ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

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主人公にクズが多くなった2015年ベスト映画20

あけましておめでとうございます!

いやー2015年ワースト映画10では失礼いたしました!
今度はみんなが幸せになる、2015年のベスト映画20を紹介します。

※こんな記事タイトルですが、主人公がクズな映画なのは一部のみですので安心してください。
※タイトルをクリックするとそれぞれの映画のレビューに飛びます。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2015-12-31 : いろいろコラム : コメント : 7 : トラックバック : 0
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『ストレイト・アウタ・コンプトン』偏見を描き、偏見がなくなる音楽映画だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は『ストレイト・アウタ・コンプトンです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:ヒップホップの見かたが変わった

あらすじ


1986年、アメリカ屈指の犯罪多発地域として知られるコンプトンにて―。
イージー・E(ジェイソン・ミッチェル)はドラッグディーラー業で生計を立てていた。
やがて彼はアイス・キューブ(オシェア・ジャクソン・Jr)、ドクター・ドレー(コーリー・ホーキンズ)ら5人で、ヒップホップグループ「N.W.A.」を結成する。
その音楽は過激な放送禁止用語に満ちていたが、瞬く間に絶大な人気と支持を集める。
しかし、名声を得た彼らに、社会からの偏見、警察からの圧力などの苦難が襲いかかる。




実在のヒップホップグループ「N.W.A.」の伝記映画です。

ストレイト・アウタ・コンプトン
N.W.A.
ユニバーサル ミュージック (2015-12-09)
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自分は洋楽にとんと疎く、ヒップホップというジャンルもほぼ聞くことはありません。
それどころが「ヒップホップってなんだか怖い」「汚い言葉ばかり」という偏見っぽい認識でいたくらいです(好きな方、ごめんなさい)。

でも……ヒップホップならびに「N.W.A.」というグループに偏見を持ってしまうのも仕方がないというか……だって、「N.W.A.」の代表曲が「Fu●k the police」ですからね。



おいおい「警察をファッ●だ」とか言っていいのかよと思った方、安心してください、ぜんぜん大丈夫じゃないです
これが収録されたアルバム『ストレイト・アウタ・コンプトン』はペアレンタル・アドバイザリー(保護者の指導の必要あり、特定の小売店では販売されなくなる)に認定されてしまったりしているのです。

ペアレンタルアドバイザリー<親の注意が必要です。

で、この映画のロゴはこのペアレンタル・アドバイザリーをパロっています。

ストレイトアウタコンプトン1<ほぼ同じ

ロゴでも「子どもは見ちゃダメ!」と言っているようなもんですね。
作中ではキッタナイ言葉ばっかり、ドラッグ出まくり、セクシーなお姉ちゃんもバンバン映ると、R15+指定大納得の作品なのです。

そして、劇中では「Fu●k the police」の楽曲を巡ってヤバいことになるのですが・・・それはネタバレになってしまうので観てのお楽しみです。

そんなわけで映画を観たところで、けっきょくヒップホップならびに「N.W.A.」の音楽が「汚い言葉ばかり」という印象はそのまま(笑)です。
しかし、歌詞に込められた精神性の印象は、観る前とまったく異なっていました

なぜ彼らは過激な曲ばかり作ったのか?
「N.W.A.」というグループに何が起こったのか?
メンバーそれぞれの人間ドラマを描きつつ、映画はそれを解き明かしていきます。
ヒップホップに馴染みのない方にとって、これはそのジャンルの見かたを変えてしまう力を持っています

とはいえ、本作はヒップホップについてひとつの価値観を突きつけるのではなく、多角的な目線で捉えています。
これは、『セッション』がジャズについて偏狭な音楽観を持っていたことと正反対であると感じました

セッション(字幕版)
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『セッション』は映画としておもしろいことは間違いないんだけど、ジャズに門外漢だった自分が抱いた印象は「ジャズ怖い」「ジャズやりたくない」という誤りまくったものでした。
(おかげでリアルにジャズをされている民朗さんから「ジャズはそんな感じだけじゃないよ!みんなでセッションをする楽しさも知ってよ!」という至極まっとうな意見をいただきました)

でも『ストレイト・アウタ・コンプトン』では、「汚い言葉ばかり」という印象のままにも関わらず・・・汚い言葉にも意味があったのだと、ヒップホップというジャンルをもっと聞きたくなったと、好きになれるのです。
矛盾しているようですが、本当にそういう映画になっているのだからすごいことです。

簡単に言えば、
『ストレイト・アウタ・コンプトン』(観る前)ヒップホップって怖いよね→(観た後)やべえ超格好いいし愛おしいぜ。
『セッション』(観る前)ジャズってなんかオシャレな音楽なんでしょ?→(観た後)ジャズ怖い
どっちが音楽映画として正しいかと言われたら、『ストレイト~』のほうが正しいです。


もうひとつ本作で思い出したのが、意外にも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でした。

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)
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両者はカネと女とドラッグと「Fu●k」にあふれまくっているという素敵な共通点を持っているんですよね。

違うのは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』がクズな主人公だと思ったら思った以上にど畜生だった一方、『ストレイト・アウタ・コンプトン』は怖いと思っていた人たちがなんだか愛おしい存在に思えてくること
これは人間ドラマを丹念に描いたおかげでしょう。


キャストについても触れないわけにはいけないですね。役者全員が本人に似すぎです。
それもそのはず、厳選なオーディションをしたことに加えて、アイス・キューブは彼のリアル息子が演じていたりするのですから。

(左:映画 右:本物)

イージー1 イージー22<イージー・E

ドクター・ドレー ドレー22<ドクター・ドレー

アイスキューブ アイスキューブ22<アイス・キューブ

「N.W.A.」を知っている方にとっては、これはもう感涙ものでしょう。

もちろん、歌唱力や演技力も確かなもの。
名脇役のポール・ジアマッティも確かな存在感を放っています。

ポール・ジアマッティ1<悪人も善人も演じられるポール

また、物語の始まりの舞台であるコンプトンのすさまじさを知れることもおもしろいですね。
コンプトンはちょっと歩いたらすぐに殺人が起こるような犯罪多発地域で、一般の方は車から降りて街に入ることもはばかられるのです。
オープニングは劇場から爆笑が起こるほどヒドい。日本に生まれてよかったという考えを新たにできるでしょう。


難点は上映時間が2時間27分と長いことと、グループ内の軋轢を描く割合が多いこと。
この時間中にみっちりと情報が詰まっており、無駄と思えるシーンはほぼ皆無とはいえ・・・やはり中だるみ感が否めなかったのも事実です。

また、「無名だった若者がメジャーになっていく過程」よりも、「キャラの内面やグループの人間関係」を多く描いています。
これは本作ならではの特徴なので批判するのもナンセンスなのですが、「成り上がり」ものが好きな自分にとってはちょっと物足りなかったところもありました。


個人的には音楽をよく知る人だけでなく、音楽をあまり聞かない、ヒップホップなんてほとんど知らないという人にこそ観て欲しいですね。
「こんな音楽の歴史があったんだ」「こんなスゴイやつらがいたんだ」と、きっと感動できるでしょうから。

予備知識はほとんどいりません。
知っておくいいのは、ことあるごとに使われる「dope」という言葉の意味くらいでしょうか。
<dopeの意味は何でしょうか ー 洋楽の歌詞でよく使われているスラング>
日本語でいえば「ヤバイ」に相当するんでしょうね。

いや、むしろ彼らの顛末を知らないほうがより驚けるので、情報を入れないほうがいいと思えるほどです。

オトナ向けの正月映画として、大プッシュでオススメします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-12-30 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で気づいたスゴい光の演出

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の3回目を、「THX」上映で観てきました。

thx.jpg

レビューはこちらで↓
<“音で感じる”『スター・ウォーズ』、THX上映とは [映画] All About>

THXはジョージ・ルーカス監督自身が樹立した、ガチで『スター・ウォーズ』シリーズに特化した上映方式。
イオンシネマ海老名はTHXの認定を受けたはじめての劇場なので、TOHOシネマズ日劇チャイニーズシアターと並び、「スター・ウォーズファンの聖地」と呼ばれているというわけ。

本編上映前に流れる、「Amazing Life」という動画だけでも、きっと感動できることでしょう。
とにかく、金属音の響きがもんのすごいことになっているのですから。



ぜひ、2度目、3度目に本作を観る際に選んでほしいですね。
ていうか本当にBB-8はかわいいよなあ(しみじみ)

↓参考、実施劇場はこちらで
THX|イオンシネマ

さてさて、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を3回観たおかげで、さらに「光の演出」について気づけることがあったので、以下に紹介します。

思いっきり核心部分のネタバレなので、未見の方はお控えください↓

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2015-12-29 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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とくに1位に憎悪をぶつける2015年ワースト映画10

いやー2015年もベスト映画をあげる季節になりましたね。
まずはベストより前に、管理人が毎年ノリノリで書いているワースト10をあげますね。

※好きな映画があったらごめんなさい
※映画関係者の方には本当にごめんなさい
※タイトルをクリックするとそれぞれの映画の感想に飛びます
※1位のアイツ以外はたいしたことがないと思う

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2015-12-28 : いろいろコラム : コメント : 14 : トラックバック : 0
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『クリード チャンプを継ぐ男』伝説ボクシング映画、誕生(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はクリード チャンプを継ぐ男(原題:CREED)です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:問答無用で観やがれ

あらすじ


アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)は、ボクシングのヘビー級チャンピオンであったアポロ・クリードの息子であった。
しかし、アドニスはアポロが亡くなった後に生まれた隠し子だったために、父の思い出もないままに生きてた―。
あるとき、アドニスは昇進が約束された仕事をも辞め、父のライバルで親友だったロッキー(シルヴェスター・スタローン)を訪ね、トレーナーになってほしいと申し出る。

『ロッキー』シリーズの新章が、いま始まる。




いいから観ろ!

お前ら!ボクシングに興味ないとか、『ロッキー』を観たことないとか言っている場合じゃないんだ!
これは2015年における、『マッドマックス 怒りのデスロード』並の伝説映画なんだ!

マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)

ていうか、作中に『マッドマックス 怒りのデスロード』っぽいシーンがあるんだ!
これはウソじゃない!信じてくれ!それがわかったらすぐに劇場に行くんだ!

それだけじゃないぞ!
『ゼロ・グラビティ』や『バードマン』並にすさまじい長回しのシーンがあるんだ!

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まだまだあるぞ!
クエンティン・タランティーノ監督のような、スカしたカッチョイイ演出まであるんだ!

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わかったか!
ボクシングに興味ないとか、『ロッキー』を観たことないとか言っている場合じゃないということが!
この『クリード』1本だけで、傑作たちを一度楽しめるんだぞ!
映画ファンはこの年末に観に行け!ていうか全人類は観に行け!

あともうひとつ許せねえことがあるんだ!

いいか!
TSUTAYAなどのレンタル店に行くと、『スター・ウォーズ』シリーズがすべて貸し出し中で悲鳴をあげている方がたくさんいるんだ!
それはいい!
だがな!
『ロッキー』シリーズがぜんぜん借りられていないというのはどういうことだ!

言っておくがな!
本作は『ロッキー』シリーズを全部観ておくと10分に1回くらい泣けるんだぞ!

わかったか!
まだ『ロッキー』シリーズを観ていないというやつはまずは観ろ!
もしくは、『クリード』を観たあとに『ロッキー』シリーズを観ろ!

以上だ!







