ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

夜のおしごと大肯定 映画『新宿スワン』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は新宿スワンです。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:原作ファンとしては許し難い


あらすじ


一文なしの青年・タツヒコ(綾野剛)は、ある日スカウトマンであるマコ(伊勢谷友介)に出会う。
マコはタツヒコを気に入り、いきなりスカウトの仕事を任せようとする。タツヒコはそのときは知らなかったが、スカウトの仕事とはヘルスやアダルトビデオなど、いわゆる水商売だったのだ。




※否定的なことを多く書いているので、映画が好きな人にはごめんなさい。
※いただいた意見をネタバレに追記しています(6月1日)

同名のコミックを原作とした映画です。

powered by yasuikamo

映画で描かれているのは、単行本で4巻くらいまでの内容です。
原作者の和久井健さんは元・新宿のスカウトマンなので業界にめっぽう詳しく、スカウトだけでなく闇金融やアダルトビデオや果てはホストまで、水商売にまつわるありとあらゆる「裏事情」をみることができることが作品の魅力のひとつでした。
映画では残念ながら細かな情報は基本的に割愛。まあ、これは時間が制限されている映画ではしかたがないと諦めがつきます。

しかし、自分はこの映画版の脚本が許せません。
その理由のひとつが、水商売における精神性が原作とは異なっているからです。

例えば、マコ(大物スカウトマン)がタツヒコ(主人公)に、スカウトの仕事を教え、女の子が水商売に手を出すシーンからしてぜんぜん違います。

原作のマコは、「俺この仕事向いていないっすよ、俺は女を騙すようなマネは許せねえんです」と言うタツヒコにこう返しています。
「もしあの子にたくさん借金があって、いやいや働いているとして、お前が助けてやるのか?
いいか?テレビの前で『かわいそう』とか「許せねぇ』とか言っているのはわけが違うぞ。それなりのリスクがあるんだ」


ところが、映画ではこうです。
「あのなあ、水商売で働く女がみんな不幸だと思ったら大間違いなんだよ。ここで欲しいもんを手に入れた女は買いたいものが買えて、家にも住めるんだ」
さらには、映画のタツヒコは「関わった女を全員幸せにしてみせます!」と宣言していました。
つまり、水商売で働くことを(全員ではないにしても)幸せであると肯定しているというわけです。

違う……違うよ……マコはそんなふうにスカウトの仕事を語っていなかったよ。

原作を読んでいない人に説明すると、原作のタツヒコはスカウトの仕事をしながらも、水商売の仕事に「落ちていく」女の子を見て、自身の正義感との矛盾を感じているんです。
原作ではタツヒコがおっぱ◯パブで奉仕をする女子たちを見て心底ゾッとし、自身にも「明るい未来はない」と覚悟を決め、それでいて「人として、正義でありたい」と宣言するのです。
この複雑なタツヒコの想いが表れていることが大好きだったのに、映画では「風俗に行った女性を幸せにします!」という宣言になっている……これにはがっかりしていました。

ただ、映画でも、人一倍やさしいタツヒコが女の子が幸せになるとは思えないスカウトの仕事に身を置き、それでも誰かの幸せのために行動するという根本の部分は変わっていません。
はじめに女の子を面接をするシーンでは、タツヒコは水商売の「汚い部分」を見ているので、ある程度は納得できる部分もあります。

だけど、水商売を(否定するよりはましですが)さも「いいもの」として肯定するのは、原作で水商売の「裏」のを徹底的に描いていたこととは異なるので、してほしくなかったのです。
原作のマコが言ったように「お涙頂戴な世界ではない」「リスクがある」世界なのですから……。


もうひとつ許せなかったのは、中盤にあったとあるタツヒコのセリフです。
タツヒコが原作の2倍くらい「愚直なバカ」になっているのは許容できても、原作のスピリットをないがしろにするこの発言はないでしょう。

さらに敵となるヒデヨシの描写もまったく異なっており、原作の重要なセリフすら拾えていません。
果ては、その決着のつけかたは原作を読んでいなくても納得できないという有様でした。


ちなみに本作の監督は『冷たい熱帯魚』や『地獄でなぜ悪い』などの映画ファンが熱狂する傑作を手がけてきた園子温なのですが、これっぽちもその個性が発揮されていないのも悲しくなりました。
映画全体のノリは三池崇史監督の『クローズZERO』シリーズとほぼ同じで、音楽やカット割りや演出に至るまで「園監督らしさ」がみられません。
園監督作品の冒頭にいつも表示される「SONO SION'S FILM」のロゴすら存在していません。

これは山本又一朗(水島力也名義で本作の脚本も兼任)プロデューサーと組んだためなのか、それとも商業用映画の製作のためいつもとスタッフの体制と違ったためなのか、理由は定かではありませんが園監督は「今までの自分を全部捨て去って、新しい監督となって挑んだ」と語っています。何かしら大人の事情が絡んでいるのでしょう。
園監督好きな方にも、映画はおすすめしづらいです。

また、本作は水商売を題材としながらPG12指定止まりです。
どうせなら園監督らしくエログロ満載、R15+かR18+指定で公開してほしかったと願う方は少なくないでしょう。

※以下の意見をいただきました。
本作は、園監督が脚本を手掛けてないほぼ初めての作品みたいです。確か情熱大陸に出演した際に「一度こういう商業映画もやってみたい」と言ってた気がします。近々公開の「ラブ&ピース」「リアル鬼ごっこ」に期待ですね。あ、でも数回鳴った太鼓の音は園監督ぽかったです。



ここまで残念な点ばかりあげましたが、もちろんよかったところもあります。

まずは役者の存在感。綾野剛は愚直だけど人を惹きつける力を持つタツヒコを好演し、伊勢谷友介抱かれてもいいと思うくらいに格好良く、山田孝之は「笑い」で狂気をみせるのが抜群にうまく、金子ノブアキはいい感じのクズオーラを振りまいています。
話がどうであろうと、役者のファンにとっては大満足できる作品かもしれません。

また基本的に脚本はとっちらかっていて、ご都合主義満載なのですが、一部ではタツヒコの気持ちを表したシーンをしっかり入れています。
そこよりも、ちゃんと原作の精神性を引き継いでほしかったのですが……。


誤解のないように言っておきますと、原作を読んでいない人にはとっては楽しめる作品だと思うんです。
撮影や編集は洗練されており、組織の抗争やキャラクターの個性などは十二分に描かれています。

だけど、原作のおもしろさ、感動はこんなものではありません(最終巻の38巻(←レビュワー大絶賛)を読んだ時には泣きました)。
これほどの巻数がありながらも中だるみをせず、しっかり伏線を回収し、これ以上のないラストを迎える……「水商売もの」という枠を超えた、珠玉の人間ドラマがそこにはありました。

原作を読んだのは、映画の公開がきっかけでした。
それだけでも、本作に感謝をしています。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

続きを読む

スポンサーサイト

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-31 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
Pagetop

2015年5月のQrank投稿一覧(マンガ『がっこうぐらし!』がいろいろな意味ですごい件)

ランキングサイト/アプリのQrank(クランク)において毎月5本のネタを投稿していますので、今回から月終わりごとに紹介します。
また、映画ネタだけでなくマンガネタの投稿も始めました。ゆるい雰囲気でお読みください。

投稿したネタの一覧はこちら↓
<ヒナタカさんのアクティビティ | ランキングのQrank [クランク]>


[映画ネタ]
5月病のときに観るとさらに鬱になりそうな映画ベスト
ほかにも『レクイエム・フォー・ドリーム』はとってもいいよね(ドラッグやりたくなくなるから)。

いまだに続編を望んでいる映画ベスト
『アバター』はすでに続編の制作が決まっていますが、延期ばかりでいつ完成するかわからないので……

クズ役が似合う俳優ベスト
現在1位のあの人が強すぎます。日本人ばかりになってしまいましたが、海外ではスティーブ・ブシェミも有力候補。


[マンガネタ]
この人がこんな作品を描くなんて……ギャップを感じたマンガベスト
『鋼の錬金術師』と『銀の匙』(荒川弘)などは納得できます(作者の性格的な意味で)。

ほのぼの……と思いきやハードコア展開に圧倒されるマンガ
別名表紙とタイトル詐欺。『なるたる』がふたつのネタでかぶっちゃったけど、入れるしかなかった。
『なるたる』がどんなマンガかと言うと、かわいい絵柄でマンガ版『デビルマン』のようなハードコアすぎる展開が待ち受けている内容です。


なお、各項目には気軽に投票ができ、項目を加えることもできるのでぜひどうぞ。
一例として、過去に民朗さんが自分よりはるかにおもしろい投稿をしてくれたネタも合わせてお読みください↓
完成までにいろいろと問題があった映画ベスト
サントラ=新作アルバム? 有名アーティストが音楽を手がけた映画ベスト
野々村竜太郎議員みたいに主人公が叫びまくってうるさい映画ベスト
黒い笑いをあなたに……賛否両論?ブラックコメディ映画ベスト
考えるな!感じろ!意味不明だけど面白い不条理ムービーベスト


せっかくなので、この場でいろんな意味で驚けるマンガ『がっこうぐらし!』を紹介しておきます。

powered by yasuikamo

※アマゾンレビューではネタバレ注意。

はい、絵があざといくらいに萌え萌えですね。
7月からアニメが始まるということでじわじわと知名度があがっている(ような気がする)本作ですが、これが読んでみるととんでもない内容でした。
本の裏表紙の説明などでも、そのことを隠しているんだもんなあ……。

↓以下はほんの少しネタバレで内容を紹介。
これを読むと興味が出てくるかもしれませんが、知らずに読むとより驚けておもしろいかもしれませんので、自己責任でどうぞ。

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-30 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
Pagetop

彼らのいた時間 映画『メイズ・ランナー』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はメイズ・ランナーです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:「WCKD」って何?


