哀しき企業戦士 リメイク版「ロボコップ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
今日の映画感想は「ロボコップ(2014)」です。
個人的お気に入り度:4/10
一言感想:いいところが少なくなっちゃった
あらすじ
2028年のデトロイト。警官のアレックス・マーフィー(ジョエル・キナマン)は爆破事件に巻き込まれるも、かろうじて命を取り留める。
アレックスは巨大企業・オムニ社の最先端のテクノロジーによって、機械化した警官「ロボコップ」として生まれ変わることを余儀なくされる。変わり果てた自分の姿を見て動揺するマーフィーは、研究所の外へ出て行こうとするが・・・
ポール・バーホーベン監督による1987年のSF映画「ロボコップ」のリメイク作品です。
オリジナル版の魅力には、
・荒唐無稽な機械警官を導入されるまでの設定に手が込んでいる
・ヒーローとしてのロボコップが格好いい
・爽快感抜群
などがありました。
その点を今回のリメイク作にも期待していたのですが・・・正直、がっかりとしか言いようがありません。
まず物語の導入部分が異なります。
オリジナル版では「これではもう機械化した警官を導入するしかない!」という状況をあの手でこの手でつくっているのですが、このリメイク版ではかなり説得力がありません。
設定自体はほぼそのままなのですが、その描き方が全然違うのです。
オリジナル版のロボコップはその辺の犯罪者をちぎっては投げちぎっては投げの無双っぷりが楽しかったのですが、本作ではアクションシーンそのものが少なめです。
主となるドラマは、機械になってしまった主人公の悲哀、企業の暗躍です。
主人公の悲哀はオリジナル版と「正反対」の描き方をされており、感情移入がしにくくなっています。
企業の事情はオリジナル版よりも複雑に描かれ、かつ「いろいろあってロボコップが企業に勝手に改造されたりする」だけの描写に留まっています。
何より、今回のリメイク作は「真面目」すぎるのかなあ・・・と思いました。
オリジナル版では「すげー!ロボコップ強えー!」「犯罪者のク○野郎!ロボコップが成敗してやるぜ!」というノリが楽しくって仕方が無かったのです(注:自分の中二心が増し増しになっています)が、今回のロボコップは企業で抑圧されながら戦うサラリーマン程度の印象なのです。
オリジナル版もサラリーマンのような悲哀は確かに描かれていたのですが、それはドラマの主題ではなく、ヒーローに感情移入をさせるための「味付け」でした。
しかし、本作はサラリーマンの姿ばかりを描写したばかりに、敵をやっつけるヒーローとしての爽快感がまるでないのです。
純粋な男の子の心を持っている方ほど、この点はがっかりするのではないでしょうか。
動きに「ロボらしさ」が無くなったのも賛否ある点かもしれません。オリジナル版のピーター・ウェラーは、CGなどに頼らず機械であるがゆえの動作を表現していましたが、今回はキビキビと人間らしく動いてしまっています。
よい部分もあります。
オリジナル版ではほとんど「いない」状態になっていた主人公の家族が重要な存在となっているのは見逃せないですし、時折TV番組の司会として出てくるサミュエル・L・ジャクソンのキャラも面白いです。
オリジナル版でも「悪趣味なCM」でアメリカの社会を茶化していたのですが、今回はそこがさらに直接的に描かれています。社会を皮肉るブラックジョークとしては、なかなか楽しめました。
トータルではオススメはできません。
SF的なガジェットも大きな驚きは与えてくれないし、単純なアクション映画を求める方にもいまひとつな印象になってしまうのではないでしょうか。
オリジナル版のことをひとまず忘れて、大真面目な企業戦士を描いたドラマとして観ることができる方にはそこそこにオススメします。
でも・・・やっぱり観たいのは格好いいヒーローの姿なんだよなあ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 少しだけオリジナル版のネタバレに触れるところもありますのでご注意を。基本的に不満ばかりを漏らしていますので、この映画が好きな人にはごめんなさい。
