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ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

『スノーホワイト/氷の王国』アナ雪の模倣がいろんな意味で失敗?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はスノーホワイト/氷の王国(原題: The Huntsman: Winter's War)です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:対比構造がおもしろいのにもったいない

あらすじ


邪悪な女王ラヴェンナ(シャーリーズ・セロン)の妹フレイヤ(エミリー・ブラント)は、ある出来事をきっかけに氷を自在に操る魔力に目覚め、北の地で新たな氷の王国を築く。
フレイヤは、さまざまな場所から子供を集めて軍隊を作り上げた。そこで育った戦士のエリック(クリス・ヘムズワース)とサラ(ジェシカ・チャステイン)は、互いに惹かれ合っていくが……。




『白雪姫』をベースにした実写映画の第2弾です。

前作のレビューはこちら(酷評、じつは当ブログでいちばん気に入っている記事です)↓
中途半端おとぎ話「スノーホワイト」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー

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まず、本作にはすっげえ斬新なところがあるんですよ。
それは『スノーホワイト』というタイトルなのに白雪姫が出てこないということ。
原題は『The Huntsman(狩人): Winter's War』で、申し訳程度に始めのタイトルに「Snow White Chronicle」 が出てくるくらいでした。
正確にはスノーホワイトは1シーンだけ「後ろ向き」の姿で映るんだけど、これじゃあ出ていないに等しいよなあ。
※本作は前任の監督と、スノーホワイトを演じる予定だったクリステン・スチュワートが不倫したためにいったん製作が頓挫していました。

そして、本作にはすっげえ既視感にあふれていることがあるんですよ。
何せ「王国の姉妹のうち片方が氷を操る能力に目覚める」「氷の城に閉じこもる」ですよ。思いっきり『アナ雪』じゃねーか!

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デジャヴスノーホワイト<似てる

もうね、これはもうハリウッドの「なんでもいいから企画を成立させてヒットさせよーぜ」という戦略なんでしょうね。
前作は『アリス・イン・ワンダーランド』の超ヒットにあやかって「これからはおとぎ話の実写リメイクが受けるぞ!」という企画がたって、突貫工事で作った結果、めっちゃ雑な映画に仕上がったような作品でした。
で、今回は「おとぎ話の実写化と、アニメ史上最大のヒットの『アナ雪』を組み合わせれば最強じゃね?」というどんぶり勘定なプロデューサーの考えがみえまくっているのです(※注:想像です)。


しかし、そもそもの設定以外は意外と『アナ雪』をパクっていなかったので驚きました。
氷の能力の暴走により閉じこもるのはアレすぎでしたが、その後の展開にはちゃんとオリジナリティを入れてきています(そして『白雪姫』とも乖離しまくっている)。
これは脚本家およびスタッフによる「プロデューサーはマネばっかしろって言っていたけど、オレらはちゃんと独自の要素をいれるよ!」と、という気概がみえまくってほっこりしました(※注:想像です)。

というか……「氷の女王」の心理描写はかなりおもしろいです。
彼女が軍団を作ろうとした理由などには、十分な奥深さがありました。
「愛を信じる」「愛を信じない」それぞれの登場人物の対比構造もうまくできています。


それでも……本作を手放しで褒めれないのが悲しいところ。
なぜなら展開に根こそぎ説得力がなく、すべてが茶番劇にしかみえないという致命的な欠点があるからです。

何よりも、製作者の都合だけでキャラの生死が左右されすぎということがもっともキツい。
「なんでそっちは殺さないねん」というツッコミどころ(後で説明されることもあったけど)はちょっと許容できません。
人を操って殺す魔法の鏡への対策も、「それでいいのかよ!」とツッコまざるを得ないよなあ。

そもそもの「氷の王国を作る」という設定にしたって、「そんなに簡単に軍隊を集められるんかい」「なんで子どもたちは律儀に女王に忠誠を誓ってんねん(恐怖による支配だという描写は一応ある)」「周りが氷で覆われているのにどうやって国家が維持できる収入を得てんねん」というツッコミどころもあるし・・・。
『アナ雪』では、氷の力を持ってしまったエルサが「ひとりで」生きていこうとすることに説得力がありましたよ。

なぜか軍隊が作れる<なぜか白銀の世界に兵が集まります。

しかも女王は、軍隊の子どもたちがいい大人になるまでを見守っているんだけど、あなたはいったい何歳なんですか。まあ魔法の力で年をとらなくなっているんでしょうね!(無理やり納得)。

スノーホワイト何歳<ふたりともお美しゅうございます(50歳くらい?)

あと、コメディーリリーフに当たる旅の仲間が4人もいるのもシンドいんじゃないかと。
例えるなら、『アナ雪』のオラフが4人もいるようなもんですよ。

ディズニー アナと雪の女王 ぬいぐるみM オラフ 座高51cm<こいつが4人ついてくると思ってください。

いや、オラフのことは好きだけど、さすがに4人もいるのは……。
本作に限っては、そのコメディ要員のキャラが基本的に戦闘能力のない役立たずで、そのギャグもあまり笑えないというのもキツい。
おかげさまで、ただでさえゆったりめの話のテンポが、さらに重くなるという弊害もあります。

この後布を<右の4人はだいたいうっとおしいです。

さらに、登場人物が「私はこう思っている」という説明台詞が多すぎるのもイマイチ。
これは他者に論理的に訴える台詞なので違和感はないのですが、それは断定的すぎて「想像の余地」を残してくれないのです。


そんなわけで、ビジュアルはさすがにお金がかかっているし、そこそこ以上には楽しめる映画ではあるものの、以上に挙げた欠点が大きすぎる、というのが結論です。

奇しくも、
・主人公チームよりも悪役のほうがはるかに魅力的
・だけどお話のほうがツッコミどころ満載で台無し
・有名作品をパクっている
という点においては前作のスピリットを受け継いでいますねー(棒読み)。

そういえば、前作は吹き替え版で女王を小雪(女優)が演じていて、その拙さのために炎上していましたね。
でも今回は杉田智和や朴璐美や水樹奈々など、本業声優の豪華配役となっているので、声優ファンは吹き替え版を大いに楽しめるかもしれませんね。

なんだかんだで前作よりはかなり好きですし、前作を観ていなくても楽しめる親切設計もいいんじゃないでしょうか。
前作の「魔法の鏡を意味ありげに映す」という伏線がこの続編で消化されましたし、ラヴェンナ王女の性格もしっかり引き継がれています。
初めに「これは前作の前日譚ですよ」と宣言するにもかかわらず、物語の大体が後日談だったという素っ頓狂な構成も1周回っておもしろいです。

可もなく不可もなく、フラットラインな感じでオススメしておきます。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-05-31 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『海よりもまだ深く』樹木希林ちゃん最強萌えムービー(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は海よりもまだ深くです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:すべての会話がつながっている

あらすじ


良多(阿部寛)は15年前に1度だけ文学賞を受賞したことのあるもの、それ以来「小説のための取材」と言い訳をしながら興信所(探偵事務所)で働いているダメ男だった。
しかも離婚した元妻の響子(真木よう子)と、その息子の慎吾(吉澤太陽)への思いを捨てきれずにいたので、同僚の町田(池松壮亮)にも茶化されていた。
ある台風が迫り来る日、良多、響子、真悟は、良多の母・淑子(樹木希林)の団地に泊まることになるのだが…・・・




がっつりオススメです!
いやあもうね、是枝裕和監督ファンとしては、本当に観たい映画を観せてくれた、という感覚をダイレクトに届けてくれて、うれしくって仕方がありません。

もう今回は大盤振る舞い、何が優れているかを箇条書きであげまくってしまいます。

(1)会話から関係性がすべてわかる!
劇中には「説明セリフ」はありません。
あるのは、ふつうの人が、ふつうにしゃべっている日常的な会話ばかりです。
それなのに、すべての登場人物の関係性がわかるんです。
これこそが、映画の脚本ですよ。

(2)とくに何も起こらないのにおもしろい!
いやーもう作中で起こる大きな事件は「台風の来襲」くらいしかないんですが、おもしろくってしかたがないんですよね。
会話の端々で登場人物の「人間性」を知っていくのは、映画という媒体ならではのエンターテイントなんだと思い知らされました。

(3)ダメ人間の気持ちに寄り添いすぎ
本作の主人公は50歳間近にもかかわらず、明日の家賃にも困るようなダメな中年。
未来の自分を見ているかのようで(※とても笑えない)、めっちゃ感情移入をしてしまうではないですか!
しかも彼(阿部寛)はダメ人間なりのお人好しの性格、なるべくしてダメ人間になったことがわかるダメっぷりを見せつけるんですよ!勘弁してくれよ!俺かよ!

阿部寛 ダメ人間<阿部寛がナチュラルなダメ中年を演じます。

あと、バリバリ仕事をして高収入なリア充を、「そこはかとなくイヤなやつ」として描くのは『そして父になる』といっしょですね。
いいぞもっとやれ。是枝さんは非リア充のダメ人間の味方やで。

(4)なんだか世知辛くてリアルな「探偵」の仕事を知れる
いままでの是枝作品になかったのは、主人公が探偵の仕事をしているということ。
とはいえ殺人事件を解決するとかではなく、その辺の浮気調査をしたり、それで浮気した本人をゆすったりと、本当にありそうな探偵のおしごとばかりなんですよ。
この要素も作品の本質に密接にからんでおり、隙のなさを感じさせます。

(5)樹木希林ちゃんがかわいい
豪華キャストの全員が魅力的なのですが、とくに本作のきりんちゃん(※愛称)はめちゃくちゃかわいいんだよ!
なんと今回はツンデレ成分まで装備しているんだぞ!

SWITCH Vol.34 No.6 樹木希林といっしょ。

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※このSWITCHを買うことが決定しました。

もうね、なぜババア萌えというジャンルが確立されていないかと、世の中に問いただしたい。
ロリババアとかのじゃロリというのは2次元にあるらしいんだけど、違うんだ!俺は3次元のリアルなババアに萌えたいのであって、それをもっとも体現してくれるのがきりんちゃんだったんだよ!’(※きりんちゃんがかわいすぎて、ちょっとあたまがおかしくなっています)

海よりもまだ深く きりんちゃん<小林聡美との漫才も見所です。


本作はいままで是枝作品を観たことがないという人、日本映画をあまり観ない、という方にもおすすめいたいですね。
こうした繊細な心理、性格描写ができる監督家であり脚本家でもある是枝さんは、世界でも稀有な才能を持っています(だからでこそ、世界で賞賛を浴びています)。

「えー地味な家族の日々を描いておもしろいの?」と思っている方(とくに若い人)へ、観なさいよ。いや本当、新たな映画の魅力に気付けるから!