あらすじ


少年(ディラン・オブライエン)は巨大迷路に囲まれた場「グレード」に送り込まれる。
自分のすら思い出せない少年は、その場にいた「ランナー」と協力して脱出を目指そうとするのだが・・・・




同名のティーン向け小説を原作とした作品です。

powered by yasuikamo

ジャンルとしてはいきなり閉鎖された空間に放り込まれて、理不尽な状況で戦わざるを得なくなるというデス・ゲームものです。

閉鎖された空間で死の危険にさらされるのは『CUBE』、
少年たちのサバイバルが描かれている点では『蝿の王
壁に囲まれた場所で生活をしているのは『進撃の巨人』と、
なかなか既視感に溢れまくっている設定はありますが、独自のおもしろさもあります。

そのひとつが、「安全に暮らせる場所」が「難攻不落な迷路」に囲まれているというシチュエーションです。
つまり、少年たちは「危険を冒してでも迷路に行くか」「それとも安全に暮らすための秩序を守るか」という選択をすることができます。

そのため、少年たちは「安全に暮らすことを望む保守派」と「現場からの脱出を目指す革新派」に別れることになります。
この組織の対立と人間ドラマが、作品の大きな魅力になっているのです。

そして、同じく死のゲームに強制参加をさせられる『ハンガー・ゲーム』がダラダラと「ゲーム開始まで」を描いていたのとは違い(個人的にはあの描写も好きですが)、映画の冒頭がゲーム場所で目覚めるシーンになっているというのも長所でしょう。
しかも主人公は記憶喪失になっているために、観客は「わけのわからないところに放り込まれた」という状況がより理解でき、主人公に感情移入できるようになっています。


また、本作は3部作のうちのひとつということで、『ロード・オブ・ザ・リング』や『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のように「中途半端なところで終わったらいやだなあ」と思う方もいるかと思います。
そこはご安心を。本作は、この1作でけっこうキリのいいところまで話が進むのです。

原作のタイトルをよく見てみると、
1作目:The Maze Runner
2作目:The Scorch Trials
3作目:The Death Cure(ここで3部作は完結)
4作目:The Kill Order(1作目の前日譚)
5作目:The Fever Code(作品の時系列は4作目よりも後、1作目より前)
と、それぞれまるっきりタイトルが変わっています。
原作を読んではいないのではっきりとしたことは言えませんが、迷路を冒険する「メイズ・ランナー」というタイトルがふさわしいのは1作目のみで、ほかのシリーズは別のこと(世界観の謎の解明や登場人物の成長)を描いているのでしょう。

つまり、本作だけで「メイズ・ランナー」の物語自体は完結しているのです。
それでも作中の謎の多くは「続く」になるのでモヤモヤも残りますが、「1作だけで楽しめないのはいや」と思う方にもおすすめできるのではないでしょうか。


難点だと感じたのは、
(1)作中の「ルール」あいまいに思えること
(2)「迷路らしさ」があまりないこと
です

(1)については最低限の説明はされるのですが、「どうして◯◯は◯◯なのか」「いつ◯◯するのか」と考え出すと、いくらでもツッコミどころが出てきてしまいます。
あまり説明しすぎると散漫になってしまうので難しいところですが、自分はもっと明確なルールがあるゲームのほうが好きです。

(2)については、巨大な迷路を知恵を使って進むという知略サスペンスよりも、飛んだり跳ねたりのアクションが主体という印象なのです。
こうなったのは、「主人公がグレード(迷路の中心にある生活の場)の場所に来たのは、はじめて少年たちが住み始めてからだいぶ後」という設定のためでしょう。
つまり、主人公の前にも迷路に挑むものがたくさんいたため、ある程度は迷路が攻略されているのです。
迷路をイチから解くようなシチュエーションを期待していると、ここは期待外れになってしまうかもしれません。

しかし、本作では(2)の欠点をうまく展開に活かしています。
詳しくはネタバレになるので↓に書きますが、とりあえず言えるのは「主人公のいなかった時間」を想像させる演出があるということ。
主人公の視点のみで展開しているのにもかかわらず、先にグレードに住んでいた少年たちの想いや苦悩がわかるようになっている……これは見事な語り口でした。


ほかに気になることとしては、うっとうしいくらいに「WCKD(ウィキッド)」という謎の単語(略称)が出てくることでしょうか。
WCKDの読みは「邪悪な」「不道徳な」を意味するwikedといっしょです。
それなのに、作中では「WCKD is good」と矛盾するような言葉を何回も聞くため、人によっては頭に「?」が出まくってしまうのではないのでしょうか。
WCKDの意味についても、一応ネタバレになるので↓に書きます。


いろいろと書きましたが、要するに少年たちによるハラハラドキドキのソリッドシチュエーション×アクションを期待すれば大いに楽しめる内容です。
頭空っぽでもおもしろいですし、登場人物の想いを考えてみると奥深さも出てくる、万人向けの優れた娯楽作品でした。

また、G(全年齢)指定で血は一滴も出ないとはいえ、かなり怖いシーンもあるのでお子様の鑑賞にはご注意を。
ちなみに性描写は一切ありません(あの状況で若者の性の乱れがみられないのもツッコミどころ)

映画を観た後は、実際にある巨大迷路で遊んでみたくなるかもしれませんね。おすすめします。

↓以下、結末も含めてネタバレです。鑑賞後にお読みください。

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-29 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
Pagetop

「日本アニメ(ーター)見本市」が子どもに観せたくないアニメばかりでおもしろい件

みなさまは「日本アニメ(ーター)見本市」という企画およびサイトをご存知でしょうか。
自分も少し前まで知らなかったのですが、これが知っておかなければ損と思えるとんでもない企画だったのです。

題字<題字がまさかの宮崎駿

ざっくり言いますと、10分に満たない短編アニメをすべて無料で観られてしまうというもの。
ネットにつないでいたら、いつでもどこでもハイクオリティのアニメを楽しめてしまうのです。
登録などの面倒な作業も一切いりません。

これで採算が合うのかと思うところですが、これは「期間、予算等を制限した中での企画開発、R&D、人材育成、自由な創作の場としてこの先の映像制作の可能性を探るWEB配信アニメーションシリーズ」ということで、もともと利益を追求した企画ではないのでしょう。

さて、実際に観てみてびっくりたのが、子どもに観せたくないエログロ描写がある作品が多かったということ。
「自由な創作の場」を免罪符に、監督やスタッフがやりたようにやっている感じ。誰でも観られてしまう場でこれはいいんでしょうか。いいんだろうけど。

ちなみに各作品のすべて(声なしの作品もあり)で声優が山寺宏一さんと林原めぐみさんで固定というのもすごい。
作中でおふたりは一人二役どころか三役四役をこなしていたりもしていて、声優の底力を思い知りました。

そんなわけで以下はそんなエロかったりグロかったりする作品をピックアップして紹介します。
ちょっと過激なことを紹介しているので、なるべく15歳未満の方は読まないでください……。
タイトルおよびジャケット画像をクリックすると視聴ページに飛びます。

続きを読む

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

2015-05-27 : いろいろコラム : コメント : 1 : トラックバック : 0
Pagetop

ボクは生きる 映画『チャッピー』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はチャッピーです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:まさかのキュートな子育て映画


あらすじ


犯罪が多発するヨハネスブルグ。
エンジニアのディオン(デーヴ・パテル)は、廃棄処分されかけのロボットから、世界初の人工知能を持った「チャッピー」を開発する。
しかし、ストリートギャングにチャッピーと一緒に誘拐されてしまい・・・




第9地区』『エリジウム』のニール・ブロムカンプ監督最新作です。
チャッピーとは魔法使いでもでもピクミンの敵でもなく、主人公の人工知能(AI)を持ったロボットの名前です。
そのかわいらしいタイトルに反比例するように、本作のジャンルは暴力表現も満載のSFアクション映画となっています。

