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ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

『ちはやふる』続編製作決定! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(4月23日~4月29日)

ゴールデンウィーク公開の映画が、『ズートピア』『レヴェナント』『クレしん ユメミーワールド』『アイアムアヒーロー』と傑作揃いすぎてどうしようかと。
『シビル・ウォー』と『ちはやふる(上の句&下の句)』も大好きでしかたがない。
何にも予定がないとか、5月病にかかってる場合じゃねえ!ぜったい映画館に行くんだ!(挨拶)

そんなわけで今週も映画ニュースとのまとめです。

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2016-04-29 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を楽しむために観ておいたほうがいい作品&感想一覧(ネタバレなし)

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を最速上映で観てきました!

現時点では観ていない方が多いので、とりあえずネタバレなしでこれだけは言わせてくれ!

・めっちゃおもしろかった!最高におもしろかった!
・上映時間は2時間38分あるよ!(シリーズ最長、事前のトイレは必須)
・情報量がめちゃくちゃ多いので体調のいいときに頭をフル回転して観よう!
・ヒーローみんなが大活躍!
・ヒーローどうしが争う内容だけど重くなりすぎていない、というか笑えるシーンも多い!
・「なぜヒーローどうしが戦わなければならないのか?」の疑問をこのうえなく解消できる、緻密に計算されたストーリーだった!BvSとは大違いだぜ!

もうこれだけでいいよね。後はもう、アメコミ映画ファンはさっさと観に行くべきだよ!

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※原作コミックを読んでいなくてもしっかり理解できる内容になっていたよ!


さてさて、本作はマーベル・シネマティック・ユニバースというアメコミ実写化シリーズの第13作目です(多すぎい!)
それぞれの作品には明確な「つながり」があるため、連続して観たほうがより楽しめるのです。

※親切なツイート

「どの映画を観たら『シビル・ウォー』を楽しめるの?」と思う方も多いと思うので、以下に一覧で紹介します。

<作品ごとの『シビル・ウォー』の前に観ておいたほうがいい度>

※以下、タイトルをクリックするとそれぞれの作品の感想に飛びます。ネタバレレビューもあるので、それぞれの振り返りにぜひどうぞ。
※観ておいたほうがいい具体的な理由はネタバレになるので書けません!
※☆の数は主観的なものなので、本当に参考に程度にしてください。

☆☆☆☆☆……必見、観ていないと話がよくわからないかもしれない!
☆☆☆☆……観ておくといろいろと気付けることがある
☆☆☆……その作品に関する小ネタなどがあるかも
☆☆……それほど観なくていいかも
☆……本作とはほぼ関係ありません

『アイアンマン』(2008年)
☆☆☆

インクレディブル・ハルク』(2008年)


『アイアンマン2』(2010年)
☆☆

マイティ・ソー』(2011年)


キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)
☆☆☆☆

アベンジャーズ』(2012年)
☆☆

アイアンマン3』(2013年)
☆☆

マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)


キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)
☆☆☆☆☆

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)


アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
☆☆☆☆☆

アントマン』(2015年)
☆☆☆

そんなわけで、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の3本だけでも予習/復習しておくのがおすすめです。

<最優先の3作品>
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray] アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

次点では、『アイアンマン』と『アントマン』もできれば観て欲しいですね。

<2番目に優先してほしい2作品>
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さらに欲を言うなら、☆ひとつのもの以外はすべて観たほうがいい、というくらいですね。
さらにさらに欲を言うなら、ドラマシリーズ「エージェント・カーター』も観ておくとよいようです。

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……とまあ、偉そうに書きましたが、わりと最初から観るべき作品はわかりきっていたことではありましたね(『アベンジャーズ1』の要素が少なめだったのは意外だったけど)。
なにせ、今回はハルクとマイティ・ソーが不参加だもんなあ。

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また、今回の『シビル・ウォー』で参加が表明されているスパイダーマンですが、もちろんマーベル・シネマティック・ユニバースから外れている『アメイジング・スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン2』(※直前に地上波放送されていました)とは直接の関係はありませんでした。

でも、サム・ライミ版と、このアメイジング版の、両方のピーター・パーカー(正体)の特徴や性格を知っていると、より楽しめるかもしれませんよ。


※今回のピーター・パーカーがどんなキャラであるかもお楽しみに。

個人的に、これまでのマーベル・シネマティック・ユニバースでは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と『アントマン』がツートップで好きだったのですが(主人公が負け組や中年フリーターで感情移入しやすいというのが大きな理由)、本作はそれ以上にお気に入りかもしれないなあ。

また、本作『シビル・ウォー』の予告編や宣伝(日本のアレなやつを除く)が、いかに本編の内容に配慮したものであるか、というのも思い知らされました。
予告のあのシーンがこうなるのか!と驚けるはず、ぜひ楽しみにしましょう。

こちらも参考にしましょう↓
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』新予告編に衝撃が走る!&解説
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を見る前に押さえておきたい5つの作品 | シネマズ by 松竹
【チーム・キャプテン・アメリカ編】どちらが強いの?『シビルウォー』戦力を徹底評価! | oriver.cinema
【チーム・アイアンマン編】どちらが強いの?『シビルウォー』戦力を徹底評価! | oriver.cinema

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2016-04-29 : いろいろコラム : コメント : 4 : トラックバック : 0
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「挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベント」をリポート!&人間映画Wikipediaによるさらなる激ムズクイズにチャレンジしよう!

ものすごく遅れてしまいましたが、4月9日に開催した「挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベント」にお越しくださいまして、ありがとうございました!

チャレンジする映画
※このようなチャレンジする映画があります。

映画のある視点(テーマ)について語る会11
※左の気持ち悪い物体が自分です。

映画のあるテーマについて語る会22
※参加者の方にはお菓子をプレゼント!

知らない方にご説明しますと、本イベントは「映画の“ある視点(テーマ)”について語ろう会」の第4回目。
人間映画Wikipediaこと成宮秋祥さんの発案で始まった企画であり、開催趣旨は以下のようになっております。

スライド06

意識高けえ・・・
なんか「『MONSTERZ』ってツッコミどころ満載でちょうたのしいよねー!ウプププー!」とかほざいている自分が恥ずかしくなりますね。

この開催趣旨を聞くとお堅い印象がありますが、実際は専用のシートを使って、みんなが楽しく、それぞれの「チャレンジする映画」を紹介していく会となりました。
そのほか、成宮さんの豊富すぎる映画知識と独特の空気感に、私ヒナタカがツッコミを入れるという漫才形式もなかなかに好評のようです(こんな映画会はほかにないよ!)

今回はリバティーシネマ倶楽部主催/音空間ディレクター高橋浩一さんに、『ザ・ウォーク』の詳細かつ、ギミックが満載のプレゼンもしていただきました。

スライド04

こうした、ゲストを招いてのプレゼンは今後もやっていきたいですね。
高橋さん、本当にありがとうございました。

さてさて、以下からはみなさんがシートに書かれた「チャレンジする映画」について一挙ご紹介します。
その後には、激ムズ映画クイズも掲載していますよ。

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2016-04-27 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』が大傑作の理由を6000文字以上で解説する(ネタバレ全開レビュー)

※5月10日追記:さらに、さまざまな意見を受けて追記しています!ありがとうございます!

いきなりですが、ふたつ謝らせてください。
以前、現在公開中の『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』について、「児童虐待がテーマだ!」と断言していたのです。

<『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』は児童虐待がテーマの大傑作!(ネタバレなし感想)>


しかし、厚生労働省による児童虐待は、以下のように定義されていました。

身体的虐待:殴る、蹴るなど
性的虐待:子どもへの性的行為など
ネグレクト:食事を与えない、ひどく不潔にするなど
心理的虐待:言葉による脅し、無視など

『クレしん ユメミーワールド』で描かれたことはこの4つのどれにも当てはまらないので、厳密な意味では児童虐待ではなかったのです。
お詫びして訂正いたします。
タイトルは変えていませんが、文は修正を加えています。
(ただ、たとえ定義になくても、本作で描かれたことは立派な虐待である、とも自分は思います)


もうひとつは……本作を2回観ると、さらに本作が綿密な計算のもとに脚本が作られていたのか、大傑作であったのかを思い知らされたので、お気に入り度を9点→10点に変えさせてください
意見がブレることが多いブログですみません。

あとね、これから本作を観る方はエンドロールの映像に超・超・超注目してください
1回目の鑑賞では気付かなかったことがあり、また泣けて仕方がなかったのです。

また、本作のゲストキャラクターの苗字「貫庭玉(ぬばたま)」は「夢」や「月」にかかる枕詞だったりもしました。
こうした小ネタもしっかりしていますね。


そんなわけで以下からはネタバレ全開で本作がなぜ大傑作であるかを解説します。
未見の方はぜったいに読まないで!お願いだから!↓

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2016-04-26 : 旧作映画紹介 : コメント : 16 : トラックバック : 0
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名古屋“シアターカフェ”配布のフリーペーパー『T橋、映画語るってよ』にカゲヒナタのレビューを紹介していただきました!

いや〜嬉しいですね〜。
何がっていうと、大学生の方が作ってくれたフリーペーパーにて、このブログ「カゲヒナタのレビュー」が紹介されたことですよ!

フリーペーパーの名前は、製作者の方が好きな『桐島、部活やめるってよ』を文字った『T橋、映画語るってよ』です。

もうね、実際にペーパーの内容を見て大感動いたしました。
許可をいただきましたので、全3ページのうち、1ページ目を丸まま掲載いたします。

※『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』の印象的な台詞に触れているのでご注意を。

T橋、映画語るってよ

まさかのすべて手書き。そしてイラスト入り。

先生に告げられた言葉から語られた導入部分から興味深く、英語のセリフまでもしっかりとイラストに落とし込んでいる丁寧さには感服いたしました。

そして、このブログは2ページ目に紹介していただいています。

T橋、映画語るってよ2
※一部抜粋

「掲載許可をいただきました、ありがとうございます!」って、こっちがありがとうだよ!
いやーもう、これだけお褒めの言葉をいただいて、ブログをやっていてよかったですよ。

さてさて、実際に『T橋、映画語るってよ』を手に取って読んで欲しいので、どこで配られているかをお知らせしますね。


<フリーパーパーの配布場所>

おもに、名古屋芸術大学と名古屋市中区大須にあるシアターカフェで無料配布されています。


シアターカフェ大須※画像出展はこちら

【名古屋市中区大須シアターカフェ概要】
〒460-0011
名古屋市中区大須2丁目32-24 マエノビル2階
電話:052-228-7145
営業時間:13:00-21:00(火-木曜定休)

上映スペースのレンタルができ、映画を上映することもできるカフェなんですね。
内装は手作りで、音楽制作講座、こどもたちが物をつくって楽しみながら英語を学べる講座も開いているのだとか、これは行ってみたい!
※参考↓
大須に映画シアター併設カフェ「シアターカフェ」-映画上映開始 - サカエ経済新聞
TheaterなCafeの流儀-名古屋・シアターカフェ訪問記- | | シネマカラーズ

なお、『T橋、映画語るってよ』がシアターカフェに置いてある期間は、基本的に「なくなるまで」or「すぐなくなったと店長さんから連絡がきたらまた置きに行く」といういつもアバウトなものらしいです。でも聞いてみればきっとあるんじゃないかな?

お近くにお住いの方、旅行される方は、ぜひシアターカフェに足を運んでみてください。

『T橋、映画語るってよ』の2ページ目には『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』や『X-MEN:フューチャー&パスト』、3ページ目には3ヶ月分の映画鑑賞記録がまとめられております。
もちろんイラストつき、読み応えは抜群ですよ!


※製作者のT橋N子さんはこんな活動もされています。


おすすめ↓
T橋/孤独な映画好きはシアターカフェに(@I_AM_DREADING)さん | Twitter
シアターカフェTwitter

紹介していただいた記事↓
ふつうでなくても 映画『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー 

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2016-04-25 : いろいろコラム : コメント : 0 : トラックバック : 0
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映画『アイアムアヒーロー』英雄の誕生(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はアイアムアヒーローです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:日本のゾンビ映画の最高傑作だ!

あらすじ


さえないマンガ家アシスタントの鈴木英雄(大泉洋)は、ある日恋人から住処を追い出されしまう。
そして、いつかしか街はZQNと呼ばれる感染者であふれるようになり、英雄は女子高生の早狩比呂美(有村架純)と逃亡するのだが……。




本作は
シッチェス国際映画祭で2冠!
ポルト国際映画祭で2冠!
ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭でグランプリ!
という宣伝がなされていますが、そんな映画祭知らねえよ!と思った方も多いのではないでしょうか。

ここで、上ふたつの映画祭での近年のグランプリ作品を見てみましょう(画像クリックでアマゾンのページに飛びます)。

<シッチェス映画祭のグランプリ(2012〜2015)>
レッド・ステイト DVD ホーリー・モーターズ (DVD) ボーグマン [DVD]

<ポルト国際映画祭のグランプリ(2012〜2015)>
HELL [DVD] MAMA [DVD] Miss ZOMBIE [DVD]

ちなみに日本でも「シッチェス映画祭」ファンタスティック・セレクション2015というイベント上映が行われており、そのラインアップはこんな感じですよ。

<「シッチェス映画祭」ファンタスティック・セレクション2015のラインアップ>
ゾンビ・ガール [DVD] 忍者狩り [DVD] ミッドナイト・アフター [DVD]
ハイエナ [DVD] 恐怖ノ白魔人 [DVD] ウルフ・コップ [DVD]

おわかりいただけただろうか
この3つの映画は「世界三大ファンタスティック映画祭」と呼ばれ、SF映画、ホラー映画、スリラー映画、サスペンス映画などファンタジー系のジャンルに焦点を当てており、ゾンビ映画の割合も多くなっているのです。

本作『アイアムアヒーロー』がこの映画祭に出品しているということは、そういう作品が好きな人を狙い撃ちにしているということなのです!

しかも本作はマンガ原作で、メジャー系に公開されている作品なんですよ!

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待った・・・こういう作品を待っていましたよ・・・!(震えながら)
この映画は大々的に公開されている映画ながら、上記のそういう作品が好きな人へのご褒美みたいなもの(しかも舞台は日本)になっているんですよ!
世の映画オタクにとって、これほどうれしいことはない!


さてさて肝心の映画の内容なのですが、まごうことなきゾンビ映画であり、かつR15+措定ギリギリすぎるグロ描写が満載となっております。
血糊はブシャア!頭や手足は容赦なくぶっ飛ぶ!これ本当にメジャーで公開されている映画かよ!

そしてビッグバジェットならではのド迫力のアクションも展開!
このアクションは原作にはない(またはアレンジ)ものであり、かつ作中の「ZQN」という感染者(ゾンビ)の特徴を生かしたものになっている!
このアクションが出来たのは、韓国でのロケを行い、『アベンジャーズ』にも参加した韓国の特殊効果会社「デモリッション(Demolition)」の尽力のおかげ。「邦画でここまでできるのか!」と驚けることでしょう。

そして素晴らしいのは「日常が非日常に侵食されていく過程」!
本作では浜松市の住宅街を封鎖して、多数のエキストラを投入して撮影したシーンがあるのですが、そこのカメラワークの躍動感が尋常じゃないのです。
このシーンでは逃げまどう主人公を長回しで追っていっており、「主人公が見たものしか映らない。しかし徐々に地獄のような光景が目の前に広がっていく」と完璧なものになっています。
主人公といっしょに「世界を崩壊していく感覚」を得られる!このゾクゾクを味わうだけでも本作を鑑賞する価値があるでしょう。


特筆すべきは脚本の素晴らしさ。
原作のエッセンスを拾いつつ、新たな解釈と驚きを与えるようになっており、しかもそのほとんどが見事に伏線として昇華されるのです!
脚本を手がけたのは『俺物語!!』の野木亜紀子さん。
『図書館戦争』でも佐藤信介監督とコンビを組んでいたので、その作品をもっと追いかけたくなりました。

そういえば佐藤監督は『GANTZ』がアレな出来だったんですけど、それはあのワタベエと手を組んでいましたからね。忘れてあげよう。素晴らしい汚名返上です。

ここまでグロにもアクションにも妥協がない作品になったのは、本作が「テレビ局が入らない企画であり、映画会社だからこそできる作品をやる」(佐藤監督談)という意気込みのもとに製作されていたから。
そういえば『GANTZ』はジャニーズ主演のためグロ描写は抑え気味でPG12指定だったなあ。そういうしがらみがなければ、ここまですさまじい作品が撮れるのか!


