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どこでも変わらない 映画『ジュピター』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はジュピター(原題:Jupiter Ascending)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ウォシャスキーズ流中二病ギャグSF巨編


あらすじ


主人公のジュピター(ミラ・クニス)は、トイレ掃除をしていたらいつの間にか宇宙人3きょうだいの資産争いに巻き込まれてしまいました。
しかし、「番犬」と呼ばれるケイン(チャニング・テイタム)は、まさに忠犬のごとくその中に割り込んで何度もジュピターを助けようとがんばるのでした。




マトリックス』『スピード・レーサー』のウォシャウスキー姉弟監督の最新作です。

『マトリックス』のときは「兄弟」だったのに、「姉弟」となったのは兄のラナがトランスジェンダーで性転換手術をしたからです。
「Wachowski Brothers」から「The Wachowskis」へと呼ばれかたも変わり、日本の宣伝でもしっかり「姉弟」と呼ばれるようになったのは感慨深いものがありました(『クラウド アトラス』のときは、「『マトリックス』の監督」という呼ばれかたでした)。


さて、本作に『マトリックス』のような革新的なおもしろさ、または『クラウド アトラス』の壮大さを期待する人も多いでしょう。
結論から申し上げれば、正直どっちを期待しても裏切られると思います。
しかし、ウォシャウスキーズ監督ならではの中二病な設定×バカSF映画を期待したら最高に楽しい内容になるんじゃないでしょうか。


「中二病な設定」というのは、よくある「いまの僕の自分は本当の僕じゃないんだ!」「平凡な僕に世界を救う力があるなんて!」な、ものです。
本作の主人公は家政婦で毎日トイレ掃除をしている女性なんだけど、ある日「じつは王女様だったの!」ということがわかり、戦いに巻き込まれるのです。
わりと『マトリックス』と似ているプロットでもありますね。
<ほかにもこんな映画があります>

その中二設定にプラスして、空中を歩ける「重力反転ブーツ」や「『トロン』で観たようなビークル」や「スペースガン」などのワクワクできるSFガジェットがてんこもりです。
大人になっても中二の「うおおおなんだこれえええかっけええ」な心を忘れない人にとっては至福のひと時を過ごせるでしょう。


そして、本作のスト―リーはアホです。本当にアホです。くだらねえです(ほめています)。

公式サイトの紹介文を引用してみるとこんな感じです。

全人類は、宇宙最大の王朝に支配されていた!
地球に育ちながら、その王位を継ぐ運命を背負った女と、遠い星の遺伝子操作によって生まれた最下級の戦士。
結ばれない運命のふたりが、人類の危機に立ち向かう。


うんうん。なんだか「壮大なSFオペラ」や「スケールの大きい愛」みたいなのが期待できますね。ぜんぜん違うからな!(ウソは言っていないんだけど)

本当は、家政婦がじつはプリンセスだったのでさらわれて、3人の宇宙人きょうだいの資産争いに巻き込まれるけど、イケメンが何度でも助けに来てくれる話と言い切っていいです。これがマジなんだから恐ろしいよ。

2015033103_10_40-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<家政婦だったのに、じつはプリンセスだったからさらわれます。

2015033103_08_31-映画『ジュピター』オフィシャルサイト 2015033103_08_54-映画『ジュピター』オフィシャルサイト 2015033103_09_34-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<3人の宇宙人きょうだいが主人公をさらおうとしています。

2015033103_15_00-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<でもイケメンが主人公を助けに来てくれるよ!

そんな感じなので、映像は派手なのに、お話のほうはチンケな資産争いの話というギャップがすさまじいことになっています。

もうひとつすばらしいのは、敵キャラがしょぼすぎること。
本作に出てくる3人の宇宙人きょうだいは全員器が小さいんですけど、とくにエディ・レッドメイン演じるバレムはいろんな意味で最高でした。つーか弱すぎます。

2015033103_06_48-映画『ジュピター』オフィシャルサイト<こう見えて萌えキャラです。

その愛おしさは『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のロキさま『天空の城ラピュタ』のムスカに匹敵します。
エディ・レッドメインは同時期公開の『博士と彼女のセオリー』にも難病を抱えたホーキング博士として主演をしているんだけど、そのホーキング博士とタイマンを張っても負けそうだと思えました。


そんなわけで、バカ映画が大好きな自分にとってはおいしくいただけた作品なのですが、正直に言って作品としては難点が多すぎます。

まずひとつが、膨大な設定を説明するシーンが多すぎること。
序盤は宇宙の支配者がなんたら~や、この歴史はうんたらかんたら~な説明が続くのですけど、退屈でちっともおもしろくありません。
要するに、本筋とは関係ない、余計な枝葉が多すぎるのです。
これは「設定を練りすぎて、読者がついていけなくなった打ち切り漫画」のような印象でもあり、映画史に残る失敗作『ジョン・カーター』にもそっくりでした。

<この失敗を忘れてはいけません。

序盤で主人公のいる地球の描写、宇宙人きょうだいのいる惑星の描写、一匹狼で戦っているヒーローの描写と、3つの視点が目まぐるしく変わるのも問題です。
これでは、どこに焦点を置けばいいのか、誰に感情移入をすればいいのかわからないのです。
基本的なあらすじは↑に書いたようにシンプル極まりないのですから、もうちょっとやりようはなかったのかと思わずにはいられません。

似たようなシーンやシチュエーションがくり返されるのも痛いところ。
ところどころで「あれ?この展開さっきも観たぞ?」と思わせてしまうのは、はっきり残念と言えるものでした。

そして、本作には恐ろしいくらいにツッコミどころが盛りだくさんです。
珍作映画が好きな人にとっては、是が非でも映画館で観なければならない一本でしょう。


また、本作はウォシャウスキーズ監督の初の3D映画です。
実際に映画を観てみると、アクションや人物の移動には「奥行き」が十二分に考えられており、3D映えする映像が満載でした。
「飛び出してくる」戦闘シーンも盛りだくさんなので、自分はだんぜん3D版をおすすめします。


最後にもうひとつ。
本作の感想が映像はすごいけど話がつまらんのひと言で終わってしまう人も多いと思うのですが、「宇宙を舞台としているのに、描いているのはよくあるミニマムな問題」という点に着目すると、物語も興深く観ることができるのかもしれません。

宇宙でも資産の分配で揉めたり、加齢で悩んだりする……
「どこに行っても、人の悩みというものは変わらない」というのはなかなかおもしろいテーマだと思いますよ。

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

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テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

2015-03-31 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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