ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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どこでも変わらない 映画『ジュピター』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はジュピター(原題:Jupiter Ascending)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ウォシャスキーズ流中二病ギャグSF巨編


あらすじ


主人公のジュピター(ミラ・クニス)は、トイレ掃除をしていたらいつの間にか宇宙人3きょうだいの資産争いに巻き込まれてしまいました。
しかし、「番犬」と呼ばれるケイン(チャニング・テイタム)は、まさに忠犬のごとくその中に割り込んで何度もジュピターを助けようとがんばるのでした。




マトリックス』『スピード・レーサー』のウォシャウスキー姉弟監督の最新作です。

『マトリックス』のときは「兄弟」だったのに、「姉弟」となったのは兄のラナがトランスジェンダーで性転換手術をしたからです。
「Wachowski Brothers」から「The Wachowskis」へと呼ばれかたも変わり、日本の宣伝でもしっかり「姉弟」と呼ばれるようになったのは感慨深いものがありました(『クラウド アトラス』のときは、「『マトリックス』の監督」という呼ばれかたでした)。


さて、本作に『マトリックス』のような革新的なおもしろさ、または『クラウド アトラス』の壮大さを期待する人も多いでしょう。
結論から申し上げれば、正直どっちを期待しても裏切られると思います。
しかし、ウォシャウスキーズ監督ならではの中二病な設定×バカSF映画を期待したら最高に楽しい内容になるんじゃないでしょうか。


「中二病な設定」というのは、よくある「いまの僕の自分は本当の僕じゃないんだ!」「平凡な僕に世界を救う力があるなんて!」な、ものです。
本作の主人公は家政婦で毎日トイレ掃除をしている女性なんだけど、ある日「じつは王女様だったの!」ということがわかり、戦いに巻き込まれるのです。
わりと『マトリックス』と似ているプロットでもありますね。
<ほかにもこんな映画があります>

その中二設定にプラスして、空中を歩ける「重力反転ブーツ」や「『トロン』で観たようなビークル」や「スペースガン」などのワクワクできるSFガジェットがてんこもりです。
大人になっても中二の「うおおおなんだこれえええかっけええ」な心を忘れない人にとっては至福のひと時を過ごせるでしょう。


そして、本作のスト―リーはアホです。本当にアホです。くだらねえです(ほめています)。

公式サイトの紹介文を引用してみるとこんな感じです。

全人類は、宇宙最大の王朝に支配されていた!
地球に育ちながら、その王位を継ぐ運命を背負った女と、遠い星の遺伝子操作によって生まれた最下級の戦士。
結ばれない運命のふたりが、人類の危機に立ち向かう。


うんうん。なんだか「壮大なSFオペラ」や「スケールの大きい愛」みたいなのが期待できますね。ぜんぜん違うからな!(ウソは言っていないんだけど)

本当は、家政婦がじつはプリンセスだったのでさらわれて、3人の宇宙人きょうだいの資産争いに巻き込まれるけど、イケメンが何度でも助けに来てくれる話と言い切っていいです。これがマジなんだから恐ろしいよ。

2015033103_10_40-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<家政婦だったのに、じつはプリンセスだったからさらわれます。

2015033103_08_31-映画『ジュピター』オフィシャルサイト 2015033103_08_54-映画『ジュピター』オフィシャルサイト 2015033103_09_34-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<3人の宇宙人きょうだいが主人公をさらおうとしています。

2015033103_15_00-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<でもイケメンが主人公を助けに来てくれるよ!

そんな感じなので、映像は派手なのに、お話のほうはチンケな資産争いの話というギャップがすさまじいことになっています。

もうひとつすばらしいのは、敵キャラがしょぼすぎること。
本作に出てくる3人の宇宙人きょうだいは全員器が小さいんですけど、とくにエディ・レッドメイン演じるバレムはいろんな意味で最高でした。つーか弱すぎます。

2015033103_06_48-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<こう見えて萌えキャラです。

その愛おしさは『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のロキさま『天空の城ラピュタ』のムスカに匹敵します。
エディ・レッドメインは同時期公開の『博士と彼女のセオリー』にも難病を抱えたホーキング博士として主演をしているんだけど、そのホーキング博士とタイマンを張っても負けそうだと思えました。


そんなわけで、バカ映画が大好きな自分にとってはおいしくいただけた作品なのですが、正直に言って作品としては難点が多すぎます。

まずひとつが、膨大な設定を説明するシーンが多すぎること。
序盤は宇宙の支配者がなんたら~や、この歴史はうんたらかんたら~な説明が続くのですけど、退屈でちっともおもしろくありません。
要するに、本筋とは関係ない、余計な枝葉が多すぎるのです。
これは「設定を練りすぎて、読者がついていけなくなった打ち切り漫画」のような印象でもあり、映画史に残る失敗作『ジョン・カーター』にもそっくりでした。

<この失敗を忘れてはいけません。

序盤で主人公のいる地球の描写、宇宙人きょうだいのいる惑星の描写、一匹狼で戦っているヒーローの描写と、3つの視点が目まぐるしく変わるのも問題です。
これでは、どこに焦点を置けばいいのか、誰に感情移入をすればいいのかわからないのです。
基本的なあらすじは↑に書いたようにシンプル極まりないのですから、もうちょっとやりようはなかったのかと思わずにはいられません。

似たようなシーンやシチュエーションがくり返されるのも痛いところ。
ところどころで「あれ?この展開さっきも観たぞ?」と思わせてしまうのは、はっきり残念と言えるものでした。

そして、本作には恐ろしいくらいにツッコミどころが盛りだくさんです。
珍作映画が好きな人にとっては、是が非でも映画館で観なければならない一本でしょう。


また、本作はウォシャウスキーズ監督の初の3D映画です。
実際に映画を観てみると、アクションや人物の移動には「奥行き」が十二分に考えられており、3D映えする映像が満載でした。
「飛び出してくる」戦闘シーンも盛りだくさんなので、自分はだんぜん3D版をおすすめします。


最後にもうひとつ。
本作の感想が映像はすごいけど話がつまらんのひと言で終わってしまう人も多いと思うのですが、「宇宙を舞台としているのに、描いているのはよくあるミニマムな問題」という点に着目すると、物語も興深く観ることができるのかもしれません。

宇宙でも資産の分配で揉めたり、加齢で悩んだりする……
「どこに行っても、人の悩みというものは変わらない」というのはなかなかおもしろいテーマだと思いますよ。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-31 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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映画『イントゥ・ザ・ウッズ』の疑問を解決してみる【ミュージカル版との違い】【ネタバレ感想】

映画『イントゥ・ザ・ウッズ』はおもろしかったですね(笑顔)。
……いや、ちまたの評価では賛否両論なんですけどね、

自分はもとのミュージカルを観ていなかったので、映画だけでは「なんでそうなるの?」というツッコミどころばかりが思い浮かびました。
しかし、A La Carte柳下修平さん主催の「映画ファンの集い」でミュージカル版を観た方と話すことができ、いくつかの疑問が解決できたのでここにまとめてみます。
なお、話してくださった方にも本記事を確認していただいています。