もうね、終盤のカタルシス、そしてあのセリフには涙が出てきたんですけど。
カット割や演出も洗練されており、文句のつけようがありません。

キャストも大泉洋がダメ男にハマりまくっているし、吉沢悠(30代後半なのに20代前半にしか見えない)のそこはかとないクズっぷり、岡田義徳のイヤなDQN(ネット用語、バカや軽薄そうな人間を指す蔑称)っぷりも最高。
テレビでよくみる長澤まさみまでも血糊をぶっしゃぶっしゃ浴びながら戦うんだからステキ。
すべての要素が完璧と言えるまでに仕上がっています。

なお、劇中で長澤まさみ演じる藪(やぶ)は意味深なセリフを告げますが、これは前日譚のドラマ(原作にはないオリジナル)を観ればわかるようになっています↓
<dtvで観ることができる『アイアムアヒーロー はじまりの日』が良作POVホラーだったという話>


もうね、ベスト・オブ・日本製ゾンビ映画というか、ゾンビ映画ファンなら明日地球が終わろうが観るべきです。
我が国日本で誕生した、これほどのお金とスタッフが結集したゾンビ映画を観ないで、何を観るというんですか!

そうそう、ある程度は原作から省略されているとはいえ、原作の「観たかったシーン」が再現されており、しかも原作をも超える恐怖描写があったことにも大感動いたしました。

さらに、ダメ人間の成長物語としても秀逸だったりするんですよね。
同じダメ人間として、もう主人公に感情移入しまくりでした。

原作を知らなくても、もちろん原作ファンにも最大限にオススメします!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 超ネタバレだから未見の人は読むなよ! 原作マンガとの違いにも触れているので未読の方はご注意を。

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2016-04-25 : 映画感想 : コメント : 17 : トラックバック : 1
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『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』超展開×素晴らしきファンムービー(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は劇場版 遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONSです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:海馬社長による一大ギャグ映画

あらすじ


ゲストキャラが紀里谷和明的に大演説し、海馬社長がボケ倒す話。




まず、『遊戯王』を「初期のいろいろなゲームで戦っていたころ(カードゲームバトルになっていないころ)しかまともに読んでいない」自分が本作を観るのは、とてつもない間違いだったと痛感いたしました。ファンの方、ごめんなさい。

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こうした人気マンガ(アニメ)の劇場作品は「一見さんお断りな」作品が多いのですが、本作はそれどころではありませんでした。

いままでの経緯やら、基本的な設定やらは一切語られない、完全にアニメと原作が好きだったファン向けの作品になっていることは、最大限にここに主張しておきたいです。

で、本編では熱きカードゲームバトルが繰り広げられるのですが、なんでそうなるのかさっぱりわからない超展開が連続するので度肝を抜かれました。
これは『遊戯王』のファンであっても、さすがに「どういうプロセスでそうなるんだよ!」と突っ込むんじゃ?
カードの効果を全部アッツく説明してくれるけど、けっきょく頭には「?」ばっかりです。
「次元領域」「アンディメンション化」という言葉は今回が初登場っぽいのですが、さっぱり理解できませんでした。誰か教えて。

観た後の気持ちは「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!全部説明してくれるのに何を言っているのかさっぱりわからなかった。一見さんお断りとかルールが難しいとかじゃない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ!」なポルナレフ状態ですよ。
「『ガールズ&パンツァー 劇場版』は予備知識がなくてもおもしろかった!アニメ映画は無知でも楽しめるのかも!」と思って(←まさに自分)本作を観るべきではないのです。

個人的に好きではなかったのは、ゲストキャラが「人間の否定」について持論を振りかざしまくること。
CASSHERN』の大演説の印象にも近く、作品のテンポを削いでしまう印象がありましした。


でも大好きだったところもある。それは海馬社長というキャラがいちいち爆笑を届けてくれるから!

遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ARTFX J 海馬瀬人 (1/7スケール PVC塗装済み完成品)<萌えキャラです。

もうね、その登場のしかたとか、斜め上を行く言動には腹筋が締め付けられました。
(ファンにとっても社長のアレっぷりは大いに愛されているみたい)

素晴らしいのは声優の津田健次郎さんの熱演。観た後は津田さんの血管や血圧を心配してしまう
「ブルーッッッ!アイッッッッッッズ!ホワイトゥドラゴーンッッッッッ!」などとモンスター名を全力を叫ぶ様は笑いを通り越して感動的ですらある。
「声優の本気」を知りたいファンにとっても必見でしょう。

もちろん、遊戯(正確には別人格のアテム)に執着をしまくる狂人っぷり、遊戯との「ライバル関係だけどじつはすっげえ好き合っている」というツンデレライバルな関係も大好きです。これは確かに愛されるなあ。


また、原作で描かれていなかった「過去」を描いて、ある程度の決着をつけていることもファンにとってはうれしいところでしょう。
本作の脚本は原作者自らが手がけており、原作に入りきらなかった要素を補完しているのです。

ファンを大切にする、真摯な姿勢を存分に感じられることができました。
このあたりは、原作の大ファンである方の以下の感想がとってもわかりやすく、とてつもなく熱いです(途中から大いにネタバレ注意)↓
“続編を製作する意義”に一切の妥協なし。映画「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」 - YU@Kの不定期村

こちらを読めばそれでいいですね。素晴らしい!
とくに「遊戯王はカード漫画ではない、あくまで手段やギミックがカードであるだけで、彼らがカードを通し交わしていた魂のやり取りこそがメインなのだ」という評論には納得。
自分はどうも『遊戯王』のカードバトルには「それ初耳なんだけど」「戦略をいっしょに考える楽しみがない」というネガティブな印象を持ちがちなのですが、それは「過程」にすぎないのですね。


そんなわけで、『遊戯王』に詳しくない自分としては「超展開多すぎ」や「いくらなんでも上映時間が2時間10分は長すぎ(原作者はこれでも脚本を削りに削ったそうです)」などの不満が大いにあるのですが、『遊戯王』ファンにとってはサービス満点の作品として受け入れられるのではないでしょうか。

カードバトルの展開そのものはぜんぜん納得できないのですが、多くのスタッフによる「(良い意味での)演出過多」なモンスターたちの攻防は迫力満点。劇場のスクリーンで観る価値も確かにあるでしょう。

「こんな映画は観たことがない!」という感動は『レヴェナント:蘇えりし者』に負けず劣らずありました。

ファンには存分にオススメしておきますよ。エンドロール後にもおまけがあるので、お見逃しなく。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ていうか海馬社長のおもしろ言動を書いているだけです。

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2016-04-24 : 映画感想 : コメント : 11 : トラックバック : 0
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『レヴェナント:蘇えりし者』信仰と生き延びる強さとは(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はレヴェナント:蘇えりし者です。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:いますぐにメイキングが観たい!

あらすじ


アメリカ西部の原野、ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)たちハンターは突如として襲撃を受け、追っ手から逃れなから砦に向かうことを余儀なくされる。
さらにグラスはクマと戦ったために瀕死(ひんし)の重傷を負う。同行していた仲間のフィッツジェラルド(トム・ハーディ)は、彼を置き去りにしようとするが……。




第88回アカデミー賞にて、監督賞、主演男優賞、撮影賞を受賞した本作。
実際に映画を観てみるともうそれは大・大・大納得。これで取らなきゃウソだろうという伝説的な映画だったのです。

まずはもう撮影の困難さから書かねばなりますまい。

<たのしい『レヴェナント』の撮影環境>

・カナダのブリティッシュコロンビア州で、マイナス25度の中ロケをしたよ!
・しかもスケジュールがあまりにも長期化したために雪がなくなるという大ピンチに。そこで季節が真逆な南半球へと向かい、ラストシーンはアルゼンチンで撮影。
・文明から隔絶された辺境で、1日12時間から16時間労働、週6日間稼働で8か月間、200kmを陸路で動き回った
・画の美しさにこだわったため「マジックアワー」と呼ばれる日没前の1~1.5時間だけしか撮影できなかった。おかげで9ヶ月かかった。
・基本的に自然光のみで撮影(ただし夜のキャンプファイヤーのシーンだけ火の回りに人口照明を焚いた)
・スタッフは「生き地獄だった」と端的にコメント
・もちろん辞めるスタッフも続出
気温が低すぎてカメラが凍って動かなくなる
・強烈な嵐が起こった時の気温はマイナス40度。おかげで撮影は1週間中断。
・戦闘シーンの撮影ではネイティブ・アメリカンの清めの儀式が行われ、スタッフ&キャスト全員が氷が張る河に浸かった。

なんというブラック。ワ◯ミやヤ◯ダ電機の比じゃねえ!

その甲斐あって、画のすべてをポストカードにして売ってもいいくらいの美しさがあり、いったいどうやって撮ったんだ!?と驚愕できるシーンがこれでもかと押し寄せる。
長回しの技術は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に勝るとも劣らない。エマニュエル・ルベツキが2年連続の撮影賞を受賞したのは大納得できるのです。

「どの風景もいままで見たことねえ・・・」と思えるのも本作の魅力。
でも、ゲーム『ダークソウル』をプレイしていると、風景がそっくり!と思うらしいですよ!(ネタバレ注意)

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また、監督が参考にした映画作品は、黒澤明の『デルス・ウザーラ』、ヴェルナー・ヘルツォークの『フィツカラルド』『アギーレ神の怒り』、『地獄の黙示録』や『プラトーン』など。どれも撮影環境も含めてキッツい作品ばっかりだな!

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※とくに『地獄の黙示録』は撮影環境も地獄だった映画として超有名です。


<トム・ハーディの行動がキテいるぞ!>

出演者はこの状況に怒らなかったの?と思うところですが、実際にトム・ハーディは激昂しています。
なんでもかんでもスタントなしでやれと言う監督と、ハーディがガチのケンカをして、ハーディは監督の首を絞めた。殺人未遂じゃねえか!

しかーし、その後にはいい話があるよ!
ハーディは、監督への不満を募らせるスタッフのガス抜きのため、自分が監督の首を絞めている姿をプリントしたTシャツを作って配ったんだって!

レヴェナントTシャツ※画像出展はこちら

ちなみにハーディは「俺はシベリアの川で泳いだこともある。世界一寒い町で零下75度、水温は零下45度。今回もクソ寒かったが、驚くほどじゃねえ」と豪語したんですって。かっけえな!

そんなハーディは、本作の撮影が長引いたおかげで『スーサイド・スクワッド』での出演は降板となってしまったんですよねえ……。彼の激務っぷりを、ぜひ映画を通して知って欲しいのです。


<レオ様ちょうがんばった!>

そしてレオナルド・ディカプリオ様の本気度もパネえっすよ。

・レバーを貪り食うシーンの肉は本物(レオ様はエコ活動をしており、ベジタリアンとの噂もある)。
・劇中のサバイバル術をマジで習得
・2種類のネイティブ・アメリカンの言語を習得(ちなみにアリカラ族の言葉を話せる人間は10人未満と言われている)。
・モッサモサの髭は特殊メイクではなく本物。本作のために1年半も生やし続けた。
・レオ様は何度も風邪や低体温症になった。瀕死の状態で担架で運ばれているシーンではマジで高熱に苦しんでいて、演技ではない

そして何よりも、「レオ様VSクマちゃん」のバトルが最高だったというのは言わずにはいられない!
もうね、ほかのことはどうでもいい(←暴言)ので、ここだけでのために1800円払って劇場に足を運ぶ必要があるよ!

このクマちゃん(グリズリー)はCGIで作られているんだけど、どう見ても本物。実際のレオ様はワイヤーで吊られて地面に叩きつけられまくった。そんな撮影が一週間続いた。地獄か!

本国の試写では、クマちゃんバトルを見て、ショック状態に陥り、笑いが止まらなくなる観客が出たらしいけど、それはマジだ。
本作は笑いなしのガチシリアスな映画に思えて、このシーンは「すごいものを見すぎて笑いが止まらなくなる」という味わったことのない感覚を得られるのである!

もうね、B級のクマのモンスタームービーが好きな人はぜひ観てみてください。B級がA級に昇華するとここまですごくなるんだぞと。最高ですわ。

グリズリー・プラネット [DVD] プロジェクト・グリズリー [DVD] グリズリー・パーク [DVD]
※こういうクマちゃん映画も好きですよ。


<テーマもおもしろいよ!>

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品は、物語を通じて暗に込められたメッセージを訴え続けるのが特徴となっています。
本作で描かれているのは「復讐」の物語。それ以上に「信仰」を感じられる内容にもなっています。

また、本作は事実を元にした伝記が原作で、実際のネイティブ・アメリカンの歴史を描いた作品でもあります。

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主人公のヒュー・グラスは実在の人物。実際にクマちゃんに襲われたのは夏であったりするなどの映画本編との差異はあるようですが、基本的な展開はほぼ実話そのままだそうです。
※ヒュー・グラスを主人公とした映画には1971年の『荒野に生きる』もあります。

また、作中には山のように積まれたバッファローの頭蓋骨が登場します。
劇中では説明されないのですが、乱獲した理由は毛皮を奪うだけでなく、ネイティブ・アメリカンの衰退を狙った白人の戦略であるのだとか。歴史的な問題もしっかり描かれているのですね。

レヴェナント頭蓋骨が山のように

こうした奥深さが、世界の賞レースで絶賛された理由のひとつなのでしょう。
日本人にはあまりピンとこないかもしれませんが、根本的な「親子」の描き方ははきっと多くの人の琴線に触れると思います。


難点もあります。

個人的にちょっと苦手だったのは、幻覚をみるシーンが多いこと。
観念的な描写を挟むのは監督のクセなのですが、過酷な自然でのサバイバル描写と、こうした現実的でない画は食い合わせが悪いと思うのです。

また数々のサバイバル描写は圧巻なのですが、いくらなんでもレオ様不死身すぎね?とツッコミたくなります
いや、まあ主人公なんだから当然っちゃ当然なんですが、もはや人知を超えたレベルだよ!

また暗く重っ苦しい作風であるため、ある程度観る人を選ぶでしょう(圧巻の映像美と展開のおかげで2時間32分の上映時間でも飽きることはありませんが)。


さてさて、「撮影や製作の苦労」は「映画本編の出来」と切り離して考えるべきなのは重々承知しているのですが、ここまで凄まじい状況で作られた映画は劇場で観なければ失礼であるとさえ思うのです。

自分はメイキング映像はそれほど興味のないほうなのですが、この『レヴェナント』はすぐにでもメイキングが観たくなる
もし撮影風景を収録したドキュメンタリーが公開されたら観るぞ。

好き嫌いはとてつもなく分かれますし、R15+指定納得の残虐さもあります。
それでも「なんだこの映画SUGEEEEEE!(小並感)」という興奮は味わえるはず。ストーリーもド・シンプルなので、混乱することはないでしょう。
2016年を代表する1本として、激しくオススメします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-04-24 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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dtvドラマ『テラフォーマーズ 新たなる希望』は林遣都と菅谷哲也ファンにとって必見作!

いろんな意味で話題沸騰の、4月29日(金・祝)公開の映画『テラフォーマーズ』。その前日譚となるドラマ『新たなる希望』がdtvで公開されていたので観てみました。

テラフォーマーズ新たなる希望

※dtvとは……映像配信サービス。映画、ドラマ、ライブ映像、マンガなどの豊富なジャンルがスマートフォン、PC、TVで楽しめる。お試し初回31日間は無料だよ!