(Cool Down)

ふう、どうしよう。もう言いたいことは言い切りました。
「言葉はいらない、とにかく観てくれ」とまで言えるほどの傑作だと、そう主張したいのです。

さてさて、本作は名作ボクシング映画『ロッキー』シリーズのスピンオフとなっています(いまさらな説明)。

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しかし、内容は「スピンオフ」と呼んではいけないほど、『ロッキー7』と呼んでいいほどの正当な続編に位置付けられている作品である、と感じました。

なぜなら、過去シリーズでの出来事や登場人物の足跡がこれでもかというくらいに物語に絡んでくるから
『ロッキー』シリーズ過去作の小ネタが満漢全席。シリーズについてうろ覚えであっても、「あ、あれ、◯◯じゃん!」と気付ける喜びがあるのです。

少なくとも、
・ロッキーと、その妻のエイドリアンとの出会いが描かれる『1』
・トレーナーのミッキーとの関係と、アポロとの友情が描かれる『3』
・アポロの最期の闘いが描かれる『4』
は、観ておいたほうが物語は飲み込みやすいでしょう。

ロッキー (吹替版) ロッキー3 [DVD] ロッキー4 [DVD]<この3本だけでも・・・

できれば、シリーズ最終章と銘打たれた『ロッキー・ザ・ファイナル』も観て欲しいところ。

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]<こちらも最高傑作の呼び声が高い。

なぜなら、『ロッキー・ザ・ファイナル』ではロッキーの息子が登場し、これがそのまま本作『クリード』劇中の師弟関係との「対比」としてみることができるから。
『ロッキー・ザ・ファイナル』でのロッキーとその息子の関係は良好とはとても言えないのだけど、本作では・・・と感じるところがあるでしょう。

もちろん、『2』や『5』もみどころはたっぷりですよ。
『2』はテレビ出演するけど超不器用で監督に罵倒されるロッキーがカワイイしなあ・・・(しみじみ)。


とは言え、本作は『ロッキー』シリーズを観ていないと楽しめないということは決してありません
なぜなら劇中にて、過去の出来事は主人公のアドニス・クリードに「伝えられる」形で示されるからです。

アドニスは彼の父親(アポロ)のことをほとんど何も知りません。ロッキーについても同様です。
新しくこのシリーズに触れる方にとっては、アドニスと同じように「伝説」をたどっていくことができるでしょう。

で、『クリード』を観たあとに『ロッキー』シリーズを観ると、その本物の伝説をマジで体験することができるというわけ。
これは『スターウォーズ/フォースの覚醒』で、主人公のレイが「伝説」が本当だったことを知ることを彷彿とさせます。

結論としては、『クリード』と『ロッキー』シリーズはどっちが先でもいいから両方観ろということです。


さてさて、『ロッキー』シリーズことは置いておいて、本作は1本の映画として抜群の完成度の高さを誇っています。

まずドラマ部分。これには
(1)アドニスのボクサーとしての成長
(2)アドニスの父であるアポロに対する心変わり
(3)老兵・ロッキーの心変わり
(4)アドニスとヒロイン・ビアンカのロマンス
などが多重に描かれているのですが、そのどれもが破綻せず、見事なバランスが保たれています。

ファイト・シーンは、より現代的な編集・演出が施されています。
詳しく書くとネタバレになってしまうので、前述の『マッドマックス 怒りのデスロード』っぽさその他もろもろで察してください(雑な紹介)。

あと、言っておかなければいけないのは音楽ですね。
今年は『マッドマックス』『バケモノの子』『リトルプリンス』などサントラがほしくなる映画がいっぱいありましたが、その中でも本作は「サントラ必携」な映画の最高峰でしょう。

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これは努力・友情・勝利が描かれた人間ドラマにして、迫力のボクシングが楽しめる至高の作品。
わかったか?観ろ!(5回目)


また、ライアン・クーグラー監督×マイケル・B・ジョーダン主演の前作『フルートベール駅で』もぜひ観て欲しいですね。

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ブログのレビュー↓
<ただ、一人の青年を見つめて 映画「フルートベール駅で」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー>

『クリード』の豪邸住みのリア充から一転、マイケル・B・ジョーダンは明日の仕事も困るような貧乏な青年を見事に演じています。
役者の幅を感じられるだけでなく、短い上映時間でひとりの男の人生を体感できる秀作でした。


なお、スタローンの息子であるセイジ・スタローン(映画監督)は2012年ごろに亡くなっていたのですが、それとほとんど同時にライアン・クーグラーが「アポロの息子をロッキーが育てる」話を持ってきたそうです。
『ロッキー・ザ・ファイナル』ではロッキーの息子は親の後を告げなかった・・・ということもあり、なんだかリアルとフィクションが繋がっているような、運命めいたものを感じます。

ちなみに『クリード』はシリーズで初めてスタローンが脚本を手がけていない作品です。
それなのに、作中では『ロッキー』へのオマージュ、リスペクトが込められまくり。
若干29歳の若者がこれほどの作品を作り上げるとは・・・スタローンにとっても驚きであったことでしょう。

ともかく、IMDbで8.3点Rotten Tomatoesで93%という評価が大納得の傑作です。年末で時間があったら、女房を質に入れてでも観るように!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-12-27 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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『ドリームキャッチャー』命より爪楊枝を大切にする映画(ネタバレなし感想+珍シーンを紹介)

メリー★クリスマース!カップルはこの世からけし飛べ

みんなクリスマスに何するのかな?
え?恋人とイルミネーションを観に行くって?そうかそうか!(般若なようなツラで)

そんなみんなのために、一昨年の『バッドサンタ』(続編製作決定おめでとう!)、昨年の『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』に引き続き、クリスマスに観るのにピッタリなとってもハートフルな映画を紹介するね!

今回はすごーく夢をもらえる内容だよ★
なにせ、タイトルが『ドリームキャッチャー』なんだからね!

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個人的お気に入り度:7/10(真面目なホラーを期待すると0点)

一言感想:この映画のジャンルがわからん・・・

あらすじ


ジョンジー、ヘンリー、ピート、ビーバーの4人の少年は、ある日、知的障害を持つ少年ダディッツをいじめから助けた。
4人はそのとき、ダディッツから不思議な力を分け与えられ、その秘密を共有することで強い絆が結ばれた。
20年後、大人になった4人は北方の森にある狩猟小屋で再会することになった。それは彼らにとって毎年恒例の楽しいイベントのはずだったが…。




…すいまセーン…ボクウソついてまーした…。本作はハートフルでも夢にあふれた内容でもございません。
むしろ、ハリウッドきっての大珍作として知られているのです。

まあともかく本作の予告編と冒頭(プレビュー)を観てみてくださいよ。





うんうん、謎に包まれたホラーな寒々しいホラーな印象がありますよね。
はいそこぜんぜん違う
とは言え、予告編は一切嘘はついていないのですが・・・こいつに騙された人がむしろうらやましいですね。だってこんなにも脱力感を得られる映画はそうそうないよ。

何がすごいって、前半の人間ドラマ×ホラーテイストから一転、後半がすげえアホらしいというかすさまじい展開になること。
みんなのシネマレビューでは「広げた風呂敷がうまく畳めてない」「支離滅裂」「後半の脱力感は高級フランス料理のデザートがガリガリ君だったみたいな感じ」などの凄まじいワードが並んでいます。

でも自分はこの映画が大好き。
せっかく張った伏線の回収のぶん投げっぷりとか、あらゆるジャンルを詰め込んでそのどれもが破綻している様とか、珍作映画ファンにはたまらないポイントが満載なのですから。

また、名優のモーガン・フリーマンが完全にあたまがおかしくなったジジイとして登場しているのも見逃せませんね。

クズなモーガンフリーマン<冷酷な軍人です。

モーガン・フリーマンは同じくスティーブン・キング原作の『ショーシャンクの空に』でやさしい老人役を演じていたんのですが・・・そのギャップにも注目です。


この時期(2015年の年末)に本作を紹介するのには、もうひとつ理由があります。
それは本作の監督・脚本・製作が、大ヒット中の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に脚本家のひとりとして参加しているローレンス・カスダンだから。

カスダンは『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』の脚本家でもあり、それはもう『スター・ウォーズ』が大好きなわけで・・・本作では『スター・ウォーズ』っぽいワイプでの画面切り替えがあったりするのです。

場面転換<こうやって画面を切り替えます

本作は2003年の大作映画なのですが、どこか古き良きB映画な印象があるのは、こいつのせいだと信じて疑いません。
カスダンは2018年公開予定のハン・ソロを主人公にした『スター・ウォーズ』のスピンオフ映画で引退するとのことですが、またこいつのような素敵な珍作を手掛けてほしいなあ・・・。


ぜひ、なかのよい友だちといっしょに酒を飲みつつ、ツッコミを入れつつ観てほしいですね。
こいつはシラフじゃなくて、ハイな気分で鑑賞したほうが間違いなく楽しめるので。
珍作映画ファンは一生に一度は観ておくべきでしょう。冗談抜きでおすすめしますよ。

↓以下は映画の珍作なポイントをちょっとだけネタバレで紹介。たぶん読むと興味が出てくると思うよ。

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2015-12-24 : 旧作映画紹介 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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『きみといた2日間』まさかの密室コメディーだった(映画ネタバレなし感想+男女の建設的意見)

今日の映画感想はきみといた2日間(原題:Two Night Stand)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:リアルに会うといやな部分も見えるよね・・・

あらすじ


メーガン(アナリー・ティプトン)は恋人に突然別れを告げられたうえ、就職活動もうまくいかない無職の女性だった。
現状を変えるため、メーガンはネットの恋活サイトに登録し、そこで知り合ったアレック(マイルズ・テーラー)の部屋で一夜を過ごす。
翌朝、メーガンはアレックの態度に苛立ちの部屋から立ち去ろうとするが、猛吹雪のために部屋を出られなってしまう。




えーと、このポスターを見てどんな映画だと思うでしょうか。

きみといた2日間 

うんうん、『きみといた2日間』という邦題もあいまって「クリスマスにもってこい!恋人たちのハッピー☆なラブストーリー」な感じに思えますよね?
はい、ぜんぜん違う!

実際のプロットはこんな感じです。
(1)主人公の女性は婚約までした恋人に振られて、さらに就職活動も失敗
(2)ルームシェアをしていた友人に恋人ができて部屋でチュッチュされるので、自分が出て行かないといけない感じに

(以下、画像は予告編からのキャプチャー)
きみといた2日間6<家に居場所がない・・・

(3)主人公「やべーやこれ・・・とりあえずネットで恋人探すか」
(4)とくに格好良くもない平凡な男ととりあえずセックス
(5)セックスした後、相手の態度が最低だったので、お互いが「F◯CK YOU!」と言って別れる・・・
(6)と、思ったら町中が吹雪のために帰るに帰れない。
(7)しょうがないからもう1日いっしょに過ごすことに(めっちゃ仲悪いまま)

※出会った後はこんな感じ
きみといた2日間5<1日だけのセックスは初めて?
きみといた2日間4<尻軽女みたいに言わないで!
きみといた2日間3<だけど外は・・・
きみといた2日間2<猛吹雪
きみといた2日間<もう1日よろしく

つまりこれ、「第一印象がク◯みたいな異性と強制的に丸一日を過ごさないといけなくなる」というコメディでありシチュエーションドラマなわけです。
お互い出てくるのが悪口か皮肉かのどっちかなわけで雰囲気は最悪、しかも予想もしない事件も起きるのです。

すっげえ乱暴に言えば『SAW』の恋人バージョンです。

ソウ(字幕版)<え?

