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ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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愛の大きさ 映画『ラブ&ピース』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はラブ&ピースです。
※(7/1ネタバレ部分を追記しました)

個人的お気に入り度:8/10

一言感想:子どもに観せたい(本気)園子温映画


あらすじ


ロックミュージシャンになる夢を諦めたサラリーマンの鈴木良一(長谷川博己)は、職場の同僚・寺島裕子(麻生久美子)に恋をしているが、なかなか話しかけることできないでいた。
ある日、彼はミドリガメの「ピカドン」と運命的な出会いを果たすが、同僚に嘲笑されたたため。勢い余ってピカドンをトイレに流してしまう。
ピカドンは下水道を通って、謎の老人(西田敏行)のもとにたどり着くのだが…。




ゲロゲログロンチョ(←失礼な表現)な映画を得意とする、園子温監督最新作です。

しかし、本作『ラブ&ピース』では血が1滴も出ないですし人も死にません
しかも、エロがないどころか、セックスもキスシーンすらありません(ラブストーリーなのに!)
(これまでにも園監督は『気球クラブ、その後』でまっとうな青春映画を、『ちゃんと伝える』で父の死を目前に控えた青年のヒューマンドラマを手がけているので、決してエロなし&グロなしの作風が珍しいわけではありません)

だけど、さすがは園子温監督。グロがなかろーが、エロがなかろーが、すぐに「あ、これ園監督の映画だわ」と思える作品に仕上がっていました。
具体的には以下のような要素です。

(1)登場人物がギャーギャーうるさい
ヒミズ』や『地獄でなぜ悪い』で登場人物がわめき散らすことには賛否両論を呼びましたが、本作も登場人物が「ホァァァァー!」「ヒエエエエー!」とキチッている叫びかたをするので非常にうるさいです。
さすが園監督、エロなしグロなしであろうといえども、確実に観客をふるいにかけています

(2)リアリティなどシカト
本作に「本当にありそうな」要素などは期待してはいけません。むしろありえねー展開しかありません
同時期公開の『極道大戦争』並の超展開(←公式でもアピールしている単語)が続くので、ふつうの映画だと思っていると面食らうこと必至です。
そういえば、『予告犯』のブラック企業の描きかたが極端すぎて嫌われていましたが、こっちの職場の人間関係はもっと極端でありえねーです。人によってはドン引き必至でしょう。

ほかにも、おなじみのドンドコドコドコ鳴るドラムのBGM、初めに現れる「SONO SION'S FILM」の文字もしっかり存在。
そんな極端な作風でも、なんとなく受け入れられてしまうのが、園子温監督。
監督のファンを自称するのであれば、すんなり映画の世界に入っていけるでしょう(たぶん)。


すさまじいのは本作のジャンル、と言うかごった煮具合。
かいつまんで言えば、ラブストーリー×『トイストーリー』×怪獣映画って感じです。

なんでトイストーリーやねん、なんで怪獣映画やねんと思った方は、ぜひ観に行きましょう。マジですから

本作を子どもに観せたいと思う理由は、トイストーリーのように「大切なもの」をもっと大切にしたいと思える物語になっているからです。
しかも、園監督自身も「子どもに観てもらいたい」という理由から、非・人間のかわいいキャラを映画に登場させているのです。

若き特撮監督・田口清隆さんが本作に参加しているので、怪獣映画を期待している方にとっても、きっと満足できるでしょう。


あとね、本作の予告は「泣ける」ことが強調されていると思うのですが、個人的には終盤にかけてポカーンな感じになる作品だと思います。

泣ける<予告編の最後で泣いている女性

おどろき<真実はこっち

いや、映画の感じかたは人それぞれですし、最後に泣けるのもわかるのですが、それよりも呆気にとられる比重が高いというか……。
ラストの展開は、「なぜそうなるのか」が、すぐにはピンとこないと思うのです。

しかし、ラストの展開に「愛」という言葉を重ねれば、きっとそのメッセージは伝わるはず。
自分にとって、この『ラブ&ピース』は観ている間よりも、後でラストシーンの意味を考えてこそ感動できる作品でした。

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※園監督の詩&挿絵が入った小説(?)

本作の難点は、園監督のシーンひとつひとつの思い入れがあまりにも強いためか、少々テンポが悪く感じられること。
ふたつの物語を軸にして展開していくのもあいまって、もどかしさを覚える人も少なくないでしょう。
冷たい熱帯魚』や『地獄でなぜ悪い』のスピード感やカタルシスを期待すると、本作は肩すかしなのかもしれません。

個人的にちょっと残念だったのは、麻生久美子演じるヒロインの魅力が伝わりにくいこと。
ラストを考えればそれも意味のあることなのかもしれませんが、やはり映画としてはここに弱さを感じます。


だけど、自分はこの映画が大好きです。
園監督は、単純に美男美女が恋に落ちるような恋愛映画でなく、「愛」というものの本質を捉えて映画を作っているような気がします。
(それがいちばん現れていたのが、ヒロインに尽くしまくる主人公を描いた『愛のむきだし』でした)

描かれているのは、愛についての寓話です。
愛とはなんぞや、どうやって手に入れるものなのか、あるいはどうして人は愛をなくしてしまうのかー
そういうことを、ファンタジーがかったストーリーで、叙述的に教えてくれるのです。


これはオススメです。
長谷川博己の怪演に期待している人も、ダメ人間応援ムービーを観たい人にとっても、きっと満足できる作品になるはずです。

本作の最大の欠点は、子どもにオススメしたいのに、園監督らしい極端さが観る人を選びまくることですね。
だけど、園監督はハマる人にとっては最高の映画人として崇められるお方のひとり。
園監督のファンだというお父さんお母さんがたは、本作をお子さんに観せて洗脳情操教育をしてみてほしいです(だけど子どもに『冷たい熱帯魚』を観せるのはダメ、絶対!)

PS.
映画を観る前に、ひとつ知っておくといいのが須彌山(しゅみせん)説です。
これは仏教の宇宙観で、古代インドの人々は、巨大な3匹の象が地球を支え、それを巨大なカメが支え、世界のすべてを支えていると考えていました。
本作のキービジュアルにある(本編でも言及されている)のは、まさにこれなのです。

世界のカメ<世界を支えるカメ

PPS.
タイトルの「ピース」とはふつうに考えればpeace(平和)のことですが、じつはpiece(かけら、断片)も意味しているのではないかと思いました。
主人公に欠けていた「piece」とは何だったのか? それを考えてみるのも、また一興です。

↓以下は全力ネタバレレッツゴーなので鑑賞後に読みましょう。

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2015-06-26 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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人類には早すぎる映画『極道大戦争』ネタバレなし感想+(中盤まで)ネタバレレビュー

今日の映画感想は極道大戦争です。


個人的お気に入り度:8/10(一般の方にとっては0点)

一言感想:原点回帰しすぎ


あらすじ


無理。いろいろと無理(言語化が)。




藁の楯』『神さまの言うとおり』の三池崇史監督最新作です。

えーと、初めに言っておきます。この映画、一般の方には全力でおすすめしません!
こんな映画がシネコンでかかっているというのは奇跡というか、狂っているというか、もう何がなんだか・・・。