ミュージカル版は海外版のソフトが販売されているほか、YouTubeで観ることができますので、映画との違いを確かめたい人は実際に観てみるのもよいでしょう。

Bernadette Peters
3201円
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日本語字幕はありませんが、英語はそれほど難しい内容ではありませんよ(TOEIC500点台前半の自分でもなんとかわかるくらい)。
ちなみにミュージカル版を観た方の評価は、映画は展開を省略しすぎで、映画よりミュージカル版のほうがはるかよいというものでした。

↓以下は『イントゥ・ザ・ウッズ』のミュージカル版および映画版の内容、『シンデレラ』の原作の内容がネタバレです。ご注意ください。

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2015-03-29 : いろいろコラム : コメント : 9 : トラックバック : 0
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【残念なお知らせ】『ベイマックス』ソフト版に本来のラストの演出は収録されず

3月頭に、『ベイマックス』は日本劇場公開時に字幕版のラストの演出が変更されていたけど、ソフト版でもそのままなのか?とディズニーに問い合わせをしていました。

ディズニー
4320円
powered by yasuikamo

<『ベイマックス』ソフト版でもラストの演出が変更されているかは「現状ではわかりません」>

こちらについて、ディズニーから回答が得られました。
結論から申し上げれば、本来のラストの演出はソフト版には収録されないことが決定しました

以下、ディズニーからの回答を掲載します。

※以下は『ベイマックス』のラストのネタバレが含まれています。未見の方はお控えください。

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2015-03-27 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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ここからはじめる 映画『スーパーローカルヒーロー』ネタバレなし感想

今日の映画感想はスーパーローカルヒーローです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:こんなに愛されるおじさんがいたなんて!


あらすじ


広島県尾道市で、風変わりなCDショップ「れいこう堂」を営んでいるノブエさんは、みんなに愛されているおじさんだった。
映画は、とあるライブ会場からはじまる。そして、ノブエさんは身銭を切りながら震災で傷ついた人たちのために奔走するのだった。




※今回は観ている人が少ないと思うので、ネタバレ部分は書きません。ていうか観ろ(命令)。

本作のジャンルはドキュメンタリー、信恵勝彦というひとりのおじさんを追った作品です。
……重要なことなのでもう一度書きますが、一見どこにでもいそうなおじさんを1時間半にわたって追い続けた作品です。

そんな作品の何がおもしろいんだよ!と思われるかもしれませんが……観てみると驚きました。
なぜなら、このノブエさんというおじさんがめちゃくちゃ魅力的、全力で応援したくなるいい人だったからです。

ノブエさんは「れいこう堂」というCDショップを営んでいるのですが、その店内はツッコミどころだらけです。
ていうか店の外観からアレでした。


※CDショップです


※CDショップです


※野菜も売っています。

あ、これCDショップですよ。熱帯魚が飼われていたりしていますが、CDショップなんですってば。

しかも、ノブエさんは店長にも関わらずほとんどれいこう堂にはいないそうです(なんて店だ)(変わりにノブエさんの友だちが店番をしていたりします)。
なぜかと言えば、ノブエさんは誰かを幸せにするために、人のために毎日どこかへ奔走、またはバイトをしているからなのです。

ノブエさんが助けているのは、地元のミュージシャンだったり、東北大震災で住まいを失った人たちだったりします。
ライブ会場の場所を提案したり、そのライブ自体をお手伝いしたり、ありえないほど低い価格で民宿を借りて提供したり、カンパを集めて(集められなかったたら自分で出す)大変な人に送ったり……
彼の行いはほとんど無償、ギブアントテイクではなくギブアンドギブな感じなのです。

こんな人間がいるのか!と驚けると同時に、この映画を観れば誰もがノブエさんを好きにはならざるを得ないでしょう。
失礼を承知で申し上げるのであれば、この映画の魅力の95%はノブエさんによるものです。

2015032210_43_28-映画について _ 映画『スーパーローカルヒーロー』公式サイト<ノブエさんは最高のおじさんです。

本作で思い出したのは、ひとりの人間の最期を綴った『エンディングノート』でした。

2462円
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これもどこにでもいそうなおじさんの人生を切り取った作品だったのですが、その「平凡」こそが重要な作品でもありました。

世の中に数ある映画は、天才を主人公にしたり、ほかにはない人生を切り取ったりと、非凡な人を描いていいます。
でも、どこにでもいそうな人(ノブエさんは唯一無二の存在ですが)を主人公にしても映画はおもしろいのです。

この映画が素晴らしいのは、「自分にも何かをしたい」と思わせてくれるところです。

本作には「ローカルな場所から、世界を変える」というメッセージが込められています。
ノブエさんは大震災という大きな被害を受けた人々を、広島県尾道市という非常にローカルな場所から救おうとしています。
それは大きな悲劇や出来事全体からすればわずかな行動なのかもしれないけれど、人を幸せにして、ひょっとすると世界を変えるのかもしれない……
ノブエさんの行動には、それだけのパワーを感じるのです。


作品としては難点もあります。
たとえば、撮影やライティングお世辞にも優れているとは言えず、「ハンディカメラで撮った映像」という感じで、かなりの安っぽさがあります。
正直に申し上げれば、映画の初めのシークエンスである声が聞き取りにくいライブ会場のシーンや、続く「早回し」のシーンだけでは「これは失敗したかな」と思ってしまいました(それ以降の音声は聞き取りやすいのでご安心を)。

また、原子力発電所の問題に対して、はっきりとデモをするシーンがある(再稼働に反対している)ことも人を選ぶポイントかもしれません(これは単純によい、悪いが言えない問題でもあるので、しかたのないことなのですが)。

映画の多くはノブエさんの人となりを、人々がインタビューで語っていくというものなので、やや退屈に感じてしまうところがあるかもしれません。
それだけで、ノブエさんという人のすごさがわかるので、必要不可欠なものなのですけどね。


自分は、この映画がいままでに観たドキュメンタリー映画の中でいちばん好きな作品になりました
ノブエさんというすごい人がいるんだ、その人のことをなるべく多くの人に知ってほしい……その気概にあふれていたからです。

おそらく、1時間半という短い時間で、ひとりの人間をこれほど好きになれる機会はないと思います。
映画ではノブエさんが子どもと遊んだり、助けた人と話したり、なんでもなさそうなシーンが続くのですが、そのすべてが大切なものでした。
自分にとって『スーパーローカルヒーロー』は、忘れられない、愛おしい作品のひとつになりました。

2015年3月下旬現在は新宿K’sシネマでしか上映がない(4月3日まで)のですが、より多くの人に観てほしい作品です。
自分はこの映画があまりに好きだったので、クラウドファンディングに参加し、公式サイトに名前を載せていただきました(映画のエンドロールで名前を観ることもできます)。

そして……映画の最後にノブエさんがある言葉を告げるのですが……これが何とも素敵なメッセージなのです。
この言葉を聞くためだけでも、本作を観る価値があると言い切ってもいいくらいです。