今回は普遍的な家族の話であり、ダメ人間だけでなく多くの人が「自分にも当てはまる」ということもミソ
きっと、誰かに感情移入ができることでしょう。

本作が気に入った人は、ぜひ是枝監督の『歩いても、歩いても』を観て欲しいですね。

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『海よりもまだ深く』を観て「何にも起こらなかったなあ」と思った方へ。こっちはもっと何も起こりませんから(帰省時に集まった家族の日常を描くだけ)。
阿部寛ときりんちゃんの親子関係は、こちらでも観られますよ(『奇跡』でもこのふたりは親子でしたが、出番は少なめでした)。

あと、本作は史上もっともカルピスのプロダクトプレイスメント(宣伝)がうまい映画だと思います。

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たぶん実際はカルピス(会社)からお金をもらっていない、単に出したかったから出したアイテムだとは思うんだけど、映画を観終わった後速攻でカルピスを買ったよ
もちろん、劇中と同じく冷やしてシャーベットとして食べたくなりますね。


難点は、「アレ」という言葉を使いすぎて、さすがに不自然になっていること。
これは親子が似通っていることを示しているのだけど、さすがにこれは言いすぎなんじゃないかな。

また、映画としては「美しい風景」が少ないことも弱点かも。
是枝作品には、海辺の風景や、そのあたりの緑など、ハッとする美しいカットが多いのですが、本作はちょっとそれが抑えめ。作品の多くは、狭くて息苦しい、団地の一室での家族の描写なんですよね。
個人的には、もっと「台風一過の美しさ」を強調してほしかったんです。

海よりもまだ深く 家族関係<多くがこういう画です。

また、作中で「ほっぽりぱなしのセリフ」があるのも、人によっては気になるかも。
これは回収されていない伏線というよりは、「周りの人生にも似たようなことがある」という要素、または観客に想像をさせるもの、捉えるべきなんでしょうね。


そんな問題点は、全体の完成度を思えば、重箱の隅をさらに隅をつくようなものです。
役者の妙、是枝節炸裂のヒューマニズム、緻密に掲載された脚本が組み合わさり、心地のよい時間を届けてくれるでしょう。
老若男女を問わず、すべての「家族を持つ方」へ、大プッシュでオススメします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ ほぼきりんちゃんのかわいさをあげたいだけど、超長いぞ!

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2016-05-30 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『ディストラクション・ベイビーズ』ナチュラル・ボーンなクズたち(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はディストラクション・ベイビーズです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:何なのこの人たち・・・

あらすじ


いつもケンカばかりしている泰良(柳楽優弥)は、突然港町から姿を消し、松山の中心街に向かう。
強そうな相手を見つけてはケンカを売る泰良を見た高校生の裕也(菅田将暉)は、ともにに無差別に通行人に暴行を加え、さらに車を強奪する。
ふたりは車に乗りあわせていた少女・那奈(小松奈々)も巻き込み、松山市外へと向かうのだが…・・・。




本作を説明する前に、これだけは言っておかねばなりますまい。間違いなく好き嫌いのわかれる映画だと。
なぜ好き嫌いがわかれるって?それは

(1)主人公(柳楽優弥)が狂気に満ちたクズ
(2)サブ主人公(菅田将暉)が三下っぽさ丸出しのクズ
(3)ヒロイン(小松奈々)がやんわりとクズ
(4)暴力シーンが満載(R15+)
(5)ていうかストーリーのだいたいが人を殴ったりしまくるだけ

っていう凄まじい特徴のある映画だからだよ!
※ちなみに主演の柳楽優弥自身も「好き嫌いがあると思う」とインタビューで答えています

旬の若手俳優がキャスティングされているのだから、若い女性も観にいったと思うのですよ。

で、菅田将暉ファンが映画を観てみれば「スダきゅんがどうしようもない暴力的なヤなやつになっちゃっていたよ〜こんなスダきゅん観たくなかったよ〜(><)」と思ったんじゃないでしょうかね(偏見)(ちなみに菅田将暉が犬っぽいがさつなキャラなのは『そこのみにて光輝く』ですでに通った道です)

菅田将暉クズ<彼は器の小さいクズです。

で、柳楽優弥は狂気に満ちたクズなわけですが、その背景はほぼ説明されません
なんでそもそも街に出てボコるねんといった疑問は最後まで晴れません。
はっきり言えば、彼は主人公のクセに1ミクロンも共感できないんですよ!

主人公だけど感情移入の余地なし!柳楽優弥<どうしようもない主人公

主人公は理由なしに強そうな人をボコリまくり、反対にボコボコにされても異常な回復力を見せて復活する。
息を吸うように犯罪(万引き)をする。
さらには、同行する高校生にも、恐ろしい「ある一言」を告げる・・・

もはや主人公は人間じゃねえレベルなんですよね。
例えるなら、この主人公は『ノーカントリー』の殺し屋シガーのような、「もはや人知を超えたひたすらに危害を加える者」なんですよ。

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菅田将暉と柳楽優弥は、普段はイケメンで役者としての情熱も溢れる方ですが、この映画を観た後は本気でお近づきになりたくなくなる
彼らのクズ演技がガチすぎて、もはや演技に見えないというか、「素」にすら思えてしまいます。
これは、役者のファンこそむしろ必見と言えるのではないでしょうか。

もうなんていうか、こいつらは『ナチュラル・ボーン・キラーズ』ならぬ『ナチュラル・ボーン・クズたち』と呼ばせていただきます。

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※「生まれながらの殺し屋」が人を殺しまくるロードムービー。模倣犯は各地で多発し、損害賠償を求める動きもあった。

なお、小松奈々さんもかなりいい感じの役をもらっていますね。
ヒーローマニア 生活』の彼女の役は心底不愉快でしたが、今回は妙なベクトルでスガスガしい役を演じていて素敵です。

小松奈々ディストラクションベイビーズ<彼女は一見まともだけど、じつは・・・

まあ「豪華キャストによるクズキャラの演技」というだけなら、まだそれほど好き嫌いはわかれないと思うのですが・・・
序盤の30分くらいが似たような「主人公がとりあえずその辺の人をボコりまくるだけ」というのはさすがに面食らいました。
ここで拒否反応を覚える人が多数いるでしょうし、こうした暴力的な描写が好きな自分ですら早くも飽きそうになってしまいました。

でも、この暴力描写、ボコりまくることにも(ラストを思えば)しっかりした意味があります。
本作のタイトルは「Distraction babies(気晴らしの赤子たち)」。
ただ「楽しいから」で暴力を振るう者たちの狂気、その幼児性こそが、本作の魅力なのです。
※タイトルのディストラクションには、Distractionに似た発音のDestruction(破壊)の意味も込められているそうです。

また、ボコるシーンが定点カメラで撮られた、いい意味で躍動感のない画になっているというのもいいですね。
しかも殴ったときの音が「ビシッ」「バシッ」といった作りものの効果音ではなく、「ボチ」「ベチ」という皮膚の感覚が伝わってくるいや~な音なんですよ。
このおかげで、「痛み」が伝わる、リアルな暴力を「垣間見た」感覚がありました。

ディストラクションこんな視点で暴力<こういう画の暴力シーンが続きます。

余談ですが、自分は本作の舞台である愛媛県松山市出身で、高校までの18年間をここで暮らしていました。
本作で出てくる商店街「大街道」は毎週のように行っていた場所だったので、なんとも懐かしくてしかたがなかったですね。

るるぶ愛媛 道後温泉 松山’16 (るるぶ情報版(国内))<道後温泉以外もよかところでがすよ。

なんで監督は松山市を舞台に映画を撮ったの?といったことや、そのほかの豆知識は以下にも書きました。
<柳楽優弥と菅田将暉が世界を挑発「ディストラクション・ベイビーズ」、地元出身者が豆知識を紹介! | シネマズ by 松竹>

劇中では伊予弁がたっぷりと使われていましたが、ほぼ違和感なく役者たちが使っていたのも素晴らしかったですね(ちょっと極端に方言を使いすぎている感はあったけど)。

あと、本当に余談中の余談ですが、愛媛県にはみかんだけじゃなく、「じゃこ天」という名産もあります。
これはマジでおいしいから、もっと全国に広まっていいと思うんだけどなー(願望)。



本作『ディストラクション・ベイビーズ』が気に入った人にオススメしたいのは、前述の『ナチュラル~』、リンク先の記事にも書いた『顔(2000年製作)』、そしてマンガの『ザ・ワールド・イズ・マイン』です。


主人公とその相棒がところかまわず暴力を振るっていくという「狂気」が両者で似ています(しかも『ザ・ワールド~』はもっととんでもないことに・・・)

なお、過去の真利子哲也監督作品において、『イエローキッド』では「殴る」シーンがとにかく多かったり、『NINIFUNI』では寂れた地方都市を舞台にするなど、その作品の性格にはかなり一貫性がみられます。

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※有名になる前のももいろクローバー(Z)が出演しています。

こちらも観て、監督のクセや精神性をさらに知ってもよいでしょう。


何度も言うようですが、本当に好き嫌いがわかれる映画です。
coco 映画レビューでは93%という高評価ですが、これはやはり「映画好き」の集まるサイトでの結果なのであって、ただ「役者のファンだから」というだけで観に行くのはけっこう危険です(自分は大好きだけど!)

ストーリー性は少なめ、主人公に感情移入はいっさいできない、(意図的な)不愉快な暴力シーンの連続・・・
そうした作品であると知って、「覚悟」をして観ることをおすすめします。

※合わなかった方の例↓
映画「ディストラクションベイビーズ」感想 解説 次世代俳優の怪演が素晴らしい!けど胸クソ悪い! - モンキー的映画のススメ

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 今回は短め。

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2016-05-29 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『海よりもまだ深く』をブロガーが絶賛! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(5月21日~5月27日)

『アダムとイブ』という漫画を読んだんですけどね、とりあえずおもしろすぎるから読め

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内容を端的に言えば「透明人間と五感それぞれにすぐれたヤクザがバトるだけ」というトンデもねえもの。
サンクチュアリ』の池上遼一先生作画、『殺し屋1』の山本英夫原作というタッグもハマりすぎ。
かなり暴力的な描写があるので読む人は選ぶものの、ぶっ飛んだ作品に触れたい方には大プッシュでおすすめですよ(1巻がすごくいいところで終わっちゃうんだけど)。
これを実写化するとしたら、ぜひ三池崇史監督でお願いします(長い挨拶)
<試し読みはこちら>

そんなわけで、以下映画ニュースとブログ記事のまとめです。

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2016-05-27 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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『ひそひそ星』「退屈」こそが重要な映画?(ネタバレなし感想)

今日の映画感想はひそひそ星です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:本当に撮りたかった映画なんだな

あらすじ


アンドロイドの鈴木洋子(神楽坂恵)は、宇宙船に乗り込み、相棒のコンピューターとともに、星々を巡り人間の荷物を届ける宇宙宅配便の配達員をしていた。
洋子はまめに船内を掃除したり、旅を記録したりと、長い時間をマシンらしく、退屈せずに過ごしていたのだが……




アナーキーな映画監督・園子温最新作です。

2015年の園監督作品は、
ラブ&ピース
新宿スワン
リアル鬼ごっこ
みんな!エスパーだよ!
と、いずれもファンにとっても賛否両論な作品ばかりだったので、「そろそろ絶賛したい!」と思っていた方も多いだろうと思っていたらこれまた別ベクトルですげえ好き嫌いが分かれそうな作品をぶっこんでくる園監督は本当に素敵だと思います(皮肉なしに褒めています)。