何がすごいって、基本的にお話のほうが意味不明で破綻しているんです。
本作の設定はカタギ(一般人)が噛まれたらヤクザバンパイアになるというすでにどうかしているものなのですが、一応初めのほうはバンパイアになった主人公が己の生きる道を探していくというまとも(?)なプロットがあります。
しかし、後半に連れて伏線やらメッセージ性やらがどこかへ全部吹き飛んでいくというすさまじさ。とても正気とは思えません。

さらにはPG12指定ギリギリのエロ(女性が性的に虐げられる描写)あり。
笑いを通り越してドン引きするギャグもたっぷり。
しかも、三池監督のホラー演出が炸裂して、序盤にやけにテンポが悪いところがあります(役者の演技のおかげで楽しめますが)。
三池監督のこのクセを知らないでいると、かなりびっくりするでしょう(だいたい悪い意味で)。

しかし、三池監督にとっては(キャッチコピーで謳われているように)確かに原点回帰なんです。
いまでこそメジャーな映画も撮りまくっている、一般人にもよく知られている監督なのですが、そのキャリアでは『極道戦国志 不動』『FULL METAL 極道』『極道恐怖大劇場 牛頭(GOZU)』という気が狂った作品も手がけています。

谷原章介
4104円
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うじきつよし
5184円
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曽根英樹
2027円
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『極道戦国志 不動』は若き日の谷原章介がイケメンが台無しすぎる演技を見せたり、2m近い転校生が現れたり、近所の子どもの趣味が「生首サッカー」だったり、始終キムチを食べ続ける変態がいる、あたまのおかしい映画です(←ネタバレ、エロ注意)。

『FULL METAL 極道』はうじきつよしが怪しげなプラグを脳に挿入され、桁外れのパワーを手に入れて、兄貴殺しの復讐劇を開始し生首が夜のネオン街を舞い、ヤクザ事務所にナイスゴールする、あたまのおかしい映画です。(←ネタバレ注意)

『極道恐怖大劇場 牛頭GOZU』は姉が乳をピューピュー出したり、弟を乗馬鞭でバシバシしたり、乳を瓶詰めにして売ってたり、弟がチューチュー寝乳したりする、あたまのおかしい映画です

で、『極道大戦争』もこれらのキチ◯イ映画のように「極道」というタイトルがついているわけですよ。そういうことです
まあ本作はPG12指定どまりなのでこれらの変態度に比べたらまだマシですが、じゅうぶんおかしいからね。

さらに、「極道」という名前がついていなくても、三池監督はあたまのおかしい一家の顛末を描く『ビジターQ』や岡田以蔵が時空を超えて有名キャストをぶっ殺しまくるだけの『IZO』というキ◯ガイ映画を撮っています。

おわかりいただけただろうか
忍たま乱太郎』『風に立つライオン』は三池監督の本来の姿じゃないんですよ。こっちなんですよ。
そんなキチガ◯方面の三池作品が大好きな変態映画ファンにとって、『極道大戦争』はきっとごほうびみたいな映画になるでしょう。

ていうかね、本作は伝説的映画にして大傑作『DEAD OR ALIVE 犯罪者』のラストのような展開がぶっ続く映画なんですよ

哀川翔.竹内力.石橋蓮司.杉田かおる.小沢仁志
3030円
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本作を知らない方に説明すると、観た人すべてが「ラストが、ラストが・・・」「ラストはなんじゃありゃ」「ラストで意識が飛びそうになった」とラストのすさまじさを語る一方で、その内容は決して口にすることがないというとんでもない映画です。
2時間観続けてた結果がラストのアレ・・・。もう、映画好きなら一度は観て欲しいです。


まとめると、『極道大戦争』はそんな三池監督の作風が大好きな人にとっては大興奮できるごほうび映画、一般の方にとってはまごうことなきク◯映画、ということです。
試写会では最終的に40~50人は途中で帰った(!)という有様だったらしいです。
本作が、いかにオススメできない代物か、おわかりいただけだろうか(わかってほしい)。

個人的に絶望したのは、松本人志監督の『R100』における「いま揺れている?」のセリフと同じような意味のない伏線があったこと。
いや、さすがに『R100』よりは意味はあったけど、これは三池監督の完全な自己満足作品なので、『R100』のク◯っぷりと大して変わらないよね。

市原隼人が主演のため、本作を観た女性や子どももたくさんいると思うのですが、おそらく鑑賞後は般若のようなツラになったのではないでしょうか。三池監督、罪作りすぎです。


なんでこんな映画を作ったんだ?と思われるかもしれませんが、それは三池監督のメッセージにより氷解します。

「映画は知らないから観に行くものだったのに、いつのまにか安心できて裏切られないものを観に行くものになっていると思うんです。そこで、『極道大戦争』を観て『えっ、なんだこれ!』『こんな映画作って怒られないんだ!』って思ってもらえると、この映画も役に立ったと言えるかな(笑)」

そうなんです。三池監督はかつての情報のない時代にあった、とんでもない映画にぶち当たる体験をしてほしかったんです
たとえば地上波でとんでもないグロい映画を観たり、なんの前情報もなく観た映画がとんでもなくエロかったり・・・
そんな古き良き(?)映画文化を、現代によみがえらせてくれたのが『極道大戦争』なんです。
『アナ雪』ってすごくヒットしているよね!これだったら久しぶりに映画館行こうかな〜と思っている一般の方にはわからない価値観でしょう。

それが三池監督のロックンロール。
やっぱり自分が楽しんでいるだけの松本人志とは違うな。一生ついていきます。大好きです。結婚してください。


一般の方に唯一おすすめできる要素は、豪華キャストによる演技、そして迫力のアクション描写ですね。

市原隼人はこんなク◯映画のために肉体改造までして愚直な若きヤクザを好演、
リリー・フランキーやピエール瀧は『凶悪』のときと変わらず悪そうだし(ただし出番は少ない)、
さらにはTOKYO TRIBE』で小学生男子にしか見えない容姿&すごすぎるアクションで度肝を抜いた坂口茉琴が、今回はガチの男の子役で出演しています

おっさんではありません※おっさんではなく18歳の少女です。

『TOKYO TRIBE』もすさまじい勢いで万人向けでない作品だったので、こっちが気に入れば『極道大戦争』もイケるのかもしれません。

ザ・レイド』のヤヤン・ルヒアンが相変わらずの速すぎる体術を披露してくれるのも素晴らしかった!
あまりに話がアレだったとしても、ここだけで満足する人もいるのではないでしょうか。ていうか初登場時の出で立ちがおかしいんですけど。

あと高島礼子がすげー格好いいアネゴを演じているなーっと思ったら、よく見ると役名が男性名で、一人称が「オレ」で、しかも「若頭」という設定です。この映画では彼女は男なんです
いやいや、どう見ても女性でしょうが、どういうことだよとツッコミを入れるでしょうが、恐ろしいことに本作ではそのソリューションがなにひとつ用意されていません。
しかも、「高島礼子が男役に挑戦した」という記事が提供社の都合により削除(!)されています
怖い・・・怖いよ・・・どういうことだよ・・・マジで意味でわからないので、誰か助けてください。