それと同時に・・・本作は個人的に子育て映画だと思いました。
チャッピーは生まれたときはまだ子どもで、彼を「育てるため」に物事を教えなければならないのです。
そのプロットだけですでにおもしろいのですが、さらに北斗の拳のヒャッハーなザコみたいなギャングが親代わりになるというのが最高です。

※親の顔が見てみたいと思ったら、こんなんです。

このギャングを演じているのは、ダイ・アントワードというヒップホップグループのふたり。
女性のほうがヨーランディ、男性のほうがニンジャという芸名で、なんとこのふたりはそのままの名前で映画に出てきます。エンドロールには「ニンジャ役:ニンジャ」って表示されます(笑)。
「本人役」なのに作中で犯罪をしまくっているのは大丈夫かとツッコミたいですが、そんなことをおかまないなしなファンキーな人たちなんでしょうね。
楽曲もかっこういい&ヨーランディ(31歳)のロリロリな声が魅力的なので、ぜひ聞いてほしいところです。



なお、チャッピーには上記のヒャッハーな両親以外にも、創造主(ロボットとAIを作った人)という別の親がいます(演じているのは『スラムドッグ$ミリオネア』のデーヴ・パテールさん)。
こっちのお父さんはたびたびヒャッハー両親のところにやってきて、「ギャングみたいなことをしちゃだめだ!」と真面目に教育しようとします。

子どもがメチャクチャな親の養子になっちゃったから、その本当の親がたびたび様子を観にきてこっそり真面目な教育を施すというSFらしからぬ展開になるというわけ。
もっと端的にいえば、DQN(ドキュン)な親と真面目な親が「こっちの教育のほうが正しい!」と主張し、骨肉の争いをしているというわけ。やべえこの映画ちょうおもしろい。

犯罪多発地区の対応のために警察がロボットを導入するという点では『ロボコップ』を思い出しますが、どちらかといえば『リアル・スティール』よりの作風で、『フランケンシュタイン』らしさもあり、さらにはそして父になる』をも連想させるとは思いもしませんでした。

また、ヒャッハーな親のほうは、はじめは私利私欲のためにチャッピーを利用しようとするのですが、そのうちに別の感情が芽生え始める・・・という展開はアツいものがあります。
ヨーランディはこのファンキーな容姿ながらけっこう「いいママ」っぷりも見せますし、ニンジャのほうもけっこうツンデレなんじゃないかと思わせる描写もあります。
こういう「一見悪いヤツ」のことが好きになれる展開がけっこうあるんです。これも大好きです。

また、イケメンのヒュー・ジャックマン様が『リアル・スティール』や『プリズナーズ』をはるかに超えるクズ男役を演じているというのも素敵ですね。
ウルヴァリンがこんなゲスなことしているよ、笑い方めっちゃ悪そうだよ!とこれまた興奮できます(笑)。役者ってすごいなあ。
ヒュー様は9月公開の『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』でもゲスな悪役を演じるということで期待が高まりまくります。


ちなみに作品の舞台であるヨハネスブルク(『第9地区』もここで撮影)は実際にヤバい街として有名なので、あんなヒャッハーな街であると認識して相異ないかもしれませんね。たぶん。

そして終盤では、この子育て要素を超えた予想もしない展開が待ち受けています。
端的に言えば、これは『第9地区』終盤の「メチャクチャだけどアツい!」展開とそっくり。第9地区が好きだったらぜったいに劇場で堪能すべきでしょう。
『エリジウム』にがっかりした人でも、今回は『第9地区』並の感動を期待してもきっと裏切られないと思います。

ハンス・ジマーによるサイケな音楽も抜群にハマっており、彼の新境地を見た(聴いた)気分になれました。

Hans Zimmer
1759円
powered by yasuikamo

ていうか、チャッピーがめっちゃかわいいんですよ!
なにあれ。基本的によちよち歩きな赤ん坊な印象なんだけど、ちょっぴり弱虫で、ちょっと反抗的だったりもして、母性本能がくすぐられまくるんですけど。
モーションキャプチャーおよび声はおっさんのシャールト・コプリーが担当しているのですが、とてもそうとは思えないほど「萌えるロボット」を堪能できました。

あと、チャッピーのデザインがパク・・・じゃなかった、『機動警察パトレイバー』のパトレイバーや『アップルシード』のブリアレオスにそっくりだったりします。
<チャッピー <パトレイバー <ブリアレオス

なんていうか、どいつもこいつもうさぎみたいな耳がかわいいよね!
※ ブリアレオスのあれは耳というよりは目であるとご指摘を受けました。
> あの先端部分を壁からチョコっと出して、先にあるカメラで周りを確認するのです。昔のOVAでもそれやってました。潜望鏡やファイバースコープに近い感じかな。

※ほかにも巨大ロボット「ムース」がドラグナー改に似ているとのコメントをいただきました。

もうひとつ余談ですが、タイトルの「CHAPPiE」の「i」だけが色が変わっていて、しかも小文字になっています。

identity.png

iは「identity(アイデンティティー)」や「I(私)」を示しているのでしょう。
小文字なのは、そのまんまチャッピーの子どもらしさを表現しているのかもしれません。
※以下の意見をいただきました。
タイトルの「i」は、最初に22号機が不運にも耳にも見えるアンテナが壊れてオレンジに替えられた部分も表してますよね。


ニール監督の最新作は『エイリアン5』ということでこれまた大期待ですね。

設定や展開にややごり押しがみられること(ニール監督作品にはいつものこと)なんか些細な問題です。
これはSF映画が好きなら劇場で観なければぜっったいに後悔します。最高です。オススメです!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-24 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
Pagetop

新たなトリック解禁 映画版『イニシエーション・ラブ』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はイニシエーション・ラブです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:2回は観なくていいかな・・・


あらすじ


1980年代後半の静岡で、大学生の鈴木(松田翔太)は合コンで歯科助手として働くマユ(前田敦子)と出会う。鈴木は彼女にふさわしい男になろうと自分を磨き、やがてふたりは自分の想いを伝え合う。
就職した鈴木は東京本社への転勤が決まってしまい、週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続ける。だが、同じ職場の美弥子(木村文乃)と出会ったことで恋心が揺らぎ・・・・




乾くるみ(←女性作家だと思っていたら、見た目が人の良さそうなおじさんでびっくりした)による大ベストセラーの映画化作品です。

乾 くるみ
626円
powered by yasuikamo

原作で話題を呼んだのは「ラスト2行ですべてが覆る」という大どんでん返しです。
ふつうの恋愛物語と思いきや・・・作中で提示された「違和感」が、ラストで「そうだったのか!(もしくは、やっぱり)」と気付ける、素晴らしいトリックが仕組まれたミステリーになっていました。

また、原作を読み返すと「あ、このシーンもこうだよね」「ああ、ここも伏線だったんだ」と気付けるということで、「必ず2回読みたくなる小説」という触れ込みもされています。

で、今回の映画版も「あなたは必ず2回観る」という触れ込みがなされているのですが、実際の映画は2回観なくてもいいような親切設計がなされていたので驚きました。

その親切設計の内容はネタバレになるので↓に書きます。
キャッチコピーは2回観る価値があることを推しているのに、実際の映画はわかりやすーいために2回観なくても大丈夫・・・これはなんだか映画制作者と宣伝担当との認識の齟齬があるような気がします。
まあ、この親切設計がなければモヤっとしてしまうので、やってくれてよかったとは思うのですけどね。


さて、小説を読んだ方の全員が思うであろうことは、あのトリックを実写でやるのは不可能だろ!ということです。
今回の映画版はそこを(わりと強引な手段で)見事に突破しており、「よくこれを思いついたなあ」「それしかないよな」と思えるものでした。
(ちなみにこのアイデアを提案したのは原作者の乾くるみさんで、それをもとに井上テテさんが脚本を書いています)
小説を読んだ方であれば、オチよりもその「手段」が提示された瞬間に驚けるはず。
予告編などでもうまくその手段を隠しており、トリックに対する製作者の熱意が感じられました。


本作の欠点は堤幸彦らしいドラマ的な演出と、トリックが早い段階からわかりやすすぎることにあります。

登場人物のセリフやモノローグがドラマのように格好付けすぎなのは原作からであるし、演出過多なのは作中で『男女7人秋物語』をリスペクトしていることもあるので、多くの人は違和感なく観ることができると思います。
それでも、そのへんの一般人が「大きな声で登場人物の陰口を言う」シーンはかなり不自然で、好きになれませんでした。

原作小説は一見ふつうの恋愛小説で、トリックをうまく会話の中に紛れさせているのですが、映画では上映時間の短縮のためにトリック部分が抽出され、必要以上に目立っています。
このおかげで、作品全体のイメージが
・原作小説→(最後以外は)ふつうの恋愛小説
映画→はじめっから言動に違和感を感じまくるミステリー
というふうに変わっています。
原作は最後の最後で「えー!?」と一気に覆る衝撃がありましたが、映画は序盤からゆっくりじわじわと覆しているイメージでした。

