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ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

『バットマン vs スーパーマン』の考察記事が盛りだくさん! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(3月25日~3月31日)

直近1年で映画館で映画を観ていない人が64.1%を占める日本
どうしたら、そういう人たちに大傑作『リップヴァンウィンクルの花嫁』を劇場で観てもらえるんだろうと考えて、答えが見つかりません(挨拶)。


そんなわけで今週もニュースとブログ記事のまとめです

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2016-03-31 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『リップヴァンウィンクルの花嫁』測りしれない幸せ(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はリップヴァンウィンクルの花嫁です。


個人的お気に入り度:10/10

一言感想:この世界は、辛くて、やさしい

あらすじ


2016年の東京の片隅で――。
ひっそりと暮らしてきた七海(黒木華)は、ネット上で男性教諭と知り合い、やがて結婚をしようとする。
七海は“何でも屋”の安室(綾野剛)と接触し、結婚式の“代理出席”を頼もうとするが……。




Love Letter』『花とアリス』の岩井俊二監督最新作です。

本作に関しては邦画の大傑作だ。ぜったいに観ろ。だけでいいです。

それでも、ネタバレのない範囲で“知ってほしいこと”を以下に書きました↓
<岩井俊二監督最高傑作!『リップヴァンウィンクルの花嫁』を観る前に知ってほしい10のこと | シネマズ by 松竹>

まあ何も予備知識を入れずに観てもまったく問題ないのですけどね。観る前のネタバレは厳禁。とにかく観ろよ(命令)。

あとね、映画だけでもすんばらしいのですが、ぜひ鑑賞後に原作小説も読んでほしいんですよ。

リップヴァンウィンクルの花嫁
岩井 俊二
文藝春秋
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映画では“役者の演技”により物語がエモーショナルに、
小説では童話などの引用も相まって、より作品を深く理解できるようになっていました。

いままでも、岩井監督は『リリイ・シュシュのすべて』ではネットで展開された原作小説を書いていましたし、『花とアリス殺人事件』では乙一氏による小説道満道明氏によるマンガ版なども出版されています。
多くの媒体を追うことは大変かもしれませんが、そうまでして作品を深く知る価値があるはずです。


10点満点をつけていて何ですが、本作はなかなか好き嫌いが分かれる要素があります。
具体的には『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のような“流されてばかりで頭の弱い主人公”が嫌いだった方は、本作にも拒否反応を覚えるかもしれません。
平たく言えば、主人公が精神的に弱すぎて、人によってはイライラしてしまうのです(それこそが作品に重要ではあるのですが)。

また、物語そのものもファンタジーがかっています。
リアリティーのある展開を好む方にとっても、否をつきつけてしまうのかもしれません。

それでも、「なんだこれは!すごい映画を観ているぞこれは!」という感覚はあるはずです。
映画でしか味わえない、しかもこれまでに体験できないような感動を存分に体験できるでしょう。


また、ドラマ版が全6話で公開予定です↓
<BSスカパー!ドラマ|岩井俊二監督作品『リップヴァンウィンクルの花嫁』serial edition 【全6話】>
こちらでドラマ版第1話が無料で観られます↓
<リップヴァンウィンクルの花嫁 第1話|GYAO!|ドラマ>

ドラマ版の第1話を観たところ、映画版で省かれたカットやシーンが盛りだくさんでした。
音楽もほとんどなく、これをそのまま映画化してしまうとテンポがかなり悪くなってしまいますね。
いかに映画版がうまく編集されているかを思い知らされました。

ぜひ、映画の後にドラマを観て「この間にこんなシーンがあったのか!」と驚いてみてください。


直接的な描写はないとはいえ、性的な話題があるので小さい子の鑑賞にはご注意を。
ホラーとしても、ミステリーしても、クラシック音楽と融合した映像作品としても、切ない人間ドラマとしても、本作は大傑作です。

ひょっとしたら上映時間が3時間ちょうどということで躊躇している方もいるかもしれませんが、実際の体感時間はマジで1時間くらいなんですから、とっとと観に行ってください。
いままでの『リリィ・シュシュのすべて』や『スワロウテイル』という長尺の岩井映画では、正直「こんなに長くなくてもいいのに」と言いたくなるシーンもあったのですが、今回はすべてのシーンに意味があるとまでさえ思えたのですから。

本作に関しては、心地よい“余韻”も映画の一部です。
できることなら、鑑賞後には、何も予定を入れないことをおすすめします。
観たあとは、いまいる世界が、さらに美しいものに感じられるのかもしれないのですから。

上映劇場は決して多くありません(上映時期も地方によっては遅い)が、すべての人におすすめします。

※楽曲の試聴ができます↓

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 超絶ネタバレだから、観る前にぜったい読むなよ!

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2016-03-30 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『暗殺教室〜卒業編〜』取捨選択の失敗?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は暗殺教室〜卒業編〜です。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:羽住監督の悪いところが出まくっちゃった……

あらすじ


椚ヶ丘中学校の落ちこぼれ学級・3年E組の担任となった殺せんせーの暗殺期限が迫っていた。
文化祭などで楽しい学校生活を送る中、生徒のひとりが不穏な行動を見せて……。




昨年(2015年)に公開された映画『暗殺教室』の続編であり完結編です。

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※4月4日発売の19巻でもまだ完結しないっぽい。

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前作のレビュー↓
大切なターゲット 映画『暗殺教室』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー


本作はけっこうマーケティングがうまいんじゃないかと思います。
なぜなら、前作が「前編であること」を隠していたから。

昨今では『ソロモンの偽証』や『ちはやふる』が、2部作連続公開された影響もあるのか、(高評価にもかかわらず)記録的な大コケをしています。
2部作に分かれているということは、通常の2倍の時間とお金を使わないということであり、それで観るのを躊躇する方も増えてきたのではないでしょうか(自分がそうです)。
5月、6月に連続公開される『64‐ロクヨン‐前編/後編』も大丈夫なのかと、いち映画ファンとしてとても心配になります。

一方で、映画『暗殺教室』にはタイトルにはどこにも「前編」なんて表記はなく、1本だけで完結すると観客を思い込ませました。
しかも、後編の『〜卒業編〜』は、原作マンガが「少年ジャンプ」で完結を迎えた直後という、絶好のタイミングで公開したのです。

まあ、実際の『暗殺教室』の前編では、後編への伏線残しまくり、はっきりと「To Be Continued(続く)」と表示させるなど、どうしても後編が観たくなるすげえ卑怯な方法を取っているのですが。
前後篇の映画が溢れかえっている昨今ですので、この「2部作だと思わせないけど、後編が観たくなる」商法は今後のスタンダードになるのかもしれません(なってほしくないけど)。


さてさて、前作で好きだったのは、(1)マンガでしかできないような設定をよく実写映画にした!(2)原作からの取捨選択がうまい!というところでした。
しかし今回は後編なので(1)の要素はすでに消化されています。そして(2)の要素はまったくの期待はずれでした。

何が悪いって、原作のセンチメンタルな部分が過剰にピックアップされていて、それ以外がダイジェストのようにおざなりに描いていることです。
2時間という時間の制約上、ある程度は仕方がないとは思うのですが、それにしたってこれは映画としてのバランスが悪すぎます。

そして『海猿』などの羽住英一郎監督の「感動的なシーンを長ーく描いて、さめざめと悲しい音楽を流す」という悪いところも思いっきり出てしまっています。
前作ではそうした「感動させてやる」シーンは少なめ(コメディシーンが多め)なのであまり気にならなかったのですが、今回はその比重があまりにも大きすぎるのです。

もう羽住監督の「感動させてやる!さあ泣け!」という押し付けがましが出まくっていて、ものすごく退屈であり、まったく受け入れることができなかったのです。
この後編をバランス良く仕上げるには、過去編を思い切って短くするなど、大胆な変更が必要だったのではないでしょうか。


よかったところもあります。
成宮寛貴のチキっている悪役はめっちゃハマっていました

前作の暴力教師の鷹岡を演じた高嶋政伸も最高だったので、羽住監督はイカれた悪役の演技をさせることにおいては、技量のある方なんじゃないかと思いました。
自分は観ていないですが、『劇場版MOZU』では真木よう子と香川照之の娘以外は奇人変人狂人超人のどれかに該当するらしいですし(笑)。

これらの悪人も「とにかく狂っている」という演技なので、ともすれば下手とも言えるのですけどね。
自分は突き抜けたイカれっぷりが大いに気に入りました。


そんなわけで、羽住監督の「さあ泣け」演出の多さのおかげで、どうあろうが好きになれませんでした。
一方で、物語としてはちゃんと完結している、まとまってはいるので、前作が好きだった方には十分満足ができるのかもしれません。

あとねえ……エンドロールのことに触れるのもどうかと思いますが、もういいや。役者たちの楽しそうな撮影風景をエンドロールに流すのはいい加減やめませんかね
正直うっとおしく、映画の余韻も台無しです。


また、改めて「このムチャクチャ(褒めている)で破天荒な設定のマンガをよく映画化できたなあ」とは思いました。
殺せんせーのCGは一見チャチですが、よく見ると陰影の表現などがかなり工夫されていますし、端々で実写化の努力が見えます。

現在、実写映画版『テラフォーマーズ』が予告の時点で大炎上『鋼の錬金術師』実写化の報道に不満の声が相次いでいますが、実際の映画を観なければどうなるかはわかりませんよ!

以下、思い切りネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 少しだけ原作との違いに触れています。まだ単行本化されていないところの違いはぼやかして書いていますが、未読の方はお気をつけください。

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2016-03-29 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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大炎上中の乙武洋匡氏のすごさがわかる映画3選! 障がい者はいいやつばかりじゃないんだぞ!

乙武洋匡さんが不倫報道で炎上どころか火だるまになりましたね。

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※アマゾンレビューも真っ赤に燃えています。

五体不満足にも関わらず、5人(それ以上)の女性を満足させたことは、良くも悪くも「すごい」と思うところでしょう。

今回の不倫報道には心の底から幻滅しましたが、向上心とバイタリティーに溢れる乙武さんのことが大好きだった(過去形)ので、今回は改めて乙武さんのすごさがわかる映画を3つ紹介します。

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2016-03-28 : 旧作映画紹介 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が駄作である理由をたっぷり語ってやる(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はバットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(原題:Batman v Superman: Dawn of Justice)です。


個人的お気に入り度:3/10

一言感想:大失敗した『ダークナイト』のフォロワー

あらすじ


超人的な能力を持つスーパーマンことクラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル)は、ゾッド将軍を倒して平和をもたらしたものの、その破壊行為ゆえに人々からバッシングを受けるようになっていた。
両親を幼いころに失っていたバットマンことブルース・ウェイン(ベン・アフレック)もまた、スーパーマンに否定的な感情を持っていた。
ふたつの強大な力は、やがて衝突していくことになる。




※たっぷりとコメントをいただいたのでネタバレに追記をしています!
今後ともご意見をお寄せいただけるとうれしいです。


ドーン・オブ・ザ・デッド』『エンジェル ウォーズ』のザック・スナイダー監督最新作です。

公式からはあんまりアナウンスされていませんが、本作『バットマン vs スーパーマン』は『マン・オブ・スティール』のれっきとした続編になっています。

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『アベンジャーズ』シリーズをはるかに上回って「もうお前らが前作を観た前提で話を進めるぞ」な作品であり、前作を観ていないとさっぱり意味がわからないシーンが多々あります。
『バットマン vs スーパーマン』を楽しむためには、『マン・オブ・スティール』の鑑賞は必須と断言できます。

さらには、それなりにDCコミック(原作アメリカンコミック)の知識を必要とする小ネタもあります。
アメコミにめっちゃくわしいヒカリさんに聞いた話によると、本作の「あのシーンってどういう意味?」というのは以下の『ジャスティス・リーグ』のコミック版でもわかるそうです。

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できるのであれば、旧『バットマン』シリーズや、『ダークナイト』3部作も観ておいたほうがいいでしょう。
(話のつながりがあるのは『マン・オブ・スティール』のみですので、観る時間がなければ気にしなくてもいいかもしれません)


※とてもわかりやすいバットマンの超基礎知識


※スープスとはスーパーマンの愛称のことです。


さてさて、この時点で「アメコミ映画の初心者には敷居が高い」という欠点があるのですが、個人的にはそれ以上に問題点を抱えまくった駄作に感じませんでした。

まずは、ネタバレのない範囲の問題点を書いていきます。

(1)「正義とはうんたらかんたら」に時間を割きすぎ、視点が飛びまくる散漫な構成
本作ではバットマンとスーパーマンの両方の視点から物語を描くので、けっこう物語の軸があっちこっち飛びます。
その間に「正義とはこういうものだ」という主張がたーくさん飛び交うので、かなり冗長に感じてしまいました。
上映時間は2時間32分とただでさえ長めですが、体感時間は5時間くらいに感じました。

(2)主題に矛盾がある
これが個人的に大嫌いなポイント。
本作では「強大な力を持つスーパーマンは一般人の犠牲者を出している。彼は救世主などではない。」という論理が持ち出されます。
このスーパーマンへの世論、そしてスーパーマン自身の葛藤がどうなったかといえば……ふざけるな
前半であんだけ「正義とはうんたらかんたら」と言っていたことが台無しです。

(3)主役ふたりが好きになれない。
本気でバットマンとスーパーマンの両方が好きになれません。
これは脚本上意図的にウジウジしたキャラにしていますし、作品の主題に直結しているので、批判するのもナンセンスなのですが・・・正直に言って不愉快なレベルでした。

(4)強引な展開ばっかり
もうツッコミどころ満載、ご都合主義満載で「それはないだろ」「ひどすぎるだろ」と思いながら観ていました。

(5~もっとあるよ!)ネタバレだから↓に書くけどふざけんな
どうあってもネタバレになってしまう不満点がいくつもあります。
とりあえず心が折れたとだけ言っておきます。


どうしよう、個人的に本作はアメコミ映画史上もっとも嫌いな作品になりました。

ちなみに同日に公開された北米では本作は賛否両論、Rotten Tomatoesは30%前後と酷評気味(IMDbは7.6点とそれなりの好評)。
日本のcoco 映画レビューでは60%と微妙な評価になっています。

ベン・アフレックが酷評ぶりにがっくりきている動画も公開されており、これにはちょっと同情してしまうのですが……。


サイモン&ガーファンクルの曲が反則気味。

自分は同じく賛否両論ある、正義は何たるかを説くザック監督作品『ウォッチメン』や『マン・オブ・スティール』は大好きなんだけどな。
今回はクリストファー・ノーランが脚本にクレジットされていないのですが、それだけで、ここまで物語の出来が悪くなってしまうんですね。

前作のレビュー↓
母と、2人の父の想い 映画「マンオブスティール」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
こちらも好きです↓
やっぱり悩む鉄壁ヒーロー 「スーパーマン リターンズ」ネタバレなし感想+お気に入りシーン


いいところも当然あります。

ザック監督お得意のスピード感のあるアクション描写、お金に糸目をつけない破壊描写だけでも楽しくてしかたがありません。
ハリウッド超大作としてのボリューム感は確かに感じられるでしょう。
ものごっつ「うぉぉおおおおおお!」とアガるシーンがあり、そこだけでもお釣りがくるってもんです。