と言っても、共通点は「閉じ込められたおかげで、いがみ合っていたふたりの心情が徐々に変わっていく」ということのみなんですけど、まさかこのポスターからそんな印象を持つとは思いもしませんでしたよ・・・。

ちなみに原題の「Two Night Stand」は、「一夜だけの関係(One Night Stand)」のもじり。
「あんだとは1日だけの関係よ!」→2日になったらとんでもないことに・・・とシチュエーションをそのままタイトルにしているんですね。うまいものです。


本作でおもしろいのは、いまどきの「ネット恋愛」が重要になっているということ。

ネットでのやりとりではいい人だった→実際に会ってゲンナリ・・・というのはよく聞く話。

本作でも主人公は(ウソをつかないまでも)ネットではどうにか自分を取り繕うとしようとします。
でも、実際に会うと取り繕ったことはボロボロと剥がれ落ちて、ありのままの人間性が見えてきていや〜な気持ちになる・・・これがなんともリアルで、ちょっと「痛い」ながらも笑ってしまいます。

しかも性の話題がてんこ盛り。
中盤の「お互いがセックスについて建設的な意見を述べる」シーンにはゲラゲラ笑いました
これはわりと女性と男性の性意識の違いを見られて興味深いかも・・・いや本当にしょうもないんだけど。

麻薬の話題もあり、おかげさまでR15+指定。
お子様にはまったくオススメできないのでした。


また、伏線が秀逸です。
冒頭で描かれる「セックス後の別れ」の意味は後のシーンでしっかりとわかるようになっているし、主人公ふたりの行動や言動はほぼ必ずと言っていいほど後の展開に影響を与えています。
主要登場人物はほぼ2人(友だちとその恋人を含めれば4人)、わずかなセットの中で展開するという低予算映画ですが、脚本は相当手が込んでいるのではないでしょうか。

また、上映時間が85分とコンパクトなのもいいですね。
気軽に観られることはもちろん、この時間でも十分すぎるほど主役ふたりの心情の変化が描かれています。

難点は、(このコンパクトさも手伝って)よくも悪くも軽~い内容ということ。
「たった2日(実際に描かれるのは1日)の主役ふたりのイタさとすれ違いを楽しむ」のみと言っても過言ではない(そこがおもしろいのだけど)ので、深い感動などを求めるとちょっと肩すかしかもしれません。


もうひとつ言っておかなければならないのは、主演ふたりの魅力ですね。
アナリー・ティプトン演じる「イケイケでもない、かと言っておとなしすぎるわけでもない、傷心モードの女子」もすさまじく存在感がありますが、やはり注目は『セッション』のマイルズ・テラーでしょう。

セッション(字幕版)<ク◯すぎる主人公でした。

『セッション』のクズな青年から一転、本作でのテラーはいい感じに普通にダサいです。
ファンタスティック・フォー』のオタクっぽさ、『ラビット・ホール』の純朴さもいいですが、本作がいちばん自然体の演技に思えました。ていうかハマりすぎて演技していなかった。
決してイケメンに相当する役者ではないですが、その魅力を堪能したい方は必見です。

ラビット・ホール [DVD]<こちらでは若いテラーが観られます。


本作の公開日は明日12月23日(水)。
クリスマス後の年末が舞台になっているので、この上映時期もありがたいものです。

内容が恋人がいるリア充だけでなく、「恋人たちのクリスマスだと!?そんなもんは中止だゴラァ!」と思っている非リア中も楽める内容になっているのもいいですね。

・恋人どうし→笑った!この映画のおかげでお互いのいいところを見ていけないといかないことがわかったよ!
・非リア充→相性最悪のやつといっしょに過ごすとか最悪じゃん。ああ、独り身でよかった!
とハイブリッドな解釈ができるのです。

上映劇場は少ない(12月23日公開は東京、愛知のみ)ですが、(下ネタが苦手でなければ)幅広い方におすすめします。


以下、「セックスにまつわる建設的な意見」の一部などを紹介↓
結末やストーリー上のネタバレはありませんが、予備知識なく観たい方はご注意を。

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2015-12-22 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ』英和辞典や子育て本などのユニークなグッズを集めてみたよ

世界中が『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の熱狂に包まれていますね。
TOHOシネマズ新宿での予約が平日を含めていっぱいというのは恐ろしいほど。
すでに北米の初日興行収入が歴代最高になっていますし、日本でも『アナ雪』の興行収入に迫る可能性もあるかも・・・。

さてさて、『スター・ウォーズ』シリーズにはグッズ展開が多く、商魂たくましいのは周知の事実。
『フォースの覚醒』における新商品も含めて、ユニークなグッズの数々を一挙に紹介します。

なお、以下の商品には一部旧3部作のネタバレが含まれているのでご注意ください。
ダース・ベイダーがじつは◯◯◯の◯っていうことは、知らずに観て欲しいもんなあ・・・

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2015-12-20 : いろいろコラム : コメント : 1 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』キャラクターの魅力を全力で解説してみる(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はスター・ウォーズ/フォースの覚醒(原題:Star Wars: The Force Awakens)です。

※12月22日:コメントを受けてネタバレに追記しました!ありがとうございます。

個人的お気に入り度:8/10

一言感想:『スター・ウォーズ』を愛してくれてありがとう

あらすじ


何も書かないほうがいいよね。




熱狂的なファンを世界中に持つ『スター・ウォーズ』その10年ぶりの最新作です。

スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイコレクション(9枚組) (初回生産限定) [Blu-ray]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2015-11-13)
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本作はシリーズの『エピソード8』となり、新3部作の第1作目です。
シリーズを公開順に並べると以下のようになります(Wikipediaを参照)。
旧3部作
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年公開/特別篇:1997年公開)
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年公開/特別篇:1997年公開)
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年公開/特別篇:1997年公開)※2004年までの旧邦題:『ジェダイの復讐』
プリクエル3部作
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年公開/3D版:2012年公開)
『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002年公開)
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005年公開)
新3部作
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7)』(2015年公開)
『スター・ウォーズ エピソード8(仮)』(2017年公開予定)
『スター・ウォーズ エピソード9(仮)』(2019年公開予定)

本作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のミソは、旧3部作から30年以上が経ってから正当に「時間が進んだ」続編が作られたということ、そして登場人物がリアルに年をとった姿で登場するということです。

これ、旧3部作をリアルタイムで観た世代の方にはいろいろと感慨深いのではないのでしょうか。
「映画の登場人物といっしょに自分も年をとっている」っていう……。自分は『トイ・ストーリー3』でそれを感じていたのですが、リアルタイムで観ていた人がうらやましくてしかたがありません。


かつて、プリクエル(前日譚)を描いた『エピソード1』は「ファンにとってもイマイチな出来」と言われ、大いに嫌われていたこともありました。
何ががっかりって、「旧3部作と作風が違う」「初耳の造語も満載」「単純に話がおもしろくない」「シリーズのサーガから外れた内容になっている」「ジャー・ジャー・ビンクスがうざい」などなど・・・そりゃあ不満に思うってもんです。

しかし、今回はそんな心配は無用。本作はおそろしいほどに旧3部作への愛に溢れまくっていました

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もうね、「個性的なキャラが出会って、協力しながら宇宙を冒険する」という、『エピソード4』のストーリーラインに沿った作りになっていることに感動しました。

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そのほかにも『エピソード4』へのオマージュが盛りだくさん。
これを「新鮮味がない」「批判を恐れすぎ」ととるか、「愛を感じる」と感じるかは人それぞれですが、自分は圧倒的に後者。
シリーズで『エピソード4』がいちばん好きだった自分にとってはもう感涙ものなのです。

さらには、思い切り『エピソード5』を意識したシーンもあったりします

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しかも画作り、セット、演出、音楽、キモめのモブキャラに至るまで、旧3部作へ寄せまくったものになっています。
画はいい意味で「埃っぽく」ありながら、古臭さをまったく感じさせない。これが愛でなくてなんだと言うのでしょうか。


さらには、旧3部作のときのキャラの行動をイジったりする小ネタも満載です。

結果として、本作を100%楽しむためには旧3部作の視聴は必須と言えるでしょう。


とは言え、予備知識なく初めて『スター・ウォーズ』に触れる方であっても大いに楽しめる作りになっています。

なぜなら、本作は新主人公たちが突如冒険に巻き込まれ、「伝説」の数々を初めて知っていくという内容にもなっているから。
彼らは『スター・ウォーズ』サーガに初めて出会う、観客の分身のような存在でもあるのです。


なお、プリクエル3部作は観ていなくてもそれほど影響はありません。

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もちろん観ていればよりスカイウォーカー家の因縁を感じられますし、ひとつだけより感慨深くなるセリフもあります。
「できれば」鑑賞しておいたほうがいいでしょう。


正直に言うと不満点もあります。
設定と終盤の展開にはアラが多く、ツッコもうとすればいくらでもツッコミどころが生まれてしまいます。

J・J・エイブラムスはとてつもなく有能な監督ですが、かつて『スーパー8』という『スピルバーグ愛に溢れまくっているけど、ツッコミどころは満載」な作品を手がけていました。

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本作でのほんのちょっぴりのモヤっと感は、けっこうこれに似ていました。
J.J.エイブラムスはもともとテレビ出身のディレクターです。
そのため、2時間という映画の時間を大事にするよりも、ドラマ的な勢いのある展開を詰め込むことのほうが得意なのかな、ともちょっと思ったり。重箱の隅をつつくようなことではあるんですけどね。


新キャストも総じて素晴らしかったですね。
デイジー・リドリーは映画初主演とは思えないほどの身体能力、凛々しさを持っています。
ジョン・ボイエガは『アタック・ザ・ブロック』の不良少年役も印象的でしたが、今回のような内に秘めた想いを持っている青年を演じてもじつにうまい。
モーションキャプチャーにより異星人(マズ・カナタというキャラ)を演じたルピタ・ニョンゴも、アクの強い役を見事にこなしています。

なお、日本ではG(全年齢)指定ですが、海外では『エピソード3』と同じくPG-13指定であり、わりとエグいシーンもあります
誰でも楽しめる万人向けの娯楽活劇とはいえ、お子様の鑑賞にはちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。


個人的には、本作は2回観ることを推奨したいです。

「4DX」上映では、1度目とはまた違った魅力を存分に感じられることでしょう。
<『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』4DXの感想と5つの見どころまとめ!(ストーリー上のネタバレなし) マジでフォースを感じられる内容だった>

何より、キャラクターの奥行きを感じられるセリフが満載、1度だけでは気づきにくい小ネタもたっぷりあるのですから。
自分は2度目のほうがドラマをおもしろく観られたくらいです。

もうキャラのセリフをちょっと拾っただけでもハッとすることが多々。
ネットの反応を読むと「新キャラの魅力があまりない」という意見が多かったけど、自分は「決してそんなことはない!」と反論します。
自分が本作でいちばん感動したのは、キャラクターの魅力でした
ネタバレでは、ここを中心に書くことにします。

悪いことはいいません。ぜひ本作は2度、そのどちらかを4DX上映で観ましょう。


さてさて、ネタバレなしで言えるのはもうこれくらいが限界。
いいから観て確認してください
ネタバレなしで魅力を伝えるのが難しい、いいから観ろ、というのは『スター・ウォーズ』というファンが多く、愛されている作品であるという証拠ですね。

エイブラムス監督自身も「ネタバレ(Spoiler)の真のダメージは秘密が漏れることではない。それより問題なのは、体験が損なわれることだ」と熱く語っていますし、本作のネタバレを観る前に読むなんて言語道断なのです。

フォースとともにあらんことを。当然、おすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください 『エピソード4』および『エピソード5』のネタバレもあるのでご注意を↓

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2015-12-19 : 映画感想 : コメント : 35 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』上映前の『ワンピース』の応援は大したことがなかったという話(特別映像のネタバレ)

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を2回目、2D吹き替え版で鑑賞してきました。
日本語吹き替え版のクオリティーはほぼ文句無し。タレントや素人の起用はないので安心して観ることができます。

さてさて、TOHOシネマズの2日目10時の「特別上映回」で観たので、当然アイツがついてきました。
『ワンピース』の特別映像が……。

↓前に書いた記事、建設的な意見がたっぷりのコメント欄も必見。
<『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』上映前の『ワンピース』の特別映像を回避する方法を考えてみたよ>

実際に観てみると、まあそんなに気にしなくていいんじゃないかというのが結論。
キャラの言動と演出にはちょっとイラッとしましたが、別に『スター・ウォーズ』を冒涜しているというほどのものではないです。



これは事前にニュースにしたからより大炎上しちゃったんだろうな・・・『インサイド・ヘッド』の「数分間にわたり一般人の写真垂れ流し」に比べれば、数十秒で済むだけマシです。

けっこう予告の早い段階から流れたので、ちょっと遅れると見逃すかもしれませんね(逆に言えば遅れて入れば観なくてすむかも)。

↓以下、『ワンピース』の特別映像と応援メッセージの内容をネタバレで書きます
あと、『スター・ウォーズ』のエピソード4とエピソード5を観ていない方にはある種ネタバレになってしまうので要注意(←これがいちばん大きな問題じゃないか?)

