過ぎ去りし過去 映画「X-MEN: フューチャー&パスト」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
今日の映画感想は「X-MEN: フューチャー&パスト」(原題:X-Men: Days of Future Past)です。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:大風呂敷が広がっていくなあ・・・
あらすじ
2023年の未来。「センチネル」と呼ばれるロボットのために世界は壊滅の危機に陥っていた。
この状況から脱するため、キティ・プライド(エレン・ペイジ)の能力を使い、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の意識だけが過去に送られた。
目的は、ことの発端となったミスティーク(ジェニファー・ローレンス)によるトラクス博士(ピーター・ディンクレイジ)の暗殺を止めること。
しかし、若き日のプロフェッサーXことチャールズ(ジェイムズ・マカヴォイ)は仲間のミュータントを失ったことにより自分の殻に閉じこもっていた。
(コメントでいろいろと補足をいただき、追記しています。ありがとうございました!)
世界的ベストセラーアメリカン・コミック「X-メン」を原作とした映画シリーズの最新作です。
本作が特徴的なのは、“絶望的な未来を救うために過去を変えようとする”という、「ターミネーター」のようなプロットです。
このために、本作は「X-MEN:ファイナル ディシジョン」「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」両方の続編となっています。
シリーズの時系列を並び替えると、こんな感じでしょうか。
1「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(オープニング)」
2「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」
3「フューチャー&パスト(過去)」←本作
4「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(本編)」
5「X-MEN」
6「X-MEN2」
7「X-MEN: ファイナル ディシジョン」
8「ウルヴァリン:SAMURAI」
9「フューチャー&パスト(未来)」←本作
けっこうややこしいですね。
本作の欠点は、時系列を観ればわかるとおり、ほかの作品との関連が深く、シリーズを観ていないと楽しみにくことです。
最低限の説明は入れてくれるのですが、それでもキャラクターの行動理由は過去作品を観ていないとわかりにくいでしょう。
作中のキャラクター“プロフェッサーX”と“マグニートー”との確執の理由を知るためだけでも、「ファースト・ジェネレーション」を観てみることをおすすめします。
シリーズのキャラクターがたくさん登場するため、どうしてもひとりひとりの活躍の場が少なく、感情移入しにくくなっているのも残念なところ。脚本段階で大活躍をする予定だったのに「ちょい役」で終わってしまったキャラも多いそうです。
次回作では、キャラに満遍なく活躍の企画が与えられるといいですね。
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でも思っていたのですが、アメリカン・コミック原作の映画の世界観は、どんどん広がりを見せています。
「X−MEN」は原作シリーズがそもそもたくさん存在するため、これからも続編やスピンオフ作品がたくさん登場するのでしょう。
新しくシリーズに触れようとしている人にとっては、敷居が高くなってしまうのかもしれません。
本作の原作は、原題と同じタイトルのアメリカンコミックです。
原作ではミュータントたちが留置所に入れられるという設定でしたが、映画ではロボットに世界が壊滅の危機に陥っているという設定に変更されました。
また、過去に送られるのはキティ・プライドという女性キャラクターでしたが、映画で過去に送られるのは人気キャラクター“ウルヴァリン”にバトンタッチしています。
この変更は賛否ありそうですが、SF映画としての見栄えと、観客が好きなキャラの活躍を優先した結果なのでしょう。
最大の見所は、シリーズ最大の巨費をかけて実現したアクションシーンの数々です。
観た人のすべてが気に入るであろうことは、“クイックシルバー”というキャラクターの大活躍でしょう。
瞬きすることも惜しいと思わせる「調理場」のシーンは、ぜひ映画館で体験してほしいです。
新たな人間ドラマも構築されており、“プロフェッサーX”と“マグニートー”の確執は物語に厚みを与えています。
その点においては前作「ファースト・ジェネレーション」のほうが濃密に描かれてはいましたが、新たなふたりの関係の追い求めたい人にとっては必見の内容でしょう。
本作を含めたX−MENの特徴は、ミュータントして誕生した者たちが差別の対象となっていること、実際の歴史に即した事件が登場することです。
“過去”の舞台はベトナム戦争が勃発した後ですし、ほかにも世界中の人が衝撃を受けた事件が登場します。これは観てのお楽しみです。
*以下の意見もいただきました
プロフェッサーとマグニートーがそれぞれキング牧師とマルコムXに喩えられるように、 Xメンはアメリカのマイノリティの方々が経験してきた様々な差別問題を内包しているように見えます。
初期三部作や今回の作品で描かれている「ミュータントという自分たちとは異なる何か」に対する恐怖が、
結果的にミュータントを排斥しようとしている人類に跳ね返ってきているというのも、皮肉なメッセージのように感じます。
余談ですが、本作でシリーズの監督に復帰したブライアン・シンガー監督はゲイであることをカミングアウトしたことでも有名です。
*老マグニートーを演じたイアン・マッケランもゲイであり、擁護活動をしているそうです。
豪華な俳優陣も魅力のひとつ。
ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーといった実力派、ジェニファー・ローレンスやニコラス・ホルトといった若手もそろい踏み。なお、悪の科学者であるタラスク博士を演じたピーター・ディンクレイジさんは実際に小人症の俳優です。
また、吹き替えほかで批判を浴びまくっている剛力彩芽さんですが、今回のミスティーク役では大きな成長が観られたのだとか。
ファンも聞いたことのないオ・ト・ナの声を披露しているそうなので、意外と吹き替え版を選んでみるのもアリなのかもしれません。
2Dで観ましたが、3Dで観たいと思える画は数える程度だったので、今回は2Dでもいいでしょう。
エンドロール後のおまけもありますので、お見逃しなく。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:大風呂敷が広がっていくなあ・・・
あらすじ
2023年の未来。「センチネル」と呼ばれるロボットのために世界は壊滅の危機に陥っていた。
この状況から脱するため、キティ・プライド(エレン・ペイジ)の能力を使い、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の意識だけが過去に送られた。
目的は、ことの発端となったミスティーク(ジェニファー・ローレンス)によるトラクス博士(ピーター・ディンクレイジ)の暗殺を止めること。
しかし、若き日のプロフェッサーXことチャールズ(ジェイムズ・マカヴォイ)は仲間のミュータントを失ったことにより自分の殻に閉じこもっていた。
(コメントでいろいろと補足をいただき、追記しています。ありがとうございました!)
