ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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輝くオタクたち 映画『海月姫』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は海月姫です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:実写にするといろいろとキツいよね……


あらすじ


アパート“天水館”では、クラゲオタクの月海(つきみ)(能年玲奈)をはじめ、濃~いオタク属性を持つ住人たちが楽しく暮らしていた。
ある日月海は、熱帯魚ショップで騒いでいるところををファッショナブルな女性に助けてもらう。
その女性は、じつは女装をしていた政治家の息子・蔵之介(菅田将暉)だということが明らかになる。月海はどうにかして蔵之介に天水館から出て行ってもらおうとするのだが……




※今年最後の更新です! また明日のお正月にお会いしましょう。
※原作の読者からいただいた意見を追記・修正しました。ありがとうございます(1月3日)

東村アキコの同名漫画を原作とした作品です。

powered by yasuikamo
<こちらで1巻まるごと試し読みできます>
今回の映画で映像化されているのは、原作漫画の5巻くらいまで→すみません、6,7巻の内容も含んでいましたテレビアニメ版もだいたいそのくらい)。
すべて忠実に再現されているわけではなく、いくつか展開をピックアップして物語が構築されている感じです。

原作のおもしろさのひとつが、共同アパートに住むオタク女子たちの面々の“濃さ”です。
今回の映画版で驚かざるを得なかったのは、そのメンバーの再現度の高さでした。

池脇 あふろ

まややさま さんごくし

ばばぞの あじあん

かれせん かれせん

いやもうなんて言うか、似ている似ていないのレベルじゃなく憑依?
見た目だけでなく、演技もまさに生き写し。とくに“まやや”を演じる太田莉菜さんは声がアニメ版とほぼ同じだったので驚きました(アニメ版の声優は岡村明美さん)。

ここまで来ると、オタク女子をがんばって演じている主役の能年玲奈さんの存在感がかすみまくります。
いや、ちゃんとオタクに見える演技と見た目だったんだけど、ほかのメンツが完璧すぎて……

女装姿を披露した菅田将暉もハマっていました。
原作のこの女装男子は「どこからどう見てもオシャレ系女子だけど、男であることを隠している」というキャラで、映画でもその設定を踏襲しています。
しかし、映画版ではどこからどう聞いても声が男のために「バレるだろ」とツッコミをいれてしまいたくもなります。
これはしかたがないですね。そもそも漫画やアニメでしか許されないようなキャラを実写で再現しただけでもチャレンジャーだと思います。
納得の女装男子のキャラを観たいのであれば、アニメ版をおすすめします(斎賀みつきさんの声がハマリすぎているので)。


で、本作の根本的な問題は漫画のハイテンションっぷりを実写で観るとキツいということだと思います。
作中に出てくるオタクキャラは全員オーバーリアクションで、ぎゃーぎゃーと叫んでうるさいです。
登場人物はとてもわかりやす~いひとり言をしゃべります。
CGや字幕での説明もバリバリ入れまくってまくっており、映画ならではの繊細な演技を楽しむ要素などは皆無です。

アニメや漫画の二次元の世界であればありえねー世界やキャラを受け入れられるのですが、生身の人間が演じる実写だと「痛い」という気持ちがどうしても先行してしまうんですよね……
本作は、豪華キャストが最大限の努力を尽くして漫画のキャラになりきったコスプレ映画と考えて相違ないと思います(そこがおもしろいところなんだけど)。
キャスト皆様には心の底から「お疲れ様です」と、ねぎらいのことばをかけたくなります。

そんな難点は「作品の特性だから」と納得できるものなのですが……さらに重大な問題になっていることがあります。
それは、いくら漫画を原作とした作品だからって、後半の展開がリアリティをシカトしすぎなことです。
しかも、映画では無理に原作からクライマックスの設定を変えてしまっています(漫画では納得できる展開でした)。

・漫画を忠実に実写化した→漫画的な雰囲気と展開が実写で観るとキツい
のであれば「しかたがない」で許容できますが、
・漫画からさらにメチャクチャな描写にした→リアリティ皆無の展開に
というのはとても容認できません。

また、物語としてもエピソードが積み重なっていくダイナミズムはあまりなく、原作のエピソードを乱立させているような印象があります。
原作では主人公と、女装男子と、その兄のエリート男子と、イケイケな地上げ屋の“四角関係”も見所になっているのですが、映画ではエピソードを繋ぎ合わせただけでドラマとしてうまくして成立していません。

画作りも逆光を正面に捉えすぎていて、ハレーションを起こしているようなものがいくつもあったのは気になりました。
SEKAI NO OWARIの劇中歌が2回も入るのもやりすぎに思えます。
このあたりは好き嫌いのレベルですね。


……まあそんな文句を言いつつも、豪華キャストが漫画のキャラになりきっているだけでも楽しい映画なんですけどね。
個人的に駄作だと思っている『20世紀少年』3部作も「原作漫画のこのキャラをこの役者が演じるのか〜」という点だけでも楽しめましたもの。

でも、漫画の映画化のクオリティが格段にあがっている近年であれば、やっぱり『るろうに剣心』『寄生獣』ほどの完成度を求めてしまいます。
映画としてのおもしろさや深みを求める方は素直に回れ右で。
原作ファン、キャストのファンには十分におすすめします。

なお、原作漫画はレディースコミックであるため、多少性的な話題や「処女」「童貞」などのワードが登場します(どぎつい下ネタはないです)。小さい子の鑑賞はご注意を。

↓以下、結末も含めてネタバレです 観賞後にご覧ください。 少しだけ漫画の展開も書いているので、未読の方はご注意を。

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2014-12-31 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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愛を込めて 映画『あと1センチの恋』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はあと1センチの恋(原題:LOVE, ROSIE)です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:痛すぎる恋だからこそ、すばらしい

あらすじ


ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳のころからの幼なじみ。恋の相談が気軽できる、友だち以上恋人未満の関係だった。
ふたりはともにボストンの大学に合格するのだが、ロージーには大学に行くに行けなくなる重大な問題が発生してしまい……




すげーおもしろかった!
2014年の最後にこれほどのラブストーリーを観ることができて幸せです!

原作はセシリア・アハーンによる小説『愛は虹の向こうに』です。

セシリア アハーン
812円
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セシリア・アハーンは『P.S.アイラブユー』の原作も手がけており、恋の経験を交えて等身大の女の子を描く作風が人気を博していたようです。


さて、公式サイトの雰囲気で甘〜いラブストーリーを期待するといい意味で裏切られます。本作は今年の秀作ブルージャスミン』並にキッツい恋愛が描かれている作品なのですから。

なにせ、その内容は、幼なじみの親友同士がくっつきそうでくっつかず、12年間もすれ違い続けるというもの。
本当は両想いであるはずのに、ちょっとずつの歯車のズレのせいで、別のパートナーとくっついたり、取り返しのつかない行動をしてしまいます。

そして主人公はひっどい目に合います。
リリー・コリンズは『白雪姫と鏡の女王』では悪意のないかわいい白雪姫を演じていましたが、今回はいい意味で“汚れ役”のイタい系のヒロインを演じています。
神様が何か意地悪しているんじゃないかと思うくらいに、主人公をいじめまくる内容となっているのです。

間違いなく、本作には「胸キュン死しそう!(はぁと)」なんて展開を求めないほうがいいです。
イケメン(サム・クラフリン)も登場するには登場しますが、むしろクズ男が出てくる割合のほうが多いです。

あ、言い忘れていましたが、本作には下ネタも盛りだくさんです
おかげでPG12指定となりましたが、「避妊はしっかりしようね!」「未成年でお酒を飲んでもいいことがない」という教訓も与えてくれるところもあるので、そこまで子どもに見せたくないという印象はありません。

作品の全体のイメージも真面目な恋愛映画ではなく、『ラブ・アゲイン』のようにコメディ盛りまくりです。
すばらしいのは、ジャンルはコメディ映画であると言い切っていい内容であるのに、しっかり人間ドラマ、恋愛映画として泣かせること。
公式ページのプロダクションノートで、監督が「コメディの傑作は僕らを泣かせるし、ドラマの傑作は僕らを笑わせる。このふたつは常に結びついている」と語っていることに同意しました。