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2015-12-19 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』4DXの感想と5つの見どころまとめ!(ストーリー上のネタバレなし) マジでフォースを感じられる内容だった

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を4DX上映で観てきました!

スターウォーズ4DX

※4DXとは?
「体感型(4D)」の最新劇場上映システム。座席が作品中のシーンとリンクし、座席が前後上下左右へ移動するほか、風、水(ミスト)、香り、煙など、各種演出も体感できる。

th4dx1.jpg

4DXを観たことないけど、いつか観てみたいなーと思う人へ。いまです
ファン感涙の出来の『スター・ウォーズ』10年ぶりの新作を、4DXという極上の上映システムで観なくて、いつ体験するというのでしょうか。

以下、ストーリー上のネタバレなしで4DXの見どころを大いに語ります
(4DX演出の内容のみ、ほんの少しだけネタバレしているのでご注意を)。


〜見どころ(1) 宇宙の戦いへようこそ!〜

『スター・ウォーズ』シリーズの魅力のひとつは、宇宙空間での飛行シーンやドッグファイトです。
ああ、タイ・ファイターミレニアム・ファルコンに乗って宇宙空間を飛びたいなあと思っていた方へ。お待たせしました、夢が叶います

スターウォーズ4DX1<まるで宇宙にいるような……

もう座席はギュンギュンと動くまくり。とはいえガタガタと揺らすのではなく、宇宙船の動きを過不足なく再現しています。
おすすめは、宇宙船どうしの戦いのときにちょっとだけ足を持ち上げること。こうすることで体が宙に浮くような、無重力の宇宙空間のような気分をより感じることができます。

さらにビームがギリギリで当たりそうになるときは、イスの後ろからエアーがプシュッと飛ぶ
座席の動きとの相乗効果でスリルは満点。地上戦でもこの演出があるので、気は抜けません。

スターウォーズ4DX2<地上でも気を抜くな!

2時間16分の上映時間中、たっぷりとレイハン・ソロたちといっしょに冒険している感覚を味わえるでしょう。


〜見どころ(2) 惑星に到着したときの感動〜

4DXでは風が吹く効果もあるのですが、宇宙空間ではほとんどその演出はありません。
宇宙には空気はない(風は起きない)ので、これは英断でしょう。

そしていざ惑星の大気圏内にたどり着くと……涼しい風が吹くことで大気に触れた感覚を味わうことができるのです。
もちろん、大気圏内での飛行シーンは風の演出は大判振る舞い。宇宙空間と、大気のある惑星での環境の違いを感じることができるでしょう。

さらには、ここに香りの効果も加わります。
森の多い、美しい大地に降り立ったときの感動もひとしおです。

ちなみに、地上での登場人物の行動も、座席の動きと見事に同期しています。
主人公のレイがロープで降りるときの演出は素晴らしいものでした。


〜見どころ(3) フォースを感じられる演出〜

『スター・ウォーズ』シリーズには、「フォース」と呼ばれるパワーが存在しています。
4DXで素晴らしいのは、そのフォースを体感できること。フォースが発動するシーンで、座席が微弱な振動を始めるのです。

これまでフォースは、手をかざして物や人を動かしたりをしていました。
フォースを「受ける側」の感覚を、ダイレクトに体験できるのは4DXにおいてほかないでしょう。
もちろん振動以外の効果もあるので、楽しみにしてみてください。


〜見どころ(4) BB-8のかわいさをさらに感じられる〜

本作には「BB-8」という萌えキャラなロボットが登場します。


もうあざといくらいにキュートでモキュモキュするのですが、4DXではさらにBB-8のかわいらしさを感じられることでしょう。
なぜなら……BB-8はしょぼい電流攻撃をくり出し、そのときに座席の足元がこそばゆくなる演出が起きるから。
このときに「ああ、BB-8はこそばゆい程度のちっちゃな攻撃しかできないんだ!」と思って母性本能がくすぐられまくります。BB-8にさらに萌えたい方はぜったいに体験しましょう。


〜見どころ(5) さらなるシークレット演出も〜

映画のいちばんはじめ、メインタイトルが現れた瞬間に、4DXでしかないとある演出が存在しています
どういうものかは書かないでおきますが、おなじみのメインタイトルにさらなる装飾が加えられたことに感動するファンはきっと多いのではないでしょうか。

スターウォーズのロゴ<これが現れたときにとある演出が……。

さらに終盤にある「水(ミスト)」の演出が最高でした。
どういうシーンかはネタバレになってしまうので書きませんが、最後の最後で4DXを丸ごと体験できたという満足感を得ることができます。


〜3Dよりも4DXをおすすめしたい!〜

さてさて、1ヶ月前に予約を開始した「特別上映回」は2D上映限定だったこともあり、2回目を3Dで観ようかなと思っている方も多いと思います。
今回は、料金を上乗せしてでも4DXを選択してほしいです。

本作の4DXは、3D上映も組み合わさっているもの(3Dメガネが配られる)でした。
3Dはとても自然に使われており、臨場感は抜群、宇宙空間での広がりは存分に感じられます。

その一方で・・・強烈な奥行きを感じるシーン、物が飛び出してくるシーンはあまりなかった、というのが正直なところです。
4DXの数々の演出の興奮に比べると、少々物足りなさを感じてしまいました。

スターウォーズ4DX3<各上映の刺激の度合いはこんな感じ

『PAN ネバーランド、夢の始まり』は3D効果も素晴らしかったので、少なくとも3D、できれば4DXで観てほしいと書いたのですが、今回は4DXのほうをより強く推しておきます。

誤解のないように言っておきますと、3Dの出来が決して悪いというわけでもありませんし、3Dを観て損をするということは決してありません。
ただ、最高の刺激と興奮を得たいのであったら、ぜひ4DXを!と声を大にして言いたいのです。


↓以下にひとつだけ4DXの不満点を書いているので、知りたくないという方はご注意を。

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2015-12-19 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』上映前の『ワンピース』の特別映像を回避する方法を考えてみたよ

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開まであと3日!
「ねぶた」も登場する展示イベントが開催決定したり惑星の名前の由来が高田馬場だと明かされたりと、連日ニュースが大盛りあがりですね。

そして、なんと上映前に『ワンピース』のルフィから応援メッセージが流されることが決定したんだって!AHAHAHAHAHAHA!

ワンピース<こんな感じに応援するってさ。

ドーハの悲劇<どうしてこんなことに・・・。

そうですねえ。これを決定した人は『ギャラクシー街道』を24時間観続ける刑に処したいですね。せめて宇宙に関係する作品にしろ。

これは2016年夏に公開される映画『ONE PIECE FILM GOLD』の宣伝の一環。
『スター・ウォーズ』って金に糸目をつけない宣伝をして大盛り上がりだよね→『スター・ウォーズ』ファンを『ワンピース』に取り込んでさらなるドル箱をゲットしよう!な脳みそがスポンジ以下の大人の会話が聞こえるかのようです。

すごいのがネットのどこを見ても好意的な意見がほとんどないこと。『ワンピース』のファンにすらバッシングされているっていうのがとんでもないな。

『スター・ウォーズ』はファンがとてつもなく多い作品であり「ほかの作品に邪魔されたくない」「ちゃんと頭を作品に切り替えて観たい」という方はとても多い。
上映前に「◯◯の予告編は流さないで!」というすごくよくわかる意見もあるくらいです。



〜ディズニーは(たぶん)悪くないよ〜

こうなると、配給先のディズニーが槍玉に挙げられそうですよね。
これまで「『アベンジャーズ』の吹き替え版の声優をもとのベテランに戻しやがれ!」とか「『インサイド・ヘッド』で一般人の写真を垂れ流してんじゃねーよ!」(でもソフト版では削除されているらしいよ)とか、さんざん映画ファンから怒られてきたのですから。

だけど今回のは上映前の宣伝なので、企画立案者は『少年ジャンプ』の集英社か、映画の配給元の東映か、広告代理店のどれかです(ディズニーの上層部がこの案を受け入れたのかもしれないけど・・・)。

それどころかディズニーはちゃんと『スター・ウォーズ』ファンに配慮してシンデレラ城のオープニングを全カットさせることを決定しているのです。

ディズニーロゴ<雰囲気が違うのでこれはありません。

伝統的な20世紀フォックスのオープニング(ファンファーレ)がないのは残念ですが・・・
日本語吹替版のキャストが公開日になるまで発表されていないのが不安ですが・・・
今回はディズニーはちゃんとしている、悪くないのですよ(たぶん)。


〜回避方法はある〜

このニュースを受けて「死んでも『ワンピース』の応援など聞きたくない」という方も多いでしょう。
じつは、確実な回避方法が存在しています。

じつは、18日18時30分の特別上映回では本編から上映開始のため、予告編は流れない、この応援メッセージは観ずにすむ(はず)です。
すでにチケットはほぼ完売済みなのですが・・・つくづく予約できた方がうらやましいな(時間に遅れないようにね)。

さらに、ニュースでは『ワンピース』の特別映像はTOHOシネマズとT・JOYの劇場限定だと明記されています
それ以外の劇場で観れば、まず間違いなく回避できるでしょう。
TOHOシネマズのうち、日劇、スカラ座、渋谷、六本木ヒルズ、日本橋、新宿、梅田、なんば、西宮OSは2000円の特別料金になっているしね。


〜そもそも気にしないという方法〜

これはあくまで映画の告知にすぎず、本編にはまったく影響しないもの。「気にしなきゃいい」というのがもっともわかりやすい解決方法です。

ソースは不明ですが、「単純に新作映画の予告の一部である」という意見もあります。


個人的には、エンドロールで流れる日本版主題歌で余韻が台無しにされるよりも、映画の前に余計なもんがくっつくほうがまだマシだともちょっぴり思います。

応援の内容も「『ワンピース』のキャラが『スター・ウォーズ』っぽいコスプレをして映画を観に来る」で、一応作品に寄せてきていますしね。まあこれは余計に両方のファンの反感を買いそうだけど。


〜物理的シャットアウトで回避〜

『インサイド・ヘッド』の「一般人の写真垂れ流し」は、「目を閉じればドリカムの主題歌が聴こえるだけですむ」という物理的な回避方法がありました。

しかし、今回はルフィが「『スター・ウォーズ』頑張れよ!」と聴覚に訴えてくることは↑の画像でほぼ当確です。

とあれば、これはもう方法はひとつしかない。耳栓を持参で


『ワンピース』の予告編が流れ始めたら耳栓をして、目を閉じれば応援メッセージを聞かなくて済むでしょう。

もしくは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の上映時間は2時間16分なので、上映終了時間から逆算して、予告が終わるタイミングで耳栓を取って目を開ければいいかもしれない(時間が確認しにくいけど・・・)。


しかし『インサイド・ヘッド』といい、『進撃の巨人 前後篇』といい、『リアル鬼ごっこ』といい、『ファンタスティック・フォー』といい、今年の映画界は炎上騒動だらけですね・・・。

