ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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必要とされたい 映画「アメイジング・スパイダーマン2」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアメイジング・スパイダーマン2です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ずいぶん詰め込んだなー


あらすじ


ピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は、恋人のグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)の父のことばを気にかけていながらも、スパイダーマンとして充実した毎日を送っていた。
一方、設計士としてオズコープ社で働くマックス(ジェイミー・フォックス)はスパイダーマンに助けられたことをきっかけに、彼に妄信的な感情を持つようになる。
そんな折、旧友のハリー・オズボーン(デイン・デハーン)がニューヨークに戻ってくる。ハリーはオズボーン家伝統の“呪い”により、その死が目前となっていた……。




2012年に公開されたリブート作「アメイジング・スパイダーマン」シリーズの第2弾です。
<レビューはこちら>

今回の何がすごいって、「前作は前フリにすぎませんでした」と言いたげな詰め込みっぷりです。
具体的にはこんな感じです。

①ヴィラン(悪役)は3人も登場
②ピーターの、恋人グウェンへのふるまい方の葛藤
③ピーターの、旧友ハリーに対しての葛藤
④ピーターの、本当の父と母に対しての想い
⑤目立たない社員・マックスの悲劇
⑥旧シリーズとは異なるハリー・オズボーンの葛藤
⑦グウェンの新たな旅立ち

これを1本の映画で描いているのですから、そりゃ上映時間が2時間23分と長くなるってもんです。
このドラマの多重構造っぷりは長所であり欠点。よく言えばボリューム満点、悪く言えば観ていてかなり疲れてしまいます。
本作と同じくドラマが詰め込まれたサム・ライミ版の「」が苦手だった方は、今回もいまいちなのではないでしょうか。
本作は事前のトイレもしっかりすませ、体調の良いときに観たほうがいいでしょう。

アクションの派手さは前作を凌駕しまくっています。
予告編で観たような破壊しまくりのアクションはもちろん、スローモーションが有効活用された見せ場も満載です。

3Dの効果もほどよく、前作と同じく3D版をチョイスする価値も十分です。
なお、シネマサンシャイン平和島一部のコロナワールドでは“4DX”の上映が実施中です。
風の演出が見事とのことなので、お金に余裕がある人はこっちを選んでみるのもいいでしょう。

思えば、スパイダーマンの能力って、クモの糸を出すことと、驚異的な身体能力しかないのですよね。
→「スパイダーセンス」という一種の超感覚があり、危険を素早く察知出来たり、死角からの不意打ちにも対応できたりすると、ご指摘を受けました。
それでも、作中では今までにないアイディア満載のアクションシーンの連続。むやみにパワーアップや新能力などを追加せず、新たな見せ場をつくるサービス精神には脱帽するしかありません。

ファンの期待に応えつつも、意外な展開で驚かせようとする気概も感じられました。
これは原作コミック読者にとってはうれしい要素。アメコミファンであればあるこそ、きっと本作を楽しめるでしょう。

音楽がこれまたよかったですね。

Original Soundtrack
1680円
powered by yasuikamo

敵にエレクトロがいるだけに、エレクトロ・ミュージックらしい楽曲がシーンを盛り上げてくれました。

新たな役者では、ハリー役のデイン・デハーンが見逃せません。
クロニクル」で圧倒的な存在感を見せつけた彼は、今回は狂気とも思える怪演を見せてくれます。

難点は、前述のとおり詰め込みすぎて散漫な印象があること、ピーターことスパイダーマンの性格が相変わらずチャラいため人によってはイライラしてしまうことでしょうか。
このあたりで、「旧シリーズのほうが好き!」という人が多くなってしまうのも、仕方がないのかもしれません。

ちなみに、マーク・ウェブ監督によると、今回のテーマは「時間」とのこと。
作中ではとある印象的なシーンで「時計」が登場するので、その意味を噛みしめてみることをおすすめします。

今作でさらなる世界観の広がりを見せた「アメイジング・スパイダーマン」シリーズは、すでに第3弾と第4弾の公開も決定しています。
さらにエンドロールの途中にはとあるサプライズが……(IMAX版にはないそうです)これは見てのお楽しみです。
エンドロール後のおまけはそのひとつのみ。それ以降は帰っても大丈夫ですよ。

以下、結末も含めてネタバレです 観賞後にご覧ください↓ 前作のネタバレもふんだん(オチ含む)なのでご注意ください。

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2014-04-29 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 1
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不幸の原因、告白の真意 映画「ある過去の行方」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はある過去の行方(英題:The Past)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:過去ばかりに囚われてもだめだなあ・・・


あらすじ


アーマド(アリ・モサファ)は、離婚手続きを行うため、4年前に別れた妻マリー=アンヌ(ベレニス・ベジョ)が住むパリに戻ってきた。
マリーには新しい恋人のサミール(タハール・ラヒム)がおり、家には長女のリュシー、次女のレア、サミールの連れ子のファッドが住んでいた。
長女のリュシー(ポリーヌ・ビュルレ)の帰りは毎日遅い。実はリュシーには、家に帰りづらい理由があり・・・




彼女が消えた浜辺」「別離」のアスガー・ファルハーディー監督最新作です。
今までの作品はイランでつくられていましたが、本作はフランスのパリが舞台となっています。

これまでの監督作品のすべてに、以下のような特徴があります。

①男女のドロドロしたいざこざを描く
②明確な悪意を持っている者が誰もいないのに、みんな不幸になっていく。
③序盤の何気ない描写から人間関係が見えてくる
④衝撃の展開が次々と押し寄せるサスペンス劇
⑤役者の鬼気迫る演技がすさまじい
⑥BGMはほぼなし
⑦土地柄(宗教や文化)ならではの要素が作品に影響を及ぼしている

もうね、①や②のような内容が好きな人はぜひ劇場で観てください。
アスガー監督の作品は、「どういう人生を送ったらこんな映画が撮れるんだ?」と思わせるほどの男女関係の“こじれ”を描いています。
誰もが相手を貶めようとして行動しているわけでもないのに、ほんの少しの歯車のズレにより人間関係がどんどんもつれていき、どんどん不幸のスパイラルに陥っていくのです。

その過程を観るのは精神的にツラいのですが、画面に釘付けになるほどの面白さがあります。
③のような特徴を持つため序盤はやや退屈なのですが、開始から20分ほど経つと、衝撃の展開に驚き、また伏線がいかに巧みに張られている作品であるかに気づけるはずです

今作で主人公のひとりを演じたベレニス・ベジョは、「アーティスト」ではチャーミングな女性を演じていたのですが、今作では正反対の役を演じており、その観客をひきつける力は圧巻のひと言。子役も含めて超・演技派が勢揃いしているので、役者の演技を重視する人にとっても必見の内容でしょう。

以下に登場人物を紹介してみます。

マリー=アンヌ<マリー(ベレニス・ベジョ):神経質っぽい女性
アーマドアーマド(アリ・モサファ):マリーの元・夫
サミールサミール(タハール・ラヒム):マリーの現在の恋人
リュシー<リュシー(ポリーヌ・ビュルレ):ある秘密を抱えている長女
ファッドファッド(エリス・アギス):何かを知っていそうなサミールの息子

彼らに隠された過去とは何であるのか、“不幸”の原因は誰にあるのか、その答えを探すサスペンスとして、本作は高い完成度を誇っています。
ごく自然な会話でのみで、次第に人間関係の輪郭がくっきりしてくる描写は、見事というほかありません。

好き嫌いはわかれる内容です。
登場人物の境遇を考えるだけで胸が痛くなりますし、観ていてちっとも楽しくありません。

しかし、映画でしか体験できない、至高のドラマがそこにはありました。
映画好きの方こそ、劇場で堪能してください。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
本作は上映館が少なく、現時点で観た人はごくわずかだと思うのですが、これは語ろうとするとネタバレしないわけにはいかないので・・・未見の人は読まないで!

