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闘いの理由 映画「TOKYO TORIBE トーキョートライブ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はTOKYO TRIBEです。


個人的お気に入り度:9/10(人によっては0点)

一言感想:史上最高のぶっ壊れ映画


あらすじ


トーキョーは数多くのトライブ(族)がひしめく街。ブクロ、シンヂュク、ムサシノ、シブヤ、カブキのそれぞれのトライブはそれぞれの派閥で発展してきた。
ブクロのトライブ“WU-RONZ”を率いるメラ(鈴木亮平)は、ムサシノの“SARU”のメンバーである海(YOUNG DAIS)を敵視しており、それは次第に大規模な抗争へとつながっていく……




映画は「非日常」に連れて行ってくれる娯楽です。
それは夢のような世界でだったり、行ったこともない宇宙だったり、はたまた悪夢のような世界だったり……
この「TOKYO TRIBE」で体験できるのは、非日常どころじゃなく別世界です。
すさまじく「こんなの観たことない!」映画に仕上がっていました。

監督は「地獄でなぜ悪い」「冷たい熱帯魚」の園子温、原作は井上三太の「TOKYO TORIBE2」です。

井上 三太
977円
powered by yasuikamo

いきなり「2」が原作となっているのは、「1」がたった1巻で完結しているため。
一癖どころか四~五癖くらいありそうな不良どもが暗躍する群像劇として、人気を博していました。


原作では、冒頭にこういう断り書きがあります。
「この物語の舞台は“トーキョー”である。しかし、あなたの知っている“東京”とは少し違うトーキョー”である」

映画版のトーキョーは「少し違う」どころじゃありません。
全編を通して、園監督らしい悪趣味で、ありえなさすぎな街の画が次々と展開されるのです。
掃き溜めのようなきったない夜の街で、柄の悪そうなおにーちゃんやおねーちゃんがたむろしてばっかり。この時点で頭がクラクラします。
これはなんでしょうか。日本映画で独創的な世界観を作り上げすぎた「スワロウテイル」に対抗しているんでしょうか(たぶん意識してる)。


本作の独創的なところはそれだけではありません。
作中の会話の85%くらいがラップで表現されるのです。

a.png<世界初です。

ずっとヒップホップミュージックが鳴り響き、いちいちしゃべるたびに韻を踏んでいる印象です
これはなんでしょうか。台詞の90%がオペラだった「レ・ミゼラブル」に対抗しているんでしょうか(たぶん意識してる)。
そういえば歌を後で吹き替えるのではなく、役者がその場で演技をしながら歌を披露するという点でも「レ・ミゼラブル」っぽいですね。
参考→<『TOKYO TRIBE』鈴木亮平&園子温監督 単独インタビュー - インタビュー - Yahoo!映画>

歌詞は画面に表示されるので理解しやすく、本職のラッパーが出演していることもあり高いクオリティを誇っています。
観た後はサントラでもう一度そのラップの数々を顧みたくなってしまうでしょう。

Various Artists
2654円
powered by yasuikamo

自分は「8 Mile」あたりではラップってしんどそうでやりたくないな……と思っていましたが、本作を観た後はやたらラップ調でしゃべりたくなりました。


キャストも狂っています。
佐藤隆太窪塚洋介染谷将太などとやたら豪華だけでなく、叶美香中川翔子ベルナール・アッカなどもはやネタでしかない配役も盛りだくさん。
しかもサブキャラにはYoutubeの(ラップの)オーディションで選ばれた演技初挑戦者がいたり、プロのラッパーであるYOUNG DAISが重要な役を演じたりと、あらゆる意味で規格外です。

あと本作の主人公(たぶん)である鈴木亮平の肉体美がすごすぎますね。さすが「変態仮面」を演じていたことがあるというか、ゲイが好きな芸能人ランキングの3位に選ばれただけのことがあるというか、やたらめったら脱ぐし。ムキムキマッチョが観たい方はこれだけで観た甲斐があるでしょう。

ほかにも格闘をしながらとりあえずパンチラしまくる清野菜名や、ガチで小学生男子にしか見えない現役女子高生の坂口茉琴も「ありえねー!」なキャラなのですが、この狂った映画には似合いすぎているのでこれでOKでしょう。


で、何よりすごいのは物語ですね。はっきり言ってストーリーはないです。NOTHINNG。無。

これはヒドいです。
キーとなる人物のバックボーンは、明確に語られないか、あっても死ぬほどくだらない理由かのどっちかです。
登場人物の行動原理が「とりあえずノリで」にしか思えません。
先日観た「ルパン三世」のほうがよっぽど話に筋が通っています。
映画を観終わっても「よくわからんメチャクチャなキャラがよくわからんハチャメチャな闘いをしていた」という印象しか残らないです。
これはなんでしょうか。ときどき闘いの理由がわからなくなる「トランスフォーマー」に対抗しているんでしょうか(たぶん違う)。

おかげさまで、本作はぜんぜん先が読めません
伏線とかガン無視で「ハァ?」と思うしかないシーンも乱発されますから。物語の整合性を重視する人が観たら激怒してもおかしくないです。


で、ここまでメチャクチャやっている映画がおもしろいのか、と言われると……いやもうメチャクチャおもしろかったんです。
はっきり言って、これ、ク○映画だと思うんです
伏線とか、物語の定石とか、抑えた演技とかはまったくなく、監督とキャストとスタッフが好きなように作った映画なのですから。

展開はほぼすべて悪ノリです。
おっぱ○がたっぷり出てきて、パンチラもバシバシ登場して、血のりも飛びまくると下品極まりないです。
ここまで振り切れていると、○ソというのも、むしろほめことばになるのではないでしょうか。

そんなわけで、いままでの園子温監督作品を軽~く超えて、好き嫌いが分かれまくる映画です
この映画を「低俗」「深みがない」「ストーリーがペラい」と蔑まれてもまったく反論できません(そういう映画だもん)。
いままでの園監督作品が好きな人でさえ、「今回はハチャメチャなだけでちょっと……」という印象を持つ人も少なくないでしょう。
これをオススメしたら人格がまるごと疑われそうなので、躊躇せざるを得ません(オススメだけど)。


それにしても、園子温監督は“熱い”人です。
監督はこの映画において(ほかの映画でも)「とにかく楽しんでもらえる作品を作りたい」という気概に溢れています。
参考→<GQ&A 園子温──『TOKYO TRIBE』で魅せた世界初のラップミュージカル | GQ JAPAN>
本作には大衆に受け入れられるようにしようとか、大ヒットを狙おうとか、そういう打算的なことがまったく見えません。
とにかく、いままでにない映画を、最高に楽しく作ろうとする園監督を、これからも追いかけたくなりました。

残念だったのは各トライブが満遍なく活躍していないこと。
本当に群像劇としてはつまらないと思うのですが、作品に勢いがあるおかげでこのへんもどうでもよくなってきたりもします。

これはありえねー世界観と、ありえねーキャスティングと、ありえねーアクションと、世界で唯一のラップ・ミュージカルを楽しめるすんばらしい娯楽です。
この映画に行儀よさなんていりません。ポップコーンをほおばりつつ、中学生のようにさわぐばかりの登場人物を観て、ゲラゲラ笑いながら楽しむべきです。
自分は豪華キャストならではのネタの数々、竹内力のマジでやりすぎで観るたびに胃もたれしそうなクサレ悪役だけで腹筋が締め付けられまくりました。
ラップの爆音が響く、音響設備のよい劇場で観ましょう!考えるな!感じろ!オススメです!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2014-09-03 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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