個人的お気に入り度:4/10
一言感想:いいところが少なくなっちゃった
あらすじ
2028年のデトロイト。警官のアレックス・マーフィー(ジョエル・キナマン)は爆破事件に巻き込まれるも、かろうじて命を取り留める。
アレックスは巨大企業・オムニ社の最先端のテクノロジーによって、機械化した警官「ロボコップ」として生まれ変わることを余儀なくされる。変わり果てた自分の姿を見て動揺するマーフィーは、研究所の外へ出て行こうとするが・・・
ポール・バーホーベン監督による1987年のSF映画「ロボコップ」のリメイク作品です。
![]() | ピーター・ウェラー 1124円 powered by yasuikamo |
オリジナル版の魅力には、
・荒唐無稽な機械警官を導入されるまでの設定に手が込んでいる
・ヒーローとしてのロボコップが格好いい
・爽快感抜群
などがありました。
その点を今回のリメイク作にも期待していたのですが・・・正直、がっかりとしか言いようがありません。
まず物語の導入部分が異なります。
オリジナル版では「これではもう機械化した警官を導入するしかない!」という状況をあの手でこの手でつくっているのですが、このリメイク版ではかなり説得力がありません。
設定自体はほぼそのままなのですが、その描き方が全然違うのです。
オリジナル版のロボコップはその辺の犯罪者をちぎっては投げちぎっては投げの無双っぷりが楽しかったのですが、本作ではアクションシーンそのものが少なめです。
主となるドラマは、機械になってしまった主人公の悲哀、企業の暗躍です。
主人公の悲哀はオリジナル版と「正反対」の描き方をされており、感情移入がしにくくなっています。
企業の事情はオリジナル版よりも複雑に描かれ、かつ「いろいろあってロボコップが企業に勝手に改造されたりする」だけの描写に留まっています。
何より、今回のリメイク作は「真面目」すぎるのかなあ・・・と思いました。
オリジナル版では「すげー!ロボコップ強えー!」「犯罪者のク○野郎!ロボコップが成敗してやるぜ!」というノリが楽しくって仕方が無かったのです(注:自分の中二心が増し増しになっています)が、今回のロボコップは企業で抑圧されながら戦うサラリーマン程度の印象なのです。
オリジナル版もサラリーマンのような悲哀は確かに描かれていたのですが、それはドラマの主題ではなく、ヒーローに感情移入をさせるための「味付け」でした。
しかし、本作はサラリーマンの姿ばかりを描写したばかりに、敵をやっつけるヒーローとしての爽快感がまるでないのです。
純粋な男の子の心を持っている方ほど、この点はがっかりするのではないでしょうか。
動きに「ロボらしさ」が無くなったのも賛否ある点かもしれません。オリジナル版のピーター・ウェラーは、CGなどに頼らず機械であるがゆえの動作を表現していましたが、今回はキビキビと人間らしく動いてしまっています。
よい部分もあります。
オリジナル版ではほとんど「いない」状態になっていた主人公の家族が重要な存在となっているのは見逃せないですし、時折TV番組の司会として出てくるサミュエル・L・ジャクソンのキャラも面白いです。
オリジナル版でも「悪趣味なCM」でアメリカの社会を茶化していたのですが、今回はそこがさらに直接的に描かれています。社会を皮肉るブラックジョークとしては、なかなか楽しめました。
トータルではオススメはできません。
SF的なガジェットも大きな驚きは与えてくれないし、単純なアクション映画を求める方にもいまひとつな印象になってしまうのではないでしょうか。
オリジナル版のことをひとまず忘れて、大真面目な企業戦士を描いたドラマとして観ることができる方にはそこそこにオススメします。
でも・・・やっぱり観たいのは格好いいヒーローの姿なんだよなあ。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 少しだけオリジナル版のネタバレに触れるところもありますのでご注意を。基本的に不満ばかりを漏らしていますので、この映画が好きな人にはごめんなさい。
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