まずこの映画の特徴を端的に、身も蓋もない言い方をすればものすごく退屈ということです。

何せ劇中のほとんどは、主人公のアンドロイド(女性)が宇宙船の中ででずっとひとりでいて、床を掃除したり、旅の記録を取ったり、たまに船内のテープレコーダーに音声を入力するといった、地味すぎる展開ばかりです。
しかもタイトルの通り、ずっと主人公は「ひそひそ声」で話すので、余計に睡魔が召喚されてしまうでしょう。

いままでの『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』などの園監督作品はよくも悪くも退屈なんて感じさせない、勢いのある作品ばかりだったので、よけいに面食らう人が多いのではないでしょうか。


かと言って、この映画をつまらないと決めつけるのは早計でもあります。
本作は退屈であることが重要というか、退屈であることが前提になっている作品なのですから

公式サイトの「ストーリー」では、「宇宙船での旅はたいくつ極まりない。しかし、マシンである洋子は退屈を感じない」とあります。
つまり、この映画の観客は退屈を感じているが、映画の中に映っているアンドロイドは退屈と思っていないのです

また、この映画の設定は「人間は『ワープ』という技術を手に入れているはずなのに、なぜかわざわざ何年もかかる郵便配達員(主人公)に、遠くの大切な人へ荷物を届けさせている」というものです。

これらを踏まえると、映画の主人公(アンドロイド)の思考は以下のようになります。

(1)ワープを使えば一瞬で済むのに、なぜわざわざ何年もかけて荷物を運ぶのか?
(2)長い年月を過ごすことは、人間にとって「退屈」である。
(3)私はアンドロイドなので「退屈」という概念そのものが理解できない。

このうち(1)と(2)は人間にも理解できるのですが、(3)はアンドロイドならではの思考です。

そして、この映画は、観客の「退屈」という気持ちそのものを、アンドロイドになりきって「退屈ってなんだろう?」「時間ってなんだろう?」「そして時間とともに薄れていく『記憶』ってなんだろう?」と置き換えて哲学的に考えると、とても奥深い作品になると思います。


なお、劇中で宇宙船が向かう場所(ロケ地)は、東北大震災の被災地である福島県(富岡町・南相馬・浪江町)であったりします。
それは「破壊されたもの」の象徴のような場所。そこに「贈り物(記憶)」を届けるというのは、果たして「再生」なのか、それとも別の何かなのかー。
観た後に、いろいろと考えられる楽しみがあるというのは、本作のもっともすぐれたところでしょう。
(あるいは、ラストではっきりと作品が訴えたいことがわかるかもしれません)


ただ、「退屈」を重要視した作りそのものは方法として間違ってはないと思うものの、やはりそれで単純に「おもしろい」と言うことはできません。
娯楽性はほぼ皆無、モノクロームの映像も相まって「芸術作品」という側面が強い作風は、ひどく観る人を選ぶでしょう。

『惑星ソラリス』あたりの、映像美と哲学的考察が魅力になっているSF作品が好きであれば、本作を気にいるかもしれませんね。

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※同じく「記憶」「時間」が重要になってくる作品。上映時間は165分あります。リメイク版は賛否両論。

『ひそひそ星』が、園監督が構想25年を経て結実した、「いま作りたい映画」ということは伝わってきました。
なぜなら、これはいままでの作風をガラリと変えてまで、しかも東北大震災の被災者の気持ちを汲み取っている作品なのですから。

園監督ファン、一風変わった映画を観たい方、被災された人々の気持ちに寄り添いたいと願う方に、ぜひおすすめします。

部屋~THE ROOM [VHS]
※園子温監督初期の作品『部屋/THE ROOM』もモノクローム映画でした。『園子温 監督初期作品集』に収録。

<数少ない上映館はこちら>
ドキュメンタリー『園子温という生きもの』も同時公開です

ネタバレは以下がおすすめ。結末までネタバレしています。
ひそひそ星(注意表記以降、ネタバレです): The Palantir

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2016-05-26 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『ガルム・ウォーズ』押井守流拷問映画(大酷評ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はガルム・ウォーズ(英題:Garm Wars: The Last Druid)です。


個人的お気に入り度:1/10

一言感想:愚の骨頂ではなかろうか!(←作中の台詞)

あらすじ


アンヌンのガルムのコルンバとブリガとクムタクが戦いあって、ドルイドのナシャンがキーとなる話。




うん、ぶっ殺すよ!(←対象者のいない殺意)

・・・すみません、取り乱しました。
この映画を観終わったとたん、「金返せ」「時間返せ」と呪詛のようにつぶやいてしまい、抑えようのない殺意が芽生えてしかたがなかったのです。


(COOL DOWN)


さてさて、『攻殻機動隊』『機動警察パトレイバー』で知られる押井守監督の実写映画作品です。
本作は全編がカナダで撮影された大作SF。2014年製作の映画がやっと公開されてご覧のありさまとなっております。

もうね、兎にも角にもつまらない、白目を剥くほどつまらない、ていうか苦行かな?と思うほどにつまらないので、例によって問題点を箇条書きであげます。


(1)内容が「1時間半ずっと世界の設定をしゃべるだけ」

えーこの映画92分しかないんですけど、そのうち85分くらいがこの種族がどうたら世界がどうたらの説明に始終します。
その内容にみじんも興味を持てないので地獄です。話が進み具合が20年前のマッキントッシュ並みです。


(2)固有名詞が多すぎ

なんかこの世界にはかつて8種の部族がいたらしく、コルンバやブリガやクムタクやら聞いたことねえカタカナの名前が総勢20個くらい出てきます。途中で覚えるのがめんどくさくなって脳がシャットダウンを始めた

8種の種族うちメインになるのは3種だけなんだからせめてそこだけでも省略すればいいのにな。
あと距離の単位まで固有名詞だったよな。まあ世界観を大切にしたいのはわかるんだけど、おかげで長さがわからん。

「グラから寵愛と庇護を受けられるのはナシャンだけだ!」という台詞があって、へえ、グラって何か神聖なる人物なのかな〜と思っていたら、それが犬だったときは衝撃を受けました。
犬に寵愛と庇護を受けられるのは限られた民族だけなのかーそーなのかー(棒読み)。

この印象が何かに似てるなーと思ったら、同じく固有名詞ばかりが飛び交いまくっていたゲーム『ファイナルファンタジーXIII』でした。
パルスのファルシのルシがパージでコクーンみたいな会話がずっと映画で続くと思ってください。底なしの地獄です。


(3)キャラに魅力がない

主人公の女性の造形がまんま『攻殻機動隊』シリーズの草薙素子っぽく、バトーのような男性パートナーも出てきます。
それはいいんだけど、だいたい世界の設定をくっちゃべっているだけだから魅力がじぇんじぇんありません。

エイリアン2』のランス・ヘンリクセンビショップの人)が出演されていますが、ずっとしかめっつらで世界の設定をくっちゃべっているどうでもいいジジイ役だったので絶望しました。この映画で唯一魅力的なキャラは犬です


(4)声にエフェクトをかけすぎて聴き取りづらい

多くの劇場で公開されているのは、鈴木敏夫がプロデュースを務めている日本語吹き替え版です。
※TOHOシネマズ六本木、TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズ 天神では貴重な字幕版が上映されています。

まあ中盤までは問題ないんだけど、終盤のあるキャラの声がエフェクトをかけすぎて聞き取れない
まあ聞き取れたところで、内容はどうせ理解できないがな!


(5)そもそも話がつまらない

大部分が「世界の説明」なわけで本気でおもしろくないんです。複雑な設定をすべて説明して、それで魅力を感じられるはずがありません。

まあさすがに終盤には話が動くのだけど、1ミクロンも納得できないツッコミどころが押し寄せてきたのでさらに絶望しました。
終盤10分の展開のスジの通らなさはすごすぎる。映画が終わった瞬間の劇場の戸惑いは半端なかった。
ク◯映画フリークはこのために1時間半の苦行を我慢する価値があるとさえ感じました。


もうね、この映画は押井守の悪いところだけだけを純粋培養したようなブツなんですよ。
押井守監督作品には深い哲学的な思考や、行きすぎたネットワーク社会への警鐘などが込められており、それは作品の魅力でもあるのですが・・・その反面、説明的すぎて好き嫌いの分かれる要素になっています。
で、その「説明的すぎ」だけが培養されるとこうなるというわけですよ。

本来であれば、ほかの押井作品のように深い考察をして味わうべきなのでしょうが、上記の(1)~(5)の要素がキツすぎて、頭に入ってこないのでどうしようもありません。

押井監督はもともと万人に受け入れられる作品を手掛けようとはしない方なんだけど、今回はファンすらも絶望するのではないでしょうか。
まあすでに『アサルト・ガールズ』という大駄作の前科があるので、ファンは「知ってた」状態なのかもしれません。

アサルトガールズ [DVD]<70分しかないけど3時間くらいに感じる映画

押井守イズムを存分に感じられるということは、ファンにとっては好きになれる要素なのかもしれないけど・・・。

『劇場版 パトレイバー』や『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』がとてつもなくおもしろい映画になっていたのは、既存の作品のため「世界観の説明」をする必要がなく、ドラマ部分に注力できたためでもあるのでしょうね。

あと、日本版の予告の出来がすこぶる悪いのも気になりました。なぜ虚淵玄によるキャッチコピーを2回も(しかも同じ演出)で流すのか。



えーと、せっかくなんで『ガルム・ウォーズ』のいいところも挙げておきますね。

・CGの戦闘シーンは前時代的でチープだけどそんなに悪いとは思わない
・戦闘マシーンの造形もいい(一部の絵コンテを樋口真嗣が手がけている)
・総じてビジュアルやアクションに見応えはある
・日本語吹き替え版声優の熱演(朴璐美さんなど豪華)
川井憲次さんによる音楽
・ワンちゃん(バセット・ハウンド)がかわいい

以上となっております。

また、さんざん「説明多すぎ」「固有名詞多すぎ」とは言ってきましたが、基本的な情報は冒頭のナレーションで示すなど、混乱しないような工夫は「一応」されていました。
メインのストーリーラインも「仲間が集って旅をする」「自己の存在意義と戦う理由を模索する」というわかりやすい流れがあるので、決して難解ではないと思います。
小説で補完すると、より世界観を理解できるかもしれませんね(自分はしたくないです)。

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押井 守
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この『ガルム・ウォーズ』で、否応なしに『ファイナルファンタジー(映画)』と『ジョン・カーター』を思い出しました。

ファイナルファンタジー [DVD] ジョン・カーター 3Dスーパー・セット(3枚組/デジタルコピー & e-move付き) [Blu-ray]<個人的にはどちらも嫌いじゃないです。

どちらも「世界観を説明しまくっているうちに上映時間を消費」「お金をかけまくったうえにコケてギネス級の大赤字」ということが共通しています。
ちなみに『ガルム・ウォーズ』は構想に15年、製作費に20億円をかけたんだって。バブリーですねー(棒読み)。


結論としては『アヴァロン』あたりの押井作品が好きな人はまあまあ楽しめるかもしれないけど、いままで押井作品を観たことがないような方にとっては1ミリたりともおすすめできない、というところ。
あとはク◯映画成分をたまに摂取したい危篤奇特な方のみにおすすめします。