以前紹介した『アイアムアヒーロー はじまりの日』でも思ったのですが、こうした「劇場公開前のドラマ」は、2時間という映画の枠では収まらなかった原作マンガの魅力を補完できる内容である、と強く感じました。

その補完された魅力とは、ミッションに赴く者みんなが、いわゆる人生の負け組であるということ。
『テラフォーマーズ』の原作マンガでは、みんな一様に金がなく、火星への派遣ミッションに参加する理由は「金のため」であるという描写があるのです。


単純に貧乏というわけではありません。
金がない理由は、それぞれの国での事情、過去に犯してしまった過ちなど、さまざまです。
彼らはかなりの「後ろめたさ」や「深刻な過去」を持っているのです。

スクリーンにかじりついて観る映画で、これらの描写をひとつずつ描いてしまうと冗長になってしまうでしょう。
しかし、前日譚となるこうしたドラマでその要素を落とし込むことで、結果的に映画の上映時間はタイトに引き締まり、かつ原作マンガの魅力を取りこぼすこともない。
これには、マーケティング(宣伝)上の戦略というよりも、確かな原作への敬意が見えるのです。


本作『新たなる希望』でおもしろいのは、火星へ赴く者たちを「選定」していくというプロット。
彼らはもともと人生の負け組なのに、さらにこのミッションでもふるいにかけられて脱落していくのです。

この選定試験で敗れた者は、負け組中の負け組。
彼らが抱えた理由は「なんとかして救われてほしい」と願いたくなる深刻なものであるのに、運命は彼らを容赦なく突き落とすのです。

残酷な物語ではありますが、本作を観ておくと、映画で「火星のミッションに行けた者」がどれだけの覚悟を持っていたか、そしてどれだけの人間の「犠牲」の元でここに訪れたか。
それがわかるのではないでしょうか。

タイトルは『新たなる希望』というスター・ウォーズっぽいものだけど、実際は絶望的な物語。しかし、最後には逆説的に適したタイトルである、と思えるのも見事です。


ただ……その意義と精神性は素晴らしいのですが、作品としておもしろいかと問われると、この『新たなる希望』はイマイチです。
厳しかったのが、悪い邦画特有の「気持ちをベラベラしゃべって訴える」シーンが多かったこと。
あまりに演劇的で不自然、記号的な描写になっており、感情移入が妨げられるのです。

そもそも、限られた場所で訓練をしたり、登場人物がケンカをして自滅していくような内容です。
モンスターが登場したりするギミック、難解なテストをされるという要素もありませんし、登場人物の行動理由が理解し難いところもある。
サスペンスとしては、どうにも歯切れが悪く感じてしまいました。


ただ、それでも本作をオススメしたいのは、林遣都菅谷哲也いうイケメンの演技がすんばらしかったから。
彼らはかなーりイヤな奴、というかイケメンが台無しなクズ演技をしているんですよ。

林遣都1st写真集「Clear」(DVD付) (Angel works) TERRACE HOUSE PREMIUM テラスハウス プレミアム※彼らは普段はイケメンです。

林さんの人を見下した態度、菅谷さんの「グェッハッッハ」な笑い方には感動させられました。
これ女性ファンが減るかもしれないけど、自分はむしろファンになったよ!
さらに熟年肉体派の伊藤英明VS若手肉体派の菅谷哲也のバトルが観られるのですからたまりません。


残念なのが、この林遣都さんと菅谷哲也さんのふたりが、映画『テラフォーマーズ』本編に出演されていないということ。

本編では小栗旬や山下智久などの超豪華な俳優が勢ぞろいしており、そこにこのふたりが出演できなかったということは、ドラマ『新たなる希望』で参加者が脱落していく内容とシンクロしているかのようです。
彼らの俳優としての魂が感じられ、なんとも胸が熱くなりました。

※参考↓
『テラフォーマーズ/新たなる希望』、菅谷哲也インタビュー「僕が変形したい虫は…」 | シネマズ by 松竹


↓視聴、情報はこちらで
<テラフォーマーズ_新たなる希望特集|動画を見るならdTV【お試し無料】>

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2016-04-23 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『ズートピア』差別と偏見を描いた大傑作の理由を全力であげてやる(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はズートピアです。

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個人的お気に入り度:10/10

一言感想:世界平和の足がかりとなる大傑作!

あらすじ


ウサギのジュディは警察官になるという夢を信じて努力を重ね、ついに念願叶って動物たちが共存する楽園「ズートピア」にやってきた。
ジュディは勤務中、アイスを子どもに買ってあげようとするキツネのお父さんを見かけるのだが……。



観ろ。

本作がどんだけすごいかは、ネタバレを最小限に留めて以下に書きました。
<『ズートピア』は大傑作!全人類が観るべき10の理由!! | シネマズ by 松竹>

※追記:以下も書きました。1ページ目には軽めのネタバレ、2ページ目には大きなネタバレがあるので要注意!
<『ズートピア』は吹替版と字幕版では訴えられていることが違う!?それぞれのバージョンでわかる表現のまとめ | シネマズ by 松竹>

※追記:以下も書きました。超ネタバレ注意。主人公のジュディとその相棒のニックの性格が細かいところに表れすぎている!終盤の博物館も超すごいぞ!
<『ズートピア』、あまりにも深すぎる「12」の盲点 | シネマズ by 松竹>
※こちらは多くの批判をいただいたので、こちらの記事を書きました→<『ズートピア』の深すぎる盲点のまとめに批判を受けたので、少し補足してみます>

※追記:ソフト版発売記念に以下も追加!こちらも2ページ目以降は激しくネタバレです!
<遂にDVD発売!『ズートピア』じっくり観てほしい細かすぎる5つの盲点! | シネマズ by 松竹>


「全人類が観るべき」は決して誇張ではないですからね。
自分は本気でこの映画は世界を救うと思っているから。
だって現実の世界での政治家たちがわかっていないような(できていない)ことを、子どもであっても理解できるようになっているんですから。

あとギャグにゲラゲラ笑えること、バディ(コンビ)ものの映画としても至高、黒幕の描写がすごすぎることも訴えておきたい。

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※バディもものの映画の例。こういうおもしろさもあるのです。

そして観る人を選ばない作品でもある。
デートでも家族でも大人がひとりで観ても、きっと大満足できるでしょう。ていうか観ろよ。

ちなみに3D上映もありますが、とくに3Dで観たいという画はなかったので2Dで十分かも(4D上映はちょっと観たいけど)。

英語の言葉遊びが多いので字幕版もぜひおすすめしたいのですが、上映館が少ないというのはやや残念。
吹き替え版には豪華声優陣が勢ぞろいしているのですけどね。
※参考↓
<ディズニーはいかに“映画ファン以外”を取り込む宣伝をしているか? 『ズートピア』と『シビル・ウォー』からその戦略を考えてみよう>


さてさて、以下よりネタバレ全開で、↑の記事のそれぞれの項目を解説します。
10点をつけていてなんですが、以下には野暮な不満点を書いています。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いきなり超ネタバレがあるので映画を観ていない方は回れ右。字幕版、吹き替え版それぞれのセリフをひとつだけ書いているので、両バージョンを観ていない方もご注意ください。

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2016-04-23 : 映画感想 : コメント : 15 : トラックバック : 1
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『スノーホワイト』続編の吹き替え声優はベテラン勢ぞろい! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(4月16日~4月22日)

明日23日(土)はいよいよ『ズートピア』の公開日ですね。
これまで当ブログではしつこいほどに大傑作だと主張してきましたので、もし「観ねえよ」とおっしゃる方がいましたら、もれなく毒電波をお送りいたしまのでよろしくお願いします(挨拶)。


↓以下、今週の映画ニュースとブログ記事のまとめです。

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2016-04-22 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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『フィフス・ウェイブ』じつはティーンもののSFだった(映画ネタバレなし感想)

今日の映画感想はフィフス・ウェイブ(4月23日公開)です。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:公開してくれてよかった

あらすじ


突如地球上に現れた生命体「アザーズ」が地球を4度にわたって攻撃し、世界人口の99パーセントが死滅した。
女子高生キャシー(クロエ・グレース・モレッツ)は、離れ離れになった弟の行方を追っていたのだが、思いかけない襲撃を受けて……。





アリス・クリードの失踪』のJ・ブレイクソン監督最新作です。
同名の小説を原作としています。

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本作は一見するとバリバリのディサスター(災害)ムービーのようですが、どちらかといえば若者の心理を描いた「ティーンもの」になっています。

派手な破壊のシーンや、ハラハラするようなアクションは少なめ。
クローズアップされているのは、『トワイライト』シリーズのような淡い恋愛や、『ハンガー・ゲーム』のような少年少女が政治的に匿われて戦いに身を投じられる、という展開なのです。

2012』のアホアホ地球ドッカンや、『カリフォルニア・ダウン』のようなロック様の筋肉ハァハァこの人について行きてえな要素はほぼ皆無なので、期待しないように注意しましょう。

ロック様の代わりにいるのは、『キック・アス』であらゆるロリコンどもを虜にしたクロエ・グレース・モレッツたん。今回は弟のことを誰よりも大切に思ういいお姉ちゃんになっているのだからたまりません。
彼女のファンであったら、十二分に満足できるでしょう。


設定でおもしろいのは、「宇宙人が侵略に来ている」という状況であるのに、宇宙人が直接姿を現して襲撃に来ないということですね。
宇宙人がやっているのは、電波障害を起こしたり、ウイルスを蔓延させるといった、間接的で、効果的で、かつ恐ろしい方法なのです。

それでいて、「もうこれだったらただの災害でいいじゃん」とならないところもミソ。「宇宙人の侵略」が重要な意味を持つようになりますので、そこを楽しみにして観るのもいいでしょう。


かつて、東北大震災のことを考慮して、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』や『唐山大地震』が公開延期されたことがありました。

その意図は理解できるものの、反面「こういう作品こそが『いま』必要なのではないか」と思うところもありました。
こうした災害を描いた映画からは、災害で辛い思いをした人たちの気持ちが、映画を通じて当事者でなくとも理解できるからです。

本作『フィフス・ウェイブ』は「津波のシーンがあります」とアナウンスされたものの、今回の熊本大震災では延期されることはありませんでした。

作中で描かれている、災害から逃げまどう人たちの描写や行き場のない悔しさは作品に重要です。
きっと、熊本の人たちの姿にも重ねる方も多いでしょう。

明るく元気になれる映画ももちろんいいのですが、こうした「辛い」という負の感情も与えてくれるというのが映画という娯楽のすぐれたところ。自分は、こうした災害を描いた作品が、いま公開されることをありがたく思うのです。

本作の主人公はどこにでもいるふつうの女子高生であり、作風も前述の通りティーンよりですので、同じ年代の少年少女はより感情移入がしやすいでしょう。

本田圭佑選手が「自粛」ムードに異を唱えていましたが、自分も同意します。
安易に「不謹慎だから」と自粛するのではなく、むしろいつもの日常を大切に過ごしたり、積極的に行動することも大切なのではないでしょうか。

九州地区での公開が延期となっているそうです・・・。


さてさて、真面目に語ってきましたが、正直に言って映画の出来としては今ひとつです。

その理由のほとんどは、
(1)終盤の展開があまりに不自然
(2)後半に従い会話シーンの割合が増えすぎる
ということにつきます。
とくに(1)は「無理やりサスペンスが作らされている」という印象で、どうあっても肯定できません。

「宇宙船がずっと空中にある」という設定なので、「なんで空爆しないねん」「なんで攻撃が届かん歩兵を訓練するねん」とツッコミたくもなりました(でもこのツッコミどころを解消する事実もあるかも?)
悪い意味で『スターシップ・トゥルーパーズ(大傑作)』を思い出させますね。

ハラハラするようなサスペンスではなく、少年少女のドラマに焦点を当てた作品であるとはいえ、さすがにこれはちょっと雑です。
原作に続編が存在する関係もあってか、どこか中途半端なまま映画が終わってしまう印象も否めません。

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IMDbで5.2点Rotten Tomatoesで17%という低評価は、残念ながら納得できてしまいました。


それでも自分がこの映画が好きなのは、主人公の少女の心理が丁寧に描かれていたことと、オープニングシークエンスが秀逸であったからです。
時系列をずらして、ここを最初に持ってきたことには確かな意義を感じられました。

描かれているのは、圧倒的な絶望と、それに相対するような希望。
中盤の「疑心暗鬼」を思えば、武器社会であるアメリカという国を、この映画はこっそりと批判しているのかもしれません。


そんなわけで積極的なオススメはしませんが、クロエたんのファン、『ハンガー・ゲーム』や『ダイバージェント』のようなティーンもののSFが好きな方はぜひ劇場へ。
観客の97パーセントが『フィフス・ウェイブ』の正体を予想できなかったとのことですが、カンがいい人なら気付くんじゃないかな? それをあれこれと推理してみるのも楽しいですよ。


おすすめ↓
【インタビュー】 クロエ・グレース・モレッツが惚れ込んだ『フィフス・ウェイブ』ができるまで | cinemacafe.net

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2016-04-22 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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映画『テラフォーマーズ』に文句を言う(または褒める)映画会を5月1日(日)19時より開催します

えー告知します!
4月29日(金)公開のテラフォーマーズ』について文句を言う(または褒める)映画会を5月1日(日)19時より開催します

テラフォーマーズ画像

うん、怒られたらどうしようと思いますが、やるからにはちゃんとやるよ!

内容は3部構成になっております。



(1)『テラフォーマーズ』について語る

映画『テラフォーマーズ』について、参加者みんなで罵詈雑言しまくる存分に語り合ってもらいます。
もちろん聞くだけでもOK! ただしネタバレ全開でツッコミを入れる&語ることを解禁しますので、事前に映画『テラフォーマーズ』を観ておくことを推奨しています。
1日(映画の日)の夜に開催なので、直前に1100円で観て、記憶が鮮明なままツッコミを入れることもできるよ!


(2)映画についてゆるせない話

ホワイトボードに「ゆるせない話」のタイトルを書いてもらい、その内容を各自が語っていき、日頃のストレスを解消するコーナーです。
人志松本のゆるせない話』の映画版と考えて差し支えございません。

ゆるせない話 こんなふうに※画像はイメージです。出展はこちら

語るテーマ(お題)は自由。「あの映画のあの要素はゆるせない!」「あのお客のマナーの悪さには腹が立った!」でもなんでも構いません。
ただし、語る映画については(まだ観ていない方のために)ネタバレを控えるよう、お願いします。


(3)少人数で映画を語り合うコーナー

数グループに分けて、テーマに沿って自由に語り合ってもらいます。
当日語り合うテーマは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』や『ズートピア』を想定していますが、当日に語りたいお題をお聞きします。





まあかいつまんで言えば(1)(2)で怒ってばっかじゃ物足りないから、(3)でいい映画についても語ろうというのが今回の映画会の趣旨です。
もちろん、『テラフォーマーズ』をベタ誉めする可能性もあるけどね!


※香ばしい意見の例


※誉めている意見の例


なお、当日は(1)(2)について、優れた意見を語ってくれた方への投票を行います。
投票の結果、もっとも支持を集めた方には、『シビル・ウォー』の原作コミックをプレゼントいたします

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開催日時:2016/05/01 (日) 19:00 - 21:30
開催場所:東京都・勝どき駅から徒歩4分の場所
参加人数の上限:28人

となっております。

なお、開場は18:30より行っております。

そして!参加費は500円(税込、当日払い)とリーズナブルです。ワンコインだよ!
これは当ブログの管理人であるヒナタカがひとりで主催するからでこそできた価格設定です。
当日は激論を交わすことを考慮して、皆さんに500mlのペットボトルでのお水、お菓子も用意します。

当然、人数が集まらなかったら赤字となります。
某大物Youtuberのように参加者0人となったら山にこもりますので、よろしくお願いします。マジでお願いします。

これは、
映画ファンの集い
映画について語ろう会
当ブログでも告知した映画の“ある視点(テーマ)”について語ろう会とも異なる、
私ヒナタカがひとりで主催するもの。

あたたかい目で見守りつつも、お気軽に参加をしていただきましたら幸いです。

参加はこちらから↓
<徹底論争! 映画『テラフォーマーズ』を語り合う+α会 | Peatix>

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2016-04-21 : いろいろコラム : コメント : 1 : トラックバック : 0
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『名探偵コナン 純黒の悪夢』はアニメ版マイケル・ベイだった(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:もはやミステリーなんてなかった

あらすじ


ある夜、日本の警察署に女性スパイが侵入する。
女性スパイは機密事項を入手するものの、公安警察の安室透とFBIの赤井秀一の追跡もあり、車ごと海へと落下してしまった。
次の日、東都水族館に遊びにきていたコナンたちは、美しい女性を見つけるのだが……。




※今回の感想は『名探偵コナン』ファンにとって失礼千万な内容になっています。ごめんなさい。

幅広い年齢から支持を集める『名探偵コナン』、その劇場版20作目となる劇場版アニメです。

本作はシリーズ最高の観客動員数での発進、興行収入が土日2日間だけで12億円を超えるというとんでもない記録を打ち立てています。

「『名探偵コナン』ばっかりが大ヒットしやがって!ほかのいい映画も観ろよ!」という気持ちも少ーしだけあります(←皆さんはこういう大人になっちゃダメですよ)が、それで無視するというのはあまりにも作品に失礼。むしろ、『名探偵コナン』にこそヒットの法則が隠されている、分析するべきだと考えるべきなのではないでしょうか。

そこで、シネマトゥデイに『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』の初週の鑑賞動機などが記されていたので、以下にグラフにしてみますね。

<男女比>
コナン 悪夢グラフ1

<年代別>
コナン 悪夢グラフ2

<鑑賞動機>
名探偵コナン 悪夢1

ご覧のように幅広い年代、性別が観ている(というか女性が多い)結果に。
そして鑑賞動機として開示されているのは「人気シリーズだから」「もととなる作品(マンガかアニメ)が好きだから」のみ!