ハンス・ジマーとジャンキーXLが共同作曲した音楽もじつにシビれます。


もう観たひと全員が「あのときの曲最高だああ!」と絶賛できる憩い。ぜひここを楽しみにしてください。

おすすめ記事↓
世紀のヒーロー対決は音楽も最強?!『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』 | シネマズ by 松竹

役者もみんなよかったですね。
ベン・アフレックやヘンリー・カヴィルはもちろんですが、注目はレックス・ルーサー(スーパーマンの宿敵)を演じたジェシー・アイゼンバーグでしょう。
「矢継ぎ早でしゃべりまくるムカつくオタクキャラ」を演じさせたら、もはや彼の右に出る者はいないんじゃないでしょうか。
吹き替え版は超人気声優の神谷浩史さんがレックスを担当しているとのことですので、そちらを選択するのもアリかもしれませんね。

今回のバットマンとワンダーウーマンの造形もじつにカッチョいい。
ワンダーウーマンはもともとの「星条旗」という要素がなくなってしまったので賛否両論ですが、自分はその露出度とスタイリッシュさがしっかり共存していて大好きです。

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※こっちも好きです

また、『マン・オブ・スティール』で多くの方が思っていた「周りの影響を考えずに破壊しすぎじゃね?」というツッコミどころ(不満点)を、今回の主題に持ってきたこと自体は大好きでした。


いろいろ振り返ると、本作はよくも悪くも、傑作『ダークナイト』の影響を受けまくっていると感じました。

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今回のレックス・ルーサーはそのしゃべり方、訴えていることも『ダークナイト』のジョーカーっぽくなっています。
ジェシー・アイゼンバーグの演技は素晴らしいのですが、そのカリスマ性がジョーカーには届いていないのも少し辛く感じました。

ジョーカーは有無を言わせない「絶対悪」なような存在でしたが、このレックスは「何がしたいのかわかりにくい」悪役になってしまっています。
いままでのレックスは「尊敬されたい」「権力を欲している」わかりやすい悪役だったので、それをいい意味で壊したのはおもしろいのですが……。

そしてストーリーの一部も『ダークナイト』らしいところがあるのですが、本作でのとある決着の描き方は大いに不満です。
上っ面だけ影響を受けて、けっきょく散漫になっているようなずさんさを感じました。

また、監督ははっきりと『ダークナイト リターンズ』の要素が本作にあると語っています。

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こちらを観て(読んで)、共通点を探してみるのもおもしろいかもしれませんね。

また、ゲーム『バットマン:アーカム・ナイト』シリーズからのアクションが一部「逆輸入」されているとのこと。
バットマン(スーパーマンも)ファンであればあるほど、本作は楽しめそうですね。


本作は間違いなく劇場で鑑賞する価値があります。
賛否両論が吹き荒れているということは、それだけ議論にも花が咲くということ。
この作品は「映画を語り合う楽しさ」のきっかけにもなるのではないでしょうか。

『マン・オブ・スティール』の予習が必要という敷居の高さはあるものの、「バットマンとスーパーマンが戦うんだぜ!」というワクワクは万人向けです。
3Dを意識した画も満載、そしてど迫力の映像が展開するので、最大限に楽しみたければぜひIMAX3D版を選択しましょう。

自分は大嫌いですが、オススメです
矛盾をしているようですが、自分は強くそう思いました。ぜひ劇場へ足を運んでください。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-03-27 : 映画感想 : コメント : 33 : トラックバック : 0
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2016年4月の気になる映画一覧(マイナー推し)

TOHOシネマズのポイントが貯まったのでいつでも1ヶ月フリーパスポートを発動できるのだけど、「この日からたっぷり話題作が公開するから温存しなきゃ……!」とズルズル引きのばしまくっている人は自分だけじゃないと思う(挨拶)。

<参考>
TOHOシネマズ「1ヶ月フリーパスポート(無料映画鑑賞券)」は本当にお得なのか実際に計算してみた - YU@Kの不定期村

そんなわけで、ちょっと早いですが2016年4月の気になる映画です。
※(入江悠監督の『太陽』などを入れそびれていたので追加しました)

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2016-03-25 : 月ごとの気になる映画 : コメント : 10 : トラックバック : 0
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『暗殺教室』と『バットマン vs スーパーマン』はどちらが勝つか!? 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(3月18日~3月24日)

明日25日(金)はもう『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の公開日。
本作について、ブログでアンケートを取っていたので、その結果を以下に紹介しますね。

BSどっちが勝つ?
<コメント閲覧>
確かにこの戦いには決着がつきそうにないな。

暗殺教室とどっちが勝つ?
<コメント閲覧>
互角の結果に。「悔しいけどジャニーズ人気で『暗殺教室』が首位なんだろうな」という意見が多いんだなあ。



↓以下、今週の映画ニュース&ブログ記事のまとめです。

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2016-03-24 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『リリーのすべて』自己同一性障害の映画でもあった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はリリーのすべて(原題:The Danish Girl)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:“完全”になりたかったんだな……

あらすじ


1926年のデンマーク。
風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼され、自身の内面にある“女性”の存在を感じ取った。
アイナーはやがてドレスを着て、「リリー」と名乗り女性らしく振舞おうとする。
心と体の不一致に悩むアイナーは、ヘンリクという男(ベン・ウィショー)に迫られるが……。




英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督最新作です。

本作の原作は、世界初の性別適合手術をした実在の女性リリー・エルベを“モチーフとした”小説です。

リリーのすべて (ハヤカワ文庫NV)
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モチーフにしたということは、原作の時点でフィクションの側面が大きいということ。
手術後の経緯や、妻のゲルダとの顛末は史実と異なっているのです

実際の出来事との乖離があることを、否定的に思う方もいるかもしれません。
しかし、自分は映画という媒体では、伝えたいテーマがより明確になり、よりおもしろくなるのであれば、たっぷり脚色してもよいと考えているほうなので、本作の“創作”は大いに気に入りました。


自分がこの映画でもっとも好きだったのは、性同一性障害だけでなく、自己同一性障害も描いていたことでした。

主人公のアイナーは、自分の性に違和感を感じているトランスジェンダーで、自分の中にいる女性の“リリー”を、自分とは別の人間である、と考えています。

とはいえ、『ジキル博士とハイド氏』のような、創作物によくあるハッキリとした解離性同一性障害(多重人格)とは違います。
リリーはどこか不確かであいまいな存在であり、ただアイナーがリリーという女性を演じているだけのようにもみえるのです。
(広く解釈すればアイナーは境界性人格障害でもあります。ただ、こうした症例は広汎なものであり、どれがどれであると決めつけるのはあまり好ましいとは言えません)

このリリーという存在が“もやもやとした不完全なもの”であることは、アイナーにとっては大きな問題です。
そして、彼(彼女)が、性適合手術を経て“完全な女性”となれるのか?ということが、物語の大きなみどころとなっているのです。


博士と彼女のセオリー』の受賞に引き続き、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたエディ・レッドメインの演技は神がかっています。
エディは実際にたくさんの世代の異なるトランスジェンダーの女性と話をしていたとのことですが、ここまで見た目だけでなく体つき、機微な動作でさえも“女性の性に目覚めた男性”にしか見えないとは……。

リリーのすべて1<自分は“女性”

とくに自分が感動したのは、男性(ベン・ウィショー)としゃべるときに、“のどぼとけをなんとか抑えて、なるべく高い声で話そうとする”演技でした。
このツバの飲み込み方、話し始めるまでのとまどい、それはもう演技という枠を超えて、本物としか思えないほどです。

このほかにも作中には何度も、エディ・レッドメインが全身で“女性を自覚する”シーンがあります。
編集や撮影も洗練されおり、そこにはある種の美しさがありました。

助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデルも、確かな存在感を放っています。
エディとキスをするときの表情の変化には、複雑な感情がみえるでしょう。
役者の演技だけでも、本作は劇場で鑑賞する価値があるはずです。

リリーのすべて2<夫を愛しているけど……


なお、原題は『The Danish Girl』でその意味は「デンマークの女の子」となっています。
このタイトルは、リリーが自分の存在が不確かであることと相対するものなのではないでしょうか。

「デンマークの女の子」は確かにその女性が存在しているような“ほめ言葉”であるのに、自分の中にいるリリーは不完全な存在である、というように……。
(そういえば、映画の冒頭では、アイナーは画家としてほめられていましたね)

これは、リリーが完全な“The Danish Girl”になりたいと願う物語なのかもしれません。

また(原作からではありますが)邦題の『リリーのすべて』も、とても内容にマッチしていますね。
これは妻のゲルダが、大好きな夫(リリー)の「すべて」を知っていく物語でもあるのですから。


余談ですが、本作でトランスジェンダーのことをもっと知りたくなった方には、『トランスアメリカ』をおすすめします。

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性別適合手術を一週間後に控えた“父親”とその息子が旅をするロードムービーで、フェリシティ・ハフマンは“女優”ながらトランスジェンダーを見事に演じきっています。

日本のマンガであれば、『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』もぜひ読んでみてほしいですね。

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女装をする男、男らしい女性、援助交際をする女の子、という3人の主人公が織りなす物語であり、『リリーのすべて』と同じくアイデンティティー(自己同一性)がテーマのひとつとなっています。

※ブログを始めてすぐにこんな記事も書いていました↓
<女装もの&同性愛ものな映画をまとめてみた>

こうしたトランスジェンダーやLGBTの作品が多く生まれ、多くの著名人がカミングアウトし、理解がどんどん深まっていくのはうれしいですね。
若干15歳のジャズ・ジェニングさんは世界中から注目され
ウォシャウスキー姉弟は“姉妹”になり
生田斗真がトランスジェンダーの女性役を演じる映画も公開予定
と、その認知と理解は、近年でさらに一般的になってきたのですから。

ゲイのボクから伝えたい 「好き」の?(ハテナ)がわかる本──みんなが知らないLGBT
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※LGBTのことがよくわかる書籍

どうでもいい自分語りをすると、自分も女の子に生まれたかったと願うプチ(?)トランスジェンダーです。
中学生のときに女装したり、大学生になったときにはゴシックロリータの格好をしたりしていました。
創作物の男の娘ネタが大好きですし、いまでもレディースものの服をふっつーに着ていたりもしていますし、このブログで一人称が“自分”になっているのは“僕”や“俺”という男性の一人称を使いたくなかったからだったりします。
そんな自分であるから、本作『リリーのすべて』の主人公の姿は「まるで自分」であるために観ていてすごく辛かったです。

その辛さが、たとえトランスジェンダーでなくても、普遍的に多くの方がわかるようになっているというのが、本作の優れていたところです。


あまり劇的な展開が起こらない作品であるので、退屈に思う方もいるかもしれません。
しかし、セリフの端々に今後の伏線がいくつも込められているので、注意して会話を聞くことでよりスリリングに感じられるでしょう。

R15+納得の性描写がありますが、それは作品に間違いなく必要なものです。
多くの方におすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
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2016-03-23 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『天使にアイム・ファイン』天使が問題を解決するドラッグムービー(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は天使に“アイム・ファイン”です。


個人的お気に入り度:2/10

一言感想:I'm not fine.

あらすじ


天使が愛を与えるとみんながハッピー うれピー よろピくねーーー(錯乱)




信者にとっては観るのは義務、
珍作映画ファンにとってはネタの宝庫、
ごく一般の方にとってはまったく興味のない、
あの「幸福の科学」の実写映画がついにカムバックしてきました(やったぜ)!
なんと実写映画に限れば『ファイナル・ジャッジメント』以来4年ぶりなんですね。

はい、まあ結論から言えばおもんなかったわけで。しょうがないね。
以下、恒例の問題点を箇条書き。


(1)天使がいたからすべて解決!←Not信者には受け入れがたい

本作では、幸福の科学の「天使は本当にいる!天使が愛を与えてくれる!それを信じていればみんなが幸せになれるんだ!」というお教えをダイレクトにぶつけてきます。

わりとよくできているのは、天使の教えのいくつかは「とっかかり」にすぎないものであり、けっきょく本人の気の持ちよう、行動しだいだというメッセージがあること。
なるほど、これなら信者以外でも「頑張ろう!」と思えるかもしれませんね。

ところが、天使の教えのそのほかのいくつかが結局「天使がいたからうまくいったんだ」に帰着するので、どうにもこうにも信じられない
うん、まあこれは信者の方だったら問題ないからいいんだけどね、いいんだけどさ。


(2)群像劇としてぜんぜんおもしろくない

本作は5つの物語が並行して展開するので、『マグノリア』やゲームの『街』のように、誰かが誰かに影響を与えたり、多重に交差する人間関係があるのかな〜と思っていたらまったくなかった
群像劇(グランドホテル)的なおもしろさは皆無に等しいです。

大局的には、「みんなが天使により救われた」という共通点があるわけなんだけど、それが映画としてのダイナミズムを生み出していません。
強いて言えば、登場人物が「私◯◯ちゃんの友だちなんです!」と唐突に言うシーンだけがあるんだけど、結局話に絡まない。それならないほうがよかったレベルだよ。

これは群像劇ではなく、「オムニバス」ものと捉えるべきなんでしょうね。
そうだとしても、各エピソードを並行して描く意味があまりないのはどうかと思うんだけど……。
(『シン・シティ』や『人生スイッチ』は、同じ根底となるテーマを持つエピソードを並べたオムニバスの秀作でした)。

園田映人監督は、この映画の作りを「より縄式」であるとインタビューで答えています。
本来では、このより縄式で作られた物語は、登場人物の行動が「糸」であり、それが寄り集まって大きな縄(物語)になっていくというダイナミズムがあるわけです。
しかし、この映画では物語をつなぎあわせているのは天使しかいません

天使の存在は幸福の科学(の教えを伝える)映画を作るうえでは不可欠だったのでしょう。
だから、それを取り入れざるを得なかった脚本作りの苦労はわかる、とてもよくわかるのですが、それぞれの糸と関係ない「天使」という存在が物語を動かしてしまうのでは、まったくおもしろくないのです。

↓以下でも園田監督の苦労が語られています。
脚本へのこだわり 映画「天使に"アイム・ファイン"」園田監督インタビュー(1) | ザ・リバティweb


(3)脚本に論理的矛盾がある

ちょっと「いじめの章」はひどい。
主役の女の子の心変わり、解決方法に至るまで、真摯にいじめ解決に取り組んでいる人に失礼なレベルであるとさえ思いました。
本作は、「いじめから子供を守ろうネットワーク」の代表の方にもアドバイスをもらっているのに、なぜこんなにもリアリティーのない、納得できない解決方法を選んでしまったのか、理解に苦しみます。

また、根本的な解決に至っていないエピソードがあるんですよね。
細かい伏線がぶん投げられているところもあるし……。
そういえば、最近も「じぇんじぇん何も解決していないじゃん」とツッコミたくなる映画がありましたよね。そうだ、『ギャラクシー街道』だ。


(4)天使が香ばしいセリフを吐く

天使は問題が解決すると、頭のネジが35本くらい飛んでいる素っ頓狂なセリフを吐きます
ほかのシーンでは笑うと失礼かと思って我慢していたんですが、すみません、これは爆笑します。


※予告編で「大丈夫大丈夫!次いこ次!」って言っていたけど、もちろん大丈夫じゃなかった。


(5)主演の雲母(きらら)さんの歌唱力

本作には実力派の金子昇さんのほか、子役もけっこう演技がうまいのですが、主演の雲母(きらら)さんの演技力と歌唱力はわりと微妙です。
演技が下手というよりは、声に特徴がありすぎてあまり惹かれない、というのが正直なところかも。
18歳のわりには経験のある方ですし、アイドルしてはとてもかわいいのですが……。