愛されるひとりのおじさんの正体を知りたい方、人間を愛したい方、自分を変えたい方すべてにおすすめします。

参考↓
スーパーローカルヒーロー | 立誠シネマプロジェクト
EGO-WRAPPIN’からも慕われる、なぜか気になるおじさんを描いた映画『スーパーローカルヒーロー』がつなぐ人と人 | greenz.jp グリーンズ(ネタバレ注意)
一人一人の選択に、小さなことの先に”希望”がある『スーパーローカルヒーロー』×『小さき声のカノン』(前半) | アースガーデン

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2015-03-25 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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大切なターゲット 映画『暗殺教室』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は暗殺教室です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:よくぞ…ここまで…(←作中のセリフ)


あらすじ


超進学校の椚ヶ丘中学校では、「落ちこぼれ」とされる3年E組があった。
ある日、3年E組にタコの姿をした生物が担任教師としてやって来る。謎の生物は翌年3月に地球を破壊すると宣言し、3年E組の生徒たちはその暗殺を依頼される。
おとなしい少年・潮田渚(山田涼介)は「殺せんせー」の弱点をメモしつつ暗殺の機会を狙う。そして停学が明けた赤羽業(菅田将暉)も教室にやってきて……




週刊少年ジャンプで連載中の人気コミック『暗殺教室』の実写映画版です。

松井 優征
432円
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ブログで書いていた漫画紹介の記事↓
<暗殺を教わっている先生を暗殺で葬れ!漫画「暗殺教室」レビュー カゲヒナタのレビュー>

「暗殺」という物騒な言葉がタイトルになっているとはいえ、陰々鬱々とした印象はなく、子どもに見せたくないという印象もまったくありません。
ジャンルとしては、学園コメディです。
しかも、教育というテーマを十分に取り入れています。
暗殺という一見インモラルなものモチーフとしながらも、実は教育的な内容になっているというギャップは本作の魅力です。

だいたい、各所で大人気になっている「殺せんせー」の造形だけでも、ギャグにならざるを得ないですよね。

<こいつが暗殺ターゲットです。

ストーリーは
月を破壊した超生物が現れた→その生物がなぜか僕らの担任に→地球を破壊されたくなかったら暗殺してね☆
というツッコミどころ満載、破天荒すぎるものです。

こんなアホな(褒め言葉)設定は漫画でしか描けないと思っていましたが、まさか実写映画になるとは……なんだか人間の可能性は無限大な気がしてきました。

原作の大ファンである自分は、『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』『海月姫』と同じく、キャラの再現度を大いに期待していました。
海猿』シリーズの羽住英一郎監督×『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』で協力をしていた金沢達也脚本ということでどんなク○素晴らしい映画が観れるのかと期待していました。

……実際に映画を観て、驚きました。
キャスティングは約一名を除けば納得の再現度でした。
そして、単純におもしろいだけでなく、原作リスペクト、映画愛にも満ちた作品だったからです。


この映画版で優れているのは、とにかく原作漫画の展開を2時間に詰め込むためにあの手この手を使っていることです。
省略できるところはバッサリカット、それでいて印象的なシーンはなるべく拾う、さらには時間内にきっちり収めるために複数のエピソードを統合していたりしています。
そこには、限られた時間で原作ファンに納得できるものを届けよう!という制作者の意地が垣間見えました。

映画オリジナルの展開にも伏線を十分に使っていたのも好印象。原作を忠実に再現するだけでなく、サプライズも用意してやろうという気概も感じられます。

自分が感動したのは、原作にはないオープニングのシークエンス。
ネタバレになるので↓に書きますが、これは映画ファンであれば大いに笑えるのではないでしょうか。


また、サブキャラクターのキャスティングは知らないでいたほうがより楽しめると思います。
自分はほとんど予備知識なく観に行ったので、転校生の「イトナ」と、体育教師「鷹岡」が出てきたときに大笑いしました。
この「お前かよ!」とツッコめるのも素敵なのです。

また、ニュースなどでは思い切りバラされているのですが、殺せんせーの声優もできれば知らずに観たかったなあ……映画の最後の演出を見る限り、あれはとっておきのサプライズだったと思うので。

なよなよしている山田涼介、不真面目な生徒を演じた菅田将暉は文句なくハマっています。
椎名桔平演じる烏丸先生は原作では20代だったのでちょっと違和感がありますが、その存在感のおかげでふざけた(褒め言葉)映画の雰囲気を、ぐっと引き締めることに一役買っていました。

……えーと、そして誰もが懸念しているゴリ押しをされていた知英(ジヨン)という配役がありましたね。
そこはある意味大丈夫と言うか……軽いネタバレかもしれませんがもう言ってしまいます。ジヨンが演じるビッチ先生は中盤までひと言もしゃべりません
なぜかと言えばエピソードの省略のためなのでしょうが、自分にはしゃべればボロが出るから無理やりセリフが減らされたようにしか思えませんでした。

まあ中盤からは大いにしゃべるのですが、片言の日本語+わざとらしく英語で補足を入れるという大変うっとしい話し方をしていました。
外国人の英語教師→日本語を片言でしゃべるという設定はまあ納得できるのですが、原作のビッチ先生は明らかに日本語が流暢だったじゃんか……
これはジヨンが悪いんじゃなく、配役と演技指導が悪いんだと思う。


気をつけなければいけないのは、週刊少年ジャンプで連載中の衝撃の展開=単行本派は知らない展開がネタバレしていること。
これは『ドラゴンボール』で例えるならば、倒したはずのフリーザがお父さんを引き連れて復活した展開並のすさまじさなので、単行本でその展開が載ってから公開してほしかったです。


さて、原作の展開を詰め込んでいることが長所とは言いましたが、裏を返せば矢継早で展開しすぎてダイジェスト感が否めないのは本作の弱点でしょう。
これは、よくも悪くも「原作の寄せ集め」です。
心理描写が省略されているので、原作を読んでいない人には少々わかりにくいところもあったりします。

また、クライマックスは伏線がうまく使われているのはいいのですが、展開そのものには説得力がありません。
もう少しだけさらなる工夫があればもっとハラハラできたと思うのですが、肝心なところで詰めの甘さを感じてしまいました。

原作では「超生物が担任としてやってきてしかも暗殺を命じられるという設定がツッコミどころ満載」ということ自体をギャグにしてしまったのですが、映画ではそこにあまりツッコミをいれずにさらっと流してしまっていました。
映画だけを観た人はそもそもの「なんで?」ばかりが気になってしまい、ノレない部分があるのかもしれません。

また羽鳥監督ならではの、無理やり泣かせるような演出があるのはやはり好きにはなれません。
大作日本映画ではおなじみの佐藤直紀の音楽は、相変わらず大仰に使われていて、かえって映画の印象を悪くしている印象もありました。


そんなわけで、不満点はそれなりにあるものの、原作ファンであれば大いに楽しめる内容であることは間違いありません。
原作を読んでいなくても、つぎつぎに押し寄せるメチャクチャな展開に身をゆだねるだけでおもしろく観れるはずです。

