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ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

ディカプリオ様おめでとう! 第88回アカデミー賞&ラジー賞の結果と答え合わせまとめ

ディカプリオ様、アカデミー賞主演男優賞、初受賞おめでとうございます!

SCREEN(スクリーン) 2016年 04 月号 [雑誌]<SCREEN紙が表紙にしていてよかった!

いまさらですが、第88回アカデミー賞受賞結果は以下のようになりました。
自分が予想した作品or人物には◯をつけています。

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2016-02-29 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『ヘイトフルエイト』素晴らしき物語を求めて(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はヘイトフル・エイトです。

※(2月28日:ネタバレを追記しました)
※(3月13日:作中のコーヒーの謎など、さらなるコメントをいただいたのでネタバレに追記しています)


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:黒人差別への皮肉満載残酷絵巻!

あらすじ


南北戦争終結から数年後の冬、ワイオミング州の雪が降りしきる山の中で―
賞金稼ぎのマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と、彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せていた駅馬車に同乗する。
途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するため、とある服飾店へと向かうが……。




いいか!
この映画を観る前に知ってほしいことは以下だ!

(1)めっちゃおもしろい!最高におもしろい!
(2)全編ほぼ会話劇だ!だけど退屈なんてしないぞ!
(3)黒人差別への皮肉満載だ!(だから南北戦争を知っているとよりおもしろいよ!)
(4)上映時間は2時間48分あるぞ!(予告含めて3時間だからちゃんとトイレ行っとけ!)
(5)R18+指定大納得だぞ!(残虐描写的な意味で)


はい撤収ー!映画を観ていない方はここで撤収ー!
もうこれ以上何も知らんでいいですから、とっとと劇場に行きなさい!

なぜかって?これは観る前のネタバレが厳禁な映画だからだよ!
上映後に出てくる観客の談笑には耳をふさげ!レビューサイトとかにもさらっとネタバレが書かれているから観る前に読むな!
わかったか!もう一度言う!ネタバレをせずに観に行くんだ!



(Cool Down)



ふう、すっきりした。
もうこれ以上何も言わなくてもいいんですが、まあ真面目に語ります。

本作は『キル・ビル』『ジャンゴ 繋がれざる者』のクエンティン・タランティーノ監督・脚本の最新作です。
タラちゃん(愛称)のファンに向けて言うなれば、本作は『レザボア・ドッグス』にかなり近い作風になっています

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チーム内の軋轢から起こる騒動を描いた、この映画のシニカルさを気に入った方はきっと多いでしょう。
今回は『キル・ビル』でも『パルプ・フィクション』でもなく、こっち。これだけでタラちゃんファンにはうれしいですね。


作品のミソは(3)で挙げたように、かつてのアメリカにあった黒人差別への皮肉に満ちていることです。
もう登場人物がニガー(黒人の蔑称)ニガー言いまくりでうるさい。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のF◯CK並みじゃん(それは言い過ぎ)

いままでも、タラちゃんは『イングロリアス・バスターズ』ではナチス政権下のユダヤ人の迫害を、『ジャンゴ』では(本作と同じく)奴隷制度をアンチテーゼ的に描いていました。
ある意味で、タラちゃんは迫害されきている者、弱い者の味方でもあるのでしょう。

しかし、今回はただの弱い者の逆襲じゃないというかなんというか、皮肉はいままでの作品よりも数十倍はエグいことになっております
もう常人が考えられる皮肉の域を超えていますからね、これ。
ここまで来ると、皮肉というか単にタラちゃんの性格が悪いだけに思えてくるんだけど、まあそういうことなんでしょう。

また、自分はタラちゃんの「だらだらとした意味のない会話」はあんまり好きじゃないのですが、本作はセリフのほとんどが黒人差別の皮肉になっているうえ、後々の展開にもしっかり生きてくるので痛快愉快でした。これは『ジャンゴ』が好きな人にたまらない要素です。

あとね、本作には過去のタラ作品とリンクしている要素があるのですよ。これはかなーり熱心なファンでなければ気づけないマニアックなもの。ファンサービスに溢れていますね。


脚本ですごいところは、密室の中で「こうならざるを得ない」という状況をしっかりと作っていること。
そこには「裏の読み合い」の駆け引きがあり、登場人物が次第に見せていく「謎の解明」があり、ピリピリとした緊張感に包まれています。

ヘイトフル8吠える<一触即発すぎる

登場人物がコロコロと運命に翻弄されていく姿が、可笑しくってしかたがないです。
全編会話劇であるにもかかわらず、まったく退屈しないのは、細部に至るまで緻密に計算された伏線があるからなのでしょう。


美術や音楽にも触れておきましょう。

本作の美術を手がけたのは、日本を代表する美術監督である種田陽平氏。
近年では『思い出のマーニー』や『蜩ノ記』でも美術監督を務めており、その手腕を知る日本人は多いはず。『キル・ビル Vol.1』から12年ぶりにタラちゃんと2度目のタッグというのもうれしいですね。

種田陽平ずヘイトフル8出展はこちら
※種田陽平氏によるデザイン画

音楽を手がけたのは、『夕陽のガンマン』や『荒野の用心棒』のエンニオ・モリコーネ
タラちゃんはエンニオ・モリコーネが大好きで、これまでの作品でもたびたび彼の楽曲を使っていました。
全編でエンニオの楽曲が正式に採用されたのはこれが初(しかもタラちゃん大好きの西部劇で)。飛び上がって喜ぶタラちゃんの顔が見えるかのようです。

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※アナログ盤もあります。

なお、本作の音楽は『ニュー・シネマ・パラダイス』のようなやさしさに溢れたものではなく、『遊星からの物体X』(←密室劇ということが共通)を彷彿とさせるおっどろおどろしいものになっています。


そしてやはり特筆ものなのは役者の演技!
以下にキャラクターを一挙に紹介しましょう。

ヘイトフル8いち
賞金稼ぎ マーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)

ヘイトフル8ご
“ハングマン”首吊り人 ジョン・ルース(カート・ラッセル)

ヘイトフルエイトさん
囚人 デイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)

ヘイトフルエイトご
保安官 クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)

ヘイトフル8に
メキシカン ボブ(デミアン・ビチル)

ヘイトフルエイトなな
小さき男 オズワルド・モブレー(ティム・ロス)

ヘイトフルエイトはち
カウボーイ ジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)

ヘイトフルエイトきゅう
老将軍 サンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)

観る前は「髭面が多くて覚えにくいな」と思っていたのですが、キャラが濃すぎ、演技がクレイジーすぎて速攻で覚えられるので心配無用です。
キャラの内面は、会話劇により「じわじわ」分かっていきます。それぞれがどんな性格であるかを予想してみるのも楽しいでしょう。

そして・・・アカデミー助演女優賞にノミネートされているジェニファー・ジェイソン・リーがヤバすぎます。
これで受賞しなきゃウソっていうか、年齢が54歳ということも信じられないんですけど!

ヘイトフル8三人※真ん中の女の子は54歳です。

本編を観てみると、さらに彼女が還暦間近ということが信じられなくなりますからね。いや本当に。


ちなみに、本作は脚本がネットに流出されてしまい、書き直さざるを得なくなってしまった作品でした。
書き直してこの完成度って……
前はどんなんだったんだと気になってしかたがありませんね。
ここは、お蔵入りになることなく、無事に日の目をみたことを素直に喜んでおきたいところです。

ひとつトリビアを(それほどネタバレじゃないからいいよね?)
劇中でギターをぶっ壊すシーンがあるのだけど、あのギターは美術館から借りてきた本物のアンティークものだったそうです。
本当は代わりのギターを壊してもらうつもだったけど、手違いでカート・ラッセルに伝わっていなかったそう。
だから、あそこでJ・J・リリーが驚いているのはマジのリアクションだったのです。
おかげで美術館側は「二度と映画のために楽器は貸さん」とアナウンスしたのだとか。そりゃそうだろうなあ。

※以下の意見をいただきました。
アンティークもののギターも博物館の粋な計らいで監督と役者全員でギターの破片にサインをして「『ヘイトフルエイト』の撮影で使われ、壊されてしまった」と博物館に飾ることにしたそうです。映画秘宝の種田陽平さんのインタビューに書いてありました。




難点は、上記の(2)全編会話劇(5)R18+指定大納得という好き嫌いが分かれる要素があることと、中盤にとある掟破りなことをしでかすことでしょうか。
これはもう反則というかなんというか、人によっては手を抜いただけに思えるかもしれません。

だけど、タラちゃんは既存の映画の常識を覆してしまったようなアナーキーなお方。これくらいの破天荒はファンにとっては「OKだよ!」と受け入れられるかもしれませんね(自分もあの演出は好きです)。

序盤の会話劇はキャラの内面がつぎつぎ暴かれるのでワクワクして聞いていたのですが、やはり冗長に感じる方が多いのかもしれないですね。

ちなみにR18+指定の要素には、性的な描写も、直接的な残虐描写も、「想像をさせる」エゲツなさまでもが揃い踏み。
ガチで生理的嫌悪感を煽るシーンもあるので、十二分に覚悟して観たほうがいいでしょう。

また、終盤にはかなり強引な展開があるのも事実。ツッコミたくなる人は多いことでしょう。
この映画は、その辺のごり押し具合も楽しんでしまえばいいと思いますけどね。


もうね、後はタラちゃんのファンであれば女房を質に入れてでも観ろとしか言いようがないです。
溜めて溜めて溜めてズドン!とイッてしまうサスペンスのおもしろさ、
このご時世に70mmフィルムを使っての撮影をする画作りのこだわり、
とことん観客の予想を裏切ってやろうとする(しかし計算し尽くされた)脚本、
映画が飽和したと言われる時代でも健在のオリジナリティ!
すべてが「最高におもしろい!」と絶賛できる内容なのですから。

あ、そうそう、「密室で起きる殺人事件!」という触れ込みを聞いて、『金田一少年の事件簿』のような、殺人状況から犯人を割り出すミステリーを想像する人が多いと思うんですよ。なんかそういうんじゃなかった
えーと、これはカテゴライズするなら、うん、タランティーノ映画だとしか言いようがないですね(投げやり)。
観ながら犯人を推理する人もいると思うのですが、こんなん当てられるわけがねーよ。

世間的には『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ』のほうが評価が高いようですが、個人的にはこれが『キル・ビル Vol1』と並びタラちゃんの最高傑作です。
「みんながハッピーになる映画しか観ないわ」なんて人には死んでもおすすめしませんが、残虐描写なんて平気!エグい話もバッチコイ(死語)!という方はぜひ劇場へ!
超!超!おすすめです。


※高橋ヨシキさんが手がけたポスターも素敵すぎる!