天使に“アイム・ファイン
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※彼女自身はとても努力家だと思います。


(6)伝えたいことは全部言っちゃえ

これがいちばんキツいかも。
予告編でもわかりますが、劇中では「私は誰からも必要とされていない」とか「なんで私ばかり不幸になるの」とか、登場人物がどストレートな訴えをしてくれています。
これは「世界は残酷」といきなり言う『進撃の巨人 前編』(好きな映画だけど)や、「戦争はよくない」と高らかに宣言する『シベリア超特急』と同レベル。
そうしたことを言わずとも、演出や、役者の演技で伝わるのが映画のおもしろさだと思います。

また、本作ではこういうドストレートな訴えがある一方、具体的なエピソードがないために、その訴えの理由がさっぱりわからないという展開もありました。これは擁護しようがないです。


(7)超展開いらっしゃい☆

すみません、これに関してはネタバレなしでは説明不可能です。
とりあえず死んだ魚のような目になったとだけ言わせてください。



間違いなく幸福の科学の映画の志は高い、めちゃくちゃ高いものです。
本作にあるメッセージは、いじめを受けている子どもや、風評被害に苦しんでいる福島県の皆さん、そのほかさまざまな苦しみを持つ人が救われてほしいという、尊いものです。(自分だってそういう人が幸せになってほしいと思います)

だけど、「現実的な問題を無視して、天使が解決してくれる」はどうしても受け入れ難かったんです。
たぶん、言い換えれば幸福の科学に入信するか、お布施があれば全部解決と言っていることと同じなんでしょう。


フォローをしておくと、いいところもあります。
福島の農家の息子のエピソードはふつうにいい出来ですし、この息子は「幸福の科学信者じゃない立場」からの文句を言っているので、とても感情移入ができるキャラクターになっていました。まあ後に洗脳されるんだが。
こうしたツッコミを入れておくことで、プロパガンダ(政治的宣伝)映画としてはうまくなっています(うまくなるのもどうかと思うけど)。

撮影に岩井俊二監督のような逆光のショットや、長めのパンがあるのもわりと好み。画は退屈にならないように十分工夫されていると思います。

おもしろかったのは、明らかに幸福実現党そのまんまの党が出てきて、その選挙戦の苦労を語っていること
これは幸福実現党にとってはマジモンの苦労であり課題であるので、ちょっと同情してお布施をしてしまいそうになる(しないけど)。やるじゃーねーか(上から目線)。

ちゃんとしたストーリーラインもあるので、いままでのブッ飛んだ幸福の科学映画よりは出来はいいでしょう。
いくつかの伏線が生きているところには、思わず感動してしまったところもありました(決して皮肉ではなく)。

まあそれらのいいところを、天使がフォローを入れるたびに台無しにしてくれるのですが。つーかフォローになっていないときもあったぞ。
あと天使が何かをするたびに、ディズニー映画のような「シャラララ~」という効果音がかかって笑いを誘うビビデバブデブーとか言い出してもおかしくないレベル。


余談ですが、主題歌の『天使にアイムファイン』で動画検索すると、子どもからからおじさんまで「踊ってみた」の動画がアップされまくっています。
この曲自体はわりと嫌いじゃないけど、宗教によりユーチューバーが増えまくっているこの状況はわりと怖いぞ。





まあ、劇中ではそんなに危険思想とか出ていないですし(むしろ志は高い)、いじめの章を除けばそんなに腹の立つ内容にはなっていません。
最後のほうの超展開はいろいろな意味で危険でしたが、幸福の科学映画としてしてはこれで正しいです。

珍作映画としてのネタ部分は、ほぼ終盤20分に集約されているのでそれ目当てでお楽しみに!カタギの映画ファンにはもちろんおすすめしません!

以下、結末も含めてネタバレです ツッコミ入れているだけです。↓

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2016-03-22 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『マジカル・ガール』日本の鬱アニメファンは必見!(映画ネタバレなし感想)

今日の映画感想はマジカル・ガールです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:うれしいタイトル詐欺フィルム・ノワール

あらすじ


白血病で余命わずかな少女アリシアは、日本のアニメ『魔法少女ユキコ』の大ファンだった。
父のルイスは、失業中であるのにもかかわらず、アリシアに高額な1点もののコスチュームを購入することを決意する。
そのルイスの行為は、やがて心に闇を抱える女性バルバラと、訳ありの元教師ダミアンを巻き込んでいく……。




タイトルがマジカル・ガールですって。夢いっぱいの魔法少女ものかなウフフって思うところですが、ぜんぜん違うからな!
本作ははっきり言ってキツいぞ!何せタイトルに相反するような過酷な現実をたっぷり教えてくれる映画なんだからな!

おもしろいのは、カルロス・ベルムト監督が日本のアニメやマンガが大好きで、その影響を思いっきり受けているということ。
監督はインタビューで「『新世紀エヴァンゲリオン』や『魔法少女まどか☆マギカ』などのアニメに影響を受けた」と明言しているのです。


どちらもアニメファンには周知のとおり、かなりの鬱アニメです。

監督は『エヴァンゲリオン』の投げっぱなしな最終回に感銘を受け、「大切なことはミステリーのままにしておく」大事さを学んだそうです。
そのおかげで、本作『マジカル・ガール』も「観客に想像の余地を残す謎」を残しています

監督は、ふつうの魔法少女は願いを叶えるとご褒美になるけど、『まどか☆マギカ』では少女が自分の願いを叶えると「罰」になる、というダークな部分からインスピレーションを受けたそうです。
そのおかげで、本作『マジカル・ガール』は、まるで「キュゥべえ」が3人(匹)いるような映画になっていました。

魔法少女まどか☆マギカ キュゥべえ (ノンスケール 塗装済みソフビフィギュア)※見た目はかわいいけど、畜生です。

知らない人に説明しますと、キュゥべえは「僕と契約して魔法少女になってよ!」とお願いしてくるキャラなんですが、その後には契約した少女が精神的にも肉体的にもボロボロになっていくというステキな展開が待っています。

この『マジカル・ガール』には、そんなキュゥべえっぽい人間が3人もいるっていうわけ。誰かが願いを叶えると「罰」になりまくるわけ。なんつー映画だよ

こちらにも書きました↓
<『マジカル・ガール』は『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえが3人いるような映画だった | シネマズ by 松竹>

この『マジカル・ガール』が話が進むにつれ、どんどん最悪なほうに転がっていくのは、確かに日本の鬱アニメそっくりです。

そのほかにも、監督は江戸川乱歩の『黒蜥蜴』からも影響を受けていたのだとか。
(監督曰く、『黒蜥蜴』は登場人物が自分の欲求を満たすために変容をしていく映画で、それは『まどか☆マギカ』も同じなのだそうです)

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劇中に登場する、謎の車椅子の男の豪邸にある「黒いトカゲのマーク」はそのオマージュでしょう。

そのほかにも監督は、ちあきなおみの「二面性」にも影響を受けるわ、スペインのアニメとは比較にならないほど『ドラゴンボール』『聖闘士星矢』『機動戦士ガンダム』が大好きだと言うわ。
果ては長山洋子のデビュー曲にビビッときて、架空のアニメ『魔法少女ユキコ』のテーマ曲として劇中に流してしまいました。



えーと、なんていうか、この人おもしろいな

日本の文化に影響を受けた監督はたくさんいますが、影響を受けたのがそこかよとツッコめる監督の趣味は大変ステキですね。本作が初監督作品とのことですが、続編にも期待してしまいます。


また、本作には4人の主人公がいます(または主人公はいないと言ってもいい)。
キャストは『私が、生きる肌』のバルバラ・レニーのほかそれぞれ実力派なのですが、少女・アリシア役のルシア・ポジャンは今回のオーディションで抜擢された新人です。

少女アリシア<すでに怖い

彼女が選ばれた理由がまた可笑しくって……ほかの候補者にタバコをねだる演技をお願いしたところ、ほかの子たちは「ちょうだい」などとかわいい言いかたをしたのに、彼女だけはなぜか「タバコをくれないと腕を折るぞ」と言いはじめたそうです。
監督はそのセリフがでた瞬間に起用を決めたんだって(笑)。そりゃ衝撃でしょうねえ。

劇中ではさすがに「腕を折るぞ」なんて言いませんが、少女のコスプレには似合わない凛々しい表情、その出で立ちには一見の価値があります。
ちなみに短髪になっているのは、彼女が白血病であるという設定だから。これがまた「なんでも叶えてくれる魔法少女」と相対するものになっているんだよなあ。

なお、人妻のバルバラは一見まともな人っぽいですが、じつはかなーり「闇」を抱えた人物です。
オープニングでの出来事もそうなのですが、友人の赤ちゃんを抱きかかけて笑った後の「あのセリフ」には背筋が凍りました。
この「セリフだけでヒィッとなれる感覚」だけでも、本作は必見です。

まともじゃない人妻<彼女もキッツい

ともかく、これは日本人がいちばん楽しめる作品でしょう。
とくに、前述したような「鬱アニメ」が好きな方はバッチリハマる可能性が高いです。

反対に合わないのは、夢いっぱいハッピーな映画を求める方。『マジカル・ガール』は2016年を代表する鬱映画になる勢いですから。

また、本作はとても長く「間」を取る作風なので、人によっては退屈に感じてしまうかもしれません。
このテンポは『天然コケッコー』や『味園ユニバース』の山下敦弘監督にも似ています。

しかし、その「間」があってこそ、登場人物の葛藤がより見えてくるはず。
一挙一同に注意して見たり、いろいろと登場人物の想いを考えて見ることをおすすめします。


なお、日本の作品の影響ばかりを言ってきましたが、本作はファンタジー要素が皆無であり、フィルム・ノワール(退廃的な犯罪映画)ものの要素が強くなっています。
実写映画で似ている作品をあげるのであれば、『タクシードライバー』や『冷たい熱帯魚』でしょうか。

はっきりとは描かないものの、性的かつエグい要素もあるので、苦手な方は注意したほうがいいでしょう。
PG12指定は妥当だとは思いますが、高校生以上推奨ですね。

最大の難点は上映館が少なく、時期もバラバラだということ。
確かに超上級者向けなのでシネコンでの上映をしぶるのはとてもよくわかるのですが、多くの日本人に観ていただける機会が少ないのは残念です。
本作は観た後にいい意味でモヤっとする内容なので、誰かと観ればきっと語り合いたくなるはずです(デートで観ると落ち込みまくってその後の会話が皆無になるかもしれんが)。

『まどマギ』ファンはもちろん、最近鬱になる作品を摂取していないな、という方には大プッシュでおすすめしますよ。

おすすめ紹介文↓
“魔性の女”が男たちの運命を狂わせる!園子温も絶賛『マジカル・ガール』 | cinemacafe.net

園子温の絶賛コメント↓
スペインの鬼才監督「園子温監督に作品を観てほしかった」 - シネマトゥデイ

自分もコメントをしています↓
映画『マジカル・ガール』特集

以下のインタビューを参考にさせていただきました。媒体によって答えていることも違うな。↓
少女の願いが起こす悲劇の映画『マジカル・ガール』インタビュー まどマギが与えた影響とは?
「マジカル・ガール」カルロス・ベルムト監督インタビュー “日本アニメの要素もたっぷり” | アニメ!アニメ!
増村保造、三島由紀夫、『ドラゴンボール』……『マジカル・ガール』監督が語る、日本文化からの影響|Real Sound|リアルサウンド 映画部

おすすめ完全ネタバレレビュー。観る前に読まないで!↓
マジカル・ガール(ネタバレ)|三角絞めでつかまえて
Una produccion de Aqui y Alli Films, Espana. Todos los derechos reservados (C)

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2016-03-18 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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H・フォードが『インディ・ジョーンズ』に帰ってくる! 映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ(3月11日~3月17日)

4月23日(土)公開の映画『フィフス・ウェイブ』を試写で観ました。

『フィフス・ウェイブ』 映画前売券(ムビチケEメール送付タイプ)

パッと見では『2012』とか『カリフォルニア・ダウン』とかのディサスター(災害)ものに思えますよね?
実際はヤングアダルト小説が原作ということもあり、ティーンエイジャー向けのSF『ダイバージェント』や『ハンガー・ゲーム』を思わせる作風でした。
若者が徴兵され、なぜか戦力の低い歩兵として訓練をするのは『スターシップ・トゥルーパーズ』っぽいなあ。
少年少女の成長がキモの作風なのでハデさを求める人には向きませんが、クロエ・グレース・モレッツのファンならどうぞ。

↓以下より映画ニュース&ブログ記事のまとめです。

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2016-03-17 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『ロブスター』婚活パーティに行きたくなくなる映画(ネタバレなし感想)

今日の映画感想はロブスターです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:笑っていいのかどうかわからん!(切実)

あらすじ


近未来では、独身者が身柄を確保され、とあるホテルへと送られていた。
そこで独身者はパートナーを45日以内に見つけなければ、自身が選んだ動物に姿を変えられて森に放たれてしまうのだ。
デヴィッド(コリン・ファレル)は、やがて狂気に満ちたホテルから逃げ出そうとするが……。




『籠の中の乙女』のヨルゴス・ランティモス監督最新作です。

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※18禁です

『籠の中の乙女』と『ロブスター』が共通しているのは、「限られた場所」に拘束され、「洗脳された」、「男女の性」を描き出しているいうこと。
要するに、どっちものなかなか趣味のよろしい映画であり、超上級者向けとなっております。


だってさ、本作『ロブスター』の設定は、近未来で「お前独身者だから、いまからホテル行ってパートナー見つけてこい。そこで45日以内に見つけられなかったら強制的に動物にするからな」と言われてしまうというものなんですよ。
ホテルではパートナーを探すための自己アピールが行われたりするのですが、まあその世界が異様なこと。ギャグなのか真面目なのかがよくわからず、笑っていいのかどうか困る、という空気がずっと続きます

なお、パートナーを見つける期間は45日間とされていますが、この期間を延長する方法があります。
それは、「森に逃げている独身者を麻酔銃で眠らせて捕まえてくれば、ひとりにつき1日延長される」、というもの。
世界のシステムが「独身者は人間のままにしてはおけねえ!」というキッツいものになっているのです。

これは「国家に強制させられる」「独身者であることが許されない」ディストピア
「その世界から逃げてきた森の独身者は幸せになれるのか?」ということが、本作の大きな見どころになっています。

ロブスター01※逃げてきて幸せになれる?

ともかく作中の異常な空気がクセになる、唯一無二の魅力に溢れた作品なのですが……すみません、自分はちょっと苦手でした

何が苦手って、前述の「笑っていいのかよくわからない」ということです。
この映画ではおかしい世界で、おかしい登場人物がおかしいことをして、基本的にツッコミが不在なため、本当に困惑するんですよ。
「え、何、なんなの、このイカれたイヤな世界」っていう印象がブッ続くんですよ。

この印象が何に近いかといえば、同じくディストピアを舞台にした『12モンキーズ』でした。

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最近ドラマ化もされました

この映画に「異常な行動をとる人間」をコメディっぽく描いている(?)のですが、自分はまったく笑えずにちょっと辛かったのですよ……
『12モンキーズ』は好き嫌いの分かれる作品ながら、世界中で熱狂的なファンを生んだ秀作。こちらが好きでなのであれば、『ロブスター』もイケるでしょう。


そうそう、本作『ロブスター』の上映イベントに、千葉のローカルタレントのJAGUARさんが来ていたのですが、彼を呼ぶことを思いついた方は天才だと思います。

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※こんな世界観を持つお方です。

月曜から夜ふかし』でJAGUARさんのことを知った人も多いでしょうが、彼は
・異様な雰囲気を持つ
・唯一無二の魅力を持つ
・笑っていいのかどうかちょっと困惑する
・ツッコミどころ満載だけど近くにツッコミ役がいない
・動物(ヒョウ)がモチーフになっている
という素敵なお方なんです。これは映画『ロブスター』の印象とそっくりじゃないか!