そうそう、公式サイトのイントロダクションでは、なんかマイナンバーが世界が直面している絶望であると書かれていました。

ガルム・ウォーズイントロダクション

どういうところでプロパガンダ(政治的宣伝)を仕込むのはやめてくれませんかね。

エンドロール後にもおまけがありますが、なんかもうどうでもいいです。

以下、結末も含めてネタバレです どうかしているラストのみ書きます↓ 押井守ファンの方および、この映画が好きな方には本当にごめんなさい。

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2016-05-24 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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『ヘイル、シーザー!』ミュージカルシーンの意味とは?(ネタバレなし感想+人間映画Wikipediaによるラジオ解説)

今日の映画感想はヘイル、シーザー!です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:予告詐欺じゃん、超ゆるいじゃん

あらすじ


1950年代のハリウッドにて超大作『ヘイル、シーザー!』の撮影中、世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐されてしまう。
貧乏くじを引いてばかりの何でも屋のエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)は、若手女優(スカーレット・ヨハンソン)やミュージカルスター(チャニング・テイタム)などの個性豊かな俳優たちを巻き込み、ウィットロック奪還に向け奔走する。




ノーカントリー』『トゥルー・グリット』のコーエン兄弟監督最新作です。

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本作を紹介する前にひとつ主張したい。
予告編でね、こういうこと言っているんですよ。

「大捜索で頼れるのは、個性あふれるスターたち」

はい、これね、かなりウソです
本当はスターたちはまったく頼りにならず、ハリウッドの何でも屋と呼ばれるジョシュ・ブローリンがひとりで地味に奔走するゆるいコメディ映画となっております

また、50年代のハリウッドの事情を知らないと、ちょっと飲み込みづらい内容にもなっています。
当時の事情を簡単に書くと、以下のようになります。

(1)当時はテレビが普及により、映画の興行収入が減ったため、より集客を見込める歴史ものなどの大作が多く作られていた。
(2)製作会社が新規参入をさせないためにスタジオのシステムを構築していたものの、独占禁止法で裁判沙汰になることもあった。
(3)冷戦の影響もあり、共産主義またはその同調者を弾圧する「赤狩り」がハリウッド映画界にも広がっていた。

※以下の意見をいただきました。
劇中でローマ史劇が作られた理由はふたつあります。
1.ローマ史劇でキリストの映画作れば儲かるし、キリスト教やユダヤ教の教義が教えれるという側面がある。
2.基本ローマでロケできるために費用がかからないし、当時イタリアの法律でイタリア内の興行成績の税が抜かれるので金をかけられるし、イタリアはムッソリーニ体制をほぼ無傷で倒したためイタリアの映画産業は復興したから。


これだけ知っておけば、それなりに当時の事情を把握しつつ、楽しく観ることができるのではないでしょうか。

この映画を売るために「豪華キャストの共演!」「まさかの大スターの誘拐(それを大捜査するミステリー)!「華やかなハリウッド!」を推すのはわかるんですけど、実際の映画とは雰囲気との乖離がありすぎです。
ミステリーや華やかさは期待せず、当時のハリウッド事情をいじりまくったゆるゆるコメディと思って観ることをおすすめします

今回は、20代半ばにも関わらず1950年代のハリウッド映画も観まくっている変態人間映画Wikipediaの成宮秋祥さんに解説していただきました。
以下の再生ボタンを押してお聴きください。



※ラジオ後半にはネタバレがあるのでご注意を。ネタバレをする際には「(ここから)ネタバレです!」と警告しています。

いやあ、自分は「チャニング・テイタムのミュージカルシーンがすげえ楽しいけど、話と関係ねえ!」と思っていたけど、当時の事情を顧みると意味があるんだという解説に目からウロコでした。


※そのミュージカルシーン(冒頭のみ)

たくさんの補足情報がありますので、以下の用語集も合わせてお楽しみください。

【用語集】
赤狩り(マッカーシズムとも呼ばれる。1950年代のアメリカの共産主義者またはその同調者に対する取り締まり運動)
ヘイズ・コード(映画における検閲制度、1950年代後半から廃止)
トーマス・エジソン(言わずと知れた発明王。世界初の映写機キネトスコープも発明していた)
エディ・マニックスメトロ・ゴールドウィン・メイヤーの副社長であった、実在の人物)
オールデン・エアエンライク(本作でカウボーイを演じた若手俳優。12月16日公開の『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』に次ぐスピンオフ第2弾で若き日のハン・ソロを演じる)
ジョージ・リーヴス(テレビシリーズ『スーパーマンの冒険』でスーパーマン役を演じた)
エリア・カザン(『エデンの東』の監督)
ダルトン・トランボ(『ローマの休日』の本当の脚本家)
ロイ・ロジャース(“キング・オブ・カウボーイ”と呼ばれた歌手兼俳優)
ベン・ジョンソン(『黄色いリボン』などに出演。『ラスト・ショー』でアカデミー助演男優賞を受賞した)
ジーン・ケリー(伝説的なミュージカル俳優)
ローレンス・オリヴィエ(シェイクスピア俳優としても有名。バイセクシュアルであった可能性がある)

【映画集】
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映画1本を語るだけでこんだけいろんな用語や映画が出てくるのが、人間映画Wikipediaであるゆえんです。

そして、7月22日にダルトン・トランボを主人公にした『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』が公開予定です。こちらも合わせて観るとより楽しそうですね。


↓以下はラジオ中にあげた「ハリウッドの内幕もの」の映画3本を紹介しています。なるべくラジオを聴いてからどうぞ

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2016-05-24 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』再上映決定! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(5月14日~5月20日)

7月1日(金)公開の映画『ブルックリン』を試写で観ました。

Brooklyn

「若い女性が新しい地・ニューヨークで暮らしはじめる」という、ありていに言えば地味な作品なのですが・・・そこでの出会いや軋轢、登場人物の成長が、多くの方に共感できる作品に仕上がっていました。
Rotten Tomatoesで97%という超高評価にも納得。『ズートピア』と同じく「別の世界に出てきたばかり」の女性は必見といえるでしょう。

あと、エモリー・コーエンという若手俳優演じる青年が性格を含めてイケメンなのが素敵。ていうか男なのにセリフがめっちゃかわいくて萌えるので、男女問わずキュンキュンしたい方もぜひどうぞ。


そんなわけで、毎度金曜日の夜ギリギリに更新するので、ブログ読者の「いいこま」さんから毎回心配されてしまう、1週間ぶんの映画ニュース&ブログ記事のまとめです。

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2016-05-20 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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『殿、利息でござる!』兄弟が目指したもの(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は殿、利息でござる!です。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:おもしろいけど、ちょっと演出が長いかな……

あらすじ


仙台藩では重税が百姓たちに課されていたため、破産と夜逃げが相次いでいた。
さびれた町の将来を心配する五穀屋 十三郎(阿部サダヲ)は、知恵者の篤平治(瑛太)から復興の秘策を聞く。
それは、殿様に大金を貸し付け利息を巻き上げるという、百姓が搾取される側から搾取する側に回るという、逆転の発想だった。




ゴールデンスランバー』『残穢【ざんえ】 ‐住んではいけない部屋‐』の中村義洋監督最新作であり、磯田道史による小説を原作とした時代劇です。

無私の日本人 (文春文庫)
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事実上、『武士の家計簿(こちらも磯田道史原作)』、『武士の献立』、『超高速!参勤交代』に続く、「ユニークな切り口で描いた時代劇シリーズ」と考えて差し支えないでしょう。
この松竹による企画はアタリで、どの作品も年配層のお客をたくさん呼びこめているようですね。


さてさて、本作は一見するとコメディのようですが、じつはヒューマニズムに溢れた感動作になっていました。
「殿様に大金を貸し付け、利息を巻き上げる」という計画は一見してムチャクチャで、しかも動議にも反するようですが、じつはさまざまな「正義」の思想が入り混んでいるというのがミソ。
つぎつぎと登場人物の過去や、いまの想いが明らかになっていく様は、多くの方の心の琴線に触れることでしょう。

さらに、本作で告げられた問題点は、いまの時代にも当てはまるというのが素晴らしいですね。
庶民には重税が課せられ、上の役職にいるものが甘い蜜を吸える、という社会的構図はどの時代でも、どの場所でも起こりうる普遍的な問題。
人情劇を展開しつつ、確かなメッセージ性もある物語なのです。

濱田岳のナレーションにより、当時の用語がわかりやすく解説されているのも長所ですね。
とくに当時の貨幣価値の概算をしてくれることで、この計画がいかに困難なものであったかが理解できるようになっています。


難点は、上映時間が2時間9分と長めで、明らかに演出が間延びしていること。
これまでの中村義洋監督ではあまり「ダレ」を感じたことはなかったのですが、今回はカット割りや演出が「丁寧」すぎて、テンポの悪さを感じてしまうのです。
豪華キャストの出演は大きな魅力になっていますが、一辺倒な芝居が多すぎるきらいもあります。

さらに、物語にはほぼ「痛快さ」がありません
「機転により一発大逆転!」のような知恵はほぼ皆無。
うわさ話が広がっていく一連のシーンにはあまりおもしろみを感じなかったりもします。
登場人物がやっているのは、よくも悪くも「地べたをはいくつばってでも殿様に大金を貸し付けるために銭を集める」という「我慢」がほとんどなのです。
この観る前のイメージとのギャップは『マネー・ショート 華麗なる大逆転』をほうふつとさせました。

この長めの演出と、我慢し続ける物語が合わさっているため、どうしても飽きがちになってしまうのです。
今回はご年配の方も観る時代劇ということで、そのことも考慮もあった(テンポをゆったり目にする)と思うのですが・・・バランスの悪さは否めないですね。

※以下の意見をいただきました。
2時間越えの上映時間は、寧ろ良い点として感じました。というか、短いくらいかとさえ思いました。
劇中のテロップでもわかる通り、金が貯まり、歎願を出すまでには長い年月が掛かっています。しかもその歎願も一度は蹴られ、二度目には受理されるも新たな問題を突き付けられ、実際に利子で村が動くようになるまでに更なる時間を経ています。
そういう重みのようなものを感じるためにも、そこまでサクサクした物語は似合わない。ただ、重過ぎるのも冗長すぎるのも大衆向けの色を失わせてしまう。そうしたことを考えると、この尺は必要だったのではと思うのです。


個人的には、最後の1シーンも蛇足に思えてしまいました。
これは完全に好みの問題ですね。


そんな難点はありつつも、
若手俳優(千葉雄大など)やフィギュアスケートの羽生結弦が出演するというサービス、
ベテラン俳優の演技合戦(個人的に軽薄すぎるキャラの西村雅彦が超好み)、
何よりも人情味溢れる物語、
などの魅力がたっぷりの作品です。


※この若いイケメンふたりにきゃーきゃーできるよ!