↓この人物は、もしかすると……(ネタバレじゃないけど鑑賞後に読むことをおすすめ)
デイビッド・ハンター - Wikipedia

↓以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください。

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2016-02-27 : 映画感想 : コメント : 29 : トラックバック : 0
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第88回アカデミー賞&ラジー賞を予想してみよう! 映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ(2月19日~2月25日)

映画『ボーダーライン』(原題:Sicario)(4月9日公開)を試写で観ました。
「無知なFBI捜査官が、なんかよくわからない麻薬カルテル捜査に参加する」という物語で感情移入しやすいんだけど、開始数分が地獄でした
しかも中盤、終盤はさらに違ったかたちで地獄みたいな展開になりました。
え、なに、なにこうなるの?イヤアアアアアアア!をたっぷり体感できる121分。R15+指定大納得のオススメ作品ですよ☆


さてさて、いよいよ2016年2月29日(月)午前9時より、第88回アカデミー賞が発表されますね。


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自分も珍しく予想してみようと思います。↓

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2016-02-25 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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「シネマズ by 松竹」で「ダメ人間 or 生きててよかった」映画の連載を始めました

今日は業務報告ー!
映画サイト「シネマズ by 松竹」にて連載を始めました。

第1回の記事で紹介した映画は『バッファロー'66』(製作:1998年)です。

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個人的お気に入り度:9/10

一言感想:ダメ人間でよかった(この映画のよさがわかったから)


あらすじ


ニューヨークのとある刑務所から出所したビリー(ヴィンセント・ギャロ)は、故郷に帰ろうとしていた。
しかし、ビリーはこの5年間は政府の仕事で遠くへ行っていた、しかも妻もいるのだと、両親に嘘をついていた。
ビリーはダンス教室でレッスン中だったレイラ(クリスティーナ・リッチ)と出会うのだが……。




記事はこちら!↓
<愛おしいダメ人間映画『バッファロー’66』の魅力を振り返る | シネマズ by 松竹>

そんなわけで、これからも「ダメ人間を主人公としいている映画」 or 「生きててよかったと思える映画」について、毎週水曜日11時より更新予定です。

今回お仕事をいただけたのは、シネマズ by 松竹の編集長である柳下修平さんのおかげです。本当にありがとうございます&ご迷惑おかけします。

↓ハイセンスな予告はこちら


さてさて、それだけで終わっては申し訳ないので、以下からは2014年(2年前)の映画プレゼンで使った、スライドの一部をご紹介します(こちらでも『バッファロー'66』を紹介していたので)。

↓以下プレゼンの内容(一部)。 少しだけ『バッファロー'66』の内容に触れているのでご注意を。

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2016-02-24 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『ライチ☆光クラブ』童顔青年が一世一代のクズ独裁者を演じる映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はライチ☆光クラブです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:原作ファンとして大満足!

あらすじ


油にまみれた町、螢光町。この貧しい地の廃墟に「光クラブ」に属する9人の中学生がいた。
光クラブのメンバーは醜い大人を否定し、自分たちだけの世界をつくるための機械を開発していた。
クラブのリーダーであるタミヤ(野村周平)は、圧倒的なカリスマ性を持つゼラ(古川雄輝)の思想に危険性を感じ始めていたが……。




古屋兎丸による同名漫画および、その前日譚『ぼくらのひかりクラブ』をミックスして実写化された作品です。

<『ライチ☆光クラブ』立ち読みページ>
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原作マンガの内容を端的に申し上げるのであれば、少年たちが中二病をこじらせた独裁者のおかげで物理的にグッチョグッチョになるという大変趣味のよろしいものです。
マンガにはとくに年齢制限が設けられていないのですが、18禁指定されてもおかしくないです(登場人物の年齢が14歳前後なのに)。子どもは冗談抜きに読んではいけません。

このマンガの元ネタは東京グランギニョルによる公演で、さらに「光クラブ」という名前は三島由紀夫による『青の時代』でも描かれた光クラブ事件が元となっています。

つまり、
映画『ライチ☆光クラブ』
↓(原作)
マンガ『ライチ☆光クラブ』
↓(元ネタ)
東京グランギニョルの公演『ライチ光クラブ』
↓(名前の元ネタ)
三島由紀夫著『青の時代』
↓(元ネタ)
光クラブ事件
ということ。ややこしいですね。

さらにマンガを原作にしたショートギャグアニメ『ライチDE光クラブ』や、マンガのほうを再度演劇科した舞台もあったり、はたまた音楽ユニットまであったりします。



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なんだか『残穢【ざんえ】 ‐住んではいけない部屋‐』の怪談並に派生しまくっていますが、要するにこの『ライチ☆光クラブ』シリーズはそれだけカルト的な人気を誇っているということです。
むしろいままで映画化されなかったほうが不思議なくらいですね。


さてさて、原作マンガのファンであれば「これを実写映画化するのは不可能だろ!」と思っていたことでしょう。
だって、少年たちが考えうる限りのグロい死にかたをするだけでなく、少年たちの直接的な同性愛の描写もあったりするんだから。

しかし、やってくれましたよ、この映画は!
ちゃんとグロ描写も、少年たちの同性愛の描写もめっちゃ入れてきているんですから!
いちおうエログロは多少なりとも原作よりマイルドになってはいるのですが、それでもR15+指定ギリギリのラインをつっ走っています。


何よりも、原作ファンにとってはキャラの再現度を語らずには入られません。
全員が「最高!」と言い切れるレベルなのですが、特筆すべきは独裁者のゼラ(古川雄輝)、その独裁者を愛するジャイボ(間宮祥太朗)のふたりでしょう。

キャストゼラ ジャイボcast

もうね、古川雄輝さんは吐き気がするほどの狂気に満ちた独裁者を演じきっています
ここまでの一世一代のクズ演技を見せられたら涙を流すしかないですよ。
古川雄輝さんは現在28歳なのですが、童顔なのでちゃんと10代に見えます。そんな彼が罵声をあげて、相手を攻め立てるドSセリフが満載!そのケがない人も目覚めてしまいそうではないですか!

で、間宮祥太朗さんは「見た目がかわいいけどクズの古川雄輝」に濃密なカラミをするんですよ。めっちゃエロいのでドキドキした
あと彼はマンガと同じく「キャハ☆」という現実ではありえねえ笑いかたをするんだけど、それもハマっていたのでびっくりした。

そのほかも野村周平さん演じる「唯一の正常のキャラ」、松田凌演じるオネエキャラも完璧を通り越して神がかっていると感じるほど。

自分が見た回で若い女性の観客が9割5部を占めていたのは、これらの舞台出身の人気俳優がたっぷり出演しているからなのでしょうね。そこに期待すれば大・大・大満足できると思います。


ここまで役者陣が素晴らしかったのは、監督による徹底した演技指導のおかげでもあるのでしょう。
監督は、俳優たちの役作りのため、以下の映画を参考資料として手渡していたそうです(以下、公式サイトからの抜粋)(画像をクリックするとそれぞれのAmazonページに飛びます)。

タミヤ:ジョン・フォード監督『我が谷は緑なりき』(1950)
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ゼラ:レニ・リーフェンシュタール監督『意志の勝利』(1942) 、深作欣二監督『黒蜥蜴』(1968)
 ハイディ・ユーイング他『ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~』(2010)
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カノン:ブラッド・バード監督『アイアン・ジャイアント』(2000)、楳図かずお『わたしは慎吾』(漫画)
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ジャイボ:フランソワ・トリュフォー監督『アデルの恋の物語』(1976)
 パティ・ジェンキンス監督『モンスター』(2004)
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ニコ:デニス・ガンゼル監督『THE WAVE ウェイヴ』(2009)
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雷蔵:トッド・ヘインズ監督『ベルベット・ゴールドマイン』(1998)
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デンタク:フランクリン・J・シャフナー監督『ブラジルから来た少年』(日本未公開)
 ジェームズ・ホエール監督『フランケンシュタインの花嫁』(1935)
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ダフ:ジュゼッペ・トルナトーレ監督『マレーナ』(2001)
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カネダ:フランクリン・J・シャフナー監督『パピヨン』(1974)
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ヤコブ:マーティン・スコセッシ監督『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2014)
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どうよこのマニアックなラインアップ
一部しか観ていないのに言うのも恐縮ですが、実際の役柄を観ると、なんで監督がこの映画を選んだのかだいたいわかるようになっていますからね。すごいや。


『るろうに剣心』でも卓越された仕事をされた橋本創さんの美術がこれまた素晴らしいんですよ。

ビジュアルライチ光

昭和的なノスタルジーを持ちながらも、退廃的でスチームパンク的なこの世界観。暗くジメジメした画だけでもゾクゾクしっぱなしでした。廃墟ファンも必見です。

実写映画化において相当な困難があったであろう、機械「ライチ」の造形がこれまた素晴らしいんだ。

ライチ写真1

映画化決定前からライチの造形を志願していた百武朋さんは、無機質で不完全ながらどこか愛らしさを持つ機械を作りあげました。
しかも声を演じるのは超人気声優の杉田智和さん。ハマりすぎです。

ともかく、キャストティングと美術においては100点満点で100億点ですよ。
もうわかりましたか?原作ファンなら観に行け。俳優たちのファンなら観に行け!以上だ!