たぶん、JAGUARさんが好きな方は『ロブスター』も気に入るんじゃないでしょうか(雑な紹介)。
自分も上映イベントに行ってきて取材してきたので、よろしければ以下よりご覧ください。

<映画『ロブスター』のトークショーにJAGUARさんが降臨!ツッコミどころ満載なトークショーをお届け! シネマズ by 松竹>

あと、公式サイトで動物占いができるというのも素敵ですね。
生年月日を入れるだけで簡単にできるのでぜひやってみましょう。
映画を観ながら「もしあの動物になったらどうしよう」と怯えてみるのもいいでしょう(笑顔)。

<動物占いはこちら>


また、本作の魅力のひとつは、「超」がつくほどの豪華キャストにあります。
たとえば、『トータル・リコール』のコリン・ファレル、『ナイロビの蜂』のレイチェル・ワイズ、『美女と野獣』のレア・セドゥ、『シカゴ』のジョン・C・ライリー、『007スペクター』のベン・ウィショーと、映画ファンなら知っている名前が勢ぞろい。
こんだけのメンツを集めて、こんな変態な映画を作っていいんでしょうか。いいんだろうな。

ベン・ウィショーは『007』シリーズでは人のよいイケメンで、『パディントン』では紳士なクマを演じてたのに今回は・・・ファンは楽しみにしてみてください。


性的な描写がそれなりにあるので、R15+指定は妥当でしょう。
全体のテンポはゆったりしているため、劇的な展開を求める方には向かないのでご注意を。
序盤で、コリン・ファレルがそばにいた犬を「兄」と呼ぶシーンだけでも気が狂いそうになりますが、がんばってついていってください。

上映時期は場所によってバラバラ。3月19日(土)からは大阪でも上映するので、ぜひ公式サイトの劇場情報をチェックしてみてください。

結婚なんてしたくない、スレた大人におすすめします。
これを見れば、冗談抜きで婚活パーティーなぞには行きたくなくなるでしょう。

おすすめ(若干ネタばれ注意)↓
『ロブスター』―シュルレアルな世界がもたらす、斬新な映画体験。T-site
映画「ロブスター」感想 評価 レビュー モンキー的映画のススメ

(C)2015 Element Pictures, Scarlet Films, Faliro House Productions SA, Haut et Court, Lemming Film, The British Film Institute, Channel Four Television Corporation.

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2016-03-16 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベントを4月9日(土)に開催します!

告知です!
挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベントを4月9日(土)に開催します!

これもチャレンジ?

いまはもう春。
進学、就職など、新しいことを始める方が多いということで、「チャレンジ」に特化して映画を語りたいということが今回のコンセプトなのです。


<チャレンジする映画ってどういうの?>

「チャレンジする映画ってどういうのだよ?語れんのか?」という意見もあると思いますが、そんなに気を張らなくても大丈夫です。
ぶっちゃけ、これは自分にとってチャレンジする映画なんだ!これで私は挑戦する勇気をもらえたんだ!これを語りたいんだ!というだけでいーんです!
もちろん、語るだけでなく、自分がチャレンジをする勇気を与えてくる映画を知りたい!という方も来ていただいたらうれしいです。

具体的には以下の映画などです。

(1)「ストーリー優先型」…映画のストーリーの中で挑戦(チャレンジ)が描かれたもの。
例:『クリード』
クリード チャンプを継ぐ男 ブルーレイ・スチールブック仕様(1枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

(2)「バックグラウンド優先型」…映画が作られた背景に、実はスタッフ側の挑戦(チャレンジ)があったもの。
例:『マシニスト』(主演のクリスチャン・ベールが過酷な減量に挑戦したから)
マシニスト [DVD]

(3)「独断と偏見型(あるいは妄想型)」…自分の独断と偏見でこれは絶対に挑戦(チャレンジ)だと思ったもの。
例:『ムカデ人間』(あたまのおかしい医者が人間をつなげることにレッツチャレンジ☆)
ムカデ人間 [DVD]

要するになんでもいいということです
当日は楽しく「チャレンジ映画」を語ろうではありませんか!


<「音空間ディレクター」が『ザ・ウォーク』を語ります>

なお、当日はリバティーシネマ倶楽部という映画上映&交流イベントを主催されている高橋浩一さんが『ザ・ウォーク』の魅力をプレゼンします。

【映画パンフレット】 ザ・ウォーク   監督 ロバート・ゼメキス キャスト ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、ジェームズ・バッジ・デール<犯罪だけどこれもチャレンジです。

高橋さんは「映画について語ろう会 」での「アイルトンセナ音速の彼方へ」のプレゼンも熱いものであったので、大いに期待してみたいですね。

なお、リバティーシネマ倶楽部では、今週末3月19日(土)に『はじまりのうた』の特殊音響上映 ✕ ある仕掛けのイベントを開催されます。

リバティーシネマ倶楽部

『はじまりのうた』は2015年を代表する音楽映画なので、この音響で観られるのは貴重な機会ですね!合わせてチェックしてみてください。
<詳細・申し込みはこちら>


<自分は『クリード』と『ズートピア』をプレゼンします>

自分は「チャレンジ」という題材にふさわしい『クリード』をプレゼンする予定だったのですが、試写で観た『ズートピア』も合わせて紹介します。

【早期購入特典付き】ズートピア オリジナル・サウンドトラック(CD)+トライ・エヴリシング(CD+DVD)(2枚同時購入特典A4クリアファイル付き)

はっきりいって『ズートピア』は、個人的に今年ベストどころか、オールタイム(生涯)ベスト級の大傑作でした!しかも「チャレンジ」というテーマともものすんごくマッチしているのです。
公開はまだ先(4月23日(土))なので、もちろんネタバレはいっさいなしでプレゼンしますが、もうものごっつ熱苦しく語るぞ!覚悟しろ!
<『ズートピア』の公式サイトはこちら>


<映画を観る本数の常識ってなんだろう>

さてさて、今回のイベントにツッコミどころがあったのでご紹介します。

いやね、今回のイベントページを作ってくれたのは、「人間映画Wikipedia」と呼ばれる成宮秋祥さんなのですが、参加申し込みページがどうかしていたんですよ(褒めてる)。
そのページのアンケートに、こんな項目があります。

「好きな映画の「国」はどこですか」

好きな国

好きな国って、よほどの映画ファンでもなかなかあげないなあ。でもこの機会に好きな映画がどの国のものだったかがわかっていいかもね、うんうん。

「好きな映画の年代はどれですか」

好きな年代の映画

選択肢に1920年代以前とかあるけど、いまの人はそこまで昔の映画を観ていないよ!
エデンの東』や『七人の侍』でも1954年だぞ!

「月間に観る映画の本数は?」

月間に見る映画

うんうん、年に100本も映画を観ていればなかなかの映画ファンですよねってこれ月間での選択肢かよ!
月に100本以上って1日3〜4本観ないと間に合わねえじゃえか!
2番目に少ない選択肢の「10本以上」でも、週に2〜3本は映画を観ているんだぞ!

ちなみに成宮さん本人にも「選択肢がおかしくない?」とツッコミをいれたのですが、「このくらいの本数は普通じゃない?」と返されました。
やっぱり、変態的(超褒めてる)な映画知識を持っている人の常識は違うなと思い知らされた瞬間だったよ。

ちなみにこれ以外にもツッコミどころがあるので、参加したいと思う方はイベントインのページから「イベントに申し込む」をクリックして、申し込みページをみてください。もう自分はツッコミきれないんで!

ちなみに、前回は映画検定の1級の保持者が3人もいらっしゃるという大変濃いイベントになりましたが、映画をあまり観ない方の参加もウェルカムですよ(←すごく説得力のない発言)。
※前回は<こんな感じ>になりました。


<ご参加お待ちしています>

今回も、変態の成宮さんによる激ムズクイズを実施予定です。
このクイズは開催時期が近づいてきたらこのブログに載せますが、かなりクレイジーですからお楽しみに。
現在映画配給会社さんと交渉中で、プレゼントも用意しますよ。

挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベントこと「第4回 映画の“ある視点(テーマ)”について語ろう会」は、
2016/04/09(土)
18:30 ~ 21:30 (受付開始時間は17:30)

東京・勝どき駅から徒歩2分の場所での開催です。

会費は2000円、前回よりも1時間長くなり、学割(500円引)もありますので、おトク感は増しております。
定員は25名とわずかですので、ご応募はお早めに!

<第4回 映画の“ある視点(テーマ)”について語ろう会 応募ページはこちら(eventon)>
<Peatixでも募集をしております>

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2016-03-15 : いろいろコラム : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『アーロと少年』描いているのは人間の歴史そのもの?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はアーロと少年(原題:The Good Dinosaur)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:まさかのトラウマサバイバルホラー映画

あらすじ


6500万年前、もし地球に隕石がぶつからず、恐竜たちが絶滅しなかったとしたらー?

隕石が衝突から回避されてから数100万年後、3きょうだいの中でも体が小さな末っ子アーロは、臆病な性格のためにいつもからかわれていた。
ある日、アーロは父親から盗みの犯人を見つけ、殺すようにと教えられる。
アーロが見つけた犯人は、小さな野生児だったー。




※ちょっと思いついたこと&コメントをネタバレに追記しました(3月15日)

いやー、まずは日本版の予告編を観てくださいよ。



うんうん「ひとりぼっちとひとりぼっち」「それは、初めての友だち」など、心温まる友情物語に思えますよね。

ところが海外版の予告ではちょっとだけ毛色が違うよ。


※本編のネタバレ注意。

めっちゃシビアじゃない?
似たシーンがピックアップされているとはいえ、どちらかというと海外版のほうは「大自然の中で生き抜くこと」という過酷さが表現されているかのようです。

本編の内容とどちらの予告が合っているかといえば(どちらも間違いではないですが)、後者なんですよね。
この映画、パッと見の印象とは違って、大自然で生きて行くサバイバルの要素があるだけでなく、子どもにはトラウマになりかねない残酷な描写まであったりするのです

物語自体は主人公と、その相棒となる者が、故郷へ帰るための冒険をしていくシンプルなもの。ロードムービーのような印象もあります。
そのもっとも大きな魅力は、3DCGアニメで、雄大な自然の美しさを描き出したことでしょう。

アーロと少年大きな自然

アーロと少年夕方駆ける

それはまるで、広大なアメリカ大陸を旅行しているかのよう。
3DCGは下手をすれば無機質で味気ない、ある意味で自然とはもっとも縁遠いような技術であるのに……ここまでの「美しさ」にこだわった作りに感動しました。

ところが、その美しいはずの自然は、土砂崩れや嵐などで突如牙をむきます。
自然は生きる者にとって必要であるが、脅威にもなる。
その中で生きなければならない―
という、自然そのものを描いているのです。

しかも過酷な描写はそれだけではありません。
下手すれば子どもが泣くんじゃないかと思うほど、いろいろなところをぶつけたり、大きな傷を負ったり、命が奪われたりと、流血一歩手前までの残酷さがあるんです。

アーロと少年検索候補<検索候補に「トラウマ」が出るくらいです。

この「自然の過酷さ」「残酷な世界」がしっかり描かれていたことこそが、自分が『アーロと少年』でもっとも気に入ったところです。
ストーリーはシンプルだけど、味付けは少々辛め。決して「王道」だけでは終わらせない、ディズニー/ピクサーならではの工夫がありました。

また、「語り過ぎない」演出もいいですね。
この映画では恐竜のアーロはしゃべれるけど、人間のスポットはしゃべれません。
つまりアーロはなんとか言語以外でコミュニケーションを取るしかないのだけど、ここで「言葉がない」ことこそが感動を呼ぶ、という巧みな演出がなされています。

本作のメッセージはストレートに語られる一方で、「本当に伝えたかったこと」は語ることなく、観客に届くようになっている。このバランスも見事です。


難点はあまりに「王道」な作品であるため、多様な広がりを見せる物語を期待する方には向かない、ということでしょうか。
ストーリーそのものは、ピクサー作品の中で高く評価する方は少ないのかもしれません。
いままでのピクサー作品とかぶっている(定石通りのつくりになっている)ところもあるので、新鮮味はあまりないのかもしれません。
上映時間が93分と短めということもあり、物足りなさを感じる方もいるでしょう。

しかし、王道であるからこそ作品のテーマはストレートに伝わってきます。
王道の中にも、隠された数々の「メタファー」を考えると、よりおもしろく観ることができるはずです。

たとえば、この物語は人間の開拓の歴史を描いている、とも考えられます。
そもそもの設定は「恐竜が絶滅せずに生き残った」というもので、恐竜が進化を続けて賢くなり、まるで人間のようなさまざまな知恵をつけてきた、という描写があります。
これをかつての人間の歴史と照らし合わせると、おもしろく観られるでしょう。

ほかにも、序盤で登場したトリケラトプスのキャラに注目してもいいかもしれませんね。


ともかく、本作は過酷な自然の中でも冒険を堪能できる良質のアドベンチャー映画であり、子どもにほどよいトラウマを植え付けてくれる素敵な映画です。
こういう怖い描写がある、ちょっとトラウマになる映画って、むしろ子どもにとってもいいと思うのですよ(ゲス顔で)。

人間がなぜホラーや怖い作品を観るのか?といえば、映画でそうした出来事を疑似体験することで、現実でも立ち向かっていけるような勇気が湧く、ということもあると思うんです。
この映画を観たお子さんも、怖い出来事が起こりまくる『アーロと少年』を観終われば、ちょっぴり強くなっていると思いますよ。


また、公式サイトでは、「エピソード0」の絵本が載っています。
↓以下から読めるので、映画の後でも、前でも読んでおくといいでしょう(個人的には鑑賞後がおすすめです)
<pdfで開くので注意>

それなりに3Dを意識した画はあるものの、3D演出が重要になる作品ではないので、今回は2Dでも十分かもしれませんね。

ちなみに、同時上映の短編映画は『ボクのスーパーチーム』というタイトルで、これがまあ独創的な作品に仕上がっています。
これは予備知識なく観て、「いったいどういうことなの……」と困惑してほしいですね(ゲス顔で)。
そんなわけで大人にもオススメです!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-03-14 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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『エヴェレスト 神々の山嶺』天下レベルの原作破壊珍作映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はエヴェレスト 神々の山嶺です。


個人的お気に入り度:2/10

一言感想:なんでこんな目に会わなければいけないんですか!(←作中の台詞)

あらすじ


あたまのおかしい岡田准一があたまのおかしい阿部寛を追いかける話。



※毎度おなじみメタメタに酷評しているので、この映画が好きな人にはごめんなさい。

※コメントを受けて追記、修正をしています。ご意見をいただいた方、ありがとうございました。(3月15日)

夢枕獏原作の、世界的ベストセラー小説の映画化作品です。

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『孤独のグルメ』などで知られる谷口ジロー作画のマンガ版も、原作に忠実かつ、見事にその魅力を描き出した名作として評価されています。

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で、長年にわたり絶賛されてきた原作が、今回の映画でどうなったかと言うと、本気でどうしようもないという結論に至りました。
こいつはキツいぞ!なぜかって?恒例の箇条書きで説明するよ!