ともかく、近年まれに見る珍作であり、◯チガイであり、人類には早すぎる映画です。
しつこいようですが、本気でおすすめしません。
こんなの、デートで観たら即別れを切り出される、家族で観たら一家離散レベルです(それは言い過ぎ)。
三池監督のあたまのおかしい映画に取り憑かれた、超コアな映画ファンだけが観にいきましょう。

それにしても、三池監督だけでなく脚本を書いた山口義高さんもどうかしていますね(褒め言葉)。
おかしい人たちによる、おかしい人たちのための、おかしい映画。それを期待する人は玉砕覚悟でぜひ劇場へ。

以下、中盤まで少しネタバレしてみます↓だけど終盤の展開については書きません。本作のキチガ◯度を知りたい方はどうぞ。

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2015-06-24 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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最強すぎるジャパニーズ忍者映画『虎影』ネタバレなし感想+本作のテーマ

今日の映画感想は虎影です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:アホやん・・・忍者アホやん・・・


あらすじ


かつて最強の忍者と称された虎影(斎藤工)は抜け忍となり、家族と穏やかな生活をしていた。
しかし、虎影は忍者の首領(しいなえいひ)に、幼い息子と引き換えに、宝の場所を記した巻物を奪ってくるよう命じられる。
虎影は巻物を盗み出すことに成功するも、今度は妻(芳賀優里亜)を人質に取られてしまう。どうする虎影!?




えーとまず、本作の海外版メインビジュアルをごらんください。

忍者ウォーリアー<英題:『THE NINJA WAR OF TORAKAGE』

うおおおおおお超かっけええええええ!
こりゃ最高でクールな忍者映画が観られると思いますよね?

さらに予告編をごらんください。



ほほう、荒唐無稽ながらも真面目な忍者映画かなと思いますよね?
スーハースー(発声練習)、ぜんっぜん違うからな!(ただし嘘は言っていない)

端的に言いますと、本作は井口昇監督の『片腕マシンガール』とか、『ロボゲイシャ』とか、『デッド寿司』とか、『電人ザボーガー』(傑作)と同じノリです。つまり、ふざけまくっているのです。

     

一応、本作『虎影』はG(全年齢)指定なのですが、それなりに残酷描写があるわ、グロい敵キャラが出てくるわ、SMチックな描写があったりします。あたまおかしいわこの監督(褒め言葉)

なんだよもう・・・今年は『ジュピター』や『ザ・レジェンド』もいい意味で期待を裏切ってくれましたが、ここまでメインビジュアル&予告と本編のギャップがある映画は近年まれですよ、本当。
例えるなら、高級フランス料理を食べに行ったら、なぜかそのへんのおばちゃんが作ったチャーハンが出てきて食べてみたらめちゃくちゃおいしかったというか、そんな感じ。自分でも何言っているのかよくわからなくなってきた(困惑)。


だってさ、この映画は特定のファンに最大限のごほうびをくれる作品なんですよ。

(1)忍者ファン
忍者好きだったら、白土三平による漫画『サスケ』や『カムイ伝』にワクワクしましたよね。
本作では『サスケ』にあったような、「忍術を解説する」シーンが出てくるんです
もしくは『ヤッターマン』の「説明しよう!」のノリにそっくりです。この解説があったとき自分は泣き笑いしたんですけど(泣くよね)?

(2)B級映画ファン
この映画、あらゆるところに低予算のかほりがぷんぷんします
もうスピード感のあるシーンは「背景は合成です!それで何が悪い!」と開き直っているし、登場人物の顔をアップにしてセットをなるべく見せないようにするなど、涙ぐましい努力が観られます。
おそらく制作費は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(推定100億円)の5000分の1くらいなんじゃないでしょうか。
だけど、その低予算で「最大限観客を楽しませてやろう!」という気概に溢れまくっています。

例えるなら、この作品はロボットアニメが大好きな人にとっての『パシフィック・リム』と同じなんですよ!

忍者大好きすぎて泣く。
くだらなすぎて笑う。
しかもアホアホアクションてんこもりで退屈に思うシーンはひとつもない。
そんな最高な映画ですよ!

待った・・・こういう映画を待っていましたよ・・・。
近年の忍者映画と言えば『RED SHADOW 赤影』『梟の城』『カムイ外伝』と見事なまでの死屍累々ばかりでした(『NIN × NIN 忍者ハットリくん』はそんなに悪くはないそうです)。
本作は忍者がいかに素晴らしいか、その魅力を今一度伝えてくれるのです。

忍者って闇夜に紛れるスパイなんだぜ!手裏剣とか超クールだろうが!昭和の子どもはみんな憧れたでしょうが!
まあ本作の忍者は、忍者を逸脱しまくっているバカ忍法(?)ばっかり使うのですが、全部許す。おもしろいから。


主演の斎藤工の魅力にも触れないわけにはいけません。
すげーセクシーで格好いい俳優ですが、今回では意外と弱くて、ちょっとかっこ悪いんですよ。

なぜなら主人公・虎影は忍者を一度辞めて、父親になっているから。
家族をいちばん大事にしていることが、忍者としての彼の弱さになっている。この人間臭さ、ドラマも見どころになっています。

まあそんな真面目な要素はおふざけによって大体台無しになっているんですが、全部許す。おもしろいから。
あと、鳥居みゆきの下っ端くノ一もハマりまくっているのが素晴らしいですね。

低予算とは言いましたが、チャンバラシーンは文句無しにしっかりしています。
オープニングのかっこうよさからもう興奮はノンストップ。斎藤工の肉体美にはぁはぁしたい人もとっと観に行きましょう。


なお、本作は横山光輝原作の『仮面の忍者 赤影』のオマージュが満載だそうです。

古川登志夫
16053円
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自分は残念ながら未読なのでさっぱりわからなかったのですが、おそらく昭和にこのアニメ(漫画)を楽しんだ人にとっても感涙モノなのでしょうね。


さて、本作の欠点はいままでも言ってきたように基本的にふざけていること。
たまにやりすぎて引く、スベる、リアルな忍者を求めている人にとってはいろいろと最低です(笑)。

でも、それも含めて楽しんでしまうべきでしょう!
だいたい西村喜廣監督は井口昇監督と大の仲良しで、このふざけた作風も監督のファンであれば全部わかっていたことなのです。ていうかおもしろいから全部許せるのです(3回目)。

さっきも書いたように微妙に残酷なシーンもあるのですが、本作はぜひ子どもに観てもらいたい映画だと思いました。
残酷度は『西遊記~はじまりのはじまり~』と同じくらいかちょっと弱いレベルなので、観せてもおそらく問題はないと思います(あんまり小さい子にはだめだと思うけど)。
何より、いまの平成の子どもって忍者をあんまり知らないと思うから
もしくは『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(忍ばない)を知ってても、本物の忍者を知らないと思うから。
まあ『虎影』の忍者も思い切り間違っているんですが、子どもがワクワクできたらそれでいいんです。