とまあ、褒めまくりましたが、もちろん難点もあります。
先ほど書いた通り、本作はグロ描写が原作よりも若干マイルドになっています。原作ではめっちゃ詳細に描かれているグロ描写こそが作品のキモだったので、そこはやはり残念です(しょうがない気もするけど)。

物語は基本的に原作に忠実ながら、若干の差異があります。
そのほんのちょっぴりの違いは意欲的であると思う反面、やはり原作の良さを殺してしまったという印象も(ここも原作のエグすぎる描写を考えればしかたのないことなのですが)。

ギターを主体とした、かきならすようなBGMがかかることも賛否ありそうかも。
内藤瑛亮監督の映画を観たのは初めてなのですが、これは監督の持ち味だと割り切ったほうがいいかもしれません。

また、役者の演技が素晴らしいとは書いたのですが、総じて舞台チックな超オーバーアクトなんですよね。
みんなキチッている奇声をあげるので、ここも好き嫌いの分かれるポイントでしょう。
これは原作がもともと舞台劇ということもあるし、マンガらしい登場人物に振り切っているので、個人的に悪い印象はまったくありませんでした。


個人的には大満足できた作品ですが、これで初めて『ライチ☆光クラブ』に触れる方にはオススメしづらいところがあるのも事実(だってグログロのエロエロですもん・・・)。

ストーリーそのものも好き嫌いが分かれそうです。
描かれるのはヒトラーのナチス政権のような独裁政治(だから劇中で少年たちがドイツ語を話す)による顛末であり、少年たちの愛憎劇です。(そこに『A.I.』や『ピノキオ』のような「人間になりたい機械」の悲哀に満ちたドラマも込められています)。
そこにはヒロイックなカタルシスはほとんどありませんし、とにかく悲劇的な方向に物語が向かうため、観た後はひどく氣分が落ち込んでしまうかもしれません。

だけど、マンガのファンや役者のファンは上記の点数+1点してもいいほどにオススメ、
劇場版 零~ゼロ~』で過酷な水中撮影をしていた中条あやみさんはまた水もしたたるいい美少女になっているのでそれ目当ての紳士にもオススメ、
グロやエロが嫌いな方は積極的に観るな
そんな作品です。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 原作との違い(ネタバレ)を書いているので、未読の方はご注意を。

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2016-02-22 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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『X-ミッション』アクションどころか倫理観が狂った映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はX-ミッション(原題:Point Break)です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:お前FBIやめろ

あらすじ


主人公は元エクストリームスポーツ狂い→FBIになりました→犯罪集団に潜入捜査だ!→逮捕するかと思いきや、犯罪者といっしょに楽しくエクストリームスポーツをする話(!?)




エクストリームスポーツを題材とした作品です。
予告編を観られるシーンだけでも、ビルからバイクで飛んだり、札束といっしょにスカイダビングしたり、ウイングスーツで断崖絶壁の間を飛んだり、本当にあたまがおかしい(最大級の褒め言葉)ですよね。

X-ミッションおかしい2<おかしい

x-ミッションおかしい1<もっとおかしい

しかし、その認識はまだまだ甘かったのです。
おかしいのはエクストリームスポーツの描写だけでなく、主人公の倫理観にもありました。

あらすじをざっとおさらいするとこんな感じです。

(1)主人公はあるトラウマによりエクストリームスポーツをやめる
(2)主人公は大学に戻って鍛錬を積み、FBIへと転職
(3)主人公は、世間を騒がせている犯罪者が、エクストリームスポーツプレイヤーの間で伝説となっている「オザキ8の試練」に沿って犯罪行為をしていることに気づく
(4)主人公「つぎに犯罪者が狙うのはサーフィンの現場だ!」→FBIの上司「よし、そこで潜入調査を行え!」
(5)主人公が犯罪者と仲良くサーフィンをしている
(6)その後も主人公は犯罪者といっしょに「オザキ8の試練」に挑んでいくよ☆


!?


えっと、(5)と(6)にびっくりした。
ていうか、(5)の時点で逮捕しろよと誰もがツッコミたくなるではありませんか。

まあこの時点では100歩ゆずって「まだ犯人であると確定していないから、泳がせておいた」とも解釈できるんですか、後々の主人公の行動がク●すぎて共感できないのは明らかな欠点でしょう。
(この欠点は製作者も把握しているようで、主人公のクズ行為が盛大にツッコまれるシーンには爆笑しました)
(もうひとつ、主人公に共感できない大きな理由があるのですが、それはさすがにネタバレになるので↓に書きます)


なんでこんな無理矢理なストーリーになってんの?と誰もが思うところですが・・・その理由はキアヌ・リーブス主演の『ハートブルー』をリメイクしただけでなく、ついでにエクストリームスポーツという要素を無理矢理付け加えたせいなのでしょう。

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『ハートブルー』は、FBIになった主人公が、サーファーである犯罪者と接触し、奇妙な友情を感じていく・・・という物語。
この設定は確かに無茶なのですが、しっかりと主人公と犯罪者が(戸惑いつつも)仲良くなっていく過程が描かれていましたし、主人公はサーフィンで遊びつつも(笑)ちゃんとFBIとしての仕事をまっとうしようとしています。
(上司に「サーフィンで遊んでいるだけだろ!」とツッコまれ、主人公が「サーフィンはちゃんと勤務時間外にやっています」と答える迷シーンもあります)


ところが、このリメイク版の『X-ミッション』では主人公がガチでFBIの仕事を放棄してエクストリームスポーツに興じているようにしか見えないんですよね。

X-ミッションみんなで仲良く食事<思いっきり楽しんでいるように見える主人公

エクストリームスポーツおよび「オザキ8の試練」という本作オリジナルの要素が、ものごっつツッコミどころを増やしてしまった印象でした。

また、犯罪者の理論がなんというか・・・ネタバレなので↓に書きますが、「そのりくつはおかしい」と何度思ったことか。
振り返ると、この映画はまともな思考を持ったキャラがほとんどいないんですよね(FBIの上司はまとも)。

主人公に感情移入するタイプの映画を好む方にとっては、はっきり「否」を突きつける人が多いことでしょう。
人間ドラマのシーンにもけっこう時間を割いているのですが、そもそも共感しにくいので人によっては退屈極まりないかもしれません。まあ端的にいえば会話シーンが長いし興味を持てないよね。

アクション映画とエクストリームスポーツを組み合わせるというアイデアは素晴らしいのですが、「犯罪者との友情」というテーマがあった『ハートブルー』を下敷きにするのは、はっきり言って食い合わせが悪いです。
どうせなら、主人公をバリバリの犯罪者にして、エクストリームスポーツで逃げまくってFBIを煙に巻きまくる内容にしたほうが楽しかったでしょうね。


えーとでもね、本作はアクション映画なのでぶっちゃけ細けえことはどうでもいいんだよ!

この映画は!
ビルからバイクで飛んだり!
札束といっしょにスカイダビングしたり!
ウイングスーツで断崖絶壁の間を飛んだり!
そういうバリエーション豊かなあたまのおかしい映像を映画館の大スクリーンで観られるという、このうえのない魅力があるんですから!


※撮影風景を観てもおかしかった。

本作はCGナシのマジモンの映像であることがウリになっていますが、さすがにサーフィンシーンの波のゴージャスさは「CG使っただろ!」とツッコミたくなること必至。
ウィングスーツのシーンは「こんなの見たことねえ!」なハンパない映像になっており、あらゆるカットでそのクレイジーさを映し出してくれます。
映像面でのゴージャスさは、間違いなく『ハートブルー』を上回っています。逆に言えばそれ以外は劣化。

3Dで観たのですが、断崖絶壁から見下ろした画、ウィングスーツのシーンの奥行き感は『ザ・ウォーク』に匹敵します。
高所恐怖症であれば(なくても)玉ヒュンは必至。なるべく音響感のよい、大きめの劇場で観ることをおすすめします。

その肝心のアクションシーンで残念だったのは、カット割りが多めで、『ザ・ウォーク』と同じく「体感」がしにくかったということ。もう少し主人公の目線でエクストリームスポーツを楽しみたかったんですよね。
まあエクストリームスポーツの視点固定の映像はYouTubeなどにわんさかアップされていますし、あらゆる視点から楽しむ、という意味ではこれも間違いではないと思います。



ちなみに原題『Point Break』はサーフィン用語なのですが、本作では何かが決壊する「破壊点」という意味で使われていました。


そんなわけでお話のほうはあんまりだし、主人公のセリフと行動の乖離っぷりが『信長協奏曲』並にムカつきますが、自分はわりと好きな映画です。
やはり映画は「映像」で楽しませる娯楽であるので、「見たことがない」ものが観られると、いうだけでかなり満足できるんですよね。
なお、終盤には『ハートブルー』を観ている人にとってもかなり驚ける展開があります。ここはゴリ押しストーリーの中でも褒められるポイントでしょう。

主人公や犯人に倫理感が欠如していることだって、そもそも命の危険がありまくりのエクストリームスポーツに挑んでいる時点での狂人っぷりを反映した結果である、と考えれば納得できなくもありません(それはそれでエクストリームスポーツプレイヤーに失礼な気がするけど……)。

PG12指定ですが、エロもグロもあまりないので、お子様が観てもそれほど問題はないでしょう(海外でもPG-13指定止まり)。
Rotten Tomatoesで10%という大酷評、果ては『Point Break(原題)』どころかpointless remake(意味のないリメイク)だ!と評される始末ですが、エクストリームスポーツのあたまのおかしい映像に期待する人にとっては気にせずに観に行ってもいいと思いますよ!デートでも家族とでもオススメです?(疑問系)

あとこの映画、エンドロールが異常なほど長いんですよね(体感10分以上あった)。
とくにオマケなどはないので途中で帰っても大丈夫ですが、困難な撮影をされたスタッフの数の多さは感慨深いものがありますよ。


※エンドロールが長い理由に納得。

以下、結末も含めてネタバレです ゴメン、ほとんどツッコミしかしていないんだ・・・↓

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2016-02-20 : 映画感想 : コメント : 14 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/エピソード8(仮題)』新キャスト発表! 映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ(2月10日~2月18日)

映画『マジカル・ガール』(3月12日公開)を試写で観たのですが、タイトルに反して魔法少女(にあこがれる少女)がエグい現実に巻き込まれるとってもステキな話でした☆
園子温監督が絶賛することも大納得、おすすめです!(鬱になります)

魔法少女まどか☆マギカ コンプリート DVD-BOX (12話, 283分) まどマギ アニメ [DVD] [Import]<『マジカル・ガール』はこの作品にも似てます(ウソじゃないよ)

なお、この映画ニュース&ブログ感想まとめは、勝手ながら火曜→木曜更新にいたします。
だって火曜日だとまだ映画の感想も書けていないことが多いんだもん(言い訳)

↓以下も参考にしましょう。
女子怖っ映画『人生スイッチ』にはまったね。1週間の映画についての雑感【2月10日〜2月15日】 | Tunagu.

