『ストレイト・アウタ・コンプトン』偏見を描き、偏見がなくなる音楽映画だった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:ヒップホップの見かたが変わった
あらすじ
1986年、アメリカ屈指の犯罪多発地域として知られるコンプトンにて―。
イージー・E(ジェイソン・ミッチェル)はドラッグディーラー業で生計を立てていた。
やがて彼はアイス・キューブ(オシェア・ジャクソン・Jr)、ドクター・ドレー(コーリー・ホーキンズ)ら5人で、ヒップホップグループ「N.W.A.」を結成する。
その音楽は過激な放送禁止用語に満ちていたが、瞬く間に絶大な人気と支持を集める。
しかし、名声を得た彼らに、社会からの偏見、警察からの圧力などの苦難が襲いかかる。
実在のヒップホップグループ「N.W.A.」の伝記映画です。
ユニバーサル ミュージック (2015-12-09)
売り上げランキング: 762
自分は洋楽にとんと疎く、ヒップホップというジャンルもほぼ聞くことはありません。
それどころが「ヒップホップってなんだか怖い」「汚い言葉ばかり」という偏見っぽい認識でいたくらいです(好きな方、ごめんなさい)。
でも……ヒップホップならびに「N.W.A.」というグループに偏見を持ってしまうのも仕方がないというか……だって、「N.W.A.」の代表曲が「Fu●k the police」ですからね。
おいおい「警察をファッ●だ」とか言っていいのかよと思った方、安心してください、ぜんぜん大丈夫じゃないです。
これが収録されたアルバム『ストレイト・アウタ・コンプトン』はペアレンタル・アドバイザリー(保護者の指導の必要あり、特定の小売店では販売されなくなる)に認定されてしまったりしているのです。

で、この映画のロゴはこのペアレンタル・アドバイザリーをパロっています。

ロゴでも「子どもは見ちゃダメ!」と言っているようなもんですね。
作中ではキッタナイ言葉ばっかり、ドラッグ出まくり、セクシーなお姉ちゃんもバンバン映ると、R15+指定大納得の作品なのです。
そして、劇中では「Fu●k the police」の楽曲を巡ってヤバいことになるのですが・・・それはネタバレになってしまうので観てのお楽しみです。
そんなわけで映画を観たところで、けっきょくヒップホップならびに「N.W.A.」の音楽が「汚い言葉ばかり」という印象はそのまま(笑)です。
しかし、歌詞に込められた精神性の印象は、観る前とまったく異なっていました。
なぜ彼らは過激な曲ばかり作ったのか?
「N.W.A.」というグループに何が起こったのか?
メンバーそれぞれの人間ドラマを描きつつ、映画はそれを解き明かしていきます。
ヒップホップに馴染みのない方にとって、これはそのジャンルの見かたを変えてしまう力を持っています。
とはいえ、本作はヒップホップについてひとつの価値観を突きつけるのではなく、多角的な目線で捉えています。
これは、『セッション』がジャズについて偏狭な音楽観を持っていたことと正反対であると感じました
『セッション』は映画としておもしろいことは間違いないんだけど、ジャズに門外漢だった自分が抱いた印象は「ジャズ怖い」「ジャズやりたくない」という誤りまくったものでした。
(おかげでリアルにジャズをされている民朗さんから「ジャズはそんな感じだけじゃないよ!みんなでセッションをする楽しさも知ってよ!」という至極まっとうな意見をいただきました)
でも『ストレイト・アウタ・コンプトン』では、「汚い言葉ばかり」という印象のままにも関わらず・・・汚い言葉にも意味があったのだと、ヒップホップというジャンルをもっと聞きたくなったと、好きになれるのです。
矛盾しているようですが、本当にそういう映画になっているのだからすごいことです。
簡単に言えば、
『ストレイト・アウタ・コンプトン』(観る前)ヒップホップって怖いよね→(観た後)やべえ超格好いいし愛おしいぜ。
『セッション』(観る前)ジャズってなんかオシャレな音楽なんでしょ?→(観た後)ジャズ怖い。
どっちが音楽映画として正しいかと言われたら、『ストレイト~』のほうが正しいです。
もうひとつ本作で思い出したのが、意外にも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でした。
両者はカネと女とドラッグと「Fu●k」にあふれまくっているという素敵な共通点を持っているんですよね。
違うのは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』がクズな主人公だと思ったら思った以上にど畜生だった一方、『ストレイト・アウタ・コンプトン』は怖いと思っていた人たちがなんだか愛おしい存在に思えてくること。
これは人間ドラマを丹念に描いたおかげでしょう。
キャストについても触れないわけにはいけないですね。役者全員が本人に似すぎです。
それもそのはず、厳選なオーディションをしたことに加えて、アイス・キューブは彼のリアル息子が演じていたりするのですから。
(左:映画 右:本物)






「N.W.A.」を知っている方にとっては、これはもう感涙ものでしょう。
もちろん、歌唱力や演技力も確かなもの。
名脇役のポール・ジアマッティも確かな存在感を放っています。

また、物語の始まりの舞台であるコンプトンのすさまじさを知れることもおもしろいですね。
コンプトンはちょっと歩いたらすぐに殺人が起こるような犯罪多発地域で、一般の方は車から降りて街に入ることもはばかられるのです。