『あと1センチの恋』は、コメディ、人間ドラマ、恋愛が渾然一体となっている作品です。
女性向けのような印象が強いとは思いますが、自分はぜひ(人間ドラマを期待する)男性にもおすすめしたいです。

ポップな音楽に乗せて展開する、すさまじいまでのテンポのよさも長所ですね。

1500円
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上映時間は1時間43分、観客に考えるスキを与えないスピードで12年間の人生を見せていきます。
「ちょっとでも退屈なシーンがあるのはイヤ」と思っている、普段あまり映画を観ないライト層にもおすすめしたいです。


難点はテンポが“よすぎる”こと。
悲劇的なシーンがあっても「ハイ、つぎ!」みたいな感じで矢継ぎ早に展開するので、なかなか感情移入が追いつかない人もいるのではないでしょうか。
実際に、ネットでほかの方の評判を観ると、「薄っぺらで淡白な作品」というコメントが少なからずやありました。

しかし、あっという間に語られるセリフや主人公の行動には、さまざまな意味が込められています。
速いテンポに負けることなく、集中して映画を観てみることをおすすめします。
まあ、何にも考えなくても超楽しい映画なんですけどね(主人公の人生のアレっぷりが)。

また、主人公はどちらかと言えば「自分勝手なバカ女」なキャラなので、嫌悪感を覚える(好きになれない)人も多いかもしれません。
本質的には主人公は悪い人間ではありませんし、自分は「不器用な女性」としての彼女が大好きになりました。


そうそう、原題の『LOVE, ROSIE』もさることながら、邦題の『あと1センチの恋』もいいタイトルですね。
1センチという数字が作中に具体的に出てくることはないのですが、その意味するところは「あとこれくらい近づいていたらうまくいったのに……」という切ない恋心なのでしょう。

これは、どんどん非リア充になっていく主人公をとことん追っていく“負け犬応援ムービー”です。
そういう意味では『(500)日のサマー』にも似ていますし、そもそも恋愛を期待して観るべき映画でもないような気さえします。

期待するべきなのは、不器用な女性の12年にもおよぶ人生の浮き沈み、その悲哀と喜劇なのではないでしょうか。

一部の劇場では12月13日から公開されていましたが、これから上映する劇場も多いのでぜひチェックを。おすすめです!

↓以下、結末も含めてネタバレです 観賞後にお読みください。

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2014-12-29 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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希望の記憶 映画『バンクーバーの朝日』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はバンクーバーの朝日です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:アツくないスポーツ映画(根性抜き)


あらすじ


1900年代初めのカナダ・バンクーバー。
その地にやってきた日本人たちは、肉体労働や貧しさに加え、賃金の少なさや偏見などの差別にも苦しんでいた。

製材所で働くレジー笠原(妻夫木聡)やケイ北本(勝地涼)、漁業に携わるロイ永西(亀梨和也)、女房子どもとともに働くトム三宅(上地雄輔)は野球チーム「バンクーバー朝日」に所属し、白人チームに差別を受けながらも、チームとして成長をしていく。




舟を編む』『ぼくたちの家族』の石井裕也監督最新作。本作が題材としているのは、実在の野球チームの『バンクーバー朝日』です。

参考↓
<奇跡体験!アンビリバボー:日本人の誇り★奇跡の日系野球チーム - フジテレビ>
<バンクーバー朝日 - Wikipedia>

 
 <関連書籍も多数

作中でおもに描かれているのは、日本人労働者への差別、バンクーバー朝日という野球チームが人々の希望になるという過程です。
野球を通じて差別と戦うという物語で『42 世界を変えた男』を思い浮かべる人も多いでしょう。
(知っている人も多いでしょうが)知られざる野球チームの歴史を現代によみがえらせただけでも、本作は価値のある作品です。


しかし……本作ははっきり言って、スポ根ものとしてはつまらないと思います。
いや、もはや“根性”なんてものが感じらません。ずっと低~い体温のまま話が続く印象です。

なぜなら、演出や展開が淡々としすぎているから、機転や努力がしっかりと描かれていないからです。

石井裕也監督はキャラクターの地味(あえて不適切なことばを使っています)な心理描写が得意で、それで登場人物の内面が見えてくることが作品の魅力になっています。

しかし、本作ではいくらなんでも地味すぎます。
たとえば、チームで集まって「いくぞー!バンクーバー朝日ー!」みたいなことを言いそうなところで、主人公が「うん、ああ、いいや、ごめん」とみたいな些細なことをつぶやくのです(しかも延々と)。

おそらくなのですが、これは石井監督の“実験”なのだと思います。
一見どうでもよさそうな会話を映し出すことにより淡々と、そこから見えてくるチームの関係性や、主人公の想いを描きたかったのでしょう。
しかし、これは失敗していたと思います。内面を描くどころか、主人公の性格が暗すぎてどうにも好きになれませんでしたし、何より登場人物がボソボソと話してばかりなのは退屈でしかたがありませんでした。

野球の描写もイマイチです。
野球で映し出されるのはほぼ打者VS投手ばかりで、守備の描写がほぼありません。
バンクーバー朝日は「Brain Ball」という頭脳プレーが評されていたのですが、その描写も説得力不足で、機転を効かせて勝利した、チームで努力したという印象がありません。

物語は迫害と差別を受けるという内容であり、時代背景も支那事変が起こり、これから太平洋戦争も勃発しようとしている“暗さ”を思わせるものになっています。
だからでこそ、バンクーバー朝日の活躍がニュースとなり、日本人の希望となるという過程を見せてほしかったのですが、肝心のバンクーバー朝日のチームみんながウジウジして暗いので、ちっとも明るい気分になれませんでした。作品の特性と割り切るべきなのでしょうが……。


いいところもあります。
その筆頭は当時のバンクーバーの街を再現したセット。泥臭く、日本人の過酷な労働環境がしっかり伝わるものになっていました。

佐藤浩市演じるダメ親父は主人公の志をしっかり伝える人物として機能していましたし、亀梨和也上地雄輔もしっかりした演技を見せていました(亀梨和也の眉毛は細すぎだけど)。

それでも夜は明ける』のような“ヒドい差別”だけを描かず、さまざまな白人たちが日本人をどう想っていたか、差別する人間ばかりではない、ということが提示されたのもよかったです。


石井裕也監督のファン、役者のファン、『42』が好きな人にはおすすめします。
しかし、純粋な感動を求める方や、家族やデートでのチョイスはおすすめできません。

石井監督は、本作のような大作っぽさを臭わせる映画よりも、『ぼくたちの家族』や『川の底からこんにちは』のような後ろ向きの(ダメ人間が出てくる)作品のほうが合っているんだろうなあ……次回作に期待します。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。 今回は短めです。

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テーマ : 映画レビュー
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2014-12-28 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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動き出した時間 映画版『アオハライド』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアオハライド(ちょっと遅れました)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:誠実な青春映画だった

あらすじ


高校生の吉岡双葉(本田翼)は、中学の初恋の相手・田中洸(東出昌大)と再会を果たす。
双葉はやさしかったはずの洸が別人のようにクールになっていたことに戸惑いを隠せなかった。その理由は、洸が長崎に行っていた“空白の4年間”に理由があった……




ソラニン」「ホットロード」の三木孝浩監督最新作であり、咲坂伊緒の少女漫画を原作とした作品です。

咲坂 伊緒
432円
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原作でも映画でも優れているのは、物語で描いているのが“恋愛だけではない”ということです。

タイトルは、「青春」を訓読みして「アオハル」にして、そこに「みんなで青春に一生懸命に乗って行く」という意味の「Ride」を付け加えて「アオハライド」となっています。

その名が示すように、本作で描かれているのはまさに青春です。
恋心だけに傾倒することなく、友情や家族愛をしっかり取り入れ、大人になる手前の少年少女の青春時代を丹念に表現した作品に仕上がっていました。

原作漫画は12巻を超えてもまだ完結していない長編なのですが、映画の2時間の枠の中への収めかたもじつに上手かったです。
自分は原作を3巻くらいまで読んでいて(全部読んでいなくてごめんなさい)、基本的に忠実でありつつも、タイトにできるところは思い切って切り捨てて、シチュエーションを変えつつも大切なシーンはしっかりと再現されていることがわかりました。
原作を知っていると「このシーンはこういう形で出てくるんだな」と、新たな表現に気づいてより楽しく観ることができるかもしれません。