そんなわけで、映画を先に観ると早い段階でオチがわかってしまう(と思う)ので、できれば原作の見事なトリックを体験するために、先に原作を読むことをオススメします
映画の「じわじわと真実がわかるおもしろさ」ももちろんいいと思うのですが、原作の「ラストで驚ける衝撃」をぜひ一度「体験」してほしいのです。

まあ、本作でいちばんぶっちゃけたい不満はもっと別のところにあるのですが・・・それはネタバレになるので↓に書きます。


映画ならではの魅力のひとつは、80年代後半の文化を覗き見られること。
「カセットテープ」「C-C-B」「アラレちゃんメガネ」などの懐かしいアイテムがたっぷりと登場するのは、名作日本映画『横道世之介』や、最近では90年代のエロマンガ文化を描いた漫画『いちきゅーきゅーぺけ』を彷彿とさせ、楽しい気分になれました。
音楽も80年代の名曲が揃っており、なんとも懐かしい気分にさせてくれます。

堤 幸彦(監修)
2880円
powered by yasuikamo

どうでもいいですが、作中では堤監督がハマっていた「輪ゴムすだれ」というニッチすぎるアイテムも出てきます

もうひとつ素晴らしかったのは主演の前田敦子松田翔太の演技。
前田敦子はいわゆる「ぶりっ子」的なキャラになっておりいい意味でイライラさせられました(笑)。
松田翔太は一見真面目な男なのに、時折クズのかほりを漂わせるのがうまいですね。


そんなわけで、「小説でしかできないトリックを無理やり映像化した」ようなごり押し企画な印象は否めないのですが、ちゃんと映画ならではの魅力もありますし、原作が好きだった人にとってもなかなか見ごたえがある作品になっていると思います。

原作はセックス描写がけっこう生々しくて子どもには読ませたくない感じですが、映画ではそこはカットしているのでお子さんにもやさしいです。

本作をおすすめしたいのは、やはりカップルですね。
ちょっとだけ「恋愛怖い」「結婚怖い」と思わせる『ゴーン・ガール』的な要素もあるので、観た後は恋愛相手にきっと不信感を覚えるでしょう。ていうか覚えろ(←ゲス顔で)。

原作に比べて恋愛の退屈な部分が削られてテンポよく仕上がっていますし、過度な期待をしなければ誰でも平均点以上は楽しめる作品だと思います。オススメです。


最後に余談ですが、『イニシエーション・ラブ』が好きだった人には、小説『十角館の殺人』と映画『半分の月がのぼる空』もおすすめしたいです。

powered by yasuikamo

池松壮亮
3974円
powered by yasuikamo

詳しくは言えませんが、どちらもおもしろいトリックが使われていますよ。
※アガサ・クリスティーの『ABC殺人事件』にも似ているというご意見をいただきました。


以下、映画『イニシエーション・ラブ』が結末も含めてネタバレです。
本作のネタバレは先に見てしまうとがっかりどころではないですし、制作者も観る前の人に秘密をバラさないように念を押しているので、必ず!鑑賞後に!お読みください! もちろん原作小説の内容も否応なしにネタバレしています!

続きを読む

テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

2015-05-23 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
Pagetop

ヤクザの世界で 映画『Zアイランド』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はZアイランドです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ゾンビ映画愛、伝わる


あらすじ


ヤクザとゾンビが戦います。




漫才ギャング』『サンブンノイチ』の品川ヒロシ監督最新作です。
(予告編や公式サイトではビミョーに濁していますが)本作のジャンルはゾンビ映画です。しかもそのゾンビに対抗するのはヤクザというなんとも破天荒な内容となっています。

品川ヒロシ監督作品の優れているところは、とにかく観客を楽しませようとする気概にあふれていること。
ゾンビ映画とヤクザ映画をミックスさせるというザ・B級な発想と、これでもかあれでもかと既存の映画作品の要素を入れまくっている作風はとっても好感が持てます(←上から目線)。

本作でデジャヴを感じたのは、スローモーションを多用したアクションシーンです。
これはガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』か、ザック・スナイダー監督の『300』の影響なのでしょうね。

何よりも感心したのは(←上から目線)、ゾンビ映画の「あるある」を踏まえていながらも、展開が予想できないような「外し」を用意していること。
この手のゾンビ映画やモンスターパニック映画では「誰が生き残るか」をあれこれと考えるするのは世の常だと思うのですが、自分は予想を思い切り外してしましました。
死亡フラグ」が必ず当たるとは限らないという点では、秀作サメ映画『ディープ・ブルー』を思い出しました。

かわいい女子高生が空手でクズ男たちをボコボコにするというのも素敵。
山本舞香さんは、空手の黒帯のためマジで強かったりします。
JKにボコられたいドMな男はさっさと観に行きましょう。

全国的に公開されている作品ながら、グロ描写に手を抜いていません
血はぶっしゃぶっしゃ飛びますし、首はスッポンスッポン抜けます。
PG12指定ギリギリ(アウト)を突っ走っているので、「ゾンビ映画にグロは不可欠!」と思っている人は大満足できるのではないでしょうか。

しかも、ゾンビ映画にある「愛おしい人がゾンビになってしまう」という哀しさ、恐ろしさもキッチリ描いています。
それでいて、ゾンビ映画オタクが「どっちだ?ゾンビはゆっくりなほうか、速いほうか?どっちだ??」と確かめるという(ゾンビ映画ファンだけが笑える)コメディシーンもある・・・・このバランスはなかなかによかったです。



※知らない方に説明すると、ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビは走らなくて、『ゾンビ』のリメイク作である『ドーン・オブ・ザ・デッド』のゾンビは走ります。ロメロ監督が「ゾンビが走るのは解せないよ」と語ったのはあまりに有名です。

登場キャラがみんな個性的で、どうでもいいキャラがひとりもいなかったというのもいいですね。
基本的に登場人物の半分くらいがクズなのですが、そのクズっぷりが一周回って魅力的。個人的にはジャニーズなのに腐れヤブ医者を演じている風間俊介の演技が大好きでした。


本作の欠点は、コント調の掛け合いが必要以上に多く、作品のテンポを削いでしまっていること(いつものことです)。
その掛け合いの大半は物語と関係のないまったくもってムダなもの。これは品川監督が大好きなクエンティン・タランティーノの影響なのでしょうが、そこはマネしなくてもいいような……(タランティーノ会話はコントじゃないし)
何より、この掛け合いのほとんどがちょっとすべり気味なんですよね。
旅館で電話をかけるけどゾンビが現れるなんて信じてくれないというシーンはおもしろかったんですが、哀川翔鶴見辰吾がバカバカ言っているシーンは白目になりかけました(つまらなくて)。

音楽の使いかたも、ちょっと大仰すぎです。
感動的なシーンでは泣かせるような音楽をかける、メインテーマが何度もくり返されるというもので、工夫はみられません。音楽自体はとてもいいのですが・・・

※挿入歌と主題歌も格好いいです。





本作の舞台は「島」のはずなのですが、その外界と断絶された孤島ということがちょっと伝わりにくいのも欠点かも。
これは島を俯瞰する画がないこと、島に住んでいない登場人物のドラマを並行して描いたことが原因でしょう。もう少し限られた世界での「閉塞感」を出してほしかったです。

展開もややごり押しで、細かいところを見ていったからかなりアラが出てきそうです。
自分は、この手のゾンビ映画ではあんまりそういうことを気にしないのですが、足の神経がやられているはずの哀川翔がふつうに歩きまくっているのはさすがに雑すぎました。

一概に悪いとは言えませんが、女性が性の対象としてみられる(性的な暴力までも加えられる)シーンが多くあります。
悪役のクズっぷりを示すためには必要なものなのでしょうか、不愉快に感じる人も少なくないでしょう。


それでも、自分はこの映画を支持したいと思います。
品川監督は映画愛に溢れているはずなのに、映画ファンから嫌われているのが気の毒に感じてしまうんです(嫌っている人の例:ライムスター宇多丸さん)
まあ、『サンブンノイチ』で「映画を撮ったことがないやつ(映画ファン)が文句を言うな!」ということを登場人物に主張させてしまっているあたり、自業自得な気もしますが・・・

自分は芸人としての品川祐はあのキャラのおかげで大嫌いですが、映画監督としての品川ヒロシは嫌いになれません。
逆に、松本人志は芸人としては大好きだけど、映画監督としては死ぬほど嫌いです(例:『R100』)

作中にゾンビ映画オタクが出てきたり、ゾンビの知識を知ったうえでの行動が描かれてきたり、ゾンビ映画のあるあるも満載という、ゾンビ映画ファンにはたまらない内容なのになあ……。
ちなみに本作は興行収入が初登場14位という大爆死を遂げており、一般のお客さんからも無視されつつあります。
品川監督は撮りたい映画を撮ることができて、ある程度は満足していると思うのですけどね。