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2016-02-18 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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『キャロル』タバコ1本で心を表す映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はキャロルです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:女は恋愛上級者だけど、男はバカね

あらすじ


1952年のニューヨーク。デパート店員のテレーズ(ルーニー・マーラ)は、娘へのプレゼントを探すキャロル(ケイト・ブランシェット)と出会う。
そのころテレーズは恋人からの求婚に思い悩み、キャロルは娘の親権をめぐって離婚訴訟中の夫と争っていた。
ふたりは次第に心を通わせていくが……。




パトリシア・ハイスミス原作の映画です。
彼女は死後に残された日記やノートから、レズビアンであることが公然となった人物でした。

ハイスミス氏原作の映画『太陽にいっぱい』は(そういう作品に見えなくても)淀川長治さんが「同性愛映画である」と評したことでも有名になりました。

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※後に『リプリー』というリメイク作品もあり。

ハイスミス氏の作品には直接的にゲイやレズビアンを取り扱ったものは少なかったようですが、『キャロル』は女性どうしの恋愛を描いた作品であり、はっきりとしたクィア(セクシャルマイノリティ)ものとなっています。

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しかも、『キャロル』はハイスミス氏の実体験をもととした内容なのです。
映画が確かな説得力と、細やかな感情描写がある秀作に仕上がっていたのは、原作者がセクシャルマイノリティであったことも理由なのでしょう。

※以下の記事を参考にさせていただきました。
<第三十一回はパトリシア・ハイスミスの巻(執筆者・柿沼瑛子) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート>


本作で優れているところは、1950年代のニューヨークの街並みを暗いトーンの画で再現したほか、カメラワークや「切り返し」に至るまで、映画しての表現手法が優れていることです。


会話劇(しかもふたりだけ)に始終するかと思いきや、屋外からの望遠による窓の画でも、主役のふたりの心理を描いていきます。
ナレーションも何もないのに、映画ならではの演出により登場人物の気持ちがわかる。映画ならではの魅力がつまった作品なのです。


個人的に大好きでしかたがなかったのは、精神的に強そうに思えたキャロル(ケイト・ブランシェット)が、次第に弱い人間であることを見せていく過程です。

たとえば映画のはじめのほうに、キャロルがお店に入るやいなやさっさとメニューを注文するも、テレーズ(ルーニー・マーラ)はなかなか注文することができない、というシーンがあります。
ここではテレーズが優柔不断かつ「受け身」な性格で、キャロルは自分の意見をゴリ押しするタイプの「攻め」な性格に思えるところですが、後々の展開では「それだけではない」ではないと気付けるのです。

本作には少々過激なベッドシーンもあるのですが、肉体的なつながりがあっても、(精神的な)関係性が非常に危うく見える、というところも秀逸。セックスが物語上で非常に重要なファクターとなっているのです。


個人的にもうひとつ重要なファクターであると感じたのがタバコです。
ふたりが初めて出会う場面でキャロルが出したタバコ、キャロルがタバコを吸いたいと言ったときのテレーズの対応も、それぞれの性格を表しているのではないでしょうか。

先日喫煙シーンのある映画を“成人指定”にするWHO勧告が発表されましたが、本作のようにタバコが重要な要素になる映画もあるので、やはり安易な規制はするべきではないでしょう。


また、極端に同性愛を差別する描写がないのも好みでした。
作中にあるのは、「ああ、そういう人もいるのも知っているよ」といった感じの、同性愛を否定も肯定もしないような発言のみ。だけど、奥底にある偏見が少しだけ垣間見えるというリアルさがあるのです。
(1950年代当時はゲイやレズビアンへの偏見が大きかったにも関わらず、です)

男性がとことん愚かな存在として描かれていることには賛否ありそうですが、自分は気に入りました。
観た後は、(同性愛者でなくても)好きな人へのアプローチを考えるきっかけになるかもしれません。


本作の欠点は、劇的な展開があまりないため、人によっては退屈に感じてしまうこと。
淡々とした演出、暗めの画もあいまって、体調の悪いときに観ると睡魔に襲われてしまう可能性があります。
PG12指定ではやや甘いと思わせる性描写、そもそも主人公が不倫をしていることも含めて、決して万人向けではないでしょう。


そのため、本作は登場人物の何気ないセリフに注意して観ることをおすすめします。
「あのシーンにはこういう意図があるんだな」「セリフからこういうことがわかるぞ」と、気付けることがたくさんあるはずですから。

もちろん、主演ふたりの演技を期待して裏切られることはありません。
繊細な恋愛映画を求める方すべてにおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-02-17 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
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『信長協奏曲』むしろ不協和音(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

遅れましたが、今日の映画感想は信長協奏曲(コンツェルト)です。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:辛いことや苦しいこと、いっぱいあったよね・・・(作中の台詞)

あらすじ


主人公「平和大事!超大事!」→主人公が先陣切って人をぶっ殺しまくる話




※毎度ながらメタメタに書いているので、この映画が好きな方にはごめんなさい。

えーとね、本作は映画館で観る予告編がキツかったとか、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』の連続首位記録を止めて大ヒットとか、ハナから好きになれない要素が満載だったのですよ(←作品に対して失礼なので、こういう見かたはやめましょう)。


※「悲報」で笑っちゃった自分がちょっと悲しい。

世間では罵詈雑言も「そんなに悪くない」という声も聞こえてくるけど、それでも、それでも中立的な立場で、ちゃんと誠実に映画を観ようと思ったんですよ。
で、ハードルを下げまくって観に行った結果、やっぱりどうしようもなかったという結論に落ち着きました。しょうがないね。

問題点を箇条書きします。

(1)主人公の主張と行動に矛盾がある。
もうね、主人公がことあるごとに「平和な世の中が来る!争いのない世界にするんだ!」と平和を訴えまくっているのに、先陣切って人を殺しまくっているので「お前はいったい何を言っているんだ?」としか思えない。
この訴えがあるのだったら、ガンジーのように非暴力を唱えるか、マンガ『ヴィンランド・サガ』のクヌート王子のように「犠牲の先にある平和」を追い求めるか、せめて最低限の犠牲にうえに戦いに勝利するような策略があってしかるべきでしょう。
でも本作では主人公「平和!平和!」→自ら率先して殺人しまくりなので、ただ主張と行動が一致していないだけ。これはふざけんなと言いたいです。

※以下の意見をいただきました。
ヒナタカさんが怒っていた主人公が平和を主張してるのに殺しまくってるじゃないか!というシーンですが、ドラマ版の最初のほうではうろ覚えな部分もありますが、主人公は完全に「殺したくない!」みたいなスタンスだったと思います。それが段々主人公も成長していき、「平和な世の中を創りたい!」という野望を持ち、信長として出世していったのですが、それにつれて良くも悪くも信長としての役割をこなさないといけなくなりました。自分は主人公は殺しまくっていると言うより殺さざるを得なくなった状況に追い込まれてしまったようにも見えました。しかしだからこそ、劇中でそういう葛藤シーンも入れるべきだったとも思いますし、主人公が殺しまくってるシーンに怒りだす人がいるのもわかる話です


信長協奏曲ポスター<ポスターでも平和を訴えているのがムカつく

(2)同じシーンをフラッシュバックしまくり
本作では登場人物の過去など、さも意味ありげに置いた伏線を、回収するときにわざわざ何度もフラッシュバックさせて表示させます。
1回繰り返すならまだしも、秀吉の幼少時の出来事を5回くらいくりかえすのはどう考えてもやりすぎです。
制作者は、5分経ったら観客が鳩ぽっぽのように展開を忘れるとでも思ってんでしょうか。もしそうなら観客をバカにしすぎです。

(3)スローモーション多すぎ
誰かが斬られるたびにスロー、スロー、スロー、あくびがでるぜ。
見ている間、あれ?ゴールド・エクスペリエンスの攻撃を喰らったのかな?と錯覚してしまいました(錯乱)

(4)音楽がキツい
泣かせようとするシーンではピアノの伴奏ではじまる悲しそうな「タラララー」とピアノの伴奏から音楽が流れます。単純すぎるかけかたが本当キツかったです。泣かせようと必死なのはわかるけど、自分は逆にシラケるだけでしたよ……。
あと、よくも悪くもミスマッチなテクノ調の音楽も流れるのだけど、この楽曲担当がm-floTaku Takahashiだったと知って悲しくなった。m-floはアルバムを買い集めるほど大好きなのに。
悪い意味で「仕事選んでください」と思いました。そういやTakahashiさんは大駄作『模倣犯』のオープニングテーマも作曲していたな(あれは名オープニング)。

信長協奏曲 NOBUNAGA CONCERTO The Movie Soundtrack by ☆Taku Takahashi<サントラに「by☆Taku Takahashi」の文字が……。

(5)ゴリ押し脚本
こいつがもっともヤベえ。まあ端的に言えばツッコミどころ満載です。
もうね、整合性とか「もうべつにいいんじゃね」と無視して、制作者側が用意した盛り上がりのために都合よく登場人物が動くような感じ。
誰かの演説が始まるとみんなが空気を読んで攻撃をやめるなんて序の口ですよ。
とくにヤバいのは、本能寺に置かれたアレ!あのブツを置いたのはさすがに正気とは思えない!