(1)主人公の深町(岡田准一)が狂人になった

原作の深町は物語の語り部であり、いわば読者の代わりとなるような、常識的な感情移入がしやすい人物でした。

ところが映画の深町は、開始2分で狂人であることを見せます
これは演出とか役者の演技のせいではなく、明らかに脚本段階から深町の性格を変えています。
おそらく、深町をキチ◯イにしたのはある種の挑戦だったんでしょうね。狂人ふたりを物語の主軸において、映画ならではの新たな解釈をしようという……

でもこれがどう考えても失敗しています。
おかげで「主人公に感情移入できない」という単純な問題のほかにも、「山狂い」の羽生(阿部寛)の内面を解き明かす、という物語の魅力がスポイルされているという大問題が浮上するからです。


(2)もうひとりの主人公の羽生(阿部寛)の気持ちがわからない

つぎつぎと命の危険がある山に挑戦し、ほかの人間の意見を尊重しようともしないクライマー・羽生(阿部寛)は、原作においても狂人です。
『神々の山嶺』の何が素晴らしいって、そんな羽生の人生を追いかけることで、最後には狂人にもかかわらずその気持ちが理解できるようになっているという、奇妙かつミステリー作品のようなおもしろさがあることです。
それは、「まともな見識を持っている」深町の目線から、狂人・羽生というキャラクターを見据えたおかげでもあるでしょう。

ところが映画では、深町と羽生の両方がキチ◯イのため、「なんなのこのあたまがおかしい人たち」「勝手にやってろよ」という印象しか持てない。
羽生と深町の絡みさえほとんどないのは致命的でしょう。


(3)「なぜ山に登るのか」の答えがぜんぜんわからない

『神々の山嶺』では、「なぜ山に登るのか」の質問に対する、ジョージ・マロリーの「そこに山(※これはエベレストを指している)があるからだ」という言葉への「さらなる答え」を、とある形で描ききっています。

これが物語の根本であり、もっとも大切なことのはずです。
しかし映画ではふざけんなぁぁぁああああああああ!
さすがにネタバレになるので↓に書きますが、これは原作ファンはマジギレするぞ!


(4)ツッコミどころ満載

もうね、映画だけだと「単なるカメラマンの深町が、なぜあんなにエレベレストを登っていけるのかさっぱりわからない」という誰もが思うツッコミどころがあります。
コミック版を読むと、そこのソリューションはしっかりと、細やかに描かれていたのに、映画ではじぇんじぇん説得力がありません。

そして終盤は原作を踏襲したものの、適当にセリフを拾ってつなぎ合わせたような薄っぺらい脚本と演出が続くので、登場人物が電波なことをほざきまくっているようにしか思えない

「原作のセリフを再現したけど、その前後がちゃんと描けていないから意味不明」というのは、実写映画版『デビルマン』の「私は魔女よ!」→2分後に「違う、私は魔女じゃない」とほざくことをほうふつとさせてゲンナリしてしまいました。


(5)必要なシーンはハショるよ!

まああの大作を2時間にまとめるのが難しいのはわかるんですが、取捨選択はどう考えても大失敗しています。
原作ファンであれば「せめてあのシーンはいるだろ!」と憤慨するでしょう。

また、登山の技術がまったくというほど説明されていません
過酷な山登りのウンチクや、そのリアリティが『神々の山嶺』の大きな魅力だったのに、映画ではまったく伝わりません。
映画だけでは、終盤に深町が「そんなことまでするのか!」と驚いた理由がわからないのではないでしょうか。


ほかにも岸涼子(尾野真千子)がただのウザいキャラにしか見えないわ、
主人公たちについてきたおじいちゃんがこれまたイっちゃっていることをほざくわ、
終盤30分はもう超展開にヒィッwヒィッwと笑うしかないわ
と問題が目白押し。9割がたは脚本のせいです。
振り返ると、この映画はピエール瀧以外まともなキャラがいないですね。ほか全員がマッドマックスです。

あと、地味な欠点に「用語がわかりにくい」ということも。
原作を未読の方は「おにすら(鬼スラ)」「せいなんそう(西南層)」「むさんそ(無酸素)」という言葉を、頭の中でちゃんと漢字変換して理解できるんでしょうか。ちょっと難しいと思う。
※鬼スラ……「鬼のスラブ」の略。スラブとは、凸凹がほとんどないなめらかな1枚岩のことで、ここを登ることは危険である。

トータルでは、この映画は説明不足どころか説明すること自体を放棄しているレベル。
原作およびコミック版は、それぞれの用語が事細かに、説得力を持って理解できるようになっているので、ぜひ読んでみてください。


いいところもあります。
まず監督が平山秀幸、主演が阿部寛と岡田准一、撮影監督が北信康などと、邦画界の大ベテランたちが結集していることもあり、画は見応えのあるものになっています。
困難な撮影をやり終えたスタッフの尽力は、賞賛されてしかるべきでしょう。

まあ1960年代と1990年代でキャラの見た目がまったく変わっていなかったりのディテールのこだわりのなさ、トンデモな描写が続くせいでけっきょく台無しなんですが……。

また、序盤はテンポよく進むので、ここの原作の取捨選択はそれほど悪くない、とは感じました。
いや、それでも深町の行動にめっちゃおかしいところがあるんだけど……。

「登場人物が自分の想いをベラベラしゃべる」ということを覚悟していたのですが、実際は予告編の台詞だけで完結していた(ほかにはあまりなかった)のもよかったです。いや、予告の台詞だけで十分キツいんだけど。



そういえば、公式サイトには、原作者の夢枕獏からのコメントがない。
コミック版には、緻密な作画をした谷口ジローへの、熱く、リスペクトに満ちたコメントをしていたのに……。
想像の域を出ませんが、おそらく夢枕氏は映画の出来に激怒したんじゃないでしょうか。
※夢枕氏は、パンフレットで以下のようにコメントしていたという意見をいただきました。
”…去年のハリウッド映画『エベレスト3D』は高度4000m弱の場所で撮影しているそうですが、『エヴェレスト 神々の山嶺』は5200mですからね。この映画には”場所の”力も相当入っているはずです。”
”…原作と映画は違って当たり前ですし、この『エヴェレスト 神々の山嶺』は、原作の芯を残していながら大変いい映画になっている。”
とのことなので、この映画に対して激怒はしていないでしょう。
わざわざ自腹で撮影現場まで行ったそうですし。



ともかく、人物描写のシンドさのせいですべて台無しです。
原作は「山に対して狂人めいた執着をしているが、そのうちに山への確かな信念と、揺るがない己の価値観が見えてくる」だったのに、映画では「徹頭徹尾ただのキチ◯イにしか見えない」というありさまになっているのは擁護しようがしありません。

まとめましょう。
この映画を端的に語るのであれば、ダメ映画ファンは終盤に爆笑できるので必見、原作ファンはマジギレ必死といったところでしょうか。
岡田准一と阿部寛はキチ◯イを好演しているので、ふたりのファンにはそこそこオススメできます。

自分は
↓コミック版を2巻まで読む(泣く)
↓映画に爆笑
コミック版を最後まで読む(泣く、この物語の素晴らしさと、映画のリスペクトのなさに)
という順番で作品を知ったので、まだダメージは少なかったんですよ。

この映画のもっとも素晴らしいところは、原作およびコミック版を、多くの人が知るきっかけになったということでしょう。

自分もこの映画がなければ、コミック版を読むことはなかったのかもしれません。
これから『神々の山嶺』の原作またはコミック版を読む方は、映画の記憶を完全消去して、この傑作を堪能しようではありませんか!

ありがとう映画『エヴェレスト 神々の山嶺』!でもお金と観た時間は返せ。

以下、結末も含めてネタバレです↓ ツッコミしかしていません。

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2016-03-13 : 映画感想 : コメント : 20 : トラックバック : 0
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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』新予告編に衝撃が走る!&解説

ともかく、4月29日(金)日本公開予定の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の新予告編を観てくださいよ。


※ある意味本編のネタバレ注意?

もうね、「うおおおおおお!」ってなるよね!
ニュースサイトなどではこれがバラされちゃっているのですが、それで知ってしまうのはもったいない。
ぜひ実際に観て衝撃を体感してほしいのですよ。

↓以下、まとめと解説。予告を観てから読んでね。

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2016-03-11 : いろいろコラム : コメント : 7 : トラックバック : 0
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『マトリックス』の監督がふたりとも女性に!? 映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ(3月4日~3月10日)

5月14日公開の韓国・中国合作映画『きみの声を探して アフター・ラブ』を試写で観ました。
正直、あーはいはいどうせ『冬の◯ナタ』みたいな恋人が死んじゃってかわいそー系だろーと思っていたら(←大変失礼なのでこういう見かたはやめましょう)、登場人物の「死」から始まり、時系列を入れ替えて「謎解き」をする、存外おもしろいミステリーラブコメでした
素敵な恋の相手のはずの、パク・シフさんがてんでダメ人間というのもステキ。終盤のある要素にはいい意味で笑いました。

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※パク・シフさんはこの映画とのギャップがものすごくあります。


さてさて、今週もニュースとブログ記事を紹介します↓

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2016-03-10 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』がいかに素晴らしいリメイクだったのかを全力で語ってやる(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:大人(親)にこそ観てほしい

あらすじ


学校やママから叱られてばかりののび太は、ドラえもんの道具を使った家出を決意する。しかし、のび太はいまの日本では「誰かの所有地ではない土地はどこにもないこと」を知り、さっそく家出計画は頓挫していましった。
のび太が思いついたのは、はるか昔の日本であれば、そこは誰の土地でもないということだった。
同じく家出を決意したドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫も、タイムマシンで出発するが、そこで「時空乱流」に巻き込まれて……。




※感動が止まらないので、ネタバレ部分にはちょいちょい追記・修正をしています。ご意見もお待ちしています。

みんなが大好き『ドラえもん』。その劇場用アニメ第10作目の、待望のリメイク作品です。


そもそも『日本誕生』のプロットって、ものすごいと思うのですよ。
だって、タイムスリップをする理由が家出なんですよ

世にはさまざまなタイムトラベル要素のあるSF作品がありますが、その多くが「死んだ恋人を生き返らせる」「あの日の失敗を取り戻す」といった深刻な動機から発展するのに、この作品にある動機は子どもの「もう怒られてばかりでいやだー!」な家出ですよ。
家出なんて子どものときにしかできません。
子どもが主人公で、「気軽にタイムマシンが使える」ドラえもんという作品でしか、『日本誕生』の物語は成り立たないのです。

とはいえ、子どもにとって(親にとっても)家出をする事態というのは深刻そのものなのですが、それを楽しい冒険に変えてしまうというのも『ドラえもん』の素敵なところ。
やはり原作者の藤子・F・不二雄先生のイマジネーションとやさしさは、改めて素晴らしいと思った次第です。


そして、今回のリメイク作品はすごいですよ!はっきり言って、完成度は藤子・F・不二雄先生の原作マンガをも上回っています

今回のリメイク版でとくに大きく変わったところは、原作にない(あるいは、明確に描かれなかった)メッセージの追加です。

『日本誕生』は「子どもたち総出で家出する」という話なので、けっこう「子どもの教育に悪いんじゃないか」という意見もあると思います。
事実、自分はオリジナル版の影響で小学生のときに家出をしかけた経験がありました。お腹が空いたので19時には帰りました。

しかし、今回はメッセージの追加により、子どもだけじゃなくて大人にも教訓をあたえてくれる作品になっているのですよ!
もうこれは観てとしかいいようがないんだけど、いつも子どもを叱ってばかりいる親御さんは、ハッと気づけることがあるのではないでしょうか。


また、オリジナル版に比べてラスボスの「ギガゾンビ」の威厳が増しているのも大好きでした。ていうかオリジナル版ではザコすぎたもんね。
しかも声優は大ベテランの大塚芳忠さん。オリジナル版の永井一郎さんとは、また違った存在感がありました。

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※そういやこういうゲームもありましたね(現在は遊ぶことは困難)。

それ以外にも追加シーンはいくつもあります。
アクションは増えていますし、伏線が活きてくるところも多々。エンターテインメント性も上がっており、これならお子さんが退屈することはないでしょう。

さらには、「原作マンガにはあったけど、オリジナル版(映画)にはなかった」という要素もまでもが復活しています。


今回のリメイクでは、オリジナル版で削除された「文明の発展」に言及していて、さらなるプラスαも加えられていますね。そこにあったのは、多大なる「歴史への敬意」でした

さらにさらに、オリジナル版で説得力不足だった展開にも、新たなキーアイテムを用意してご都合主義になることを回避していたりもします
クライマックスに至るまでの展開、そのための伏線も、今回のリメイク版がもっとも好みでした。

さらにさらにさらに、すごいのはそれだけじゃない。「怖い」ことです。のび太が観る幻覚は大人だって怖いぞ。
かつての劇場版『ドラえもん』にあったトラウマ要素が、再び現代に蘇ったこともうれしくってしかたがありません。

まだまだあるぞ!のび太のセリフや行動が、原作マンガやオリジナル版よりも「のび太らしいやさしさ」に溢れたものになっていました。どれだけスタッフは『ドラえもん』を愛しているんだ!


※観たあとにこれくらい興奮していたことをわかってほしい。

もう、もう、これは褒めちぎります。
監督・脚本を務めた八鍬新之介さんの仕事は、ほぼ完璧なのではないでしょうか。


本作の難点は、メッセージが追加された反面、説教くさく感じる人もいるかもしれない、ということ。
そもそもの追加されたメッセージだって、原作マンガにも「もともとあったもの(明確に書かれていなかった)」と思うかもしれません。

だけど自分はこの追加部分も大いに気に入りました。
だって、『日本誕生』の物語はこういうことも訴えていたのか!という新たな気づきがあったから
長い間親しんできた物語に、作り手により新しい解釈が与えられるということには、リメイクの意義を確かに感じます。

これは、子どもの頃に『日本誕生』を観ていた大人にこそ、観てほしいのです。
もしあなたに小さなお子さんがいて、いっしょに観ることができたなら、素敵な思い出になるのではないでしょうか。
しかも、今後の教育方針を考えるきっかけにすらなるのです。

ともかく、リメイクとして理想的、親子連れにも、『ドラえもん』ファンにも大プッシュでオススメします。
エンターテイメント性がありながらも、ここまで教育的になっている作品は貴重です。

ラストはわかっていたはずなのに、原作マンガにもオリジナル版にもない、のび太のとあるセリフには涙腺が崩壊しました。

個人的には前回のリメイク『新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜』よりもさらにお気に入り。『新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』と並ぶ傑作リメイクです!
もちろん、今回初めて『日本誕生』を観る方でも、まったく問題なく楽しめます。

エンドロール後には、恒例の「次回作の予告」があるので、こちらも見逃さないようにしましょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ オリジナル版および原作マンガとの違いを書いています。超絶ネタバレだから観る前にぜったいに読むなよ!褒めちぎるぞ!覚悟しろ!