個人的には『武士の家計簿』『武士の献立』よりもかなり好きになれました。
現代にも根付く「問題」を考えられる映画としてもおすすめします。

余談ですが、RCサクセションによるエンディングテーマ『上を向いて歩こう』がアレンジしすぎで笑ってしまいました。

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※冒頭部分だけが視聴できます。

時代劇とギャップがあるようで、でもどことなくハマっているのが不思議ですね。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください いきなりラストシーンに触れています↓

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2016-05-20 : 映画感想 : コメント : 8 : トラックバック : 0
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映画版『世界から猫が消えたなら』世界の秘密(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は世界から猫が消えたならです。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:作品の特徴そのものが苦手だなあ・・・

あらすじ


平凡な30歳の郵便配達員の「僕」(佐藤健)は、ある日脳腫瘍により余命いくばくもないことを告げられる
そして、自分と同じ容姿を持つ悪魔が現れる。その悪魔は、彼の身の回りの大切なものと引き換えに一日の命をくれるというのだが・・・。




川村元気による同名小説の実写映画化作品です。

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<原作はこちらでも試し読みできます>

本作をジャンル分けするのであればロー・ファンタジー(別名エブリデイ・マジックハイ・ファンタジーの対義語で、現実世界に関連したファンタジー描写がある作品)になるのでしょう。

もうすぐ死んでしまう男の前に悪魔が現れて、1日の命と引き換えに世界から何かをひとつ消すという取引を持ちかける―というプロットは突飛ですが、それによって寓話的に大切なことを教えてくれる、というのが作品の大きな魅力となっています。


観る(または原作を読む)前に知ってほしいのは、本作が「猫が消えた後の世界はどうなるんだろう」という疑問を晴らしてくれる内容ではないということ。

劇中では猫のほかにも「電話」「時計」なども消える対象になるのですが、その消えた後の世界についての情報は「主人公の目の前の事象」にとどまっています。
自分は「電話が消えたら遠くの人との通信手段はどうなんるだろう?」などといろいろと想像してしまうのですが、作品はそうした「IF」の世界を見せてくれないのです。

「世界から何かが消える」ということは、主人公の内省を促すだけのものにとどまっており、「世界が変わる」というスケール感とは、また別の問題になっています。
この想像力の少なさは、どうしても気になってしまいます。
また、有名人の言葉の引用やオマージュがとてつもなく多く、(好きなのはよくわかるのですが)知性のひけらかしのようないやらしさも感じました。

これらは作品の良し悪しというよりは、「特徴」と言えるものなのですが・・・個人的には受け入れ難いです。
川村元気さんはプロデューサーとしての手腕のすばらしさは認めるものの、小説家としてはあまり好きになれない(『億男』もおもしろくなかった)というのが正直なところです。


さてさて、それらの作品の特徴(これは原作から)だけでけっこう好き嫌いが分かれるのですが……ごめんなさい、自分はそれ以外の要素においても、この映画が苦手でした。
理由を例によって箇条書きします。

(1)過去(回想)と現在がごっちゃに展開する構成。
中盤までは問題はないですが、終盤は「このシーンどっちなの?」と混乱してしまいます。
※「僕」の顔に貼られた絆創膏が、「現在」を示しているのではないかとコメントをいただきました。これから観る方はそこに注目してみるといいかも。

(2)感情が爆発するシーンが説得力不足
予告編で見られる「滝の前で絶叫するシーン」などが描写不足(原作からの省略)のため、感情移入しにくくなっています。

(3)展開の一部にリアリティがない
こうした日常の中にファンタジーがある作品だと、よけいに「現実」のリアリティが気になってしまうのだとわかりました。

(4)音楽がうるさい
音量のバランスが少々極端なうえ、音楽が鳴っていないシーンが少なめです。
せっかく作品に合った楽曲(主題歌含め)なのですから、これはかなりもったいなく思いました。

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(5)主人公が「そのほか大勢」のことを考えていない
「お前の命を1日延ばすけどその代わりに世界から映画を消すよ」と言われたら、「世界中のみんなに迷惑をかけたくないよ!それならもう俺死ぬよ!」とちょっとでも罪の意識を感じるのでは?
根本的に主人公の満足というか自己陶酔に終わっている物語は、どうにも好きになれなかったのです。
(ただし、この描写にも物語を反芻してみると、意味があるとも思えます)


よいところももちろんあります。
白みがかった画作りは作品の浮世離れした雰囲気に合っているし、豪華キャストによる演技も圧巻です。

主演の佐藤健はあれほどイケメンなのに、演技はしっかりイケていない平凡な青年になっていた
バクマン。』と同じく隠しきれないオーラがあるとはいえ、やはりいい俳優さんであると再確認しました。こんなところでもイケメンがヒエラルキーの頂点にいるなんて不公平だ!

映画ならではの工夫がされていたのもよかったです。
原作の悪魔はアロハシャツを着ていた不遜な性格だったけど、映画では『デスノート』の「L」と似た矢継ぎ早で話すキャラになっていたのも好き。よくも悪くも軽薄だったセリフのいくつかも変更されてますね。
「7日間」という要素も消滅し、エピソードを省略して、上映時間は103分とコンパクトになっているのも長所です(でも省略すぎなところも……)。

永井聡監督の前作『ジャッジ!』とは、まったく毛色の異なる作品になっているのもおもしろいですね。


そうそう、本作はラノベ(ライトノベル)っぽいタイトル、有名俳優起用、超宣伝しまくっているということで、映画ファンに訴求していないようなタイプに見えますが……、
じつは往年の名作映画がつぎつぎと出てきたり、ヒロインが映画館で働いていたりなど、じつは映画ファンにとってはユートピアのような作品になっています。
(そして主人公の命と引き換えに映画が消えるので、映画ファンにとってディストピアと化す!)

原作の第1章なんて、いきなり『死ぬまでにしたい10のこと』で始まってんじゃん(映画にはない)。

それはいいんだけど、『メトロポリス(アニメじゃないほう)』と『アンダーグラウンド』のネタバレがあるのはちょっと

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※この2作品を観ていない人はネタバレされるので要注意!

そういえば、『恋人たちの予感』の「本を買うとまず結末を読む」という言葉も引用されているけど、それは「ネタバレしてもOK」な価値観を押し付けるようでこれまた嫌だったなあ。
こんなネタバレも書いているブログを運営していてなんですが……こうした「予期しないところでのネタバレ」があるのはかなり残念でした。


そんなわけで、自分は「作品の特徴そのものが好きになれなかった(+α)ために低評価」という単純な帰結なのですが……その反面、そもそもの設定が気に入ったのであれば十分満足出来る映画になっていると思います。

何より、そのメッセージ性はとても尊いもの。
主人公が死の淵にいるという物語を観て、逆説的に自分はもっと生きたくなる、という内容はとても志が高いものです。

ちょっとセンチメンタルな気分になりたい方、「生きる意味」を考えたい方、役者のファンの方にはぜひおすすめします。
あと猫がめっちゃかわいいよ!(←これかなり重要)

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-05-19 : 映画感想 : コメント : 13 : トラックバック : 1
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「映画についてゆるせない話」を映画ファンみんなで語り合いました(ラジオを公開)!

映画『テラフォーマーズ』のネタバレ全開ラジオトークに引き続き!
映画ファンが熱烈に語った「映画についてゆるせない話」をラジオとして公開しました!



参加してくださったみなさん、ありがとうございました!
みんなの怒りが聞けて、うれしい限りです。

【ラジオの補足情報】
スター・ウォーズ女子は実際にネットで嫌われまくっていた。
※スター・ウォーズ女子に関しては、熱烈なSWファンこそ間口を狭めず、もっと広い心で受けとめてあげて欲しい!とのご意見をいただきました。グッズを買ってお金使ってくれてるし、もしかしたらツムツムから本気のSW好きになるかもしれないし!
・最近はハリウッド映画の『エベレスト 3D』と、超珍作の日本映画『エヴェレスト 神々の山嶺』が公開されていました。ややこしい。
ザック・スナイダーは『バットマン vs スーパーマン』の監督です。
ザック・スナイダーの失言に『キャプテン・アメリカ』のバッキーを演じるセバスチャン・スタンが反論しています。
・『ガッチャマン』と『デビルマン』を盛大にネタバレしちゃっているけど、別にいいよね!
・『ザ・ガンマン』や『アイアムアヒーロー』にも微ネタバレがあると言えるのでご注意を。
・『X-ミッション』の劇中では「オザキ8」と呼ばれるキチ◯イじみたチャレンジが描かれます。そしてエンドロールが長い。
・「映画味噌汁」のツイートは以下です。すげえ炎上していた。

・『死霊の盆踊り』は史上最低の映画として超有名です!

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↓以下からは、簡単に「『テラフォーマーズ』について語る+α会」の模様をお届けします。

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2016-05-14 : いろいろコラム : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『デッドプール』の宣伝が素晴らしすぎる件 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(5月7日~5月13日)

6月18日公開の『貞子 vs 伽椰子』を試写で観ました。

貞子VS伽椰子 (角川ホラー文庫)

えーと観た感想ね、とりあえず白石晃士監督はあたまがおかしい(超ほめてる)と思います
試写ではとある箇所をぜったいにネタバレしないでくださいとクギをさされたけど、確かにこんなのネタバレしたら末代まで呪われなきゃいけないレベル。その衝撃は『シックス・センス』『ユージュアル・サスペクツ』『セッション』をはるかに超えた
観終わったあと後ろを振り向くと、みんながニコニコしていたのもステキ。世界中のみんなが幸せになれる映画だと思う。ちなみに自分はお腹が痛くなりました(笑いすぎて)。
そんなわけですげーおもしろかった。超オススメです(長い挨拶)。

そんなわけで、1週間の映画ニュース&ブログ感想まとめです。

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2016-05-13 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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映画『ヒーローマニア 生活』ヒーローものを否定するな!(大酷評ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はヒーローマニア 生活です。


個人的お気に入り度:1/10

一言感想:『キック・アス』と福満しげゆきが大好きな俺に謝れ

あらすじ


30歳フリーターの中津(東出昌大)は、ある日ニートの土志田(窪田正孝)、情報収集力に長けた女子高生のカオリ(小松菜奈)、ハンマーをふるって若者を襲う会社員のオジサン(片岡鶴太郎)と出会い、自警団を結成する。
その活躍をみた浮浪者の宇野(船越英一郎)は、彼らに自警団を警備会社へと拡大する話を持ちかける。




福満しげゆきによる漫画『生活』の実写映画化作品です。

生活【完全版】 (KCデラックス モーニング)
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※アマゾンレビューには「映像化してほしい」の声が多数。自分もそう思っていた(過去形)。

とりあえず原作のことは置いておいてこれだけは言わせてくれ。
この映画は超不愉快だ!と。

なぜそう思ったのか・・・とりあえず箇条書きであげさせてください。

(1)後半の展開がひとつも納得できない
「なぜ登場人物がそのような行動をするのか」さっぱりわからない展開が続くので頭に「?」が出まくりです。
これ見よがしな伏線がいくつも込められているものの、メインのストーリーラインがあまりにも不自然です。
これでは何がどうあろうがカタルシス(爽快感)などあるはずがありません。

(2)キャラクターが不愉快すぎる
どれだけ小松菜奈のファンであろうとも、この映画の彼女のキャラを好きになれる人は皆無でしょう。◯ッチとかそういうレベルじゃない。
船越英一郎さんは楽しそうだけど、出てくるたびにスクリーンから顔を背けたくなった。怪演とかそういうレベルじゃない。

小松菜奈 first photo book 18 船越英一郎の京都案内<このふたりのファンをやめたくなるレベル

あと南海キャンディーズのしずちゃんの役回りもすさまじく不愉快。
これはもう弱者に対するいじめにしか見えないよ!