(6)気持ちベラベラおしゃべりあそばせる☆
きんきゅうじに、じぶんのきもちをゆっくりていねいにかたってくれます。うわあ、とってもやさしいね(般若のようなツラになりながら)。
この気持ちベラベラシーンがとにかく長~い。クライマックスも長~い。しかも(2)のような「すでにわかっていること」を何回も言ってくれるので心底「もうええわ」という気持ちになりました。


まあそんなふうに文句を言いつつも、伏線を入れてストーリーを盛り上げようとする気概は感じられますし、嫌いになれないところもあります。

ちゃんと合戦の様子は迫力がある画作りになっています(だが前後の展開のせいで台なし)

未来からタイムスリップしてきた主人公がチャラい現代語で話すというギャップ、マンガマンガしまくっている登場人物の描写も悪くないです。
柴咲コウなんてあの時代にはありえないベタベタのツンデレキャラになっていますが、それももはや潔くていいです。

役者の演技もよかったですね。小栗旬はチャラい高校生と(本物の)織田信長のふた役を見事に演じ分けています(小栗旬にはもっとマンガっぽくない配役もしてほしいですけど)。
山田孝之は、よくも悪くもフザけた登場人物が多いなか、唯一と言っていい真面目な悪役を鬼気迫る表情で演じきっています。

あと、「実際の歴史なんか知るか!好きなようにやる!」な展開&人物描写がてんこ盛りなので、日本の歴史が好きな方はブチ切れ必死、歴史を冒涜しまくっているのですが、まあもう勝手にやってろな気持ちになってきました(ほかの問題点がありすぎたから)。


原作マンガも3巻まで読んでみたのですが、こちらは映画よりはもちろんよいものの、肝心の「戦国時代に現代の高校生がタイムスリップする」設定をうまく使っていなくてもったいないな、とも思う部分もありました。

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医療をテーマにした『JIN-仁 (ジン)』のように、もうちょっと現代から持ち寄ったアイテムや知恵を使ってほしかったのですね(ひょっとすると4巻以降にそういうシーンがあるのかもしれませんが)。
あと、(映画でもそうなんですが)いくら主人公がバカとはいえ、現代の高校生が本能寺の変を知らないという設定はさすがにどうかと。小学生レベルだぞ。


うん、まあ積極的にオススメしたくないのですが、観ていてそれほど退屈はしないので、ドラマのファンや役者のファンは観てもいいんじゃないでしょうか。
この映画、スローモーションとか、何度もくりかえすフラッシュバックとか、長ったらしい演説シーンを削って1時間でまとめていたらけっこう楽しかったと思うよ。

いやーしかし、2016年は、年が明けてから秀作・傑作ばっかり観ていたので、「たまにはこういうのも観て、いい映画のありがたみも感じないとね☆」とあらためて思うことができました。
今年も、たまにク◯映画成分を摂取し続けます。

以下、結末も含めてネタバレです ツッコミ入れているだけです↓

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2016-02-14 : 旧作映画紹介 : コメント : 15 : トラックバック : 0
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"2015年映画ベスト10"をみんなで語り合う映画会の集計結果発表!&皆さんのコメント紹介

2016年2月6日(土)に開催いたしました"2015年映画ベスト10"をみんなで語り合う映画会”(第3回映画の“ある視点(テーマ)”について語ろう会)につきまして、集計結果を発表いたします。

<ルール>
2015年に観た映画1〜10位を順不同で集計(参加者23名ぶん)

<なぜ順不同での集計なの?>
・単純にどの映画が多く選ばれているのかが知りたかった。
・10本ベストを挙げたら、その中のすべては等しくベスト1なのだと解釈したい。
・ベスト10全体を通して、その人の人柄や個性を表す事もあるように思えた。だったらそれぞれ平等に集計したほうがいいのではないか。
by人間映画Wikipedia成宮秋祥(主催者)

はい、そんなわけで景気よく一気に発表します!
ドーン!

<参加者の2015年ベスト映画ランキング10集計結果>

1位:セッション 11票

セッション コレクターズ・エディション[2枚組] [DVD]

2位:マッドマックス 怒りのデス・ロード 10票

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

3位:アメリカン・スナイパー 9票

アメリカン・スナイパー [DVD]

4位(同率):イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 7票

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 コレクターズ・エディション[初回限定生産]アウタースリーブ付 [Blu-ray]

4位(同率):海街diary 7票

海街diary Blu-rayスペシャル・エディション

4位(同率):スター・ウォーズ/フォースの覚醒 7票

【映画パンフレット】スター・ウォーズ フォースの覚醒

7位:バクマン。 6票

バクマン。Blu-ray 豪華版

8位(同率):キングスマン 5票

KINGSMAN / キングスマン(初回限定版) [DVD]

8位(同率):クリード チャンプを継ぐ男 5票

「クリード チャンプを継ぐ男」オリジナル・サウンドトラック(スコア)

8位(同率):バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 5票

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Blu-ray]

↓以下は皆さんのコメントです。長いですよ。

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2016-02-13 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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ダニー・ボイル版『スティーブ・ジョブズ(2015)』会話劇のみで“内面”を語る秀作(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はスティーブ・ジョブズ(2015)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:95%が会話劇じゃん

あらすじ


1984年のMacintosh発表会にて、トラブルが発生する。
「ハロー」と挨拶するはずのMacintoshが黙ったままなのだ。
スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は部下のアンディ(マイケル・スタールバーグ)と揉め、マーケティング担当者のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)は諦めるよう説得するが……。




その名を知らない人はいない有名人スティーブ・ジョブズを主人公にした映画です。
自分は2013年版の映画は未見ですが、それとはかなり違うアプローチで作られた作品のようでした。

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まず言っておくと、本作『スティーブ・ジョブズ(2015)』に「ジョブズの一生を追う」という「伝記もの」を期待すると確実に裏切られます。
本作で描かれるのは、ジョブズの人生のほんの一側面、それもほぼ友情と家族の問題のみなのですから。

そう聞くと「2時間という制約だからしかたがないよね」と思うかもしれませんが、その認識もまだ甘いです。
本作の冒頭では「Macintoshが発表されるまでの40分間の舞台裏」が描かれるのですが、そこでリアルタイムで40分の時間を使うのです。

この発表会だけで40分使うよ!<ひとつの舞台裏だけで映画の1/3を使います

正確には映画内で経過する時間(発表会が始まるまで)は約1時間半程度なのですが、会話の密度を考えれば、映画内の時間の流れ=実際の時間の流れと考えてさしつかえないでしょう。

「ええ?2時間の映画なのにオープニングだけで40分も使っちゃったよ!大丈夫なの?」と思っていたら、その後に描くのもこれまた発表会の舞台裏で、その9割以上が会話劇です
ていうか、スティーブ・ジョブズの周りの人間ドラマを3つの発表会の舞台裏だけで描くというとんでもない映画なんですよ。

舞台裏(40分)+舞台裏(40分)+舞台裏(40分)=映画すべての時間(120分)なんですよ!
こんな映画、いままであったでしょうか(たぶんない)。

本作はふつうの映画のように、丹念に主人公の足跡を追ったりしません。
それどころかナレーションもありません
会話劇を丁寧に描く一方で「そこを省略するの?」と驚くところもあります。
スティーブがどういう人物であるかは、出来事そのものではなく、登場人物の会話から読み取らなければいけないのです。
(一応舞台裏以外にも「回想」シーンがありますが、それも現在の会話劇と並行して描かれるという特殊な演出がされています)


ついでに言うと、本作のスティーブ・ジョブズはわりとクズ野郎として描かれています。
伝記などで彼の人格の破綻っぷりを知っている方は多いでしょうが、今回は家族に対してのクズっぷりが酷いことになっているので、人によってはめっちゃ嫌悪感を覚えるでしょう。

この時点でとっても人を選ぶ作品であることをわかっていただけたでしょうか(わかってほしい)。
この印象が何に似ているか、と振り返れば『ソーシャル・ネットワーク』でした。

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(1)主人公がコンピューター業界で億万長者に
(2)主人公が成功のためなら他人を犠牲にしまくりのクズ
(3)めっちゃしゃべりまくる
と、ものごっそい共通点が多いのです。

それもそのはず、両者とも脚本家が同じ(アーロン・ソーキン)なのですから。
『ソーシャル・ネットワーク』は世界中で絶賛された秀作ながら、ひどく人を選ぶ映画。こちらが合わなかった方は、今回もダメなのかもしれません。

本作は伝記映画じゃないよ!と主張するわかりやすいレビュー↓
ダニー・ボイル監督版『スティーブ・ジョブズ』感想、この映画にはあなたの見たいジョブズはいない - Cinema A La Carte


とはいえ、作品としてのバランスが悪いということは決してありません。
むしろ、主題をピンポイントに絞ることで、ジョブズという人間の内面を丹念に描き出した秀作と言えます。

そのピンポイントの対象というのが、ジョブズの転機となった3度の発表会の舞台裏です。
そこに独自取材の情報も盛り込んだ会話劇を創作することで、ジョブズという人間を表現する、という大胆な作品なのです。

「発表会の舞台裏だけでジョブズのことがわかるの?」と疑問に思うところですが、わかるんですよ。すごいんですよ、この脚本!
ジョブズのことを知らなくても、彼の生い立ちなどの情報は自然とわかるように工夫されているし、ちょっとした言葉の「あや」からはさまざまな人間模様が思い浮かびます。

これこそ、映画ならではのおもしろさなのではないでしょうか。
ナレーションや説明がなくても、その人となりがわかるのです。

もちろん役者の演技も突出しており、マイケル・ファスベンダーからにじみ出る「イヤな奴」オーラ、ジョブズを献身的に支えつつも複雑な思いを抱えている女性を演じたケイト・ウィンスレットの「凄み」だけでも観る価値は存分にあります。

あ、あとジョブズの娘がめっちゃかわいい(←これ重要)

ジョブズと娘<So Cute!

娘はお父さん好き好きオーラを振りまくのではなく、5歳とは思えない利発さでお父さんを追い詰めます(笑)。
彼女を演じたマッケンジー・モスちゃんはこれからもっと活躍していくんじゃないでしょうか。
たぶん偏差値の低そうな彼女とのデートで観ても「女の子がめっちゃかわいかった〜」と感想はもらえると思うので、デートでもおすすめですよ。


人間関係はわかりやすく描写されていますし、作中の用語を知らなくても映画は楽しめるでしょう。
本作で描かれるのはコンピューターの技術などではなく、複雑な人間模様であり、ドラマなのですから。

最低限、以下の「名前のみ登場する」人物のことを知っておくことをいいでしょう。
ダニエル・コトキ(アップルのはじめの社員のひとりで、ジョブズの親友)
ガイ・カワサキ(元アップル社のエバンジェリスト(伝道師))
このふたりだけは人物像が描かれないので、映画だけでは「誰?」って感じになるんですよね。

もちろんスティーブ・ウォズニアックジョン・スカリーなど伝記ではおなじみの超有名人物も登場しますが、恐ろしいことに彼らのことはこの映画だけで人物像がよくわかるようになっています(全編会話劇なのに!)