どうしよう、結果として「いったん人気シリーズになったら後は作品が一定の水準を保っていれば大ヒット」ということがわかるな……うーんあまり参考にならないかな。

でも、「幅広い年代の観客を呼び込めている」というのは無視できないですね。
劇場版『コナン』からは、
(1)(アニメやマンガなどで)メディアミックスをする
(2)女性向けの要素をちゃんと入れておく
(3)家族で楽しめる内容にする
という要素があることがわかります。

ヒットするのはいいとして、今週末公開の大傑作『ズートピア』が2週目の『コナン』に負けたらさすがに残念かなあ(←皆さんはこういう大人になっちゃダメですよ)。
『ズートピア』は上の(2)と(3)の要素がある上に、大人が大号泣できるんだからな!コナンもいいけどこっちも観ようぜ!

せっかくなので以下のアンケートも作ってみました(4月24日まで)。



※追記:こういう結果にになりました↓
<[映画興行成績]「名探偵コナン 純黒の悪夢」がV2 ディズニー新作「ズートピア」は2位 | マイナビニュース>

<閑話休題>


さてさて、前置きが長くなりましたが本題。
本作の感想をひと言で表すのであれば、観ている間は楽しいけど、いくらなんでもお話がテキトーすぎるということにつきます。

序盤の記憶喪失の美女を匿う展開、派手な爆発ドッカンしまくりは大好きだったのですが、中盤からは「なんでそうなるねん!」というツッコミどころのオンパレードでした。

端的に言えば、
(1)派手な爆発とカーチェイスがあればいいんだよ!
(2)特殊な場所でバトルしていればいいんだよ!
(3)お話なんてテキトーでいいんんだよ!
という作品なんですよ。これはマイケル・ベイの映画ですか?

トランスフォーマー/ロストエイジ 3D&2Dブルーレイセット (3枚組) [Blu-ray]<なんかこの作品に似ていました。

もしくは、個人的に大っっっっっっっっっ嫌いな『踊る大捜査線 THE MOVIE』シリーズの「なんで登場人物がそんな行動をするのかさっぱりわからん」というずさんさにもそっくりでした。

しかも、今回は探偵らしい推理要素がほぼ皆無となっております
いや、一応作中にコナンくんが「俺の推理が正しければ・・・」と言うシーンがあるんだけど、その推理の結果があまりに荒唐無稽すぎるよ!
自分は初期の頃の『コナン』の映画も観ていたので、「めちゃくちゃな派手なアクションがある」のは想定の範囲内だったのですが、さすがにこれは予想GUYだったよ。

そういえば、劇中で出てくる「NOC(ノック)リスト」という言葉に馴染みがながったんだけど、じつは『ミッション:インポッシブル』にも登場していたんですね
NOCはNon Official Coverの略で、劇中ではスパイを指しています。

あと、『007 スペクター』をパクったところがあったよね。
でもハリウッド映画を参考にする気概は嫌いじゃないよ!


まあそんなわけでお話はゴリ押しなのですが、けっきょく楽しく観られてしまうのだから困る。
それは、「記憶喪失の謎の女性」でひっぱるプロット、悪の組織との対決、カーチェイス、格闘、ありえねー場所でのバトルなど、とにかく娯楽性にあふれているから。
テンポよく物語が展開するので、飽きることも、退屈することもまずないでしょう。
ツッコミどころも含めて楽しんでしまえば、それで幸せになれます。

よくも悪くも、これがいまの多くの日本の観客が求める作風なんだなあと。
こういう単純な娯楽作に観客が集まると、役者の繊細な演技で語るような実写の日本映画がさらに「退屈」だと思われちゃうのかもなあ……(もちろん頭からっぽで楽しめる映画も好きです)


また、自分は最近の原作コミックとアニメには触れていなかったので、「赤井秀一」と「安室透」というキャラが「誰?」状態でした。
映画冒頭でも軽く説明してくれますが、以下のpixivの記事で予習しておくといいかもしれませんね。
<赤井秀一 (あかいしゅういち)とは>
<安室透 (あむろとおる)とは>

ちなみにこのふたりは、声優が池田秀一と古谷徹という、『機動戦士ガンダム』のシャアとアムロがそのまんま配役されて、しかもライバル関係になっているんですね(笑)。
これは往年のアニメファンも取り込もうとする戦略なのか。やるなあ。

※参考↓
<古谷徹&池田秀一>アムロとシャア20年後の“和解”秘話 劇場版「名探偵コナン」で10年ぶり共演 (まんたんウェブ) - Yahoo!ニュース

※以下の意見をいただきました。
青山先生はガンダムのファンだそうで、「安室」「赤井」以外にも「世良真純」(セイラ・マス)や「諸星大」「沖矢昴」(キャスバル・レム・ダイクン)などの名前にガンダムネタが使用されています。



あと、個人的に愉快でしかたがなかったのは、悪の組織のひとりである「ジン」がお茶目な醜態をさらすことでしょうか。
いやあもうカワイイのなんの。もう拳銃を横持ちにする中二病っぷりからキュンキュンしまくりました。

中二の心を忘れないジンさん
※銃を横持ちしても命中精度が下がるだけで意味はありません。

しかも公式で「別にリーダーじゃなくて、ほかメンバーと同じ役職」という設定だったらしいし!見た目はカッコイイのに萌えキャラだったとは知らなかったぜ!

※参考↓
<ジン(名探偵コナン)>


うん、まあ、この映画はこれでいいんじゃないでしょうか。
気持ちのいいほどのバカ映画になっているんですから。
実際に評判は上々ですし、「楽しかった」で終わればいいんですよ。どうせ大ヒットするんですし(←しつこい)。

「もしも」は禁句だとわかっているのですが、本作が「お金をかけまくった実写の筋肉アクション」だったら大好きになれたのかなあと思いました。

以下の配役で実写化したらどうでしょうか。
コナン君→トム・クルーズ
灰原哀→スカーレット・ヨハンソン
赤井秀一→アーノルド・シュワルツネッガー
安室透→シルベスター・スタローン
記憶喪失の美女→ミシェル・ロドリゲス
ジン→アントニオ・バンデラス
いやいや、これ大傑作になるでしょ!

結論としては、「派手な爆発とスカスカなストーリーのアホアクション映画は実写で観たい」ということで(←ひどい)。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ほぼツッコミしかしていません。

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2016-04-20 : 映画感想 : コメント : 25 : トラックバック : 0
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ディズニーはいかに“映画ファン以外”を取り込む宣伝をしているか? 『ズートピア』と『シビル・ウォー』からその戦略を考えてみよう

今週末4月23日(土)から『ズートピア』、4月29日(金)から『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が公開されます。

配給会社はどちらもウォルト・ディズニー・ジャパンなのですが、ふたつの宣伝戦略をみると「すげえ」と思い知らされたのでまとめてみます。
何がすごいって、宣伝のほぼすべてが「映画ファン以外」をターゲットにしていることです


<ズートピアの宣伝>

(1)吹き替えに芸能人を起用

上戸彩とサバンナ高橋 ズートピア

まずは映画ファンから毎度怒られまくっているこれ。
日本語吹き替え版には、主人公ウサギのジュディ役に上戸彩、同僚のヒョウ役にサバンナ高橋茂雄が配役されているのです。
でも芸能人が露出することで、そのファンが興味を惹かれるのであれば……この戦略も間違いではないと思います。
上戸彩さんは『ATOM』などですでに吹き替えの経験がありますし、実際の役がうまければ問題ないですしね。

聞くことに苦痛を感じるほどの死屍累々の吹き替えは除く

※以下の動画を観ると高橋さんはめっちゃうまいうえに役にもあっています。
サバンナ・高橋茂雄が癒し系チーターに 「ズートピア」本編映像公開 : 映画ニュース - 映画.com

また、日本のご当地キャラクターに芋洗坂係長が抜擢されていますが、まあチョイ役だったので気にしなくてもいいでしょう。

というか、森川智之(トム・クルーズ役)、玄田哲章(シュワちゃん役)、三宅健太(ジョジョのアブドゥル役)、竹内順子(NARUTO役)などめっちゃ豪華な声優陣が勢ぞろいしているので、そっちを推してもいいと思うんだ。声優ファンなら観たいぞこれ。

ただ、それでも字幕版を観たい映画ファンも多いと思うので、公式サイトの劇場案内に字幕版の有無の記載がないのは不親切だと思う。
(『アーロと少年』にいたっては字幕版の上映が皆無だった)
TOHOシネマズ 新宿TOHOシネマズ 日本橋などでは字幕版の上映が確認できました。
ぜひ、お近くの劇場を確認してみることをおすすめします。
どうやら字幕版の上映は東京、大阪のみのようです・・・以下のツイートがありました。


この宣伝でひっかかる層→芸能人のファン


(2)『アナ雪』ファンに向けて大プッシュしている

日本でも歴史に残る大ヒットを記録した『アナと雪の女王』。
そのフォロワーとなるべくして、『ズートピア』には『アナ雪』を意識したプロモーションもされています。

※アナと雪の女王を意識した宣伝↓
“はじめましてジュディです!” <ディズニーの新ヒロイン>警察官になりたいウサギのジュディからもメリークリスマス!|ニュース|ズートピア|ディズニー
アナ雪「Let it Go」に続く!『ズートピア』シャキーラが歌う主題歌PV解禁 | cinemacafe.net

とくに主題歌の『Try Everything』関連の宣伝は、毎日のように聞きまくっていた『Let It Go』に続け!という気持ちがみえまくっている。いや、悪いことではないんだけど。





なお、本作は『アナ雪』のようなミュージカル映画ではないのでご注意を(作品で歌詞つきで歌われているのは『Try Everything』のみ)。

この宣伝でひっかかる層→『アナ雪』で久しぶりに映画を観たようなライト層


(3)スマホアプリ(ゲーム)『キングダム ハーツ アンチェインド キー』との連動キャンペーン

スマートフォン用ゲーム『キングダム ハーツ アンチェインド キー』で『ズートピア』との連動キャンペーンが行われています。
どうやらゲーム内のアバター(キャラ)に抱きつきマスコットキャラが追加できるらしい。若い人が多いであろうゲームファンも取り込むのはいい戦略ですね。


※参考↓
『キングダム ハーツ アンチェインド キー』がディズニー最新映画『ズートピア』と連動キャンペーン開始 [ファミ通app]

なお、『キングダムハーツ』はもともとディズニーとコラボをしているゲームシリーズで、実際にゲーム内でディズニー映画の世界で冒険できることが魅力のひとつになっています。
公開中の映画とコラボをするのは正しい選択でしょう。
ちなみに、最新作『キングダム ハーツIII』には『ベイマックス』のワールドが登場します

この宣伝でひっかかる層→若いゲームファン層


(4)ニコニコ動画内でナマケモノを生中継

『ズートピア』劇中ではナマケモノが登場するので、そのナマケモノを7時間にわたって観察する生中継が行われていました。

ナマケモノ ズートピア

斜め上を行く奇抜な宣伝は確かに注目を集めますね。
ちなみに、『アントマン』のときには100匹のアリさんを24時間観察する生放送も行われていました

※こちらでタイムシフト視聴ができます↓
ナマケモノ定点生放送/ディズニー映画『ズートピア』 公開記念 - ニコニコ生放送

この宣伝でひっかかる層→ニコニコ動画のユーザー


このほかにも、
新宿伊勢丹にて限定ショップをオープン→買い物好き
よこはま動物園ズーラシアで商品販売→動物園に行く人
スマホサイトで写真と心理テストでの診断ができる→心理テスト好き
ガールズエンタテインメントサイト“魔法のiらんど”限定の試写が開催→ネット小説好きの若い女子
と、さまざまな層に向けてプロモーションがなされています。
いや、これはすごいだろ。



<シビルウォーの宣伝>


(1)米倉涼子が舞台挨拶に登壇→吹替担当キャラの名前をド忘れ

ただでさえ米倉涼子は「下手だ!」「前の吹き替えのプロから変える必要はなかっただろ!」と怒られまくっているのですが、なんと担当キャラのブラック・ウィドウ(ナターシャ)の名前をド忘れしてしまっていた。


プロデューサーは米倉の再登板を「ファンタスティック!」と言っていたそうなんだけど、それは皮肉なんじゃないかと思ってしまう。
たぶんマジのド忘れなんだろうけど、ゴシップ(炎上報道)好きに向けて、わざとこのようなことを言わせた可能性もあるなあ……。

この宣伝でひっかかる層→芸能人のゴシップ好き


(2)金曜ロードショーで『アメイジングスパイダーマン1、2』を放送

4月22日(金)からの2週連続で『アメイジング・スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン2』の放送が決定しました。


でも、これは映画ファンからはわりと総スカン。
なぜなら『アメイジング・スパイダーマン』シリーズは興行収入が期待はずれだったおかげで、続編の製作が打ち切られている(『シビルウォー』とは直接の関係がない)から。
『シビルウォー』は『アイアンマン』から続く「マーベル・シネマティック・ユニバース」というシリーズのひとつであり、できればその復習をしておいたほうが楽しめるのに、そちらがほっぽかれているのです。
おそらくこれは「新規のお客さんが入れば、ほかのことはかまわん!」という手法なんでしょうねえ・・・。

この宣伝でひっかかる層→テレビで映画を観ているライト層


(3)入場特典が少年マガジン連載のマンガとコラボしたポストカード

少年マガジンとのコラボをする・・・のはいいのですが、なんと入場特典が「少年マガジンのマンガが『シビルウォー』っぽくなっているポストカード」になっているのです。

※以下のご指摘をいただきました。
これは、シビルウォーの2枚とマガジンの大御所漫画作家3名が書いたうちの中から1枚の計3枚が、入場者特典として付いてくる仕様ですよ。



いや・・・『シビル・ウォー』とコラボしたイラストを展開するのはいいと思うんだけど、入場特典にしてしまったら「いらない」と思われてしまうんじゃないかなあ。
ちなみに、ディズニーの出版は講談社がほぼ独占許可を得ています。

この宣伝でひっかかる層→少年マガジンのマンガの読者


(4)日本版テーマソングがEXILEのATSUSHIに決定

『アメイジング・スパイダーマン』のテーマソングに選ばれたSPYAIRなど、日本版テーマソングはたいてい炎上します。
もちろん、今回も映画ファンからは「やめてくれ」の怒号があふれまくっています。


新規のお客さんを取り込みたい気持ちはここまで暴走しているんですね・・・いや、気持ちはわかるんですけど。

この宣伝でひっかかる層→EXILEのファン


ほかにも、
渋谷に”マーベル・カフェ”が限定オープンしていたり→カフェ好き
TSUM TSUMシリーズに『シビルウォー』のキャラが登場かわいいもの好き
などと展開しています。

※これはカワイイ!


そんなわけで『ズートピア』と『シビルウォー』でのディズニーの宣伝戦略をまとめると、以下の観客を呼び込もうとしていることがわかります。

(1)芸能人のファン
(2)『アナ雪』大好きな層
(3)ゲームファン
(4)ニコニコ動画のユーザー
(5)買い物好き
(6)動物園に行く人
(7)心理テスト好き
(8)ネット小説好きの若い女子
(9)芸能人のゴシップ好き
(10)テレビで映画を観ている人
(11)少年マガジンのマンガの読者
(12)EXILEファン
(13)カフェ好き
(14)かわいいもの好き

これすごいだろ

この「映画ファン以外に向けた戦略」は、「とにかくたくさんのお客を呼ぶこと」においては決して間違っていません。
なぜなら、直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人は全体の35.9%、年に10本以上映画を観ている人は全体のおよそ8%にすぎないから。
いまの日本では「年に1回たりとも映画館で映画を観ない人」が6割以上を占めているのです。

映画館で映画をみている
※直近1年以内の映画館での映画鑑賞率

5本以上観ている観客がほとんどいない!
※直近1年以内に映画館で観た映画本数

こちらのサイトを参考に↓
第4回「映画館での映画鑑賞」に関する調査 - NTTコム リサーチ 調査結果


※デップーさんがさすがのご意見を!