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テーマ : 映画レビュー
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2014-04-24 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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本当の父親 「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃんです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:父親だけじゃなく、家族に観てほしいなあ


あらすじ


野原ひろしは、息子のしんのすけと遊んでいてギックリ腰になってしまう。
そんなときに見つけたのが怪しいメンズエステ。そこで眠ったひろしは、なんとロボットに変身して家族の前に姿を現した。
さらに、父親の権限を守るためのデモ隊「“ちちゆれ(父よ勇気で立上がれ)”同盟」が結成される。ロボットとなったひろしと春日部中の父親に、安住の地はあるのかー




*小ネタ、結末に関して多数の意見をいただき、追記しています。ありがとうございました!

毎年公開されている、国民的人気アニメ・クレヨンしんちゃんの劇場版第22作目です。

劇場版のいくつかは「大人も泣ける」ことでも話題となっており、今作も大人へ向けたメッセージが込められています。
なにせ、今回の敵キャラが主張するのは、世の中の父親たちは家庭で邪見にされすぎている→世の父親は威厳を取り戻して亭主関白になるべきであるというもの。ストレートすぎるほどに世の中のお父さんがターゲットですw

しかし、映画の着地点は「父親が一番偉いんだ」ということではありません。
決して押し付けがましくなく、あるべき家族の姿を見せてくれます。
本作を観た後は、きっと父親は家族の中での自分の役割を見直し、妻や子どもは父親にもっと優しくしたいと思うことができるでしょう。

さらに、どう考えても大人にしかわからないネタもぶち込まれています。
この「わかる人だけわかればいい」と割り切っているギャグに子どもはキョトンとすること必死。お父さんは大いに笑ってから、ぜひ子どもにその意味を教えてあげましょう。
今回の物語の焦点にあるのは、日本を代表するかっこいい(ある意味ではかっこわるい)お父さんの野原ひろしが突然ロボットになってしまい、自分の立ち位置やアイデンティティについて悩むというものです。

ロボットになってもひろしはひろしのままなのか、ロボットになっても“父親”として生き続けることが可能なのかー
これまでにSF作品で描かれてきた「ロボットの葛藤」に、「父親としてのあり方」というテーマをも組み込んでいるのです。
このふたつの物語の軸が最後までブレることがないのが見事。
特殊なシチュエーションは気軽に笑えるギャグとして昇華されています。

そして、ラストにはこれ以上のない爽やかな感動が待っています。
しかもこのラストは、観た人によって解釈がわかれるものになっています
クレヨンしんちゃんという(表向きは)子ども向けの媒体で、ここまでの奥深い物語を構築していることは、賞賛すべきでしょう。

ただ、本筋はとても面白いのですが、終盤の展開は「なぜそれをしないんだ」と、男(父親)心をくすぐるはずの展開から逃げているかのような違和感がありました。
アクション描写は突き抜けてはおらず、原恵一監督時代の抜群の面白さを期待すると、本作は少々肩すかしなのかもしれません。

ちなみに、ゲスト声優としてコロッケ武井咲が参加しているのですが、どちらもめちゃくちゃ上手いです。
本職の声優となんら遜色のない演技と声質であったので、言われなければまずわからないでしょう。
どのキャラクターをコロッケと武井咲が演じているのか、観ながら予想してみるのもいいかもしれません。

また、本作の制作スタッフは大変豪華で、現在放映中のテレビアニメ「ピンポン」でも監督を務めている湯浅政明や、「天元突破グレンラガン」や「キルラキル」でも脚本を手がけた中島かずきが参加しています。
ていうか、オープニング映像で思い切りグレンラガンネタがあったんですけど・・・大人だけでなく、アニメファンにしかわからないネタまで仕込むとは恐れ入りました。
アニメをよく観ている人は、作品の随所に“湯浅政明節”“中島かずき節”を感じることができ、より楽しめるかもしれません。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
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2014-04-22 : 映画感想 : コメント : 23 : トラックバック : 0
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哀しき冬の戦士 映画「キャプテン・アメリカ2/ウィンター・ソルジャー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はキャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:シリアスかつ大胆なアメコミ映画進化系!


あらすじ


アベンジャーズの闘いから2年、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)はS.H.I.E.L.D.の一員として活動していた。
ある日、戦艦が何者かに襲撃されたとの情報が入り、キャプテンとブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)は人質の救出作戦に向かう。
キャプテンは作戦中に不審な点を感じる。また、司令官のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン0)に新たな刺客が襲いかかり・・・




*原作を知る方から多数の意見をいただき、追記しました。ありがとうございます!

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」から3年ぶりとなる続編であり、「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第9作目です。

「アイアンマン」からはじまったこのシリーズのヒーローは「アベンジャーズ」で合流&共闘を果たし、物語の風呂敷もどんどんと広がっています。
それは、作品ごとに“つながり”を感じることができ、キャラクターに厚みが増しているという点ではうれしい要素です。

ただ、シリーズ化している以上、100%楽しむためにはすべての映画シリーズと原作コミックに触れておく必要があります。
本作においてもシリーズで共通して登場するキャラクターが多いので、少なくとも前作「ファースト・アベンジャー」と「アベンジャーズ」を事前に観ておいたほうがよいでしょう。
シリーズが長く続いたぶん、はじめて観る観客には敷居が高くなってしまうのは、ある意味では欠点なのかもしれませんね。

前作を観ていない、または展開を忘れてしまったという方は、ブラック・ウィドウニック・フューリーマリア・ヒルというキャラのことをちょっぴり思い出してから、劇場へ足を運ぶことをおすすめします。


さて、本作はアクションとドラマの両者において、前作よりも格段に密度を増しています。

アクションはとにかく破壊しまくり、キャプテン・アメリカの体術が炸裂しまくりで、前作は前フリと言わんばかりの圧倒的なサービス精神に溢れていました。
キャプテンの武器は盾しかないので、ふつうに演出をすれば地味になってしまうでしょう。
しかし、本作ではその制限がある中でもアイデア満載の格闘シーンばかりでした。これはぜひ大画面の劇場で味わってほしいです。

前作は“キャラクターの紹介”と“悪の組織の説明”が主な内容である印象でしたが、今作はキャラクターがもう知られている前提での新たなドラマが構築されています。
キャッチコピーに「アベンジャーズ以外、全員敵」とあるように、本作でキャプテン・アメリカは周りの協力がないまま行動をすることになります。誰か敵なのかがわからない“疑心暗鬼に”なるドキドキ、圧倒的に不利な状況から抜け出すまでの過程には、確かな面白さがありました。

そして個人的な一番のお気に入りポイントが、今回の敵キャラがやたらとカッコイイことです。
ちょうかっけえ ちょうかっけえその2 やっぱりかっけえ<KAKKEEE!
いやもうね、そのたたずまいといい、金属製の腕といい、自分の中二心が刺激されまくりでした。
この謎の敵の正体が何者なのかは、ぜひ映画を観て確認してほしいです(公式サイトやWikipediaなどでは思い切りネタバレしているのでご注意を)。
ほかにも、実写映画初登場となるマーベル・ヒーローが登場するのでお楽しみに。