本作は、伝記を読んだ方でも新たなジョブズの一面をみることができる映画でしょう。

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なぜなら、本作には伝記の著者であるウォルター・アイザックソンも知らない、脚本家だけが手に入れられた「ジョブズの最初の娘・リサの証言」があるからです。
(もちろん娘との会話の中には創作もあるのですが)知られざる娘との会話により、ジョブズという人間をより好きに(あるいは嫌悪)なれるのではないでしょうか。

余談ですが、スティーブ・ジョブズとその仲間たちの来歴を知りたい方には、マンガ『スティーブズ』をおすすめします。

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<マンガの試し読みページ>

タイトルはジョブズとスティーブ・ウォズニアックという「ふたりのスティーブ」を意味しており、その癖のあるすぎるコンビのキャラがおもしろく、どんどん読み進めていけるでしょう。


そんなわけで、その特殊な作風のため観る人を選びますが、『ソーシャルネットワーク』が気に入った方、会話劇から成る人間ドラマを好む方には大プッシュでオススメできます。

また、ダニー・ボイル監督ならではの(いい意味での)映像のクセもしっかり出てきます。ファンは「監督らしさ」だけでも本作を好きになれるかもしれません。

そうそう、本作には映像にとある仕掛けがあるんですよ。
これは冒頭から「あれ?変だな?」と気づけるし、別にネタバレじゃないから知っていてもいいんだと思うのだけど、できればその映像の仕掛けもいっしょに楽しんでほしいんですよね。
ダニー監督ならではのこだわりを、ぜひ劇場で体験してください。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-02-12 : 映画感想 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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『ビハインド・ザ・コーヴ』疑問への回答は得られたのか?(映画ネタバレなしレビュー+微ネタバレレビュー)

今日の映画感想はビハインド・ザ・コーヴ〜捕鯨問題の謎に迫る〜です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:『ザ・コーヴ』のイライラを解消してくれる痛快ドキュメンタリー

あらすじ


八木景子は、『ザ・コーヴ』への反論のため、映画製作の経験もカメラ技術もないまま、貯金を切り崩し取材を続けていた。
4カ月にわたる太地での長期滞在の末、高齢の元捕鯨師や町長を含む現地の人々の貴重なインタビューを撮影。監督ルイ・シホヨス、同作品の主演であるリック・オバリーにも取材を行い、双方の主張をカメラに収めた。
さらには毎年イルカ漁の時期に太地でキャンプしている反捕鯨活動家たちからも話を聞き、さまざまな立場からこの問題に関係する人々を追っていく……。




まずはこちらをお読みください↓
<『ザ・コーヴ』は“観る価値のある”問題作だった(映画ネタバレなし感想+微ネタバレレビュー)>

本作は大論争を巻き起こした『ザ・コーヴ』の、日本側からのアンサーとなるドキュメンタリー映画です。
もしくは、『ザ・コーヴ』に満載だった大ボケにツッコミを入れていく映画といってもいい。
映画を観た日本人みんなが「あれオカシイよね」と思っていたことにズバズバ切り込んでいく作風がかなり痛快です。

また、『ザ・コーヴ』に欠けまくっていた「相手の意見を聞く」というシーンもしっかりあります。
自分の意見をゴリ押ししまくっていたリック・オバリーはもちろん、シーシェパードのリーダーまでにもインタビューをするのですから。
ちゃんと「双方の意見に立ち」問題を考えられるようになっています。


ただし、ドキュメンタリーとしては問題も……
そのひとつが、情報や問題提起がしっかり整理されているようには思えなかったこと。
中盤からは意見が乱立されているような印象で、やや観にくい印象でした。

さらに、終盤の展開はあまりに論理が飛躍しすぎだと思う。
上映後に監督に話を聞く機会があったのですが、監督も「あの問題までにいくとは思いませんでした」と語っており、論理の飛躍は予定外のことだったそうです。
でも主張をさらに広げるよりも、現状の問題に焦点を絞ってほしかったというのが本音です。

また、情報が完全にイルカではなく、クジラにばかりシフトしているのも気になりました。
『ザ・コーヴ』でさんざん語られていたのは「僕たちはイルカを愛しているんだ!」という主義主張だったのですが、本作ではイルカについて触れらることは少なく、クジラの日本の食文化や歴史ばかりが語られます。
サブタイトルも「〜“捕鯨”問題の謎に迫る〜」となっており、根本のイルカ漁の問題がおざなりになっている印象は否めません。


そんな問題点がありつつも、『ザ・コーヴ』にイライラしていた方にとっては、『ビハインド・ザ・コーヴ』は「答えを示してくれている」貴重な作品です。
「よく言ってくれた」と思う方は、きっと多いでしょう。

本作で大好きだったのは、問題の場所である大地町の人たちが親しみやすく描かれていることでした。
(『ザ・コーヴ』では町民が理解の余地がない悪人として描かれていたことにイライラしたので)
子どもにも意見を聞くのだけど、まあ~その様子が微笑ましいこと。
『ザ・コーヴ』のような殺伐とした空気はほとんどありません(座談会ではピリピリした空気になるけど)。

さらに、日本に観光に来た外国人にもインタビューするシーンがあるのだけど、ものすごく建設的な意見が述べられていて感動した
よく考えれれば、反捕鯨団体やシーシェパードの人たちは「極端な考え方を持つ人」の集まりなわけで、それに属していない方は「どちらでもない」中立的な意見を持つことが多いのでしょう。


ともかく、本作『ビハインド・ザ・コーヴ』の志はとても高いものであり、ドキュメンタリー映画としても水準点を超える出来であるので、幅広い方にオススメします。
できれば『ザ・コーヴ』を先に観ておいて、存分にイライラしてから劇場に足を運ぶことをオススメします。こんなにもほかの人を意見を聞いて、スカッとする経験はなかなかないでしょうから。

現在は新宿・ケイズシネマでのみの上映ですが、大阪、沖縄、北海道でも上映が決まっています(できれば問題の舞台である和歌山でも上映してほしいなあ)。
近くにお住いの方は、ぜひ。

以下、内容をちょっとネタバレで紹介します↓ ストーリー的なものはないのですが、一応未見の方はご注意を。

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2016-02-11 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『ザ・コーヴ』は“観る価値のある”問題作だった(映画ネタバレなし感想+微ネタバレレビュー)

現在公開中の映画『ビハインド・ザ・コーヴ〜捕鯨問題の謎に迫る〜』のレビューの前に、まずはこいつを紹介します。
海外からは大好評ながら、日本人から蛇蝎のごとく嫌われている『ザ・コーヴ』(製作:2009年)を。

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個人的お気に入り度:1/10

一言感想:圧倒的に気持ち悪い(意見の押し付けっぷりが)

あらすじ


和歌山県・太地町にある小さな入り江ではひそかにイルカ漁が行われていた。
かつてテレビシリーズ『わんぱくフリッパー』で活躍した元イルカ調教師のリック・オバリーは、厳戒態勢の中、その実態を隠し撮りしようとする。




本作は公開当時の2009年に大騒動を起こしていました。
知らない方のために、かいつまんで言えば……

・イルカ愛好家「日本には、あんなにかわいくて賢いイルカを殺している地域があるんだ!ゆるさん!」
・その入江でのイルカ漁の様子を盗撮
・その盗撮+映像編集のおかげで、「日本のイルカ漁をしている人」が完全に悪者化した映画が完成
・映画は世界中で大絶賛され、あろうことか第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞
・日本からはもちろん大ブーイング。日本での公開中止運動が起こった。

この『ザ・コーヴ』は、絵に描いたようなプロパガンダ(政治的宣伝)映画なんですよね。
イルカが大好きで仕方がない人たちが、イルカ漁の様子を残酷に描いて、その様子を盗撮する自分たちを正義であると肯定して、それを世界中に訴えるっていう。
結果的にこの映画は世界中から注目され、アカデミー賞も取って大成功!なわけ。

で、その前提を知って(知らなくてもいいけど)観ると本気でこの映画は本気で気持ち悪いことになっています

自分がとくに問題だと感じたのは以下です。

(1)イルカ漁をしている側の視点がない

本作にはイルカの漁師たちの意見が一切ありません。まったくもって問題の相手側の主義主張がないのです。
(強いて言えば水産局の方には意見を聞いているのだけど、歯切れの悪い返事に「疑い」の目をもたせるということにしか機能していない)

たとえば銃社会を批判した『ボウリング・フォー・コロンバイン』は銃推進派に意見を聞いて、論理的に揚げ足をとろうとする(これもヤラシイけど)のですが、本作では制作側が意見を押し通しまくるだけです。


(2)イルカが賢い=殺しちゃかわそうという意見を丁寧にゴリ押し

映画の主人公リック・オバリーは、『わんぱくフリッパー』というテレビシーリズで有名になった元イルカ調教師です。
長年生活をともにしたイルカを大切に思う気持ちはわかるのですが、作中ではことあるごとに「イルカは人間並みに賢いんだ!だから殺すべきじゃないんだ!」という主張を、あらゆる例を元にゴリ押しをしようとします。

だったら「人間は牛や豚も食べているけど、そっちは賢くないから殺してもいいのか?」という疑問が湧くのですが……それについてこの映画は(3)の問題に逃げます。


(3)水銀の問題は考えを正当化するための言い訳にしか思えない

作中では「イルカに含まれているの水銀の量がヤバい!これは水俣病の再来だ!」と主張する場面があります。
実際、食物連鎖の頂点に立つイルカは、ほかの魚介類に比べて水銀が多く含まれていることは立証されています。

だけどそれは急性中毒を引き起こす量ではないと証明されているし、工業廃水による汚染により引き起こされた水俣病とはまったく関係がないのです。
水俣病の映像を流される場面は本気で気分が悪くなりました。
(ただし、イルカの水銀値は「将来的に健康への影響はない」と推定されている程度で、まだあやふやなところがあるようです。双方にとっての問題でしょう)。


ふつうのドキュメンタリーはあらゆる点から問題を考えるのだけど、本作では自分たちの意見をゴリ押ししてばかりなんですよね……。

さらにタチが悪いのは、映画としてはおもしろいことです。

↓以下からは微ネタバレが増えるので、未見の方はご注意を

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2016-02-11 : 旧作映画紹介 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『パシフィック・リム』地上波放送決定! 映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ(2月5日~2月9日)

X-ミッション』(2月20日公開)を試写で観たのですが、アクションどころか主人公の行動原理までもがキ◯ガイという胸熱な内容でした。とってもオススメですよ!(海外では大酷評です


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2016-02-09 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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『残穢【ざんえ】 ‐住んではいけない部屋‐』恐怖の連鎖は断ち切れるか?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は残穢【ざんえ】 ‐住んではいけない部屋‐です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:根の深い怪談ミステリー

あらすじ


ミステリー小説家である「私」(竹内結子)に、女子大生の久保さん(橋本愛)から「となりの部屋から何かが擦れる音が聞こえる」という内容の手紙が届く。
ふたりはその音の真相を探っていき、深く、恐ろしい怪談を知っていくことになる。