くり返しになりますが、漫画でしかありえないような設定を本気で実写映画にしたことは賞賛すべきです。
よくある「映像化不可能と言われた~」というコピーがついてもおかしくないですよ、本当。おすすめですよ。


余談ですが、『暗殺教室』を気に入ったのであれば、ぜひ原作者・松井優征の前作『魔人探偵脳噛ネウロ』も読んでほしいです。

松井 優征
756円
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「探偵」という名を冠しているものの、作者自身が「探偵ものの皮をかぶった単純娯楽漫画です」とぶっちゃけているのがステキ。
ドーピングコンソメスープ」を始めとする独特のギャグ(?)や犯人たちの強烈過ぎるキャラは忘れられそうにありません。
キュビズムを取り入れた絵のセンス、毒々しさなどは『暗殺教室』にはない魅力でした。

また、『ネウロ』には、人工知能が人類の脅威になる『トランセンデンス』のようなエピソードがあり、そのプロットはトランセンデンスよりもはるかにおもしろかったです。
非凡な才能を持つ作者に一生ついていきます(脚本改善署名運動が行われていたアニメ版のことは忘れましょう)。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-24 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 1
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ヒーローはいる 映画『ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅れましたが、今日の映画感想はドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)です。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:ちゃんと『ギャラクシー・クエスト』しようよ……


あらすじ


ヒーロー番組『地球防衛隊』にあこがれていたのび太たちは、ひみつ道具「バーガー監督」とともに映画を実際に作ろうとする。
地球に不時着していた宇宙人のアロンに本物のヒーローと間違われてしまったのび太たちは、宇宙を目指して冒険に旅立つことになるのだが……




※小ネタについて意見をいただいたので、ネタバレに追記しました(3月21日)

日本人なら誰でも知っている、『ドラえもん』の劇場版最新作です。

自分は本作に期待していました。
なぜなら、本作の「映画を撮っていたら、じつはそれは現実だった!」というプロットが、『サボテン・ブラザーズ』や『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』に似ていたからです。

スティーブ・マーティン
927円
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もしくは、宇宙を舞台ととしている傑作コメディー『ギャラクシー・クエスト』をほうふつとさせます。

ティム・アレン
1000円
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映画を題材としているだけあって、映画愛に溢れているに違いない!これらの作品にリスペクトを捧げているに違いないと!
……その期待は、キレイに裏切られたんですけどね。

何が残念って、その『サボテン・ブラザーズ』『ギャラクシー・クエスト』な設定が微塵も生かされていないこと。
これらの作品は、ショッパい人生を送っていたやつらが、
(1)ただの役者なのに本物のヒーローと間違われる
(2)ヒーローじゃないけど、それでも助けを求めている人のために戦い、本当のヒーローになっていく
という、単純ながら燃えるプロットになっています。

しかし、この『宇宙英雄』の場合は、
(1)未来の道具を持っているのび太たちがヒーローに間違われる
(2)道具持っているから余裕で戦えるんじゃね?
になっています。
つまり、ドラえもんたちが強すぎるために設定がいきなり台無しになっているのです。

それでも、ドラえもんがポケットを無くす(ドラえもん映画にはよくある展開)とか、道具が効かないような相手が登場するとか、この設定を生かす方法はいくらでもあると思うのです。

残念ながら、本作にはそうした工夫がほとんどみられませんでした。
「映画かと思いきや現実かよ!」というシチュエーションが楽しめるのはせいぜい前半まで。後半は最近のドラえもんにありがちな異世界に飛ぶ→悪役を倒すという凡庸な物語になっており、かなりがっかりしてしまいました。

あ、でもクライマックスの展開だけは『ギャラクシー・クエスト』を思い切りパクっていました
具体的にどういうシーンかは『ギャラクシー~』のネタバレになるので書きませんが、そこよりも映画の設定を活かすことを重視してほしいなあ……


名作と比較をしなくても、シナリオにはいろいろと問題があります。

ひとつが、バトルにカタルシスがほとんどないこと。
本作には「なぜのび太たちがそれで勝てるのか」という説得力がなかったのです。
ピクサーなどの優れた映画作品では、主人公が自分のアイデンティティを取り戻したり、悪を倒すまでの過程に伏線をしっかり張り、主人公が経験を生かして活躍します。

しかし、本作ではなあなあでバトルをして、何となく勝ったり負けたりするだけにしか思えませんでした。
子ども向けとはいえ、もう少し駆け引きのあるバトルが観たかったです。

また、個人的にはのび太をいじめすぎなんじゃないかと思いました。
それはジャイアンがのび太をいじめるという直接的な意味ではなく、のび太が不遇な扱いになる展開が多すぎる、ということ。
のび太は誰しもが認める、応援したくなるダメダメな男の子なんですから、もう少し花を持たせてやってもいいと思うんだけどな……


フォローしておくと、いい部分もあります。

まずは、子どもにとっては十分楽しい内容になっていると思えたこと。
なぜなら、ギャグをここぞとばかりに入れているからです。
そのギャグの大半は変顔やリアクションで笑わせるというようなたわいのないものなのですが、バリエーションは豊かなので子どもは退屈せずに笑えるのではないでしょうか。
大人の自分が観ても、2ヵ所だけゲラゲラ笑うシーンがありました。コメディパートが多めなのは、本作のいちばんの長所でしょう。

また、原作者である藤子・F・不二雄の作品に似ているキャラが登場することは大人のファンにとってはうれしいことでしょう。
メインのゲストキャラ・アロンは、チンプイ にそっくりでした。

2015032009_31_23-[のび太のスペースヒーローズ]予告編2 - YouTube<アロン  <チンプイ

敵キャラのハイドは、『なくな!ゆうれい』のゆうれいに瓜二つでした。

2015032009_31_58-[のび太のスペースヒーローズ]予告編2 - YouTube<ハイド   なくな<なくな!ゆうれい!

こういうところでリスペクトが見られるのは、ドラえもんファン、藤子ファンとして素直にうれしいですね。

また、ゲストキャラの「バーガー監督」の声優が能登麻美子であることにびっくりしました。

  ←同じ声です

バーガー監督はほとんどしゃべらず、かわいい擬音っぽいのを出しているだけ。声優ファンならこれでも彼女だと気づけるんでしょうか(たぶん無理)。
バーガー監督は、スティーブン・スピルバーグのもじりでしょうね(さすがにニール・バーガーじゃないと思う)。

ゲストとして悪役の声優を務めた市村正親観月ありさ田中裕二は文句なしの上手さでした。


結論としては、大人のドラえもんファン、映画ファンにはおすすめできないものの、子どもにせがまれている親御さんは観に行ってもいいのではないでしょうか。
シナリオに大いに不満点があるとはいえ娯楽性は十分ですので、徹頭徹尾つまらないということはないと思います。
でもやっぱり大人にとっては、盛り上がりに欠けること、映画愛があまり感じられないことが残念なんなんだよなあ……

