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『日本で一番悪い奴ら』組織の問題を描いた映画なのか?(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は日本で一番悪い奴らです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:警察はク◯だな!

あらすじ


大学時代に鍛えた柔道の腕前を買われ、北海道警察の刑事となった諸星要一(綾野剛)は、先輩刑事の村井(ピエール瀧)から「裏社会に飛び込み『S』(スパイ)を作れ」と教えられる。
諸星は暴力団と関係を築き上げ、上司からの難題を次々と解決していくが、やがて悪事に手を染めていくようになり……。




凶悪』で数々の映画賞を総なめした白石和彌監督の最新作です。

本作がモチーフとしているのは、日本警察史上最大の不祥事が明るみになった稲葉事件。「主犯」である稲葉圭昭によるノンフィクション本を原作としています。

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映画はあくまでも「事実をもとにしたフィクション」ということで、実際の事件とはだいぶ差異があるようです。
でも、Wikipediaなどで事件の背景を見ると、わりと映画そのまんまの悪事ばっかり。この映画のようなことをマジでやってんのか!と驚けるでしょう。

もう劇中ではカネ、女、ドラッグ、チャカ(銃)が飛び交いまくるというゴージャスさ。
主演の綾野剛がラリパッパなひどい(褒め言葉)顔で、ヘラヘラ笑うヘラクズ野郎を演じているので愉快で仕方がないですね。
多くの人が思うでしょうが、この印象はまさに日本版『ウルフ・オブ・ウォールストリート』な感じです。

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)
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※自分は観ていないけど、ドラマ『ブレイキング・バッド』にも似ているらしいよ!

警察の職権乱用、違法行為もヤリまくりという、ある意味で倫理的に最低な作品ですが、ここまで来るといっそスガスガしいというもの。
というか本作は行動がヒドすぎてブラックコメディみたいになっていきます

日悪 銃を根絶
※「銃器根絶」と掲げながら銃を買い付けているのも高度なギャグです。絵に描いたようなマッチポンプ

自分が観た回でも、年齢高めの紳士淑女の方々がゲラゲラ笑っていて非常に楽しい環境でした。
とくにミーティングで「こいつら何言ってんの?」という空気になるシーンは爆笑もん。インモラルな笑いを期待する方は是が非でも観ましょう。


個人的に残念だったのは、そのラリパッパっぷりが『ウルフ・オブ~』ほど突き抜けてはおらず、湿っぽい雰囲気になってしまうこと。
シリアスとコメディのバランスが少々悪く、「これは笑ってもいいの?」「いやこれはマジだから笑えないよな」と迷ってしまうシーンもありました。

悪事がどんどんエスカレートしていくのではなく、ときどき正気に戻ったり、同じような悪事を繰り返していたりもします。
これはもはや作品の目指している方向の違い、好き嫌いのレベルなので書くのも野暮なのですが、個人的には「俺たち最強!最強!」→「一気に転落!ざまあみやがれ!」と勢い良くクズを地獄に落としてほしかったのです(笑顔)。
2時間15分という長めの上映時間も手伝って、ちょっとダレてしまったというのが正直なところですね。

また、本作では警察という「組織」そのものへの批判も込められているのですが、それよりも主人公が単独でムチャクチャやっている描写のほうが多すぎるため、結果的に説得力に欠けてしまっています。
たとえば『スポットライト』では性的虐待をしているク◯神父「個人」ではなく、それを隠蔽していた教会「組織」を弾圧するようになっていたことに意義を感じられたのですが……。
白石監督自身も「実録警察モノだからといっても、警察はこんな悪い奴らなんですよ、って事を描きたいのではなくて、一人の男の人生を描きたかった」と語っており、そもそも組織についてどうこうは描きたくはなかったのでしょう。

白石和彌監督は、始終シリアスで笑いがなかった『凶悪』にはバッチリハマっていたけど、今回のようなブラックコメディとはちょっと相性が悪かったかな、とも思いました。
池上純哉さんが脚本を手がけた『任侠ヘルパー』も湿っぽさがある、あまりスッキリしない作品だったので、今回もよくも悪くもその作家性が表れていました。

少なくとも、東京スカパラダイス・オーケストラによる主題歌のような軽快さを求めないほうがよいでしょう(歌詞は作品にマッチしまくっているけど)。



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そうそう、綾野剛の演技は本当に素晴らしいんですが、とくにヤクをやったときの「あんた本当にやったことあるよね」としか思えない表情が最高でしたね。
このシーンもシリアスなので本来笑えないはずなんだけど、笑うしかありませんでした(そして怖い)。

『パルプ・フィクション』『ウルフ・オブ~』『だがしかし(少年誌掲載の漫画)』など、ヤク中描写で笑える作品には傑作が多いですね。
(ちなみに駄菓子をクスリのように吸う話は清原逮捕直後にアニメ版が放送され、『だがしかし』は今週の少年サンデーでもドラッグをネタにしています)

お笑い芸人・デニスのスーパーマリオのほう(植野行雄)もじつにいい役をもらっていますね。
中村獅童やピエール瀧など、脇を固める役者もこれ以上のないキャスティングだと思います。


そんなわけで、突き抜けたブラックコメディを期待していた自分としてはやや期待はずれ感もあったのですが、『凶悪』にやられた映画ファン、警察が嫌いな方には大プッシュでおすすめします。
観た後には、さらに心地よく警察が嫌いになれるでしょう。ただし世の中の警察はこんなんばっかりでないので偏見のなきように!(当たり前)

言うまでもなく、R15+指定納得のエロ、ドラッグ描写があるのでお気をつけて。

あ、そうそう、昔の喫茶店でスペースインベーダーの音がしていたのがポイント高かったですね。そういうディテール好きよ。

スペースインベーダー ゲーム筐体型バンク<こんなんが昔の喫茶店にはあったんですよ。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 今回は短め。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2016-07-07 : 映画感想 : コメント : 6 : トラックバック : 0
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<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
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『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』


<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

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