身も蓋もない言い方をすれば、ディズニーの戦略はこの結果を考慮し、
(1)年に10本以上映画を観ているような映画ファンはどうせ観にくる
(2)それよりも「普段は映画館で映画を観ない層」にアプローチしたほうがよっぽど効率的
ということなのでしょう。

問題は、これらの宣伝の一部が映画ファンからめっちゃ怒られているということ。
『ズートピア』はいいんだけど、『シビルウォー』であげた4つはすべて大不評です。

もう少し工夫をすれば、映画ファンも、映画を観ない層の両方にアプローチできる宣伝もできると思うんだけどなあ……。

結論としては、ディズニーの「映画ファン以外」を取り込む宣伝戦略はすごいし、その目的も理解はできるけど、それで映画ファンを怒らせるようなことはもうしないでほしい、ということ。


ディズニーは映画ファンに向けては宣伝はしないの?と思うところですが、じつは『ズートピア』では映画をパロった宣伝を展開しています。

ズートピアベストムービー2
ズートピアベストムービー

※詳細はこちらで↓
<BEST MOVIE>No.1は『スター・ウォーズ/モフモフの覚醒』!? 動物たちがハイテクな文明社会で暮らす世界“ズートピア”の2015 BEST MOVIEを発表!

これは劇中の世界“ズートピア”での2015年のベスト映画を選ぶという企画。
おもしろかどうかは別にして、ちゃんと英語タイトルのギャグが伝わるように翻訳されていたり、日本のアニメ映画『バケモノの子』(のパロディ)もランクインしていることは興味深いですね。
(ちなみに、『ズートピア』劇中にもパロディ映画が登場しているので、見逃さないようにしましょう)

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが絶賛しているのも、映画ファンにとっては見逃せません。


個人的に『ズートピア』は大傑作であったし、アメコミ映画ファンとして『シビルウォー』にもヒットしてほしいです。

現在、熊本の大震災の影響で、県内では多くの映画館が上映を中止していたり、『シビルウォー』のジャパンプレミアが中止になっていたりしますが、こうした娯楽作が公開されれば、きっと現地の人を元気づけてくれると思います。(宣伝も含めて)がんばってほしいです。

なので、もう映画ファンを怒らせないでね。
(C)2016 Disney. All Rights Reserved.

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2016-04-19 : いろいろコラム : コメント : 10 : トラックバック : 0
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『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』は児童虐待がテーマの大傑作!(ネタバレなし感想)

今日の映画感想は映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃です。


個人的お気に入り度:10/10

一言感想:しんちゃんたちがいて、よかった。

あらすじ


しんのすけたちの幼稚園にサキという女の子がやってきた。
だけどサキは誰とも仲良くしようとはせず、あまつさえ皆を「オバカ」と呼び、ひとりでいようとする。
同じ頃、新聞では集団で悪夢を観てしまう現象が発生しており……。




いやあ、いまは児童虐待を描いた作品が3つも公開されているんですね。

ひとつは『僕だけがいない街』。終盤のことは置いておいて、近隣住人の児童虐待を解決するまでの過程が見事に描かれていました。

ふたつめは『スポットライト 世紀のスクープ』。おぞましい性的児童虐待の事件を追った社会派ドラマした。

みっつめはこの『クレヨンしんちゃん』。子を愛するがゆえに児童虐待をしてしまう親の心理を深くえぐった作品でした。

えっ、本当ですよ。
『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』はクレヨンしんちゃんというアニメでありながら児童虐待を描いた作品です

よし、大人はこれ以上の情報を入れなくてよし。
いいから、子どもといっしょに観に行ってください。
もしくは大人がひとりでもいーですから、感動できますから。観!!!!ろ!!!!!


さてさて、本作の完成度はすげええええええ!と大興奮しっきりなのですが、それもそのはず。
監督・脚本は『映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』の高橋渉で、共同脚本には『青天の霹靂』でも卓越した手腕を見せた劇団ひとりが参加しているのですから。

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しかも脚本の完成には7〜8ヶ月かかるほどに推敲を重ねたというのですから。
クオリティはお墨付きってもんです。

これからはいいところを過剰書きであげるぞ!覚悟しろ!
多すぎて10個もあげちゃったよ!

(1)テーマがすげえ!
本作で描かれているのは前述の通り児童虐待です。
それは厚生労働省が定めている定義とは異なるかもしれませんが、(詳しくはネタバレになるので言えませんが)立派な虐待と言えるのではないでしょうか。
さらに、そのほかにもさらなるテーマがあります。それがわかったときは泣きました。いいから観ろ。

(2)ギャグがアラフォーにしかわかんねえ!
『ロボとーちゃん』でも思ったのですが、最近のクレしんは大人にしかわからねえネタをぶっこんできますね。
大人はゲラゲラ笑って、子どもの「パパあれどういう意味?」という質問に答えてあげましょう。
ちなみに大人も子どもも笑えるギャグ、「おならぷう」な幼稚園児向けギャグもあるので、子どもも笑えますよ。

(3)ホラー描写が怖い!
前回の『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~』でも思ったんですが、クレしんのホラー描写はガチで怖い!
最近の『貞子3D』などのジャパニーズホラー(笑)よりもクレしんのほうが怖いってどういうことだよ。
子どもがガチ泣きしかけないというのはある意味欠点ですが、自分は子どもにトラウマを植え付けるのはいい映画だと思っているので、ぜひ親御さんは連れて行ってほしいですね(ゲス顔で)。
また、大人だからこそ怖いホラーシーンまである。あれ?これ子ども向けだよね?

(4)悪夢障害をも描いた作品である
本作の舞台は「夢」なのですが、決して「何でもあり!」にはなっていません。
なぜなら、本作は悪夢障害をも描いているから。
これは、実際の症例を参考にしなければ描けないものでしょう。荒唐無稽なアニメだからといって、決して「現実」で起こる問題をないがしろにしていません。
さらにはユングのシンクロニシティにも言及していたりする。あれ?これ子ども向けだよね?(2回目)
ちなみに「魚に食べられる夢」が登場するのですが、これは夢分析によると「精神的に不安定な未来」を意味していたりもするのです。

ユメミーワールド 魚の夢

(5)細かい描写がすごい!
感動したのは「食事」!
詳しくは言えませんが、これも「実際の事例」を知らなければ描けるもんじゃない、ここまで徹底されているとは!

(6)ラストへ向かう伏線の妙がすごい!
(ギャグ以外)ほぼすべてのセリフに意味があるというのはお見事!
いかに脚本が緻密に計算されて作られているかを、思い知らされました。
本作のニューヒロインのセリフは「裏」を読むと悲しくてそれだけも泣きそうになってしまいます。

サキ クレしん

(7)アニメだからこその楽しさも!
「基本的には」カラフルな夢の世界を描いているため、楽しくってしかがありません。
「他人の夢の話はつまらない」とよく言われますが、アニメで描くとこうもおもしろいんですね。

しんちゃん ユメミーワールド すっごく楽しい!

(8)しんちゃんのやさしさを知って泣きそうになりそうになる
しんのすけはご存知のようにかなりのお調子者。でも、本作では悲しい現実を明るく笑って慰めようとする、やさしくて、格好いい男の子にしか見えません。
しんのすけというキャラクターを愛してこその描写でしょう。

(9)かすかべ防衛隊がシリーズ随一の大活躍
前作『サボテン』ではしんのすけ、風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんからなる「かすかべ防衛隊」の活躍がほぼ皆無だったのですが、本作では活躍しまくってくれます。
そこには「友達を救うために戦う」というアツさもある!最高か!

カッコイイ春日部防衛隊

(10)ひろし、みさえももちろん最高の父と母だ!
日本の両親の理想の形、ひろしとみさえの活躍も素晴らしい!
詳しくは書けませんが、中盤の醜態にはゲラゲラ笑い、終盤の行動には涙腺が崩壊した!

こんなシーンもあるよ!

(11)児童虐待を描いた作品として完璧である
実際に「子どもを愛するがゆえの児童虐待」があることを知ったとき、また当事者となってしまったとき、「どうすればいいか?」
その答えがこの映画にはあります
しかも本作は子どもにもわかりやすいように問題を描いている。
大人は子どもへの接し方を改めるでしょうし、子どもも「こういうことはいけないよね」と考えることができる。
これは、積極に子どもに見せたい作品なのです(ホラー要素がマジで怖いけど)

すみません、10個と言ったのに11個ありますが、要するにそれだけすんばらしい作品だということです。
劇場版クレしんは『オトナ帝国の逆襲』と『戦国大合戦』が2大傑作だと言われていますが、違うな!本作『ユメミーワールド』を合わせて3大傑作だよ!(前作の『サボテン』も大好きです)
ここまで書いて観ないんですか?いやこれ観るでしょ!ぜったい観ろよ!(うっとうしくてすみません)


また、本作を観る前に、中国の空想上の生き物である「貘(バク)のことは知っておいてもいいかもしれませんね。

ビックリマン 2000 シール[単品] カイミン獏ラ<ビックリマンシールにも似たキャラがいます。

バクは、悪夢を見たときに「この夢をバクにあげます」と2回唱えると悪夢を食べてくれる生き物。本作では重要なモチーフとして登場するのです。



また、個人的な事情で、自分にとって、とても大切な作品になりました。
自分は長年とあることで苦しんでいた経験があり、いまでもそのときの悪夢をみるのです。
本作で提示された「悪夢」の解決方法は、自分にとって福音となったのです。

そして、クレヨンしんちゃんという作品にある「笑い」もとても重要になってきます。
実際に悪夢障害の療法に「逆夢をみて笑い飛ばしてしまう」というものがあります。
(クレしんというシリーズだからでこそ)笑いに満ち溢れている、それこそが救いになる……なんと志が高く、やさしい作品なのでしょうか!


アニメーションであることの意義も大きいです。
それは、具現化しにくい夢というものを表現してくれただけでなく、子どもにもわかりやすく登場人物の心情を描けているから。

実写映画ではそうしたことを役者の繊細な演技や演出で語るわけですが、子どもには伝わりにくいものです。
アニメで、しかも親しみやすいクレヨンしんちゃんという題材で、このテーマを描いてくれたことが、とてもうれしかったです。


児童虐待も悪夢障害も、非常に身近な問題です。
いま苦しんでいる人はもちろん、周りにそういう人がいる、という方にもぜひ観ていただきたいです。
映画で、苦しんでいる人の気持ちがわかるということには、確かな意義があります。

悪いことは言いません。『クレヨンしんちゃん』という枠に収まらない素晴らしい映画です。
ぜひ、親子で本気で怖がって、笑って、泣いてください。

そうそう、本作ではエンドロールでも重要なシーンがあります
じつはここで作中のセリフを回収していると言えるかも・・・ここを見逃さないでください。


※今回は語りたいことが多すぎるので、ネタバレは別記事で書きます。
書きました!こちらです↓
『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』が大傑作の理由を6000文字以上で解説する(ネタバレ全開レビュー)

※九州地区の11スクリーンでは公開延期されるのですね。1日も早く復興を願っております↓
「映画クレヨンしんちゃん」安田顕、大和田獏が九州へメッセージ : 映画ニュース - 映画.com

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2016

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2016-04-17 : 映画感想 : コメント : 10 : トラックバック : 0
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『スポットライト 世紀のスクープ』再発を防ぐためにできること(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はスポットライト 世紀のスクープです。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:言葉にするのは、辛い

あらすじ


ボストン・グローブ紙のマイク・レゼデンス(マーク・ラファロ)たちによる、少数精鋭取材チーム「スポットライト」は、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。
その長年にわたり隠蔽されてきた虐待のおぞましさ、闇の深さは、彼らの想像をはるかに超えていた……




扉をたたく人』『靴職人と魔法のミシン』のトム・マッカーシー監督作品最新作です。

本作で描かれたのは実際の児童虐待の事件。
映画をよく観ている方であれば、子どもたちが売春宿で性的に搾取される『闇の子供たち』や、ろうあ学校での性的虐待を描いた『トガニ』を思い浮かべるでしょう。

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『スポットライト』を含めたこれらの作品で共通しているのは、性的虐待の加害者たち、そしてそれを隠蔽してきた者への圧倒的な「嫌悪」です。

具体的に何に嫌悪するかと言えば……いや、これはネタバレになるので書くのは止しておきましょう。
なぜなら、新聞記者が調査すればするほど、彼らが信じられないような性的虐待の事実を知ることになるから。
この新聞記者の気持ちは、何も知らない観客の気持ちとシンクロしているのです。

カトリック教の神父の数は多く、この性的虐待を公表することは多くの敵に立ち向かうことと同じ。
それに立ち向かうのは、少数精鋭の新聞記者なのです。

あくまで「新聞記者の調査」だけで物語を作り上げたことが本作の大きな魅力です。
彼らがいかにこの事実を公開するために奔走したか……その苦労をダイレクトに感じられるのですから。

会議をする作品 スポットライト<彼らが新聞で戦います。

また、日本ではG(全年齢)指定で公開されており、直接的な性的虐待のシーンがないのも長所でしょう。
代わりにあるのは、インタビューに応じる被害者が「口を閉ざしてしまう」という描写。
性的虐待の被害者にとって、その出来事を言葉に出すのはとてつもなく辛いことであるということを教えてくれます。

ぜひ、本作は子どもへの性的虐待について詳しくない方こそ観てほしいです。


本作の難点は、「人物名だけ」が会話で飛び交うため、把握に時間がかかること。
以下にも別記事でまとめてみました。
<映画『スポットライト 世紀のスクープ』の弁護士たち+αの名前が覚えづらいので画像付きでまとめてみたよ(ネタバレなし)>

実際の事件に関わった人物は過不足なく描かれている(これはすごいこと!)のですが……少々不親切さは否めません。

また、性的虐待を直接的に描かないということは、『トガニ』のような生々しい性的虐待シーンがあってこその「加害者への怒りやおぞましさ」を感じにくいということでもあります。
『スポットライト』において被害者の気持ちが語られるのは、あくまでインタビューや手紙での文面のみなのです。

性的虐待を被害者からではなく、新聞記者という第三者の目線から語る作風は意欲的なのですが、情報が多すぎるために「ついていくのがやっと」なことも欠点でしょう。
(会話は皮肉たっぷり、今後の伏線が込められているおかげもあり、退屈はしませんが)。

本作は被害者の気持ちに寄り添う人間ドラマというよりも、『大統領の陰謀』などに代表される、新聞記者が問題に鋭くメスを入れる社会派ドラマ。このことを念頭においてほしいです。

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余談ですが、本作の撮影監督は高栁雅暢という日本人が務めていたのですね(エンドクレジットに大きく表示される)。
これまで『世界にひとつのプレイブック』『ブラック・スキャンダル』も手掛けており、その活躍をさらに期待したくなりました。

もうひとつ余談ですが、本作で描かれた性的虐待事件は『フロム・イーブル』というドキュメンタリーでも題材となっています。


自分は未見ですが、劇中では被害者だけでなく、加害者神父のインタビューも収録されているのだとか……もう腹が煮えくり返りそうな内容だろうな。


(葬式を仏教にのっとって行う以外は)無宗教者が大半の日本においては、教会という組織ぐるみで隠蔽されたこの虐待事件を、どこか「別の国のこと」を思うかもしれませんが、それは間違いです。

日本で起こった、児童養護施設での性的虐待が行われた恩寵園事件、ドラマ『聖者の行進』のモデルとなった水戸事件でも、虐待の事実が隠蔽されていたり、表向けには尊敬されていた人物が加害者であったりしたのですから。

性的虐待は決して他人事ではありません。
本作により性的虐待の事実を知るということは、観客がひとりひとりが「再発を防ぐためにはどうすればいいか」を考えることができるということ。
『スポットライト』がアカデミー賞作品賞・脚本賞を受賞したのは、この「意義」が評価されたためでもあるでしょう。
※監督も以下のように語っています↓
「スポットライト」トム・マッカーシー監督、オスカー受賞よりうれしいのは「問題提起できたこと」 : 映画ニュース - 映画.com

テーマがテーマですので、デートで観るのは少々はばかられるかもしれませんが……それでも、幅広い方におすすめします。
先ほど書いた通り情報量がものすごく多いので、腰をどっしりと据えて、頭をフル回転して観ることをおすすめします。


以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いきなりラストに触れる超絶ネタバレなので、ぜったいに鑑賞前に読まないで!