余談ですが、4月公開の『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~』は(見た目が)今回のドラえもん映画以上に『サボテン・ブラザーズ』っぽくなっています。
でも、映画のクレヨンしんちゃんは過去に『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』という西部劇の醍醐味や映画への愛に欠けた作品を作ってしまっているのですよね……それでも期待しています。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。 不満点が多めなので、この映画が好きな方にはごめんなさい。

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2015-03-20 : 旧作映画紹介 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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エメリッヒ監督どころじゃないディサスター映画『ピクセル』がやばそうな件

最近映画を観ていて物足りないなーと感じていたのは、『デイ・アフター・トゥモロー』や『2012』のようなローランド・エメリッヒ印の地球が崩壊するディサスター(災害)ムービーがなかったことです。

ポンペイ』もありましたけどけどそれはローマ部分だけだし、『イントゥ・ザ・ストーム』もひとつの街程度で、それほどスケール感はなかったのです。

そろそろ地球はもう1回くらいぶっ壊れてもいいよねーって思っていると……すさまじいディサスタームービーがやってきました。
その映画の名前は『ピクセル』です。



パックマンが地球を侵略!? 日本発ゲームキャラ満載「ピクセル」日本上陸 : 映画ニュース - 映画.com

↓以下、予告編のネタバレ注意

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2015-03-18 : いろいろコラム : コメント : 6 : トラックバック : 0
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ふつうでなくても 映画『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はイミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:新たな「天才」映画の傑作


あらすじ


第2次世界大戦下のイギリスで、天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号「エニグマ」を解読するチームの一員となる。
アランは高圧的で独善的な態度から仲間から孤立していくが、ジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ )の加入もあり、いつしかチームは一丸となってエニグマの解読に挑むことになる。




実在の天才数学者アラン・チューリングを描いた伝記映画です。

アンドルー ホッジス
2916円
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本作は一見すると、ひとりの男が暗号を解読することで、戦争を終結に導くという「英雄もの」だと思うかもしれません。

しかし、実際は違いました。
アメリカン・スナイパー』と同じく、「戦争の英雄を、ただの英雄としてではなく、ひとりの人間として描く」人間ドラマでした。
そして、『メアリー&マックス』や『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』や『シンプル・シモン』と同じくアスペルガー症候群(発達障害)を描いた作品でもあったのです。

アスペルガー症候群の症状には、「人の気持ちを察することができない」「何かに没頭するあまりほかのことに気が回らない」「予定と違うことをするのには耐えられない」といった、“融通の利かなさ”が挙げられます。

この映画で何よりもおもしろいのは、その「人の気持ちを理解できない男」が、「誰にも解読できない暗号を解く」というプロットにほかなりません。
主人公は、ふつうの人間ならわかる人の気持ちですら理解できないのに、ふつうの人間にはわからない暗号文を理解しようとするのです。

そこから描かれるのは、アスペルガー症候群ならではの悲哀、ひとりの人間の切ない人生でした。
主人公がヒロインに言ったことばの意味とは何だったのか。
そして、なぜ主人公が、暗号解読機に名前を付けたのか……。
それを考えると、どうしても涙腺が緩んでしまいます。

また、主人公のアラン・チューリングにはアスペルガー症候群以外にも、とある「秘密」があります。
それはWikipediaにも載っている事実ではありますが、できればそのことを知らずに映画を観てほしいと思います。
実在の人間の偉業だけでなく、その人生そのものを「体感できる」話なのですから。
本作はアカデミー脚色賞を受賞しており、それは大納得できるものでした。


本作は第二次世界大戦の時代を描いており、一見すると小難しい作風に思えるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
クロスワード・パズルが得意な変人たちが、チームになって暗号に挑むという、観ていてワクワクする娯楽性も十分です。

しかもこの暗号の「エニグマ」は
・解読のキーを解くための制限時間は18時間!それごとにすべてがリセット!
・解読のパターンは159×10の18乗通りある!
・まともにやろうとしたら、10人が24時間不眠不休でやっても2000万年かかるよ!
という難攻不落にもほどがあるシロモノ。その攻略への過程には、まさにゲームのようなカタルシス、おもしろさがありました。

戦争について詳しくなくても、専門的な知識がなくても(予備知識がなくても)、まったく問題なく楽しめるのも長所でしょう。

さらに、意外とクスクス笑えるシーンもあったりします
その笑えるシーンというのが、前述のアスペルガー症候群の症状に関するものなのですが、これがとてもかわいらしくて気兼ねなく笑顔になれるでしょう(決して「嘲笑」のような笑いではありません)。

主演のベネディクト・カンバーバッチの演技は素晴らしいということばでは表せないほど、完璧です。
アスペルガー症候群の特徴を捉えることはもちろん、ときおり見せる(人間らしい)表情だけでも感動できるのではないでしょうか。


ただひとつだけ難点をあげるのであれば、時間軸がしょうっちゅう前後する構成であるために、混乱してしまいがちなことでしょうか。
本作はの構成は以下のようなものです。

(1)戦争終結後(1951年)の博士の姿

<以下のふたつが同時並行>
(2)解読チーム結成(1939年)から戦争の終結まで
(3)主人公の少年時代(1928年)の出来事

しかも、上の(2)と(3)は、後に主人公が刑事に語った内容という「回想録」のような描きかたもされています。
このテクニカルな構成は、主人公の「秘密」を描くうえで必要不可欠なものなのですが、映画を観慣れていない方にとっては不親切に感じてしまうかもしれません。


これはおすすめです。
多少性的な話題がありますが、若い方はもちろん、すべての方に観てほしいと思える作品です。

アラン・チューリングはその功績にも関わらず、イギリスに50年以上にも渡り「秘密」にされてきた存在です。
その知られざる人物の人生を、この上のない人間ドラマに仕上げて、いまの世の中に見せてくれたということ……それが何よりもうれしいのです。

タイトルの『the imitation game』もとても深いテーマを持っています。
imitation」の意味は「模倣」「まね」。
なぜ主人公はこのタイトルの論文を描いたのか?なぜ刑事に「イミテーション・ゲーム」をしてほしいと頼んだのか?
それを観た後に考えてみてみるのもいいでしょう。

多くは語りません。
これまでにも天才の悲哀を描いた作品は数多くありましたが、またひとつ傑作が生まれました。
くり返しになりますが、できるだけWikipediaなどで事前に知ることなく、知られざるひとりの人間の人生を体験するつもりで観に行くことをおすすめします。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-15 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 1
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正しくあるために 映画『イントゥ・ザ・ウッズ』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はイントゥ・ザ・ウッズです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:クズが多すぎミュージカル(ディズニーなのに)


あらすじ


パン屋の主人(ジェームズ・コーデン)とその妻(エミリー・ブラント)は、ある日魔女(メリル・ストリープ)から子どもができない呪いをかけたことを知らされる。
その呪いを解くために、夫婦は赤いずきん、黄色い髪、白い牛、黄金の靴という4つのものを3日後の夜までに集めるようにと命令される。
同じころ、赤ずきん、ラプンツェル、ジャック、シンデレラ、魔女、オオカミ、ふたりの王子も森に足を踏み入れていた……




