ゆる~い映画レビューがメインのブログです。最新映画の感想は↓の「新作映画レビュー」からどうぞ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

『シング・ストリート 未来へのうた』解放の物語(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はシング・ストリート 未来へのうたです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:自分が超少数派であることはわかっています!

あらすじ


1985年のアイルランド、ダブリン。
両親の離婚、学校でのいじめで暗い日々を過ごすコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、ラフィナ(ルーシー・ボーイントン)という美少女に一目惚れをする。
コナーは彼女にバンドのミュージックビデオに出ないかと提案するのだが……




自分がどうこう語る前に、まずは本作の世間的な評価を紹介します。

(以下、数字は2016年7月中旬のもの)
<海外>
IMDb:8.2点
Rotten Tomatoes:97%
<日本>
Filmarks:4.4点(5点満点)
Yahoo!映画:4.32点(5点満点)
coco 映画レビュー:97%

いやもうこれは大・大・大絶賛されていると言い切っていいでしょう。
平均点だけを考えれば、あの『ズートピア』をも超えているレベル。
ミニシアター系では、映画ファンからいまもっとも注目を集めている作品なのです。


でも……ごめんなさい、自分は少し物語にひっかかるところがあって、この大絶賛のビッグウェーブに乗れなかったのです。

とくに、主人公以外のバンドメンバーのエピソードが少なめであったことに物足りなさを覚えました。
これは本作を絶賛する方にも同意していただけると思うのですが、こいつらみんな出てきた瞬間から好きになれるくらい魅力的なんですよ!

シングストリートのバンドメンバー<こいつらみんな大好き

これはすごいことですよ。役者そのものが持つオーラのおかげもあるのでしょうが、ほんの2、3の会話で彼らがどういう生活を送っているか、どういう性格であるかがわかるんです。
キャラの魅力が描かれているからそれで充分という意見もあるでしょうが、ここまで魅力的だったら「その先」も描いてよ!と自分は思ってしまうのです。
(106分というコンパクトな上映時間で、それを望むのは贅沢だとわかっているのですが)
※以下の意見をいただきました。
視点があくまで主人公コナーに絞ってあるだけで、僕は他のメンバーが影薄いとは思いませんでした。


そして、細かいエピソードや、提言された問題の解決方法に、どうしても気になるところというか、しこりが残ってしまったのです。
具体的な不満点は何を言ってもネタバレになるので↓に書きますが、メインとなるメッセージ性が素晴らしいだけに、ここを流すことができなかったのです。


ちなみに本作はジョン・カーニー監督の半自伝的作品です。インタビューで監督は「基本的に、僕が主人公の年頃にやりたかったけれどできなかったすべてのことを、映画の中で実現した願望充足の映画なんだ」と答えています

本作が幅広く絶賛を集めた理由のひとつは、監督が自分の願望を充足する映画を作った結果、まだ高校生の主人公たちによる、戻ることはできない青春の日々を追体験できることにあるでしょう。

とはいえ、本作はただただ楽しい青春を描くだけではなく、閉鎖的な場所だからでこその苦しみも描かれています
この物語はその苦しみを「ある価値観」へと昇華させるのですが、その過程が堅実に組み立てられているため、とてつもない開放感に溢れています。

これは青春映画として理想的です。
10代のよいところも悪いところも含めた出来事の数々を描き、明確なメッセージを掲げ、そして悩みから解放される……。その構成のうまさには唸らされました。


そして触れなければいけないのは、音楽映画としての素晴らしさですね。
デュラン・デュランモーターヘッドなどの1980年代のイギリスのロック音楽が登場することはもちろん、ミソは作中でMTV(ミュージックテレビジョン)のブームが起こっていること。
ミュージックビデオがテレビで放送されるようになり、音楽と映像を合わせるという新しいエンターテイメントが世に広まった時代に、主人公たちが自分でミュージックビデオを作るというのがたまんねえのですよ。

がんばってMTV<ちょっと「スリラー」風

このときに映像がVHS(ビデオ)時代ならではの荒さなのがまた素敵。
ミュージックビデオがただ懐かしさを強調するもの、音楽を見せるものではなく、しっかり主人公の心理描写とも交錯しているのも最高でした。



本作は『ONCE』『はじまりのうた』で築かれたジョン・カーニー作品の集大成と言えるまでに、その特徴と精神性が現れています。

ONCE ダブリンの街角で [DVD]  はじまりのうた BEGIN AGAIN(字幕版)

・メインのストーリーラインに乗せて、主人公たちの葛藤や性格をほんの少しの描写で示す
・音楽により前進する人たちを描く
・尊いメッセージを送る(しかし説教臭くはない)

こう作品が観たいと思うのであれば、もう女房を質に入れてでも劇場に足を運びましょう。


これだけ自分が本作の素晴らしい点を挙げながらも、乗り切れないところはあるのは、おそらく自分が青春時代にバンドを組んだことがなく、音楽にも強い興味がなかったことも理由であると思います。

逆に言えば、音楽に青春を捧げた方であれば、かつて(もしくはいま、これから)の自分に、主人公たちを重ねあわせることができるはずです。
以下は音楽に思い入れがありまくる方の素晴らしい感想です。映画は自分の人生に重ねあわせるとより素晴らしい宝物になるのですね。
映画「シングストリート 未来へのうた」感想 解説 ロックンロール イズ ア リスク!灰色の空に虹をかけた少年。 - モンキー的映画のススメ

ああ、ちくしょう、うらやましいな!
自分もバンドを組んだりして、この映画のよさをさらに味わいたかったなあ……(音感なかったんだよ!)