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2016-03-09 : 映画感想 : コメント : 13 : トラックバック : 0
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『マネー・ショート 華麗なる大逆転』幸せはやってこない(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はマネー・ショート 華麗なる大逆転(原題:The Big Short)です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:サブタイトルが盛大に間違っているんだけど

あらすじ


2004年から2006年にかけて、アメリカでは住宅価格が上昇し、住宅ローンの債権が高利回りの金融商品として脚光を浴びていた。
多くの投資家たちが金融商品を買いあさるなか、トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は、住宅ローンの危機を予測して行動するものの、取引先からは冷笑されてしまう。
同じころ、銀行家のジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略をひょんなことから知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)に話を持ちかけるのだが……。




はじめに関係ない作品を取り上げて申し訳ないのですが、6月に映画も公開される『デッドプール』というアメコミ作品をご存知でしょうか。

コスベイビー デッドプール サイズS デッドプール 高さ約10センチ プラスチック製 塗装済み完成品フィギュア<ちょっとナメくさったキャラ

じつはこのデッドプールというキャラクター、いきなり観客(読者)に向かって話しかけたり、この作品がフィクションであることを堂々と告げたりするんです。
観客(現実)と作品(フィクション)の間にある、(ふつうの作品なら)侵してはならない領域のことを通称「第4の壁」というのですが、デップー(愛称)はその第4の壁をやすやすとぶっ壊してしまうんですね。

なんでそんな話をしているかというと、『マネー・ショート』はデップーさん並に第4の壁をぶっ壊して、観客に語りかけてくるという演出があるんですよ。
ええ!お前なんでこっちに言ってくるんだよ!と驚けるわけ。

しかも『マネー・ショート』ではそれに付け加え、作中のわかりにくい経済用語について、本編とは関係ないキャラが「説明しよう!」なノリで語ってくれたりするのです。ヤッターマンかよ!

さらには撮影方法も独特で、ホームビデオのように人物をクローズアップしたり、画面が揺れていたりもします。まるでドキュメンタリー映画のような感覚もあるのです。

この破天荒な演出&語り口が本作の特徴であり、見どころ。
人によっては戸惑いばかりを生むのかもしれませんが、自分は大いに気に入りました。

なぜなら、わかりにくい金融関係の話を、見事にエンタメに落とし込んでいるから。
テンポよく4つの視点が移動することもあり、まったく退屈しないからです。

こうした金融話をメインに据えると、専門知識が必要で、ともすれば退屈な話になりそうなのに、そこをしっかりとフォローして、リズムよく展開していく。これは誰しもが賞賛するところでしょう。


本作の欠点は、専門用語の解説をしてくれる一方、一度出た用語は「ハイ次」な感じでどんどん先に行くので、把握をしそびれるとぜんぜんついていけなくなることでしょうか。
自分は金融については小学生以下の知識しかないので、「CDO!CDS!」と略語が飛び交いまくる中盤は「なに言ってんだかさっぱりわかんね」な状態になりました。

※ぜひ、大変わかりやすいこの記事を読めばいいと思うよ!

とはいえ、用語がわからなくても、なんとなく楽しめてしまうところもこの映画のすごいところ。例えるなら、囲碁のルールを知らなくても『ヒカルの碁』はおもしろいし、麻雀のルールを知らなくても『アカギ』の心理戦はワクワクするみたいなもんです。最近のアカギはク◯漫画に成り果てたがな!

いずれにせよ、金融の知識がないと、ちょっとだけシンドイ作品であることは事実。
以下の単語を知っておくと、より楽しめるでしょう。

空売り……株価が下がることを見越して、金融会社から株を借りて売っておき、株が下がった後で買い戻すことで利益を出す方法。ふつうは会社の業績が悪くなると株主の利益が減るけど、空売りでは反対に利益が出る。
サブプライムローン……低所得者向けのローン。サブ(副)プライム(重要)というのは名ばかりで、返済能力の低い人たちに住宅を担保として高利で貸し付けるあたり、かなりク◯なシステム(作中でも言われている)。
モーゲージ証券(MBS)……住宅ローンなどで不動産担保融資する際、その債権を担保として発行される証券。
債務担保証券(CDO)……証券化商品のひとつ。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)……損失額の補塡を受ける仕組みを取り入れた取引のこと。

下3つの単語は、はじめにちょっとだけ紹介されたら、以降はずっと略称で呼ばれます。頑張ってついていきましょう。
↓作中で語られる「CDOの二次証券化」があったおかげで、何が起こったの?ということは以下にも書かれています。なるほど、わからん。
JCR Q&A

せっかく「説明しよう!」なノリがあるのですから、このあたりも丁寧に教えてくれるとありがたかったかもしれませんね(贅沢な注文)。


さてさて、ここからは自分が本作について気に入らなかったことを書くのですが、以下は映画の良し悪しではなく、ただの好き嫌いの問題です。ご容赦ください。

この映画では、2008年のリーマンショックまでの顛末を描くという前置きがあるので、当然ながら「空売りをした主人公たちが大勝利」ということが問答無用でネタバレしています。
この時点で「どっちが勝つか」という二転三転のハラハラはないのです(それを期待する映画ではありません)。

それは納得できる、できるんだけど、金融破綻を利用して大儲けしたヤツらが大勝利!という話になっているんですよ。

(1)通常の映画
クズ→クズが大成功していくムカつく展開→クズは死ね!もしくは酷い目に逢え!
いいやつ→いいやつがいじめられてしまう辛い展開→いいやつが最後に大逆展!
TOTAL:ザマミロ&スカッとサワヤカの笑いが出てしょうがねーぜッ!

(2)『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
金の亡者→金の亡者がずっと勝利のための準備を進めて苦しむ、しかしいずれ勝利することがわかっている→やっぱり勝利、よかったね。
いいやつ→いいやつも苦しむ→(さすがにネタバレになるので書きません)
TOTAL:キッツー。

すみません、どうしても気持ち的に(1)のほうが観たいんですよ!
わかっている、わかっているんですよ、(2)のTOTALの気持ちこそが映画の魅力ということも。

だけど、ライアン・ゴズリングの役がメッチャムカつくんですよ!こいつが「どうせ助かる」ことがネタバレしてしまっているんですよ!

かっぺムカつくライアン<ドヤ顔も何度も披露します。

しかもコイツも、リーマンショック以前は周りの理解を得られなくて苦しむので、ちょっと応援したくなるところもある・・・ってこいつ最後にどうせ勝利するんだから感情移入したくねえよ!という、この、なんていうの、矛盾した気持ちが芽生えるんですよ・・・。
このもどかしい気持ち、わかっていただけますでしょうか。
ナイトクローラー』くらい突き抜けたクズだと、いっそスガスガしいんだけどな。

※以下の意見をいただきました。
「金融業界で生きている人=全て金の亡者」でしょうか?
少なくともこの映画の中の4人は酷い手法、狡猾なやり方で生き残った様には描かれてはいないと思います。
勝ち残る方法を見つけた、もしくは見つけちゃった、様に描かれていると思いました。


※以下の意見もいただきました。
実際はどうだったのか解りませんが、ジャレッド以外、映画での彼らは「人の不幸で上手い飯を喰おう」ではなく、やがてくる大災害に気付いてそこから逃れる術を必死に探しているだけ・・・という風に見えました。



※ふたりは確かにエゴイストですよね。

リーマンショック以降に苦しんだ人たちがたくさんいることは事実なので、「そこから逃れられたことがわかっている」という人物は、やはりに応援しにくいです。

しかし、この映画では(金の亡者ばかりだけでなく)金について複雑な想いを抱えている人物もいます。
多くの人が、苦しい過去を持つマーク(スティーヴ・カレル)に感情移入をしてしまうでしょう。

マネーショートの良心<この映画の良心

こうして親しみやすい人物をしっかり登場させ、「感情移入しにくい」という問題をしっかりクリアーしてくれるのがうれしいですね(『ヘイトフル・エイト』みたいに悪人ばっかりの映画も好きですが)。

「最終的に勝つ」というラストを据えているのにも関わらず(あるいは、だからでこそ)、映画の後味が複雑なものになっていくのは、間違いなく映画のよい特徴です。
だけど、勧善懲悪&スカッとサワヤカな物語を好む方にはすこぶる向かない、ということを念頭においてほしいです。


こうなると、サブタイトルがおかしいことをわかっていただけますでしょうか。

この物語の主人公たちは、やがて来る金融破綻のために、周りからの理解を得られようとも、ずーっと準備をして行動しているのです。
必要な人には交渉を持ちかけ、理解のない人の反発には耐え、嘲笑も構わず、耐えて、耐えて、耐えて、ようやく勝利を手にするんですね。この物語のどこに華麗さがあるんだよ

しかもリーマンショックが起こることがわかっているんだから、大局的に(結果がわかっている観客から)見れば「大逆転」ではなく、「当然の結果」なんですよ。

さらにメインタイトルの『マネー・ショート』も……。
shortとは「空売り」であり、原題のBig Shortは作中の登場人物が実行する、莫大な空売りを指しています。
「でかい・空売り」ならいいけど、「お金・空売り」って意味がわからないんですけど。うんまあ、わかりやすく金融の話だということを伝えたいということはわかるんですけど……。

自分が邦題をつけるなら『ビッグ・ショート 地べたを這いずり回って当然の勝利』とかでしょうか。これはこれでダサいから炎上しそうだな。


ちなみに(自分は未見ですが)現在公開中の映画『映画ドリーム ホーム 99%を操る男たち』を観ておくと、『マネー・ショート』の「その後」「裏で起こったこと」がわかるため、よりおもしろく鑑賞できるそうです。

99 Homes
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『ドリームホーム』では、リーマンショック後に、サブプライムローンの返済不能で家を追い出される人々を描いているのだとか……違ったエグさを堪能できそうです。


また、本作『マネー・ショート』は「F◯CK!」って言いまくっている、ひっじょーに口の悪い作品なのでご注意を。
日本ではG(全年齢)指定ですですが、本国では『ウルフ・オブ・ウォールストリート』と同じR指定であったりするのです(それはそれでどうかと思う)。
金にはキッタネエ言葉が似合うなあと、改めて思った次第です。

ほかのキャストでは、いつでもカジュアルシャツ姿で「服装なんか知らね」なクリスチャン・ベールも、プロデューサーだからなのかイイセリフをかっさらっていくブラッド・ピットももちろんステキです。

マネーショート、こいつも腹立つ<こいつは周りから冷笑されまくり

マネーショートのブラピ<こっちはいいセリフも言います。

個人的には、ブラピ様について回るボンクラ青年ふたりの描写も好きだったなあ……豪華キャストの陰に隠れまくっていますが、彼らも十分すぎるほど魅力的ですよ。

ともかく、わかりやすいクズばかりが出てラリパッパな金融世界を描く『ウルフ~』もいいですが、こうしたエンタメ性を持ちながらも様々な人間模様を見せてくれる本作も、また貴重な存在です。

金融関係に詳しい方、複雑なドラマを期待する人にとっては、上記の点数にプラス2~3点してもいいでしょう。
あの世界中が混乱したリーマンショックの裏側を観たい方、苦~い気持ちこそを体験したいという方は、ぜひ劇場へ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-03-08 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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バズプラスニュースで『珍遊記』がク◯映画と言われていたけど、決してそんなことはないという話

映画の感想は人それぞれ。他人の意見を否定しにかかるというのはよくない、と重々承知しているのだけど、これに関してはちょっと文句を言いたい。バズプラスニュース Buzz+がこんな記事を挙げており、すさまじいPV数を獲得しているのです。

【激怒】映画「珍遊記」観客がブチギレ激怒で途中退場! 「進撃の巨人」以上の◯ソ映画で酷評の嵐 | バズプラスニュース Buzz+

珍遊記メインビジュアル

・・・
言いたいことがありすぎるので、以下項目ごとに書いてみます。


1.そんなに酷評の嵐でもない

映画レビューサイトの『珍遊記』の評価(3月6日現在)を見ると、
Filmarksは3,0点
coco映画レビューでは67%
Yahoo!映画は3.03点(たまにYahoo!映画にはステマがはびこるけど)
など、悪くもないけどそんなによくもないという塩梅になっています。

過去にク◯映画認定されて炎上した『進撃の巨人(前編)』、『ギャラクシー街道』がどうかというと、こんな点数です。

『進撃の巨人(前編)』
Filmarksは2.8点
coco 映画レビューは41%
Yahoo!映画は2.26点

『ギャラクシー街道』
Filmarksは2.4点
coco 映画レビューは13%
Yahoo!映画では1.93点

単純な数字での評価を見ても、ニュースサイトがク◯映画認定するほどではないのではないでしょう。


2.ほかのニュースサイトでは取り上げられていない

このバズプラスニュースの記事は痛いニュースなどに転載されてしまっているけど、そのほかのニュースサイトでは『珍遊記』がク◯映画認定されていることなど取り上げられていません。

でも『進撃の巨人』や『ギャラクシー街道』不評っぷりは、以下のようにほかのメディアでも取り上げられていました。
【進撃の巨人】興行収入1位も「続編はやめて」と低評価の嵐(1ページ目) - デイリーニュースオンライン
西村喜廣監督、実写版「進撃の巨人」の酷評に悲しみ - シネマトゥデイ
三谷幸喜、不敗神話崩壊!? 『ギャラクシー街道』にファンからも失望の声|Real Sound
『ギャラクシー街道』、「最低最悪作」と大荒れ! 主演・香取は「ドラマも民放最下位」の窮地|サイゾーウーマン

バズプラスニュースという1サイトのみの記事で、実写映画版『珍遊記』がク◯映画だと周知されてしまっているのは納得できません。


3.バズプラスニュースは一方的な酷評記事でPVを稼ぐようなサイトである

バズプラスニュースでは、過去にも以下のような記事が投下されていました。
【炎上】新作スターウォーズがあまりにも駄作すぎて観客が絶望「駄作感がハンパない」「見なきゃよかった」 | バズプラスニュース Buzz+

映画ファンはもうわかりきっていると思うのですが、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』は賛否両論がありながらも、おおむねファンからの支持を集めた作品である、というのが共通の認識でしょう。
だけど、記事ではまるで酷評ばかりが存在しているような書きかたになっている(一応、記事では「賛否が出る作品」とはフォローしているけど)。
インターネット上にはさまざまな感想があるのに、悪い面ばかりを取り扱うのは不誠実でしょう。

中でもすさまじいのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を酷評する記事!これはインターネットの評価を集めたものではなく、個人の感想なのだけど、酷すぎて震えた!
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が駄作な7つの理由 | バズプラスニュース Buzz+
コメントにもあるけど、これは挑発的な見出しで釣って、ヒドい内容でウケを狙おうというネタにすぎない。しかもライターの名前は明かさない。責任逃れをしているようで不愉快だ。
でもこうして自分が怒ってしまうことも、記事執筆者の思う壺なのかもしれない。

※フォローをしておくと、バズプラスニュースは「意外にも『進撃の巨人(前編)』が良作だった」とする記事も投稿しています。
【完璧】実写映画『進撃の巨人』は意外にも良作だった! 良作である5つの理由 | バズプラスニュース Buzz+