※3月29日疑問点をまとめた記事を追記しました。
<映画『イントゥ・ザ・ウッズ』の疑問を解決してみる【ミュージカル版との違い】【ネタバレ感想】 >

同名のブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品にして、『SAYURI』『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』のロブ・マーシャル監督最新作です。

本作の制作会社は天下のディズニー……のはずなのですが……
誰もが「これがディズニー映画って、本当か?」と思える内容となっていました。

まず、登場人物ほぼ全員の性格が悪いのはびっくりしました。
具体的なそのクズっぷりはネタバレになるので↓に書きますが、赤ずきんですら人間の嫌~な部分を見せつけるので、驚きを通り越して嫌悪感を覚える人もいるのではないでしょうか。

公式サイトでは「おとぎ話の主人公たちのその後を描く」とありますが、これははっきり言って誇大広告です。
実際の内容の多くを占めるのは、『赤ずきん』『シンデレラ』などの誰もが知る4つの物語を同時並行で描くという内容でした。
しかも、おとぎ話の物語の基本は崩さずに、その中にあった人間の醜さのみを抽出するという感じなのです。

もとのおとぎ話(グリム童話をベースにしたディズニー作品)は、悪役がいて、優しい心を持つ主人公が打ち勝つという「勧善懲悪」のものです。
しかし、この『イントゥ・ザ・ウッズ』は「現実は勧善懲悪じゃねえんだよ!人間ってのは醜いもんなんだ!」と訴えまくっていました。

これは……ディズニーでこれはいいんでしょうか……
よく実写映画化の企画が通ったなあとは思いますが、よく考えると最近のディズニーは『魔法にかけられて』や『マレフィセント』でもともとのおとぎ話を皮肉っていたり、王子がぜんぜん役に立っていなかったりしていましたね。
これはディズニー公式の、おとぎ話や勧善懲悪の物語のアンチテーゼにして、自虐ギャグと呼べるようなものでした。


さて、ここまででもすげー問題作であるような気がしてきましたが、これだけではありません。
予告編などでは、ジョニー・デップが出演することが大きく打ち出されていますが、その出演時間は10分に満たないくらいでした。

しかも、物語をけん引する実質的な主人公は、イケメンからはほど遠いデブのパン屋(ジェームズ・コーデン)でした。

<ジョニデ様より……  o0432064012885857183.jpgポール・ポッツのほうが20倍くらい出番があったよ。

映画の大半を占めるのは、このデブのパン屋が妻(エミリー・ブラント)と協力して、それぞれの物語の主人公にちょっかいを出して、重要なアイテムを借りパクする(それが呪いを解くカギだから)というとんでもないものです。


まとめると、こうなります。
・登場人物のほぼ全員がクズ
・「アフター・ハッピーエンディング・ストーリー」と宣伝ではほざいていながら、だいたいが4つのおとぎ話を同時並行で描く内容
・ジョニデ様(イケメン)よりも、性格の悪いパン屋(非イケメン)のほうがはるかに目立っている
・まるでロールプレイングゲームのように、4つのアイテムを見つけるストーリーも同時並行
なんだこの映画

実質的に5つの物語が組み合わさっているので、「それで尺が足りるの?」「物語は破たんしないの?」と心配に思う人も多いことでしょう。
そこは期待通り、まったく尺が足りていませんし、物語は破たんしまくっています

何しろそれぞれの話を終わらせなければならないので、ただ駆け足なだけでなく、メインのストーリーや印象的なシーンが根こそぎ奪われていました
本作はミュージカル映画であり、その省略された出来事を歌で語るシーンもあります(ミュージカルにはよくある手法です)のですが、やはり中途半端な印象を持ってしまいます。

物語のほうは、いいかげんすぎてツッコミどころが波のように押し寄せてきます
「なんで〇〇なんだ?」「なんで〇〇は〇〇するの?」と言い出したらキリがない感じで、近年まれにみる展開のごり押しを見ることができました。
登場人物の心変わりは唐突&雑すぎて、感情移入できる余地がほとんどありませんでした。
5つの物語を絡ませないといけないとはいえ、もうちょっとやりようはなかったのかと疑問に思わずにはいられません。
まあ、登場人物までもがこのありえねー展開にツッコミを入れているあたり、話の適当さは確信犯みたいなものなのでしょうけど……

また、登場人物がクズすぎて誰も応援できないのも、わりと大きな欠点かもしれませんね。


そんなわけで、本作はディズニー史上最高レベルの問題作です。
話のひねくれっぷり、登場人物の性格の悪さ以外にも、(直接的には描かないとはいえ)残酷な設定もあります。
子どもにはマジで観せたくない内容と言えるでしょう。
これを間違って家族で観てしまうと、帰りの車の中でみんな無言になってしまうのではないか……と心配になりました。

思い返せば、ロブ・マーシャル監督は本作以外にも『シカゴ』という登場人物全員が悪人のミュージカル映画を手掛けていました。

<善人なんていなかった映画

『シカゴ』は登場人物が自分の欲望のためだけに行動し、そのためなら人を不幸にしてもいいんだ!というたいへん胸くその悪い(褒めことば)作品で、けっこう『イントゥ・ザ・ウッズ』と共通しているところがあります。
脚本は別の方とはいえ、ロブ・マーシャル監督は人間が嫌いなのかなあ……と変な心配をしてしまいました。


そんなわけで……どうしよう、本作はびっくりするくらいに人におすすめできません
『魔法にかけられて』『塔の上のランプツェル』『プリンセスと魔法のキス』でも「おとぎ話への皮肉」はあったのですが、それはそこまで辛辣なものではなく、ほんのちょっぴりの「くすぐり」程度の描写でした。
しかし、本作『イントゥ・ザ・ウッズ』はそんなレベルではない悪意を感じました(ついでに話そのものも破たん)。

自分はひねくれ者なので、こういう作風は大好物ですし、最後までツッコミを入れつつも大いに楽しむことができました。
しかし、「『アナと雪の女王』が大好き!」「おとぎ話のその後が観れるなんて素敵!」と考えている頭が空っぽなな女の子が観ると憎悪まみれのツラになることが予想できるので、デートには選ばないほうがいいでしょう。
あ、でもイケメンのクリス・パインが必然性のないファンサービスをしたりするので、女性にもおすすめかもしれません(どっちやねん)。

本作は「おとぎ話のハッピーエンド?勧善懲悪?そんなのくそくらえだ!」と思っている、心が汚れた大人(自分含む)が観るべきです。
くり返しになりますが、本作で描かれるおとぎ話は、素敵な冒険や恋が描かれるパートは排除し、人間の醜さのみを抽出している苦々しい内容です。
この映画を観た後は、『塔の上のラプンツェル』や、4月公開の『シンデレラ』で「口直し」をしたほうがいいかもしれませんね。

大御所女優メリル・ストリープ扮する老女の演技と歌声、出演時間は少なくとも変質者にしか見えないジョニデ様の演技だけでも、観る価値はありますよ。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-14 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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2015年3月の気になる映画一覧(マイナー推し)

