FC2ブログ
ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

『UFO学園の秘密』は無宗教者の立場からツッコミを入れる映画だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はUFO学園の秘密です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:プロパガンダとしてうまいから困った



男女共学の全寮制進学校・ナスカ学園。
高校2年のレイ、アンナ、タイラ、ハル、エイスケの5人組は、生徒たちが「天才塾」に行ったきり、脅威的な記憶力を得てしまうという噂を耳にする。
天才塾に行ったというハルの妹に退行催眠をかけると、グレイという宇宙人にアブダクション(拉致)されていたことがわかり・・・




毎度爽やかなまでの駄作・珍作をお届けする幸福の科学映画の最新作です。

いままでの感想(どっちも超デストロイ)↓
<無宗教者にはキツい「ファイナル・ジャッジメント」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー>
<宗教×ダメダメメンインブラック「神秘の法」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー>

えーと、どうしましょう。今回は困ったことにかなりおもしろいです
これまでの映画作品と、どういうふうにビフォアアフターとなったかを簡潔にご紹介しましょう。

<before>
・信じるものは救われるんだZE☆
・救世主(=大川隆法大先生)がひとり現れて全部問題を解決するんだZE☆
・私たちの言っていることは全部正しいんだZE☆
・派手なシーンいれときゃいいんだZE☆

<after>
・思想とかは後回しにして、映画としてのおもしろさをまずは追求している
・青春、サスペンス、さらにはアクションもあったりと見せ場も存分ある。伏線も工夫されている。
幸福の科学に属していない人の気持ちを代弁している

えーごほん。
どうしちゃったんだ幸福の科学
違う、こんなの幸福の科学の映画じゃない。アレな思想を垂れ流しまくって一般人からの「ハハン」な笑いを誘う芸風はどこに行ってしまったんだ。(※幸福の科学は芸人ではありません)

まあそれでもクライマックスでは大変清々しいハイパー☆説法タイムが始まるのですが、そのシーンも壮大な映像も相まってそんなに退屈ではありませんでした。
それどころか思想そのものはとても志が高いものなので、あやうく入信しそうになる(しないけど)。
前作の「マジカルステッキを掲げて説法すれば全解決!(てへぺろ)」とは雲泥の差です。


たぶん信者の方はクライマックスの美しい背景+ありがたいお言葉の数々に感動するんだろうけど、自分が感動したのは「宇宙人なんていませ〜ん」という嘲笑をする者がいたり、精神世界に旅立ったときに「なんかヤバいところにきちまったんじゃないか?」とまともなツッコミを入れることでした。

信者じゃない一般人目線からツッコミを入れるなんて!
やるじゃあないか幸福の科学!(上から目線)


そういえば前作『神秘の法』の公式サイトでは「この映画を観たらリューマチが治りました!」という大変香ばしい意見が述べられていましたが、今回の公式サイトではそんなことはないです。
ていうかパッと見はまともなアニメ映画のサイトに見えます。

公式サイト<大川隆法の名前が玉に致命傷

「あなたの宇宙人遭遇体験を教えてください」というコーナーは若干怪しさが漂うものの、ストーリー性のある4コママンガで親しみやすくする工夫もされています。
どうしちゃったんだ幸福の科学(2回目)。


そう、本作はプロパガンダ映画として抜群にうまくなっています。

タイトルもいままでのような怪しさはなく、豪華声優を起用して(これはいままでと同様)若い人の興味も煽っている。
映画の文法も研究している。
ちゃんと本当に伝えたい説法の内容は、違和感のないように物語と絡めている・・・

そして、宇宙人の存在と、思想を大プッシュすることに成功している・・・
参りました、この手口は巧妙です。

この脚本を書いたのは誰?と調べてみると、「UFO学園の秘密」シナリオプロジェクトという謎の集団でした。何者なんだ、本当。


映画としての欠点は、終盤の展開が死ぬほどゴリ押しだったことと、説法タイムが長すぎることくらいです。いや、どっちも欠点としてはデカいんだけど。

本作は青春SFストーリーとして、十分に楽しめてしまいます。
声優陣の演技も迫真で、「イカ娘」で有名になった金本寿子さんの声も超かわいいですし、銀河万丈という大御所までもが起用されています。