オープニングは劇場から爆笑が起こるほどヒドい。日本に生まれてよかったという考えを新たにできるでしょう。
難点は上映時間が2時間27分と長いことと、グループ内の軋轢を描く割合が多いこと。
この時間中にみっちりと情報が詰まっており、無駄と思えるシーンはほぼ皆無とはいえ・・・やはり中だるみ感が否めなかったのも事実です。
また、「無名だった若者がメジャーになっていく過程」よりも、「キャラの内面やグループの人間関係」を多く描いています。
これは本作ならではの特徴なので批判するのもナンセンスなのですが、「成り上がり」ものが好きな自分にとってはちょっと物足りなかったところもありました。
個人的には音楽をよく知る人だけでなく、音楽をあまり聞かない、ヒップホップなんてほとんど知らないという人にこそ観て欲しいですね。
「こんな音楽の歴史があったんだ」「こんなスゴイやつらがいたんだ」と、きっと感動できるでしょうから。
予備知識はほとんどいりません。
知っておくいいのは、ことあるごとに使われる「dope」という言葉の意味くらいでしょうか。
<dopeの意味は何でしょうか ー 洋楽の歌詞でよく使われているスラング>
日本語でいえば「ヤバイ」に相当するんでしょうね。
いや、むしろ彼らの顛末を知らないほうがより驚けるので、情報を入れないほうがいいと思えるほどです。
オトナ向けの正月映画として、大プッシュでオススメします。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
〜警察はク●だぜ!〜
この映画で素晴らしいのは、コンプトンという場所での警察のヒドさをしっかりと描いていること。
なにせ、オープニングでは麻薬の現場をパクるために家に戦車が突っ込みますからね。捜査令状とかそういうものはないんかい。
さらに警察は、「ヒップホップはアートじゃない」「お前らはギャングにしか見えない」という偏見の塊で、問答無用で地べたに這いつくばらせる・・・。<本当ムカつくシーン
そんな経験を経て、警察にケンカを売った「Fu●k the police」を作ったところ大ヒット。
おかげさまで、FBIから直々に「こんなの歌うんじゃねえボケ」と勧告をくらい、ライブで歌えば即逮捕という状態になります。
だけど、彼らは「言論の自由」を盾に、そんな国家権力にはひるむことはありません。
イージー・E「言いたいことがある」
ドクター・ドレー「なんだ?」
イージー・E「Fu●k the police!」
観客→みんなが中指を立てる!
ええと、すみません。中指を立てるシーンで感動したのは初めてです。
彼らはただ汚い言葉で罵りたかっただけじゃあない、警察に苦しむ人々の気持ちを代弁してた、だからでこそ支持を得ていたとも言えます。
序盤では、学生のひとりがギャングを茶化すものの、すぐにギャングに威圧されて謝るというシーンがありました。
※以下の意見をいただきました。
このギャングの行為も子どもに銃を突き付けて脅すという酷いものですけど、「遊び半分でギャングを挑発するな!危ないぞ!」「ギャングなんかに憧れるな!ちゃんと勉強して真人間になれ!オレ達みたいなクズになるな!」という、昭和の任侠映画の侠客のような、大人のメッセージが込められていたように感じました。
しかし、ヒップホップという武器を手にした彼らは、何百人のも観客に「Fu●k You」の感情を出させることができたのです。
何も謝ることはない、言いたいことを言って何が悪い、言いたいことは言うべきだとー。
これが、ヒップホップが過激な言葉を使う理由のひとつなのでしょうね。
〜グループ名も過激〜
マネージャーのジェリーは「N.W.A.」というグループ名の略称を「No White Around(白人はいない)」だと思っていましたが、実際は「Niggaz Wit Attitudes(ケンカ腰になった黒人たち)でした。
「Fu●k the police」が禁止になったとき、ジェリーは「無駄に警察を煽ることはない」とまっとうな意見を言っていましたが、イージーは「いや、これは無料の広告みたいなもんだ!」と返すなど、つねに攻撃的なんですよね。
「俺の女はどこだ!」とケンカをふっかけたきたギャングには、銃を持って追い返すくらいだし(笑)。
名は体を表す。まさに彼らにぴったりのグループ名です。
〜昔はよかった〜
ジェリーは、横暴な態度と偏見を持つ警察に憤り、イージー・Eの才能を見出し、ずっとグループのサポートをしていたかのように見えました。
しかし、終盤には彼が帳簿を改ざんし、払うべきお金を払っていなかった、グループを騙してきたことが明らかになります。
アイスキューブはジェリーの元を去り、さらに会社とレコードの第2作を手がける約束を反故にされたりしていました。
ジェリーをもっとも信頼していたイージーは、けっきょく彼を解雇することになりました。
このような顛末になったのは、「お金の関係」にほかなりません。
「昔のレコーディングを覚えているか?お前は下手くそだったな」などと、メンバーがまだ結成し始めたころの思い出を楽しそうに語られていたことが、とても悲しく思えてきます。<お前下手だったよなあ
〜死を超えて〜
ドクター・ドレーは自分の弟が亡くなったとき、メンバーに抱きかかえられて慰めてもらっていました。
それと同じように・・・イージーがエイズで昏睡状態になったとき、側にいてくれたのはドレーでした。
イージーは生前に「この機会にエイズのことを知って欲しい」というメッセージを残していました。
ヒップホップで社会にケンカを売ってきたような彼が、最期にこのような言葉を社会に残すとは!