2015年3月の気になる映画一覧です。
もちろんメジャー映画を避けて行くスタイルで。

↓こちらも参考にしましょう
忙しいひとのための2015年3月に観たい注目映画 | Tunagu.
2015年3月公開で観たいと思っている映画の覚え書き|三角絞めでつかまえて

※↓衝撃的なホラー映画のビジュアルを載せているので、苦手な方はご注意ください。

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2015-03-09 : 月ごとの気になる映画 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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無限の中で 映画『きっと、星のせいじゃない。』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

遅れましたが、今日の映画感想はきっと、星のせいじゃない。(原題:The Fault in Our Stars)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:生きているだけで幸せかも(それだけでもないかも)


あらすじ


ちょっと皮肉っぽい女の子・ヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は甲状腺がんにかかってしまっために、毎日の薬の投与、治療を続けなければならなかった。
ある日ヘイゼルはがん患者の支援団体の集まりで、骨肉腫で足を失った男の子、オーガスタス(アンセル・エルゴート)と出会う。
ヘイゼルは憧れの小説家に会うためにアムステルダムに行くことを夢見ていたが、がんの症状が悪化し、ヘイゼルの医療チームはアムステルダム行きに難色を示すようになってしまう。
オーガスタスは何とかヘイゼルの役に立とうとするのだが……




少し前、ガラケー時代に日本では「ケータイ小説」なるものが流行りました。
その代表格(?)である『恋空』は、少女が暴行されるわ、愛しの彼(金髪)がガンになるわ、病気の苦しみがちっとも描かれないわ、考えなしに赤ちゃんを産もうとしてさらなる不幸の種を増やそうとするわで、子どもに心底読ませたくない最悪のシロモノでした。
この小説とも呼びたくないブツの主人公の初めのセリフはなんと「あ~!!超お腹減ったしっ♪♪」。いま見ても殺意を覚えます。
こんなスイーツ(笑)よりも大喜利状態になっているAmazonレビューを読んだほうがよっぽど幸せになれることは間違いありません。


さて、本作『きっと、星のせいじゃない。』は本国で大ヒットしたティーン向けの小説が原作であり、不治の病にかかるという点で、一見すると日本のくだらねえケータイ小説のように思うかもしれません。

ジョン・グリーン
1944円
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しかし、『恋空』と比べるのもおこがましい、天と地とほどとも思える違いがそこにはありました。
病気の苦しみがしっかり描かれていることはもちろん、世にあるお涙ちょうだいを皮肉るセリフがあったりもするのです。

確かに不治の病が物語の主軸になっているのですが、描いているのは「死んじゃって可哀想」なんて単純なものではありません。
あくまでテーマは、人の生きかたであり、愛おしさに満ちた人生そのものです。
この映画を観た後は、「生きていること」「生き続けられること」の幸せを感じることができるでしょう。

台詞は哲学的であり、病気を抱えた人はもちろん、多くの人が共感できるものになっています。
これは原作のよさと、スマートな演出や『(500)日のサマー』のスタッフが手掛けた洗練された脚本があったおかげなのでしょう。

とくに興味深かったのが、ゼノンのパラドックス(アキレスと亀)の話題。そこには、「わずかな時間しか生きられない」ということの悲しさだけでなく、希望を込めたメッセージをみることができました。


登場人物はわずか数人で、どのキャラクターも魅力たっぷりに描かれていることも大好きでした。
ダイバージェント』でも抜群の存在感であったシャイリーン・ウッドリー、イケメンなだけではなく年相応の「弱さ」を見せるアンセル・エルゴートの演技は文句のつけようがありません。
母親役にローラ・ダーン、主人公があこがれている小説家役にウィレム・デフォーと、大ベテランが抜擢されているところも見どころでしょう。

個人的には、主人公のふたりが「恋人」よりも「友だち」であった時間が長い(かのように思えた)ことも好み。
イチャイチャラブラブなリア充爆発しろではなく、同じような境遇を持ったふたりだからこその、互いを想う気持ち……そうした心情を大切にしているのです。

音楽も秀逸でしたね。

Original Soundtrack
1090円
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誰もが知るポップスはもちろん、「ヴィヴァルディの四季の冬」を流すなど、型にはまらない選曲を楽しむことができました。


タイトルの意味についても触れておきます。

原題の『The Fault in Our Stars』は、シェイクスピアのジュリアス・シーザーの台詞「The fault, dear Brutus is not in our stars, / But in ourselves, that we are underlings.」が元ネタです。
この場合の「Star」は「運命」を意味しており、原題を直訳するのであれば「私たちの星の中の過ち」、意訳するのであれば「運命の欠陥品」となるかもしれません。
この原題は、主人公ふたりそのものを示していると言っていいでしょう。

一方、邦題は『きっと、星のせいじゃない。』という、原題とは正反対の意味に変わっています。
これは「運命のせいじゃない」「私たちが運命を変える」という、運命に抗うかのような意思の強さを感じました。

この邦題には賛否があるとは思いますが、自分は大好きです。
原作小説タイトルの『さよならを待つふたりのために』はやや受け身であるかのようなさびしさをも感じましたが、この邦題はどこかあっけらかんとしていて、主人公ふたりの性格や行動にもじつにマッチしていていました。


「死」で涙を誘うような難病もの、安っぽい恋愛話が嫌いという人にも(むしろそういう人にこそ)観てほしいと思える素晴らしい作品です。
それほど悲劇的な面ばかりが強調されているわけではなく、クスクス笑えるシーンも満載です。
きっと、すがすがしい気持ちで劇場を後にできるでしょう。

「死」そのものよりも、「もっと生きたい」という想いが強調されていることには、名作『マイ・フレンド・フォーエバー』を思い出しました。
世代を問わず、すべての人におすすめします。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-07 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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みんなの悩み 映画『くちびるに歌を』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はくちびるに歌をです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:超・ド直球の青春日本映画


あらすじ


元ピアニストの柏木ユリ(新垣結衣)は、生まれ故郷である五島列島の中学校に、臨時教師としてやって来る。
柏木は合唱部の顧問になるのだが、その態度はそっけなく、合唱部のリーダーである仲村ナズナ(恒松祐里)から嫌われてしまう。
合唱部に憧れを抱いている桑原サトル(下田翔大)は、自閉症の兄・アキオ(渡辺大知)の送り迎えを毎日続けていたのだが……




※少しだけ後で思ったことを追記しました(3月10日)

ホットロード』『アオハライド』の三木孝浩監督最新作であり、中田永一(乙一の別名義)の小説を原作とした映画です。

中田 永一
1620円
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中田 永一
668円
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※『いでじゅう!』のモリタイシ先生のコミカライズもありました。


島にやってきた臨時教師が児童(生徒)と交流をしていくという物語を聞いて、『二十四の瞳』や『北のカナリアたち』を思い浮かべる人は多いことでしょう。

自分がこの映画で思い出したのは、意外にも『レインマン』『ギルバート・グレイプ』『チョコレートドーナツ』『八日目』といった、障がい者を描いた作品でした。
本作には、自閉症のきょうだいを持つ少年が登場するのです。