(3)作品の精神性がひどく間違っている
これが個人的にいちばん大っっっっっっっっ嫌いな要素。
ネタバレなしで伝えるのは難しいのですが、とりあえず「正義なんかどこにもなかった」とだけ言っておきます。


あのね……自分は本作にとても期待をしていたのですよ……「和製『キック・アス』」のようなおもしろさがあるんだと思っていたんですよ……。

キック・アス (字幕版)
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『キック・アス』はヒーローものを茶化しながらも、非リア充のオタクが本当のヒーローを目指すプロットに熱くなれ、爽快感抜群、なおかつ皮肉にも満ちた傑作でした。

本作『ヒーローマニア 生活』のイントロダクションでは、プロデューサーが製作の話に乗ったのは『キック・アス』が日本でもヒットしたことが理由と書かれています。
「日本で『キック・アス』が作られるなんて!」と映画ファンを期待させておいてご覧のありさまだよ!


また、原作の『生活』および、福満しげゆき作品のおもしろさも描けているのはいい難いところがあります。
というか(『生活』は今回初めて読んだけど)自分は福満しげゆきさんが大好きなんですよ!

僕の小規模な生活(1) (モーニングコミックス)
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福満さんのエッセイマンガには「どうせ僕なんか」「あの人は◯◯なんだな……」と自問自答が繰り返され、リア充への妬みや嫉みが出まくっており、負け組の味方っぽさがすごくあるんです。

『生活』の原作マンガにおいても、主人公たちは若者をボコボコにしまくるという反社会的行動をとるので、「オレたちがやっていることは快楽犯のような犯罪行為なんだぞ。いわば変態なんだ」とか、「ぼくらがやっていることなんてカスみたいなもんすよ」とか、すげえ自己を卑下しまくっています。
(映画の予告編にある「中津さんはボクのヒーローです!」なんてセリフはあるはずがないのです)

そういうダメ人間が自警活動という名の犯罪行為を繰り返すことへの「後ろめたさ」が原作『生活』の大きな魅力だったと思うのですが、映画『ヒーローマニア』ではみんなノリノリで自警活動をしまくっています
東出昌大演じる主人公なんか、テレビで自警活動を糾弾されると「おおげさだなあ」とヘラヘラ笑いながら言っていたしな。原作への冒涜レベルじゃねーか(小松菜奈と船越英一郎に負けず劣らず、こいつも不愉快です)。

「原作とテイストを変えた」と納得するべきなのかもしれませんが…・・・やはり福満マンガならではの「オフビート」「登場人物の自問自答」という魅力がスポイルされているのは残念でした。
原作は社会への反骨精神を「生活」というタイトルに根ざして、あくまで日常っぽく描くすごくシュールな作品なんです。映画はそうとは思えないよなあ・・・


よいところは、窪田正孝片岡鶴太郎のふたりが演技面でもアクション面でも素晴らしい存在感をみせていたこと。彼らはキャラクターとしてもちゃんと好きになれます。
窪田さんはオタクっぽいニート役がハマっているし、片岡さんは還暦を越える年齢ながらプロボクサーの経験を生かしたキレのある動きをみせています。

アクションには、カット割りが多すぎ、カメラ動きすぎで見にくいという欠点があるけど、このふたりの活躍を期待するのであれば十分満足できるのではないでしょうか。

物語が不愉快とはいえ、テンポよく進み、「コミックらしさ」のある演出もうまく機能しているので、退屈することもあまりないでしょう。

不遜な若者たちが跋扈している世界観は幼稚ですが、これは「極端な描写」として100歩譲る程度で許せます。

あと、(これは原作からもそうなんだけど)カナヅチをフルスイングして相手を殴ったのに、血すら出ないのもどうかと。
品川監督の『ドロップ』でも「金属バットで人を殴ったら死ぬだろ!」と思ったなあ。
ああいう「暴力を振るっても傷つかない」というのは、血が出まくりの『キック・アス』よりも、ある意味で教育上悪いと思います。


あとはね、もうなんか悲しいです。
「負け組のフリーターやニートが本当のヒーローになる!」という(はずだった)プロットには好きな要素しかないですし、メインキャストも大好きな方ばかりです。
企画が始まってから完成に5年を費やしました。
豊島圭介監督もあらゆるジャンル映画への造詣が深い方であったはずなのに……
そうであるのに、作られたのが不愉快な駄作というのは……もう涙が出てくるくらい悔しいです。

オススメはしませんが、『渇き。』をはるかに超えた嫌悪感を小松菜奈さんに感じたい方、船越英一郎さんを嫌いになりたい方、東出昌大さんのクズっぷりを見たい方、それ以外の俳優のファンはぜひどうぞ(役者に罪はいっさいないと思う)。
怒り狂われても責任は取りません

以下、結末も含めてネタバレです。この映画への怒りをすべてぶちまけます↓

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2016-05-13 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『ヴィクトリア』演出とテーマとの“親和性”を語りまくってやる(映画ネタバレなしラジオトーク)

今日の映画感想はヴィクトリアです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:人生が変わる一夜だった

あらすじ


ヴィクトリア(ライア・コスタ)は3ヵ月前に母国スペインのマドリードを後にして、単身ベルリンでの生活を始めていた。
夜明け前、踊り疲れて帰路につこうとしたヴィクトリアは、路上で地元の若者4人組に声をかけられる。
ヴィクトリアはドイツ語をしゃべれなかったが、ぎこちない英語で会話を交わした彼らは意気投合していく……




※自分は大絶賛していますが、世間的にはそれなりに賛否両論の映画です。
(終盤のあるバカげた行動をみて、感情移入できないという声が多い)
気に入らなかった方は、ぜひコメント欄にいただいた否定的な意見もお読みください(ネタバレあり)。


観ろ

もうね、5月の気になる映画一覧でもうすでに本作の特徴を説明しているのに恐縮ですが、劇場情報だけを知って観て欲しいんですよ。

【映画『ヴィクトリア』を観る前に知って欲しいこと】
・ぶっちぎりにすごい映画だ!
・序盤がちょっと退屈?いやいやこれは必要不可欠なんだよ!
<劇場情報>←クリックして確認しろ!

以上となります。

本作はあまりにも「SUGEEEEEEEEEEEE!」という気持ちが大きかったので、ラジオとして収録をいたしました。
ぜひ以下の再生ボタンをクリックしてお聞きください。ネタバレはありませんよ!



※人間映画Wikipediaの成宮秋祥とバトルをしております。

なぜ本作を予備知識なく観て欲しいのか?ということは、ラジオでの後半部分でも解説しております。
もちろん特徴を知っていても最高の映画ですが、何も知らない友だちを劇場に連れてきて、驚かせてもいいかもしれませんね。

↓以下はラジオの補足情報。ネタバレはありませんが、映画の特徴は書いています。ラジオを聴きながらAmazon.comリンクの作品情報やレビューを読むと楽しいかもしれません。

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2016-05-10 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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『ズートピア』は吹替版と字幕版では訴えられていることが違った!+英語の名セリフはここで読めるよ!

絶賛の嵐が止まないアニメ映画『ズートピア』。
ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルの週間映画批評「ムービーウォッチメン」でも熱烈にその奥深さが語られていました。


宇多丸師匠の、スタッフに最大の敬意を払った語り口が素晴らしいですね。前田有一とは大違いだぜ!


さてさて、本作は1度や2度だけでなく10回くらい観ろ、少なくとも字幕版と吹き替え版は両方観ろ!と声を大にして言いたい!
その理由は以下に書きました↓
<『ズートピア』は吹替版と字幕版では訴えられていることが違う!?それぞれのバージョンでわかる表現のまとめ | シネマズ by 松竹>
(記事の1ページ目には軽めのネタバレが、2ページでは重大なネタバレがあるのでご注意ください!)

まあようするに吹き替え版と字幕版でそれぞれ気づけることがあるし、ジュディ(主人公)とニック(相棒)のイチャイチャは英語でも日本語でも楽しまなければ損なんですよ!


※ディズニー史上、稀にみる年齢設定ですよね。

そして、首都圏にしか字幕版の上映がないのがもったいない。確実にリピーターを増やせる材料なのに!なぜだ!!!!!!


なお、映画情報&批評サイトのIMDbでは、作品ごとのページで「Quotes」をクリックすると、作中の名セリフ(英語)を読むことができます。
『ズートピア』はまさに名言の宝庫。映画を観た方はぜひ反芻してみることをおすすめします。

Zuutopia (2016) - Quotes - IMDb(超絶ネタバレ注意)

なお、今回のシネマズ by 松竹の記事を書けたのは、映画友だちの民朗さんとラリーBさんにすんばらしいご意見をいただいたからだったりします。本当にありがとう!

映画本編のレビューはこちら↓
『ズートピア』差別と偏見を描いた大傑作の理由を全力であげてやる(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
2016-05-08 : いろいろコラム : コメント : 2 : トラックバック : 0
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映画『テラフォーマーズ』三池監督ファンには中途半端すぎ?(ネタバレなし感想+映画ファンによるネタバレ全開ラジオトーク)

今日の映画感想はテラフォーマーズです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:ツッコミどころ満載だけど楽しいじゃん

あらすじ


有名俳優が火星に行って進化したゴキ◯リにぶっ殺されまくる話。




同名の人気コミックの実写映画化にして、三池崇史監督最新作です。


えーと、前評判が悪すぎて震えていまして、ク◯映画フリークとしてワクッワクしながら劇場に行ったのですが、意外とおもしろくてがっかりですね(どうかしている発言)。

<ネタバレなしで個人的によいところと悪いところを箇条書き>

【よいところ】
山P(山下智久)がすごくがんばっている
・昆虫の能力を使ってのバトルはそれなりにおもしろい
池田秀一さんのナレーションが素敵
・原作1巻のエッセンスはちゃんとある
・三池崇史監督らしい悪趣味さ満載
G(全年齢)指定の限界にチャレンジしたグロ描写

【よいとも悪いとも言えないところ】
・日本映画によくある「自分の気持ちベラベラ」「大仰なセリフ」には“特撮もの”っぽさがあるのでそれほど気にならなかった。そのため山Pの恥ずかしいセリフもアリ。
・有名俳優がつぎつぎに退場していく出オチ感(楽しいけど裏を返せば無駄使い)
・◯キブリたちの黒くてヌメヌメ感が抑えめ
地球の景色がまんま『ブレードランナー

【悪いところ】
・オール・アラウンド・ツッコミどころ
山Pと山田孝之以外の俳優たちが大根演技に見えてしまう謎現象が発生
・特殊メイクや舞台(火星)のセットがチープ(予算不足)
・終盤でやけにテンポが悪くなる(三池監督にはよくあること)

そして・・・もうね、全編においてスベらされる小栗旬がかわいそうでしかたがなかったです。

小栗旬テラフォーマーズ※画像出展はこちら

なんだろうあれは。あんなんやらされたら誰でもスベるに決まってんだろ!
あのギャグをやったときの劇場の沈黙はトラウマになるレベルだよ!