イージーはオープニングではドラッグディーラーとして、金の徴収に回るような人間であったのに……。
ヒップホップという音楽は、人の一生をここまで変えてしまったのです。
反社会的に見えて、じつは多くの人(メンバーも)の気持ちを理解し、代弁し、そして幸せにしていった―
これが、「N.W.A.」というグループなのでしょう。
〜その先へ〜
ドクター・ドレーはシュグ・ナイトと結成したデス・ロウのレーベルを辞め、新たにアフターマスを立ち上げました。
aftermathには「その先の時期」という意味があり、それは死んだイージー・Eの意思を引き継いでいることと、N.W.A.というグループの「その先」があることを指しているのでしょう。
ドレーはシュグに、初登場シーンと同じように「俺は俺自身のボスでいたい」という言葉を口にします。
彼にあったのは強烈なプライドなのでしょうが・・・同時に、自分がグループをコントロールできなかった(ボスになれなかった)がゆえにメンバーがバラバラになってしまった、イージーを死なせてしまった、という後悔があったようにも思えました。
また、エンドロールでは、アイス・キューブとドクター・ドレーのほか、故・イージー・Eの奥さんであるトミカ・ウッズ=ライトがプロデューサーとして名を連ねています。
トミカは最後に病室から出て行ったままフェードアウトしてしまったのですが、ここで名前が観られるのがうれしかったなあ……。
バラバラになってしまったようなメンバーでしたが、最後には映画にプロデューサーとして参加することで、仲直りできたのかも・・・とリアルが映画とシンクロしたような感動がありました。
(最後の実際の映像、あのエミネムがN.W.Aに影響を受けたことを語ってくれたこともうれしかったなあ)。
おすすめ↓
ストレイト・アウタ・コンプトン (Straight Outta Compton) 感想 ドープに生きろ。 - きままに生きる 〜映画と旅行と、時々イヤホン〜
PUNPEE × OMSBが語る、『ストレイト・アウタ・コンプトン』の衝撃|Real Sound|リアルサウンド 映画部
町山智浩 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を語る
F●ck The Police 歌詞 - N.W.A.
N.W.A. - Wikipedia
ユニバーサル ミュージック (2016-01-06)
売り上げランキング: 9,222
もしかしたらヒナタカさんは既にご購入されているかもしれませんが、この作品パンフレットに濃厚なレビューや楽曲解説、ついでに劇中の単語解説と割と安価ながら凄く充実しているのでオススメしたいです。
こぼれ話に、この作品で一番悪漢であるシュグ・ナイトですがドレー脱退後でも黒い噂がずっと絶えない上に本策の撮影に乱入して轢き逃げを起こし、人を死なせています(パンフからの情報ですが
ある種現実が一番コワイですね
失礼!
>一言感想:ヒップホップの見かたが変わった
私のヒップホップ感は「陽気な音楽に合わせて、社会問題や人生の悩みを皮肉り笑い飛ばす。楽しい音楽」で、ラッパーは暴力を否定し、口喧嘩しかしない人達。でした。
アイス・キューブはそんな私でも名前を聞いた事の有る程のヒップ・ホップ界の偉人ですが、想像以上に重い話で打ちのめされました。
>「汚い言葉ばかり」という印象のままにも関わらず・・・汚い言葉にも意味があったのだと、
最近やたら耳にする「ヘイトスピーチ」やフランスでの風刺新聞社へのテロ事件を考えてしまいました。N.W.A.も結局は言葉の押収だけで済まず実際の暴力にまで発展してしまっていますが、人の口を塞げば問題は解決するのだろうか、本作のFBIやロス市警のような横暴な権力へ「耳触りな奴の口を塞いでくれ」と任せて、気が付けば自分の口まで縫い合わされていたりはしないか・・・と。
それに全力で逆らう彼らの姿はどれだけガラが悪くても応援したい気持ちになりました。
>~警察はク●だぜ!~
確かに歌詞は汚い言葉だらけですが、内容は本当に彼らが警察から受けた理不尽な仕打ちへの糾弾であり、真っ当な批判なんですよね。
余談ですが、日本の警察の「職務質問」もよくトラブルになりますが、態度を良くするだけで大分こうした不満は解消されると思うのですけど、こんな指導をしているようでは反感を買うばかりでは・・・。
>警察官のための職務質問マニュアルが反人権的と評判です。 - NAVER まとめ.mht
ttp://matome.naver.jp/odai/2132724944443322401
>序盤では、学生のひとりがギャングを茶化すものの、すぐにギャングに威圧されて謝るというシーンがありました。
このギャングの行為も子どもに銃を突き付けて脅すという酷いものですけど、「遊び半分でギャングを挑発するな!危ないぞ!」「ギャングなんかに憧れるな!ちゃんと勉強して真人間になれ!オレ達みたいなクズになるな!」という、昭和の任侠映画の侠客のような、大人のメッセージが込められていたように感じました。
>~昔はよかった~
ジェリーの正体はショックでした。警察から庇ってくれた時の彼は、音楽で真人間になろうとする悪ガキ達を理解してくれている大人に見えたのに、ただ商売道具を守っただけだったのかと・・・。
>こぼれ話に、この作品で一番悪漢であるシュグ・ナイトですが
えー!?パンフ買ってくればよかった・・・。それでも暴力や非難に屈せず完成公開に漕ぎ着け、イージー・Eのメッセージを世界中へ届けてくれたF・ゲイリー・グレイ監督始めスタッフ・キャストの皆様、本当にありがとう!
そしてヒップホップに興味の無かった私に本作の魅力を伝えてくれたヒナタカさんにも!
毒親育ちさん、ベスト映画も含めてありがとうございます!
> >序盤では、学生のひとりがギャングを茶化すものの、すぐにギャングに威圧されて謝るというシーンがありました。
> このギャングの行為も子どもに銃を突き付けて脅すという酷いものですけど、「遊び半分でギャングを挑発するな!危ないぞ!」「ギャングなんかに憧れるな!ちゃんと勉強して真人間になれ!オレ達みたいなクズになるな!」という、昭和の任侠映画の侠客のような、大人のメッセージが込められていたように感じました。
そうですよね!あのギャングはけっこう大人だったのだと・・・追記させてください。
> >~昔はよかった~
> ジェリーの正体はショックでした。警察から庇ってくれた時の彼は、音楽で真人間になろうとする悪ガキ達を理解してくれている大人に見えたのに、ただ商売道具を守っただけだったのかと・・・。
あれもお金があったから変わっちゃったんだろうな・・・イージーといっしょに大ショックの気持ちを味わいました。
次の休み観に行こうと思います。
余談ですが、DR.DREは日本でも有名なヘッドホンブランド「beats by DR.DRE」の立ち上げ人として有名ですよね。
そんな彼がいたヒップホップグループってどんななのかが知りたいのが一番の鑑賞動機だったりします。
>そうですよね!あのギャングはけっこう大人だったのだと・・・追記させてください。
言葉に込められた真剣さの重みの違いだと感じました。N.W.A.は聴衆の批判だけでなく暴力や権力の弾圧にも屈しない真剣な主張。バスの学生は本気で争う気も無い、からかい遊び。と。
ギャング達にしてみれば、オレ達よりも冗談の通じないキレた連中相手にこれをやってしまったらどうなる!?・・・という教訓を、やや荒療治ながらも教えてくれているように感じました。
>あれもお金があったから変わっちゃったんだろうな・・・
ああ!すみません。だから・・・
<悪人も善人も演じられるポール
なんですね。言われてみれば、最初から「コイツら利用して一儲け・・・」でなく、彼らをスカウトした時は本気でその可能性に惚れ込み「こいつらをスターにする!一緒に夢を適える!!」という純粋な気持ちだったのでしょうけど、それが「成功」から来る「欲」によって狂ってしまったと・・・。
>イージーといっしょに大ショックの気持ちを味わいました。
本当に彼の心情を思うと切な過ぎです。自分達を見出してくれた恩義に報いようと、ドレーやアイス・キューブ達との友情を壊してまで、彼を“家族”として信じてきたというのに・・・。
たむろしていれば数でまけて命があぶない
銃社会のアメリカは警官も命がけ、