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明日は来る 映画『アニー(2014)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はANNIE/アニー(2014) です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:キャメロン・ディアスの役がひどい(いい意味で)


あらすじ


9歳のアニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、4歳のときに自分を置いて姿を消した両親にいつの日か会えるときが来ることを夢見ていた。
ある日、アニーは携帯電話会社の社長であり、ニューヨーク市長の有力候補とされるスタックス(ジェイミー・フォックス)に命を救われる。
そのときの動画がアップされ広まったことにより、スタックスの支持率は上昇。スタックスは選挙戦の起爆剤として、アニーを利用しようとするのだが……





漫画『小さな孤児アニー(Little Orphan Annie)』を原作とし、同名のブロードウェイ・ミュージカル(日本版もあり)の映画化作品です。
1982年にもアイリーン・クイン主演で映画化されており(1999年にもテレビ映画化)、本作は実質的にリメイク作品となっています。

アルバート・フィニー
1411円
powered by yasuikamo

自分はミュージカル版もこの1982年版も、まったく知らない状態で観た(ファンの方、ごめんなさい)ので新鮮な気持ちで楽しむことができました。


じつはこの2014年版はアメリカで酷評を持って迎えられています。
Rotten Tomatoesでは28%IMDbでは4.9点と……そのせいもあり、公開3週目で興行成績がトップ10から消え去ってしまっています。

日本では『レ・ミゼラブル』、『アナと雪の女王』に続く!という誇大広告で釣り上げ宣伝担当の方ががんばったおかげで、初登場2位と健闘を見せていてよかったですね。

アメリカの評判は悪くとも、日本での評判はそれほど悪くはありません。
なぜなら、娯楽映画としてやるべきことをやっているからです。

物語は孤児だった少女が、富豪と友だちとなって、その財力を利用して両親を探したり選挙戦を手伝ったりするというもので、子どもでも十分わかりやすいものです。

主人公の孤児の女の子はハツラツとしていて大人を手玉に取りそうなナマイキっぷりを見せ、市長選に臨む大企業の社長は子どもなんか嫌いだったはずなのに次第にそうでもなくなってくるというツンデレっぷりを見せ、サブキャラの女性にもしっかり見せ場もあり、とキャラクターの個性もちゃんとしています。

キャスティングも優れていて、クヮベンジャネス・ウォレスは『ハッシュパピー』のときとはまったく性格の違う女の子を見事に演じていましたし、ジェイミー・フォックスは『アメイジング・スパイダーマン2』とは違う傲慢なキャラクターにぴったりとハマっていました。

触れなければならないのはキャメロン・ディアスですね。
彼女は子どもを金づる(助成金がもらえるから)としか捕えていない悪役なのですが、間違いなくキャラクターの中でいちばん目立っています。
彼女は自分の負け組人生っぷりをとてもわかりやす~い説明セリフで語り、悪態をつくときはいちいち顔をひんまがらせ、その辺のイケメンに分け隔てなく求婚するというヒドい(ほめことば)キャラです。
そりゃラジー賞にノミネートされますよ……むしろこんな役を(文字通り)体当たり演技で臨んだディアスをほめたたえたくなります。


原作は1930年代の大恐慌の時代を描いていたのですが、この2014年版ではインターネットもYouTubeもある現代を舞台としたこともよかったです。
Twitterの使いかたは『ST赤と白の捜査ファイル』よりもはるかに納得できるものでしたし、物語の展開にもしっかり生かされています。
これは、ウィル・グラック監督が『小悪魔は何故モテる!?』で、若者のSNSの文化をテンポよく描いていた経験が生かされているのでしょう。

基本的に物語はお子様でもわかりやすい(子ども向け)のですが、大人にしかわからないギャグを仕込んでいるのも好きでした。
その大人向けなギャグをくり出してくれるのが、まさに汚れ役のキャメロン・ディアス。これにはゲラゲラ笑わせていただきました。


さて、本作の問題はミュージカル映画としての出来がよくないことだと思います。

理由のひとつが、音楽が物語をけん引していくわけではないということ。
基本的に歌は登場人物の気持ちを表すために使われており、個人的には「物語の合間に歌を入れなければいけない」というぎごちなさまでを感じてしまいました。

編集とカメラアングルのところどころに違和感を覚えました。
これはおそらく「引き」の画が多すぎるせいもあるのではないでしょうか。
『レ・ミゼラブル』は登場人物のアップの画を多用することで役者の表情をとらえていましたが、『アニー』は広いロケ地で数人の登場人物がぽつんと佇んでいるようなシーンも多く、少し寂しさを感じました。

作中の「物音」が楽曲の一部を構成するシーンもあるのですが、残念ながらあまりシンクロしていませんでした(リズムに合わせていないカットがある)。

言うのは野暮だとはわかっているのですが、ところどころ「口パク」がわかってしまうのも残念な点かもしれません。
『レ・ミゼラブル』で役者の歌声が「直撮り」されていたのは本当に革新的だったんですね。

楽曲そのものは、現代的なアレンジが加えられておりとてもよかったです。

Original Soundtrack
1219円
powered by yasuikamo

メインテーマの「Tomorrow」を、クヮヴェンジャネ・ウォレスはかわいらしく歌っています。



びっくりしたのはジェイミー・フォックスの美声。もともと音楽を専攻していたこともあり、文句なしの歌唱力でした。

また、吹き替え版も公開されていますが、吹き替えをされているのはミュージカルシーンのみだそうです。
本作は、ミュージカルシーン:会話シーンの割合=2:8くらいなので、それでも十分成立するのでしょう。
Flowerによる吹き替え版のテーマソングは、あくまでプロモーション用のようです。



なお、吹き替え版でも字幕版でも、エンディング曲が平井堅による「Tomorrow」のカバーに差し替えられています。



さすがの歌唱力ではありますが、差し替えされた事実にはあまり好意的にはなれません。もとのままが聞きたいのだけどのだけどなあ……


ほかの不満点には、ギャグの品のなさもあります。
なぜか「食べ物を口に含んで吐き出す」というシーンが何度もくり返されるのです。
序盤は展開上も意味のあるものだったのでよかったのですが、これほど頻発すると単純に見ていていい気分はしませんし、子どもに見せたくありません。

また、先ほどはキャラクターがしっかりしているとは書きましたが、裏を返せば性格付けが極端かつステレオタイプすぎる印象もあります。
キャラクターの心変わりにはやや唐突すぎるところもありますし、人間ドラマとしてはお世辞にも出来がいいとは言えません。

さらに設定の一部にも違和感が……
これは現代を舞台にしたせいなんだろうなあ。


そんなわけで、ところどころ不満点はあるものの、過度に期待しなければファミリー向け映画として十分に楽しい映画と言えるのではないでしょうか。
子ども向けではあるのですが、胸躍る冒険をしたり、魔法が出てくる作品ではないので、あんまり小さい子が観ると退屈してしまうかもしれないのでご注意を。

そういえば、本作はウィル・スミスがもともと制作を検討していたんですね。
スミスは自分の娘を映画の主演に構えようとするなど、『アフター・アース』のころとまったく変わらない親バカっぷりだったようなので、このキャスティングになってよかったのかもしれません。

酷評されるほど悪い作品だとは思いません。
キャストのファン、何にも難しいことを考えずに観ることができる楽しい作品を求める方におすすめします。
エンドロール後にもおまけがあるので、最後まで観ましょう。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-01-29 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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