※この動画でもキャラの声が聞けます。

さらに海外版ではスポンジ・ボブ役で有名なトム・ケニーを配役していたり、金に糸目をつけない仕事ぶりには頭がさがります。ちょっとくれよ。
はじめっから海外展開を図っているおかげで、チームのひとりがTyler(タイラ)という無理やりな名前になっているのが可笑しいですね。

そんなわけで、本作は冗談抜きで(豪華声優目当ての)アニメファンにもオススメできます。


本作には、残念ながら幸福の科学特有の危険な思想もあります
とくに製作者側が訴えたいことは、以下の3点です。

・宇宙には高度な文明を持った宇宙人が連合を作っていて、いい宇宙人は地球を見守っている
・すでに宇宙人は地球人に紛れて過ごしている
悪い宇宙人は各国(具体的には中国、ロシア、アメリカ)の軍部に紛れ込んでいる

いやいや、こりゃファンタジーだろ、映画の中の話だろと思うところですが、これはマジモンの主張でした。
以下の4コママンガを読んでも、よくわかるでしょう。
<そゆことか – 四コマ漫画ノンフィクション #020 | 映画「UFO学園の秘密」公式サイト>

このマンガでは「レプタリアン(悪い宇宙人)はすでに各国の軍部に紛れ込んでいるから危険!」「日本はそういうのをしょせんはSFと思っているUFO後進国なんだ!」「この映画でUFO後進国の目を覚まさせたい」ということがきっぱりと告げられています。

「UFO後進国」なんて言葉を初めて聞いたよ・・・このマンガの主人公(宇宙人3人)の名前が「ノンフィクション」ということも怖いですね。

しかもこの映画、「UFO(宇宙人)の実在を訴える」ことがとてもうまいのです。
まずはUFOの存在を否定する人物を描写しておき、作中で「本当に宇宙人はいること」を示し、そう信じたものが救われる・・・と観客の心を巧みに誘導しています。プロバガンダとして理想的です。


フォローをしておくと、作中で訴えられている思想のほとんどは夢を持つ若い人に向けられた、無宗教者から見てもとても志が高いものです
世界的に宗教への信仰心により人が救われてきていることも事実ですので、ことさらに否定するべきでもありません。

でも、UFO(宇宙人)の実在を必要以上に押し付け、さらに悪い宇宙人が軍部にいるから、みんなでその実在を認めよう!というのは受け入れられるものではありませんでした。


さらに気になったのは、宇宙人の存在を「非科学的だ」と否定されるシーンがあること。
宇宙人の存在は科学と矛盾しないのでは?

むしろ科学は、宇宙人の存在を示そうとしてきた面もあるのではないでしょうか。
科学を無視してそんなことを言っているんだったら、自分はフェルミのパラドックスのほうを信じます。


まあ、結論としては・・・これでいいんじゃないでしょうか。
UFO(宇宙人)がいることを信じるということ自体は問題のないことですし、(これをきっかけに入信しなければ)とくに悪影響があるわけでもありません。
結果的に誰も傷つかない、みんなが幸せになる内容になっています。

それでも、アイデンティティーが確立されていない子どもに見せるのは、やはり危険なのでお気をつけて。
アニメファン、SFファンにそこそこオススメします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

続きを読む

スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-10-16 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
Pagetop




ホーム

最新の記事

最近のおすすめ映画

sully ポスター
イーストウッド、真骨頂
こえのかたちぽすたー
生きてくれて、ありがとう
怒り映画ポスター
信じていいのか

広告(同じウィンドウで開きます)


Twitter...

反響のあったorおすすめ記事

<初めて来られた方へ(ブログの説明)>
<著者プロフィール>
こちらでも記事を執筆中↓
<ヒナタカ | シネマズ by 松竹>

ご連絡の際は、以下のメールアドレスまでお願いします(☆を@に変えてください)
hinataku64_ibook☆icloud.com

2015年ベスト映画20
2015年ワースト映画10

2014年映画ベスト20
2014年映画ワースト10

2013年映画ベスト20
2013年映画ワースト10

2012年 映画ベスト20
2012年 映画ワースト10

2011年 映画ベスト20
2011年 映画ワースト10

映画パロディAVタイトルベスト10
映画邦題ベスト10&ワースト10
Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

検索フォーム

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2015年10月 | 11月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR