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英雄の起源 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』でネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバルです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:『ガンダム』はこんなにおもしろいのか!


あらすじ


ある日、革新派であった男ジオン・ズム・ダイクンが、演説中に倒れそのまま帰らぬ人となった。
残されたダイクンの子どもであるキャスバルとアルテイシアは「ラル家」に住み始め、初老の男ジンバ・ラルから「父は殺された」ことを聞く。




根強い人気を誇る『機動戦士ガンダム』の「起源」を描くアニメ作品です。
※厳密に言えば本作は映画ではなく、オリジナルビデオ作品が「イベント上映」されるという扱いになっています。

田中真弓
5389円
powered by yasuikamo
※4月24日発売

まずお断りをしておくと、自分は『ガンダム』という作品のことをほとんど知りませんでした。
せいぜいザクとかドムとかガンタンクがどんな見た目とか、「親父にもぶたれたことないのに」とか「認めたくないものだな…、自分自身の…若さ故の過ちというものを…」などのネットで有名な台詞を知っているくらいでした(ファンの方、ごめんなさい)。

ここで伝えたいのは、そんな『ガンダム』に関してはスカポンタンな自分にとっても、この『THE ORIGIN』はとてもおもしろい作品であったということ、『ガンダム』初心者にこそおすすめしたい内容であったということです。

そもそも、『ガンダム』という作品群は派生作品が多すぎて、ご新規さんが入りにくいと思うのです。

<ガンダムシリーズ一覧 - Wikipediaより>
1 『機動戦士ガンダム』(宇宙世紀)シリーズ
2 『機動武闘伝Gガンダム』シリーズ
3 『新機動戦記ガンダムW』シリーズ
4 『機動新世紀ガンダムX』シリーズ
5 『∀ガンダム』シリーズ
6 『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ
7 『機動戦士ガンダム00』シリーズ
8 『機動戦士ガンダムAGE』シリーズ
9 『ガンダムビルドファイターズ』シリーズ
10 『ガンダム Gのレコンギスタ』シリーズ

多いわ!
36年も続いているシリーズであるので、それも当然なのですが……
中にはガンダムのプラモデル(通称ガンプラ)でバトルをするもの(ビルドファイターズ)まであります。

近年のアメコミ映画がそうであったように、シリーズが複雑化しすぎて、マニアックに感じる内容になっているのは、制作者にとっても歓迎するべきことではないと思います。
「『ガンダム』という作品に触れてみたいな」と思っていても、「どれから観たらいいのかわからん」と思っている人はきっと多いと思うのです。

しかし本作は『THE ORIGIN』というタイトルが示すように、シリーズの起源であり、エピソードゼロであるため、まったく予備知識がなくても楽しむことができるのです。
『スターウォーズ』サーガがエピソードIVから始まって、時を経てからエピソードIが公開された(そのときに初めて『スターウォーズ』を観た人もたくさんいた)印象にも近いですね。
(いるのかどうかはわからないけど)『ガンダム』デビューをしたい人にとって、これは絶好の機会です。

それなのに、公式サイトの説明などは『ガンダム』を知っている人向けで、けっこうマニアックな気がします。

たとえば「STORY」はこんな感じ(抜粋)↓
宇宙世紀0068年、サイド3、ムンゾ自治共和国。
宇宙に進出した人の革新を説き、地球連邦政府からの完全独立を宣言しようとしたジオン・ズム・ダイクンは、議会檀上で演説中に突如倒れ、帰らぬ人となった。
ダイクンの死後、ザビ家陰謀説を唱えるダイクンの側近ジンバ・ラル。
しかし、サイド3、ムンゾの実権を掌握せんとするデギン・ソド・ザビ率いるザビ家の暗躍は加速していく。
これまで語られる事の無かった動乱の歴史が明らかになる中、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアには、激動の時代を象徴した数奇な運命が待ち受けていた…。