小野不由美よる同名小説の映画化作品です。

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原作は、怪談の真相をルポルタージュ方式で追っていくという内容。映画化された本作においても、主人公がさまざまな人物にインタビューし、恐怖の対象を知ろうとする形式は原作のままです。

この点で、ホラーファンであれば白石晃士監督の『コワすぎ!』シリーズや、『ノロイ』を思い出すのではないでしょうか。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!  史上最恐の劇場版 [DVD] ノロイ プレミアム・エディション [DVD]

しかし、本作はモキュメンタリー(ノンフィクションに見えるドキュメンタリー)ではなく、非ドキュメンタリー映画としての体裁を保っています。
インタビューシーン以外にも映像のバリエーションは豊富で、物語はテンポよく真相に向かって突っ走ることもあり、ドキュメンタリーが苦手な方にとっても受け入られやすいでしょう。


本作はどちらかといえば、ホラーというよりもミステリー要素が強い作品になっています。
主人公がある怪談について「謎」を提示され、さまざまな証言をもとにその真実を暴き出す、という過程はまるで「探偵もの」です。

しかし、本作で描かれるのは怪談であり、そもそも存在も不確かである超常現象なのです。
科学的に証明できないものの代表であるような怪談を、論理的な推理で追っていくというのが、本作の最大の見所でしょう。


主演のふたりもよかったですね。橋本愛はよくも悪くも性格キツめの少女を演じることが多かったのですが、今回はふつうの女子大生として自然な演技をされています。
注目は竹内結子で、いい感じに女っ気が抜けた中年っぷりがかえってエロいという素晴らしさでした。竹内さんはまだ35歳なのに、プラス10歳くらいに見えるよ!

ポスターのキレイすぎる竹内さんはちょっと詐欺ですね。本編のくたびれた感じがたまらないのに……(熟女ファン必見)。

ざんえ1 ざんえ2<KIREI

たけうちゆうこ1<REAL


難点は、恐怖の一因となる「閉塞感」がないことでしょうか。
こうしたホラー作品は、ある場所に閉じ込められるなどして限定的に描かれることも多いのですが、本作ではあらゆるところにつぎつぎとインタビューを行っていくのです。
場所がコロコロと変わってしまうと、それだけで恐怖感を削がれがちになっています(これは作品の特性なので、言うのも野暮)。

主人公のナレーションがたっぷりあることも好き嫌いがありそうです(これも原作の文体を再現したためなので、言うのも野暮)。

残念でしかたがなかったのは、終盤に満場一致レベルで「蛇足」と感じるシーンがあること。
これはあまりにも、観客に「想像の余地」を残してくれていないんですよね。

昨今は、ライトな観客が「わかりやすい」内容を求めていることもあり、プロデューサーが映画監督にハッキリした場面を作るように申し出ることが多いそうです。
本作でそのようなやり取りがあったかは定かではありませんが、こうした「わかりやすさ」はホラーにおいて致命的なのではないでしょうか。

怪談や幽霊の怖さの本質は「正体がわからない」「なぜそうするのかわからない」という「未知」にあると思います。
本作では序盤からずっと続く「未知」としての恐怖こそがおもしろかったのに、こんな余計な描写があってしまっては台無しです。

また、インタビューをされる人たちが妙に「演技がかった」受け答えをするのにもちょっと違和感があったり。
中村義洋監督は一般人を極端なキャラとして演出するきらいがあり、ここでは少し悪いクセが出てしまったという印象です。


ちょっと知っておくといいのは、作中の登場人物のモデルが、実在の小説家であることです。

私(竹内結子) → 原作者の小野不由美
私の夫(滝藤賢一) → 綾辻行人/十角館の殺人など
知り合いの小説家・平岡芳明(佐々木蔵之介) → 平山夢明/ダイナーなど
怪談マニア・三澤徹夫(坂口健太郎) → 福澤徹三/灰色の犬など

しかも平山夢明と福澤徹三は、原作ではモデルどころかそのまんまの名前で登場していたりするのです。

自分はあまり小説を読まないほうなのですが、佐々木蔵之介がいい感じに平山夢明の変態的な作家性を滲み出せていていることはわかります(笑)。
それぞれの小説家(の作品)を知っておくと、よりキャラの性格を楽しめそうですね。


なお、本作(の原作)とリンクしている作品に『鬼談百景』があります。

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本作は、さまざまな事象の「つながり」を模索する物語。こうして現実にもつながりがある作品があるというのもおもしろいです。


ホラーとしての怖さはマイルドなほうなので、ホラー初心者にもおすすめします
大きな音で驚かせるような「コケオドシ」はほぼ皆無、いい感じのジャパニーズホラーらしい「じわじわと来る」恐怖を与えてくれるでしょう。
残虐描写もほとんどありませんが、自殺の描写があるので、小さい子の鑑賞は少し注意したほうがいいかもしれませんね。

怪談や「ゾッとする話」が好きな方には大プッシュでオススメ。
エンドロールの最後まで観ましょう

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-02-08 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『オデッセイ』火星でもスーパーポジティブ!(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はオデッセイ(原題:The Martian)です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:極限までに豪華になった『アポロ13』だった

あらすじ


宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)は火星への有人探査計画であるアレス3のクルーとして参加するが、大砂嵐に襲われたうえ、ひとり火星に取り残されてしまう。
マークは持ち前の植物学者としての知識を活かし、水、空気、電気を確保し、さらにジャガイモの栽培を試みるが……。




大ベストセラー小説『火星の人』を原作とした映画です。

火星の人
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マット・デイモンは『インターステラー』に引き続き、またも惑星に取り残されるんですね(笑)。

知っておいてほしいのは、本作『オデッセイ』が原作からユーモア満載であったこと。
(映画では描かれていなかったのですが)原作では主人公が脱出の計算用に新しい単位「パイレーツ・ニンジャ」を考案したりするギャグが満載なんです。

<2月29日まで原作本の試し読みキャンペーンが実施中!>

脚本を執筆したドリュー・ゴダードは、「現代の科学者という変わり者も描いた作品を読んだことがなかった。脚色する際には、どんなことがあっても原作の活気にあふれた感情を維持しようと思った」と答えています。

おかげさまで、そのユーモアさは映画でも存分に発揮されています。
本作における主人公の状況は、
酸素ほとんどなし!
食料ほとんどなし!
通信手段もなし!
しかもたったひとり!
という、人間が考えうる限界ギリギリの絶望的な状況にいるのですが、主人公はほとんどの事象に対して前向きに生きようとします。主人公はスーパーポジティブなのです!

ここまでポジティブなのは、現実ではNON STYLEの井上さんくらいしか存在しないんじゃないでしょうか。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) 【日めくり】 まいにち、ポジティヴ!  (ヨシモトブックス) ([実用品]) <だいたいおんなじくらいポジティブ

しかも火星でやっていることといえば、水や酸素の確保はもとより、ジャガイモ栽培とわりと庶民的なサバイバル。やっていることがテレビ番組的なノリでお茶目です。
そりゃ火星でひとり鉄腕DASHとか火星でひとりいきなり黄金伝説な感想を持つ方も多いってもんです。

DASH村開拓記―自分たちの村をつくって日本地図にのせよう!! (東京ニュースMOOK)<みんなでがんばって開拓する番組

でも自分が感じたのは、一言感想で書いたとおり、ゴージャスになった『アポロ13』だったんです。
作中で起こるトラブル、計画の規模がものごっそい大きいのですから。

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『アポロ13』は本当の出来事を映画化した作品で、NASAの人たちが宇宙に残された者の命を救うまでの物語が紡がれていました。

本作『オデッセイ』でもそれは同じ。
描かれているのは火星に残された主人公だけでなく、世界中のすべての人々。
主人公以外の人間も、たったひとりの人間の命を救うために尽力する物語でもあるのです。

火星に残されたたったひとりのために費やされるのは、何100日という途方もない時間。
お金だってかかる。自分の生活だって犠牲になる。
だけど、世界中がたったひとりを「助けたい」と願うのです。


『アポロ13』でも本作でも、自分がいちばん感動したことはここだったんです。

人間は心臓をナイフで刺されただけでも簡単に死にますし、それどころか何か悲劇的なことがあるだけでも自殺をしかねない、弱い生き物です。
どこかで誰かが事故で亡くなったというニュースがあっても、ほとんどの人が気にも止めません。
日常的に、人は、人の死を「粗末なもの」として扱ってきているのではないでしょうか。

だけど、本作では人の命は何よりも重く、尊いものだということを示してくれるのです。
これは言葉だけ書くとキレイゴトのように思えるものですが、本作を観ればそれは本当だと気付けるのです。


また、本作はユーモアも満載なのですが、そのセリフもちょっと泣けるところがあります。
なぜなら、そのユーモアの多くは、悲惨な現状を笑い飛ばすようなものであるから
皮肉の効いたブラックなジョークが多めなのは、それが本当に鬼気迫っている状態であるから。そのときの精神状態を慮ってってことなんですよね。

人は悲しいときに笑ったり、本当に苦しいときにこそ、なんでもないような冗談を言ってしまう生き物だと思います。
そのような心理がわかる(いい意味で)バカバカしいセリフを聞けば、ついつい涙腺が緩んでしました。

本作はジャンル分けすればSFアドベンチャーなのですが、人間ドラマとしても抜群におもしろいのです。


音楽の素晴らしさにも触れておきたいです。
劇中では荘厳なBGMに対抗するようなノリノリなディスコ曲が流れるんだけど、これが意外にも泣きそうになってくるんです。

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これは作中のシチュエーションと、歌詞が絶妙にシンクロしているためでもあるのでしょう。
泣かせるシーンでホレホレ泣け泣け~という曲を流す邦画の人たちに教えてあげたいですね。羽住◯一郎監督とか。


似た作品としては『キャスト・アウェイ』も抑えておきたいところですね。

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『キャスト・アウェイ』では、無人島にずっとひとりでいるがゆえの「孤独との戦い」がずっと描かれていました。
ただし、本作『オデッセイ』では火星にひとりで残された主人公だけでなく、地球にいる人々の描写もたっぷりあるため、孤独感を期待するとちょっぴり期待はずれになってしまうかもしれません。

そのほかの本作の否定的な意見の多くは、「リアリティーがない」ということだったりします。
火星であんなにすんなりと水を作り出したり、ジャガイモ栽培までできるかな?という疑問は湧くかもしれません。

しかし、本作では全般でNASAが協力してますし、多くのところで理論の裏づけはされています。そもそもふつうの観客(自分含む)は無知なので何が間違っているのかわからんし。
画のクオリティーの高さも相まって、自分はまったく違和感などなく観ることができました。

また、終盤に中国が出てくることも、急激な経済成長に媚びているんじゃないかという批判もあるようです。最近じゃ『トランスフォーマー/ロストエイジ』も酷かったもんね。
でも、原作から中国は登場するので、まったくもってそういうイヤらしい狙いはないと思います。

※むしろ皮肉として中国の進出を書いていそう。クリックするとネタバレ注意。

地味な難点は専門用語が多めなこと。
ときどきわかりやすい説明が入りますし、用語の多くは理解しなくても話は伝わるので、深く考えなくてもよいかと。

楽曲の歌詞の日本語字幕が一部しか表示されないのも残念だったなあ。
前述のとおり歌詞は作品とシンクロしているので、これから観る方(英語力のある方)はぜひ曲(歌詞)をよく聴くことをおすすめします

また、邦題の『オデッセイ』は作品に合っていないという意見が多かったのですが、自分は悪くないと思います。
なぜなら、Odyssey古代ギリシアの長編叙事詩から転じて「長い航海」も意味しており、『2001年宇宙への旅』の原題は「2001: A Space Odyssey」だったりするのですから。
(もちろん『The Martian(火星人)』の原題のほうが合ってはいるのですが、本作ではしっかりと長い航海(宇宙の旅)をした人物がいます)。

2001年宇宙の旅(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray]<これに似ているシーンもあるかも?


