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『心が叫びたがってるんだ。』クライマックスの意味とは?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は心が叫びたがってるんだ。です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ちょっと叫びすぎているかも(言葉が)


あらすじ


成瀬順は子どものころのある事件をきっかけに、言葉を失っていた。
高校2年生になったある日、成瀬は「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。
いっしょに任命されたのは、やる気のない少年の坂上拓実、元エースの田崎大樹、優等生の仁藤菜月。
彼らも、成瀬と同じように、それぞれ心に傷を持っていた――




深夜アニメとして絶大な人気を誇っていた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のスタッフによる、完全新作の劇場用作品です。

入野自由
26885円
powered by yasuikamo

この『あの花』と本作『ここさけ』は、ともに埼玉県秩父市が舞台であったり、キャラがコラボした企画が実施されていますが、基本的にはまったく別の物語として展開しています。
『あの花』をまったく知らなくても、本作は問題なく楽しめるでしょう。


本作で何よりもびっくりしたのは、子どもも劇場に足を運びそうなアニメ作品で、性を想起させる場面があったことです。
しかも、その性はある登場人物の心の傷に深く関わっています。

萌え萌えチックなアニメと思って本作を観ると、よくも悪くも面食らうでしょう。
本作における性は「居心地が悪い」ものとして描かれています

この「アニメにおいて思春期の性の悩みを想起させる」という作風で、自分は『カラフル』を思い出しました。

冨澤風斗
3294円
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『カラフル』には援助交際(売春)するシーンが間接的でありながらも描かれており、そのことに中学2年生の主人公はひどい嫌悪感を覚えていました。
一方で、主人公はセックスにとても興味を示していたりもします。

思春期って、そんなもんです。
セックスに並々ならぬ興味がありながらも、一方では汚いものと思って嫌悪する。それは誰しもが通る道です。

性にまつわる普遍的な悩みを「心に傷を負った事件」として描き、映画の重要なファクターとしていること。
ここに『ここさけ』の確かな意義と、やさしさを感じました。

ちなみに『あの花』も、何気ない言葉により、心に深い傷を負った少年少女の物語になっています。
『あの花」には幼少時に「あ◯る」という性的な意味でヒドいあだ名をつけられたかわいそうすぎるヒロインがいたよね。


また、本作はじつはミュージカル映画にリスペクトを捧げた音楽映画にもなっています

具体的に大きく取り扱われているのは、『オズの魔法使』の「Over The Rainbow」と『八十日間世界一周』の「Around The World」です。

ジュディ・ガーランド
927円
powered by yasuikamo



デビッド・ニーブン
1505円
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さらにはベートヴェンの「悲愴 第2楽章」も重要な楽曲として扱われています。



そして、主人公たちが行うのはミュージカル(合唱)です。
音楽で青春を過ごした方、またはただ音楽が好きだという方には、たまらない作品になるのはないでしょうか。

サントラ
2990円
powered by yasuikamo

本作で、自分は『カラフル』のほかに、今年に公開されたばかりの映画『くちびるに歌を』を思い出しました。

新垣結衣
2942円
powered by yasuikamo

実写映画とアニメという違いがありますが、少年少女の苦しみからの解放が描かれていたり、重唱をする音楽映画であったり、そして「悲愴」・・・共通点が多い作品なのです。


本作には難点も多いです。

そのひとつがちょっぴり説明過多なこと。
2時間という短い尺に登場人物の背景をしっかり描いているのですが、説明口調すぎて不自然な印象がありました。

また、登場人物のセリフやキャラがアニメらしい「わかりやすさ」優先で、こちらも不自然さを感じてしまいました。
アニメとはいえ、等身大の少年少女を描いているのですから、ここにもう少し抑えた演技、はたまた画で語る演出がほしかったのです。

ミュージカルの練習シーンが皆無に等しいのも残念でした。
主体となって描かれているのは少年少女の悩みなので、そこをあえてカットした意義はわかるのですが・・・まがりになりにも音楽が主役のひとつの映画なので、「努力」のシーンは入れて欲しかったです。