そのおかげで主人公ふたり以外のキャラクター(みんな魅力的)の内面が描ききれていないという難点もありますが、これはしかたがないでしょう。
映画を観た後に原作(またはアニメ)を観ると、より登場人物のことが好きになれると思います。

もちろん、原作のことを知らなくてもまったく問題なく楽しめます。
そして、少女漫画が苦手な人にもおすすめできます
物語で見えてくるのは、高校時代のめんどくさいことや、日常の中のちょっとしたすれ違い。
青春がいいことばかりでなく、辛いことまでをもしっかりと描いているので、とても登場人物に感情を移入をさせてくれます。
素敵な高校時代を追体験したい人にとっても、いい映画になるのではないでしょうか。


少し残念だったのは、展開のところどころに違和感があったこと。
本作は前述したように恋心だけでなく友情や家族愛も盛り込まれているのですが、欲張りすぎたためか少し説得力に欠いた描写が見受けられました。

この映画にまったく非はないのですが、後半の展開がL♡DK』とわりとカブっていました
まあ同じジャンルの映画だと、こうなってもしかたがないよね……これで『好きっていいなよ。』を観ていたらどれがどれだかわからなくなっていたかもしれません。

とりあえず思ったのはみんなイケメンの重い過去が好きなんですね
<イケメン+重い過去=守ってあげたくなる>という黄金の方程式が成り立っています
これが非イケメンだと“女々しい”とか“重いのは無理”とかですからね。まったく世の中は不公平だぜ(心の狭い発言)。

また、キャスティングも批判を浴びやすいポイントなのかもしれません。
東出昌大さんはもう26才で、さすがに高校生を演じるにしてはお肌にハリがなさすぎです。
作中で吉沢亮演じる親友が「(先生に比べれば)俺のほうが肌のハリいいのに〜」と言ったのは何のあてつけかと思いました。
原作と比べると、洸がほとんど感情を見せない暗いキャラクターになっている(過去の重い出来事のせいもあるのですが)ので、拒否反応を覚える原作ファンもいるかもしれません。

そのほかのキャストでは、新川優愛のクールビューティーっぷり、高畑充希の“影”を見せる演技が大好きでした。
脇役を実力のある方がしっかり支えているので、自分はキャスティングには悪い印象はありません。


これはなかなかにおすすめです。
三木監督はいままでの人気のある原作を手がけてきており、本作でもその丁寧な演出は多くの観客に受け入れられるでしょう。

自分はこの手の映画をあまり観なかったのですが、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』や『近キョリ恋愛』は真摯な映画作りへの姿勢がわかり、とても大好きな作品になりました。

改めて、「映画は観るまでわからない」ということを心に留め、もっともっと優れた映画を観ていきたいものです。デビクロくん』は予想どおりダメだったけどね!
エンドロール後にもおまけがあるので、最後まで観ましょう!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-12-26 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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展開がすべて奇跡 映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

メリー・クリスマース!カップル爆発四散しろ。
ようし、こういうおめでたい日はみんなにおすすめの映画を紹介しちゃうぞ☆(死んだ魚のような目で)

そんなわけでMIRACLE デビクロくんの恋と魔法の感想です


個人的お気に入り度:2/10

一言感想:逆MIRACLE(映画の出来が)


あらすじ


榮倉奈々がわかりきっている恋心をなかなか伝えられなかったり、相葉雅紀がいつもニコニコMr.ゴメンナサイだったり、ハン・ヒョジュが片言でイケイケ女を演じたり、生田斗真が顔以外でもハイスペックっぷりを発揮する話。




※メタメタにイジっているのでこの映画が好きな人には本当にごめんなさい。

はい、すみませんでした。嘘ついていました。おすすめできません(珍作としては楽しかったけど)。
coco 映画レビューで18%という低評価は大納得でした(自分も下げているけど)。

本作は破壊屋さんのこの映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞2014で現在2位という人気ぶりを見せています。
クリスマス!素敵な奇跡の恋!ジャニーズ主演!というターゲットがわかりやすい映画にして、映画ファンからは無視されている映画ということがよくわかりますね。
“誰映”の投票のコメントで「毎年この手の映画を作らないと誰かが死ぬんでしょうか」というのがあったのは笑いました。

で、ハナからバカするつもりで観に来ましたが(←作品に対して失礼なのでマネしてはいけません)、中盤まではけっこうおもしろかったです。なぜなら、「ベタなラブコメ展開」をこれでもかと詰め込んでいるから。

・曲がり角でぶつかっちゃった人が運命の人だった!
・幼なじみのことが本当は大好きなんだけど、自分を「恋の練習台」にしてまで応援しようとする。
・初めてのデートに誘おうとがんばる!

ここまで「ラブコメあるある」と実写で描くと、吹っ切れて楽しく観れてしまうものなんですね。けっこう感動しました(いや本当に)。

しかし大きな問題がふたつあります。

ひとつは主人公(相葉雅紀)をちっとも応援する気になれないこと。
お人好しでいつもニコニコしている悪意のない善良キャラ……という設定(のはず)なのですが、こいつは作中で犯罪行為をくり返していやがります
それがとがめられるシーンは一切なく、さも「いいもの」であるように描くのはさすがに受けいられませんでした。ニコニコしている相葉君をたまに殴りたくなったのは自分だけではないと信じています。
公式サイトで誰もが応援したくなる主人公☆と書かれてあったのは苦笑いするしかありませんでした。

もうひとつは終盤の展開。いくらなんでもムチャクチャすぎます。
この手の映画で笑うのは周りのお客さんに悪いと思って我慢していたのですが、とある不意打ちのキャラの登場には声をあげて笑うしかありませんでした。
これが笑いを取りに行ってなかったらなんだと言うんだよ。本作はベタな展開を詰め込んでいるので展開の9割がたが読めるのですが、さすがにここだけは予想外でした。

ハン・ヒョジュがキャスティングされていますが、とくに韓国人である必然性はなかったです。
一応言葉の壁でギクシャクしている病描写はあるのですが、外国人でなくても物語は成立しています。

ほかにも全編ツッコミどころだらけで、とくに始終つきまとう都合の良さや、生田斗真演じるキャラのハイスペックっぷりなどはさすがにありえねーです。
たぶん、タイトルをMIRACLEを付け加えたのは、展開をすべて奇跡にしてしまえばご都合主義だと思われないんじゃね?という打算なのではないでしょうか。
そんなんじゃ観客は騙されませんよ……“クリスマスの奇跡”をうまく物語に落とし込んでいた『東京ゴッドファーザーズ』を見習ってほしいです。

中村 航による原作もこんな無茶な話なのでしょうか……。

中村 航
648円
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また、本作は(原作も含めて)山下達郎の“クリスマス・イブ”をモチーフにしています。<歌詞はこちら>
その狙いもよくわかるのですが、この曲がかかるまでの展開が雑すぎて、名曲までもが台無しになっているような印象も受けました。

いいところもあります。
まずは榮倉奈々の存在感。“本当は幼なじみのことが好きだけど、それを隠して応援する”という男勝りな女の子を好演していました。

本作では『メリー・ポピンズ』のように実写とアニメーションが融合しているシーンがはさまれるのですが、その出来もかなりよいです。
「デビクロくん」の造形やキャラ設定も納得できるものでしたし、劇団ひとりの声もハマっていました。

<とてもいいキャラデザインだと思います。
※キャラデザはアンパ○マンがコスプレをしたようにしか見えないとツッコミをいただきました。

犬童一心監督の細かい演出も上手く、話のことを考えなければ(そこがいちばん重要なポイントなんだけど)決して悪い映画ではありません。

そんなわけで脚本ですべてが台無しになっているアレすぎる内容なのですが、ク○映画成分を摂取しきれていない方は観てみてもいいんじゃないでしょうか……でもほかの優れたクリスマス映画を観たほうがいいと思います。

言い忘れていましたが、生田斗真の出番はかなり少ないです。ファンにとっては彼の役柄も含めてキッツい内容だと思うので、お気をつけて。

↓以下、結末も含めてネタバレでツッコミです。

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2014-12-25 : 旧作映画紹介 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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大切な一歩 『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:友だちを大事にしようよ……