大人の人にとっても、最高の娯楽アクション映画としておすすめします。
また、現在大ヒットしている『ニンジャスレイヤー』が好きな人にもおすすめしたいですね。

  


※アニメ版の1話は無料で観られます。

まあこの『ニンジャスレイヤー』はツッコミどころ満載というかツッコミどころのみで構成されている内容で、「海外から観た間違ったNINJAを近未来に登場させる」「NINJAを殺すNINJA SLAYERが主人公」「日本語の使いかたがわりとおかしい」など、どうかしている(褒め言葉)です。
『虎影』とおふざけのベクトルは若干違いますが、どちらの作品も「おもしろければそれでいい」なメチャクチャさでした。


とにかく、これはおすすめです。
ていうか、ぜひヒットしてもらって続編が観たいんです。
おそらく、本作を観た人の99%が続編を熱望するのではないでしょうか(理由は観ればわかる)。

好き嫌いが分かれまくる井口監督作品に比べるとアクは少ないですし、何よりエンターテインメントに徹しているので万人向けです。
ジャパニーズニンジャの魅力(+明らかな間違い)を期待する人は数少ない(泣)上映館を調べてとっとと観に行きましょう。超×100おすすめです!

↓以下は作中に出てくる間違った忍法と、根底にあるテーマを紹介。
これを読むと興味が出てくるかもしれないけど、ちょっとだけネタバレしていますので、予備知識なく観たい方はおひかえください。

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2015-06-21 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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犠牲を越えて 映画『ハンガー・ゲーム3 FINAL: レジスタンス』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス(原題:The Hunger Games: Mockingjay – Part 1)です(遅れてすみません)。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ゲーム、していません。


あらすじ


ハンガー・ゲームに生き残ったカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、第13地区の地下にあるコイン首相(ジュリアン・ムーア)率いる反乱軍の秘密基地にいた。
そこでは独裁国家パネムに反旗をひるがえす準備が進行していたが、カットニスが気にしているのは、敵であるスノー大統領(ドナルド・サザーランド)のところにいるピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)のことばかりだった・・・




全米では大ヒット、日本では第1作目が大不評のためにあんまり注目されていない『ハンガー・ゲーム』シリーズの3作目です。

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シリーズの感想↓
<ルールが微妙な殺し合い「ハンガーゲーム」>
<反乱のきざし「ハンガー・ゲーム2」>

とりあえず、本作の邦題に言わせて。紛らわしいわ!
「FINAL」って言っているのに、じつは最終作ではないのです。

原題と邦題を並べてみるとこんな感じです。

1作目:The Hunger Games/ハンガー・ゲーム
2作目:The Hunger Games: Catching Fire/ハンガー・ゲーム2
3作目:The Hunger Games: Mockingjay – Part 1/ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス
4作目:The Hunger Games: Mockingjay – Part 2/ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション

なんでしょうか、この「終わると思っていたけどもう1作あった」感は。
おそらく本作を最終作だと思って観て、途中で終わって驚いた人も少なくないのではないでしょう。

ちなみに原題の「Mockingjay」とは「mockingbird(マネシツグミ)」と「jay(カケス)」をかけあわせた造語であり、架空の鳥のこと。「マネシカケス」と訳されているのはそのまんまですね。
マネシカケスの意味についてはこちらが詳しいので、読んでみることをおすすめします↓
<「ハンガーゲーム」 原作では、シンボル・アイテムのマネシカケスのブローチはどのような設定だったのか?>


タイトルのことを置いといて本題。
本作ではびっくりしたというか、ある意味で当然というか、一切『バトル・ロワイヤル』的な殺人ゲームをしていない内容になっています

あるのは、独裁国家へ対する攻撃までの「準備」です。

その準備において
ただ旗をあげて宣戦布告するだけでは勝てない、
大衆を味方につける必要がある(そのためにはどうすればいいか)、
人質になっているピータの安否が気がかり(どうやって助けるのか)、
具体的な方法は?
などなど、主人公のカットニスをはじめとした登場人物には、さまざまな思惑が交錯しています。

本作でおもしろいのは、ディストピアにおいて「反逆」をするまでの人間ドラマ。
単純な殺し合いのゲームからは1歩離れて、ここを濃く描いているのです。


本作の欠点は、単純に映画としての見せ場が少ないこと。
一応アクション映画とは名乗っているのですが、本作ではてんでアクションシーンがありません(片手で数えられるくらい)。
あくまで最終作の「レボリューション」へつなげるブリッジにすぎない、会話劇だけで終わってしまったと、不満に思う人も少なくないでしょう。

もうひとつ気になったのは、主人公のカットニスが「一般人の死」を考えているシーンが少ないこと。
一応廃墟にいた人々に対してはそのことを言及しているのですが、それ以外では、彼女は一般人より人質になっているピータのことばかり考えています。
彼女はどうにも悲観的すぎて、指導者としての説得力に欠けているようにも思えます。
このことは重要な意味を持っているので批判するのもナンセンスなのですが、やはり観ていてあまりいい気分にはなれませんでした。

※以下の意見をいただきました。
個人的に、最近現実空想問わず「世のため人のため」という大義名分の元に大迷惑を仕出かす人を見たせいか、二作目から彼女の「貧乏でも家族と平和に生きたいだけなの!」という英雄になってしまった者の悲哀が本作の見所だと思っています。



そんな欠点があっても、個人的には本作がシリーズ随一に気に入りました。

登場人物の行動は、どこか現代社会を皮肉っているようにも思えます。
いままでのシリーズも「ゲームを始めるまでのほうがおもしろい(複雑な心理描写がある)」と思っていたので、本作は始終中だるみなく、キャラの心情を読む奥深さを堪能できました。

また、今回はけっこう笑えるシーンが多かったりします。
ギャグの内容はなかなかウィットが効いています。
重く苦しい物語の中で、ほっと一息つける場面が多かったのもうれしかったです。


これまでの3作を観てみると、あれだけ「パクリ」と言われていた『バトル・ロワイアル』とはまったく違う、新たな魅力が生まれている作品だと感じました。
『バトル』はこれから死にゆく少年少女の悲壮さや、悪趣味な殺し合いゲームの過程を楽しむ作品でした(異論はあると思いますが)。
一方、『ハンガー・ゲーム』はディストピアに住む人物たちがもがき、国家へ反旗をひるがえすという物語。意外と「ゲームが主役でない」作品なのではないでしょうか。

ともかく、1作目でガッカリしたものの、2作目で「あれ?悪くないんじゃ?」と思った人なのであれば、ぜひ劇場で観ることをおすすめします。
登場人物はより人間味を増し、ますます魅力的に思えてくるでしょうから。

また、本作はフィリップ・シーモア・ホフマンの遺作です。
誰よりも狙われた男』の熱演も記憶に新しいところですし、最終作にも登場するフィリップの姿を見届けたい方にもおすすめします。

言うまでもなく、前作と前々作の鑑賞は必須です(一応上映前におさらい映像もあります)。
「あと2作くらいつきあってやるか」と思う心の広い人は、ぜひ劇場へ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-06-19 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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大変だけど、生きよう 映画版『海街diary』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は海街diaryです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:4姉妹のいちゃちゃを楽しむ映画でした(最高)