なんかむずかしくない?(頭の悪そうな発言)。
本編は、偉い人が死ぬ→「これは誰かに殺されたんだ!」→偉い人の子どもふたりが大人の策略に巻き込まれる、というわかりやすい内容になっているので、ご安心を。


本作の原作は、10年にわたる連載を経て完結した漫画作品です。

powered by yasuikamo

今回の劇場版は1巻からではなく、第9巻の「シャア・セイラ」編のまるごと1巻すべてを映像化している内容でした。

自分は本作の後に原作を読んだのですが……驚きました。
「原作に忠実な映像化作品」というのはファンから支持されやすいものですが、本作『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』はキングオブ原作に忠実な作品だったのですから。
自分の記憶が正しければ、漫画版と違うところは2ヵ所しかありませんでした
これは漫画の原作者である安彦良和さんが総監督を務めているためでもあるのでしょう。

原作は、失礼な言いかたをすれば「ラフっぽい」絵柄で、あまり写実的ではないために少しとっつきにくい印象がありました。
親しみやすい絵柄となり、声優さんたちの熱演が吹きまれたアニメになったことに、本作の確かな意義を感じました。


本作の主人公は、『機動戦士ガンダム』で主役だったアムロ・レイではありません。敵のジオン軍に職属する兵士シャア・アズナブルの少年時代が描かれているのです。
そんなこともあり、本作はタイトルに反してガンダムが一切出てこないのです。

<出てきません。

モビルスーツの宇宙空間での闘いが描かれているのはオープニングの数分のみでした。
『ガンダム』ってこんな作品だったんですね(←たぶん誤解している)。


では本作で描かれることは何?と問われれば、それは「政治」と「少年の成長」であると思います。
主人公のキャスバル(後のシャア・アズナブル)は父親を殺され、そのことを世論を操作するための策略であると教えられたりするのです。
幾多のも登場人物が、これらの政治的な策略に翻弄され、それでも自分の信条をもとに行動するー
そんな群像劇として抜群におもしろく仕上がっていました。


物語でうまいと感じたのは、主人公の妹のアルテイシアが「観客の代弁者」として機能していることです。
彼女はまだ小学年低学年にも満たない子どもで、悲しいときには泣く、うれしいときには笑うという素直なキャラクターで、強がっている兄や、自分の矜持を持っている大人とは対照的です。
息の詰まりそうな登場人物の軋轢がある中で、こうしたキャラクターがいることに、ほっとできるのです。


難点は登場人物が多すぎて、把握までに時間がかかること。
本作は「ダイクン家」「ザビ家」「ラル家」という一族が(政治的に)三つどもえの攻防をするという内容なのですが、15~16人ほどという主要キャラクターの多さには少し面食らいました。
キャラクターは個性豊かなために覚えられますし、『ガンダム』をよく知る人にとってはおなじみのキャラもいるので混乱することはないのでしょうが……少しだけ敷居の高さを感じました。

1時間という短い時間で終わってしまうことも、少し物足りなさを感じます。
キリのいいところで終わってはいるのですが、「もっと続きを見せて!」と思ってしまうのも事実です。


これはおすすめです。
声優は信じられないくらいに大物が勢ぞろいしています。
『ガンダム』ファン、漫画『THE ORIGIN』のファンにとって、大満足できる内容でしょう。

冒頭の数分の宇宙空間でのバトルは迫力満点、瞬きするのも惜しいと思わせるスピーディーさがありました。
ここだけでも劇場で鑑賞する理由は十分です(以下でも観れます)。



くり返しになりますが、声優の田中真弓さんや安彦良和総監督も「ガンダムを知らない人にも観てほしい」と言っていますので、自分も『ガンダム』を知らない人にこそおすすめしたいです。

上映は2週間限定、全国13館のみでの公開とのことですので、お早目に。

↓以下は短いですが、クライマックスの展開がネタバレ 未見の方はお控えください。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-02-28 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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