あらすじ


小学5年生のケータは不思議な腕時計・妖怪ウォッチを手に入れたことから、さまざまな騒動を起こす妖怪が見えるようになり、妖怪のジバニャンとウィスパーとともに過ごす毎日を送っていた。
ある日、ケータの腕から妖怪ウォッチが消えてしまう。ケータは妖怪のフユニャン出会い、妖怪ウォッチを取り戻すために60年前の世界にタイムスリップするのだが……




子どもに大人気どころか、“第2のポケモン”とまで呼ばれる社会現象を巻き起こしている、『妖怪ウォッチ』のアニメ映画版です。

レベルファイブ
3900円
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原作はニンテンドー3DSのゲームで、アニメ、漫画でメディアミックスをしたおかげもあり、もはや日本でその名を知らない人はいないほどの人気コンテンツになっています。

自分はゲームはプレイしたことはないですが、テレビアニメ版は何話か観ています。
そこでびっくりしたのが……テレビアニメ版は子どもにはわからないパロディネタのオンパレードだったことです。
具体的にネタの内容を言うと、『101回目のプロポーズ』『ガラスの仮面』AKB48オタクなど。子ども置いてけぼりで大人こそが楽しめるネタが盛りだくさんです。
参考↓
<どう見てもヤバい!妖怪ウォッチの「パロディ」がギリギリすぎる!? - NAVER まとめ>


※1話と2話は無料で観ることができます。

たとえば『太陽に吠えろ』ネタでは、七曲署の代わりに鼻曲署が出てきますからね。どんだけ臭いんだよ。『太陽に吠えろ』を知っている子どもはほぼ皆無だろ。お父さんお母さんでも下手すりゃ知らない世代だぞ。

で、今回の映画版でもパロディがあるのかな〜と期待していましたが、しっかりありました。映画ネタで
とてつもなく有名な作品なのですが、これも子どもは観ていないだろうな(観るといいと思うよ)。

また、『銀魂』のような メタフィクションネタもたくさんあって、「こういうときにはこうするのがお約束でしょうが!」「この手の物語にはよくあることです!」と登場人物がツッコミを入れたりします。
ここは好き嫌いがわかれるところですが、自分は大好きです(子ども向けとは思えないから)。


さて、そんなネタの数々はともかく、本作は映画としてはイマイチの出来だと思いました。

まず、登場人物がもれなく自分の想いをベラベラとしゃべります
たとえば「友だちは大事なんだ!」「ヒーローに大切なのは○○なんだ!」などなど……いくら子ども向けとは言え、あまりに露骨なのではないでしょうか。

致命的だと感じたのは、「友だちが大事なんだ!」とさんざん言っておきながら、友だちを大事にしていない描写があること。
あまつさえ、友だちを大事にしていないことをギャグにしているシーンまであります。
それくらい広い心で受け入れろと言われたらそれまでなのですが……配慮を欠いた描写に思えて、子どもに見せたくないレベルでした。

展開もほぼ“ゴリ押し”で、キャラクターの行動や場面展開が、“物語を転がすため”だけに存在しているようでした。
伏線は効果的に使われておらず、ご都合主義な印象があるのでハラハラドキドキしないのです。

本作の物語は、主人公が過去に戻って、若いころの肉親に出会う……という『バック・トゥ・ザ・フューチャー』っぽいものなのですが、その設定を生かしきれていません。
この程度の描写であったら、出会うのが肉親でなくとも物語が成立してしまいます。

そういえば、パロディ以外のギャグは、基本的に“キャラクターのリアクションで笑わせる”ばかりなんですよね(そのうえギャグの天丼も多い)。
子どもはこれで満足なのでしょうが、大人はあまり笑えないと思います。

地味に残念だったのが、“フミちゃん”、“クマ”、“カンチ”というレギュラーキャラがぜんぜん活躍しないこと。
ドラえもんで言うところのしずかちゃん、ジャイアン、スネ夫がまるごと活躍せず、のび太とドラえもんだけが冒険しているような寂しさを感じました。

じつは、今回の物語は発売されたばかりのゲーム版『妖怪ウォッチ2 真打』の追加エピソードそのままだそうです(既に発売されている『2』シリーズでもエピソードはダウンロード配信中)。

レベルファイブ
4968円
powered by yasuikamo
ネットの評判を読むと「ゲームと同じ展開で退屈」という意見が少なからずやありました。映画は映画のみで楽しめるというのが、いちばんいいと思います。


テレビアニメに登場している妖怪はだいたい登場しますし、よく動くアニメーション、妖怪のかわいらしさを観るだけで子どもたちは満足できるでしょう。
個人的には梶裕貴さん演じるフユニャンのイケメンボイスっぷりがたまりませんでしたし、ほかにも朴璐美志村けんなど豪華な配役。それだけでけっこう楽しいです。

しかし、物語としては底は浅く、あまり積極的に子どもに観せたい内容とは思いません。
『妖怪ウォッチ』が満席だった→代わりに『ベイマックス』を観ようか、となる家族が多いと思うのですが、それはいい選択になるはずです。

ていうか初動2日間だけで16億3000万円の興行収入を得ているのが気に入らない(←心の狭い発言)ので、本作を観るのは後回しでいいです。これは妖怪のしわざだ。
子どもにとっては十分楽しい作品ですから、観て損はないと思うのですけどね……


ps.個人的には、同じように子どもをターゲットとし、メディアミックスが行われているコンテンツ『ヒーローバンク』のほうを応援したいですね。

セガ
4010円
powered by yasuikamo

何がすごいって、主人公が小学生にして100億円の借金を背負うという設定。
しかもゲーム(アニメ、漫画)を通してお金の大切さを子どもに教えるという内容で、「悪いことを妖怪のせいにしていると、大人になっても人のせいにしてしまうと言われている」妖怪ウォッチよりは教育的だと思います(中には「妖怪のせい」でよいという意見もあるので、誤解や偏見のないように)。

↓以下、結末も含めてネタバレです 観賞後にご覧ください。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2014-12-23 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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駄菓子をクスリのように吸って依存症になる漫画『だがしかし』レビュー

世の中には、光があれば影があります。
高級なケーキやフランスのお菓子には職人の魂が込めらていますが、大量生産される駄菓子は“駄”とついている通り“価値”があるものとは普段思うことはありません。
本日は、そんな駄菓子の魅力を最大限に引き出した漫画『だがしかし』をご紹介します。

コトヤマ
463円
powered by yasuikamo

まあなんて言うか、タイトルが秀逸ですよね(てっきり哲学系の作品かと思っていました)。
「駄菓子菓子」と漢字変換できますし、「一見駄菓子は価値のないもの、“だがしかし”……」という反論を唱えているようにも思えます。

駄菓子にスポットを当てている漫画がどのようなことになるのか……当然、ふつうの漫画になるわけがなかったのでした。

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2014-12-19 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 0
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ふたつの愛 映画『ホビット 決戦のゆくえ』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はホビット 決戦のゆくえ(原題:The Hobbit: The Battle of the Five Armies)です。

※あらすじから前作『竜に奪われた王国』のネタバレがあるのでご注意ください。

個人的お気に入り度:6/10

一言感想:いろいろと時間が足りなかったんだろうな……


あらすじ


王国を奪い返す旅に出発したホビットのビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)一行は、竜のスマウグを目覚めさせてしまう。
スマウグが港町エスゴラスに襲いかかろうとしている中、ドワーフのトーリン(リチャード・アーミティッジ)は秘宝“アーケン石”に目がくらみ、かつての威厳を失いつつあった。
そんな折、サウロンが奇襲をしかけ、アゾグの軍も決戦の地にやってくる。ドワーフ、エルフ、人間たちの対立も始まり、かくして“5軍”の戦いが幕を開けようとしていた。




※わりと文句を言っているので、この映画が好きな方にはごめんなさい。
※コメントの意見を追記しています。毎度ありがとうございます!