そんな中、『珍遊記』の実写化決定に「史上最低の糞映画にしろって言ったのに、なんでこんなに面白くしたんだ バカヤローッ!!◯◯の巨人の監督に撮り直させろーーッ!!!」と怒っている漫☆画太郎先生は本当に素敵だと思います。



※追記
よく見ると、元の記事に『スター・ウォーズ』の権利表記がついていないことに気づきました。
これね→(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

権利表記はほぼ慣例上のもので、許可を取ったことを示すものではないのですが・・・これはルーカルフィルム側に許可を取っていない可能性が高い
↑の画像はなんとなくそれぞれがマスターの服やダースベイダーやチューバッカっぽい格好をしているけど、完全に作品のものを使っているとは言い難い。
ルーカス監督は著作権侵害で訴訟をした(敗訴したけど)こともあるので、今回の騒動をルーカスが聞けば、ひょっとすると直々に取り下げを願う、または訴訟に発展する可能性もあるかも・・・。

(C)尾田栄一郎/2016 「ワンピース」製作委員会

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2015-12-15 : いろいろコラム : コメント : 12 : トラックバック : 0
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『Mommy/マミー』ラストの選択は愛か希望か? 2通りの考察(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

遅ればせながら、現在DVD/Blu-rayが発売中のMommy/マミーの感想です。

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個人的お気に入り度:8/10

一言感想:この法律がなくてよかった・・・のかも

あらすじ


とある架空のカナダで―
発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律「S-14法」案が可決された。

シングルマザーのダイアン(アンヌ・ドルヴァル)は、注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子・スティーヴ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)とふたりで生活していた。
ダイアンは勝手なスティーブの行動に振り回されてばかり。
そんな折、ふたりはとなりに住む高校教師・カイラ(スザンヌ・クレマン)と知り合う。




本作の監督はグザヴィエ・ドランという、まだ26歳の超・俊英です。
自分は監督の過去作(『マイ・マザー』『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』)を観ておらず、今回が初ドランだったわけですが、これを本当に26歳(撮影時は25歳)が撮ったのかよと疑わざるを得ないです。

その画作り、話運びは洗練されており、巨匠のジャン=リュック・ゴダールにも例えられています(ちなみにドラン監督自身はそこまでゴダール作品に詳しくなく、ヌーヴェルヴァーグもそれほど観ていないらしい)。
じっくりと登場人物の心理をみせるその作風は、テレビで気軽に観られるようなドラマとはまったく違う、まさしく「映画」と呼べる重圧さがありました。


本作『Mommy』で特徴的なのは、画面が真四角であることです。

画面が真四角1<マジでこういう画面構成です。

テレビはだいたい横:縦=4:3、映画はだいたい1.33:1ですが、本作は完全に1:1。目の錯覚で、少し縦のほうが長く見えるでしょう。
これがどう映画に影響するかと問われれば・・・第一印象はすげえ窮屈でした。

このおかげで画は登場人物の顔のアップばかり。
物語が「シングルマザーの母親が、ひどい行動をしてばかりの息子に苦しめられる」ということもあり、観ていてけっこうシンドイものがありました。

しかし、この画面構成にも確かな意図が感じられます。
それは、登場人物の「どこへも行けない」ような閉塞感を表しているかのよう。
顔のアップの画があることで、より表情の変化に注目して観ることができるでしょう。

ドラン監督はこの画作りを「肖像画(ポートレイト)」に例えていました。
肖像画には、「その人」を感じさせる何かのパワーを感じますよね・・・。じっくりと「見つめて」映画を観ることをおすすめします。


映画本編は、本当にツライ(褒め言葉)内容でした。
息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)で、常識はずれのこと、相手の気持ちを考えない行動をしてばかり。
母親はそれでも息子を愛している・・・のだけど、ただ困らされるだけでなく、ときには命の危険をも感じるシーンがあるんですよね。

その鬱屈した環境で・・・「発達障がい児の親が本当に困った状況になったら、法的手続きをせずにその子どもを施設に放り込んでもいいよ」とする、架空の法律が可決されます
母親は、この法律に則り、息子を入院させるか、それとも愛を持って育てるか、の選択をせまられるわけです。

世間一般的には、母親が育児を放棄するなんて、とんでもないことでしょう。
しかしこの映画では、障がい者との生活は、綺麗事や努力だけではどうにもならない、甘いものではないということをこれでもかと教えてくれます。

この映画の息子の行動は、限りなく母親を追い詰めます。
「これなら息子を入院させたくなっても、仕方がないな」と納得できるように、とことん母親をいじめ抜いている作品と言い換えてもいいでしょう。

この映画で思い出したのは、知的障がい児との鬱積した生活を描いた名作『ギルバート・グレイプ』でした。

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売り上げランキング: 5,379

この映画では、ずっと知的障がい児の面倒を見てきた優しい兄が、ついに暴力を振るってしまうというシーンがあります。
そのシーンはあまりにも悲しいけど、その後の映画の展開を観れば、知的障がいの身内を持つ家族へのやさしいメッセージを感じられるのかもしれません。

本作『Mommy』もそれと同様。あえて辛い障がい児との生活を描くことで、世の中の障がい児を持つ親にエールを贈っているように思えるのです。



また、(映画の良し悪しとは関係ないことですが)本作でADHDが誤解されてしまう可能性があります
本作に登場する息子は傍若無人、自分勝手で暴力的という性格ですが・・・これのみがADHDの症状というわけではありません。

ADHDとされるのは、物を片付けることができなかったり、物事の優先順位がつけられなかったり、たまに素っ頓狂な行動をしたりといったことで、その症状の重さもさまざま。
ADHDの人の中には温和な方もいますし、むしろ誰しもがADHDに関わる(そうなっているかもしれない)要素を持っていると言っても過言ではありません。
現に、大人になってからADHDと認定される、いままで気づかなかったという方も多いのですから。

告白すると、自分もADHDの症状を持っています。
忘れ物は多いし、部屋はなかなか片付けられないし、注意力は散漫だし、優先順位をつけるのなんか下手くそ中の下手くそです。
だけどこの映画の息子のように、人を殴ったりなんかしません。

この映画のADHDも間違いというわけでもないのですが、「こんな暴力的になるのがADHDの症状なんだ」「怖いな」と思ってほしくはないのです。
症状に苦しみ、なんとか社会生活で生きていこうと頑張っている方もいるのですから。

↓ADHDについて知りたい方は、以下のサイトをおすすめします。
<ADHDとは?|どんな症状なの?|大人のためのADHD情報サイト>



本作はとても好き嫌いの分かれる内容だと思います。
「親と子のかけがないのない愛!」なんてハートフルな映画ではありません。
楽しい映画を期待する人にはもちろん向かないし、息子だけでなく母親の行動にも不快感を覚える人も少なくないでしょう。

それでも自分は、本作を発達障がい者が身内にいる家族に観て欲しいです。
結末も含めて賛否両論ではありますが、このラストだからでこそ見えてくるものがあるはずです。

なお、はじめに26歳の俊英監督!と書いてしまいましたが、ドラン監督は「“若手”という形容によってイメージが限定されてしまうのは嫌なんだ」とインタビューで答えています。
本作は一切の先入観なしに、純粋な「母と子のドラマ」に期待して観るのがいいのかもしれません。

「涙のクライマックスが2回来る」という触れ込みは伊達ではありません。
辛いけれど、心に響く映画を観たい方におすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ちょっと性的なことも書いているのでご注意を。

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2015-12-13 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『独裁者と小さな孫』まさしく絶望の旅だった(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は独裁者と小さな孫(英題:The President)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:平和でいられないのかな・・・

あらすじ


独裁政権化のどこかの国で……。
大統領は国民から搾取した税金で贅沢な暮しをし、多くの罪なき国民を処刑してきた冷酷で無慈悲な男だった。
そんなある日クーデターが勃発。大統領への報復を狙う民衆たちは暴徒化する。
全国民から追われる身となった大統領とその孫は、貧しい床屋からボロボロの服を奪い、旅芸人のように振る舞いながら、逃亡を図る。




キシュ島の物語』『カンダハール』のモフセン・マフマルバフ監督最新作です。

本作『独裁者と小さな孫』の物語は「大統領のおじいちゃんと小さな孫が、独裁政権がひっくりかえったので逃亡する」と、ド・シンプルでした。

<before>
独裁者1<権力で街中の光を消すことができるぜ!

<after>
独裁者2<NO 権力(しかも賞金首)

いわゆるロードムービーもの、孫は女の子に変装しても違和感がないほどにかわいいので、きっと楽しいシーンもあるんだろうな〜と思っていたらすみませんめちゃくちゃ鬱になります

いやね、この映画の大統領は「わしらがいちばん偉いんじゃー」「歯向かうものは即処刑するんじゃー」とほざいているクズなので、民衆に復讐されたら「ざまあ」な感情がちょっとは目覚めるかと思ったんです。

でも違いました。ふたりの道中はこの世の地獄なので、「もうやめてあげて」な気持ちにいっぱいになります。

周りは大統領を恨んでいるので全員敵!
懸賞金をかけられたので誰も信用できない!
昔の仲間は見るも無残な姿になっている!
しかも人生の希望を根こそぎ奪われるシーンまであるので、Let's ネガティブ シンキン☆がしたいときにはぴったり(?)な映画です。

直接的な描写が避けられているとはいえ、PG12指定は大納得。
今年公開された『ハーモニー』とセットで観れば、この世の絶望をたっぷりと味わえることでしょう。

本作で思い出したのは、戦争でひどい状態になっても、息子にやさしいウソをつき続ける父親の愛を描いた『ライフ・イズ・ビューティフル』でした。

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感動大作として語られることが多い作品ですが、個人的にはこれが超落ち込む映画だったんですよ・・・。いや、もちろん『大統領と小さな孫』よりはまだ希望があるのですが。


本作をオススメできるポイントは、架空の独裁政権下の国を舞台にして、寓話的に戦争と平和という題材を描いていること。
戦争映画の中には、お偉いさんたちの会議シーンが退屈(←頭の悪そうな発言)だったり、実際の歴史を知っていないと楽しみにくいという場合もあるのですが、本作にはそんな心配は無用です。
大統領と孫のふたりの目線での旅を描いているので、とても感情移入がしやすい内容でした。
(PG12指定ですが)子どもにも十分理解できるでしょう。

戦争のエグさをわかりやすく描いているという点では、秀作『猿の惑星:新世紀 ライジング』も思い出しました。


なお、マフマルバフ監督は「芸術(映画)が世の中に変化を起こすことができる」という確かな信念を持っているお方です。
それは、監督の経歴を見ても納得できます。
15歳で地下活動に参加し、17歳より4年半獄中生活を送る。
亡命生活を続けながら10カ国を渡って映画を製作。
祖国イランで作品の上映が禁じられても、たとえ殺されかけても、自分の作りたい映画を撮っているのですから・・・。

本作で主張されているのは、独裁政権を潰したからって平和になるとは限らないという、世の中の真理、そして地獄です。
映画を観れば、本作『独裁者と小さな孫』の中に、監督のメッセージがぎっしり詰まっているということを感じられるはずです。


本作をオススメしにくいポイントは、単純に鬱になりまくる映画であるということ。
公式サイトなどでは「極限の中にもユーモアがある!」と書かれおり、まあ確かにクスッと笑えるシーンもあるんですが、それは映画のごく一部のみ。実際は地獄のような描写が大半です。
デートで観たら、その後の食事が無言になるレベルでキッツいので、心身ともに健康なときに観たほうがいいでしょう。


また、本作は冒頭部分がとても秀逸。ここから一気に映画に引き込まれました。


※ある意味ネタバレなので注意。

ここから不安な未来を否応もなく想像しますが・・・「それ以上」のことがやってくるでしょう。

上映劇場は決して多くはないですが、近くにお住まいで、心にガツンとくる映画を求める方、世界平和を考えたい方に、ぜひおすすめします。

以下、中盤の展開と結末だけネタバレ↓ 鑑賞後にご覧ください。

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2015-12-12 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』ダメ人間応援映画だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はI LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIEです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:『ピーナッツ』が好きでよかった!