こんなに楽しくポジティブなSF映画を、『ブレードランナー』や『グラディエーター』のリドリー・スコットが監督したというのもまたおもしろいところ。
よくも悪くも、リドリー監督作品は作品のトーンがめっちゃ重かったり、主人公がずっと深刻な表情でいたり、オチに至るまで救いがないなど、暗~い映画が多かったんですよね。
『エイリアン』のキャッチコピーなんて「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」という絶望しかないもんでしたから。いろんな意味で、本作は『逆エイリアン』的な内容と言えそうです。

エイリアン/ディレクターズ・カット (字幕版)<これとおんなじ監督です。

※本作のキャッチコピーはこんなに前向きだよ!


ともかく、これはすべての人間に幅広くおすすめします。
ちょっと「痛い」シーンがありますが、それ以外は極めて万人向けであり、時折出てくる科学ネタで理系ゴコロをくすぐるところも盛りだくさんです(←ここけっこう重要)。

予備知識はほとんど必要ありませんが、作中で出てくる単位「ソル」は覚えておいてよいでしょう。
ソルとは火星の1日を表すという単位。1ソル=約24時間39分35秒なので、ほぼ1日と考えてもよいでしょう。それを思うと作中の時間経過がヤバいことに……。

2Dで観ましたが、なかなか3Dを意識した「空間」の画もあったため、3Dで観る価値は十分でしょう。
142分と上映時間は長めですが、ひとときも退屈はさせません。
笑って泣けて、主人公のことをみんなが応援したくなる、痛快な娯楽作をぜひ劇場で。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-02-05 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 0
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2月1週目の映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ&新しいブロガー紹介!

毎週火曜日に更新するって言ったのに遅れてごめんなさい!
そんなわけで1月終盤~2月第1週の映画ニュースとブログ感想のまとめです。

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2016-02-04 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『さらば あぶない刑事』還暦越えのおじさまにハアハアできる映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はさらば あぶない刑事です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:強いおじさまががんばるって、素敵

あらすじ


浜港署捜査課刑事のタカこと鷹山敏樹(舘ひろし)と、ユージこと大下勇次(柴田恭兵)は、定年退職が5日後に迫っていた。
タカとユージは危険ドラッグのブラックマーケットを嗅ぎつけ、キョウイチ・ガルシア(吉川晃司)と彼が率いる中南米の犯罪組織・BOBへとたどり着く。
かつてユージが更生させた元不良グループのリーダー川澄(吉沢亮)、タカの最愛の恋人である夏海(菜々緒)も、やがて事件に巻き込まれるようになり……。




1986年にスタートした大ヒットドラマ『あぶない刑事』シリーズの11年ぶりの新作にして、第7作目となる劇場映画版です。

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※劇場映画版も過去に6作あります。

この映画を観る方はテレビシリーズからのファンが多いのでしょうが、自分はひとつも観ることなく劇場に足を運びました(ファンの方、ごめんなさい)。
何せ、観る前はふつうにタイトルの読みを「あぶないけいじ」だと思っていたくらいですから(酷い)(略称は『あぶデカ』です)。

それでもこの映画はおもしろかった!
内容はとにかくエンターテインメントに特化。
だいたいが荒唐無稽(褒め言葉)、勢い任せのご都合主義的展開(褒め言葉)も含めて楽しくって仕方がなかったのです。

おそらく、作り手も「『あぶデカ』を知らない若い人にも楽しんでほしい」という願いがあったのだと思います。
吉沢亮菜々緒という若手人気俳優/女優のキャスティングももちろんですが、アニメ『アクティヴレイド』とのコラボポスターが展開されていたりするのですから。

さらばあぶデカ あくてぃぶれいど<アニメファンも対象

内容そのものも、はじめて観る方でも無問題で楽しめるでしょう。
物語は本作だけでキッチリ完結していますし、何より本編は(いい意味で)頭空っぽで楽しめる娯楽作なのですから。

何より、おじさまたちが壮絶にカッコいいんですよ、この映画。もうこの点だけ語れたらほかのことはどうでもいいです。
主演の舘ひろし柴田恭兵とっくに還暦を迎えているんですが、どうしてこんなにカッコいいの?
溢れ出るダンディズムと、茶目っ気ありまくりのユーモア、そしていざと言うときは頼りになるって、どんだけですか。抱いて

若い女性でも、年上のおじさんフェチの方はけっこういると思うんですよ(願望)。
もしそうなら観に行け。ぜったい損はしませんよ。

そして、初登場となる悪役・吉川晃司の魅力について、語らないわけにはいけません。

別冊カドカワの本  愚  日本一心 吉川晃司 (カドカワムック 別冊カドカワの本)<何をやってもカッコいいよね。

もうね、その滲み出る悪役としてのカリスマ性とか、ただいるだけでカッコいい出で立ちとか、その肉体を駆使したアクションとか、『エクスペンダブルズ2』のジャン・クロード・ヴァンダムを彷彿させて泣きそうになったんですけど。
そういえば、吉川さんは『るろうに剣心』でも原作を超えたと思わせるほどの悪漢を演じていましたね。こちらが好きな方も必見です。

なんていうか、自分はこうした強いおじさん(おじいさん)ががんばる作品が大好きなんですよ。
肉体の衰えは確かにある、だけど長く生きたぶんだけの男気を感じるっていうね……そういった要素だけでも、ついつい涙腺がゆるんでしまいます。

しかし、アクションはカーチェイスあり、ドンパチあり、格闘ありと、まったくもって「衰え」なんか感じさせません。
村川透監督はもう78歳なんですけど。何気に『マッドマックス4』のジョージ・ミラー(70歳)を超えてんじゃねーか!

おじいちゃんだけでなく、若い方もがんばっています。
とくに夕輝壽太演じるマフィアの一員はすさまじいインパクトを与えてくれるでしょう。

ゆうきじゃったさん<じつはめっちゃ怖い役

なお、シリーズファンが泣いて喜ぶであろうおなじみのセリフやアイテムもたっぷり登場します
シリーズを観ていない自分は、残念ながらそのネタのほとんどを理解できなかったわけですが、ちょっと調べただけでもどれだけ愛されてきたものかがわかります。

もう本作は『あぶデカ』を支えてきたベテランたちに贈られた、とびっきりのエンターテインメント。
ファンは何よりも優先して、劇場に足を運ぶ価値があるでしょう。


難点は、荒唐無稽な内容なのでリアリティーを求める方には向かないということでしょうか。
あまりにゴージャスにドンパチしまくるので、「あれ?日本って銃社会だっけ?」と錯覚するほど。
ツッコミどころは多いですし、命の危険があるのにオチャらけているところは多いし、随所に「細けえことはいいんだよ!」という潔さ(笑)が見えまくります。

これは『あぶない刑事』の持つ魅力ですので、言うのも野暮なんですけどね。
記者会見で、浅野温子さんが「あぶないデカの原点はゆるーいところ。あとは、つじつまの合わないところばかりだし、リアルじゃないし。だけどそれを「あぶないデカだからね!」と認めさせてさせてしまうところが原点ですね」と語っているのは笑いました。
たぶん『キン肉マン』がツッコミどころ満載だけど、「まあゆでたまご先生じゃしかたないよな」とファンに受け入れられていることといっしょなんでしょうね。

また、「同窓会」的に昔にキャラに会いに行く場面があり、それが若干作品のテンポを殺してしまうことも弱点かも(これもファンサービスなので言うのも野暮)。

あとは浅野温子さん演じる「薫」のキャラがなあ……とりあえず、現実ではこの地球上に存在しないメチャクチャなウザキャラになっていてびっくりしました。

うざいあさのあつこ<UZAI

もともと彼女はテレビシリーズ版ではもう少し落ち着いたキャラで、劇場版でどんどん破天荒な人物になっていったらしいです。
自分はそのキャラも含めて大いに楽しめたのですが、これはファンにとっても賛否両論とのこと。そりゃそうだろうなあ。

また、本作は展開の9割が読めます
悪く言えばありきたり、微妙な言い方をすればベタなストーリーなんですよね。
でもそれはよく言えば王道であり、伏線がちゃんと生きているという証拠。
御年64歳になるベテラン脚本家・柏原寛司の手腕は存分に感じられます。

その他で気になったのは、コマ送りのスローモーションの多様はあんまりカッコよくなかったとか、菜々緒はあんまり好きじゃないとかかな(←ただの好き嫌いの問題)。

そんなわけで、『あぶデカ』のファンはもちろん、ただただ楽しい娯楽作品を期待する方へ存分におすすめします。
多少のバイオレンス描写はありますが、それほどドギツイものではなく、ちょうどいい刺激を与えてくれるでしょう。
エンドロールの最後まで、しっかり観ましょう!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
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2016-02-01 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 1
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2011年 映画ワースト10

映画パロディAVタイトルベスト10
映画邦題ベスト10&ワースト10
Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
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