続きを読む

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2016-04-16 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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映画『スポットライト 世紀のスクープ』の弁護士たち+αの名前が覚えづらいので画像付きでまとめてみたよ(ネタバレなし)

現在、アカデミー賞を作品賞&脚本賞をW受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』が公開中です。

本作はおぞましい性的虐待の真実を暴き出す社会派ドラマ。
IMDbで8.1点Rotten Tomatoesで96%という圧倒的な高評価ですので、その完成度は否定する余地がほとんどありません。

本作に登場する新聞記者の心情は「何も知らない観客」とシンクロしているので、ぜひ予備知識なく観てほしいのですが……本作にはとある難点があります。

それは、「人物名だけ」が会話で飛び交うため、把握に時間がかかること。
「◯◯って誰だっけ?」とちょっと混乱しがちなのです。
(自分はカタカナの名前を覚えるのが人一倍苦手なので、より大変でした……)

新聞記者の名前と顔、役者名は公式サイトに載っているのですが、何人も登場する弁護士が紹介されていないのは不親切であると感じました。
イントロダクションのページには記者たちのプロフィールが載っています(←ほんの少しだけネタバレ注意)

そんなわけで、以下に「名前だけ」が飛び交う人物をまとめてみました。


マクリーシュ弁護士……(演)ビリー・クラダップ。弁護士の立場から「あること」を告げる。
スポットライト マクリーシュ弁護士画像出典はこちら

ギャラベディアン弁護士(ミッチとも呼ばれる)……(演)スタンリー・トゥッチ。性的虐待の被害者を引き合わせることに協力する。
スポットライト ガベンディッシュ弁護士※画像出典はこちら

ジム弁護士(苗字はサリヴァン、ジミーとも呼ばれる)……(演)ジェイミー・シェリダン。彼は「教会側の弁護士」ということもミソ。
ジム弁護士 スポットライト※画像出典はこちら

サヴィアノ……(演)ニール・ハフ。SNAPという虐待被害者ネットワークに在籍している。
サヴィアノ スポットライト※画像出典はこちら

サイプ心理療法士……(声)リチャード・ジェンキンス。劇中では姿を見せない。


このほかにもいるんですが、会話の中で名前が出まくるこの5人だけわかっていればいいでしょう(ジム弁護士もあまり名前は出てこなかった気がする)。
「マクリーシュ」がイヤなやつ、「ギャラベディアン」がちょっといいヤツ(というほど単純じゃないけど)、「サヴィアノ」は被害者の男性、「サイプ」は声と名前しか出てこないと、脳内変換しましょう。

また、加害者である神父の名前が複数出てくるのですが、そのほとんどは劇中で姿を見せないので、とくに覚える必要はないでしょう。

また、不勉強であったので自分は枢機卿(すうききょう、カトリック教会における教皇の最高顧問)という言葉を知りませんでした。
この枢機卿がどのようなことをしていたかと言えば……ぜひ、映画をご覧になって、大いに「嫌悪」してほしいです。

また、バチカン市国がキリスト教(カトリック)の総本山であることも知っておくといいでしょう。


せっかくなので、メインで活躍する記者たちも紹介します。

スポットライトメイン画像
左から、ロビー(マイケル・キートン)、バロン(リーヴ・シュレイバー )、マイク・レゼデンス(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、ベン(ジョン・スラッテリー)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)

このメンバーで把握しておけばいいのは、
・バロン(メガネとヒゲ)が「グローブ紙」の新任の編集局長
・ベン(白髪)がベテランの部長
・そのほかが同紙の少数精鋭取材チーム「スポットライト」のメンバー
であることくらいですね。

自分はパッと見で似ているマーク・ラファロリーヴ・シュレイバーが同一人物だと勘違いしていました(メガネをいつの間にかけた?と思った)。

マーク・ラファロ スポットライト※こっちが主人公格のレゼデンス(マーク・ラファロ)
バロン スポットライト※こっちが新任の編集局長のバロン(リーヴ・シュレイバー)



また、本作は日本でG(全年齢)指定で公開されています。

PG12指定の『闇の子供たち』やR18+指定の『トガニ 幼き瞳の告発』ではやや直接的な性的虐待のシーンがあり、確かに子どもには見せたくないな、と思うところもありました(トガニはいくらなんでも厳しすぎるとは思いますが)。

しかし、『スポットライト』では映像としては性的な描写がいっさいなく、口頭や手紙で性的虐待の事実が語られるのです。

子どもへの性的虐待をするのは、大人だけではありません。
中高生くらいの子どもでも、加害者になり得ます。

本作では、
性的虐待がどれほどおぞましく、
いかに被害者を傷つけるか、
どれほどこの犯罪を繰り返してはいけないかを、
これ以上なく教えてくれるのですから、ぜひ中高生にも観てほしいです。

※追記:映画本編のレビュー↓
『スポットライト 世紀のスクープ』再発を防ぐためにできること(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

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2016-04-16 : いろいろコラム : コメント : 0 : トラックバック : 0
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味噌汁がどうこうよりいい日本映画を観よう! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(4月8日~4月15日)

先日放送された『マツコ&有吉の怒り新党』で「ジョニー・デップ様はメイクしすぎ!もっとメイクなしのカッコイイジョニデ様が観たい!」という投稿があって、めっちゃ同意した(挨拶)

アリス・イン・ワンダーランド 3Dセット [Blu-ray] ダーク・シャドウ(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray] スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray]<メイクしたジョニデ様の例

ジョニー・デップ フォト・ヒストリー (日経BPムック)<こっちがもっと観たいよね。

クライ・ベイビー』や『妹の恋人』では、若くてイケメンなジョニデ様が観られるのでオススメですよ。

そして、映画記事まとめは木曜更新と言ったのに、また1日遅れてすみません!この特集をやっていて気付いたのですが、映画界は金曜日に大きなニュースが飛び込んでくることが多いですね。
そんなわけで金曜更新に勝手に変更します。これからもゆるい雰囲気で当ブログをお楽しみください。

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2016-04-15 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『仮面ライダー1号』「いのちはだいじに」にある論理的矛盾がある映画(ネタバレなし感想+怒りのネタバレツッコミレビュー)

ちょっと遅れましたが、今日の映画感想は仮面ライダー1号です。


個人的お気に入り度:2/10

一言感想:本郷猛 is DEAD.

あらすじ


藤岡弘、(70歳)が説得力皆無の説教をしたうえJKとデートする話。



※今回の記事は特撮もの、仮面ライダーに詳しくない筆者が書いています。そしてメタメタに酷評です。ファンの方ごめんなさい。

東映の特撮シリーズ『仮面ライダー』。その最初期にあたる「1号」が復活を果たした最新作です。


劇中には「1号」だけでなく、最新作である『仮面ライダーゴースト』のキャラクターも登場しています。
かつて特撮に夢中になったお父さん世代と、いまテレビで観ているお子さんの両方をターゲットとしていると言っていいでしょう。いい戦略だと思います。


さてさて、往年の仮面ライダーファンから大いに賛否両論を浴びている本作。実際に観てみると魂を抜かれてしまいそうな珍作でした。
いや・・・もう珍作という言葉だけでは足りない、気持ち悪い作品と言い切ってしまってもいいです(好きな方、ごめんなさい)。

おもな問題点は以下のふたつです。
(1)ヒロインの年齢設定がおかしい
(2)「生命」にまつわる説教にまるで説得力がない

(1)→本作でヒロインを演じているのがリアルJK(女子高生)の岡本夏美なんですよ。
で、本作で藤岡弘、(以降句読点省略)を演じる本郷猛は、彼女を「(かつて世話になった男の)孫」的な立場で守るかな〜と思っていたら、なんとお互いが「たけし」「まゆ」と名前で呼び合うことになります。
そしてリアル70歳と17歳のカップルがウフフアハハとイチャイチャするという展開に。地獄か。悪いけどロリコンジジイにしか見えないぞ。
いや、現実の加藤茶・綾菜夫婦は過剰にバッシングを浴びすぎていて同情してしまうし、そういう年の差カップルに偏見を持つのは間違いだとわかっているのですが……仮面ライダーでこれをやってしまうのは愚策でしょう。

(2)→本作では本郷猛は「生命をだいじに!超だいじに!それをなぜかと考えるのは宿題な!」と説教をするんですけど、この後の展開が生命を冒涜しているのでマジで腹が立ちました。
この説教には論理的矛盾がある・・・というか「何言ってんだこいつ」「意味不明」レベルです。

もうね、石ノ森章太郎の原作マンガくらいでしか本郷猛を知らない自分が言うのは間違っているのは重々承知ですが、こんなの本郷猛だと認められないよね。
ていうか、作中でほとんど演技らしい演技をしていなかったので、「特撮ヒーローの主人公」ではなく、ただの藤岡弘本人にしか見えなかったんだけど(以下はもう役名ではなく藤岡弘で書きます)。
インタビューで藤岡弘は「本郷猛は私自身。だから演じる必要はない」って答えているし……。


いいところはあるんです。
いくつかカッチョイイ画はありますし、多めのカット割りからなるアクションシーンも迫力十分、テンポがいいので上映時間中はひとまず飽きませんでした。

ゴツめになったライダースーツのデザインも好きですし、藤岡弘が老体に鞭打ちアクションをしている(スーツアクターはベテランの岡元次郎さん)など、仮面ライダーファンにはそれだけでたまらない要素もあるんです。

【DVD付き/映画パンフレット】仮面ライダー1号 仮面ライダー45周年記念超大作 (映画チラシ2種付 )<このデザインは大好き

だけど、(1)と(2)という二大珍作要素のおかげで、すべてが見事に台無しなんですよ。
主人公とヒロインのことが1ミリたりとも好きになれない時点でどうしようもないんですよ。

いかに藤岡弘が熱いアクションをしようが「ぜんぜんコイツのことが好きになれん」「お前の言っていることはさっぱりわからん」と思わせてしまうので、映画全体が冷め切ってしまった印象でした。
言い換えれば、脚本と設定以外は本当にいい仕事をされています。

「いまのヒーローと往年のヒーローが共闘!」という作品には『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIEという秀作もあったのになあ……。

スタッフの中にはこのどうかしている脚本と設定にストップをかける人はいなかったのか?と思うところですが、作中の登場人物がまっとうなツッコミをしているあたり、現場でも「おかしいけどなんとかこのまま続けよう」的な空気があったんじゃないかと邪推してしまいます。

結論としては、中盤の藤岡弘とJKがウッフアハハする地獄、いろいろと間違っている「いのちはだいじに」の説教シーンで、スタンド能力かなんかで感覚をシャットアウトできる方のみにおすすめします(無理だけど)。
アクションはいいですよ、アクションは。あと役者も(とくに大杉漣)。

以下、結末も含めてネタバレです↓ あまりにムカついたので容赦無くツッコミを入れます。

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2016-04-13 : 旧作映画紹介 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『モヒカン故郷に帰る』千葉雄大がアホの子になる映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はモヒカン故郷に帰るです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:抱腹絶倒デスギャグ映画

あらすじ


売れないデスメタルバンドのボーカル・永吉(松田龍平)は、恋人の由佳(前田敦子)とともに、瀬戸内海の戸鼻島(とびじま)へ7年ぶりに帰郷する。
同じく故郷を出ていたはずの弟(千葉雄大)もいつの間にか帰郷しており、久々に一家が顔をそろえるが、父親(柄本明)に末期のガンが見つかって……。




かつて、タレントの伊集院光さんは「おじいちゃんおばあちゃんの“デスギャグ”は笑えない」とラジオで話していました。
デスギャグとは「わたしゃもう長くないからねえ」「もうお迎えが近いからな!わっははは!」という、ご高齢の方が自分の死期を笑おうとするもの。笑えないよ。そりゃ笑えないよ。

しかーし!この『モヒカン故郷に帰る』はおじいちゃんに末期のガンが見つかって余命いくばくもないという状況でこそ起こるギャグがてんこ盛り。そしてそのギャグはまったく不謹慎だと思われないようになっているのです。

具体的にどういうデスギャグなのが気になる方はぜひ劇場へ。
しかもデスギャグ以外にも、「どう頭をひねったらこんなこと思いつくねん」とツッコみたくなる斬新なシーンもたっぷり。

もうこれは「近頃笑いに飢えているなあ」と感じている方は必見でしょう。
沖田修一監督は人間ドラマの中にゆるゆるなギャグを放り込むのがうまかったのですが、本作ではかなりの勢いでコメディー映画へとシフトチェンジしているのですから。

ていうか、親の死期に直面するという物語なのに、センチメンタルさがこれっぽちもないというのがすげえな。
「私もうすぐ死ぬんだよね……」という要素でかわいそーと思わせて泣かせようとするケータイ小説映画も見習ってください。

それでいて、ちゃんとホロっとしつつも心あたたまるシーンがあるというのもうまいところ。
沖田監督作品ならではの“ほっこり”としたおもしろさを堪能できました。


そしてねえ……豪華すぎる役者陣のキャラクターがこれまた素晴らしいんですよ。
端的に言えば、みんなどこか間が抜けていて、とっても愛おしいのです。

松田龍平はいい年して売れないデスメタルバンドのボーカルを続けているダメ男だし、
前田敦子はどうしようもない勢いで頭空っぽの女の子だし、
千葉雄大はイケメンが台無しすぎるアホの子になっているし、
もたいまさこはその一挙一動だけおもしろいし、
柄本明はデスギャグへのツッコミ役へと変貌します(笑)。

前田敦子と松田龍平 モヒカン故郷に帰る<前田敦子はダメな子です

もう役者のファンは必見なんじゃないでしょうか。
とくに千葉雄大は『黒崎くんの言いなりになんてならない』で※ただしイケメンに限るモテモテクレイジーインパクトを与えてくれましたが、こっちでは本当にダメダメで残念なイケメンにしか見えない。ぜひファンの女の子こそ観ましょう(ゲス顔で)。

千葉雄大はアホの子 モヒカン故郷に帰る<右のイケメンはアホの子です

この「登場人物がみんなマヌケで愛おしい」「ギャグにゲラゲラ笑える」「でもちょっといい話もある」という印象は最近どこかで体験したなあ……と思っていたら、マンガの『ヒナまつり(最新10巻が大傑作!)』にそっくりでした。
『ヒナまつり』を実写映画化する際は、ぜひ沖田監督でお願いします。


そして本作は音楽映画としてもおもしろい作品になっています。
主人公はデスメタルバンドのボーカルで、中学生による吹奏楽部が出てくるほか、矢沢永吉への最大限のリスペクトを捧げているのですから。

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永ちゃんは広島県出身であり、地元では(も)スーパーヒーローなんですねえ……。
どういう感じに永ちゃんの音楽が登場するかは、本編を観てのお楽しみです。


また、「ゆるーい笑い」ばっかりではありますが、決して中身のない作品ではありません。
観た後は、誰もが帰郷したい、両親を大切にしたいと思えるのではないでしょうか。

本作で直面する「親の死期」は、両親を持つ人すべてに降りかかってくるものです。
だからでこそ共感しやすいし、自分自身に当てはめて、「何ができるか」を考えることができます。

気軽に観られるコメディー映画ですが、しっかり現実で役に立つことも教えてくれるのです。


難点は、基本的にダメ人間がたっぷり出てくるので、マジメな方であると「もうちょっとちゃんとしろや!」と怒りたくなってしまうことでしょうか(笑)。
この作品はマジメに人生を過ごしている方はノリが合わず、ダメ人間であれば共感してしまうかもしれません(自分もちろん後者です)。

また、劇的な展開が起こらず、周りの人間模様をゆるゆるで描いていくスタンスなので、人によっては中盤はやや退屈かも。
「登場人物がふたり話している」シーンを連発したときは、さすがに作品のテンポが悪くなってしまったと感じてしまいました。

松田龍平と千葉雄大が兄弟役っていうのは遺伝子的に無理があるというツッコミどころもありますが、まあ気にしないことにしましょう(笑)。

あとこの映画、いろんな意味でクライマックスがすごすぎる
もうね、「最後におじいちゃんが亡くなってそこでみんなが号泣して終わりでしょう」と予想する方もいるかもしれませんが、実際の展開はその斜め上を突っ走っていますから。人によっては「なんじゃこりゃ!」でしょうね。
沖田監督は本作の脚本も手がけていますが、やっぱり変な人だなあ(めっちゃ褒めている)と思うことしきりです。


もうね、これほど笑いに笑って、しかもちょっとホロっとさせて、ニコニコしたまま劇場を後にできるこの映画は、本当に素敵です。
自分が観た回では、若い女性も、熟年カップルも本当に楽しそうに笑っていました。

こうした「みんなで笑う」ということは、劇場でなければ得られない“体験”です。
もし「迫力のあるアクション映画ならいいけど、地味な日本映画を映画館で観るなんてもったいなくない?」とほざく方がいらっしゃいましたら、ひっぱたいてでも劇場に連れていくのでよろしくお願いします。観ろよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 超絶ネタバレだぞ!ぜったいに観る前に読むなよ!