映画では(原作からなのですが)、障がい者のきょうだいを持つ少年の心を丹念に描写していきます。
そこには、強がりだけでなく、障がい者を「うとましく思う」という描写も少なからずありました

障がい者が身内にいるというのは、とても大変なことです。
障がい者を「純粋」と語るだけではすまされない、精神論だけではどうにもできない悩みがたくさんあります。

きれいごとだけでは、やりきれないこともあるー
本作で、障がい者を家族に持つ人の、そうした「後ろめたさ」「弱さ」を描いたことに、とてつもないやさしさを感じました。

また、自閉症の特徴をとてもよく捉えているのも素晴らしかったです。
『レインマン』などを観ているとわかるのですが、自閉症者には独自の「こだわり」があり、決まりきった時間に行動したり(親もその時間に行動させるようにする)、ことばをおうむ返しにしたり、何かに執着してずっとひとつのものをやり続けていたりもします。
その自閉症者の特徴をしっかり作品に取り入れ、自閉症の性質を完ぺきと言っていいほどに渡辺大知さんは演じ切っていました。


本作で描かれているのは、人が持つ「悩み」です。
作品のモチーフとなっている、アンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の歌詞の内容も、15才の少年少女の深刻な悩みと、大人になってから15才の自分に宛てたメッセージが読まれるというような内容になっています。



映画で描かれているのは、前述の自閉症のきょうだいを持っているがゆえの悩み、父親に対する悩み、部活がうまくいかない悩み、過去のトラウマから逃れらない悩みだったりします。
それを「手紙」という楽曲と絶妙にシンクロをさせることで、歌詞がより理解できるという内容になっています。

たとえ人によく知られている名曲であっても、その歌詞の内容を咀嚼する機会はあまりありません。
この映画では、物語を通じて楽曲のメッセージをダイレクトに伝えてくれます。

作中の「何がきっかけでも、音楽に出会えたんだったらそれでいいじゃない」ということばには音楽への愛、「歌詞の意味を知らずに歌うなんて10年早いわ」には、音楽への真摯な想いも伝わってきました。

とりあえず名曲をモチーフに適当に展開作っときゃいいだろーという印象しかなかった『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』とは月とスッポンほどの違いです。


そうした本作ならではの特徴がありつつも、基本的にド直球の青春映画になっていたのが何よりも大好きでした。
登場人物たちは、中学生ならではの、なんでもなさそうだけど大切な日常を過ごしています。
合唱に青春のエネルギーを捧げ、ちょっとした挫折がありつつも、仲間が絆を深めていき、やがて大団円を迎えるのです。
悪く言えばベタですが、よく言えば王道でまったく嫌味がありません。
こうした奇をてらわない日本映画が、いまの「映画が飽和状態になっている」と言われる時代に公開されることだけも、本作を支持したくなるのです。

また、合唱の練習がつまらなくてサボるという描写があったのもよかったです。
自分も合唱の経験があったのでわかるのですが、「合唱大好き!」という感情だけではどうにもモチベーションが続かないことだってあります(どんな競技でもそうだとは思いますし、人によりますが)。
スポ根がすべてではなく、ちゃんと人間の良い面や悪い面もしっかり描いてくれるのです。

さらに福江島(五島列島)の風景の美しいこと!
青い海、日本家屋、教会、緑の映える丘などなど、三木監督がその風景を大切にしたいという想いが伝わってきました。


欠点がないわけではありません。
ストレートな感動ドラマであるために、ほんのちょっぴりの都合のよさや「クサさ」を感じてしまうことは否めません。
先生が抱えているトラウマは手垢のついた設定ですし、あまり普遍的ではない悩みや葛藤に違和感を覚える人も少なからずやいるでしょう。

しかし、本作にある感動は決して「泣かせ」に走っているものではありません。
描かれるのは、あくまで人が持つ弱さや愛しさです。
些細な欠点をはねのけるほど、脚本、撮影、役者、すべてが日本映画の最高峰と言うほどに揃った作品でした。

新垣結衣のファンだけに独占させておくのはもったないです。
老若男女を問わず、古き良き日本映画、青春映画を求めるすべての人におすすめします。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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2015-03-07 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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『ベイマックス』ソフト版でもラストの演出が変更されているかは「現状ではわかりません」

ベイマックス』のDVD/ブルーレイが4月24日(金)に発売(レンタルも同日開始)、4月17日(金)からデジタル先行配信を開始するという、うれしいニュースが飛び込んできました。

ディズニー
6480円
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ディズニー
3412円
powered by yasuikamo

<映画『ベイマックス』(●―●)がMovieNEXで4月24日発売決定>

発売決定と同時に公開された、ディズニーの仲間たちが次々にハグする映像も素敵です(どれも名シーンばかり!)



未公開シーンも収録されるということで、予告編にしかなかったシーンのほかにもいろいろと楽しみが膨らみますね。


ここはイチ『ベイマックス』ファンとして、素直によろこびたいところですが……ひとつだけ気になっていることがあります。

じつは、『ベイマックス』は日本で公開されたときに、ラストシーンの演出が変更されたのです。

(以下はラストシーンのネタバレなので、未見の方は読まないでください)
< 【映画】ベイマックス・日本語上映版とアメリカ上映版の違い【ネタバレ感想】:ゆきをはのり塩食べたい>

吹き替え版では「新たな解釈」が与えられていたので納得はできました。
しかし、字幕版はもともとの『Big Hero 6』というタイトルを否定し、作品が本当に描きたかった「物語」を根底から崩してしまうような改変でした。


このラストの演出がソフトでもそのままなのか、ディズニーに電話で問い合わせたところ、以下の回答が得られました。



現状ではソフトの内容が決まっていないところがありますので、日本で公開されたときと演出が同一かどうかはわかりかねます。
発売日が近くなれば、判明するかもしれません。



※文面だとそっけない印象ですが、実際はとても丁寧に対応していただきました。

そんなわけでまだ「不明」なのですが、この件が判明次第、ご連絡をしていただけるように、メールで問い合わせてみます(ディズニーの担当者の方には、お手数をおかけします)。

※ちなみに、北米版ソフトではラストの演出はもちろんオリジナルのままです。

3306円
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また、さんざん「本国と日本で宣伝がちがうじゃん!」と言われてきた『ベイマックス』ですが、自分はそこはあまり気にしていませんでした。
いまの日本の現状を考えるとしかたがないところもありますし、何よりも内容には影響がないのですから。
<「BIG HERO 6」はなぜ「ベイマックス」なのか? ~ハートフルな国内宣伝にロケットパンチ! - YU@Kの不定期村>

しかし、今回は内容そのものが変わっているので、やはりオリジナルそのままのものを収録してほしいところ。日本の『ベイマックス』ファン、そしてビッグヒーロー6が好きな方のために、誠意ある対応を期待しています!




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2015-03-03 : いろいろコラム : コメント : 1 : トラックバック : 0
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剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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