そして、(本作がもっとも賛否両論を呼んでいる理由である)クライマックスの展開に拒否反応を覚える方はきっと多いでしょう。
ただ、これは作品の主題としてもとても意味のある、どうしても描きたかったことだと思います。
詳しくはネタバレに書いてみましたので、鑑賞後にぜひ読んでみてください。

そもそも、アニメという媒体で「(性が)居心地が悪い(恥ずかしい、嫌なもの)」という感情を思い切りぶつけてくる作品なので、この時点で本作を受け入れられない人も多いのかもしれません(そのことこそが、重要なのですが)。

ちょっとおもしろかったのは、モブキャラクターが映画の展開についてツッコミを入れていること。
もちろんそれは完全なメタ発言ではなく、「ひょっとしたらメタかも」と思う程度のものなのですが、「そんな展開おかしいだろ!」と思っている観客の溜飲を下げているとも取れます。
これは賛否ありそうですが、そのツッコミの入れ方はとても自然だったこともあり、個人的には好きですね。


そして……発表の段階から賛否を呼んでいた「乃木坂46を主題歌に選んだこと」も、どうしても好きになれませんでした。

この楽曲「今、話したい誰かがいる」はプロデューサーと脚本家の方が秋元康さんのところに依頼し、プロデューサーは「切ないけれど、主人公たちが前向きに生きていくというという点から、そのような楽曲で最後を締めたいという希望をくみ取っていただきました」と語っています

しかし、出来上がった曲は、作中の楽曲(ベートーベンやミュージカル)とのギャップがあるアップテンポなものですし、その歌詞には「シーソー」「コーラ」などの映画にはまったく登場しない単語がたくさん登場しています。

歌詞に関しては、「映画のコンセプトを理解した上での作詞」であって、「映画を見てまんま作詞したわけではない」。映画の主人公を中心とした心情がイメージされているが、歌詞一文字一文字が映画と合致するかというとそうではない、という的を射た意見があるので、むやみに貶めるべきものではないのかもしれません。

それでも、やはりエンドロールでアイドルソングを流すというのは、映画の作風に適しているとはとても思えなかったのです。
乃木坂46は悪くないですし、「今、話したい誰かがいる」そのものはとてもいい曲だと思うのですが……。

クラムボンミトによる挿入歌は作品の雰囲気と合っていて好きでした。


あとは、やたら「泣ける」「感動」を打ち出す宣伝もあまり好きにはなれません。
泣く、感動する、というのはしっかりとした映画のテーマが描かれてこその「結果」なので、そこばかり求めるのはあまりに短絡的な印象があるのです。

実際の映画は、登場人物の心理描写を大切にして、思春期に誰でも起こる悩みを描き、その悩みからの解放を描いているという点で、とても素晴らしい作品です。
「満足度」「興行収入」「感動」よりも、誰(本作の場合は若い少年少女)の心に響く映画なのか、どういう作品であるのかを、もっと押し出してもよいのではないでしょうか。


そんなこんなで不満を書いてみましたが、全体的にはよい作品であることには違いありません。
何より、悩みを抱えている人が救われてほしいという気概に溢れている、尊い作品なのですから。

できれば、「言葉で誰かを傷つけたことのある」人にこそ観て欲しいです
これは性への嫌悪感よりもさらに普遍的な悩みなので、本作で贈られるメッセージに救われる人は多いはずです。

前述の通り性的な話題があるので小学生にはちょっと早いですが、中高校生には大プッシュでオススメします。
思春期のときに(もしくはいまも)辛い想いを抱えていた(る)人は、ぜひ劇場へ。
アニメ好きであればヒロインに萌えまくって座席で悶絶必死ですよ(←いままでの流れが台無し)

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

2015-10-03 : 映画感想 : コメント : 16 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
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『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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