これから本作を観る人は、「ヤクザがゾンビと闘わなければ理由」「ゾンビが暗示していること」「チャラい作風が生きている展開」に注目してほしいです。

「ヤクザがゾンビと戦う」設定自体はありえねーものですが、その過程と人物をしっかり描いているため、説得力があります。
物語では「ヤクザの哀しさ」が十二分に表れており、そのテーマはとても納得がいくものでした。

そして、チャラチャラしてウザい登場人物が多いことを逆手に取った熱い展開もあるのです。
これにはかなり感動できました。

伏線は(わかりやすすぎるくらいに)張られまくっていますし、ゾンビ映画好きなら大いに楽しめるのではないでしょうか。
ゾンビ映画に飢えている方は、ぜひ劇場へ。

※「第1話」も配信中です(残虐な描写があるので注意)。



以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

続きを読む

テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

2015-05-22 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
Pagetop

見えないからこそ 映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は百日紅~Miss HOKUSAI~です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:原恵一監督らしさ、満開


あらすじ


江戸時代、葛飾北斎は浮世絵師として名を馳せ、その娘の娘のお栄(後の葛飾応為)も父ともに浮世絵を描き続けていた。
お栄には生まれつき目の見えない妹のお猶がおり、お猶は自身が親孝行できそうにもないこと、父の北斎に迷惑をかけているのではないかと気に病んでいたのだが・・・




映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』の原恵一監督最新作にして、故・杉浦日向子による漫画『百日紅』を原作とした作品です。

杉浦 日向子
734円
powered by yasuikamo

原恵一監督は、今回の映画をきっかけに、杉浦日向子さんと『百日紅』がいまの人に知ってもらえることを望んでいたそうです。
実写映画『はじまりのみち』でも「木下恵介監督のことを知ってほしい」という想いを溢れさせまくっていましたし、原監督は映画を使って、自分が知っている素晴らしい作品を世の中に伝えることができるという、うらやましい方なのでしょう。
映画ファンの自分も、「◯◯という作品は本当に素晴らしいのに、みんなが知らないないなんてもったいないよ!」と思うことがたくさんありますから。たとえばこれとかこれとか。


本作は、原作の『百日紅』を知らずに観に行く方がほとんどだと思います。
そこで注意していただきたいのは、主人公である葛飾北斎やその娘の葛飾応為のリアルな浮世絵師の姿を映した作品ではないということです。

舞台となる江戸にはところどころに「妖怪」の影をちらつかせており(はっきりと妖怪が登場するわけではない)、どこかファンタジーめいた描写がたっぷりあります
これは、「葛飾応為ってどんな人だったんだろう?」「浮世絵師の人生について丸ごと知りたい!」と思っている方にとっては、ちょっと期待ハズレに感じてしまうのかもしれません。
(葛飾北斎が幾度となく引越しをしていたことなど、史実を反映させた描写もあります)。

各エピソードはすっきりはっきりとしていなく、「この話の意味はどういうことなんだろう?」「このオチはどういうことを示しているんだろう?」と思わせます。
わかりやすいストレートな作品を求めている人にとっては、モヤっとしてしまうのかもしれません。


でも、自分はこの『百日紅』という作品が大好きです。
なぜなら、その「ちょっと不思議」な物語の数々、普段は知り得ない江戸の風景、人物描写がたまらなく魅力的であるからです。

映画ではその点をすべて拾い上げるばかりか、映画ならではの描写もしっかりプラスしています。
とくに目立つのは、(アニメなのに!)リアルな江戸の情景と、盲目の末娘・お猶のエピソードでしょう。
原作では、お猶はたった1話しか登場していないのですから

素晴らしいのは、お猶の「目が見えない」がゆえの描写の数々です。
彼女が盲目であることは、言葉にせずとも十分にわかるように演出がなされています。

そして、アニメーションという表現を使って、目が見えない彼女の想像力を「見せる」ような演出がたっぷりあります
観客の目の前には、美しいアニメーションの絵が広がっています。その中には、目が見えないお猶が「頭の中でそのように想像している」かのように感じるシーンがたくさんあるのです。

自分は、この『百日紅』がアニメーションという媒体でよみがえって本当によかった、原監督にこの映画を作ってもらって本当によかったと感じました。
アニメでしかできない表現と、原監督ならではの繊細な描写が組み合わさり、原作の魅力をもしっかりと表現している作品なのですから。


また、声を担当した俳優陣もすばらしかったですね。
お栄役のと葛飾北斎役の松重豊はまさにハマり役。さらに高良健吾濱田岳麻生久美子など、豪華すぎる配役。違和感を覚えた声はひとつとしてありませんでした。
また、矢島晶子藤原啓治というクレヨンしんちゃんの親子役の声優がしれっと登場しているのも見逃せません。


本作の欠点は、原作が短編集ということもあり、劇場映画ならではの盛り上がりを期待すると少し物足りなく感じてしまうことです。
しかし、この弱点は作り手側も理解しているようで、前述のようなお猶のエピソードをふくまらせて展開にダイナミズムを作っています。

また、映画では原作のエピソードをうまく取捨選択して(主人公のお栄の話に絞って)います。
原作では、女好きの善次郎(後の渓斎英泉)を主人公にした話も多いのですが、原監督は(泣く泣く)カットして映画をタイトに仕上げたようです。
そのために、本作の上映時間はわずか1時間30分。手軽に観るにはもってこいの作品になっているのは、本作の長所でしょう。

もうひとつ賛否両論を呼びそうなのは、江戸という舞台であるのにギターをかき鳴らすようなBGMが使われていることでしょうか。
原監督は『カラフル』でも疾走するシーンでギターメインの楽曲を使っていましたし、登場人物の「込み上げてくる」感情を示すためには重要だったのでしょう。
椎名林檎による主題歌を含め、自分はこの音楽のミスマッチ(に思えること)も好きなのですが・・・このあたりは好き嫌いの問題ですね。

250円
powered by yasuikamo

もうひとつ気をつけておきたいのは、少しだけ性的な描写があること。親子で観に来るとギョッとしてしまうかもしれません。
まあ、葛飾北斎は鉄棒ぬらぬらというペンネームで春画(エロ絵)を描いていたことは有名ですし、性描写はG(全年齢)指定でまったく問題がないくらいの軽いものなんですけどね。
ホラーっぽい演出もあることですし、ターゲットは完全にオトナということを念頭において観に行きましょう。


これから映画を観る人には、ぜひ前述の「目の見えない」描写、そして「暗闇」の描写に注目してほしいです。

その暗闇は「盲目」がゆえの描写であり、登場人物の恐怖や孤独を感じるためのものでもあります。
原恵一監督作品では暗闇の描写が『カラフル』や『エスパー魔美 星空のダンシングドール』にもありましたが、本作『百日紅~Miss HOKUSAI~』の暗闇は原作からあったものです。
原監督はこの暗闇の描写が大好きだったそうで、それを無理なく映画に落とし込んでいる(しかも+αの描写も!)ことに感動しました。


『百日紅』というタイトルについても触れておきます。
サルスベリは梅雨明けとともにわっと咲き始め、その期間は道が薄紅色になるくらいに花びらを撒き散らします。
しかし、そこで見上げると・・・どこから花びらが落ちたかわからないくらいにびっしりと花が咲いているのだそうです。
この「わさわさと散り、もりもりと咲く」という状態が100日続くからこそ「百日紅」という名前になっているわけです。

その百日紅は、少しくらいの逆境にはめげず、図太く生きる北斎やお栄のことを示しているのでしょう。
お栄の言う「親父と娘で筆二本、箸四本さえありゃあどこに転んだって食っていくさ」なんてセリフは、その図太さを体現しています。



『百日紅~Miss HOKUSAI~』は原恵一監督のファンには絶対に映画館で観てほしいです。
アニメファンや映画ファンにとっては、シーンのひとつひとつから巧みな演出を感じることができる秀作になるでしょう。

できれば、映画の後でもいいので、原作も読んでみてください。
映画にはなかった、優れたエピソードがたっぷりあります(映画のエピソードは下巻に多く収録、細かい人物の描写は上巻に多く収録)。
読めば、きっとその不思議な世界に酔いしれ、杉浦日向子という作家を追いかけたくなることでしょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-16 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
Pagetop

「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」を決めよう! 投票ページ

2015年6月13日(土)に開催する、自分がメイン的に持ち上げられているような「映画について語ろう会」×シネマレコメンドの企画のひとつ、『日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)』を決めるためのアンケートを設置しました。

※5月12日追記
美術賞、音楽賞、そして本家日本アカデミー賞にはない主題歌賞を追加しました!