『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚にして、『ホビット』3部作の完結編です。
前作と前々作のレビューはこちら↓
<認めること 映画『ホビット 思いがけない冒険』>
<星の光の下で 映画『ホビット 竜に奪われた王国』>

さて、今回の完結編を観ていちばん最初に思ったことが上映時間が短すぎるということです
実際に、『思いがけない冒険』が2時間50分→『竜に奪われた王国』が2時間41分→『決戦のゆくえ』が2時間25分と、どんどん短くなっていっていました。ちなみに、その2時間25分のうちエンドロールが10分を占めます。

前作と前々作でさんざん「長い」「間延びしている」とかほざいていた自分が言うことではないのは重々承知ですが、今回は細部で“描ききれていない”描写が多いと感じました。
展開のそこかしらに違和感がありますし、キャラクターの描写もあっさりしすぎています。

これは公開ギリギリになるまで作業をしていたという、制作スケジュールそのものに原因があったのでしょう。
そういえば、『るろうに剣心 伝説の最期編』も公開ギリギリまで映画を作っていたおかげで、かなり雑な作品になっていました。
※本作は元々二部構成だったものを三部構成に変更していたそうです。

映画は、公開が直前になって延期されることはそれほど多くはありません(『シャッターアイランド』ラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督の『ジュピター』、日本では震災の影響があった『世界侵略:ロサンゼルス決戦』など)。
しかし、せっかくの完結編でこのような不満が出てしまうのであれば、少し延期してでも完成度を高めて欲しかった……と思わざるを得ませんでした。
まあ、前作の終わりかたがエグすぎたので、早めに公開せざるを得なかったのでしょうけど。


もうひとつの不満は……軽いネタバレかもしれませんがもう言ってしまいます。13人もいるドワーフのほとんどが活躍しません

あんまり出てきません<あんまり活躍しません

一方、活躍しまくっているのは、原作の『ホビット』に登場しないタウリエルレゴラスです。
このふたりも好きなんですが、せっかく個性豊かなドワーフたちといっしょに旅をしていたのだから、そちらに花を持たせてやりたかった……と思う人は少なくないはずです。

また、前作からのことではありますが、おもに活躍する男性キャラクターにも不満があります。
それは“見た目”。以下を見れば、その見た目の共通点がわかると思います。

トーリン<トーリン バルド<バルド  キーリ<キーリ

このように、イケメン+長髪率が非常に高いことになっています。
役者の顔はぜんぜん違うし、作中ではちゃんと見分けはつくのですが、パッと見ではわかりにくく「これはどっちのイケメン長髪だっけ?」と思ってしまいましたもの……(自分だけだったらごめんなさい)。
せっかくドワーフの見分けかたの図を作ってくれた方もいるのですから、やっぱり見た目が個性豊かなドワーフたちに活躍の場所を与えてほしかったですね。

あ、もうひとり長髪のキャラを忘れていました。

ウザキャラ<アルフリド

こいつはぜんぜんイケメンじゃないので混乱しなくてすみますが、イントゥ・ザ・ストーム』のYouTubeバカ並にウザいキャラになっていたので面食らいました。
こいつの一連のシーンが笑えるかと言えば、ウザいだけであんまり笑えないような気がします。

……あ、ビルボは主人公とは思えないほど影が薄かったです(ドワーフたちよりはマシです)。

こうなると、いままでの『ホビット』に“長い”と文句を言っていたことが恥ずかしくなりました。
いままでは“日常”の描写の多く時間を裂いて、時間をゆっくりとかけて、登場人物の心情を丁寧に描いていました。
しかし本作は戦闘シーンばかりが続き、映画としては破綻しているとまで思えるほど雑な点が散見されました。
『ホビット』という作品が持っていた、この“丁寧さ”が失われてしまったのは、やはり残念でした。


そんなわけで展開とキャラクターの描きかたには不満が多かったのですが、圧倒的な描写のファンタジーの世界、5軍が激突する(原題はThe Battle of the Five Armies)終盤の盛り上がりなどは、劇場でこそ堪能するべきものです。
自分は何となく2Dで観てしまいましたが、3Dはいままで以上に自然かつ迫力があるものになっているそうなので、ファンは3Dを選択したほうがいいでしょう。

また、言うまでもなく前作と前々作の鑑賞は必須です
“いままでのあらすじ”なんてものも一切なく、マジで前作の終わりの続きから始まります。
前作の終盤の展開をだいぶ忘れていた自分は、けっこう物語についていくのが大変でした。

余談ですが、本作のパロディである機内マナービデオのクオリティがハンパないことになっています。



ピーター・ジャクソン監督本人や、清水直行選手や、『ロード〜』でおなじみのあの人まで出演しているんですけど……すげえな。
※『ホビット』シリーズは定番だったようです。
参考→<ニュージーランド航空、「壮大すぎる機内安全ビデオ」を公開日本サイト>

ここまでのスペクタクル、長かった旅の終わりを観ることができただけでも満足してしまうのも事実。
いままで『ホビット』を観てきた人は、迷わず劇場に向かいましょう(できれば予習をして)。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 前作『竜に奪われた王国』の内容がさらにネタバレしているのでご注意を

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2014-12-18 : 映画感想 : コメント : 12 : トラックバック : 0
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世間の束縛 映画『ゴーン・ガール』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はゴーン・ガールです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:結婚こわい

※12/14:コメントを受けてネタバレに追記しました。ありがとうございます!

あらすじ


ある日、ベストセラー『完璧なエイミー』のモデルとなった女性・エイミー(ロザムンド・パイク)が失踪した。
夫のニック(ベン・アフレック)はメディアと世論から強いバッシングを受け、自身の妻との生活にもしだいに“ほころび”が見えていく。
ニックは双子の妹のマーゴ(キャリー・クーン)と相談し、事件の解決を図るため敏腕弁護士のボルト(タイラー・ペリー)を頼るのだが……




ソーシャル・ネットワーク』『ドラゴン・タトゥーの女』のデヴィッド・フィンチャー監督最新作であり、同名のベストセラー小説を原作とした映画です。

ギリアン フリン
812円
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本作はイヤな気分になるミステリー、通称“イヤミス”です。
いや、もはやそんな呼称は作品に失礼かもしれません。
本気で“心をえぐってくる”のですから。

基本的にジャンルはミステリーです。
なぜ妻は失踪したのか?
妻をさらった(殺した)犯人は誰なのか?
そうした要素だけでも、十分に楽しめます。

それだけでなく、本作にはサイコスリラーの要素もあります。
妻・エイミーに隠された真実や、『白ゆき姫殺人事件』に似たマスコミによる情報操作は身の毛のよだつほどの恐ろしさがありました。

さらには、ブラックコメディの様相を呈しています。
実際に、後半の展開には劇場からはちらほらと笑い声が漏れていました。
これはもはや“恐怖”や“ひどすぎる”からでこそ起こる笑いであり、人によってはただただドン引きするかもしれません。

また、本作は妻の捜索をする現在のパートと、妻の独白で語られる過去のパートが交互に語られています。
当事者以外の人が、その人生を知っていくという構成で、「市民ケーン」を思いだす人も多いかもしれません。

主要となる登場人物が少なく、それぞれが重要な役割を担っていることも魅力のひとつ。
以下に紹介してみましょう。

ニック<ニック(ベン・アフレック):元ライターであり、疑惑の男
エイミー<エイミー( ロザムンド・パイク):夫と同じライターで、突如失踪する妻
マーゴ<マーゴ(キャリー・クーン):ニックの双子の妹
刑事<ボニー(キム・ディケンズ):ニックを中立的に調査する刑事
ボルト弁護士<ボルト(タイラー・ペリー):ニックの弁護士
デジー元彼<デジー(ニール・パトリック・ハリス):エイミーの元彼

この中の誰がウソをつき、誰が“勝者”となるのか。
それを映画を観ながら、ぜひ考えてほしいです。

また、真実に検討がついたからといって、“そこ”ではなく“その先”が重要な作品となっています。
謎が明らかになってからが本番という物語は、観客をさらに惹き付けるでしょう。

観た人全員が“恐怖”を感じるのは、なんと言ってもロザムンド・パイクの“怪演”。
彼女は『アウトロー』や『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う』を“ふつう”のヒロインを演じていましたが、今回は……言うのはよしておきましょう。

カット割りや場面転換などの映画的な演出もすばらしく、デヴィッドフィンチャー監督の手腕が冴え渡っています。
物語(現代)の舞台は夏のミズーリ州で蒸し暑いはずなのですが、登場人物の心情を表したかのような冷え冷えとした画もじつに魅力的でした。