難点は、組織(S.H.I.E.L.D. )の内部事情に焦点が当たっている作品のため、多少物語が複雑になっていることでしょうか。
お子様には向かない内容であると思いますし、ユーモア満載だった「マイティ・ソー2/ダーク・ワールド」と比べるとかなりシリアスな作風になっているので、息苦しさを感じる方が多いのかもしれません。

上映時間は2時間16分と長めですが、サービス精神の豊富さ、展開の緩急のつけ方上手いこともあり長さを感じさせません(むしろここカットしたよね?と思わせるシーンさえありました)。
アメコミ・ヒーローファンにとっては必見の内容ですし、前作「ファースト・アベンジャー」がイマイチだった方にも今回のバトルシーンは気に入るのではないでしょうか。

2Dで観たのですが、特に3Dで観たいと思える画はなかったので、今回は2Dで充分でしょう。
恒例となった「エンドロール後の2つのおまけ」もあるので、途中でお帰りなきよう。

ちなみに、タイトルの「ウィンターソルジャー」とはベトナムから帰還したアメリカの兵士たちによる集会の名前です。ドキュメンタリーとして映画化もされています。
ドキュメンタリー映画
4298円
powered by yasuikamo
ベトナムに送られた兵士たちは上官の“しごき”により洗脳され、戦場という場所で次々と人を殺していきます。その凄惨な事実を語るのが「ウィンターソルジャー集会」なのです。
なぜこの名前をタイトルに冠しているのか?それを知りたければ、ぜひ劇場へ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 若干の原作コミックと前作のネタバレもあるのでご注意を

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2014-04-20 : 映画感想 : コメント : 16 : トラックバック : 1
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自主製作映画を応援したい!「それから、」の監督神谷正智・正倫兄弟にインタビューしてみた

自主製作(制作)映画というものをご存知でしょうか。
商業用の映画ではない“インディーズ”の作品のことで、デジタルビデオカメラや編集技術の発達からアマチュアで映画を撮る方も多くなっているのです。

去る2014年3月21日、自主製作映画の「それから、」を観ました。

それからー

監督・製作・脚本を手がけたのは、ブログ「降ったり晴れたり」「く○映画学会」をそれぞれ運営されている神谷正倫・正智さんのふたり。なんと双子で映画を撮られているのです。

本作の感想をかいつまんで言えば、「いい日本映画を観た!」ということでした。
「家族」の描写が繊細で、ほんの少しの描写でその関係や人となりが見える様が実に魅力的でした。

映画を観た後に、監督おふたりにお話を伺いました。

神谷兄弟と
*左から神谷正智さん、女優の関根愛(せきね めぐみ)さん、神谷正倫さんです。

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2014-04-17 : いろいろコラム : コメント : 0 : トラックバック : 0
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 “舞台『戦国BASARA3』”はいろいろとトンデモなかった

ファミ通.comにて記事を書きました。

<ついに公演開始! “舞台『戦国BASARA3』-咎狂わし絆-”ゲネプロ公演をリポート 新しい宴会芸も?>

 知らない方に『戦国BASARA』がどういった作品であるかを端的に説明すると、“戦国武将を美形にし、とことん派手なエンターテイメントに仕上げたトンデモ歴史絵巻”です。

 具体的には、徳川家康が拳で戦うイケメンになっていたり、真田幸村が現代的な赤いジャケットを着ていたり、伊達政宗が6刀流のうえに「レッツパーリー!」などと英語を話したりします。ファンからは、そのトンデモっぷりも“『戦国BASARA』なら仕方がない”、“『戦国BASARA』にはよくあること”などと愛されています。

*伊達政宗です。

参考↓
<色々な意味で凄すぎる「戦国BASARA」まとめ:カフェオレ・ライター>

東京では現在〜ゴールデンウィーク中に公演中、その後に大阪・名古屋でも公演開始予定。
記事内に書いた「清須会議」よりはるかに面白かったので、『戦国BASARA』を知らなくてもみんな観ればいいと思うよ!
2014-04-17 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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開花された能力 映画「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はパラノーマル・アクティビティ 呪いの印(原題:Paranormal Activity:The Marked Ones)です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:そろそろ完結してほしいなあ


あらすじ


2012年6月、カリフォルニア州オックスフォード。
青年ジェシー(アンドリュー・ジェイコブス)は高校卒業と同時に18歳の誕生日を迎えた。
ジェシーは集合住宅の一階に住むアナという中年女性の様子に不審さを覚え、悪友のヘクターとともに部屋で何が行われているかを探そうとする。
時を同じくして、ジェシーの体にはとある変化が現れていた・・・




低予算ながらスマッシュヒットを遂げた「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの第5作目(日本版を含めたら6作目)です。

この映画は「部屋で起こっていた超常現象をビデオで撮る」というアイディアが秀逸なのであって、それに続くシリーズは二番煎じにすぎないと思っている方も多いでしょう。

それは半分当たっているのですが・・・そのマンネリ化を防ぐために新たなアイディアも続々と取り入られています。
日本版第2章”では2画面での恐怖を演出し、
”では“左右に振って動くカメラ”が登場し、
”では“キネクト(テレビゲーム)”が大活躍をしていました。
え?アメリカ版2?まあ続編の宣伝は斬新でしたよ、うん。

今回の「呪いの印」ではどうかと言うと、ちゃんと新たな要素を入れてきています。

まず、シリーズおなじみの固定カメラの映像がほんの少ししか出てきません
主流となるのは手持ちカメラの映像であり、登場人物と行動をともにするというライブ感はパワーアップをしていました。おなじみであった“第○夜”というテロップすら出てきません。
そのぶん、“何かが映っている”というじわじわ追いつめられる恐怖は希薄になっており、シリーズの個性を殺しているようにも感じました。

また、超常現象そのものも今までのものとは変わっています。
具体的に言えば、家の中ではなく、主人公の体そのものに異変が起きます。
作中に起こる現象は、”POV”の映像も相まって「クロニクル」を彷彿とさせるものでした。
これも、今までのシリーズとは別物だと思わせてしまう要素になっています。

“新しいアイデアを取り入れる”と“シリーズの伝統を守る”というのは相対するものであり、作り手にとってはジレンマになります。
今回は思い切り前者のほうに傾倒しているため、「もはやパラノーマル・アクティビティじゃないじゃん」と思う方は少なくないはずです。

単純に“5”とナンバリングされず、番外編のような扱いになっているのもそのためでしょう。
個人的にはなんだかんだでこのシリーズの伝統芸(マンネリ具合)も嫌いではなかったので、少し寂しさを覚えてしまいました。

気に入らなかったのは、今までのシリーズでさんざん伏線を張っておきながら、全く回収する気配がないことですね。
むしろ謎はさらに増えており、大風呂敷をどんどん広げている感じなので、もはやスッキリと物語が完結することは期待できません。
長寿シリーズになった「SAW ソウ」もシリーズを追うごとにどんどん謎は増えていきましたが、ちゃんと伏線の回収もしていったのに・・・どうにもシリーズを追う気力がなくなってしまうのは、本作の弱点だと思います。

恐怖演出はちゃんとしているので、ホラー映画としてはほどよく怖がれます。
ただ、アイデアは「クロニクル」という前駆者がいるためか凡庸に感じてしまいます。
伏線はあまり効果的に使われておらず、クライマックスの展開が強引極まりないこともあり、映画としての面白さはいまひとつと言い切っていいでしょう。

「ソウ」とは違って、話自体はシリーズを観ていなくてもこの単体で楽しめますが、それなりにシリーズのつながりもあるので、1作目を観ておいた方がよいでしょう。
個人的には、このシリーズの二大秀作(と勝手に思っている)“日本版第2章”と“3”を観てみるのもおすすめです。

「もう1〜2作ぐらいなら付き合えるよ」と思える心の広い方は、ぜひ劇場へ。
今回はエンドロール後のおまけはないので、途中で帰っても大丈夫ですよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-04-16 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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あと少しだけこのままで 映画版「L♡DK」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はL♡DKです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:ポスターのイメージと違う・・・


あらすじ


一人暮らしをしている女子高生・西森葵(剛力彩芽)は、となりの部屋に住んでいるのが学校一のモテ男の久我山柊聖(山崎賢人)であることを知る。
しかも葵のドジが発端になり、ふたりは期せずにしてひとつの部屋で“同居生活”をすることになってしまう。
バレたら学校を退学しかねない状況で、葵はなんとかこの秘密を守り通そうとするのだが・・・




どうしよう・・・意外と面白かった・・・

少し前から「映画というのは観なければわからない」ということは重々承知していましたが、①少女漫画原作、②ピンクがまぶし過ぎるポスター、③剛力彩芽主演と、数え役満のようにデストロイ臭が漂う本作が面白いとは思ってもみなかったのです(本当すみません)。

今作は、渡辺あゆによる同名の漫画を原作としています。

渡辺 あゆ
463円
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タイトルの意味は「ラブ同居」。あらすじは「大嫌いなあいつと同居することになっちゃった〜きゃ〜ど〜しよ〜」というもの。設定勝ちな感じですね。

突然ですが、自分は「イケメンの彼氏が強引に迫って来て、主人公は特に何もしなくても一方的に迫られる」少女漫画の展開が好きではありません(ていうか大嫌い)。
イケメンに好きだって言われてきゃ〜どうしよ〜というのが楽しめる女子中高生ならいいですが、お互いの気持ちを確かめ合う恋愛において“努力”や“成長”が描かれないのは納得ができないのです。

原作は読んでいませんでしたが、予告編を観た段階ではこの「L♡DK(←ハートがイラつく)」も、そういう「イケメンがせまってきて好きになられて万事OK」な作品なんだろうと高をくくっていましたがすみませんそんなことはなかったです
それどころか、“恋愛の苦しさ”こそにスポットライトを当てている作品だったのです。

本作に登場するイケメンには隠された過去があり、彼が人を邪見にしているのにもしっかりした理由があります。
ヒロインもただ振り回されるだけでなく、自分から問題に立ち向かおうとしています。
サブキャラクターの描写も丁寧で、万人が楽しめる人間ドラマがそこにはありました。

作中では主人公が恋愛の苦しさについてつぶやき、お互いの“距離感”について考えるシーンもあります。
それは恋愛に悩む多くの方が共感できるものであり、説得力もじゅうぶんでした。

これはポスターのイメージとは違います。
LDK ポスター<遠目で見てもキツいポスター
作中ではむやみにキラキラした演出などは使っておらず、ピンクを基調とした画はほぼ皆無です。
青春映画として手堅いつくりになっており、少女の理想ばかりがフューチャーされたアマアマなデコレーションケーキではなく、ビターな苦みもあるチョコレートケーキのような印象さえ持ちました。
むしろあのポスターは逆効果じゃないのかなあ・・・

また、世間では批判を浴びまくりな剛力彩芽さんですが、この映画では悪くなかったです。
少々オーバーアクト気味ではありますが、ドジで振り回されてばかりの女子高生を好演しています。
長髪のかつらが似合っていないとか、くしゃみをする演技がド下手くそなど気になる点はなくはないですが、許容範囲です。
作中に剛力彩芽主演ならでは皮肉(っぽいもの)があったのには笑ってしまいました。

ありえないシチュエーションは、「映画だから」と割り切って乗り超えましょう。
主人公が特に理由なくイケメンたちにモテまくるのは、少女漫画の特性だと思って乗り超えましょう。
イケメン過ぎてむしろきもちわるい男性ばかり出てくるのも、少女漫画の特性だと思って乗り超えましょう。
剛力彩芽は作中で変顔ばかりしていますが、脳内で美少女に変換して乗り超えましょう。
・・・うん、乗り越えるハードルはけっこう高い気がしますが、面白いですよ、本当に。

ただ、終盤の展開は残念です。
今まで丁寧に築いてきたエピソードが急に雑に扱われてしまったような印象を受けました。
序盤から展開にツッコミたくなる点も多々ありますし、映画としての完成度はそれほどでもないでしょう。

それでも、主演の山崎賢人のイケメンっぷり(半ヌードもあるよ!)を期待する人、少女漫画的なトキメキを求める人にはぜひおすすめします。
少女漫画は胸キュンが楽しめてナンボ。その点ではこの作品は優秀です。
剛力彩芽さんばかりを批判せず、ただただイケメンに振り回されるシチュエーションを期待するのも、悪くはないかもしれませんよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-04-15 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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史上最悪の主人公 映画「クローズEXPLODE」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はクローズEXPLODEです。


個人的お気に入り度:2/10

一言感想:explodeどころか不発


あらすじ


東出昌大「俺はケンカとかしねーし」→結局ケンカする話




人気ヤンキー漫画「クローズ」の映画化作品の第3弾です。

前作「クローズZEROII」の公開から5年の月日が経っていることもあり、本作はキャストも一新してリブート作のような様相になっています。
前々作「ZERO」と「ZEROII」の監督は日本を代表するヒット・メイカーの三池崇史でしたが、本作では「青い春」「空中庭園」の豊田利晃にバトンタッチ。作品のタッチも暴力で押し通すものから、ドラマを重視するスタイルに切り替わっている印象を受けました。

ヤンキーを主人公とした映画なので、当然不良ばっかり出てきます。
高校の荒れ具合はどこの世紀末だよっていう感じだし、先生やまともな生徒や授業風景は一瞬たりとも姿を見せません(笑)。
この極端すぎる世界を見て「こんな高校ねーよ!」楽しくツッコミを入れられるのはこのシリーズの長所です。

 核戦争後?*核戦争後の世界ではありません。

新しいキャスト勢もいい仕事をしています。
柳楽優弥の強面は「誰?」と思わざるを得ない変貌っぷりで、永山絢斗には他を圧倒する存在感があり、勝地涼演じるお調子者キャラもいい味を出していました。
どう見ても高校生じゃない老けかたをしているのは、まあ大目に見ましょう。

映画のクローズファンにとっては、前作からのキャラクターが数人登場するのもうれしい要素。おなじみのキャラクターが高校を卒業しても、変わらずに近くに愛すべきOBがいるというのは、久しぶりの同窓会に参加したかのような楽しさがありました。

えーと、本作のいいところは以上です。映画自体は恐ろしいくらいにつまらないのでびっくりしました。
とりあえず以下にいろいろと問題点を書き出してみましょう。

①主人公に魅力なさすぎ。
物語は東出昌大演じる主人公が不良高校の鈴蘭に転校してくるところからはじまるのですが、なんとこいつは「俺はケンカしねえんだよ」「だりいな」とかほざきます。
鈴蘭では暴力により“頂点”に立つことが理想とされている場所なので、当然「何でお前は鈴蘭に来たの?」「やる気がねえなら鈴蘭来るんじゃねえよ!」というツッコミを入れられます。
ふつうだったら主人公の「鈴蘭に来た本当の理由」が描かれるはずなのですが、この映画ではその流れを完全放棄しており、結局ケンカをするだけの内容になっています。

②全然熱くなれない
前作までの魅力は、主人公たちが“暴力”でのし上がることにこそありました。
登場人物が暴力により相手を倒し、頂上を目指す過程には(不謹慎ながら)爽快感があったのです。
しかし、本作では「てっぺんを取って何があるんだ」「俺はケンカしねえし(主人公はこればっかり)」とウジウジ価値観に悩むシーンばかりがクローズアップされるので、全然熱くなれないのです。

③ドラマ中途半端過ぎ
本作では鈴蘭高校の内部抗争だけでなく、ライバルとなる黒崎工業高校との確執、黒崎興行高校内での軋轢、ヤクザの陰謀、鈴蘭高校OBの物語と、多くのエピソードが羅列されているのですが、その全ての物語が中途半端な決着に留まっており、全く面白くありません。
ちょっと話を描いた→途中で終わって別の話という流ればかりで、肝心のケンカシーンが少ないせいもあり退屈で仕方がありませんでした。

④ケンカつまんなすぎ
主人公の強さの理由がわかりません。ボスキャラの個性も希薄です。

⑤説得力なさすぎ
主人公があれだけやる気がないのに、他の登場人物がやたらと彼を持ち上げるのにもうんざりしたし、後半にかけてあれよあれよと都合のよい展開ばかりが押し寄せるのでがっかりを通り越して怒りがわいてきました。

総じて脚本の投げやりっぷりがすさまじいです。
今回の脚本には3人がクレジットされていたのですが、三人寄れば文殊の知恵とはならず、船頭多くして船山に登るになっていまったのかなあ・・・と勘ぐりたくなりました。

いままでの「クローズ」には暴力を否定的に捉えている人(自分含む)を引き込むほどの熱い男の生き様があり、娯楽性も抜群でした。
しかし、本作では暴力そのものを否定的に捉えまくり、ケンカ自体がつまらないというヤンキー作品として最悪の内容になっているので、フォローしようがありません。

前作と前々作が好きだった人には黒歴史化してしまいそうな内容ですし、新しくクローズの世界に触れようとしている人にもおすすめできません。
唯一薦めれそうなのは役者のファンくらいのものですが、東出さんのキャラクターはひどくつまらないしなあ・・・

EXPLODE(爆発)どころか、はじめから導火線に火が点いていないガチの残念作品です。
予告編の最後に「もっと熱くなれ」と言っていますけど、そのことば、そのままそっくり作品にお返しします。

以下、結末も含めてネタバレです↓ わりと本気で怒っているのでこの作品が好きな人にはごめんなさい

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2014-04-14 : 映画感想 : コメント : 14 : トラックバック : 0
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人間の権利 映画「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う(原題:The World's End)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:世界の平和<酒


あらすじ


40歳となったゲイリー・キング(サイモン・ペッグ)には未練があった。それは、高校卒業の日に達成できなかった、友人たち5人でひと晩に12軒のはしご酒をすることだった。
ゲイリーと仲間たちは故郷であるイギリス郊外の街ニュートン・ヘイヴンに戻り、終点となる12軒目のパブ“ワールズ・エンド”を目指して、ひたすらビールを飲みまくる。だが、予想もしなかったトラブルに巻き込まれ・・・




ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホットファズ -俺たちスーパーポリスメン!- 」に続く、エドガー・ライト監督・脚本×サイモン・ペッグ主演×ニック・フロスト助演による最新作です。

このトリオの作品が、自分は大好きです。
これまでの作品は、テンポの良さ、オタク心満載の演出、終盤で怒濤のカタルシスが得られることで高い評価を受けています。
今回の『ワールズエンド』も、まさに期待通りのステキなおバカムービーに仕上がっていました。

何がステキかって、そのコンセプトです。
①俺たちは子どものころの気持ちを忘れちまった、あのはしご酒をしたときの感動もな!
②40歳になった今、達成できなかった12軒のはしご酒にリベンジしようじゃないか!
③酔っぱらいの俺たちが世界を救うぜ!

うん、頭が悪いね。どうやったら②→③への展開になるんだとツッコミたくなりますが、それは観てのお楽しみと言うしかありません。
この”日常系コメディのはずなのに、なんだか展開がおかしくなってしまう”ことも映画の魅力になっています。

キャラクターも紹介してみましょう。

ゲイリー<ゲイリー(サイモン・ペッグ):バカで破天荒な5人のリーダー格
アンディ<アンディ(ニック・フロスト):真面目な弁護士
オリヴァー<オリヴァー(マーティン・フリーマン):額に傷のある不動産屋
スティーブン<スティーブン(パディ・コンシダイン):建設現場で働く冷静な男
ピーター<ピーター(エディ・マーサン):気弱なカーディーラー
サム<サム(ロザムンド・パイク)オリヴァーの妹。はしご酒には不参加

ホビットで主演を務めたマーティン・フリーマンがいたり、「思秋期」で監督・脚本を務めたパディ・コンシダインが活躍し、ジェームズ・ボンド役で有名なピアース・ブロスナンが出演することも見逃せません。

今までの作品ではサイモン・ペッグが真面目な役柄を演じ、ニック・フロストのほうがおバカキャラになっていたのですが、今回は正反対の配役となっています。

よくよく見ると、キャラクターの中で不真面目でダメダメなのはサイモン・ペッグ演じるゲイリーただひとり。
ほかの仲間は真面目に働いており、家庭を持つ者もいます。
このことは、作中で重要な意味を持っていたりします。

作中ではクスクス、ゲラゲラ笑ってしまう小ネタやギャグがちりばめられており、どこかで観たようなシーンもあったりするので、映画ファンであればより楽しめるでしょう。
英語の“ことば遊び”が多いところも特徴のひとつ。町山智浩さんが字幕を監修したおかげで、そのほとんどをしっかり楽しむことができました。

音楽もよかったですね。

Various Artists
1022円
powered by yasuikamo

特にプライマル・スクリームの「Loaded」の曲調と歌詞(語り)は、作品にバッチリはまっていました。

また、サイモン・ペッグとニック・フロストというおっさんふたりのイチャイチャっぷりを楽しめるだけで自分は大満足だったりします。
このふたりは私生活でもたいそう仲が良いらしく、ふたりでいる写真を観ているだけで癒されます。それも映画ファンに愛される理由なのでしょう。

欠点をあげるのであれば、終盤の展開が個人的には好きではなかったことと、観た後にビールが無性に飲みたくなることですね。
公式ページでは5人で観れば1人あたり1000円になる劇場キャンペーンも実施されているので、仲のよい友だち同士で観て、その後に彼らのようにはしご酒をしてみるのもよいではないでしょうか。

くっだらない内容です(最大のほめことば)。
未成年者が酒を飲んだり、クスリをやったりするシーンがあるのでお子様にはおすすめしませんが、日々の生活に疲れているオトナにとっては清涼剤として働くことは必死です。
このトリオの作品が好きな人は是が非でも観るべきですし、何の予備知識がなくても楽しめます。当然、おすすめです!

ちなみに、作中ではビールの量をパイントで表しています。
1パイントは約568ミリリットル。日本のジョッキは500ミリリットルなので、1パイントはそれよりもちょっと多いくらいです。
12軒(12パイント)のはしご酒をするわけですから、彼らは約7リットルのも酒を一晩で飲むことに・・・飲み過ぎは、ダメ、絶対!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-04-12 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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これが真のレゴムービーの日本版予告編だよ!