あらすじ


鎌倉で暮らす幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の3姉妹のもとに、15年前に姿を消した父親が亡くなったという知らせが届く。
葬儀が執り行われる山形へと向かった3人は、そこで異母妹のすず(広瀬すず)と出会う。
幸は、彼女に鎌倉で自分たちと一緒に暮らさないかと提案するのだが・・・




是枝裕和監督最新作にして、吉田秋生原作の同名マンガの実写化作品です。

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是枝監督は以前『空気人形』という原作付きの作品を手がけ、監督ならではの感性が発揮されまくった映画に仕上げていました。
本作も同じく……いや、それ以上に原作をリスペクトしつつ、是枝監督節が炸裂しまくった秀作に仕上がっていました。

物語は原作に忠実で、しっかり原作で印象的だったセリフが出てきます。
それでいて、ほんのちょっぴりの行動でその人となりがわかる、脚本家としての是枝さんの手腕がいかんなく発揮されています。

そして、是枝監督の持ち味である、登場人物の会話のリアルさっていったらもう……(ボキャブラリー不足で表現できない)。
リアルというより、日常的すぎて演技をしていないレベルなんですが、これが不思議と心地いいのです。
そのやりとりの多くは原作にない映画オリジナルの描写。これが、まったく違和感なく映画に溶け込んでいます。


ていうかね、主要キャスト4人が最高なんですよ!かわいいんですよ!
ぶっちゃけここが言えたらほかはもうどーでもいいです。

綾瀬はるかは、ちょっと怒りっぽくても妹を大切にしているいい女だよ!
<私がしっかりしなきゃ!

長澤まさみは、一見かわいいのにお酒大好き&ぶっきらぼうなところもかわいいよ!
<ビール最高〜

夏帆は、だいたいダメダメだからでこそ、萌えるポイントがたくさんだよ!
<家でだらだらするっていいよね〜

広瀬すずはね、なんていうか天使?
<お姉ちゃん、どんな人なのかなあ・・・

この4人が「こら、ご飯かきこまないー」と叱ったり、「お姉ちゃんのばか〜」といじけたり、ときには「うふふ、あはは」と笑いあいながら過ごす生活をただただ眺められるんですよ!最高じゃないか!
これは日本のかわいい女優たちが集まった『エクスペンダブルズ』みたいなもんです

なんか世間的には2次元に萌える劇場版『ラブライブ!』が興行収入ランキング1位らしいけど、こっちは3次元に最高に萌えられる映画だからな!
2次元美少女オタクのみなさん、たまには3次元もいいですよ!(大変失礼な提案)


また、本作にはご飯を食べるシーンがそれなりにあるので、問答無用で腹が減ります(笑)。
料理のレシピ本どころか、舞台である鎌倉のガイドブック(超高評価)までもが出版されているので、合わせて読むとより楽しめるのかもしれません。

910円
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海街オクトパス
905円
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ちなみに、原作マンガは各エピソードが独立しているオムニバス作品です。
これをそのまま映画にすると、長編映画としてのダイナミズムに乏しい印象になってしまうかもしれません。

しかし、さすがは是枝さん。そんな作品上の難点を、見事に乗り越えています。

その解決方法のひとつが、「海猫食堂」を登場人物が集まる場所、物語の中心に置いたことです。
原作の海猫食堂はあくまでもエピソードのひとつなのですが、映画では登場人物の「つながり」を見せる場所として存在しています。

さらに、物語には
(1)異母妹のすずが「自分を肯定する」まで
(2)4人の姉妹が、「本当の姉妹になっていく」まで
(3)自分を捨てた「父への思いが変わる」まで
という、しっかりとした軸があります。
単なるイチャイチャや喧嘩にも、その「まで」の過程がたくさん描かれているので、登場人物の「成長」をみる映画としても奥深く仕上がっていました。

また、原作からなのですが悪い人がひとりも出てこないのもいいですね。
悪意をぶつける人がいなくても、人が生きるのはけっこう大変で、だからでこそ人は愛おしい―
そういうことも、作品は教えてくれるような気がします。


難点は、やはりとくに事件が何にも起こらない作品(是枝監督にはいつものこと)なので、人によっては退屈に感じてしまうかもしれないこと。
本当にのんべんだらりと過ごすだけ(笑)ですので、合わない人にはとことん合わないでしょう。

でも、個人的には・・・映画は人の気持ちや、心の動きを描写するだけで、十分すぎるほどスリリングでおもしろい娯楽だと思います。
是枝監督の『歩いても歩いても』は本作以上に何も起こらない映画なのですが、それでも下手なサスペンス映画よりもドキドキできるシーンもあったのですから。


原作への多大なリスペクト、是枝監督ならではの描写満載、4姉妹がかわいいというだけで10点満点で100億点の内容なのですが、さらにラストシーンが素晴らしいものに仕上がっていました。
映画は「画」の美しさで人を魅了する媒体ですが、このラストシーンではとある「視点」での美しさを見せてくれるのです。

できれば、映画の後でもいいので原作も読んでみましょう。(本作と世界観、登場人物が共通している『ラヴァーズ・キス』もあります)
長女の性格がちょっと違っていたり、映画とはまったく違うエピソードの描かれかたがされていたり、きっと新たな発見があるはずです。

悪いことはいいません。
原作ファン、是枝監督ファン、役者のファンは是が非でも観に行くべきです。ていうか行け(命令)。
超おすすめです!


余談:吉田秋生さんといえば、『BANANA FISH』が大傑作なのでこちらもぜひ読んでみてほしいです。

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現在のボーイズラブの原点というべき作品であり、少女マンガと呼んでいいのかわからなくなるハードボイルドな作風にはきっと魅了されるはず。
こちらも実写化・・・は無理だろうなあ(舞台が海外だから)。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-06-16 : 映画感想 : コメント : 13 : トラックバック : 0
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贖罪のために 映画『ザ・レジェンド』ネタバレなし感想+大好きなセリフ

今日の映画感想はザ・レジェンド(原題:Outcast)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:outcast(追放された人)の話じゃん


あらすじ


聖十字軍の屈強な騎士ガレイン(ニコラス・ケイジ)は血を流し続ける闘いの日々に嫌気がさし、弟子のジェイコブ(ヘイデン・クリステンセン)に「東に行く」とだけ告げて去っていった。

その3年後、極東の地・中国では、シン(アンディ・オン)という男が王位継承のために父を暗殺する。
シンの弟の皇子と、その姉(リウ・イーフェイ)は暗殺を罪を被せられたために命を追われる身となる。
偶然にして、酒場にいたジェイコブはふたりの身を救うことになるのだが・・・




※本作は観ている人が少ないと思いますので、核心的なネタバレは書きません。ご了承ください。

まずは、本作のビジュアルからご覧ください。

ザ・レジェンド■ポスター

ふんふん、『300(スリーハンドレッド)』のように血湧き肉躍る、中世を舞台にした無双的なアクション映画かな?と思いますよね。ぜんぜん違うからな!(嘘は言っていません)

えーと、じつは本作は中国×アメリカ×フランスの合作映画となっており、中世・ヨーロッパの十字軍の騎士が「もう戦争なんてやだい!」と言って逃げ出し、成り行きで中国で用心棒をするという話になっています。

逃げすぎ<戦争が嫌だから逃げた距離

いやいや、兵役から逃れるためにはかなり遠くにいかないといけないのはわかるし、十字軍が遠征をしていたのは有名なんだけど、いくらなんでも遠くへ行きすぎだろ! 作中で「(このあたり(12世紀の中国)では西洋人は珍しい」と言ってたけど、そりゃそうだよ!