トレント・レズナーアッティカス・ロスによる音楽もハマリまくっています。

Various Artists
1585円
powered by yasuikamo

おどろおどろしい音楽がエグいシーンを強調し、絶望的な心境を煽ってくれました

えーと、どうしましょう。それ以上のことがネタバレなしでは何も言えません
本作は間違いなく、なるべく何も知らず、予備知識がない状態で観たほうが楽しめる映画です(原作を読んでいるのなら別の話)(Wikipediaにも思い切りネタバレが載っているので、ご注意を)。

Elvis Costelloの『she』が流れる予告編は、本編を観終わって改めて秀逸であると実感しました。これはうまく作中の真実を隠し、ミスリーディングを誘っています。

もうひとつ言うなら、本作は究極の“リア充ざまあ”映画だと思います。
何せ、この映画の主人公は美男美女、妻は高学歴、夫はバーの経営者で表向けにはリア充な夫婦です。
でも、蓋を開けてみればアラ不思議。ちっとも幸せじゃないのですのもの。

独身者が観ればきっと「結婚しなくてよかった!」と思う(思ってしまう)でしょう。
結婚している夫婦が観れば………マジで今後の関係に支障をきたさないか心配になります。
ちなみにモデルとなっている事件もあるようです→<スコット・ピーターソン: 妻子殺人事件 ディープなアメリカ>

公式サイトの著名人のコメントが軒並みおもしろいのですが、とくに中山七里さんのコメントが目に留まりました。
結婚していない非リア充側の自分からすれば、本作の出来事は絵空事のようにしか思えません。

とにかく、これは大プッシュでおすすめです。
上映時間は2時間半弱と長めですが、あっという間に感じられるでしょう。
エッグい作品で落ち込みたい人は是が非でも観るべきですし、ミステリー要素にハラハラドキドキしたい人にとっても最高の1本になるはずです。

R15+指定であり、性的なシーンが多いので、そこだけはお気をつけを。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-12-13 : 映画感想 : コメント : 22 : トラックバック : 1
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本物の宝探し 映画『瀬戸内海賊物語』ネタバレなし感想

映画ファンであれば、マイナーな映画から優れた作品を“発掘”して、いろいろな人におすすめしたくなる作品があると思います。
本日は本当に知る機会があってよかったと思えた作品瀬戸内海賊物語(公開:2014年)を紹介します。

柴田杏花(子役)
3082円
powered by yasuikamo


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:この時代にジュブナイル映画が観れて幸せ


あらすじ


戦国時代に存在した瀬戸内海の水軍“村上水軍”の血を引く少女・楓(柴田杏花)は蔵で1本の横笛を見つける。それは、村上家に伝わる村上水軍の埋蔵金の手掛かりとなる笛だった。
そんな折、楓の住む小豆島と本土を結ぶフェリーが路線廃止の危機に陥っていた。楓は島の窮地を救うため、仲間とともに埋蔵金を探す冒険に出発する




本作のプロットは、仲のよい少年少女が協力して宝を見つけにいくというジュブナイルものです。
楽しい冒険を主軸にして、戦いあり、少年少女らしい悩みあり、よからぬことを企む敵との攻防ありと、『グーニーズ』っぽい内容が何ともわくわくさせてくれました。
終盤には『インディー・ジョーンズ』や『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』を彷彿とさせる洞窟での冒険があるのだからたまりません。

さらに内容をかいつまんで言うと、
・宝の手がかりとなる地図と笛を見つけた
・だけど、よくわらかない暗号みたいなものが書いてあるぞ
・この謎を解くんだ!
・道中ではさまざまな罠が待ち受けていた! 仲間とともに危機を乗り切るんだ!
という感じ。これらがちょっとでも心の琴線に触れる方であれば、とっととレンタル店に行きましょう。

本作の舞台は小豆島なので、実際に小豆島に旅行に行った人や、『二十四の瞳』のファンであればさらにおもしろく観れるでしょう(有名なエンジェルロードも、もちろん登場します)。

この映画は冒険をする仲間たちが魅力的です。
以下に紹介してみましょう。

主人公<楓(かえで):活発な少女で、仲間のリーダー格

格闘に強い<冬樹(ふゆき):イケメンかつ空手の有段者

ハカセ的な<学(まなぶ):物知りな“ハカセ”的ポジション

憂いの少女<愛子(あいこ):冷たい印象を持つ少女だけど、じつは……

みんな個性的なので、映画を見ればきっと応援したくなるはず。
また、主人公(ヒロイン)に大抜擢された柴田杏花さんが死ぬほどかわいいです。
昔で言えば『時をかける少女 』の原田知世さん(演技力は柴田さんのほうがはるかに上)、最近で言えば『プリンセストヨトミ』の沢木ルカさんに通ずるボーイッシュな魅力があります。
ちなみに山寺宏一さんがナレーションを務めていたり、中村玉緒さんが主人公のおばあちゃん役で登場したりと、脇役もわりと豪華だったりします。

また、“冒険に旅立つまで”をじっくり描写してくれたこともよかったです。
生活の中で、“大人の世知辛い問題”が顔を出し、日常での登場人物の関係性を描いています。
普段から住んでいる場所でも冒険したり、さまざまな問題について悩んだりする子どもたちに、すっかり感情移入してしまいました。

世の中の子どもたちには『妖怪ウォッチ』ばっかり夢中で、どーせ映画版も大ヒットするんですから(※自分は妖怪ウォッチが嫌いなわけではありません)、自分はこの『瀬戸内海賊物語』こそ子どもに観せたいと思います。
こういう映画観ておくと、きっと映画のことが大好きになるでしょうから。

自分は本作を中野の新人監督映画祭で観たのですが、上映前の舞台挨拶に登壇した大森研一監督は「子どもが本当に楽しそうに撮影に臨んでいて、帰りたくないって言っていた子もいた」と語っていました。
作り手や出演者が幸せであるのなら、映画ファンとしてもとても気持ちがいいものです。
AKBなんとかのドキュメンタリーで堂々と少女虐待みたいなことをしていている秋なんとかプロデューサーにも言ってやりたいですね。

本作の最大の弱点は、あまりにも世の中に知られていないことでしょう。
2014年の5月に公開されていたのですが、上映館が少なめでした。
舞台挨拶で出演者の阿藤快は「配給会社にお金をかなり取られちゃうんだよね」などと宣伝と出資の苦労を語っていましたが、それでもアピールされている印象はありませんでした。
作中に村上水軍が登場するのですから、書籍「村上海賊の娘」に便乗してしまってもよかったのに……と思ってしまいました。

映画として、かなりクオリティーの高い一作です。
後半のための伏線をじっくり張り、撮影も抜群に上手く、登場人物は魅力たっぷりに描かれ、大人たちの演技に子役が負けていないのですから。
何より子どものころでしか味わえない冒険を体験できるのは、楽しくってしかたがありません。

あと最後に<ネタバレ反転>「おばあちゃんは金塊をちょろまかして40万以上もするカメラを買ったのかよ!」とツッコめることもステキ。

PS.大森研一監督は、『ライトノベルの正しい書き方』という、低予算でありながら高い評価を得た作品を撮っていました。
須藤茉麻
2660円
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※参考→<映画瓦版|ライトノベルの楽しい書き方>
映画ファンであれば、こうした映画こそ応援したいものです。

おすすめ↓
大森監督の郷土愛をみた。 - ユーザーレビュー - 瀬戸内海賊物語 - 作品 - Yahoo!映画

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2014-12-12 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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マフラー推しすぎ 映画『THE LAST ナルト-NARUTO THE MOVIE-』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はTHE LAST -NARUTO THE MOVIE-です。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:すべてのナルトファンに捧げていなかった


あらすじ


月が地球に異常接近し、人類は滅亡の危機を迎えていた。
そんな折、ヒナタの妹・ハナビがトネリと名乗る謎の男にさらわれてしまう。
ナルト、ヒナタ、サクラ、シカマル、サイの5人は、調査およびさらわれたハナビを救い出すため、地底空間にたどり着くのだが……




※メタメタに書いているので、この映画が好きな方、制作者のみなさんにはごめんなさい。

人気漫画『NARUTO』を原作とする“最後”の劇場アニメ作品です。
原作は2014年11月発売の『少年ジャンプ』誌上で完結を迎え、本作品は“最終話”と“その1話前”の間を補完するストーリーとなっています。
70巻以上にもおよぶ原作の長い長い物語を埋める“最後のパズルピース”を期待し、劇場に足を運ぶファンはきっと多いことでしょう。