※有識者の方に詳細な記事を書いていただきました!ていうか女優賞(笑)。
<「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」を決めよう! く◯映画学会>

ぜひお気軽に、投票をお願いします。

続きを読む

テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

2015-05-10 : いろいろコラム : コメント : 26 : トラックバック : 1
Pagetop

ヒナタカがおすすめ映画など教える「映画について語ろう会×シネマレコメンド」を開催します!

とってもお世話になっているブロガー・ゆっけさんが映画企画を考えてくれましたよ!

かげひなた2

!?

かげひなた

(;゚Д゚)

えっと……
なんでしょうか、この自分の持ち上げられっぷり。
家族に誕生日を祝ってもらったときにすら、こんなに大事にされた記憶はないんですけど。
その昔にドラえもんで、のび太が希少価値の動物に認定されていたたまれなくなる『のび太は世界にただ一匹』という話があったけど、いまならそのときののび太の気持ちがわかります

というわけで、この「映画について語ろう会×シネマレコメンド」は自分も企画を行うのでした(マジで)。
でも主催者はゆっけさんですから! 主役は参加者の皆さんですから! あくまで自分はおまけですから!


さて(仕切り直し)、今回の「映画について語ろう会」の主旨は、「映画が大好きな人が集まって、情報共有して、仲良くなって、もっと良い映画に出会うこと」です。

企画ラインアップは以下です。

第1部 「映画を動画で紹介しよう。」←自分が担当
第2部 「シネマレコメンド」
第3部 「映画ファンが選ぶ日本アカデミー賞はこの映画だ!」←自分が担当
第4部 「お楽しみ懇親会」


ふんふんふん、自分は独自の日本アカデミー賞と、動画で映画を紹介するノウハウをプレゼンするんですね……って、自分は映画紹介の動画をまた1回しか投稿していないがな!(出来もよくないし……)
これはヤバいので、開催までにあと2,3個動画をあげるしかないじゃないですか(自分に追い込みをかける)。

誰でもお気軽にご参加できますので、東京近郊にお住まいの方はぜひ。
定員は30名、開催日時は6月13日(土)です。

詳細はこちらで↓
<【映画に詳しくない人も】第6回「映画について語ろう会」×シネマレコメンド開催します! | Tunagu.>

参加はこちらで↓
<第6回「映画について語ろう会」×シネマレコメンド | eventon(イベントン)>

さて、この場でもうひとつ主張しておきたいのは、第3部 「映画ファンが選ぶ日本アカデミー賞はこの映画だ!」についてです。
この場でアンケートを行い、「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」を決めたいと思います。

<アンケートはこちら> ぜひご協力をお願いします!

テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

2015-05-10 : いろいろコラム : コメント : 0 : トラックバック : 0
Pagetop

子どものために 映画『寄生獣 完結編』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は寄生獣 完結編です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:変わったところが、あってよかった


あらすじ


市長の広川(北村一輝)は寄生生物たちを率いて、強大なネットワークを形成しようとしていた。
一方、人間たちは特殊部隊を編成し、寄生生物の殲滅を企てようとしていた。
その最中、寄生生物の田宮良子(深津絵里)は自分の子どもにある感情が芽生え、寄生生物・ミギーを身腕に持つ新一(染谷翔太)にも、とある変化が訪れようとしていた。




名作コミック『寄生獣』を原作とした実写映画(2部作)の完結編です。
<前作のレビューはこちら>

岩明 均
936円
powered by yasuikamo

原作は全10巻におよぶ大作であるので、前作でも本作でも、2時間の映画に納めるための工夫(改変)がされています。
(具体的な改変はネタバレになるので↓に書きます)
第一印象としては、原作と変えてよかったところがたくさんあった一方で、悪くなったところも少なくはないというということでした。


よかった改変は、おもに重要人物である田宮良子(寄生生物)における追加エピソードでした。
その追加は本当にほんのわずかなものなのですが、彼女により「人間味」を与えています(。

自分が本作で何より感動したのは、田宮良子を演じた深津絵里の表情でした
前作では「表情を表に出さない」(人間ではない)ことを示す演技が見事でしたが、本作ではさらに「感情のわずかなゆらぎ」をも見せてくれます。
その卓越した演技を、田宮良子というキャラが「人間らしく」思えるエピソードで生かされているので、原作をよく知る人ほど感動できるのではないでしょうか。


一方、少し残念だったのは(やはりと言うべきか)各エピソードが矢継ぎ早で展開してしまうため、どうしても説得力に欠いたシーンが多くなってしまったことでした。
とくに連続殺人鬼・浦上のエピソードの違和感は、「映画のために詰め込んだこと」の弊害がはっきりわかるものでした。

さらに問題だと感じたのが、原作で重要だったワードや描写がごっそり抜けおちてしまったため、登場人物の行動の意味を意味を考える余地がない=映画だけでは何を言っているのかがよくわからないことです。
そのワードの一例が、田宮良子が大学の講義で知った「利他主義」と「利己的遺伝子説」です。
詳しくは↓こちらの記事でまとめてみました
<『寄生獣 完結編』を「満足」から読み解く [映画] All About>
※記事の2ページ目からは映画のネタバレがありますが、1ページ目にはネタバレはありません。

これは作品をテンポよく、またエンターテインメント性を高めるためにはしかたがないと思う部分もあります(大学の講義なんて、スクリーンで観たいものではないでしょうし)。
しかし、『寄生獣』は哲学的な思想も大きな魅力のひとつ。映画ではそこが少し浅くなってしまった印象を受けるのです。

そうしたことが削られた一方で、大衆映画にありがちな「自分の想いをベラベラとしゃべる」割合も増えてしまっています。
原作でも登場人物は自分の主張をよく口にしているのですが、映画ではさらにストレートなセリフに置き換わっていたりもします。
そのために(映画で変更されたセリフは)わかりやすいのに、(原作漫画にあった思想は)わかりにくくなっているという、ちょっとチグハグさもあります。

このあたりは、大衆向けの娯楽映画に仕上げるためには仕方がない(かなあ?)と思って割り切るしかないですね。
おかげで、原作漫画を読むと「そうか、あのときのセリフはこういうことだったんだな」と気づける(原作漫画の素晴らしさを改めて感じられる)という楽しみもあります。ポジティブシンキングって大切です。

あと、山崎貴監督にはいつもどおりのことなのですが、有名作品のパク・・・いや、オマージュもちらほら見られますね。
ぱっと自分が思いつくのは『ターミネーター2』『遊星からの物体X』『ソナチネ』。映画ファンであればそのデジャヴ感も前向きに楽しむことをおすすめします。


そんなわけで文句は少なくはないですし、作品の完成度としては前作のほうが高いとは思います。
それでも、前作を観た方、原作ファンにとっては観なければならない1本でしょう。
荒唐無稽な寄生生物のビジュアルをはじめ、名作漫画のエッセンスをなるべく拾って実写化を果たしているのは、賞賛すべきです。

最後に……深津絵里の表情以外に本気で感動したことがもうひとつ。それはエンディングの直前に入れられた、原作にはないとあるワンシーンでした。
これ、個人的なことを言って申し訳ないのですが、原作で「これがあったらよかったのになあ」と妄想していた理想のシーンだったんです(アニメ版にもありませんでした)。
これだけでも、本作を観てよかったと心の底から思うことができました。

前作に引き続きPG12指定であり、残酷なシーン、性的なシーンもあるのでご注意を。

↓以下は結末も含めてネタバレです。鑑賞後にご覧ください。

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-08 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
Pagetop

利益と愛 実写映画版『シンデレラ(2015)』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はシンデレラ(2015)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:王道だけど、王道じゃない


あらすじ


少女エラはやさしい両親の愛を受け、幸せな日々を過ごしてきたが、母を不治の病で失ってしまう。
やがて、貿易商を営む父が再婚し、エラ(リリー・ジェームズ)は継母(ケイト・ブランシェット)とその連れ子である姉妹ドリゼラとアナスタシアと暮らし始める。
父親が不慮の事故で命を落としたことをきっかけに、エラは継母と義理の姉妹からつらく当たられ、召使いのように扱われる毎日を送ることになる。
エラは「勇気とやさしさが魔法の力になる」という亡き母の教えを胸に、ひどい仕打ちに耐えようとするのだが……




1950年に制作された、同名アニメ映画の実写化作品です。

ディズニー
3136円
powered by yasuikamo

今回の実写映画版の特徴について多くの人があげるのは、「王道」ということでしょう。

近年のディズニー作品は『魔法にかけられて』『アナと雪の女王』『マレフィセント』など、ミュージカルシーンが唐突に入ることを茶化したり、悪役が主人公だったり、王子が役立たずだったりと、もともとのディズニーの作風とは異なる、すっげえひねくれている映画が連発されていました

しかし、この『シンデレラ』はみんなが知っているお姫様の物語そのもので、テーマはとても道徳的です。
勧善懲悪であり、夢のある魔法が登場し、ヒロインの心は美しく、王子は中身も含めてイケメンです。
いまの苦しい生活から、「やさしさと勇気」を持って運命に立ち向かうというわかりやすい物語には多くの人が共感を覚えることができるでしょう。
これはディズニーによる「原点回帰」でもあると思います。