あらすじ


チャーリー・ブラウンは、いつも周囲にからかわれ、飼い犬で親友のスヌーピーにもあきれらているダメダメな男の子だった。
そんなチャーリーは、転校してきた赤毛の女の子に一目ぼれするけど、声をかけることすらできないでいた。
一方、スヌーピーは空想の中でパイロットに成り切って、かわいいパリジェンヌとの大空でのデートを楽しむのだった。




本作については、まずは原作の『ピーナッツ』を紹介せねばなりますまい。

スヌーピーの50年  世界中が愛したコミック『ピーナッツ』 (朝日文庫)
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原作は1950年から連載開始と歴史は古く、世界75カ国の読者を持ち、発行部数は4億部とも言われる、世界中で愛されているコミックです。
日本ではスヌーピーというタイトルでメインに紹介されている傾向がありますが、もともとの漫画のタイトルは『Peanuts』であり、スヌーピーはそのキャラクターひとりなのです。

何よりの特徴は、哲学的な考察や、人生を語るシーンが満載なこと
登場人物のすべてが子どもなのですが、その内容はもはや大人向けのよう。その至言の数々は以下のまとめを読めばわかりやすいでしょう。
<とても深いスヌーピー名言集。辛い時に読んで元気をもらおう!-カウモ>
<スヌーピーの名言がすごく深かった | Ciatr[シアター]>

小学生がこんなこと言うかよ!と思うところもありますが、それも含めて『ピーナッツ』の魅力です。

「ライナス」というキャラクターが毛布を持っていることは、ライナスの毛布という名で精神分析に用いられていますし、いまでも創作物に影響を与え続けています。


そして本作『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』の何が魅力的って、原作の再現率の高さにほかなりません
3Dになっても、キャラクターのイメージはまったく損なわれていません。
にわかファン(自分含む)でも、「あ、あのシーンだ!」とわかる要素が満載です。

具体的な原作再現シーンはネタバレ↓に挙げますが・・・ひとつあげるとしたら、チャーリー・ブラウンのセリフである「Good Grief(やれやれ)」ですね。

good-grief.jpg※出典はこちら

そのほかにも、映画には原作でのおなじみのシーンがたっぷり、ギッキリと詰め込まれています。
『ピーナッツ』ファンには感涙ものであることでしょう。

しかも、原作にないプラスαの要素もあります。
たとえば、原作ではシルエットだけの登場であった「赤毛の女の子」は、本作では重要な役割を与えられています。
アニメ版からビジュアルも新しくなり、チャーリーが惚れるのがめっちゃ理解できるかわいらしさになっています。

赤毛の女の子<アニメ版の赤毛の女の子。出典はこちら

本作が優れているのはそこだけじゃありません。
原作のエピソードを入れつつも、ダメ人間を応援する物語としてもほぼ完璧な仕上がりです。

チャーリーは何をやってもダメダメな男の子で失敗ばかり。
だけど彼にもとりえがある・・・そのとりえってなんだろう?と、「大切なこと」を探す物語にもなっています。
ぜひダメ人間を自覚する人こそ(自分を含む)に観てほしいですね。


この際、魅力的なキャラクターたちも予習しちゃいましょう。

PEANUTS ビーンズコレクション チャーリー・ブラウン ぬいぐるみ 座高 約14cm<チャーリー・ブラウン
真面目で不器用だけど、諦めない心を持ってがんばる男の子。

Schleich シュライヒ スヌーピー(歩) 22001<スヌーピー
チャーリーをたまに冷たくあしらう、こわいもの知らずのビーグル犬。

SNOOPY ウッドストック ギガジャンボふわふわぬいぐるみ<ウッドストック
タイプも打てる渡り鳥。考えかたはふらふらしていていいかげん。

【スヌーピー】 ビーンズコレクション/サリー<サリー
チャーリー・ブラウンの妹。手軽な解決方法を選びがちな女の子。

PEANUTS ビーンズコレクション ルーシー ぬいぐるみ 座高 約14cm<ルーシー
いたずらっ子で小言屋。自分のやり方がいちばん正しいと思っている女の子。

UDF(ウルトラディテールフィギュア) PEANUTS シリーズ4 LINUS ノンスケール PVC製塗装済み完成品<ライナス
ルーシーの弟で、ピーナッツタウンきっての知性派。サリーに一方的に好かれている。

enesco PEANUTS DESIGNS BY JIM SHORE フィギュア ペパーミント パティ -Fun Friend- #4044682<ペパーミント パティ
チャーリーのことを「チャック」と呼ぶ、おてんばな女の子。授業中は居眠りばかり。

Enesco(エネスコ) Peanuts by Jim Shore Marcie Personality Pose 4049407 [並行輸入品]<マーシー
面倒見のいい女の子。なぜかペパーミント パティのことを「先輩(sir=男性に対する敬称)」と呼ぶ。

Department 56 Peanuts Village Schroeder/Snoopy's Christmas Decorative Accessory, 1.97-Inch [並行輸入品]<シュローダー
グランドピアノで大好きなベートーベンを弾いてばかりの男の子。ルーシーに一方的に好かれている。

The Dirt on Pigpen<ピッグペン
いつもほこりだらけの男の子。汚れていると幸せ。

個人的にペパーミント パティのキャラが大好きでしょうがなかったなあ・・・アニメではちょっと真面目なところを見せていたのですが、原作では男勝りで破天荒な女の子なのです。


本作『I LOVE スヌーピー』で多くの方が首をかしげるであろうことは、チャーリーの成長物語と、スヌーピーが空想の中で大冒険をするという物語が交互に展開することでしょう。
ぶっちゃけ、スヌーピーの空想パートがなくても物語は成立しちゃっています(この内容で「I LOVE スヌーピー」って言っていいのかよ!)

これはじつはファンサービス。原作のスヌーピーは自分を犬だとは思っておらず、宇宙飛行士や弁護士にだって、何にでもなれてしまうというキャラクターなんです。(ただし思い込みだけ)
スヌーピーが飛行士のフライング・エースとなり空を飛ぶシーン(だけど空想)は、原作では超おなじみです。

39ピース クリスタルパズル スヌーピー フライングエース<よく出てきます。 UDF PEANUTS シリーズ3 JOE COOL(ノンスケール PVC製塗装済み完成品)<変装「ジョー・クール」

A Peanuts Book Special featuring SNOOPY―スヌーピーの133面相<本にまとめられるほどスヌーピーはよく変装します。

フライング・エースのシーンは、ただファンサービスというだけでなく、3Dで見栄えのあるアクションシーンを作るということにも一役買っています。
でも、スヌーピーの冒険はチャーリー・ブラウンの成長物語には直接関与しないんですよね。この点で「スヌーピーの話はなんだったんだ?」と思う人は少なくないはずです。

ただし、この直接的にスヌーピーの空想が物語に関与していなくても、影響は与えているのではないか?と思うシーンもあります。
それを示しているのは、スヌーピーの空想が出るタイミングと、エンドロール後の1シーンでしょう。
最後までじっくりと観ることをおすすめします。

また、上映時間が90分未満で、映画としてのボリュームが少ないことも欠点かも。
よくも悪くもこじんまりとした話なので、大感動の物語なんかを期待すると、ちょっと肩透かしに感じてしまうのかもしれません。
小さい子には、これくらいがちょうどよいとも思えるのですけどね。


さて、本作『ピーナッツ』に触れている人にとってはもう感涙ものの内容なのですが・・・
反面、原作を知らない、だけどスヌーピーやチャーリー・ブラウンというキャラクターは見たことがある、という人も多いことでしょう。

そんな人にも、本作をぜひ観て欲しいですね。
これは「一見さんお断り」なんてことはまったくなく、『ピーナッツ』に初めて触れる人にでもその魅力を存分に伝えられている内容なのですから

原作の持つ皮肉や辛辣さは多少マイルドにしつつも、人生に必要なことばや出来事にあふれている・・・
そんな原作のリスペクトと、長編映画のおもしろさを両立させていることに感動しました。

ちなみに、本作は海外でも日本でも、正真正銘の「G(全年齢)指定」です。
アメリカのPG指定(子どもの鑑賞には、保護者の指導を推奨)は『Mr.インクレディブル』や『インサイド・ヘッド』にも付くほどに厳しいものですが、本作では暴力シーンもキスも何もないために、マジの全年齢指定なのです。
ちょっと登場人物がイジワルなことをするシーンもありますが、親御さんは安心してお子さんを連れて行けるでしょう。


さてさて、本作でSTAND BY ME ドラえもん』を連想する人はきっと多いと思います。
世界中で愛されている漫画が原作だったり、3D映画だったり、主人公がダメ人間だったりと、共通点がものごっそい多いですから。

【早期購入特典あり】STAND BY ME ドラえもん(ブルーレイ通常版)(映画ドラえもん35周年記念・ドラえもん35体イラスト入り特製クリアファイル付き) [Blu-ray]<賛否両論ありすぎた作品

『STAND BY ME ドラえもん』は「ドラ泣き」というイラっとするキャッチコピー、ドラえもんを強制的に子育てさせるオリジナル要素「成し遂げプログム」、エピソードの構成上のび太がわりとクズにしか見えないという、原作ファンや映画ファンから大いに嫌われた要素が満載でした。
さらにエピソードも「名作」「泣ける」ものに固まっており、まるで短編の連続のようで、「長編映画としてそれはどうなの?」と感じるところもありました。

しかし、この『THE PEANUTS MOVIE』はまったく違います。
「チャーリー・ブラウンのお人よしで頑張り屋」なエピソードを中心に、「ダメ人間の努力と成長」がわかるようにエピソードが積み重なり、それぞれがラストへの伏線になっています。

このあたりは民朗さんのラジオ批評でより説得力を持って理解できるようになっているので、ぜひ聴いてみてください。
<第78回映画批評 『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』 原作への❝愛❞と❝理解❞は似ている様で違うんだ!: ホラーショー!民朗の観たまま映画批評>(ネタバレあり注意)


個人的には、字幕版もぜひおすすめしたいところ。
日本で出版されている原作コミックは「英語+日本語訳」という形態ががおもなので、字幕版だとより原作らしさを感じられますし、英語がものすごく聞き取りやすいので勉強にも役立ちそうです。
まあ、以下の6劇場でしかやっていないのですが・・・。どっちにしろミスマッチな日本語版主題歌が流れちゃうし・・・。
【東京】TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、新宿バルト9、立川シネマシティ
【兵庫】OSシネマズミント神戸
【千葉】シネマイクスピアリ
【沖縄】シネマライカム

2Dで観たのですが、ちゃんと3Dを意識した画がある反面、そのシーンはそれほど多くありません。
今回は2Dで十分満足できるかもしれませんね。

そんなわけで、本作は『ピーナッツ』およびスヌーピーのファン、心がほっこりするアニメを家族で観たい方、カップルにも文句なくおすすめできます。
重ねて言いますが、エンドロール後までしっかり観ましょう!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-12-11 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』日本版の宣伝&絢香の主題歌がミスマッチな理由

現在公開中の『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』が大・大・大好きすぎて語りたいことがいーっぱいなのですが、まずは日本版の宣伝について、少し文句を言いたいです。
映画本編から受ける印象と、少々齟齬があるぞ、と。

以下のポスターをごらんください。

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE (ムビチケオンライン券)