先日、「レゴムービー」のゲスな日本版予告編があまりに嫌いだったので、海外版予告編に字幕をつけた動画を作成していました。
出来が悪かったので自己嫌悪に陥っていたのですが・・・なんと当ブログの読者であり、個人的にもお世話になっている「シオンソルト」さんが改善どころか完璧に仕上げた予告編をアップしてくれました!



すげえ!立体的に動くテロップが日本語になっているよ!
めっさ観にくかった字幕もかわいいフォントになっているよ!
バラバラだった文字の大きさも統一されているよ!
予告編の製作スタッフにシオンソルトさんがいたらよかったのに・・・と思うばかりです。


これを観て思い出したのが、「ロッキー・ホラー・ショー」のファンが製作した予告編です。
公式の予告編は出来が滅茶苦茶悪く、ファンによって作品の愛に溢れていている予告編がつくられていたのです。


*公式


*ファン製作バージョン

なんつーか、雰囲気が違い過ぎですよね。
作品を台無しにするような予告編が、金輪際出てきませんように!


↓予告編を製作していただいたシオンソルトさんのブログです
<タルティーン司令部戦略課室長日誌><LEGOムービーの感想はこちら(超ネタバレあり)>

↓おそらく、日本で一番「子ども向けの映画」について熱く語ることができる方だと思います。
<第2回「映画について語ろう会」>
(以下はネタバレ注意)
<劇場版しまじろうのわお!「しまじろうとくじらのうた」>
<ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~>
<かいけつゾロリ まもるぜ!きょうりゅうのたまご>
<プレーンズ>
お子さんの映画デビューを考えている親御さんは、ぜひシオンソルトさんのレビューを参考にしてみてください。

製作過程はこちら!↓
<『レゴムービー』のファントレーラーな話。>

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2014-04-10 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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働く人へ 映画「鷹の爪7 女王陛下のジョブーブ」ネタバレなし感想+作品のメッセージ

今日の映画感想は鷹の爪7 女王陛下のジョブーブです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:仕事って素晴らしい!


あらすじ


ジョブーブは人間の仕事に憧れを抱いていた。
仕事を探しに都会に出たジョブーブが出会ったのは、ハンドドライヤーの調節の営業をする会社を立ち上げたばかりの小泉という男だった。
小泉の正体は世界征服をもくろむ悪の秘密結社"鷹の爪"の総統。総統はひとまずジョブーブをアジトに連れて帰り、ジョブーブの思いもよらぬ能力を知ることになる。




すんげー面白かった!

本作のジャンルはフラッシュアニメーション。インターネットの黎明期から多数のフォロワーが産まれた人気コンテンツです。
自主製作であった「キミとボク」は高い評価を受けて実写映画化を果たし、漫画を原作とした「うちの3姉妹」や「監督不行届」といった商業用の作品も続々と世に出るなど、フラッシュアニメはクリエイターにとっても作品を表現する場として重要なものとなっています。

今作を手がけたFROGMANはその第一人者。何がすごいってその作品のほとんどで、監督、作画、更にはゲストを除く声優までを全て一人で手がけていることです。
代表作の「秘密結社 鷹の爪」でもそれは同様。一度観ればFROGMAN作品の虜になることは必死です。



フラッシュアニメらしい作画枚数の少なさを補って余りまくるのは、脚本の巧みさと、FROGMANが自身が声を当てているキャラクターの魅力です。
鷹の爪では吉田君という名キャラクターを生み出し、その美声(?)が評価され高性能音声合成ソフトウェアまでが誕生しました。

代表的キャラクター吉田<「鷹の爪」の象徴とも言えるキャラクター

彼の皮肉的な物言いと、時折かます強烈なボケは多くの視聴者を笑いの渦へと巻き込みました。
その他にもマヌケでいじめられてばかりの「総統」、正義の味方のはずなのにやることはゲスい「デラックスファイター」、可愛いけど辛辣な「レオナルド博士」など、一度観れば忘れられないキャラクターばかりです。

この劇場版7作目でも、そんな彼らの活躍を存分に楽しめます。
しかも・・・今回はなんと無料での上映が行われました。

無料!<マジで!?

なぜ無料での上映が行えるかと言えば、仕事情報サイト「タウンワーク」のマスコットキャラクター「ジョブーブ」の"おごり"という名目だからだそうです。

ジョブーブ<こりゃ可愛い

つまりは、無料にすることによりジョブーブというキャラクターを知ってもらい、さらにタウンワークの宣伝をしてもらおうとする戦略です。
「無料」というのは多数の人の注目を浴びる広告塔としてはもちろん、将来的な利益を上げるために非常に有効な手段。google社のサービスはまさしく無料そのものですし、「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」はベストセラーとなりました。

宣伝としてのショートアニメ作品はたくさんありますが、こうしてシネマコンプレックスでかかる無料の作品というのはなかなか類を見ません。
思い切ったことをするものだと感心するのはもちろんですが、大丈夫なのかと不安にもなりますね。

その多くの方の不安が的中したかのように、公式サイトでは映画の公開前に「このままでは有料になります」などとと動画でアピールをしていました。

有料になりました!<申し訳ないけど、有料になりました
鑑賞料金<もうおごりだって言ってるのに?

なぜなら、吉田君のお誕生日会でお金を使いすぎた上に、映画の予算を昭和のレートのものと勘違いしたからでした。嘘付け。
そこでサイトでは「ツイッターでバイトあるあるをつぶやいてほしい」とアピール!それがそのまま映画鑑賞料金に反映されるというのです。
おかげで鑑賞料金に充分届くほどのつぶやきが集まったかに見えましたが・・・みるみるゲージは減少していきました。

あ、あれ><ゲージめっちゃ少なくなったじゃん!
なぜなら豪華キャストだからさ!<ごめんなさい、ちょっとゲストにお金使いすぎちゃって!

そんなやりとりが数回続き、やっと無料で公開されたのがこの映画なのです。決して出来レースではありません

このゲスト声優というのがまた豪華で、木の実ナナ尾美としのりという通好みの配役だけでなく、本田翼という旬の女優までもが起用されています。
今回の劇場版が7作目であることからこの配役になったそうで、それぞれの理由は「名前がナナだから」「誕生日が12月7日だから」「1日に7人にスカウトされたから」だそうです。木の実ナナ以外無理矢理過ぎるだろ

ちなみに本田翼は声優初挑戦ながら、劇中で1人7役という無茶ぶりにしっかりと応えており、ハンドドライヤーの風というよくわからない役どころまでこなしています。

声優初挑戦なのに・・・<大変でした(そりゃそうだ)。

そんな感じで映画の宣伝だけでネタが多過ぎる作品ですが、本編は素晴らしい作品に仕上がっていました。

本作で掲げられているテーマは、ズバリ「仕事」です。
ゲストキャラクターのジョブーブは仕事のことを知りたいと思い、なぜ人は仕事をするのかという疑問の答えを探しはじめます。

仕事は辛いと感じることが多いものです。
理不尽なことを経験し、もう仕事をやめたいと思ったことがある方は、決して少なくはないでしょう。

本作で提示をされるメッセージは、そのように仕事に悩む人が「また明日から仕事をしよう」と思うことができる、優しさに溢れたものでした。
決して押し付けがましくなく、40分という短い上映時間の中でそれを描ききった構成力には脱帽するしかありません。