世界的ベストセラーアメリカン・コミック「X-メン」を原作とした映画シリーズの最新作です。
本作が特徴的なのは、“絶望的な未来を救うために過去を変えようとする”という、「ターミネーター」のようなプロットです。
このために、本作は「X-MEN:ファイナル ディシジョン」「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」両方の続編となっています。
シリーズの時系列を並び替えると、こんな感じでしょうか。
1「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(オープニング)」
2「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」
3「フューチャー&パスト(過去)」←本作
4「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(本編)」
5「X-MEN」
6「X-MEN2」
7「X-MEN: ファイナル ディシジョン」
8「ウルヴァリン:SAMURAI」
9「フューチャー&パスト(未来)」←本作
けっこうややこしいですね。
本作の欠点は、時系列を観ればわかるとおり、ほかの作品との関連が深く、シリーズを観ていないと楽しみにくことです。
最低限の説明は入れてくれるのですが、それでもキャラクターの行動理由は過去作品を観ていないとわかりにくいでしょう。
作中のキャラクター“プロフェッサーX”と“マグニートー”との確執の理由を知るためだけでも、「ファースト・ジェネレーション」を観てみることをおすすめします。
シリーズのキャラクターがたくさん登場するため、どうしてもひとりひとりの活躍の場が少なく、感情移入しにくくなっているのも残念なところ。脚本段階で大活躍をする予定だったのに「ちょい役」で終わってしまったキャラも多いそうです。
次回作では、キャラに満遍なく活躍の企画が与えられるといいですね。
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でも思っていたのですが、アメリカン・コミック原作の映画の世界観は、どんどん広がりを見せています。
「X−MEN」は原作シリーズがそもそもたくさん存在するため、これからも続編やスピンオフ作品がたくさん登場するのでしょう。
新しくシリーズに触れようとしている人にとっては、敷居が高くなってしまうのかもしれません。
本作の原作は、原題と同じタイトルのアメリカンコミックです。
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原作ではミュータントたちが留置所に入れられるという設定でしたが、映画ではロボットに世界が壊滅の危機に陥っているという設定に変更されました。
また、過去に送られるのはキティ・プライドという女性キャラクターでしたが、映画で過去に送られるのは人気キャラクター“ウルヴァリン”にバトンタッチしています。
この変更は賛否ありそうですが、SF映画としての見栄えと、観客が好きなキャラの活躍を優先した結果なのでしょう。
最大の見所は、シリーズ最大の巨費をかけて実現したアクションシーンの数々です。
観た人のすべてが気に入るであろうことは、“クイックシルバー”というキャラクターの大活躍でしょう。
瞬きすることも惜しいと思わせる「調理場」のシーンは、ぜひ映画館で体験してほしいです。
新たな人間ドラマも構築されており、“プロフェッサーX”と“マグニートー”の確執は物語に厚みを与えています。
その点においては前作「ファースト・ジェネレーション」のほうが濃密に描かれてはいましたが、新たなふたりの関係の追い求めたい人にとっては必見の内容でしょう。
本作を含めたX−MENの特徴は、ミュータントして誕生した者たちが差別の対象となっていること、実際の歴史に即した事件が登場することです。
“過去”の舞台はベトナム戦争が勃発した後ですし、ほかにも世界中の人が衝撃を受けた事件が登場します。これは観てのお楽しみです。
*以下の意見もいただきました
プロフェッサーとマグニートーがそれぞれキング牧師とマルコムXに喩えられるように、 Xメンはアメリカのマイノリティの方々が経験してきた様々な差別問題を内包しているように見えます。
初期三部作や今回の作品で描かれている「ミュータントという自分たちとは異なる何か」に対する恐怖が、
結果的にミュータントを排斥しようとしている人類に跳ね返ってきているというのも、皮肉なメッセージのように感じます。
余談ですが、本作でシリーズの監督に復帰したブライアン・シンガー監督はゲイであることをカミングアウトしたことでも有名です。
*老マグニートーを演じたイアン・マッケランもゲイであり、擁護活動をしているそうです。
豪華な俳優陣も魅力のひとつ。
ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーといった実力派、ジェニファー・ローレンスやニコラス・ホルトといった若手もそろい踏み。なお、悪の科学者であるタラスク博士を演じたピーター・ディンクレイジさんは実際に小人症の俳優です。
また、吹き替えほかで批判を浴びまくっている剛力彩芽さんですが、今回のミスティーク役では大きな成長が観られたのだとか。
ファンも聞いたことのないオ・ト・ナの声を披露しているそうなので、意外と吹き替え版を選んでみるのもアリなのかもしれません。
2Dで観ましたが、3Dで観たいと思える画は数える程度だったので、今回は2Dでもいいでしょう。
エンドロール後のおまけもありますので、お見逃しなく。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
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