『ベイマックス』字幕版と吹き替え版どちらがオススメ?+2回目の鑑賞で気づいた点
『ベイマックス』はすばらしい作品でしたね。個人的には全人類に鑑賞を義務づけるべきだと思います。
<なにこれちょうほしい
本作は大人にもおすすめしたい(オタク)要素が満載です。
そのために、字幕を観ようか、吹き替え版を観ようか、3D料金を払う価値はあるかと迷っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
自分は1回目は字幕版、2回目は吹き替え版+3Dを観てみました。
そこから結論を申し上げれば、字幕版よりも吹き替え版がおすすめ、3Dに関してはお好みで選べばよし、というところです。
字幕版、吹き替え版のよいところとビミョーなところをそれぞれ書いてみます。
※以下は少しだけ内容にふれていますが、未見でも問題のないレベルだと思います。
※少々うろ覚えなところがあるので、間違いがありましたらご指摘いただけると幸いです。
※(1月5日:いただいたコメント+αを追記しました)
【字幕版】
<よいところ>
・原語のセリフならではの楽しみがある
たとえば、フレッドというアメリカンコミック(以下アメコミ)オタクが敵のことを「ラスボス(吹き替えだとボスキャラ)」と呼ぶシーンがあるのですが、原語では「スーパーヴィラン」と呼んでいます。
アメコミを知らない女性や子どもには「ヴィラン」ということばにはなじみがないので、こうしたのも理解できます。
でも、アメコミファンとしては悪役はヴィランと呼ぶべきですよね。ここでもアメコミをリスペクトしているところがわかります。
・原語のおもしろさが楽しめる
本作には「ワサビ」「モチ」などの日本の名前が多数登場していて、それの原語での発音がやけに楽しいです。
「WASA↑BI↓」「MOCHI↑」みたいなイントネーションになっていて、より舞台の“サンフランソウキョウ”の奇妙な魅力に気づけます。
<ビミョーなところ>
・字幕の内容がかなり簡略化されている
たとえば、タダシというキャラが主人公を「天才のお前」と呼ぶシーンがあるのですが、原語および吹き替えでは「13歳で高校を卒業した」という事実が示されています。
ほかにも「プログラムのコーディングが大変だった」は「プログラムが大変だった」になっています。
これは意訳というよりも、字幕の視認性を高めるためにあえて内容を簡潔にした、ということなのでしょう。
・字幕に辛辣に感じる内容がある。
吹き替え版では可能な限り「オタク」という表現は避けていた(劇中2回くらい登場)のですが、字幕版では「Nerd」というセリフをもれなく「オタク」と字幕で表示しています。
吹き替え版での「14才でネタ切れか」というセリフは、字幕版では「14才で枯れているのか」でした。
このあたりは、ちょっとやりすぎかもしれません。
・単純に字幕を追うことが大変
本作はかなりスピーディに物語が展開するので、字幕を追うのが大変です。
※追記
なんと字幕版はセリフが削られているという衝撃の事実が飛び込んできました。
字幕版の最後に不満があったのだけど、そういうことか・・・(ネタバレなので観賞後にお読みください)↓
【映画】ベイマックス・日本語上映版とアメリカ上映版の違い【ネタバレ感想】
【吹き替え版】
<よいところ>
・映像世界を堪能できる
当たり前のことですが、字幕の煩わしさに悩まされずにすみます。
声優も文句なし。小泉孝太郎演じるタダシはとくに上手かったですね。
・やわらかい表現になっている
字幕版では「殺す」という表現が思い切り使われるのですが、吹き替え版では「命を奪う」「倒す」と、直接的な表現を避けているようでした。
これは子どもも観る作品なので、乱暴または辛辣なことばを避けたのでしょう。
裏を返せば字幕や原語のほうがより明確で残酷ということなので、これは一概にいいところとは言えないかもしれません。
・字幕よりも情報量が多い
限られたセリフの中で、原語の情報のほとんどをキッチリ拾い上げている印象でした。