惜しいのは、これが1週間限定の上映であること。4月10日(木)には早くも上映が終わってしまうのです。
夜だけの限定公開で、インターネットでの予約もできず、公開館も少ない・・・上映をするぶんだけ運営費がかかるので仕方がない部分もありますが、無料にしたことでこのような制限がかかってしまうのはやはり残念です。

(追記)なんと上映終了後にYoutubeで無料配信が行われています!
<映画『鷹の爪7~女王陛下のジョブーブ~』本編45分を丸ごと配信!>

クスクス(ゲラゲラ)笑え、作品のメッセージに涙し、気持ちよく映画館をあとにできる作品です。
「鷹の爪」を全く知らなくても楽しめますし、子どもから大人まで観る人を選びません。
ぜひ、仕事が終わって「ちょっと疲れたな」と思ったときに、観てみてください。

ちなみに、本作のサブタイトル「女王陛下の〜」は007のタイトルからの引用です。
今までの劇場版のタイトルも全て007のパロディでした。そういう小ネタも大好きです。

以下はほんの少しだけネタバレ↓ 今回は観ている人が少ないと思うので、あらすじと作品のメッセージを書くのみに止めています。それでも中盤の展開はネタバレしているので、予備知識なく観たい方はご注意を。

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2014-04-09 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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All aboutにて「旅に出たくなる映画ベスト10」まとめ記事を書きました

もう新年度も一週間も過ぎたのか・・・(遠い目)消費税が8%なのがうっとおしくてしょうがないんですが、これもすぐ慣れるんでしょうね。

またAll Aboutで「まとめ」を書いたのでご紹介します。

<新しい季節、旅に出たくなる映画ベスト10|All About(オールアバウト)>

好きな順ではなく、なんとなく「旅に出たいなあ」と思った順です。全部大好きだけど。
個人的には10位、7位が好きすぎて無人島に持って行ってもいいくらいです。
3位にあの映画があるのは、決して彼らがうらやましいとかそういうわけじゃないんですよ。決して。

参考→<ロードムービー - Wikipedia>
「米誌が選んだ傑作30本」がいいですね。


ファミ通.comで記事も書いたのでご紹介します。

<“ひかりTV”事業説明会開催 戦略はサービス・コンテンツの多様化と高度化にあり - ファミ通.com>

ひかりTV」で、「プレーンズ」「トイ・ストーリー3」「メリダとおそろしの森」のゲーム版が遊べると知ってテンションが上がりまくりました。
やばい、ひかりTV入りたくなった。そもそも一人暮らしの身でTVがないんだけど

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2014-04-08 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 0
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レゴムービーの日本版予告編があまりにヒドかったので、海外版本予告に字幕をつけてみた

現在公開中の「LEGO® ムービー」が好きで好きでしょうがないのですが、外道すぎる予告編のせいなのか恐ろしいまでの不入りっぷりとなっています。
上映開始からわずか3週間で1日の上映回数が1回こっきりになっている劇場もあるようで、4月中に上映が終了してしまうことは確実です。

*ただし、評価の良さを受けて、少ない上映回数の中でけっこうお客さんが入るようになっているらしいです。めでたい!

レゴムービーの悲劇をまとめるとこんな感じです。

①予告編が史上最悪
②字幕版の公開数が少なすぎるため予告でゲンナリした人の多くが観に行かない
③同時期に公開した「アナと雪の女王」や「ドラえもん」といったライバルが強過ぎる
④四国での上映がない
⑤不入りのためにあっという間に上映回数が激減

なんでこんなことに・・・
アナと雪の女王はあと半年くらいはやっているんですから、こっちを優先しましょう(アナ雪も大好きですけど)。
映画本編はあの予告のイメージとはまったく違う紛うことなき傑作なので!

そんな崖っぷちで上映中のレゴムービーを応援するため、海外版のメイントレーラーに字幕をつけてみました。



※追記:後にブログ仲間が作ってくれた予告が素晴らしすぎたので、こちらは削除しました。
<これが真のレゴムービーの日本版予告編だよ! カゲヒナタのレビュー>


戸田奈津子さんばりの意訳が盛りだくさんです
*自分のTOEICスコアは500点ちょっとくらいなので、英語力には期待しないでください
*字幕が読みにくくてすみません
*本当は字幕がパッと出て、パッと消えるようにしたかったんだけど、imovieの最新版ではそれができなくなっているようでがっかりだよ!

そんなわけで、あの日本版予告編を脳細胞から消してから本編を観に行きましょう。
「トイ・ストーリー」シリーズと負けず劣らずの興奮と感動が得られる、大人が泣ける映画ですよ!

おすすめ(ネタバレはギリギリでなし)↓
<ライムスター歌丸 LEGO®ムービー評>

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2014-04-06 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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わたしがしたかったこと 映画「アデル、ブルーは熱い色」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアデル、ブルーは熱い色(英題:Blue Is the Warmest Color)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:苦しく、切なく、美しく、官能的で長〜いラブストーリー


あらすじ


高校生のアデル(アデル・エグザルコプロス)は、すれ違っただけの青い髪のエマ(レア・セドゥ)に魅了されていた。
バーで再び出会った2人はことばを交わし、情熱的に愛し合うようになる。
アデルは教師になることを目標とし、エマは大学で美術を学び画家になることを決心していた。
だが、2人の関係は思いもよらぬところから崩れはじめる・・・




グラフィック・ノベルを原作としたフランス映画です。

ジュリー・マロ
2376円
powered by yasuikamo

ジャンルとしては恋愛映画となるのですが、そんじょそこらにあるようなラブストーリーとは一線を画す内容になっています。

まず、本作には一切のナレーションや"説明"がありません。
それどころかBGMすらありません。
主人公たちの境遇や関係性は、端々の台詞や画により判断するしかありません。
語られる哲学的な思想は、主人公たちのその後の行動を暗喩していたりします。
観客にある程度の"読む"能力が要求される、極めて文学的な作品であると言えるでしょう。

本作はレズビアン同士の恋愛について描かれた映画です。
彼女たちの苦悩は甘いものではありません。単純に「女の子が好き」だからといって、簡単にカミングアウトしたり、自分の想いに正直になることはできないのです。
主人公のアデルは、どう見ても青い髪のエマに一目惚れしているのですが、アデル自身は頑に「違う」「レズビアンじゃない」と否定しています。
それはなぜなのかを考えてみると、より本作の奥深さに気づけるでしょう。

ラブシーンも過激かつ独特です。
”はじめて"のエッチシーンは7分間続くという濃密さで、エロティックさよりも先に「これほどまでに人は愛し合えるのか!」と思える情熱を感じるものでした。
R18+指定は当然、覚悟の上で観た方がよいでしょう。

画作りも独特です。
映画の8〜9割くらいは登場人物の顔のアップです
画面一杯に登場人物の泣き顔や笑い顔が大写しになるので、その"顔"のみの演技に圧倒されることでしょう。

また、上映時間は約3時間(2時間59分)です。
"間"を長く取り、会話も省略せずにじっくり描いています。
もともと撮影されていたのは800時間もあり、そこから編集してこの時間というのですから驚きを隠せません。