4.原作から「むしろク◯と言われることが褒め言葉」のような内容なのに、原作者がク◯映画であることを否定している

『珍遊記』の原作マンガは下ネタの嵐、途中からムチャクチャな無限ループのような展開になるというアナーキーな作品。
漫☆画太郎先生の作品に関しては「ク◯マンガ」はむしろ褒め言葉に等しいところがあるのです。

ところが、(たぶん)本作を鑑賞した漫☆画太郎先生は「史上最低の◯映画にしろって言ったのに、なんでこんなに面白くしたんだ バカヤローッ!!◯◯の巨人の監督に撮り直させろーーッ!!!」と怒っていた
ヒドい出来ではないというのにキレるというこの矛盾を堂々と主張する画太郎先生は本当に素敵だ。

まあこれは原作者の意見なので、ク◯映画かどうかの参考にはちっともならないのだけど。
そういえば実写映画版『デビルマン』で永井豪先生が「いい映画になりました」って言っていたし、『進撃の巨人』は原作者がわざわざエレン(主人公)のキャラの改変を頼んでいたな。

ちなみに、今回の映画では原作の中盤からのトンデモ展開はなく、代わりに溝端淳平演じるオリジナルキャラが話の中心に居座っています。まあこれも賛否を呼ぶ理由になっているんだけど・・・(自分は大・大・大好き)。


5.本当の中立的な意見を聞こうよ

実写映画版『珍遊記』は1.で書いたように、決して評判はよろしくない。
いろいろな感想を読んで多いと感じたのが、「ギャグが間延びしていて退屈」「ぜんぜん笑えない」という意見だった。
自分の感想もそれと同じ。天丼(くり返し)のギャグの多さも相まって、テンポの悪さ、スベりっぷりは否めないところがあります。

バスプラスニュースの記事にあがっている「インターネット上の観客の声」も決して間違ってはいないのです(ただただ悪い評判を書いている)。

だけど、倉科カナをはじめとしたキャストのがんばりを褒める声もとても多い。決して否定的な意見ばかりではない、ということを、認識してほしいのです。


※こういうこともあったりするんだから、それでいいじゃない。


6.それよりも観られていないことがとても問題である

実写映画版『珍遊記』には酷評以外にとても由々しき問題がある。それは単純に劇場に観に来ているお客さんが少ないということだ!
自分の周りの映画ファンで本作を観ている人はわずかで、レビューサイトへの投稿数も少ない。自分は映画の日(1100円で観られる日)の夜の回を観たにも関わらず、客席は2割程度しか埋まっていなかった。
興行収入のランキング外なので、具体的な動員数はわからないのだけど、かなり成績が悪いことは間違いない。

Twitter珍遊記<Twitterの検索候補にもこんなのが・・・

主題歌にRIP SLYME、バトルソングにマキシマム・ザ・ホルモン、人気絶頂のアニメ『おそ松さん』の脚本家を起用するなど、製作陣は多方面からの集客を予想していたと思うのですが・・・これはもったいないです。

確かに20年以上前のギャグマンガを実写映画化するという無茶な企画だし、誰に向けた作品なのかはわからないところはあるんだけど、実際に観たところ、みんなが楽しめるファミリームービーであるという印象を持ちました(※個人的見解です)。

※実際、小学生くらいの男の子は大喜びすると思う。

今回バズプラスニュースでク◯映画認定されたのも炎上商法的なものと考えれば肯定できるかもしれない。
皆さんには、映画の評判を鵜呑みするのではなく、実際に観て判断してほしいですね。
ぜひ、この機会に『珍遊記』を観に行こうではありませんか!ていうか観る人増えろ!


あと、どうでもいいけどバズプラスニュースで『ギャラクシー街道』の酷評記事がないのも謎だ。
ここまで炎上や酷評をあげつらうサイトなら、こんなにオイシイ話はないはずなのになぜ?ひょっとすると三谷幸喜からの圧力があったのかもしれない。


ちょっと少なめ(泣)な上映館はこちら↓
東映 上映劇場案内 『珍遊記』

おすすめ記事↓
「映画の最初のセリフがちん◯に決まった時、全体像が見えた。」『珍遊記』山口雄大監督インタビュー | シネマズ by 松竹
映画『珍遊記』は原作ファンを裏切らないーー漫☆画太郎作品への溢れるリスペクトを検証|Real Sound|リアルサウンド 映画部
「『おそ松さん』ファンに言いたい。こっちのほうがもっとひどいぞ!」アニメ「おそ松さん」も手がける松原秀&お笑い芸人・おおかわらが語る、映画「珍遊記」脚本化裏話 - アキバ総研

こういう意見を持とうよ↓
映画「進撃の巨人」酷評に監督やスタッフがブチ切れ 大人の対応した石原さとみだけ「株急上昇」 : J-CASTニュース

映画本編の自分の感想(途中からネタバレあり注意)↓
実写版『珍遊記』温水洋一が最強の武道家になる映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

自分が『ギャラクシー街道』を酷評した記事。個人の意見なので信用しないでね↓
『ギャラクシー街道』真の映画史上最大の事故物件(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

公式でク◯マンガ認定されている素晴らしい作品。ク◯であることが大評判となることもあるという例です↓
ポプテピピック (バンブーコミックス WINセレクション)

2016-03-06 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 0
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『幸せをつかむ歌』家族とのいい関係を学ぼう(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は幸せをつかむ歌(原題:Ricki and the Flash)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:いまからでも、できることがきっとある

あらすじ


リンダ(メリル・ストリープ)は、ハウスバンドの“リッキー・アンド・ザ・フラッシュ”のボーカリスト。貧乏ながら、常連客やバンド仲間に恵まれ、充実した毎日を送っていた。
ある日、元夫のピート(ケビン・クライン)から、娘のジュリー(メイミー・ガマー)の力になってほしいという連絡が入る。ジュリーは、自身の夫に浮気されたうえ、捨てられて自暴自棄になっているというのだ。リンダは十数年ぶりに帰郷し、自分が“歌のために家族を捨てた母親”として、ジュリーから憎まれていたことを知る。




本作については、以下でも書きました。

<家族とうまくいっていない人に観てほしい。メリル・ストリープがレディー・ガガを熱唱する『幸せをつかむ歌』 | シネマズ by 松竹>

本作にあるのは「たとえ過去に失敗したことがあっても、これからできることがあればいい」というやさしいメッセージです。

とはいえ、お涙頂戴にはならず、辛辣でブラックなシーンも多々あったりします。
ナチュラルにハッパ(麻薬)が出てくるし、久しぶりに(再婚前の母親を含む)家族が集まったときの気まずすぎる会話には苦笑いするしかありませんでした


そして、メリル・ストリープが数々の名曲を熱唱してくれるのがうれしくってしかたがない!
具体的には以下のようなラインアップです(一部)。


※ほかにもドビー・グレイローリング・ストーンズも歌っています。





これらの楽曲が、「音楽により人生が再びよい方向に動きだす」という物語に絶妙にマッチ。
昨年の秀作『はじまりのうた』が好きな人にも、ぜひおすすめしたいです。

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そして、メイミー・ガマーが本当にリアル母のメリル・ストリープにそっくり。
実際はとても仲のよい母娘なのだそうですが、映画では胃が痛くなりそうなほどのヒドい親子関係に見えてしかたがない。その役作りも見所になっています。

幸せをつかむ歌1<劇中ではとっても仲が悪いです。

本作の難点は、劇的な事件があまり起こらない映画なので、大きな感動を求めると肩すかしに感じてしまうことでしょうか。
上映時間は101分とややコンパクトで、こじんまりとしている印象はあります。
でも、細やかな登場人物の変化はしっかり描かれていますし、ラストの「変化」に心を動かせる方はきっと多いはず。
「じんわり」とした、観た後からも深みを感じられる作品を期待してみてください。


個人的には、女性にこそ強くおすすめしたいところ。
劇中には、超有名男性シンガーを例にして「男は許されるけど、女はそんな生き方はできねえんだよ!」と文句を言うシーンがあったりするのです。
JUNO/ジュノ』でも「女の生きかた」を描いていた脚本家、ディアブロ・コーディらしさがしっかり出ています。

じつは、本作の監督は『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミだったりします。
『羊たちの沈黙』しか知らないとそのギャップに驚けそうですが、過去にも家族愛を描いた『レイチェルの結婚』を手掛けたりもしています。

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作家の多様性を知れるというのも、映画ファンにとってはうれしいですね。

母と娘だけでなく、夫、長男、かつて父親だった男など、「家族の一員」がそれぞれ描かれているので、どなたにも感情移入がしやすいでしょう。
上映館は決して多くない(3月19日公開のところも多め)ですが、あたたかい音楽映画を見たい方すべてにおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-03-05 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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2016年3月の気になる映画一覧(マイナー推し)&第39回日本アカデミー賞結果発表

第39回日本アカデミー賞、『海街diary』最優秀作品賞受賞おめでとうございます!

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以下、結果です。
最優秀作品賞:海街diary
最優秀アニメーション作品賞:バケモノの子
最優秀監督賞:是枝裕和『海街diary』
最優秀脚本賞:足立 紳『百円の恋』
最優秀主演男優賞:二宮和也『母と暮せば』
最優秀主演女優賞:安藤サクラ『百円の恋』
最優秀助演男優賞:本木雅弘『日本のいちばん長い日』
最優秀助演女優賞:黒木華『母と暮せば』
最優秀撮影賞:瀧本幹也『海街diary』
最優秀照明賞:藤井稔恭『海街diary』
最優秀音楽賞:サカナクション『バクマン。』
最優秀美術賞:花谷秀文『海難1890』
最優秀録音賞:松陰信彦『海難1890』
最優秀編集賞:大関泰幸『バクマン。』
最優秀外国作品賞:アメリカン・スナイパー
新人俳優賞:有村架純『映画 ビリギャル』
 土屋太鳳『orange-オレンジ-』
 広瀬すず『海街diary』
 藤野涼子『ソロモンの偽証 前篇・事件』『ソロモンの偽証 後篇・裁判』
 篠原 篤『恋人たち』
 野田洋次郎『トイレのピエタ』
 山﨑賢人『orange-オレンジ-』『ヒロイン失格』
 山田涼介『映画 暗殺教室』
協会特別賞:松田和夫【衣装】
株式会社ガル・エンタープライズ【予告篇製作】

優秀作(ノミネート作品)一覧はこちら

百円の恋』が脚本賞&主演女優賞に、『恋人たち』の篠原篤さんが新人賞に輝いているのもうれしいですね。

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※納得の受賞

そのほか、ももクロが「話題賞」(俳優部門)を受賞していたりしています。
アニメーション部門は『百日紅~Miss HOKUSAI~』に取ってほしかったという気持ちもあるかなあ・・・。もちろん『バケモノの子』も好きな作品なのですけどね。


※ガンバレ山田孝之!

そんなわけで、ちょっと遅れましたが3月の気になる映画一覧です。

以下も参考にしましょう↓
2016年3月に観たい注目映画6本/2月鑑賞記録 | Tunagu.
[2016年]3月に観たい10本の映画。 | 映画日和。
2016年3月公開で観たいと思っている映画の覚え書き|三角絞めでつかまえて

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2016-03-04 : 月ごとの気になる映画 : コメント : 9 : トラックバック : 0
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『スター・ウォーズ/エピソード8』の公開日が決定! 映画ニュース&映画ブログ感想のまとめ(2月26日~3月3日)

韓国映画『あいつだ』(4月19日公開)を試写で観ました。
内容は、
シスコンのお兄ちゃんが妹を殺した犯人を追い詰める!
なぜか犯人はパルクール選手なみの身体能力を披露!
ヒロインは幽霊が見える&予知能力者!
というサービス精神満点、娯楽要素たっぷりのスリラーでした。
ホラー要素もほどほどに怖くて、すげーおもしろいよ!『母なる証明』が好きな人にもオススメです。

あと、6月3日(金)に公開が決まった『デッドプール』のポスター&チラシのビジュアルが本当に素敵だと思います。

デップーポスター1デップーポスター2<腹立つ

↓以下、今週の映画ニュース&特集&ブログ記事のまとめです。

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2016-03-03 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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『ザ・ブリザード』運でゴリ押し救助活動をする映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はザ・ブリザード(原題:The Finest Hours)です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:空気読め(ヒロインに対して)

あらすじ


真冬の大西洋にて、半壊した巨大タンカー船内に32人の乗組員が取り残されてしまう。
バーニー(クリス・パイン)率いる4人の沿岸警備隊員が小型舟で救出に向かう中、タンカーに残されたシーバート(ケイシー・アフレック)は決死の計画を試みる。




ラースと、その彼女』『ミリオンダラー・アーム』のクレイグ・ギレスピー監督の最新作です。

本作は良い子のディズニー制作とはいえ、まっとうなディサスター(災害)・ムービーです(に思える)。
それはそれは死の淵に瀕した熱い人間ドラマが楽しめるかと思ったんですが、なんかこの映画変だったよ

おもな変な理由を考えてみると、
(1)「タンカー船に残された人員をぜったいに助けるんだ!」という人命救助への信念が見えにくく、葛藤もあまりなく、演出が平坦なこと
(2)ヒロインの存在がうっとおしくなっていること
でしょうか。

(1)→人の命がかかっているはずなのに、救助部隊の対応が淡白なんですよね。
これはむしろリアルな描写であり、一概に悪いところとは言えないかもしれないのですが、せめて救助部隊が「危険な賭け」に出るまでの葛藤や衝突はあってもよかったのではないでしょうか。「この嵐ではお前たちを行かせるわけにいかない!」「いいや!行くんだ!」みたいなね。
オデッセイ』でもプロフェッショナルたちは声を荒げたりせず冷静沈着ではあるのですが、そこには人命救助のために知恵や技術を結集させる様、確かな信念が見えました。
でも本作ではとりあえず闇雲に救助に向かって、なんとなく上手く行っているようにしか見えないのです。これでは熱くなりようがありません。

(2)→ヒロインは救助される側でも、する側でもない、「救助部隊の主人公の婚約者」です。部外者と言ってもいいでしょう。
じゃあこのヒロインが何をするかっていうと、婚約者の職場にずけずけと上がりこんで、彼が救助に向かったことに文句を言う、です。
これでは、ただヒロインが空気を読んでいない人にしか見えないではないですか。
「婚約者の命を誰よりも大切にする女性」というふうに見せたかったのでしょうが、人命救助に向かった後にそんなことを言っても・・・。気持ちはわかるのですが、観ているこっちの気持ちは落ち込みまくります。

あと、劇中には「救えなかった」過去のトラウマを抱えるベテランの沿岸警備隊員も出てくるのですが、彼らの存在感が希薄だったのも残念。こっちはもう少し掘り下げてもよかったですね。


プロットにはおもしろいところもあります。
それは、救助に向かう前の主人公が超ヘタレであり、救助活動を通して一人前になっていくこと

ヘタレ主人公ザ・ブリザード<クリス・パインがヘタレを演じます

ヒロインは肉食系で婚約にもイケイケ、だけど主人公のほうが婚約に後ろ向きなどうしようもない優柔不断男なんです。
言わばこの救助活動は、結婚までの通過儀礼のようなもの。あんだけヘタレで優柔不断に見えた主人公が、救助活動においてはいっぱしの決断力をみせるというのはカッコいいではありませんか。

まあ、この映画にある決断事項は「お前それ無理だろ!」「30人以上の命を預かっているのにそれでいいのか?」とツッコミたくなるものばかりで、けっきょく主人公を好きになれないのですが・・・。