その期待は、かなり裏切られてしまうのではないでしょうか。
本作で描かれているのは、主人公・ナルトと、恋する乙女・ヒナタの恋愛のみを描いていると言っても過言ではないのですから。

自分はあまり原作を読み込んだ人間ではないのですが、『NARUTO』には魅力的なキャラクターがいっぱいいます。
満遍なく活躍してほしい、あのキャラの出番が欲しいと願う人はきっと多いはずなのに、この映画のキャラのほとんどはナルトとヒナタの恋愛を持ち上げるためだけに存在しているようにしか思えず、キャラへの愛が乏しいように思えます。
公式ページに大々的に載っているとあるキャラの活躍はほぼ詐欺と言える少なさで、これなら出ないほうがマシだったのではないでしょうか。

さらに、「このキャラはこういうことを言わないないのでは?」「あのシーンは原作とは違うのでは?」と疑問に思うシーンがいくつも存在します。
個人的に、イルカ先生が映画の冒頭で行った“授業”の内容がかなり不愉快に感じました。


では原作うんぬんを置いておいて、一本の映画作品としてはどうか?と問われると……お世辞にも出来がよいとは思えませんでした。
本作では“世界の滅亡を回避するため、さらわれた仲間を助けにいく”という冒険と、“恋心に素直になれない”という恋愛話が同時進行しています。
この時点で、地球が滅亡しかけているのに恋愛話をしている場合かよ!というツッコミどころが生まれてしまいます。

この映画はその点をうまく解決できていませんし、脚本家はさすがにまずいと思ったのか、「緊急時にのんきに恋愛のことで悩んでいるのはひどいよね」と登場人物に言い訳をさせています
この2つの主軸を同時並行で描くにしても、もう少しやりようがなかったのでしょうか……まあ、地球があと30分で滅亡するのに痴話喧嘩をはじめる『ガッチャマン』の50億倍はマシですが。

冒険物語としても、やたら過去の描写(回想)をしたり、位置関係がわかりにくかったり、障害が簡単に解決ししてしまったりと、煮え切りません。
バトルも“相手の弱点を突く”などの駆け引きがなく、単純な大技の応酬で終わってしまいます。

また、本作では“マフラー”というアイテムがかなりクローズアップされており、その狙いもわかるのですが……
しつこいほどマフラーが登場するうえに、それが示しているメッセージの意味を登場人物がベラベラとしゃべるので、これもまた興ざめでした。


いいところもあるんです。
画はさすがは劇場版のクオリティーと思えるほど洗練されています。
個人的に大好きだったのは、鳥獣戯画の術を使ったビジュアル。水墨画を乗り物にするシーンはかなりわくわくさせてくれました。

過去に観た「ROAD TO NINJA」でも思ったのですが、劇場版は『NARUTO』をまったく知らなくても1本の映画作品として楽しめるように作られていることが優れています。
キャラクターを知っていることを前提とした展開はそれほどなく、この映画1本で話はまとまっていますし、起承転結もしっかりあります。子どもに連れられきたお父さんお母さんも、問題なく観ることができるでしょう。
その代償として、原作で培われてきたキャラクターの“らしさ”や“関係性”が希薄になっている気もしますが……

(原作のことを抜きにすれば)メインの恋愛話も悪くはありません。
本作で描かれる“ぜんぜん鈍感で恋心に気づかない男子と、うまく気持ちを伝えられない女子”というのはラブコメの王道です。
恋愛までの過程は、十分に応援したくなるものに仕上がっていました。

また、自分は原作ではヒナタというキャラがいちばん大好きでした。
ヒナタは自分に自信がなくてオドオドしていて、なおかつ努力家で、ずっとナルトに片思いをしているという報われないヒロインっぽいポジションです。
そのキャラクターが、ほぼ映画の主役と言っていいほどの活躍をしているのは、やはりうれしいものでした。

<けなげなヒロインです


本作は“すべてのNARUTOファンに捧ぐ”といういう触れ込みで、シリーズの集大成であると“思わせる”宣伝がなされていました。
だからでこそ、本作でのキャラの活躍の少なさ、なおかつ理解しがたい言動まであるのは、残念としか言いようがありません。

それでも、原作のヒナタのファンにとってはおすすめします。
本作の出来に不満がある人でも、エンドロール後のおまけを観れば少しは溜飲を下げられるかもしれないので、最後まで席に座っておきましょう。

追記:本作のノベライズ本がかなり評判がいいので、納得がいかなかった方はこちらを読むのがいいのかもしれません。

岸本 斉史
702円
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余談:『NARUTO』も好きですが、個人的には原作者の双子の弟さんが描いている『666~サタン~』がもっと大好きだったりします。

<知ってる?

冒険もののツボを押さえつつ、主人公の少年の目的が世界征服という素敵な設定も用意されている作品なので、ぜひ一度読んでみてほしいです。
※こちらで試し読みができます↓
<666~サタン~ 1巻>

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-12-10 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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人間の行動 映画「フューリー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はフューリー(2014)(遅れてすみません)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:戦場の熱き友情→仲間がむしろヒドい


あらすじ


1945年4月、アメリカ連合軍はナチスがはびこるドイツに総攻撃を仕掛けようとしていた。
ウォーダディー(ブラッド・ピット)たちアメリカ兵士たちは、フューリーと名付けたアメリカ製の中戦車“シャーマンM4”に乗り戦地に赴く。
フューリーの乗組員に、いままで人を殺したことがない新兵・ノーマン(ローガン・ラーマン)が加わるのだが……




エンド・オブ・ウォッチ」「サボタージュ」のデヴィッド・エアー監督最新作です。
ブライアン・デ・パルマ監督の同名の作品とは無関係です。

本作は史実をもとにしているものの、物語自体はフィクションです。
戦地に赴くアメリカ兵4人の心の変化と窮地を描く、骨太の戦争映画となっていました。

映画を観ても信じられないのは、この映画で描かれるのがたった1日の出来事であるということ(正確には丸2日経っているようなのですが)。
戦場での“濃い”人間ドラマ&戦闘が本作のいちばんの見所と言ってよいでしょう。

物語で上手いのは、若き新兵を主人公と言えるポジションで活躍させていること。
観客のほとんども実際の戦争に触れていないので、「はじめての戦争」に怯える新兵にとても感情移入をさせてくれるのです。

この新兵は、「はじめての人殺し」「戦車を使っての乱射」も余儀なくされます。
兵士としては成長してくものの、人を殺したくないという想い(人間性)は次第にうすれていく……その変化が非常に哀しくも、恐ろしいものでした。

また、ポスターや予告編で「戦場で築かれる男たちの友情!」みたいなものを期待していましたが、ぜんぜん違いました。むしろ仲間たちのほうがク○野郎どもでした
てめー戦場だからってそんなこと強要してんじゃねーよと怒りたくなります。
でも、それも戦場という狂気により引き起こされたものです。

この狂気は「ハート・ロッカー」にも通じるものがあります。
全編を通じて「戦争では人殺しは当然」という理論が一貫しているので、良くも悪くも気分が悪くなる映画と言ってよいでしょう。

戦車マニア(?)にとってたまらないのは、本物のティーガー戦車M4中戦車を博物館から借り入れて撮影に用いたことです。
本物の戦車どうしの戦闘は、狭い戦車内部の乗組員の描写も相まってかなりの緊張感がありました。



個人的に違和感があったのは、曳光弾による攻撃が描かれていることです。
具体的には“放たれた弾丸がピカピカと光る”のですが、これがSFチックというか、スターウォーズでも観に来たんだっけ?と思わせてしまうほどで、演出過多に思えました。

宗教観がクローズアップされているのも、日本人にはピンとこないかもしれません。
日本ではなぜかG(前年齢)指定ですが(本国ではR指定)、多少なりとも殺傷シーンやグロテスクな描写、性的な話題があるので、お子様の鑑賞にも向いていません。
会話シーンが多く、人によっては退屈に感じてしまう人も多いでしょう。
そもそもの戦争という重い題材も含めて、万人が楽しめる内容とは思えませんでした。