そんなわけで本作は驚くほどに万人向けじゃありません。
わかりやすい説明は一切なく、
哲学的な思想がクローズアップされ、
ストレート(異性愛者)の人が感じることのない同性愛者の苦悩を描き(苦悩自体は普遍的なものもあります)、
性描写は過激で、
ほとんどで登場人物の顔のアップばかりを見せられ、
音楽もなくて
それが3時間続くのですから・・・
予告編を観て「スピルバーグが絶賛しているんだ!」「オシャレな恋愛映画を観たいなあ〜」と予備知識がないままで期待している方には、「ちょっと待って、本当にいいの?」と言いたいです。


しかし、本作は深読みをすればするほど面白い映画です。
はじめのほうにあるアデルと同級生の男の子のどうでもよさそうな会話の中には、様々な暗喩がみられます。
恋人のエマが画家を目指し、主人公のアデルが教師を目指すという一見"普通"のことにも、いくつかの皮肉が見えます。
一見あっけらかんとしているようなエマが抱えている想いを想像すると、とても苦しいものがあります。
アデルはどういう想いで、"その行動"をしたのか、考えてみるのもよいでしょう。

役者の演技の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいものがあります。
監督は、わざわざ主人公の名前を「アデル」に変え、主演のアデル・エグザルコプロスがキャラクターに没入できるようにしたそうです。
その甲斐あってか、もはや彼女の演技は演技には見えず、実在のアデルという人物がそこにいるかのようなリアリティがありました。


幸せで単純なラブストーリーを期待する人には全く向きませんし、デートムービーとしてもおすすめすることがためらわれる内容です。
この作品の特徴を知り、ことばや画の端々から「登場人物の想いを読み取ってやろう」と意気込んでから映画を観ると、より楽しむことができるでしょう。

また、サルトル実存主義について知っておくと作品を飲み込みやすいでしょう。
簡単に言えば、実存主義とは「物事や人間がまず存在していて、その本質ははじめは未決定であり、行動により本質がはっきりしてくる」という考え方。これは作品のテーマにもなっています。

個人的には「やっぱり3時間は長い・・・」と上映時間中はしんどさを感じた事を否定できないのですが、あらためて物語を振り返ると「あそこはああだったなあ」「そこはこういう意味だったのかも」と考える楽しみが生まれました。

これからこの映画を観る方は、鑑賞中に「耐える」のではなく、「考える」ことをおすすめします。
そうすれば、アデルとエマのキャラクターが好きになり、この映画が忘れられないものになるかもしれません。

また、本作にはそこかしこに"青"の色が映っています。
blue skyには「空虚な、具体性のない」
blue filmには「ポルノ映像作品」
blue sexにはズバリ「同性愛」という意味があります。
エマの髪の色に限らず、その青が何を示しているかを考えてみるのも、また一興です。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-04-05 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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4月1日からのシネマコンプレックスの映画料金まとめ

All Aboutにて、増税後の映画料金についての記事を書きました。

<増税で映画館はどうなる?料金をまとめてみた [映画] All About>

リンク先にもある画像の表の大きめのものも記載しておきます(クリックでさらに拡大)

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2014-04-02 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 0
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誰よりも優位に立ってやる 映画「サンブンノイチ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はサンブンノイチです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:サービス満載かつマンガ的な超逆転劇


あらすじ


キャバクラ「ハニーバニー」に、銀行強盗になったばかりの3人が現れた。
雇われ店長のシュウ(藤原竜也)、ボーイのコジ(田中聖)、常連客のケン(小杉竜一)は金を奪った後にこの場所に逃げ込み、金を均等に分配しようとしていたのだ。
だが、シュウがコジの取り分が多すぎると不満を言い、3人の関係は不穏な空気を見せていく。




ドロップ」「漫才ギャング」に続く、品川ヒロシ監督作品の第3弾であり、木下半太よる同名小説の映画化作品です。

木下 半太
637円
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品川ヒロシとは、お笑いコンビ「品川庄司」のボケ担当・品川祐の別名義。お笑い芸人としての品川祐は「憎まれ役」のようなキャラクターであり、嫌いな方も多いでしょう(自分も大嫌いです)。

品川さん<大いに嫌われています

そのイメージも手伝って、芸人が映画を撮って面白いのかと疑問に思う方、映画監督となっていることがそもそも気に入らない人からのネット上での攻撃も多く、それは作品の評価そのものを落としかねないものでした。

しかし、彼のつくる映画は面白いと思います。
その理由の一つが「とにかくお客を楽しませようとする」気概に溢れていることです。
展開はスピーディ、キャラクターは極端、漫才のようなやり取りや下ネタが満載など、観客を飽きさせない工夫がそこかしこにみられます。

多大な映画愛を感じることも、うれしい要素です。
特にリスペクトを捧げているのはクエンティン・タランティーノです。

バイオレンスシーンや無駄とも思える会話劇はタラ監督のそれに近いものがあり、作中ではタラ監督の作品について登場人物が語る場面もあったりします。
そもそもの「強盗した終わった後で登場人物がもめる話」というのも、「レザボア・ドッグス」らしさを感じます。
これはパクリというよりもオマージュ。タラ監督のキレには及びませんが、充分すぎるほどのエンターテイメント性を誇っていました。

それに比べて、先輩の芸人の松本なんとかさんは、自己満足上等の映画をつくって平然としていますからね・・・品川監督のつくり手のスタンスを見習ってほしいものです。


本作は登場人物が銀行強盗で奪った金を取り合い、その優位性が次々に変わっていく逆転劇になっています。
「この登場人物の行動の意味とは何か?」と疑心暗鬼になりながら観るのも楽しいですし、ただただ意外な展開を期待するだけでも楽しめます。
現在公開中の「白ゆき姫殺人事件」にも通ずるハラハラ、ドキドキが楽しめました。

魅力的な主要登場人物を見てみましょう。

藤原竜也ーサンブンノイチ<シュウ(藤原竜也):ギャンブル狂   田中聖ーサンブンノイチコジ(田中聖):バカ

ブラマヨ小杉ーサンブンノイチ<ケン(小杉竜一):チビでハゲでデブ  中島ーサンブンノイチ<マリア(中島美嘉):元女優

窪塚ーサンブンノイチ<破魔翔(窪塚洋介):凶悪人     慎之介ーサンブンノイチ<渋柿(池畑慎之介):危険な金貸し

キャラ濃すぎだろ
個人的にはピーターこと池畑慎之介のキレキレのキャラ、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)のもはや演技をしていない素のまんま(笑)のキャラが大好きでした。
この登場人物の誰が勝者となるのか、予想をしながら観てみるのをおすすめします。


難点は、いくらなんでも「この展開はあり得ねえだろ!」とツッコミたくなる強引さがあることです。
でも、そう思っても仕方がありません。そのあり得なさも含めて楽しんでしまうべきであり、多少無理があっても「マンガのような映画なんだから」と納得してしまったほうがより楽しめます。
作中に、その強引さそのものを皮肉った展開やツッコミがあるのには笑ってしまいました。

エグめの描写も好き嫌いが別れそうです。
直接的な暴力シーンはほとんどないのですが、「想像をさせる」グロテスクさが大いにあります。これだけで不快に思われる方も多いでしょう。
性的なシーンもありますし、お子様には到底おすすめできません。

伏線はけっこうわかりやすいため、逆転したときの驚きを感じにくいのも欠点かもしれませんね。
そこはもう少し「隠す」工夫が欲しかったです。

好き嫌いの分かれる映画であることは間違いありませんが、ただただ楽しい逆転劇を期待する方、役者のファンはぜひ劇場へ。
観た後には見事なまでに何にも残らない娯楽作ですが、たまにはこういう作品も、いいものです。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-04-01 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

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