ただし、本作には(大筋の物語以外には)王道からの「外し」がありました。
個人的に、本作はもとのアニメ版よりもはるかにおもしろく、また奥深い物語に仕上がっていたと感じました。


その理由のひとつが、悪役の描きかたです。
アニメ版の継母は完全な悪人として描かれていましたが、本作のケイト・ブランシェット演じる継母には感情移入の余地が残されています。
彼女には、「悪になってしまった」理由がほんの少しだけ描かれているのです。

そのことは、継母の初登場時のナレーションでもわかりますし、終盤でシンデレラに告げることばでもわかります。
ケイト・ブランシェット自身が「純粋に邪悪な人なんて誰ひとりいない・・・誰にでもそうなる動機や誘因があると思います」と語っているように、これは作品の大きなテーマであり、従来のおとぎ話とは一線を画すポイントです。

また、アニメ版は継母だけでなく、そのふたりの娘(ドリゼラとアナスタシア)が容姿が醜いように描かれていました(何せ、登場人物がふたりの顔を見て「ウェッ」と言うくらいですから)
しかし、本作のドリゼラとアナスタシアは「見た目は美しい」というふうに改変されています。このおかげでシンデレラの「心の美しさ」というものの説得力が生まれているのです。

本作のエンドロールで、シンデレラ役のリリー・ジェームズよりも、継母役のケイト・ブランシェットのほうが先にクレジットされていたのは驚きましたが、それは制作者たちがいかに継母が重要な役柄であるかを考えてのものに思えました。
※以下の意見をいただきました。
それは普通によくある例(クレジットの順番は役柄の重要性とは必ずしも一致しない)なのでは?もちろん、クレジットに「登場順」と書かれているような場合は別にしてです。


そのほかにも、本作には、アニメ版にはなかった描写がたくさんあります。

オープニングにある、シンデレラの両親の描写はこの映画のオリジナルです。
シンデレラが母親のことばを胸に生き続けていたこと、父親の死を知ったときのことばは、やがて重要な意味を持つようになっていきます。

王子とシンデレラが森で出会うシーンはアニメ版にはありませんでした(シンデレラと王子は舞踏会で初対面)。
それどころかアニメ版の王子は、まるで記号のように背景が見えない人物でした。こいつは結婚に興味がなく、むりやり父に舞踏会を開かされて、ドレス姿の女性の姿を見てあくびをしているようなやつですから
本作では王子が(国の利益のための)政略結婚を迫られているという設定に変えており、これがテーマの深さにも、キャラクターの魅力にもつながっています。

反面、アニメ版から省略されたのは、ネズミたち、犬のブルーノ、猫のルシファ―の取っ組み合いでした(アニメ版の3分の1くらいはこのシーン)。
これはアニメ的な画のおもしろさを追及しているので楽しいのですが、シンデレラの物語とは関係がないものです。ここを削ったのは正解でしょう(もちろん、実写化が難しいという理由もあるのでしょうが)

アニメ版でたびたび訴えられているのは「信じていれば救われる」という、ちょっと受け身にも思えるなテーマでした。
しかし、本作のシンデレラは自分から能動的に努力をするような人物であり、物語自体も「王子様を待っていればいいんだ!」ではないのです。

さらに、『アナと雪の女王』と同じく、「初対面の人にいきなり結婚を申し込むなんておかしいよね」とツッコミをいれるシーンもあるんですよね。
ひどい生活を送っているけど、いつか素敵な王子様と出会える」という「夢」の物語ではあるのですが、こうした現実的な辛辣さも忘れてはいません。


そんなわけで、この実写映画版『シンデレラ』は、王道の物語に、王道とは外れたデコレーションを施し、物語に深みを与えている秀作であると感じました。

甘々なスイートケーキかと思いきや、ちょっとビターな後味を残す、というバランスは絶妙です。
本作に「王道すぎてひねりがないね」と思っている方は、ぜひアニメ版を観てみてください。
本作の脚本がいかに練られているか、そのメッセージがいかに尊いものへと変わっているか……それがわかるはずですから。


そして、本作の魅力で語らねばならないのは、その美術の素晴らしさです。
黄金のかぼちゃの馬車や、王宮内の装飾はもちろん、多くの人が息を飲むのは「青いドレス」の美しさでしょう。


1万個以上のスワロフスキーのクリスタルを散りばめ、製作に500時間以上もかけたというドレスは、舞踏会の中でもひときわ目立つ存在です。
はじめてそのドレスが登場するシーンは、CGの装飾も相まってうっとりすることは必至。ここだけでも劇場で堪能する価値があります。


日本語吹き替え版で観たのですが、これもよかったです。
シンデレラ役の高畑充希は少し声にたどたどしさがあったものの、数少ない歌唱シーンではその存在感が際立ちます。
王子役の城田優も好演でしたし、継母役に塩田朋子というベテランを配役しています。吹き替え版が苦手という方も「二度目の鑑賞」などにおすすめします。


ちなみに、同時上映となるのは『アナと雪の女王』の続編である『エルサのサプライズ』です。
原題は『FROZEN FEVER(熱)』で、熱いんだか寒いんだかようわからんというタイトルですが、観てみるとこの原題の意味がよくわかるようになっているのがいいですね。
たった7分の短編ではありますが、あの愛すべきキャラクターに会えるというだけでもうれしいものがありました。




本作『シンデレラ』の難点は、大筋が「みんながよく知っている話」であるために、中盤まで退屈さが否めないことでしょうか。
さらに「政略結婚」などの子どもがワクワクできない(理解できない)話題もプラスされているため、夢いっぱいの素敵な物語を期待すると少し肩透かしになってしまうのかもしれません。

もうひとつ気を付けておくべきなのは、本作がミュージカル映画ではないということですね。
歌唱シーンはほとんどないので、アニメ版の楽曲や、『アナと雪の女王』のようなキャッチ―な音楽を期待するべきではありません。
そのぶんエンドロールでは、サービスとばかりに歌唱が(日本語吹き替え版では吹き替えで!)流れるので、最後まで堪能することをおすすめします。

でも欠点と言えばそれくらいです。
誰にとっても楽しめて、目の肥えた映画ファンにとっても思いもよらぬテーマ性があり、主演の女の子は美しく、王子様は理想の相手であり、夢のある物語がつむがれる……何より、悪役をただの悪人としてではなく、欠点を持つ等身大の人間として描く作風が大好きでした。

きわめて優等生的であり、全方位に渡り工夫が凝らされています。
自分はここまで出来がいいと、「人間なんて醜いんだよ!」と主張するうえに物語が破たんしている『イントゥ・ザ・ウッズ』がすごく愛おしくなってくきました(笑)。
王道の『シンデレラ』も、ひねくれまくっている『イントゥ・ザ・ウッズ』も、それぞれ別ベクトルの魅力がありますよ。
デートとでも家族とでも、大プッシュでおすすめです!


最後にトリビアを。
舞踏会のシーンでは、『プリンセスと魔法のキス』、『眠れる森の美女 』、『美女と野獣』、『リトル・マーメイド』と、歴代のディズニー作品のドレスを見ることができます



こういうところで、ディズニーファンへのサービスをしているというのもうれしいですね。
また、今作の隠れミッキーは、シンデレラの家(ドアのガラス細工)にいるそうなので、これから観る人はぜひ探してみましょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
吹き替え版で観たので、字幕とはセリフが異なる可能性があります。また、アニメ版のネタバレに触れているところもあるのでご注意を。

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-04 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 0
Pagetop

数または質で選ぶおっぱ○映画ベストテン

ブログ男の魂に火をつけろ!のワッシュさんがこのゴールデンウィークにおっぱ○映画ベストテンというどうかしている企画を開催していたので参加します。

※画像は記事とは関係ありません。

↓参加はこちら。受付は本日5月2日(土)まで締め切りました
<GW特別企画! 映画ベストテン・番外編 - 男の魂に火をつけろ!>

※追記:結果はこちら(おっぱ○画像が堂々と表示されるので注意)
おっぱ○映画ベストテン:結果発表 - 男の魂に火をつけろ!
おっぱ○映画ベストテン:女優賞 - 男の魂に火をつけろ!
おっぱ○映画ベストテン:1点π特集 - 男の魂に火をつけろ!
おっぱ○映画ベストテン:「順不同」π特集 - 男の魂に火をつけろ!

ほんとうは愛おしいおっぱ○を伏字にしたくはないんだけど、青少年にやさしいこのブログがフィルタリングされてしまうのはしのびないので伏字で通します。パロディAVを紹介している時点で手遅れという声は聞かない。

※前回のアニメ映画ベスト企画の結果も見ておきましょう↓
アニメ映画ベストテン:結果発表 - 男の魂に火をつけろ!
アニメ映画ベストテン:監督賞 - 男の魂に火をつけろ!
アニメ映画ベストテン:1点映画特集 - 男の魂に火をつけろ!
アニメ映画ベストテン:順不同賞 - 男の魂に火をつけろ!