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2016-04-10 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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dtvで観ることができる『アイアムアヒーロー はじまりの日』が良作POVホラーだったという話

4月23日(土)より公開される映画『アイアムアヒーロー』。じつはその前日譚となるドラマ『はじまりの日』がdtvで4月9日より配信されています。

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こうした公開前に前日譚となるドラマを展開するということは、過去にも『悪の教典』『クロユリ団地』、最近では『進撃の巨人』『黒崎くんの言いなりになんてならない』でもありましたね。

こうしたドラマ版は、いまやスマホやPCで簡単にワンクリックで鑑賞できる時代。
劇場で観る映画への盛り上がりのため、それに関した特別なドラマを観るということも、作品の楽しみかたのひとつなのです。


さてさて、この『はじまりの日』を観てみて驚きました。だってPOV(Point Of View 主観視点)のホラーだったのですから。

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※POVホラーの例

また、「この映像は後ほど見つかった映像資料である」と初めに説明されるので、ファウンド・フッテージ(埋もれた映像という設定のフィクション作品)でもあるのです。
以下、内容を解説してみます。


〜『はじまりの日』は原作マンガにあった「日常の崩壊」の魅力を補完している〜

なぜ『はじまりの日』がPOV作品になっているのか?と言えば
(1)映画『アイアムアヒーロー』の本編がゾンビにより世界が崩壊した後の出来事だから
(2)その「日常の崩壊」を描くために、人々の生活に根ざした記録映像という設定にした
(3)低予算で製作できるから
というのがおもな理由なのでしょう。
※正確には本作に登場するのはゾンビではなく、ZQN(ゾキュン)という化け物。感染するにつれて言語や行動に異常が生じていくのも特徴です。


(1)および(2)についてちょっと説明します。
じつは、『アイアムアヒーロー』の原作マンガは、はじめの1巻は丸ごと「日常がゾンビに侵食されつつある」という、おとなしくも、おぞましい描写が続いています。

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平たく言えば、原作マンガでは物語の序盤でほとんどゾンビが出てこないわけです。
こう聞くと退屈な描写に聞こえるかもしれませんが、その「底知れない不安感」は、原作マンガの大きな魅力だったのです。

しかし、原作をそのまま映画化すると、原作の序盤の「何も起こらないけど不安に感じる」という描写は退屈に感じてしまうでしょうし、2時間という尺ではとても収まりません。

(映画本編をまだ観ていないので断定できないのですが)おそらく映画版は、原作マンガの魅力でもあった「何も起こらないけど不安に感じる」という描写を、エンターテインメントに特化するために少なくしているでしょう。
劇場というハコで映えるアクション映画としては、これは仕方がないことです。

ともすれば、「世界が終わる寸前の日常(の崩壊)」を描いたこの『はじまりの日』は、原作マンガの魅力を補完してるともとれるのです。
ここには、確かな「映画の前のドラマ化」の意義を感じたのです。


〜原作マンガにない魅力をも描いている〜

『はじまりの日』では、病院、公園、テレビニュース……あらゆるものが恐怖に侵食されていく様子がまざまざと映し出していきます。
原作マンガにもそれに似たような描写はあったのですが、(映画本編で活躍する)看護師がいる病院のエピソードは『はじまりの日』オリジナルのものです
(しかも原作者の花澤健吾さんが監修を務めています)

原作マンガの藪(本名は小田つぐみ)看護師はひょうひょうとして力強い女性でしたが、この『はじまりの日』ではそれなりの気弱さも見せているということがまた魅力的。
しかも長澤まさみさんがめっちゃかわいい(ここ重要)。
原作の小田つぐみというキャラが好きだったという方、長澤まさみのファンにもおすすめなのです。

あと、ローカル番組の「バスアイドル」として山崎紘菜さんが出演されているのもいいですね。こっちもめっちゃかわいいですよ。

注目女優・山崎紘菜さんにインタビュー 『dTV』オリジナルドラマ『アイアムアヒーロー はじまりの日』が本日より配信スタート | ガジェット通信


〜ぶっちゃけ作品の質としてはどうなの?〜

作品のランタイムは1時間と少々ですが、さまざまな場所での恐怖映像を展開することで、飽きないように工夫されています。
ついでにゾンビ映画につきもののグロ描写もしっかりあります。
ゾンビ映画でうれしいお約束である「籠城」のシーンももちろんあります。
終盤には予想をいい意味で裏切る展開も用意されています。

「なんでTV局のディレクターがひとりで取材に来ているの?」「子役の演技がちょっと不安定」「どう見ても背景が合成じゃん」などのツッコミどころもありますが、全体的には十分に恐怖演出がよくできているPOV作品でした。
(正直、アイドルがきゃっきゃと自撮りをするシーンなどはめちゃくちゃ退屈でしたが・・・)
何より、ゾンビの役者たちの演技が相当エゲツなかったので、この手の低予算ホラー映画が大好きな自分としては満足できたのです。

とくに恐ろしかったのは、「ひとりで公園に犬の散歩に来た男性がスマホで撮った映像」でしょうか。
この「視界が限定していること」「肝心なところは見せない」ことで、ここまで恐怖感が煽られるのですね。

「映画と同じ世界観で起こった、別の事件」を、POVホラー作品として垣間見ることができることが『はじまりの日』の大きな魅力といえるでしょう。
(長澤まさみさんも「ひとつの作品をいろんな角度から見られることがおもしろい」とコメントしています)

ちなみに本作の監督は、『放送禁止』シリーズの長江俊和さんだったりするのです。

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長江監督であれば、このクオリティーは納得。POVホラーファンにも、映画『アイアムアヒーロー』をより楽しみたい人にも、オススメですよ。

『はじまりの日』の鑑賞はこちらで↓
アイアムアヒーロー特集|動画を見るならdTV【お試し無料】

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2016-04-09 : 旧作映画紹介 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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映画『ボーダーライン』この地獄でダークヒーローになれるのか(ネタバレなし感想)

今日の映画感想はボーダーライン(原題:SICARIO)です。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:麻薬と汚職にまみれた地獄にようこそ

あらすじ


優秀なFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、メキシコ麻薬カルテルの壊滅を目的とした極秘任務に赴く。
ケイトは特別捜査官のマット(ジョシュ・ブローリン)と謎めいたコロンビア人のアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)とともに国境付近の捜査を開始するが、そこでおぞましい光景を目の当たりにする。



プリズナーズ』『複製された男』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督最新作です。

本作についてはこちらにだいたい書いたのでぜひお読みください↓
<『ボーダーライン』を“麻薬カルテルもの”初心者にこそオススメしたい10の理由 | シネマズ by 松竹>

麻薬カルテルものの初心者にオススと書いていますが、それはあくまでも「無知なFBI捜査官が麻薬カルテル捜査に参加する」という物語が感情移入しやすく、小難しさがなく、予備知識を必要としないといったことのためです。

実際の映画の内容は、R15+指定納得の残虐さです。
何も知らないで観ると相当に心がえぐられる内容となっていますので、気合を入れて観ましょう。

あと「音楽と撮影がすごい!」ということも訴えたいので、以下を視聴しておくといいかもしれません。


※若干ネタバレ注意?



このズゥゥゥゥゥゥゥゥンという音が、作中で「イヤァァァァァァァ!」と叫びたくなるとシンクロしているんですからもうたまらんです。


作中に“家族”という要素があることもミソになっています。
劇中では、メキシコに住む平凡な家族の描写が挟まれるのですが、これも大きな意味を持つようになっているのです(じつは家族の描写はこのほかにも……)。

さらに、本作はダークヒーローものであるとも解釈できます。
ダークヒーローとは、正義に対して独特の思想を持っていたり、憎まれ役になることを厭わなかったり、世間的には悪行と認識されることを遂行してこそ正義を成す者のことです。

それは、麻薬カルテルに属して、むごたらしい殺人を犯している者も同じです。
“正義”か“悪”かを決めるのは、当事者の主観にすぎない、ということも思い知らされます。


なお、物語はわかりやすいとは書きましたが、実際は“意味不明の言動や行動で煙に巻く”という要素もあります。
主人公がガラス越しに捜査官メンバーを見るシーンから頭に「?」が出てくるでしょうが、後になると意味があると気付けるので、よく覚えておくといいでしょう。

開始5分が地獄ですが、中盤も、終盤も違ったかたちの地獄に招待されます
とくにラスト付近の、あの“闇にたたずむ姿”のショット。もうトラウマものです。

ゾッとするセリフはいろいろありますが、個人的には「◯◯◯◯を見たら敵と思え」がキツかったですね…。
この言葉だけで、メキシコの街がいかに麻薬と汚職にまみれているかがわかります。

公式には『ゼロ・ダーク・サーティ』『アメリカン・スナイパー』と比較をされていますが、(いい意味での)精神的なキツさはそれらを上回っていました。
とはいえ、上映時間は2時間1分と長くはないので、それほど疲労感なく観ることはできるでしょう。

ガツンと来る重圧な作品を求める方に、ぜひおすすめします。


※“開始5分の地獄”の一部がみられます(若干ネタバレ注意)。

おすすめ↓
[330]ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作『ボーダーライン』におけるヨハン・ヨハンソン作曲の音楽 – IndieTokyo
映画『ボーダーライン』特集 - coco映画
ボーダーライン : 映画評論・批評 - 映画.com

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2016-04-09 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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映画『ルーム』母親のありかたを模索する物語だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はルーム ROOMです。

※すんばらしいコメントをいただいたのでネタバレに追記しています(4月10日)


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:狭い世界でこそ描かれる、親子の物語だった

あらすじ


5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親のジョイ(ブリー・ラーソン)は、狭く、暗い部屋の中に監禁されていた。
ある日、ジャックとジョイは協力して、ふたりを閉じ込めた張本人であるオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)をだまして、部屋から逃げ出そうとするが……。




FRANK フランク』などのレニー・アブラハムソン監督最新作、エマ・ドナヒューのベストセラー小説の映画化作品です。

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女性が長年にわたって監禁される物語と聞くと、日本では起きたばかりの女子中学生監禁事件をどうしても思い起こすでしょう。

過去においても、24年間も監禁させた上、7人の子どもを産ませたというフリッツル事件や、11歳のころから18年間監禁されたジェイシー・デュガード事件などがあり、決して絵空事ではないのです。

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これらの事件では「少女の奪われた時間は取り戻せない」「なぜ逃げられなかったのか」や、ストックホルム症候群(監禁事件などで犯人に過度な同情や行為を抱くこと)などがおもな争点になっていますが、この『ルーム』の物語は少し違います。
本作は、監禁事件でありながら“母性”を深く描いた作品だったのです。

劇中では、男に女性が監禁されてから7年の時が経過しています。
そして、その中にいるのは“母親”と、“5歳”の息子なのです。
こう聞くと、とある“事実”が突きつけらていることに気づくでしょう。

物語は、そこから“母親”の是非を、残酷なまでに問います
決して「監禁された場所から逃れたので、そこから世界が広がってハッピーエンド」という作品ではないのです。

監禁されたほうの“問題”を追求する描写をみて、拒否反応を示す方もいるかもしれません。
彼女とその息子は長年監禁された“被害者”であるのに、さらにいじめるなんて、と。

しかし、それこそが作品に重要なことです。
本作では、辛い事実をはっきりとつきつけることで、逆説に世の中に溢れている幸せや、母親の意義を教えてくれるのですから。


また、撮影・編集も素晴らしい仕上がりです。
原作小説は、少年ジャックの“一人称”で語られている作品で(ともすれば映像化がしにくいのですが)、映画でも“ジャックの視点で世界を見る”描写があるのです

これはカメラワークと編集を工夫し、“接写”の画も多くしたおかげ。
ときどき“ピンボケ”になったりするのは、ジャックが“初めてみる世界の大きさを認識できない”という描写にも思えます。
ここには、映像化の意義を存分に感じられるでしょう。


言わずもがな、アカデミー賞を受賞したブリー・ラーソンと、若干8歳(撮影時)のジェイコブ・トレンブレイの演技も見所です。
ブリー・ラーソンはしっかり“7年間も監禁されて憔悴しきっている”女性に見えますし、ジェイコブくんはただかわいいだけどなく、耳をつんざくような叫び声もあげたりします。

部屋の中のふたり 映画ルーム

主要登場人物はわずか数人、非常にミニマムな視点で描かれている物語に関わらず、ボリュームを感じられる作品に仕上がっているのは、監督の力量と、役者の演技が優れている証拠です。

余談ではありますが、警察の捜査力がすこぶる高かったのも大好き。
いや、こういう映画では警察が無能になってしまうことがよくあったので……。


とくに予備知識はいらない、というよりも、ぜひ何も知らずに観て欲しいと思った作品です。
母親の気持ちは、母親でなくても誰でも普遍的にわかるものです。
もし母親であれば、“母親だからでこそ”さらに気づけることもあるでしょう。

なお、海外ではR指定されていますが、その性描写は直接的でなく、“子どもにはわからないように”なっています(中学生以上推奨くらいの描写)。
子どもであるジャックの“主観”で物語は展開するので、お子さんでも感情移入して観ることができるのはないでしょうか。
ぜひ、本作は家族ででも観てほしいと思えました。
(もっとも、後半は大人向けの話になるので、子どもは退屈してしまうかもしれませんが)


ともかく、IMDbで8.3点Rotten Tomatoesで94%という高評価が頷ける秀作です。

演出は大仰ではなく、むしろ後半は淡々とした展開が続くので、人によっては少しテンポが悪いと感じてしまうかもしれません。
しかし、登場人物が内に秘めた“感情”はサスペンフルに描かれています。
ひと言ひと言に“重み”がある、卓越した人間ドラマを堪能できるでしょう。

ドキドキするサスペンス、特殊な人生を垣間みるドラマ、そして母性愛。それらを期待する人すべてにおすすめします。


※部屋の中の本編映像。若干ネタバレ注意。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 超ネタバレなので未見の方は読まないで!

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『仮面ライダー1号』に賛否の評価が吹き荒れる! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(4月1日~4月7日)

もう『ルーム』の公開日(4月8日)なのかよ!(挨拶)
あと、9日開催の挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベントでは、『リップヴァンウィンクルの花嫁』も紹介します。あれもチャレンジ映画だもんね!