すでに無茶な光景ザ・ブリザード<小型ボートで向かっている時点で無茶だよね

こうなったのは、本作が実話を元にした物語であるために余計な脚色ができなかったということと、あえてディサスター・ムービーの定石を外した物語作りをした、ということが理由なのだと思います(想像にすぎませんが)。
後者は確かに意欲的ではあるのですが、結果的に主人公にもヒロインにも感情移入ができないというのは致命的でしょう。


救助される側(タンカーに残された人々)の描写がよかったのは救いでした。
ケイシー・アフレックがリーダー格の男を演じているのですが、こっちの決断事項のほうが納得でき、かつ奇想天外でおもしろいものでした。こっちを主人公にしたらよかったのに

ザ・ブリザードこっちのほうがカッコイイ<この映画の良心

この映画にはもうひとつ素晴らしいところがあります。それはカメラワーク!
水面に入ってまた出たり、船内の「伝言」が伝わる様子をカメラでグイングインと追いかけたりと、そのライブ感はかなりのもの。
高波に翻弄される様子も相まって、ここは大満足できました。


あとね、すでに散々言われていることではありますが『ザ・ブリザード』という邦題はどうかと
ブリザードは吹雪のこと。まあ劇中では確かに吹雪は吹いてはいるのですが、救助活動において足かせになるのはどっちかっていうと「波」じゃないですかね。

原題は「The Finest Hours(最良の時)」で、これはウィンストン・チャーチル首相の言葉にも出てきたりしています。
なぜこれをタイトルに冠しているかは最後にわかるようになっていますので、ぜひこの原題に脳内変化して劇場に足を運びましょう。

あと、「砂州(さす、Bar)」という言葉になじみがなく、意味がわからなかったのでちょっと辛かったです。
劇中にある「砂州を越えるぞ!」というのは、要するに砂が積もって浅瀬になっている(満潮だから)ところを越える、という意味なんでしょうね。


映像は迫力十分、ほどよく話もまとまっていて、決して悪い映画ではないと思います。
IMDbなどの海外サイトではそれなりに高い評価になっているのは、意欲的な脚本が評価されたことも理由なのでしょう。
でも日本ではちょっと酷評気味。これは、やはり平坦な人間ドラマにピンと来ないという方のほうが多いからなのでしょうね。まあ個人的には主人公のヘタレっぷりはめっちゃおもしろかったですけど。

2Dで観たのですが、「3Dは画面が暗くてイマイチ効果を感じにくい」という声が多かったので、今回は2Dでもいいでしょう。
この「画面の暗さ」も評価の悪さの一因になっているのかもしれませんね(天候が悪い中の話なのでしょうがないんだけど)。

『オデッセイ』を観て、「もうひとつぐらい人命救助の映画が観たい」という方にはそれなりにおすすめ。
まだ『オデッセイ』を観ていないのであれば、そちらのほうをおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです ほとんど文句しか言っていなくて、この映画が好きな人にはごめんなさい↓

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2016-03-03 : 映画感想 : コメント : 9 : トラックバック : 0
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実写版『珍遊記』温水洋一が最強の武道家になる映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は珍遊記です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:※ただしイケメンに限らない(溝端淳平が)

あらすじ


僧侶の玄じょう(倉科カナ)は、ジジイ(田山涼成)とババア(笹野高史)から、妖力で悪さをする不良息子・山田太郎(ピエール瀧)の更生を頼まれる。
妖力を失った太郎(松山ケンイチ)と玄じょうとは、立ち寄った町で龍翔(溝端淳平)という男と出会うのだが……。




ちょっと待て!これは!必見だぞ!
だってよ!温水洋一が最強の武道家を演じるんだぞ!
しかもその戦闘シーンのBGMはマキシマム・ザ・ホルモンなんだぞ!

温水洋一×マキシマムザホルモン※BGMはマキシマム・ザ・ホルモンです。

ハゲ頭の超スピードの格闘シーンに、デスボイスがハマる。なんて素敵な映画なんでしょうか!
実写映画版『ドラゴンボール』に求めていたのはコレだったんだと思い知らされました。


さらなる見所は、溝端淳平残念なイケメンを演じていることだ!

残念なイケメンの溝端淳平※本当に残念です。

ありがとう・・・本当にありがとう・・・
先日『黒崎くんの言いなりになんてならない』で「※ただしイケメンに限る」を痛感したばかりだったので、たとえイケメンでも残念なことをすると本当に残念なことになる、という素晴らしい事実を教えてくれた溝端さんに、心から感謝を伝えたいです。
そういや溝端さんはドラマ『ハチワンダイバー』でも性欲に溢れている残念なイケメンを演じていたな。何やってんだ元ジュノンボーイ。一生ついていきます。

※劇中の残念な溝端淳平は以下のインスタグラムからも観られます(若干ネタバレ注意)
SnapWidget | #映画珍遊記 #ショートムービー


まだまだあるぞ!
倉科カナさんが下ネタを言わされまくっているのにハツラツとしているのが超素敵だ!

倉科カナさん珍※裸の松山ケンイチがいつもそばにいます。

原作マンガの「玄じょう」はブッサイクな男キャラ(オカマ)だったのですが、かわいい女優を抜擢したのはもう大正解でしょう。
坊主頭も似合っているし、そんじょそこらの下ネタには動じない女優魂を感じました。


しかも笹野高史が超かわいいババアを演じるんだぞ!

かわいいババア※とてもセクシーなシーンです。

どうですか、主演の松山ケンイチの影が薄くなるほどのこのメンツ!
もうね、各役者のファンたちは是が非でも観に行きなさい。損しませんから。お願い。

<閑話休題>

さてさて、本作の原作は漫☆画太郎大先生による同名のマンガを原作としています。

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自分は映画を観た後に原作を読んだのですが、どっちもギャグが小学生低学年レベルですね!
う◯こ、ち◯こ、おならぷうが基本になっているという頭の悪さ。それをしっかり実写でも再現してしまうとは。
いい大人では笑えない人も多いでしょうが、もうここは童心に帰ってしまえばいいんじゃないでしょうか。

また、映画の後半は完全オリジナルの展開となっており、くだらない(褒めてる)中にもちゃんと伏線を入れたり、盛り上げようとする気概を感じられたので楽しめました。
溝端淳平も原作に登場しないオリジナルキャラなのですが、作品には欠かせない存在となっていました。

戦闘シーンはとってもわかりやすいCGでごまかして装飾している荒唐無稽なもの。
「バカ映画だからいいでしょ」と思い切りがいいので、みんなが幸せになれるでしょう。

美術や特殊メイクもしっかりとしていますし、オープニングやエンドロールではアニメで楽しませてくるという徹底っぷり(しかもそのときのBGMはRIP SLYME)!
ビジュアルとサービス精神はもう満点です。

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いやーしかし、製作会社のDLEさんはどうかしていますね(褒めてる)!
秘密結社 鷹の爪』などのフラッシュアニメで好評を得ている会社ですが、昨年には天才バカボンとフランダースの犬のミックスさせてほどよく原作を冒涜した映画も作っていたりしましたから。

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本作と『天才ヴァカボン』の総合プロデューサーはどちらも紙谷零というお方。これからもキテいる企画を期待しております。

あと、本作では『鷹の爪』の作者であるFROGMANがナレーションを務めています。デラックスファイターの声がイケメンであることに改めて気付けるので、ファンは必聴です。


本作の監督である山口雄大さんは、過去にも『地獄甲子園』『ババアゾーン』などの漫☆画太郎作品の実写映画化を手掛けていました。

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で、ほかの監督のラインアップは『魁!!クロマティ高校(マンガ原作)』とか『極道兵器(マンガ原作)』とか『アブダクティ(温水洋一主演)』とかですよ。そういう映画しか撮らないのかこの人
山口氏による映画は今回初めて観たのですが、このクオリティーならもっと追いかけたくなりました。


難点は、小さいギャグがてんこ盛りすぎで、テンポを殺し気味であること。
マンガであればさっと読み飛ばせるのですが、実写映画で天丼(繰り返し)チックなギャグをやらされると「もうええわ」な気持ちになってしまうんですよね。
キャラのやりとりにもいささかクドいものが多いです。
とくに、賞金稼ぎの集まるバーでの出来事(原作からあるシーン)は、間延びっぷりを辛く思う人も多そうです。

上映時間はたったの100分なのですが、体感時間が2時間を超えているのはおそらくこのせい。
こんくらいのくだらない(褒めてる)内容なら、思い切ってあと20分くらい切り詰めてもいいとは思うのですけどね。


なお、本作の脚本は、お笑いトリオ「鬼ヶ島」のおおかわらさんと、『銀魂』や『おそ松さん』などのアニメの脚本を手掛ける作家の松原秀さんが務めています。

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※こちらも赤塚不二夫先生の原作を無視して好き勝手やっている内容です。

本作のギャグのしつこさは、よくも悪くも『おそ松さん』を彷彿とさせました。
インタビューによると、ダダスベりだったセクハラコントを山口雄大監督がいたく気にに入り、おおかわらさんが脚本に抜擢されたのだとか
だから若干ギャグがしつこくても、スベっていても、想定の範囲内なんですよ!


まあともかく楽しかったですし、かつて原作マンガが好きだった大人も、う◯こちん◯んで死ぬほど笑える子どもも、みんなが楽しめる素敵なファミリームービーです。
下品ではあるのですが、どれもこれもマイルドで超短絡的なギャグ止まりなので、これくらいなら誰もイヤな気分にならないのでしょう。
ぜひぜひ、家族で観て欲しいですね。観たあとはきっと世の中のものが美しく見え、会話にも花が咲くでしょう。妖怪◯ォッチなんてどうでもいいからこっち観ようぜ!

エンドロールの最後までおまけがあるので、しっかり観ましょう!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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テーマ : 映画レビュー
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2016-03-02 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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『黒崎くんの言いなりになんてならない』ドM女子にとっての桃源郷(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は黒崎くんの言いなりになんてならないです。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:※ただしイケメンに限る

あらすじ


中島健人が「俺の奴隷になれ!」と言ってキスした数秒後に、千葉雄大が「スタートボタン(唇)を押して❤︎」とほざきます。It's So Crazy.




えーと皆さま、※ただしイケメンに限るというネットスラングをご存知でしょうか。
まあ簡単に言えば「イケメンは何をやっても格好いいが、ブサイクは何をやってもブサイク」という絶望を突きつける言葉です。

※ただしイケメンに限るの例
泣いてる男:イケメン→繊細そうで守ってあげたい、ブサイク→女々しくてキモい
口下手:イケメン→カワイイ、ブサイク→トーク力磨けやボケ
子ども大好き:イケメン→いいお父さんになれそう、ブサイク→通報
これがこの世の現実なんですよ。

で、本作『黒崎くん』では、超絶イケメンの中島健人くんが、女の子に「俺の奴隷になれ」と言ったり、壁ドンとか顎クイとかするわけですよ。

壁ドン1<壁ドンの例

顎クイ1<顎クイの例

これは中島くんだから許されるんですよ。
これをするのがガリガリガリクソンとかバナナマン日村だったらどうですよ。たちまち犯罪者扱いじゃないですか。

もうね、この映画はイケメンにドSに迫られるという女子の夢を最大限に叶えてくれる作品なのですが、非イケメンの男子にとっては「俺にできるわけがない」「※ただしイケメンに限る」という絶望をあたえてくれる作品なんですよ。いや、しょうがないんだけど。

おそらく『黒崎くん』は、男子にとっての『To LOVEる―とらぶるー』みたいな存在なんでしょうね。
美少女にラッキースケベを繰り返しまくるドリームを叶えてくれるあの桃源郷は、現実に存在しないことはわかっているけど、死ぬほどうらやましいもんね(我ながら何を言っているんだろう)。

映画は「日常では体験できないこと」をあたえてくれる娯楽。「中島健人くんにイジメられたい(はぁはぁ)」「イケメンふたりに取り合いをされたい」女子の妄想を叶えてくれる時点でこの映画はそれでいいんです。いいけどさ。

<閑話休題>

さてさて、真面目に語りましょう。
本作は同名の少女コミックを原作としています。


で、前半はマンガをなぞったエロキュン(らしい)ラッシュです。あたまのおかしな(←めっちゃ褒めている)超展開がブッ続くので、笑いをこらえるのに必死でした。

しかし、意外や意外、この映画、後半が意外とちゃんとしています
恋愛でワーキャーしているだけでなく、友情と恋のどちらを優先するかというまっとうな物語になっており、映画らしい「ベラベラ語り過ぎない」演出もあったので驚きました。

前半は壁ドンとか顎クイとかオンパレードの異世界(パラレルワールド)だったのに、後半はまともな人間ドラマなんですよ。
前半と後半のギャップがここまで凄まじかった映画は『フロム・ダスク・ティル・ドーン』くらいでしか観たことありません

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あと、そもそもの恋愛の始まりを2分ぐらいのダイジェストで描いてしまうことに驚きました。
なんでやねんと思っていたら、この始まり部分は、少し前に放送されたスペシャルドラマ(全2話)で描かれていたのですね。

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そういや『信長協奏曲(コンツェルト)』もドラマ版の展開を雑なダイジェストを見せていたなあ……。

しかし、この『黒崎くん』は、むしろドラマ版を観たことない人に向けて「何が起こっているのかさっぱりわからない」というのを狙ってギャグにしているのでとっても好感度が高かったです。
これなら、ダイジェストも思い切った手法であると大肯定できました。


で、本作の問題点は、明らかに編集の時点でカットしまくったせいで、悪い意味でわけのわからない展開があること。
終盤の「こいつ誰だよ!」感、明らかに前後が繋がっていないシーンは、どう頑張っても擁護できません。

上映時間が93分とコンパクトなのは長所ではあるのですが……端折った結果、不自然になってしまっているのはよくないでしょう。


うーんまあ、でも、この映画はもうこれでいいじゃないでしょうか。
この映画を観に来る人は、中島健人くんのドSっぷり、千葉雄大くんの王子っぷりが観られればそれでいいわけで、そこは十二分に満足できるというか、シャワーシーンまでもあったりするのですから。

「キュンエロ」というキャッチコピーがついていますが、実際はそんなにエロくもない、G(全年齢)指定でまったく問題がないものでした。親御さんにとっても安心でしょう。

↑には「※ただしイケメンに限る」という絶望をあたえてくれる作品とは書きましたが、ひとつだけ「これはできるぞ!」と思えるイケメン行動がありました。これはいいぞ、多少ブサイクでもイケメンに感じられるはずだ!(と信じている)。

あと、改めて自分はイケメンの苦悩や恋になんの興味もないことに気づきました(身も蓋もない発言)。
(自分は非リア中&非イケメンによる恋愛映画『箱入り息子の恋』や『ワンチャンス』が大好きです)

トータルでは松田裕子さんの脚本がしっかりしているので、人間ドラマを期待する人にもオススメ。中島健人くんと千葉雄大くんのファンは是が非でも観に行きましょう。
予告編でアウトだった人は観るな。以上。


※予告でだいたいオチています。

以下、結末も含めてネタバレです だいたいツッコミ入れているだけです↓

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2016-03-01 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 1
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<2015年下半期>
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『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
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『バードマン』
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『イミテーション・ゲーム』
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<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
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『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
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<2014年上半期>
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『LIFE!』
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<2013年下半期公開>
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『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
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