※追記
投票者の多くが挙げているおっぱ○映画の代表と言われる『スペース・バンパイア』が淀川長治さんの解説を含めおもしろそうすぎるので、B級映画ファンとして観ないといけないなと思いました。



淀川さん、何回「全裸」って言ってんだよ。

以下はおっぱ○いしか語っていないので、脳内偏差値が下がってもいい人だけ読みましょう。カッコ内は女優さんの名前です。↓

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-02 : いろいろコラム : コメント : 7 : トラックバック : 0
Pagetop

みんなのこと 映画『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はクレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:クレヨンしんちゃん in 『トレマーズ』


あらすじ


野原一家は、父・ひろしの突然の転勤のためにメキシコに引っ越すことになる。
楽しい毎日がスタートするはずだったが、待ち受けていたのは人喰いキラーサボテンだった……!




※5月4日:コメントからネタバレに追記をしました。ありがとうございます!

すっげーおもしろかった!

とりあえず言えるのは、本作が
・『クレヨンしんちゃん』という皮をかぶったモンスターパニック映画だということ、
・『トレマーズ』が好きな方は必見

ということです。

ケビン・ベーコン
970円
powered by yasuikamo

『トレマーズ』の何がおもしろかったって、戦いに明確な「ルール」が存在していたこと
弱い人間が敵の習性を理解し、知恵を振り絞って、圧倒的な力を持つモンスターと立ち向かっていくのです。

本作『オラの引越し物語』では、その『トレマーズ』的なおもしろさをしっかり踏襲。
ひろし、みさえ、しんのすけというおなじみのメンバー+ゲストキャラが、人間としての知恵を振り絞って、人喰いサボテンに挑んでいくのです。

モンスターを倒す過程に説得力があり、ひとりひとりモンスターに食べられてしまうという怖さがあり、ゾンビ映画よろしく「籠城」することで新たな人間ドラマが生まれる……脚本がかなり練られているのです。

そして、本作には大人にこそ響くメッセージが込められています
それは「個」としての人間が、集団としての社会を形成する、または家族として機能するためにはどうすればいいか、という深いテーマでもあるのです。

子どもが観るクレヨンしんちゃん映画で何やってんだって感じですが、いままでの作品でも『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』ではSF的な哲学や大人にしかわからないネタををねじ込んできましたし、『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』では子どもをガン無視したメッセージを込めまくっていましたので、けっして珍しいことではありません。

むしろ、自分は『クレしん』という題材で、大好きなモンスターパニックというジャンルの作品が生まれたことがうれしくて仕方がありませんでした。
これまでにも時代劇、ロボットアクション、ファンタジーなどとバリエーション豊かな『クレしん』映画が作られてきたので、ここからは多種多様な映画のジャンルの作品が求められるのかもしれませんね。


素晴らしいのはモンスターパニック以外の箇所も丁寧に作られていること。
本作はしんのすけが春日部から、遠いメキシコの街に引っ越してしまうという展開なのですが、その別れのシーンはもちろん、日常的な「日本との生活との違い」をも映し出しているのです

これは、戦国時代の合戦や日常生活の様子をリアルに描いていた『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 』をほうふつとさせます。
本作の舞台はベルナルという実在の街をモデルとしていますし、作中で看板に書かれれているのはスペイン語、マリアッチがいて、祭りではメキシコのプロレスであるルチャリブレが行われ、田舎町とはいえスーパーマーケットやスマートフォンだって登場します。
これから観る人は、ぜひ冒頭の日常(ひろしが会社に向かったり、みさえがしんのすけを幼稚園に送ろうとしている)と、メキシコとの生活にぜひ注目してみてください。


また、メジャーな映画作品のパロディもあります
子どもにはまずわかりませんが知ったこっちゃないです(ゲス顔で)、こういう「大人だけ笑えるネタ」は大・歓・迎です。

『クレしん』ファンに向けた描写が多いことに感動しました。
それは、いままで劇場版に出ていなかった「あのキャラ」の登場や、過去の映画シリーズのオマージュと言えるシーン。これもまた大人の『クレしん』ファンを狙い撃ちしています。

そして、本作は2014年11月に亡くなった、園長先生役の納谷六朗さんの最後の出演作でもあります。
園長先生の登場シーンでは、『ワイルド・スピード SKY MISSION』でポール・ウォーカーの死を悼んだときと同じ気持ちになり、涙腺がゆるんでしました。

何より、伏線の張りかたがめっちゃうまい作品でもあります。
わかりやすすぎることなく、終盤にその伏線を一気に回収する過程には『ヒックとドラゴン』にも似たカタルシスがありました。

ゆずによる主題歌もよかった!

ゆず
1000円
powered by yasuikamo



ゆずらしいキャッチ―なメロディの中にラテンっぽさがあり、歌詞は(風間君の心情を歌っているかのようで)作品にぴったり。これは前山田健一(ヒャダイン)が編曲を手掛けたおかげでもあるのでしょう。

人間ドラマとしてもよくできていて、独善的だったり、弱弱しくて頼りないというステレオタイプ的なキャラの「背景」が見えるのもうまい。
悪人を悪人だけで終わらせない、人間を人間として真摯に描いている点だけでも本作が大好きになってしまいます。


難点は後半のテンポがちょっと重め(上映時間も1時間44分と『クレしん』映画にしてはやや長め)だったここと、子どもには怖すぎることでしょうか。
見知った街がモンスターに浸食されていくこと、周りの人間がつぎつぎと食べられて消えていくというのは、どれだけコミカルに描かれようが、その「事実」は大変恐ろしいものです。
自分の観た回では幼稚園くらいの子が泣き出してしまいましたし、いくら血が出るとか残酷描写がないとはいえ、就学前の小さな子にはおすすめしたくはない印象でした(主人公は5歳児なのに……)
※以下の予告(の衝撃のラスト)もめっちゃ怖いよね。



とはいえ、『伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ!』ほど露骨なホラーになってもいないので、小学校低学年以上くらいであれば問題はないでしょう。


個人的には、シリーズの中では『オトナ帝国』や『戦国大合戦』に匹敵する勢いで気に入った作品です。
ただし、感動のベクトルはそれらの作品とはちょっと違うのでご注意を。
本作は、たびたび繰り返される「ひとりで勝手に考えるな!」というメッセージこそがキモであり、そこをぼんやり考えているだけでは、ストレートに感動できる作品なのではないですから。
ぜひ、キャラクターの考えていること、その背景を想像しながら観ることをおすすめします。

また、エンドロール後には大変重要なワンシーンがあります。席を立たず、最後まで観ましょう。

モンスターパニック映画が大好きという大人にこそ、超・おすすめです!

↓以下、結末も含めてネタバレです。観賞後にご覧ください。

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-05-01 : 映画感想 : コメント : 10 : トラックバック : 0
Pagetop




ホーム

最新の記事

最近のおすすめ映画

sully ポスター
イーストウッド、真骨頂
こえのかたちぽすたー
生きてくれて、ありがとう
怒り映画ポスター
信じていいのか

広告(同じウィンドウで開きます)


Twitter...

反響のあったorおすすめ記事

<初めて来られた方へ(ブログの説明)>
<著者プロフィール>
こちらでも記事を執筆中↓
<ヒナタカ | シネマズ by 松竹>

ご連絡の際は、以下のメールアドレスまでお願いします(☆を@に変えてください)
hinataku64_ibook☆icloud.com

2015年ベスト映画20
2015年ワースト映画10

2014年映画ベスト20
2014年映画ワースト10

2013年映画ベスト20
2013年映画ワースト10

2012年 映画ベスト20
2012年 映画ワースト10

2011年 映画ベスト20
2011年 映画ワースト10

映画パロディAVタイトルベスト10
映画邦題ベスト10&ワースト10
Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編

<2016年下半期>
『聲(こえ)の形』
『スーサイド・スクワッド』
『キング・オブ・エジプト』(吹き替え版)
『君の名は。』
『ゴーストバスターズ(2016)』
『シン・ゴジラ』
『ファインディング・ドリー』

<2016年上半期>
『葛城事件』
『TOO YOUNG TO DIE!』
『貞子 vs 伽椰子』
『ヒメアノ~ル』
『デッドプール』
『アイアムアヒーロー』
『ズートピア』
『クレしん ユメミーワールド』
『バットマン vs スーパーマン』
『ドラえもん 新・日本誕生』
『X-ミッション』
『オデッセイ』

<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』
『アメリカン・スナイパー』

<2014年下半期>
『ベイマックス』
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『MONSTERZ』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

検索フォーム

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2015年05月 | 06月
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。