ニュース&ブログ記事特集は木曜更新のつもりなのに、日付変わってしまってすみません。
またシネマズ by 松竹の連載が毎週水曜日から毎週土曜日に変更されたのでよろしくお願いします。


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2016-04-08 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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映画版『僕だけがいない街』原作マンガとアニメからいかに改悪されたかを語ってやる(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

だいぶ遅れてしまいましたが、今日の映画感想は僕だけがいない街です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:バカなの?(終盤の展開とセリフに対して)

あらすじ


ピザ屋のアルバイトをしながらマンガを描いていた29歳の藤沼悟(藤原竜也)は、事件や事故が起こる前に時間が戻る「再上映(リバイバル)」という能力を持っていた。
悟はある事件をきっかけに小学生時代に戻り、児童連続誘拐殺人事件の真相に迫っていく。




三部けいによる同名マンガの実写映画化作品です。

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原作は、ミステリー、ジュブナイルもの、タイムループ(SF)作品を融合させたエンターテインメント性と、理路整然とした語り口に夢中になれる傑作でした。

アニメ版も、優れた演出と、原作に則した丁寧な話運びが高く評価されている作品でした。

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自分は原作マンガを第7巻まで、アニメは最終話(12話)までを観ました(原作マンガの最終巻は4月26日発売です)。

そのうえで今回の映画を観た感想は……端的に言えば映画ならではの演出は素晴らしい!だけど、終盤の展開にはガッカリだよ!ということです。


原作とアニメでは、主人公のナレーションがとても多くなっています。
(これは「小学生の主人公が大人の思考をしている」「よりストーリーがわかりやすくなる」ということで決して悪いところではありません)

ところが、映画では主人公のナレーションが必要最低限にまで減少しています
ナレーションは2、3箇所のみで、過度に「語り過ぎない」ようになっていたのです。

これは英断でしょう。
実写映画では役者の演技や、細やかな演出で「語らなくてもわかる」という要素があるのですから、ナレーションで説明するのは野暮になってしまうところもあります。
映画版『僕だけがいない街』は、文字量の多い原作の内容をうまく汲み取って、「語り過ぎない」ように調整しているのです。

そして、誰しもが思うであろう子役の演技の素晴らしさ
中川翼鈴木梨央も大人顔負けの名演技をみせているので、ここだけでも映画版を観る価値があるはずです。

僕だけがいない街子役ふたり

さらには、原作には存在しなかった細かい描写も増えています
ほんのちょっぴりの追加ではありますが、より登場人物の気持ちが伝わるようになっていました。

平川雄一朗監督の『ROOKIES -卒業-』や『ツナグ』などのフィルモグラフィには1ミリたりとも惹かれない(好きな方ごめんなさい)のですが、今回に限っては本当によい演出をされたのではないでしょうか。

あ、あとクズじゃない藤原竜也が観られるのも貴重ですね。最近の彼はクズ役が定着しすぎていたもんなあ……。
石田ゆり子(46歳)が「若づくりすぎてお姉さんにしか見えない母親」を演じているのもいいですね。


そんなわけで、原作ファンとしては序盤~中盤は大いに感動していたのですが……終盤はどうしてこうなった
詳しく言うとネタバレになってしまうから↓に書きますが、これでは明らかに物語のつじつまが合わなくなってしまっています。

原作はあらゆるところに矛盾が生じないよう、緻密に計算された作品だったはずです。
(原作では主人公の年齢に誤りがありましたが、後の版では修正されるなど、矛盾点がないように徹底されています)

世にあるタイムリープもののSFも、荒唐無稽にみえても、どこかに破綻が生じないように精密に作られているものです。
でも、この映画の終盤の展開は「あそこがおかしい」「こことここがつながらない」といくつでも文句が出てきてしまいます。
こんなことなら、原作から変えなくていいのに……。

映画オリジナルのセリフもひどく陳腐なものもあったしなあ……。


そんなわけで、原作を読んでいないSF(タイムリープもの)ファンにとっては雑な作品に思えてしまうでしょうし、原作ファンにとっては変更点を大いに不満に感じてしまうでしょう。

それでも、「原作やアニメのほうがおもしろいから、こんな映画は観なくていい!」とはなりません。
なぜなら、前述したように実写映画ならではの「語り過ぎない」演出、追加された細やかな描写、子役の演技という魅力が確かにあるからです。
女の子が見せた涙には、こっちまでもらい泣きしそうになってしまいました。

なお、『僕だけがいない街』で扱っているのは児童連続誘拐殺人事件です(日本中を震撼させた宮崎勤の事件を反映しているところもあるのでしょう)。
単なる娯楽に留まらず、「児童を救うにはどうすればよいか」という気づきも与えてくれることは、本作の大きな意義と言えます。


『僕だけがいない街』は、原作、アニメ、映画版、それぞれに違った魅力のある作品です
「どこが違うのか」を人に聞くのもいいですが、ぜひご自身で「違い」を確認してほしいです。
はっと気づけることが、きっとあるはずです。


以下、映画版の結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
原作マンガ、アニメ、映画における「大局的な違い」に触れています。原作とアニメに触れていない方のために、詳細な違いは書いていませんが、人によってはネタバレと言えるかもしれないのでご注意を。

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2016-04-06 : 旧作映画紹介 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『花とアリス殺人事件』は『リップヴァンウィンクルの花嫁』が合わなかった方にこそ観てほしいという話(+道満晴明先生のマンガ版レビュー)

リップヴァンウィンクルの花嫁』は、
絶賛の声が相次ぎ
パンフレット(Amazonでは値段が高騰)は売り切れ続出、
評判のよさを聞きつけた映画ファンが押し寄せて満席の回もあるなど、
各地で話題沸騰でうれしい限りですね。

公開館数が現在わずか24館であるため、中には車で片道3時かけて観に行った方(コメント参照)もいるのですが、満足されたようで何よりです。


さてさて、ここでひとつ苦言を呈しておきたいです。

お前らが!
『リップヴァンウィンクルの花嫁』を話題にするのはもちろんいいんだけど!
岩井俊二監督の前作『花とアリス殺人事件』(2015年公開)をなぜ観ていないんだよと!

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本作は岩井俊二監督がはじめて手がけたアニメ作品で、名作『花とアリス』の前日譚です。
この時点で映画ファンも、アニメファンも全員観るはずだよね☆と思っていたのですが、この映画のよさを語り合ったことは皆無でした(みんな観ていないから)。

なんでだよ!「ガルパンはいいぞ」と言いつつ何回も同じアニメを観に行くくらいだったら、こっちも観ろよ!(※ガルパンもいい作品だったので好きです)。

なんでアニメファンも『花とアリス殺人事件』を観ないんだ。萌え萌えな女の子がいないからか
いや、だったら『花とアリス殺人事件』こそ、岩井監督のロリコン趣味が出まくっている素晴らしい萌えアニメだと思うんだけどなあ。


なお、『リップヴァンウィンクルの花嫁』は個人的に邦画史上類をみない大傑作だと思っているのですが、“合わない”人もいます。
なぜなら主人公が精神的に弱すぎるから。
この主人公に感情移入できない、しかもとことん彼女をとことん痛めつける物語に拒否反応を覚える方は多いのです。

※合わなかった人の例(若干ネタバレ注意)↓
「リップヴァンウィンクルの花嫁」感想-この世界は優しい : 頭の中もハッピーな人

しかし、『花とアリス殺人事件』は主人公のアリスと花の両方が「強い」のです。言い換えれば「傍若無人」です。
主人公ふたりは問題を自分で解決しようとするし、ときには他人の意見を聞こうともせずに自分を押し通す。『リップヴァンウィンクルの花嫁』の主人公とは、真逆のような性格なのです。

なにせ、本作のキャッチコピーはこうなのですから。

史上最強のひきこもり、花。
史上最強の転校生、アリス。
二人が出会ったとき、世界で一番小さな殺人事件が起こった。


ね、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の弱々しさ、はかなさなんてちっとも感じないでしょう。

岩井俊二監督作品はわりと好き嫌いが分かれる傾向にあるのですが、『花とアリス殺人事件』はその中ではかなり万人向けの部類です。
『花とアリス』を観ていなくても楽しめますし、まあなんだ、観ろよ


そういや2015年には『百日紅~Miss HOKUSAI~』という、これまたぜんぜん観られていない秀作アニメがあったなあ。
こちらも年間ベスト級に大好きな作品なので、いや、もうほら、観ようぜ(しつこい)。

百日紅~Miss HOKUSAI~ [Blu-ray]
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<閑話休題>



さてさて、前置きが長くなりましたが、『花とアリス殺人事件』はマンガ版もオススメしておきたいです。

花とアリス殺人事件 (ビッグコミックス)

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本の帯には、こう書かれています。

thIMG_0093.jpg

岩井監督も黙認!? わりと自由なコミカライズ!

うん、まあ、内容は「わりと」どころか最大限に自由になっていました

↓以下はマンガの内容紹介

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2016-04-05 : 旧作映画紹介 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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映画『のぞきめ』ジャパニーズホラーの復活!(ネタバレなし感想+微ネタバレレビュー)

今日の映画感想はのぞきめです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:こういうJホラーが観たかった(これで終わるかも……)

あらすじ


テレビ局でアシスタントディレクターをしている三嶋彩乃(板野友美)は、成り行きで青年の怪死事件をリポートすることになった。
異様な死に方をした青年の死の真相を知るため、彩乃は恋人の津田信二(白石隼也)ともに山奥の村へと向かうのだが……




トリハダ』シリーズなどを手がけてきた三木康一郎監督によるホラー映画であり、三津田信三の同名の小説を原作とした作品です。

のぞきめ (角川ホラー文庫)
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自分は映画を観た後に小説を読んでみたのですが、うまく万人受けのホラー映像作品へと方向転換ができていることに感銘を受けました。

小説の後半部分は村で起こる怪異事件を懇切に描いているのですが、映画ではそこをほぼカットしています。
小説では「怪談が起きる理由を論理的に解き明かそうとする」という『残穢【ざんえ】 ‐住んではいけない部屋‐』と同じ魅力が大きかったのですが、映画ではいい意味で直接的な恐怖描写に比重を置く作品になっています。
小説では「語り手」という男性小説家の1人称で語るスタイルでしたが、映画では若い女性へと主人公が変わっています。

乱暴に違いをまとめれば、
小説は、その場所に根強く残る怪談を膨大な情報量で語る作品。
映画は、都会という日常で起こる恐怖をクローズアップした作品。
と、いったところでしょうか。

このような方向展開をしつつも、ちゃんと原作のエッセンス(怪談を深く掘り下げていく内容)を拾い上げているのが本作のうまいところと言えるでしょう。


さてさて、この映画単体を端的に語れば、ちゃんと怖くて、ちゃんとおもしろい!という印象です。

なんで「ちゃんと」と言っているかというと、最近のジャパニーズホラー映画は『クロユリ団地』『劇場版 零~ゼロ~』『劇場霊』『貞子3D(笑)』『貞子3D2(ホラー史上もっともつまらない)』など、怖がる前に笑うしかない作品ばっかりだからです。
個人的にはそういう失笑ホラー(仮)は好きというかむしろ大好物なんですが、「ちゃんと怖がらせてくれよ!」という方は多かったと思うんです。
※小規模公開だった『アイズ』は良作だったそうです。

だけど、安心してください。
本作は「怪談(または都市伝説的)を調べるうちに底知れない恐怖に遭遇する」というホラーの定石をたどりつつも、笑いなしでちゃんと怖いシーンがあるのですから。
これは基本となる脚本、演出、音楽、そして恐怖描写それぞれがすべて丁寧であるからでしょう。
「ジャパニーズホラーが復活!」ということには、喜びを禁じ得ません。

感心してしまったのが「恐怖の対象に幼い女の子がいる」こと。
ふつうだったら幼い女の子がその辺にパッと現れてもぜんぜん怖くないと思うのですが、この映画ではそれでもちゃんと怖くなるような工夫がされているのです。
ていうか……たとえ幼女でもあんなことになったら怖いに決まってんだろ!


※衝撃的すぎてテレビでは流せなかったCM。マジで夢に出そう。そして本編の微ネタバレ注意。

そしてメインとなる恐怖は“誰かに見られている”ことなのです。
部屋にいて“誰かの視線を感じる”という恐怖は誰もが体験したことがあるでしょうが、本作ではその普遍的な恐怖が「直接的な恐怖」として描写されているのです。

たとえばホラーサメ映画を観ても「サメは部屋に来ないから大丈夫だわ」と思えるのですが、この映画で描かれた“誰かに見られている”という要素は「そういえば自分の部屋でも……」と思ってしまうのです。

また、物語の根底には怪談や超常現象ではなく、人間の醜さがあることも魅力のひとつ。
それでいて、日常に根ざした恐怖を描いていることこそが、『のぞきめ』のおもしろさであり、怖さと言えるでしょう。


もちろん不満もあります。

主演の板野友美さんの演技は決して下手ではないのですが、舌足らずで台詞が聞き取りにくいところがあるうえ、そのほわほわした雰囲気が緊張感を削いでくれています。
あのアヒル口の顔のアップがあるとなんだか笑ってしまうしなあ。

HIDE & SEEK【通常盤】(多売特典:生写真付き)
板野友美
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※主題歌はハマっていましたよ。

アイドルを主演にするのは集客力を高めるために致し方のないところもあるのでしょうが……板野さんはホラーには合わない方なんだと思い知りました。美人すぎて新人AD(アシスタントディレクター)には見えないしね。

なお、脇を固める若手役者である白石隼也さんや入来茉里さんはホラー作品に似合った“おびえる”演技がものすごくうまく、存在感も抜群だったのでご安心を。

宿屋の主人として30秒くらい出演するつぶやきシローの演技がめっちゃうまかったのも好感度が高いですね(笑)。
その“表情の変化”を見逃さないでください。

吉田鋼太郎さんは安楽椅子探偵的な役割なので、あまりその活躍には期待しないほうがいいかもしれません。

原作を意識したせいもあるのでしょうが、終盤の展開はちょっと肩すかし。
細かいツッコミどころも散見されるので、決して絶賛はできないところはあります。

また、恐怖演出が直接的すぎるきらいもあります(大きい音で驚かせるだけでないのはよかったのですが)。
黒沢清監督作品のような「じわじわ」な恐怖演出があってもよかったですね。


そんなわけで、ホラーとしてはそれほど新しいことをしているわけではないですし、ところどころで詰めの甘さを感じるものの、「スタンダードなジャパニーズホラーが観たい!」という方には大プッシュでオススメできる作品になっていました。

ぜひ、前述の『貞子3D』などで「ジャパニーズホラーはもうダメだ!」と思っている方こそ観て欲しいです。
6月公開の『貞子vs伽椰子』はギャグになるのはほぼ確定なので、純粋に怖いジャパニーズホラーを観られるのはこれが最後かもしれませんよ!


※まずプロモーションがギャグだしね。

また、板野友美主演なのでファンの子どもも観ると思うのですが……中学生以上じゃないと怖すぎて泣いてしまうんじゃないでしょうか。
G(全年齢)指定ですが、わりとエグめな死体の描写もあるので、PG12指定と考えても問題ないでしょう。
一人暮らしの大人にとっても怖すぎるかもしれませんが……それでもおすすめします。


以下はほんのちょっとだけネタバレ↓
本作は観ている人がそれほど多くないと思うので、ちょっとした不満と原作との違いを書く程度にとどめています。それでも人によっては十分ネタバレと言えるのでご注意を。

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2016-04-04 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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人間映画Wikipediaが制作した激ムズ映画クイズに挑戦してみよう!(全15問)

来週4月9日(土)18時半より「挑戦(チャレンジ)する映画をみんなで語り合うイベント」を開催します。

さてさて、じつは本イベントは「映画の“ある視点(テーマ)”について語ろう会」の第4回目。
ここでは第2回目で実施した、人間映画Wikipediaという異名を持つ成宮秋祥さんが制作し、当日に参加者に出題した映画クイズを紹介します


<注意事項>
・アホほど難易度は高いです。
・スライドは問題、その答え、問題、その答え……という順番で載せています。
・そのためちょっとずつスクロールして、回答前に答えを見てしまわないように注意しましょう
・正答数をメモりながら回答するのがオススメ
・最後に何問正答できたかのアンケートを設置しているので、よければお答えいただけると幸いです
・当日に参加者がドン引きしていました(難しすぎるから)


ではスタート↓

2スライド02

↓つぎのページは答えです

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2016-04-02 : いろいろコラム : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『セーラー服と機関銃 -卒業-』はなぜ特大ヒットを記録し、かつ大傑作だったのか!?映画の魅力を徹底解説!

セーラー服と機関銃 -卒業-』は超大ヒット中、そして大傑作中の大傑作でしたね!
興行収入は3週連続で第1位、早くも30億円を突破し、このままなら実写日本映画の第1位を狙えそうなくらいです!

古くからの角川映画のリスペクトに溢れ、なおかつ現代の観客に伝わるキャッチーさも忘れてはいない。
撮影もテクニカルで、すべてのシーンが繋がっていく伏線の妙もあって、ギャグシーンにゲラゲラ笑って、クライマックスは緊張感に溢れ、ラストは爽快感に満ちている!
こんな作品を観れて幸せ……しあ…えぐっ、うぐ……ぐっ……うっぐ……











シリーズ生きる-特別編- ストリートファイターII 土下座ストラップ [3.春麗](単品)
すみません、たったの5、6行しかウソをつけませんでした
※この記事を書いているのは4月1日です。

だって4行目を書いたときに涙が出てきたもん(実話)。
自分はウソをつけない性格なんだなと思い知りましたよ。
ウソをつき続けてきた代表・小保方晴子、佐村河内守、佐野研二郎は本当にすごいと思う。


<仕切り直し>


実際の『セーラー服と機関銃 -卒業-』は気の毒なくらいコケています。そして凄まじい駄作です。

どれだけコケているかというと、
・公開規模は全国238スクリーンと少なくはない
・初登場12位、初日の興収はわずか3000万円足らず
・2週目は先週比で21.5%で推移
3週目でTOHOシネマズ日本橋、川崎での上映が消える
・最終的な興行は1億届くかどうかも微妙

すごいよね。
ここからは、なぜ本作が大コケしたかを考えてみます。

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2016-04-01 : 旧作映画紹介 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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