<ビミョーなところ>
・原語の内容を100%理解できないところがある
たとえば、本作の敵キャラは原語では「KABUKI MASK(歌舞伎の仮面)」をつけていることがわかるのですが、吹き替え版では「マスクの男」と言われるだけ。日本の文化をそこで推してよかったのでは?と思うのです。
ただ、歌舞伎とは本来「メイク」であり「仮面」で表現するものではないですし、悪役が歌舞伎の面をつけているというのはイメージダウンにつながるかもしれません。そのあたりの大人の事情と考えれば納得はできます。
【3D版】
・3Dの効果は「そこそこ」レベル
『アバター』や『ヒックとドラゴン』のような奥行きはさほど感じません。
極めて自然な使われかたをしているので疲れない反面、「2Dとそう変わらない」と思う方も少なくないはずです。
ラストバトル(とくに“マイクロボット”と“ハニーレモン”のアクション)と、上映前の短篇『愛犬とごちそう』の3D効果は十分すぎるほどにありましたので、3D料金を支払っても後悔はしないとは思います。
ちなみに本作には“4DX”上映(映画に合わせて座席が揺れたり、風が吹いたりする)があり、これが4DX史上最高レベルのクオリティの高さを誇っているようです。
4DXの上映館は一部のシネマサンシャイン、コロナワールド、ユナイテッド・シネマだけなので地方の方にはきびしいものがありますが、この大傑作の『ベイマックス』で4DXデビューしてみるのもいいかもしれません。
ここからは2回目の鑑賞で気づいたことを書いてみます。
※以下は内容のネタバレが不可避。未見の方はご遠慮ください。

本作は大人にもおすすめしたい(オタク)要素が満載です。
そのために、字幕を観ようか、吹き替え版を観ようか、3D料金を払う価値はあるかと迷っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
自分は1回目は字幕版、2回目は吹き替え版+3Dを観てみました。
そこから結論を申し上げれば、字幕版よりも吹き替え版がおすすめ、3Dに関してはお好みで選べばよし、というところです。
字幕版、吹き替え版のよいところとビミョーなところをそれぞれ書いてみます。
※以下は少しだけ内容にふれていますが、未見でも問題のないレベルだと思います。
※少々うろ覚えなところがあるので、間違いがありましたらご指摘いただけると幸いです。
※(1月5日:いただいたコメント+αを追記しました)
【字幕版】
<よいところ>
・原語のセリフならではの楽しみがある
たとえば、フレッドというアメリカンコミック(以下アメコミ)オタクが敵のことを「ラスボス(吹き替えだとボスキャラ)」と呼ぶシーンがあるのですが、原語では「スーパーヴィラン」と呼んでいます。
アメコミを知らない女性や子どもには「ヴィラン」ということばにはなじみがないので、こうしたのも理解できます。
でも、アメコミファンとしては悪役はヴィランと呼ぶべきですよね。ここでもアメコミをリスペクトしているところがわかります。
・原語のおもしろさが楽しめる
本作には「ワサビ」「モチ」などの日本の名前が多数登場していて、それの原語での発音がやけに楽しいです。
「WASA↑BI↓」「MOCHI↑」みたいなイントネーションになっていて、より舞台の“サンフランソウキョウ”の奇妙な魅力に気づけます。
<ビミョーなところ>
・字幕の内容がかなり簡略化されている
たとえば、タダシというキャラが主人公を「天才のお前」と呼ぶシーンがあるのですが、原語および吹き替えでは「13歳で高校を卒業した」という事実が示されています。
ほかにも「プログラムのコーディングが大変だった」は「プログラムが大変だった」になっています。
これは意訳というよりも、字幕の視認性を高めるためにあえて内容を簡潔にした、ということなのでしょう。
・字幕に辛辣に感じる内容がある。
吹き替え版では可能な限り「オタク」という表現は避けていた(劇中2回くらい登場)のですが、字幕版では「Nerd」というセリフをもれなく「オタク」と字幕で表示しています。
