値観の対比を見せるために必要なものであったので、アニメ版の設定を借りたのは正解だと感じました。

トータルでは良作です。
映画独自のメッセージもあり、それは多くの人の心に響くでしょう。
原作とアニメ版両方へのリスペクトがみられるので、「魔女宅」が好きな人は観て損は無いのではないでしょうか。

どうしてもアニメ版と比べがちな本作ではありますが、「どちらにもそれぞれの良さがある」というスタンスで観ることをおすすめします。
どっちのほうが良くて、どっちのほうが悪いと議論するのではなく、作品のいいところを見つけるのも楽しいですよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2014-03-10 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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