しかし、登場人物の心情の変化、宗教観に着目してみるととてもおもしろい映画です。
乗組員のひとりが「俺たちが生きているのは神の思し召しか?」と疑問に思うシーンがあるのですが、映画はこのことを肯定しているようにも、否定しているようにも見えます。
ラストシーンでの画や、その直前の乗組員の想いなどを、いろいろと思い返してみることをおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2014-12-09 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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母さん、ありがとう 映画版「寄生獣」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は寄生獣 PART1です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:原作を超えた、“子”の葛藤があった


あらすじ


高校生の泉新一(染谷将太)は、地球の外から現れた謎の生命体により“寄生”をされてしまう。彼の右手は“ミギー”と名乗り、自我を持ち始めたのだ。
時を同じくして、ちまたでは猟奇的な殺人事件が連続する。
寄生生物でありながら教職に就く田宮良子(深津絵里)は、“実験材料”として新一を興味深く観察する。




※いただいた意見から少しだけネタバレに追記しています(12/4)

人気作品を映画化することは、じつに難しいと思います。
「あのシーンが違う」「なぜ変えてしまうのか」「イメージに合っていない」などと、原作をよく知るファンほど“文句”の量は増えてしまうのですから。
それは、大傑作漫画「寄生獣」の映画化というのであれば、なおさらのことです。

岩明 均
500円
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<こちらで試し読みできます>

「寄生獣」のおもしろさ、幅広い層からの絶賛は漫画ファンであれば誰しもが知るところでしょう。
たった10巻(書籍形態によって差はあり)のなかに、人間ドラマ、グロテスクな寄生生物の斬新なアクション、人間の根源に迫る哲学に至るまで、いま読んでも新しい発見がある奥深さがある、エンターテインメント性とメッセージ性を兼ね備えている作品なのです。

そうであるからこそ、映画化は不安でした。
あの濃密な内容が2時間×2部作の映画のなかに収まるわけはないと、どうあっても原作のおもしろさに勝てるわけはないと……
ハリウッドでの映画化の計画が流れたり、映画ファンからはあまり評価されていない山崎貴監督作品であるなど、不安は山積みでした。

しかし、この映画版「寄生獣」は原作をリスペクトし、なおかつ映画独自のアレンジが有効に作用した新たな秀作であると思います。以下に優れた点をあげてみます。

(1)2時間弱という制約がありながら、原作漫画の重要なシーンをほぼすべて拾っている

本作で描かれるのは、原作の3巻くらいまでのエピソードです。
それでも相当な量ですが、映画版ではいくつかの登場人物を整理、統合することによりすっきりとエピソードをまとめています。
そのために原作の“宇田”(あごに寄生生物がついている気のいいおじさん)と“加奈”(寄生生物を感知する能力があるスケバン女子高生)が未登場になっていますが、そのためにエピソードの主軸がはっきりしています。
これは、ひとつの映画として完成度を高めるための英断でしょう。

(2)映画版でのオリジナル要素がほぼすべていい方向に働いている

原作ファンであれば「なるべく忠実にしてくれ」と思うところですが、映画版では新しい設定がいくつか入っています。
それはごく小さなエピソードがほとんどなのですが、これが後半の展開への伏線となっていたり、登場人物の心情をより表したものになっていました。

(3)より“子の母に対する想い”が強調されている

これが映画版で、本当に感動した部分でした。
原作から変更された点は細かいものがほとんどなのですが、主人公の葛藤と決断の奥深さは原作を超えていました

このなかで(3)は、観る人によっては原作の改悪と思う人もいるかもしれません。
しかし、母親と主人公の何気ない会話や、原作にない“絵画”のシーンを思い返してみてください。
きっと、その意味するところに気づけると思います。

また、言わずもがなのことではありますが、原作の奇妙な寄生生物の造形を実写映画で再現したことも賞賛するべきでしょう。
本作は、人気ゲーム「メタルギアソリッド」でおなじみの小島プロダクションによる3Dスキャン技術により立体的な寄生生物を創造しています。漫画で観た荒唐無稽とも言える気持ち悪さ、圧巻のバトルが“実写”で観ることができることだけで、感動できるのです。

また、グロテスクな描写に遠慮がないことも魅力です。
「寄生獣」のグロさは寄生生物の恐ろしさ、「人間を喰らう」ということへの“疑問”と“正当性”を問いかけるために必要不可欠のものです。
本作はPG12指定ですが、その指定でギリギリ許されるくらいの、殺傷シーン、人体損壊のシーンが多々あります。お子様の鑑賞はとてもオススメできません。
ファミリー向けの映画を手がけてきた山崎監督(とスタッフ)が、ここで手を抜かなかったことにも胸を打ちました。

BUMP OF CHICKENによる主題歌「パレード」は賛否あるようですが、自分はかなり気に入りました。



その歌詞は“自分が自分でなくなる”主人公の恐怖と、そして喪失を表現しているかのようでした。


もちろん不満もあります。
多くの方があげるのは、そのキャスティングでしょう。
主演の染谷将太もヒロインの橋本愛も原作とは“見た目”から原作と違いますし、もうひとりの主人公である寄生生物“ミギー”の声(とモーションキャプチャー)の担当が阿部サダヲというのもイメージとは違います。

公式サイトでミギーの紹介ページを見ると、なんと「おしゃべりで陽気」と記されているほどで、あまり“原作に近づけよう”という気概は感じられません(原作を読んでいる人ならわかると思うのですが、ミギーはおしゃべりではあるけれど陽気ではなく“冷静沈着”な性格ですよね)。
ここで賛否がわかれてしまうのは、致し方ないと思います。
※以下の意見をいただきました。
軽いノリのミギーには賛否ありそうですが、この短い尺で物語を進める上では良いリズムになっていたと思います。恐らく原作通りの性格のままでは、テンポの悪い地味でつまらない映画になっていた気がしてなりません。


でも裏を返せば、原作の見た目のイメージではなく、“実力派”のキャスティングがなされているということ、原作に縛られないキャラクターづくりができているということでもあります。
事実、映画版の新一もミギーも、性格の少し違う“新たなキャラクター”として、とても魅力的に感じました。
具体的に言うと新一はよりヘタレになって、ミギーはちょっとムカつく感じになっています。これはこれで楽しめました。

また、キャスティングでとくにおもろかったのが東出昌大さん。
正直、彼は演技がうまいほうではないと思っていたのですが、本作では寄生生物という“非人間”の役どころで、その棒読み具合がむしろハマっているという絶妙な演技を見せていました。
本作の東出さんはマジで怖いので、2週間後に公開される恋愛映画「アオハライド」でも「いつ喰われるんだろう」と別の意味でドキドキしてしまいそうです。

ほかにも、原作の“演出”で感じ取れるシーンをわざわざセリフで表現してしまったり、細かいシーンに違和感があるなどの不満があります。
このあたりは山崎監督の悪いクセが垣間見えて残念でしたが、全体からしてみればそこまで大きな欠点でもないでしょう。

むしろ、山崎監督にあるまじき(超失礼)映画的な演出が優れていたことにも感動しました。
ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」にあった“大仰な音楽で盛り上げる(ラストだけうるさいけど)”や“登場人物がさめざめと涙を流す”ということもなく、“暗”を基調とした画のおもしろさも際立っていました。
山崎監督が嫌いだという方にとっても、本作は見応えがある作品になっているのではないでしょうか。


とにかく、これは原作を知らない方はもちろん、「寄生獣」の大ファンであるという方にもおすすめします。
個人的には、前述した“母と子”の描きかたにぜひ注目してほしいです。
大傑作の「寄生獣」に、まさかこの点で“原作超え”という表現を使うことになるとは思ってもみませんでした。
いくつかの改変の理由に気づけたとき、原作にはない感動があるはずです。

ps.「寄生獣」を知ったあとには、原作者・岩明均さんの「ヒストリエ」「七夕の国」「風子のいる店」もぜひ読んでほしいです。
いずれもテイストは異なりますが、岩明さん独自の倫理観や価値観が現れている奥深い作品です。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 原作漫画のネタバレは最小限にしています。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2014-12-02 : 映画感想 : コメント : 13 : トラックバック : 0
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『シン・ゴジラ』
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<2016年上半期>
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<2015年下半期>
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『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

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<2014年下半期>
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<2014年上半期>
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<2013年下半期公開>
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『かぐや姫の物語』
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『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
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<2012年上半期公開>
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『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
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<2011年下半期公開>
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