吹き替え版での「14才でネタ切れか」というセリフは、字幕版では「14才で枯れているのか」でした。
このあたりは、ちょっとやりすぎかもしれません。
・単純に字幕を追うことが大変
本作はかなりスピーディに物語が展開するので、字幕を追うのが大変です。
※追記
なんと字幕版はセリフが削られているという衝撃の事実が飛び込んできました。
字幕版の最後に不満があったのだけど、そういうことか・・・(ネタバレなので観賞後にお読みください)↓
【映画】ベイマックス・日本語上映版とアメリカ上映版の違い【ネタバレ感想】
【吹き替え版】
<よいところ>
・映像世界を堪能できる
当たり前のことですが、字幕の煩わしさに悩まされずにすみます。
声優も文句なし。小泉孝太郎演じるタダシはとくに上手かったですね。
・やわらかい表現になっている
字幕版では「殺す」という表現が思い切り使われるのですが、吹き替え版では「命を奪う」「倒す」と、直接的な表現を避けているようでした。
これは子どもも観る作品なので、乱暴または辛辣なことばを避けたのでしょう。
裏を返せば字幕や原語のほうがより明確で残酷ということなので、これは一概にいいところとは言えないかもしれません。
・字幕よりも情報量が多い
限られたセリフの中で、原語の情報のほとんどをキッチリ拾い上げている印象でした。
<ビミョーなところ>
・原語の内容を100%理解できないところがある
たとえば、本作の敵キャラは原語では「KABUKI MASK(歌舞伎の仮面)」をつけていることがわかるのですが、吹き替え版では「マスクの男」と言われるだけ。日本の文化をそこで推してよかったのでは?と思うのです。
ただ、歌舞伎とは本来「メイク」であり「仮面」で表現するものではないですし、悪役が歌舞伎の面をつけているというのはイメージダウンにつながるかもしれません。そのあたりの大人の事情と考えれば納得はできます。
【3D版】
・3Dの効果は「そこそこ」レベル
『アバター』や『ヒックとドラゴン』のような奥行きはさほど感じません。
極めて自然な使われかたをしているので疲れない反面、「2Dとそう変わらない」と思う方も少なくないはずです。
ラストバトル(とくに“マイクロボット”と“ハニーレモン”のアクション)と、上映前の短篇『愛犬とごちそう』の3D効果は十分すぎるほどにありましたので、3D料金を支払っても後悔はしないとは思います。
ちなみに本作には“4DX”上映(映画に合わせて座席が揺れたり、風が吹いたりする)があり、これが4DX史上最高レベルのクオリティの高さを誇っているようです。
豊洲で『ベイマックス』の2回目。東京国際映画祭で2D字幕で見た時も十分感動したけど、3D吹替4DXは更に別物レベル。ここでこう動いてくれたら気持ちイイってツボを完全に押さえてきてガシガシ揺られながら涙ダダ漏れ。まるで4DX用に作られた映画のように思えてきました。
— 小杉あにやん (@aniyan_otakoji) 2014, 12月 20
豊洲の4DX、スクリーンの真ん中に来るセンターは7番の席。平和島と違ってセンターの通路が無くて通路は両脇のみ。スクリーンサイズはそんなに大きくないけど最前列だと視覚いっぱい、ちと見上げる感じになるので3列目あたりがベストかな。ウーファーはおとなしいけど綺麗な音でバランス良好。
— 小杉あにやん (@aniyan_otakoji) 2014, 12月 17
4DXの上映館は一部のシネマサンシャイン、コロナワールド、ユナイテッド・シネマだけなので地方の方にはきびしいものがありますが、この大傑作の『ベイマックス』で4DXデビューしてみるのもいいかもしれません。
ここからは2回目の鑑賞で気づいたことを書いてみます。
※以下は内容のネタバレが不可避。未見の方はご遠慮ください。
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