ちなみに、小栗旬さんの最近のフィルモグラフィーはこんな感じです。

【小栗旬の活躍】
ルパン三世』(2014年)
ギャラクシー街道』(2015年)
信長協奏曲(コンツェルト)』(2016年)

香取慎吾なみに駄作に出演されている!
がんばれ、超がんばれ!
2016年公開予定の『ミュージアム』には期待しています!


さてさて、今回は映画『テラフォーマーズ』に文句を言う(または褒める)映画会の模様をラジオにて公開しました。
総勢17名(終盤にひとり追加)の映画ファンによる熱烈トークをお楽しみください!
(Youtubeでアップいたしました)
(もちろん、内容はネタバレ全開だよ!)



DEAD OR ALIVE~犯罪者~』のネタバレにP音を入れるなど、編集しております(『ディープ・ブルー』はまあネタバレと言えるレベルでもないのでそのまま収録)
「三池監督ならもっとめちゃくちゃやってくれよ!」「渋川清彦の扱いが酷すぎるだろ!」という意見が多くてうれしくなりますね(笑顔)
また、このトークの後に「映画について許せない話」も収録したので、後ほど公開予定です。

あと冒頭で、参加者の点数のカウントと平均点を間違えています・・・すみません。
実際の内訳は以下!

10点:1人
9点:0人
8点:1人
7点:1人
6点:3人
5点:4人
4点:3人
3点:2人
2点:0人
1点:1人
0点:1人
平均:4.9点

ああ、うん、妥当な点数だね。

なお、以下の映画ブロガーさんにも参加していただきました。

・「キネマ・アイランド」のてくのすけさん
・「チェ・ブンブンのカルチュールフランセーズ」のche bunbunさん
・「湿った火薬庫」の梶原一郎さん
・「通りすがりのいがぐり日記ver.2」のいがぐりさん※テラフォーマーズの感想(ジャパンプレミア時)はこちら

本当に、ありがとうございました!
あと小栗旬以上にスベった人間映画Wikipediaの成宮秋祥さんにはよく言って反省させておきます。


ちなみにラジオ内でryosukeさんがド忘れしていた映画は以下です。

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『テラフォーマーズ』がこれと同レベルということがとてもわかりやすいですね。


あと、会が終わった後、みやちゃんさんから以下のツッコミを追加でいただきました。
いやね、小栗旬は劇中で「このジャケットどうかな?」とことあるごとに聞いてきて映画の雰囲気をお寒くしてくれるのですけどね……。

小栗旬ジャケット テラフォーマーズ※画像は予告編より

うん、ごもっともです

結論:大幅に劣化した『エイリアン2』を期待する人にはそこそこオススメ。でもほかの傑作映画を観たほうがいいよね!


※脚本を手がけた中島かずきさんによるアニメ。これは大好きでしたよ↓

文章での感想はこのあたりで。PG12指定でもいいよね↓
「テラフォーマーズ」感想-映倫は死んだ – 頭の中もハッピーな人

世間的にはだいたいこんな感じの酷評(ネタバレ全開)
家に居た方がよかった - ユーザーレビュー - テラフォーマーズ - 作品 - Yahoo!映画

以前も紹介したド酷評記事。たしかにマリコ様と太田莉菜はシオカラーズっぽかった↓
さぁ、ふるえるがいい(寒さで)。映画「テラフォーマーズ」|忍之閻魔帳

順序立てて問題点を指摘したくなりますよね↓
『テラフォーマーズ』 この映画にはいくつか問題がある。それはどこから生まれたものか、順番に考えていきたい(柳下毅一郎) | 柳下毅一郎の皆殺し映画通信

こっちは「登場人物の気持ちベラベラ」がシンドイ作品↓
dtvドラマ『テラフォーマーズ 新たなる希望』は林遣都と菅谷哲也ファンにとって必見作!

三池監督に期待しているのはこういう映画なんだよ(たぶん)↓
人類には早すぎる映画『極道大戦争』ネタバレなし感想+(中盤まで)ネタバレレビュー

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2016-05-07 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
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辛口ブロガーも『ズートピア』を大絶賛! 映画ニュース&ブログ感想のまとめ(4月30日~5月6日)

いろいろなことがあって神奈川県茅ヶ崎に引っ越しました。
意外とシネコンが近くてよかったよ!周りがアウトドアな人ばかりでインドア派には肩身が狭いよ!(挨拶)


↓そんなわけで以下映画ニュースとブログ記事のまとめです。

<映画ニュース>

2006年の映画「DEATH NOTE」二部作がGYAOで無料配信中
これは太っ腹。5月17日までの期間限定です。

(追記)「クレヨンしんちゃん」ぶりぶりざえもんが16年ぶり復活 5月13日放送回で - ねとらぼ

映画ネタじゃないんだけどこれは興奮せずにはいられなかったので……知らない方に説明しますと、ぶりぶりざえもんは声優の塩沢兼人さんが亡くなられてからしゃべらなくなったキャラなのですよ。
そして新声優は神谷浩史さんでほぼ確定。また映画にも出て、お願い。

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2016-05-06 : 映画ニュース&ブログ記事特集 : コメント : 10 : トラックバック : 0
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『追憶の森』5月病克服映画(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は追憶の森(原題:The Sea of Trees)です。


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:考えること、知ることができて、よかった。

あらすじ


アメリカ人のアーサー(マシュー・マコノヒー)は、青木ヶ原の樹海を人生の終着点にしようと決め、日本にやって来た。
アーサーは森の中で、出口を求めてさまよう日本人のタクミ(渡辺謙)と出会う。怪我を負ったタクミを放っておけないアーサーは、いっしょに出口を探して歩き始めるが……。




グッド・ウィル・ハンティング~旅立ち~』『ミルク』のガス・ヴァン・サント監督最新作です。

本作の舞台は「自殺の名所」と知られる富士の樹海こと青木ヶ原
その「死に場所」で語られる心変わりと、過去の描写が大きな見どころとなっている、ヒューマンドラマに仕上がっていました。

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インターステラー』のマシュー・マコノヒーと『ラスト サムライ』の渡辺謙のW主演、『[リミット]』で脚光を浴びた脚本家が再出されるなど、話題を集める要素は存分にあったはずですが……どうやらカンヌ国際映画祭では多くの観客からブーイングを浴びてしまったようです。
IMDbでは10点満点中5.4点と酷評。ただし日本ではcoco 映画レビューで75%Filmarksで5点満点中3.6点とそれなりの評価)

ブーイングの理由は定かではないですが、Wikipediaに書かれたような「自殺のためだけに日本へ赴くという設定に合点がいきづらかった」というのであれば、自分は大いにそれには異を唱えたいです。

なぜなら、主人公は「思いつき」で「インターネットでいちばんにヒットする」青木ヶ原に赴いているから。

ファーストシークエンスで、すでに主人公が「後先を考えずに東京に行こうとしている」ことがよくわかるはずです。
死に場所を決めるためにインターネットで検索をするシーンでも「あまり深い考えを持たず」に「死ぬのにいちばんいい場所」に行こうとしていることが示されています(ちなみに「the perfect place to die」で検索すると実際に青木ヶ原が出てきます)。

この「主人公が短絡的な考えで、わざわざ遠い地である青木ヶ原に向かっている」ということは物語上でも重要になってきます
そうであるのに、「自殺のためだけに日本へ赴くという設定に合点がいきづらい」という批判はあまりにナンセンスである、と思うのです(映画の感想は人それぞれである、というのは十分承知しているのですが)。


言うまでもなく、本作描かれているテーマである「自殺」は、人生においてもっともネガティブな選択です。

『追憶の森』は決してポジティブシンキングに溢れているわけでもない、むしろ主人公の「自殺をしたい」という想いを丹念に描いているのですが……その反面、本作を観て樹海で自殺をしたくなる、という方はまずいないでしょう。
本作は自殺をテーマしている反面、じつは逆説的に自殺をしたくない、もっと生きたいと願うことができる作品なのです。


(日本では)本作をゴールデンウィーク真っ只中に公開してくれていることもうれしかったです。
「5月病」という言葉があるくらいですし、実際に平均自殺死亡数を月別にみると4・5月がピークになっているのですから。

世の中にはポジティブな気分になれる作品があり、実際にゴールデンウィークには、そうした大作or娯楽作が多く公開されています。
一方で、『追憶の森』は自分のネガティブな気持ちを映画の中に溶け込ませることができる作品です。
人にはネガティブな気持ちも、ネガティブな気分にさせてくれる映画も必要である(そういう気持ちこそ、自殺を思いとどまさらせてくれる)と思うのです。

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※右のような気持ちになりたいときもあるんだよ!


観る前に知っておくといいのは、「煉獄」という言葉。これはカトリック教において、罪を犯した死者が、その罪を清めるための天国でも地獄でもない場所のことです。
自殺者がたくさん来ている樹海は、まさに煉獄のような場所なのですね。


本作の難点は、おっさんふたりが樹海でサバイバルをしている描写が単純に退屈ということにあります(←身も蓋もない発言)。
樹海の美しい風景がそれほどクローズアップされていないこともあり、飽きやすい画(え)にもなっています。
比較するのはよくないと重々承知しているのですが、同時期に『レヴェナント:蘇えりし者』というガチすぎるサバイバル映画も公開されているので、どうしてもその魅力には乏しいと言わざるを得ません。

ガス・ヴァン・サント監督は以前にも男ふたりが彷徨い続ける実験的映画『ジェリー』を手掛けており、これも娯楽とは懸け離れた作品であるために賛否両論を呼んでいました。

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『追憶の森』の主軸は、人間ドラマであり、ベテラン俳優ふたりの卓越した演技。
サバイバルではなく、それを期待するべきでしょう。

なお、ガス・ヴァン・サント監督は『ラストデイズ』『エレファント』『永遠の僕たち』でも「(生と)死」を描いており、今回もその作家性が存分にあらわれた1本になっていると言えます。


そんなわけで、監督のファン、主演ふたり+主人公の妻を演じたナオミ・ワッツのファン、また5月病になりかけてネガティブな気持ちになっている方には存分にオススメします。

興行成績は芳しくなく、公開2週目にさしかかった金曜にもかかわらず、早くも1日1回上映になっている劇場でもあるとのことですので、ぜひ早めの鑑賞を。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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2016-05-05 : 映画感想 : コメント : 5 : トラックバック : 0
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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』萌えヒーロー決定戦(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はシビル・ウォー/キャプテン・アメリカです。


個人的お気に入り度:8/10

一言感想:みんなめっちゃかわいい


あらすじ


ナイジェリアのラゴスで生物兵器強奪を狙ったテロが発生し、キャプテン・アメリカは仲間のスカーレット・ウィッチらとともに鎮圧のため出撃する。
オーストリアのウィーンでは、国際的組織の管理下にヒーローチームのアベンジャーズを置き、許可なしでの活動を禁止する「ソコヴィア協定」の署名式が執り行われることになり……




アメリカンコミックシリーズの実写映像化作品「マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)」の「フェイズ3」の1作目、通算では13作目となる作品です。


いきなりですが、最近のアメコミヒーロー映画において、勝手ながらちょっとイヤだなあと思っていたことがありました。

それは暗ーく重ーい作品が多いこと。
ヒーローとは弱気を助け強きをくじく、困っている人たちの味方というものであったはずなのに・・・『ダークナイト』のほか、そのフォロワーとして世に出たヒーロー映画は、よくも悪くも定番のお約束を外した重圧な作品が多かったのです(そういう映画も好きなのですがBvSは嫌い)。

この『シビル・ウォー』は仲間であったヒーローチームが戦い合うという内容なので、ああ、また暗くて精神的にキツい作風なんだろうなあと思っていたらなんだこれめちゃくちゃ楽しいし笑えるじゃん

いやいや、もう意外。
今回の物語の発端は「ヒーローたちが二次的に起こした被害によるチーム内の軋轢」です。
こんなのどうあっても重い話になるだろうと思っていたのに、まさかゲラゲラ笑える内容になっているなんて、思いもしないではないですか。

なぜ笑えるかと言えば、なんだかキャラがみんなそこそこ間抜けで愛おしいから。ていうか萌えるんですよ!