設定のツッコミどころはそれだけではなく、中国人みんながナチュラルにイングリッシュをおしゃべりになっています
この世界ではみんなバベっていないようです。どこに行っても言葉が通じるって便利だなあ(棒読み)。
ていうかこのビジュアルで中国が舞台であると思う人はいるんでしょうか(いないと思う)。

ザ・レジェンド■サブ1<こういう映画かと思っていたら・・・

ザ・レジェンド■サブ6 ザ・レジェンド■サブ5
ザ・レジェンド■サブ3 ザ・レジェンド■サブ2<こういうチャイニーズな映画でした。

この時点で(いろんな意味で)おもしろいのですが、主人公ふたりがどっちも口では「お前なんかどうでもいいよ」などと言いながら、なんだかんだで「しかたねえなあ」と前言撤回して用心棒をするというプロットがいいですね。
つまりはこれ、ツンデレ用心棒の話なんです(←ひどい紹介)。

あとはニコラス・ケイジが長髪というのも衝撃的ですね。どういう植毛をしたのかがとても気になるところですが、映画本編ではそれどころではない、さらにびっくりする設定が出てきています。そこは見てのお楽しみですね。

ザ・レジェンド■メイン<生え際も気になる。


さんざんイジッた(製作者、配給会社のみなさんごめんなさい)ので、マジメに本題。

本作のテーマとなっているのは、「贖罪」です。
主人公のひとり・ガレインは人を殺さなければいけない戦争を心の底から嫌っており、さらにある事件をきっかけに弟子として育てきたジェイコブに失望をしてしまいます。
ジェイコブもまた、戦争に対して複雑な想いを抱えています。

人を殺したら相応の報いがなければならない、そのための罪滅ぼしをしなければならない―
ふたりが用心棒をしてくれたのも、そうした贖罪がきっかけになっていたのだと思います。

これは、十字軍が宗教戦争をしていたことへの皮肉でもあります。
宗教のための戦争をしたとしても、戦争のために宗教上の罪を犯してしまうというのは、本末転倒であり、あまりにも哀しいこと・・・本作はそのようなことも訴えているのではないでしょうか。
ただ「戦争はダメ」と訴えるのではなく、「宗教に対する矛盾」を突く反戦映画になっているのは、評価すべきところでしょう。
「戦争による後遺症(傷)を描く」という点は『アメリカン・スナイパー』をはじめとしたクリント・イーストウッド作品をほうふつとさせました。

ちなみに、ヘイデン・クリステンセンは『スターウォーズ・エピソードII&III』でアナキン・スカイウォーカー役を演じており、すでにチャンバラの経験があります。そのキレキレのアクションは本作の見どころのひとつです。


映画しては難点も多いです。
登場人物がいろいろな後ろめたい想いを抱えているために作品の雰囲気は暗めで、登場人物の背景の語り口はあまりに不自然(言葉で説明しすぎ)です。
肝心のアクションも「寄り」の画が多く、カット割りが多すぎるために見辛いと感じる人も少なくないでしょう。

個人的に残念だったのは、せっかくR15+指定なのに残酷描写が少ないこと。序盤のバトルでは血の一滴もでてこないレベルでした。
終盤にはショッキングなシーンがあるのでこのレーティングになったこともわかるのですが、年齢制限を設けた以上はしっかり首や腕がもんげーな作品にしてほしかったです(←悪趣味な意見)。

また、邦題にあるようなレジェンド感はまったくありません
主人公ふたりは、戦争から離脱した浮浪者(原題のOutcast)なのですから、むしろ伝説の真逆を突っ走っています。
まあ「アウトキャスト」というまんまのタイトルにするとピンとこないので、しょうがないとも思えるのですけどね。

主人公ふたりの贖罪が描かれる、エモーショナルな作品を期待する人におすすめします。


余談:本作のプロットは、人気マンガ『キングダム』の序盤の展開に似ています。

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追っ手に追われる身としていっしょに行動するうちに、仲間に特別な感情が生まれていくという展開は、やはりアツいものがありました。

余談その2:ニコラス・ケイジ主演作は、今月(6月)にもう1本『レフト・ビハインド』が待っています。

<優秀なパイロットの役です。

こちらはIMDdで3.9点Rotten Tomatoesで2%というのび太のテストの点数並みになっていますので、逆に観たいです。がんばれニコラス!

↓以下はニコラス・ケイジの役+αどころと、大好きなセリフをちょっとだけ紹介。未見でも問題ないレベルだとは思いますが、人によってはじゅうぶんネタバレとも言えるかもしれませんのでご注意を。

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2015-06-14 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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日本俺らだけラジー賞(5年ぶん)を決めよう! 投票ページ

日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)の投票ありがとうございました! 「映画で語ろう会」の投票と合わせた結果も後ほどお知らせします。

さて、ついでと言うか、むしろこっちがメインと言うか、日本俺らだけラジー賞(5年ぶん)の投票も開始します。




※画像はイメージです。

※ご意見を受けて「最低吹き替え賞」を追加しました!
※お詫び:すみません、項目に作品の追加ができないようになっていましたが、修正しました。

※ラジー賞とはゴールデンラズベリー賞の略で、最低な映画を選ぶ賞のことです。
<最低映画を決めるラジー賞受賞作のここがヤバい!>

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2015-06-13 : いろいろコラム : コメント : 9 : トラックバック : 0
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「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」本日12日締め切り、第6回「映画について語ろう会」×シネマレコメンドは明日13日開催です

とりあえず告知!

「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」を決めよう!の企画は本日6月12日をもって締め切りとさせていただきます!
→締め切りました。

そして、自分がいろいろと企画もする第6回「映画について語ろう会」×シネマレコメンドは明日6月13日開催です!