ごらんの通り、スヌーピーとチャーリー・ブラウンがなごやかな笑顔でハグをし合うというビジュアルです。
かわいく、ハートフルで、友情を感じられそうな映画に思えますね。
本作のテーマは「絆」であると堂々と掲げてもいます。

じつはこれ、日本版オリジナルのポスター(もととなるビジュアルもあり)なんです。

一方で、海外版は以下のようなビジュアルになっています。

Peanutsposter2.jpg ThePeanutsFrenchPoster1.jpg snoopyposter1.jpg 

こちらは、どちらかと言えば「みんなでバタバタするコメディ」な印象ですよね。

実際に映画を観てみると、日本版のポスターおよび、「絆」というテーマ、「みんな、誰かのだいじ。」というキャッチコピー、「I LOVE スヌーピー」という邦題は、あまり的を射ているとは思えませんでした。

海外版のポスターのほうが、映画の内容を的確に表しているように思えます。

その理由を以下に書いてみます。

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2015-12-10 : いろいろコラム : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『デジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」』構造的欠陥を抱えた作品?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

ちょっと遅れましたが、今日の映画感想はデジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:ファンに後ろ足で砂をかけているような……

あらすじ


八神太一ら「選ばれし子どもたち」が、異世界・デジタルワールドへ渡ったあの夏の冒険から6年が経った。
突如、お台場の街にデジタルモンスターが出現し、街は破壊され、人々は大混乱に陥ってしまう。
モンスターを見かけた太一は、その暴走を止めるために単身その姿を追いかけるのだが……。




※今回はほとんど否定的なことばかり書いているので、作品が好きな方にはごめんなさい。

絶大な人気を誇っていた『デジタルモンスター』のアニメ版、『デジモンアドベンチャー』の最新作です。

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テレビアニメの1期は1999〜2000年、2期は2000〜2001年に放送されていたので、約14年ぶりの復活になるわけですね。
なんとこの『tri.』シリーズは全6章構成。一応劇場版の体裁を取っていますが、第1章の上映からわずか1ヶ月後にソフト版が発売されるという展開がされています。

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※12月18日発売、作品のためになるレビューあり。

過去作と異なるのは、小学生だったメンバーが、高校生に成長しているということ(しかも、第2期の最終話のラストシーンへと繋がる物語となっている)。
これはリアルな時間の経過と、作品のテーマを絡めた大傑作『トイ・ストーリー3』を彷彿とさせたので、期待していたのですが・・・。
正直、かなり残念な結果でした。本作にはどう考えてもアツくなれない、構造的な欠陥があると思います。
その理由を以下に書いてみます。


(1)主人公が戦いに消極的
主人公・太一は高校生になり、友人たちのスケジュールが合わないことなど、「大人になったこと」「どうにもならないこと」へのジレンマを抱えています。
さらに太一は街を破壊するモンスターに遭遇し、何にもできないと知りながらそれを追いかけます。
今回は、主人公が「ひとりでは何もできない存在」になっているというわけですね。

そうであったら、彼が再び仲間たちや、いっしょに冒険をしたデジモンたちに再会して、「もう一度みんなで戦おう!」な展開があってしかるべき・・・なのですがそんなふうにはならなかったです。
この主人公がけっきょくウジウジしてばっかりというのは、誰が得する展開なのでしょうか。


(2)「再会」のシーンをないがしろにしすぎ
『デジモンアドベンチャー』の主要キャラは8人います。パートナーのデジモンを含めれば16キャラです。『ドラえもん』の5人とは比べものになりません。
全6章もあるんだから少しくらい出し惜しみをしてもいいと思うんですが、今回で全員出てきてしまいました

それは「再会」というタイトルなんだし、1作目で一挙登場にするファンサービスだとは納得できます。でも・・それにしては再会シーンがやっつけで愛を感じられませんでした。
いくらキャラが多いからって、これはない。それぞれの活躍も描き切れているとは言えません。
このタイトルに期待しているファンほど、不満を感じるのではないでしょうか。


(3)進化シーン、フラッシュバッグを繰り返しすぎ
本作では、デジモンのキャラごとに尺を取ってそれぞれの進化シーンをバッチリ見せます。
デジモン進化〜◯◯!→デジモン進化〜◯◯!→デジモン進化〜◯◯!→と繰り返されます。
「もうええわ」な気分になるのは当たり前です。

まあそれはファンサービスだからまだいいよ。だけど太一の「街が破壊されちゃった!」というフラッシュバックを連発するのはマジでやめてよ。


(4)戦闘シーンがおもしろくない
バトルでは「デジモンたちの必殺技が効かない!」というパターンがやけに多いのですが、その解決方法を模索することがほとんどありません。
技名を叫ぶシーンがなく、人間たちが機転を利かせるシーンも少ないため、どうにも盛り上がりません。


(5)新キャラに魅力がない
『tri.』で初登場となる新キャラまでいるのですが、本作だけでは単なる不思議ちゃんであり、なんの魅力も感じられません。


要するに、主人公がウジウジしすぎ、「再会」というタイトルに見合うアツいシーンがないのです。


いいところもあります。
バンド活動をしていたり、受験生になっていて将来を考えなくてはならなくなっていたりなど、キャラの変化がわかるのは素直にうれしいですし、(1)に描いたような太一のウジウジも理解はできるようになっています。

お台場周辺のシーンが多いため、ちょっとした観光気分も味わえるだけでなく、「知っている場所にデジモンが現れる」という画の魅力にもなっています。

あとはやっぱり超名曲の主題歌「Butter-Fly」が復活したことですね。

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ちょっと歌い方が原曲と異なっていたりと、評判は決して芳しくはないのですが、ここは素直に和田光司さんの活動再開を喜びたいです。


前作から6年後という設定を踏まえ、まだガラケーの時代になっているのもいいですね。
2000〜2001年から6年後→2006年前後はまだガラケー全盛期。LINEもなくて、みんなメールで連絡を取っている。
現実の時代に完全に合わせるのではなく、『デジモンアドベンチャー』という世界観を大事にした時間経過を描いているのです。

そういえば、『ガラスの仮面』で主人公が年を取っていないのに、携帯電話や薄型テレビが出てきたのにゲンナリしたなあ・・・。1970年代の連載初期は、ガチャガチャとダイヤルを回すタイプのテレビだったのにね。


また、批判意見の多い声優の入れ替えと、キャラクターデザインの変更は、個人的には問題ありませんでした。

プロの声優さんはちゃんと役に合った演技をされています。
少年たちは当然「声変わり」をしているわけですし、そのままのキャストではむしろ違和感たっぷりになってしまうでしょうしね。
参考→<【インタビュー】花江夏樹×細谷佳正インタビュー『デジモンアドベンチャー tri.』に出演 | TV LIFE>

キャラデザインは熱心なファンほど「誰だお前」な感じになっちゃっているようで・・・。ニコニコ動画ではもとのキャラっぽくした動画が投稿され、大賛同を受けている状況です。



正直に言うと、自分は『デジモンアドベンチャー』にそれほど思い入れがあるわけでもありません(何話か観た程度)。
でも初代『デジタルモンスター』(電子玩具)で遊んでいましたし、細田守監督による『ぼくらのウォーゲーム』は大興奮した作品だったんです。

デジタルモンスター Ver.1 (ブラウン) デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!/デジモンアドベンチャー【劇場版】 [DVD]<どっちもいい思い出

そのため、少しでも知っているキャラの成長と、作品のおもしろさの両方を期待していたら・・・どっちもダメだったというのはやはりガッカリでした。

そもそも、『デジモンアドベンチャー』はどちらかといえば「明るく夢のある子ども向けアニメ」だと思うんです。
そこに重くるしい大人向けの題材を持ち込んだのは一種の冒険なのでしょうが・・・やはり観客のニーズにはマッチしていないでしょう。

また、本作では固有名詞や、キャラを知っていることを前提としたセリフがあるために、一見さんにはやや取っつきづらい印象があります。
『デジモンアドベンチャー』という作品はいまや少しマニアックな位置付けに思えていたので、この復活を機に、作品を知らない方にも作品の魅力をアピールできれば・・・と勝手に考えていたのですが、これではそれも叶わないでしょう。ていうか最近は妖◯ウォッ◯のひとり勝ちすぎるんだよ。


まあでも、まだ全6章のうちの1作目です。
これから主人公の成長が描かれるというのならこのウジウジっぷりも納得できるし、↑に描いたような不満点なんかどこぞに吹き飛んでしまうのかもしれません。
しかし・・・全6章も付き合うというのは、ファンにとっても(期間的にも金銭的にも)ちょっと躊躇してしまうかもしれませんね。

『デジモンアドベンチャー』好きにも、そうでもない人にも微妙な作品ですが、過度に期待をしないぶんにはオススメします。
エンドロール後にもおまけがありますよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 今回は短いです。

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2015-12-06 : 旧作映画紹介 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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2015年12月の気になる映画一覧(マイナー推し)

2015年があと1ヶ月で終わるってどういうことなの・・・(困惑)。

そんなわけで12月の気になる映画一覧です。以下も参考にしましょう。
<2015年12月公開で観たいと思っている映画の覚え書き|三角絞めでつかまえて>

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2015-12-05 : 月ごとの気になる映画 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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『007 スペクター』亡霊から逃れられるか?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は007 スペクターです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ボンド成長しねえ!

あらすじ


「死者の日」で賑わうメキシコシティ。諜報部員のジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、その場所で「青白い王」というコードネームを耳にする。
その後ロンドンに戻ったボンドは、マネーペニー(ナオミ・ハリス)に渡された回収物から、一部が焼け落ちた写真を見つける。
そこには、少年時代の自分と、育ての親、そして焼け焦げて判別ができない義理の兄が写っていた。




ダニエル・クレイグ版『007』の第4作目です。

いままでの作品レビューはこちら↓
<けっこうダメダメな新生スパイ「カジノロワイヤル」ネタバレなし感想+お気に入りシーン>
<悲しい死神男・ボンド「慰めの報酬」ネタバレなし感想+お気に入りシーン>
<新しい世代「スカイフォール」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー>
※それぞれいちばん下に「いいこま」さんからのタメになるコメントをいただいているので、そっちも読めばいいと思うよ!