[『シビル・ウォー』個人的に萌えるキャラベスト5]
1位 ヴィジョン
2位 ピーター(新スパイダーマン)
3位 バッキー(ウィンター・ソルジャー)
4位 スコット(アントマン)
5位 ワンダ(スカーレット・ウィッチ)

まあ、みんながカワイイんですけどね!


※チームのリーダーですらカワイイんだから困る。

いままでMCU作品のベスト・オブ・萌えキャラはロキさまだと思っていたのですが、それに匹敵するキャラが3人もいるとかねえ、もうねえキュンキュンしまくりでしたよ。

HT アベンジャーズ ロキ LOKI 2.0版 フィギュア 1/6<最萌えキャラの地位が危うくなりました(今回は出てきません)

『シビル・ウォー』はシリーズ随一の「キャラ萌え」を堪能できる作品です
もう本作はこれだけ主張できればいいや。後はとっとと劇場に行って萌えまくってください。

このコメディシーンの多さは英断であるでしょう。
作風の違いをあげて「どちらのほうが優れている」と論じるのはナンセンスです(世にある重苦しい作品にコメディシーンがないのは、必然性があります)。
しかし、やはり「ヒーロー映画は楽しいほうが好きだ」という気持ちがどうしてもあるんですよね。
「重圧さ」「壮大さ」は控えめでいい意味で「軽いノリ」。笑いながら観られるヒーロー映画として、大満足できました。


物語で特筆すべきは、ヒーローどうしが戦わなければならない理由に説得力があること。
アイアンマンことトニー・スタークチーム、キャプテンアメリカことスティーブ・ロジャーズチームに分かれるのですが、どちらのリーダーの気持ちもよくわかるようになっているんですよね。

そして、ちゃんと「話し合いの余地がない、戦わなければならない」までの過程もキッチリ用意。
「それぞれの価値観」が生まれている理由も存分にあるので、どちらの気持ちもよくわかるのです。BvSは「お前らがちゃんと話し合えばそれで解決やん」としか思えなかったもんなあ。


この時点で脚本がよくできているのですが、ヒーローたちがまんべんなく活躍しているというのもたまらんですね。

メンバーをぱっと見て、「あーこいつがめっちゃ活躍してくれたらうれしーなー」と思っていたら、その願いはたいてい叶います。ちょーうれしいじゃねえか。まあソーとハルクはハブられたがな!


笑えるシーンが多い一方で、シリアスなテーマも描ききっていることも素晴らしいですね。
いままでヒーローたちが「破壊」に関わってきた事実はまったく笑えない深刻な状況となっており、それがさらなる軋轢を呼ぶことになる。物語の帰着もじつに納得できるものでした(詳しく書くとどうしてもネタバレになってしまうので↓に書きます)。


難点は上映時間が2時間38分と長いこと(シリーズ最長)、過去のMCUシリーズを観ていないと理解できない台詞のオンパレードになることでしょうか。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray] アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]<この2作だけでも観ておいて

メインで戦うヒーローだけでも「6人 VS 6人」の計12人いますし、サブキャラクターも満遍なく活躍するので、キャラを把握していないとついていくのが大変です。

「予習復習は必須」という定期試験のようなシリーズになっているのは欠点ですね(でも、たまに『アントマン』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のような、シリーズを観ていなくても楽しめる作品を用意しているのがうまい)
※以下も参考にしてください。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を楽しむために観ておいたほうがいい作品&感想一覧(ネタバレなし)

また、キャプテン・アメリカに「お堅いやつ(というほど単純じゃないけど)」という印象が強すぎるのはやや残念かも。
メンバーのほとんどがカワイイのだけど、彼のことだけがちょっと好きになれない感じ。まあ物語上しかたがないところもあるのですけどね。


そんなわけで、アメコミ映画ファンにとって、これは大好きなヒーローたちの活躍をたっぷりの上映時間を使って見せてくれるご褒美中のご褒美のようなステキな娯楽作です。

アクションのスピードがめっちゃ早いので、動体視力を鍛えておきましょう。
情報量もめちゃくちゃ多いので、体調のいいときに観ましょう。


※冒頭のアクションも公開。ネタバレ注意。

しかも今回は日本が最速での公開なのですから、その「特権」を存分に味わってほしいです。超・オススメします!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください 『アイアンマン3』のネタバレに少し触れているのでご注意を↓

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2016-05-03 : 映画感想 : コメント : 36 : トラックバック : 0
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2016年5月の気になる映画一覧(マイナー推し)

5月病プチ突入(簡潔な挨拶)

以下、恒例のひと月の気になる映画一覧です。
ていうか4月公開の秀作&傑作がまだ観られていないよ!という方が多いよねえ。

以下も参考にしましょう↓
2016年5月に観たい注目映画6本/4月鑑賞記録 | Tunagu.
2016年5月公開で観たいと思っている映画の覚え書き|三角絞めでつかまえて

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2016-05-02 : 月ごとの気になる映画 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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『ちはやふる 上の句&下の句』直球スポ根が変化球バトル映画に進化!(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はちはやふる 上の句&下の句です。


個人的お気に入り度:8/10 (上の句、下の句ともに8点)

一言感想:全2部作でよかった!

あらすじ


高校生の千早(広瀬すず)は、小学生のころに仲のよかった太一(野村周平)と再会し、かるた部を作って全国大会を目ざそうとする。
一方、かつて千早をかるたの世界に導いてくれた新(真剣佑)には、とある事情があって……




同名の超人気コミックの実写映画化作品にして、『タイヨウのうた』『ガチ☆ボーイ』の小泉徳宏監督最新作です。

TVアニメ『ちはやふる』 Blu-ray BOX【期間限定版】
バップ (2016-04-20)
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※アニメ版も好評を博していました。

映画で特徴的なのは、『上の句』が3月19日に、『下の句』が4月29日に公開される「2部構成(前後篇)」になっているということ。

自分はこの2部構成について「ひとつにまとめられなかったの?」「より多く興行収入を得ようとする手段じゃないのか」などとネガティブなイメージを持っていた(だいたい進撃の何とかのせい)のですが・・・それは大いに誤りであったと思い知らされました。
ほんっっっっっっっっっっとうにごめんなさい!
なにせ、映画『ちはやふる』は2部作であることに必然性があったのですから。

これについては以下に書きましたので、ぜひお読みください↓
<『ちはやふる 下の句』はロジカルに“個”と“全”の力を描いた変化球バトル映画! | シネマズ by 松竹>

両作品の特徴を簡単にまとめるのであれば、
『上の句』・・・王道スポ根映画
『下の句』・・・「個」の力と「全」の力のどちらが強いかを争うバトル映画
なんですよ!

何より、『上の句』だけでしっかり満足できるカタルシスがあるというのがうれしいですよね。
それでいて両作品を観てこそのダイナミズムもあるので、『上の句』と『下の句』を連続して観てみるのもよいでしょう。
現在(5月上旬)でも『上の句』が朝1回目のみ上映されている劇場は多いようですよ。


そのほかに感服した点としては、原作をリスペクトし、見事に再構築されている脚本です。
自分は映画2部作を観たあとに原作マンガを読んだのですが、「ここがこうなるのか!」「映画ではさらなるセリフや演出が加えられて、説得力が増している!」と驚けたのです。
小泉徳宏監督は今回脚本も手がけています。長編映画での脚本執筆は初めてのことですが、この手腕を見れば「もっとたくさん書いてくれよ!」と思わずにはいられません。

キャスティングも素晴らしいですよね。
広瀬すずや野村周平はもちろんのこと、上白石萌音ちゃんがすばらしすぎます。かわいいし原作マンガから抜け出したような古典オタクっぷりはなんだありゃ、娘にください
3枚目キャラの矢本悠馬、ガリ勉オタクキャラの森永悠希も大好きだ。
極め付けは「ヒョロ」。演じている坂口涼太郎さんがマンガに似すぎです!


※参考↓
<映画『ちはやふる』の成功はキャスティングが大きな決め手! | シネマズ by 松竹>

もうね、『がんばれ!ベアーズ』系の弱小チームががんばっていくという過程だけでもたまらんし、青春の瑞々しさは『がんばっていきまっしょい』に匹敵するし、この手の王道スポ根もの、マンガの実写化映画としては申し分のない出来なのではないでしょうか。

さらに、本作で歌われている百人一首の歌の内容と、本編がシンクロしているところもあるのです。

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『上の句』『下の句』どちらでも、歌の内容が登場人物の気持ちと「同じ」になっています。
競技かるたはもちろん、百人一首について学んだことがあればさらに感動できるでしょう。


難点は、『下の句』の論理立てされた脚本は素晴らしいものの、その語り口に少々クドさを感じてしまうことでしょうか。
多くの観客に受け入れられるのは、どちからかといえば『上の句』のほうでしょうね(自分はどちらも大好きです)。

演出においては、スローモーションの多用が好き嫌いが分かれるかもしれませんね(十分メリハリがついているレベルですが)。
画は日光が差し込む「白め」のものが多いのですが、うだるような夏の暑さが表現されているので自分はこちらも「賛」です。登場人物が汗だくになり、競技に挑む真剣さが見えまくるというのがいいですね。

また、キャラクターに関しては「マンガらしさ」に徹しているため、「ステレオタイプすぎる」という否定的な意見もあるようです。
広瀬すずの直情的おバカキャラは現実ではありえないもんなあ(笑)。
自分はどのキャラも大好きになれたので、悪い印象はまったくありません。


ともかく、映画『ちはやふる』はテレビ局が介入しているとは思わせないほど、映画作品として完成された作品です。
物語はわかりやすいため、子どもから大人まで、男女の違いなく、まさに老若男女が楽しめる作品になっているのではないでしょうか。

競技かるたを知らない大人はもちろん、いまから競技かるたに限らず、何かに青春を賭けたいと思う若者にぜひ観て欲しいです。超・オススメです!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 『上の句』と『下の句』の両方の内容がネタバレしてします。マンガとの違いにも少し触れているのでご注意を。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2016-05-01 : 映画感想 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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