しねま

まだ人数に余裕がある、申し込み受付はまだやっているので、明日土曜日空いているなーと思った方はお気軽にこちらから応募をどうぞ↓
<第6回「映画について語ろう会」×シネマレコメンド | eventon(イベントン)>

なお、急な告知で申し訳ないですが、語ろう会当日では「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」についてグループで投票してもらう時間を設けます。
今回のノミネートからテーブルごとに話し合って賞を選んでもらって、投票結果に上乗せします。
いまのところ『桐島、部活やめるってよ』が各方面で強いですが、まだまだ逆転することがあるかもしれません。

参加されない方も、ぜひ本日12日中に投票をお願いいたします↓
<「日本俺らだけアカデミー賞(3年ぶん)」を決めよう! 投票ページ>


さて、自分はいいかげん映画を紹介する動画を投稿しないと・・・
マグノリア』と『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』について語る予定ですので、お楽しみ(?)に
2015-06-12 : 日記 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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損得を超えた行動 映画版『予告犯』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は予告犯です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:原作のスピリット、そのまま


あらすじ


ある日、新聞紙製のマスクをかぶった男「シンブンシ」による動画が投稿され始める。彼はつぎつぎに「悪」と呼べる者たちに制裁を加えると予告し、それを実行していった。
警視庁サイバー犯罪対策課の女刑事・吉野絵里香(戸田恵梨香)は犯人を捕まえようと奔走するが、やがて政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。




ポテチ』『白ゆき姫殺人事件』の中村義洋最新作であり、同名のマンガ作品(全3巻で完結)を原作としています。

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本作は一見するとサイバーテロリストを追い詰めるサスペンスに思えますが、じつは格差社会やワーキングプアなどの問題がはびこり、インターネットが重要な役割を果たしている現代社会に警鐘を鳴らす作品になっています。

犯人の行動はまさにそれで、犯人の主張は正しいかもしれないと思えること、犯人に感情移入をしてしまいそうになることは、本作のおもしろいところであり、怖いところでもあります。

「犯罪者を擁護したくなる」なんて感情は本来持ってはいけないのかもしれませんが、犯人「シンブンシ」にはそれだけの理由があります。
ゴリゴリのサスペンスを期待している人にとって、これはうれしい不意打ちになるでしょう。


ただ、原作は文句のつけようがないくらいに洗練された作品であったのですが、映画版では欠点と思える点が3つ出てきてしまっています。
それは
(1)警察がいくらなんでも無能すぎる
(2)人物描写が極端すぎる
(3)もうひとりの主人公である女刑事のキャラが違う

ということです。

(1)は原作では無理のない展開で、いくつかは警察がキチンと犯人を追い詰めたり、その「策」を上回る描写がありました。
ところが映画では、警察はほいほいと犯人の策略に乗っかっており、捜査そのものも杜撰なものにしか思えないなものに改変されています
映画としての見栄え(アクションなど)を優先した結果なのでしょうが、自分は原作のような一進一退の攻防がある展開のほうが好きでした。

(2)は映画化に際してアレンジが加えられているところで、犯人の周りにはステレオタイプな「悪」の人間が多くなっています。
これがあまりに「演劇的すぎる」と言いますか、現実では考え難いキャラ付けに思えてあまり好きになれなかったのです。
監督の前作『白ゆき姫殺人事件』でも思ったことなので、こちらがイマイチだった方は今回もだめなのかもしれません。

(3)は個人的にはもっとも残念だったことでした。
映画では、女刑事に(原作にはない)とあるバックボーンが与えられています
それは犯人の真意との「対比」のために必要だったのでしょうが、代わりに原作の女刑事の聡明さ、皮肉的な哲学がなくなってしまっています。
原作での女刑事は「犯人を客観的に見る」「その真意を探ろうとする」「ときには部下に犯人を買いかぶりすぎていると指摘される」人間だったのですが、映画ではかなり「犯人を問答無用で糾弾する」という態度にシフトしています。
さらに、映画の彼女は捜査の杜撰さも手伝って部下に喚き散らしているばかりにしか思えません(有能さがちっとも伝わってこない)。
もうひとりの主人公と言うべき女刑事の魅力がかなりスポイルされてしまっているのは、大きな欠点なのではないでしょうか。

そのほかにも、生田斗真戸田恵梨香というスター俳優が配役されていることも賛否がある点なのかもしれません。
生田斗真は「いままで誰からも愛されていなかった男」には見えないです(ただし演技はものすごく上手い)し、戸田恵梨香は「若くて有能な警部補」としてはミスキャストに思えてしまいます。
役にマッチした俳優ではなく、人をたくさん呼ぶ商業用映画として有名な役を選ばなくてはいけないということは、ある種のジレンマなのかもしれませんね。
そのほかにも有名俳優が勢ぞろいしているのですが、こちらはほぼ文句なしのハマりっぷり&上手さだったのである程度は溜飲を下げることができました。


映画ならではの優れた要素もあります。
それはラストにほんのちょっぴり追加された描写。これは原作とはかなり異なっているうえに、原作の精神をしっかりと受け継いだ展開でした。

そのほかにも、原作のメッセージはほぼそのまま継承されています。
社会的に弱い人が救われてほしい、
誰かが、そういう人の助けになることができる―
犯人は、匿名性が高く、つながりが薄いと言われるインターネットでそれを訴えるのですから、皮肉なものです(そこが重要であったりもします)。

原作が好きだった方はもちろん、未読の方も問題なく楽しめます。
映画よりもはるかに濃い情報が込められている原作の「入門」としても最適でしょう。

少し性的なシーン、エグめの描写もあるので、あんまり小さい子の鑑賞には向かないのでそれだけはご注意を。
格差社会の問題やバカッターがよく取り上げられる現代では、むしろいい「教材」になるかもしれません。

WOWOWで放送されている後日談の連続ドラマも合わせて楽しむのもよいでしょう。おすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-06-09 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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未来への可能性 映画『トゥモローランド』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はトゥモローランドです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:SF愛ありすぎ(そこが最高)


あらすじ


17歳のケイシー(ブリット・ロバートソン)はNASAのロケット工場にたびたび侵入し、解体作業を妨害しようと試みていた。
あるとき、ケイシーは見覚えのないピンバッジに触り、別世界「トゥモローランド」へと入り込んだ。
さらにケイシーの前には謎の少女アテナ(ラフィー・キャシディ)が現れ、彼女は再びトゥモローランドに行きたいのであれば、フランク(ジョージ・クルーニー)という男性を訪ねるよう助言するのだが・・・。




Mr.インクレディブル』『ミッション:インポッシブル/ゴーストプロトコル』のブラッド・バード監督の最新作です。

タイトルのトゥモローランドとは日本における服飾店ではなく、ディズニーランドにおける「未来」をテーマにしたエリアのひとつのことです(パリではディスカバリーランドという名前で引き継がれています)。

また、ウォルト・ディズニーは生前にEPCOT(Experimental Prototype Community of Tomorrow、エプコット)という未来都市の計画を立てていました(エプコットの名前を冠した本国のテーマパークもあります)。

ややこしいですが、本作に登場する「未来都市・トゥモローランド」は、
(1)「ディズニーエリアのトゥモローランド」が現実の姿として現れたかのような世界
(2)「ウォルトディズニーが構想していたエプコット」を思わせるデザインやアイディアが反映されている
ということです。

トゥモローランドとは「理想郷」そのものでもあります。
特筆すべきは、本編に主人公がトゥモローランドを闊歩し、ありとあらゆる「未来の姿」を見せるシーンがあること。
ここは『ゼロ・グラビティ』や『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と同じ「長回し」で撮られており、感動を通り越して陶酔をしてしまうほどに見事な未来の世界がありました。


なお、本作にあるメッセージは名作『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』に似ています
それは、「未来は自分の手で変えていけるんだよ!」というストレートなメッセージです。

いまはもう2015年。
『2001年宇宙の旅』の設定は2001年、鉄腕アトムが生まれたのは2003年……世にあるSF作品が早めの「先読み」をしていたことに比べ、今の世の科学的な進歩は明らかに遅れています。
そこで本作は、「うだうだ文句を言うな!科学が進歩したトゥモローランドは自分で作ることができるんだよ!」というストレートでド正論なことを訴えるのです。
人によっては押し付けがましいと感じるかもしれませんが、自分はこれほどの熱血なメッセージが入っている本作が大好きになりました。

知っておくといいのは、作中に登場する「Plus Ultra(プルス・ウルトラ)」という言葉。
最近ではマンガ『僕のヒーローアカデミア』にもあったので耳にした人も多いでしょうが、要するに「さらなる前進をする」ことをモットーとした言葉です。
本作ではプロモーション用に偉人たちの秘密結社「Plus Ultra」を糾弾する「Stop Plus Ultra」という組織の存在を匂わせており、作中でそれは重要なキーワードとして示されているのです。


さあて、真面目なことを書いてきましたが、ここから本題です。
本作の最大の魅力はラフィー・キャシディちゃん(13歳)がかわいくて強いことです(断言)。
352861.jpg<天使
出展:Raffey Cassidy

なんなの?あれはなんなの?
詳しいことはネタバレになるので↓に書きますが、キック・アス』のヒットガール並みの「うわようじょつよい」を体感できるとは思いもしませんでした。
ラフィーちゃんは作中で跳んだりはねたりのアクションをしているのですが、驚くべきことにそのほとんどは代役なし、CGなしのマジモンです。
強い幼女に守られたい変態紳士淑女の方々はぜったいに観に行きましょう。

ファミリー向けのファンタジーかと思いきや、アクション描写が満載、そのアイディアも抜群というもうれしい不意打ちでした。


本作は、はっきり言って映画としてはわりとどうかと思う展開が続きます
ツッコミどころ満載、論理的に考えて変すぎる超展開が続き、ミステリーとしても時間配分を誤っているとしか思えない(追いかけっこパートが多い)などなど……かなりのトンデモ映画に仕上がっていました。
「主人公の女の子がよくわかんないうちに陰謀に巻き込まれて逃げまくる」という展開は珍作『ジュピター』に似ていたりもします。

でもそんな欠点は、「俺たちが理想を詰め込みまくりました」という製作者のSF愛によってどうでもよくなります
この映画を構成しているのは「SF大好き!」「未来都市大好き!」「ディズニーランド大好き!」「幼女大好き!」という愛のみです。こんな映画、好きになるしかないではないですか。

なお本作のプロットはなかなか独創的なのですが、その背景にはいろいろなSF作品のオマージュが見えまくります。
これもパクリなんかじゃなく、SF作品への愛ばかりが見えまくるので、なんともうれしくなりました。


また、本作と前後して、同じくディズニーランドを扱いながらも映画ファンから嫌われまくりの問題作『エスケイプ・フロム・トゥモロー』を観ておくとより楽しいかもしれません。

ロイ・アブラムソン
2700円
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『トゥモローランド』が明日への希望を高らかに謳っているのに対し、『エスケイプ~』には絶望しかない感じですからね。どちらも別ベクトルのおもしろさがあります。

多くは語りません。
つぎつぎに現れるSF的ガジェットにワクワクし、超展開にゲラゲラ笑う、そういう映画です
あんまり小さい子には話が複雑なのでおすすめしませんが、これから何か夢を叶えようとしている少年少女、夢を忘れかけている大人たちには大プッシュでおすすめです!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-06-08 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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2015年6月の気になる映画一覧(マイナー推し)

2015年6月の気になる映画一覧です。いつもよりも多いよ!
6月って祝日がないから憂鬱になるよね……(のび太的な考えかた)

※気になる映画に6月12日公開の『ザ・レジェンド』を追加しました。

こちらも参考にしましょう↓
2015年6月公開で観たいと思っている映画の覚え書き|三角絞めでつかまえて
2015年6月に観たい注目映画/5月鑑賞記録 | Tunagu.

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2015-06-04 : 月ごとの気になる映画 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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老人脅迫ロードムービー 映画『0.5ミリ』ネタバレなし感想+豪華じじい紹介

キネカ大森の2本立て企画で鑑賞した、現在レンタル中の映画0.5ミリの感想です。

安藤サクラ
4656円
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個人的お気に入り度:8/10

一言感想:ぜんぜんハートフルじゃなかった


あらすじ


介護ヘルパーの山岸サワ(安藤サクラ)は、ある日派遣先で「おじいちゃんといっしょに寝てほしい」と依頼される。
サワは添い寝するだけとの条件で引き受けるが、その日のうちに大事件に巻き込まれてしまい、職場も、住まい、もわずかな貯金でさえも失ってしまう。




いやね、この映画は安藤桃子監督自身の介護経験をもとにした作品ということで、主人公が介護を通じて成長したり人の温かみを知ったりするハートフルな作品なんだろうな~と勝手に想像していたらこんちくしょう、いい意味で死ぬほど裏切られました

端的に内容を語りますと、監督の実の妹である安藤サクラが老人たちをつぎつぎと脅迫して回るという作品と考えて問題ございません。

なぜ脅迫するかといえば、家も貯金もないプータローで、頼れる家族もいないから。
なぜ脅迫ができるかと言えば、このじじいたちはふつうに犯罪行為をしまくっているから(なんて映画だ)。
住む場所を手にいれるため(それだけではない?)のために、つぎつぎと老人の弱みを握っていく様はかなり痛快(?)なのでした。

もちろん介護に関する現状を描く真面目な要素だってあるのですが、それはあくまでも「題材」というだけで、メインに描かれるのはファンタジー気味な話(寓話)です。
いい意味で「ありえねー」展開を楽しめました。

さて、本作で特徴的なのはもうひとつ。上映時間が3時間19分あることです。タイタニック超えてんじゃねえか。

でもこれが不思議と飽きない。なぜかと言えば「つぎに安藤サクラは老人にどんなことをするんだろう?」と気になってしょうがないから。
演出は淡々としているように見えて、役者たちのほんのちょっとの「感情の揺らぎ」も見えます。
伏線は巧みに使われているので、長尺映画ならではのダイナミズムを期待をしても決して裏切られないでしょう。
さすがに終盤になると「上映時間長え・・・」という気持ちにならずを得ないところがありましたが、その気分も含めて楽しむべきです。

出演しているおじいちゃんたちがめちゃくちゃ豪華な配役だったり、音楽担当がゲーム「beatmaniaIIDX」で有名なTaQ(確かエンドロールには久保田修もクレジットされていた)であったことにも驚きました。
クラシック音楽と、落ち着いたアンビエントな楽曲が作品にとてもマッチしています。

そんなわけで、その上映時間のおかげで鑑賞のハードルがものすごく高いのですが、決して観て損はないはず。
ぼーっと「流し観」しても楽しめますし、じっくり観ても役者の演技の妙を楽しめるはず。
優れた日本映画を観たい人すべてにおすすめします。

↓以下は脅迫される豪華じじいを紹介。未見でも問題ないレベルだとは思いますが、予備知識なく観たい方はご注意を

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2015-06-02 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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