ダニエル・クレイグは出演作は4作ながらも、もう9年もジェームズ・ボンドを演じています。
ロジャー・ムーアは7作品でボンドを演じ、その活動期間は13年でした)
もしかすると、ダニエル・クレイグは過去最長のジェームズ・ボンドになるかもしれません


さてさて、本作『スペクター』は前3作品を総決算する集大成のような内容になっています。
前作までの伏線なども回収されていることですし、最低限『スカイフォール』を観ておいたほうがより楽しめるでしょう。

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しっかしまあ、ダニエル・クレイグ版のボンドはのび太なみになかなか成長しませんね。
いままで散々無鉄砲さが怒られていたのに、今回も相変わらずじゃねーか。
※こちらのエントリーもどうぞ→<“『007 スペクター』を楽しむための7つのポイント”の記事を書きました>
でも自分は、この(よく言えば)人間臭いボンドのキャラがけっこう好きだったり。
いままでのスケコマシっぷり(今回もたいがいですが)、ひょうひょうとしすぎているボンドよりは感情移入しやすいと思います。


ポイントとなるのは、過去シリーズで登場していた組織「スペクター」が復活していること。
「Spectre」とはSpecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortionの略。
「Specter」と綴りが異なっているのは、イギリス英語であるから(colorをcolourと書くことなどと同じ)です。

その意味は「亡霊」ですが、物語を観終わってみるとそこには何かしらの「含み」があるように感じられれるのではないでしょうか。
スペクターは単なる組織の名前というだけでなく、作品のテーマにも深く関わっています

また、主題歌の「Writing's On The Walls」のタイトルは、旧約聖書の言葉で「悪い兆候」を示しています。
参考→<writing on the wall|瑠璃の壺>
作中には「ある名前が」実際に壁に描かれるシーンもあったり・・・こうしたメタファーが多分に込められているのは、作品の大きな魅力ですね。

※以下の意見をいただきました。
まず真っ先に良いとこを挙げるならやはり絵作り。今作も素晴らしいと思います。
撮影監督がロジャー・ディーキンス氏からホイテ・ヴァン・ホイテマ氏に代わってどうなるかなと思いましたが
スペクターの夜会に続くあの夜のローマの不気味な感じ、死者祭のメキシコシティのあの迫力
そしてインターステラーでも思いましたが、ホイテマ氏は雪や氷を撮るのが物凄く上手いと改めて思いました。
上手く説明できないのが悔しいんですけど、あの独特の白さには何とも言えない美しさを感じてしまいます。
もちろんスカイフォールから続投しているサム・メンデス監督の力量もあるんでしょうけど。



はっきり言ってしまうと、本作はシナリオのほうはあんまりよろしくありません。ツッコミどころは満載です。
具体的なツッコミポイントは以下に書くとして・・・これではせっかくのお金をかけたアクション、クリストフ・ヴァルツ演じる悪役の魅力も削がれてしまうように感じます。
(サム・メンデス監督ならではの人物描写、奥深い意味が込められたシーンもたっぷりあるので、決して物語の底が浅いというわけではありません)

また上映時間が2時間半近いために、中だるみが否めないのも欠点かもしれません。
全体のボリュームからすれば、しかたがないことでもありますけどね。

オールドファンにはニヤリとできる描写もあり。
過去作を知らなくてもアクションだけでも見応えあり。
やはり莫大なお金をかけただけのことはある、大作映画としての充実感は存分にあり。
もちろん、おすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ツッコミどころのほうが多くなってしまいました・・・この映画が好きな人にはごめんなさい。

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2015-12-04 : 映画感想 : コメント : 18 : トラックバック : 0
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『グリーン・インフェルノ』意識高い系の学生を踊り喰え!(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はグリーン・インフェルノです。
※18禁の映画なのでクリック注意

個人的お気に入り度:6/10

一言感想:これはひどい(褒め言葉)

あらすじ


意識の高い学生が、アマゾンの奥地で、食人族に、出会った~(下條アトム風ナレーション、18指定の特別映像より)




『キャビンフィーバー』『ホステル』のイーライ・ロス監督最新作です。

キャビン・フィーバー [DVD] ホステル 無修正版 コレクターズ・エディション [DVD]


監督がいかに変態かはいままでのホラー作品を見ればよくわかるでしょう。
本作『グリーン・インフェルノ』だけでも「みんなが食人族に食われまくる!キャホーイ!コワーイ!」な作品になっているので、まあやっぱりあたまがおかしいことがよくわかりますね(笑顔)。


本作には、伝説的ホラー映画『食人族』へのオマージュが込められています。



<ジャケットは(Tシャツ画像だけでも)グロくて見せられないよ!>

まあどのように伝説かって・・・そのジャケットの衝撃度(もちろん作りもので、これを演じた女性はボーナスをもらったらしい)と、1983年の日本において『E.T.』に次ぐ興行成績を残したことでしょうね。

『食人族』のストーリーは「人の良さそうな大学教授が、アマゾンの奥地へと旅立った若者たちが撮ったビデオを発見した。それを再生するとおぞましい光景が・・・」というもの。映画の中でドキュメンタリー映像を再生するという変わった構成になっています。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に代表される、ファウンド・フッテージものの走りと言っていいでしょう。

で、その『食人族』の映像の内容なのですが・・・食人族が人を食らう描写はほとんどなく、むしろ若者が動物をリアルに殺す描写のほうがはるかにキツい作品となっていました。
みんなのシネマレビューでは「カメさんがかわいそう」「カメさんが〜」という阿鼻叫喚のコメントが並んでいますが、それもそのはず。カメさんの首をちょん切って、さらに甲羅を剥いだら内臓がばぁ☆という光景がモザイクなしで飛び込んでくるんですから。
監督は「ちゃんと動物は食べたから問題ないよ」と言っていますが、そりゃあ動物愛護団体が怒り狂うってもんです。

作中にはグリーン・インフェルノ(訳:緑の地獄)という言葉が出てきていますし、「食人族よりもそれを脅かす文明人のほうが醜いのではないか」という風刺が込めらていたりもします。
『人食族』と『グリーン・インフェルノ』を見比べてみると、そのスピリットの共通性に気づけるでしょう。

ちなみにDVDで観ると、冒頭で「すっごく高画質にリマスターされたよ!僕もお気にいりだよ!」と監督がうれしそうに語っていてなんだかほのぼのします。


なお、イーライ・ロス監督は『食人族』のほかに『人喰族』『フィツカラルド』『バラカ』『アポカリプト』も意識していたそうです。合わせて観ればいろいろな意味でお腹いっぱいになれるでしょう。

ちなみに『アポカリプト』はライムスター宇多丸がオールタイムベスト1位に挙げている一本。グロ描写満載、白熱の逃亡劇、素人さんたちの演技が尋常じゃないなど、これまた『グリーン・インフェルノ』と共通点が多くある作品なのでオススメですよ(ごく一部の人に)。

アポカリプト [DVD]<マジメな歴史映画かと思ったら、めっちゃグロかったよ!


さて、この『グリーン・インフェルノ』は『食人族』のおとなしさ(?)はどこへやら。食人族がダイレクトにもしゃもしゃと人間(生)を食らうゴージャス☆なホラーに仕上がっていました。

食人族を演じているのは、実際に現地で生活している少数民族“カラナヤク族”の方々。本作の撮影前にみんなが『食人族』を観て、どういうものが求められているかをわかったうえで、撮影に臨んだということです。

みんなの演技が「リアルにこういう食人族が存在しているかも・・」と思わせるものでしたが、とくに族長の女性の目玉を美味しそうに食う演技はアカデミー賞ものの素晴らしさでした。

グリーン・インフェルノ1<彼女はとても美味しそうに人間を食べます

恐ろしかったのが、どう観ても10歳以下の子どもが撮影に参加していること
そりゃまあ本作の完成品を観たりはしていないと思うんですが、道義的にいろいろ問題があるような・・・実際にスタッフは5歳の子どもにまで『食人族』を観せていたらしいし(観せちゃダメだろ)。
でも、子どもを登場させたからでこそ、食人族の「あたりまえの食事」の恐ろしさが、無邪気な残酷性が伝わるというものです。

これらのゲロゲログロンチョこそ、観客が望んでいたものでしょう。
食人族やべー人を食うグロ描写やべーまじで18禁だわー。それでいいのです。


しかし侮るなかれ。
本作はストーリーがわりとしっかりしているうえに、社会風刺も込められていたりもします

序盤の意識高い系の学生の描写はしっかり阿鼻叫喚な後半への伏線になっていますし、食人族に捕まってしまってからの「逃れられない状況」にも説得力を持たせる工夫がされています。
文明人側が何とか状況を打破しようと奮闘する描写もあり、わりとハラハラできるシーンも満載なのです。

社会風刺は、前述の『食人族』と同じく、「食人族よりも文明人のほうが醜いのでは?」という批判(皮肉)です。
スマートフォンのライブ配信とツイッター利用して社会に問題を訴えるという、現代的な手法が取り入れらているのもおもしろいです。
実際に、反政府勢力の指導者の打倒を呼びかける「KONY 2012」という動画は1億再生を記録するほどの話題を集めましたし、現実にありえないことではありません(食人族はいなくなっちゃっているらしいけど)。
参考→<世界を席巻するキャンペーン動画「KONY 2012」に異議アリ!? « WIRED.jp>

そんなわけで、グロいだけかと思っていたら、意外にちゃんとしてんじゃん!という印象もあるこの作品。ホラー映画好きにはぜひぜひオススメしたいですね。


難点は、喰われちゃう学生がわりといいやつだったりすること。
やっぱりホラー映画好きとしては、いちゃいちゃセックスをしているクズカップルを真っ先に殺してほしんですよね(笑顔)。
本作には「これギャグじゃね」と思わせるコメディシーンもあって、けっこう劇場から笑いも起きるんですが、このおかげでちょっと笑いにくくなっているような気がします。


ちなみに新宿武蔵野館では18禁の密林お化け屋敷(入場無料)が設置されています

密林お化け屋敷<外観からもうギリギリ

スタッフの渾身の「緑の地獄」をぜひ体験してほしいですね。
オススメしますよ(ごく一部の人に)。
エンドロール後すぐにおまけがあるので、途中でお帰りなきように。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2015-12-03 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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鬱映画が多くなった個人的音楽映画ベスト10+みんなのシネマレビューでの音楽映画ベスト

ブログ「男の魂に火をつけろ!」さんで開催中の音楽映画ベスト10」に参加します

ベスト懐かしの映画音楽100

音楽映画と言っても、今回対象となるのは「音楽がストーリー上で重要な役割を果たしている映画」だそうで。
「サウンドトラックが名曲」や「主題歌が大ヒット」などではなく、作中の人物たちに音楽が聞こえているものを選べばいいのだとか。

つまりはこういうことですね↓

×(対象外の映画)
『スターウォーズ』『インディー・ジョーンズ』シリーズなどのメインテーマが有名な映画
『ハンナ』『トロン:レガシー』『空気人形』『トゥルー・ロマンス』など、サウンドトラックが名盤だけど「作中の人物に音楽が聞こえていない」映画

◯(ギリギリOK)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』……主人公がカセットテープで音楽を聴いている
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』……主人公がギターをかき鳴らしていた
『鴨とアヒルのコインロッカー』……ボブ・ディランの「風に吹かれて」が物語に重要な存在に
『キル・ビル Vol.1』……敵の殺し屋が口笛でメロディーを奏でていた
『かぐや姫の物語』……クライマックスのあの曲はみんなに聴こえていたよね


よし、よくわかったところでヒナタカ(管理人)の音楽映画ベスト10はこちら↓

1.ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年、ラース・フォン・トリアー監督)
2.嫌われ松子の一生(2006年、中島哲也監督)
3.くちびるに歌を(2015年、三木孝浩監督)
4.アマデウス(1984年、ミロス・フォアマン監督)
5.リリィ・シュシュのすべて(2001年、岩井俊二監督)
6.天使にラブ・ソングを…(1992年、エミール・アルドリーノ監督)
7.ノートルダムの鐘(1996年、ゲイリー・トルースデール &カーク・ワイズ監督)
8.ロッキー・ホラー・ショー(1975年、ジム・シャーマン監督)
9.雨に唄えば(1952年、ジーン・ケリー)
10.プリンス・オブ・エジプト(1998年、サイモン・ウェルズ監督)

↓以下それぞれの作品の短評&泣く泣く選外とした作品&「みんなのシネマレビュー」の音楽映画ベストを紹介。めっちゃ長いよ!

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2015-12-02 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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<2016年下半期>
『聲(こえ)の形』
『スーサイド・スクワッド』
『キング・オブ・エジプト』(吹き替え版)
『君の名は。』
『ゴーストバスターズ(2016)』
『シン・ゴジラ』
『ファインディング・ドリー』

<2016年上半期>
『葛城事件』
『TOO YOUNG TO DIE!』
『貞子 vs 伽椰子』
『ヒメアノ~ル』
『デッドプール』
『アイアムアヒーロー』
『ズートピア』
『クレしん ユメミーワールド』
『バットマン vs スーパーマン』
『ドラえもん 新・日本誕生』
『X-ミッション』
『オデッセイ』

<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』
『アメリカン・スナイパー』

<2014年下半期>
『ベイマックス』
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『MONSTERZ』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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