そういえば、30年ほど年代のズレがあるものの、アイルランドから都会への旅立ちを目指す、という物語は現在公開中の映画『ブルックリン』と共通していますね。
こちらは『ズートピア』『魔女の宅急便』のような「少女が都会に出て世間の波にのまれてしまう」という物語。親元を離れてきたばかりの方に、ぜひこちらもオススメしたいです↓
<『ブルックリン』はまるで実写版『ズートピア』のようだった | シネマズ by 松竹>


そんなわけで自分は気になることが多かったわけですが、最初に書いたように本作は世間的には大・大・大絶賛なのですから、自分の10点中6点なんて点数は気にしなくていいでしょう。

青春、音楽、美少年、爽快感、そうした要素を期待して観に行けば、間違いのない1本です。
PG12指定なのは未成年の喫煙シーンがあるからという程度なので、主人公と同世代の少年少女にもぜひ観て欲しいですね。オススメします。

<上映劇場>

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 気に入らなかったところをたっぷりと書いています。好きな方にはごめんなさい!










〜野暮な不満点〜

そんなわけで、以下に自分が好きじゃなかったところを書きます。
俺はこの映画を愛している!悪いところなんかひとつたりとも知りたくねえ!な方は読み飛ばしてください。

・作ったミュージックビデオを「評価してもらう」シーンがない
劇中で作ったミュージックビデオは、新天地でヒロインのラフィナのために使うことが示唆されるものの、誰かに観てもらって「評価」されるシーンがありません。せめて兄貴(←大好き!)に観てほしかったなあ。
個人的には、ミュージックビデオの編集に苦労するところも観たかったですね。
※以下の意見をいただきました。
作ったMVを劇中に観てもらうシーンがないっとありますが、序盤、THE RIDDLE OF THE MODEL のMV撮影後、兄貴にそれを見せ、兄貴がラフィーナを褒め、MV含めた曲の感想をコナーに述べるシーンがあり、また後半にもコナーの父親がソファに横たわりながら観ているカットもありましたが ああいったくだりは覗いて、その他の曲におけるMVを観る、評するシーンがない、というところに不満を持たれている、という認識でよろしいのでしょうか?
仮にそう仮定すると個人的にですが、後半はMVは付属物程度、コナー→ラフィーナの恋愛パート、またコナーの自己表現媒体として音楽が扱われるようになるため、そう何度も何度もMV自体をを評するシーンを入れる必要性があまり感じられません。また一度目のものをああもじっくりブレンダンが観る、評する仮定を見せているのでその後の曲も行っているのだろうと容易に想像は可能です。
また本作は鬱積した状況下でのコナーらの奮闘、コナーの自己表現としての音楽の扱いがあるからこそ僕はのめり込めました。コナーらが公的に評価されるシーンがないからこそです。ギグにおいても男子にはヤジを飛ばされまくっています。あそこに評価されるような描写が入ると一気に展開のリアリティが損なわれます。本作が幻想のリハーサルシーン後につきつける現実からも、そういったたリアリティを重要視しているのは明らかです。最後もコナーが成功した、というような見せ方はしませんし。


・バンドメンバーが女の子にモテモテになるシーンがない。
映画で描かれるのは主人公コナーとヒロインラフィナのイチャラブばかりなんですよね。みんなをもっと幸せにさせて!
メンバーのひとりが「試験だから練習できない」と言う→「バンドをやれば女の子くるぜ!」という情報を聞く→「やろう!」の流れが大好きだったので、彼らがどこかでモテモテになったり、報われるシーンがほしかったなあ。

・いじめっ子の顛末
いじめっ子を最後まで悪役にせず、バンドの手伝いをさせたのはいいのですが……ひどい両親の問題がちっとも解決していません。「手伝わせるだけ」なのはまったく救いになってないではないですか。
彼はひどい両親を持ち、自分をクズと卑下していた(いじめもその鬱積した気持ちから発生したのは間違いない)のに、ちょっとかわいそうだったなあ。
※以下の意見をいただきました。
「仲間やいじめっ子ほったらかしかよ!」問題についてですが
この物語は監督の半自伝映画であると同時にダブリンから生まれた世界的バンド「U2」の若い頃もちょっと入ってるそうです。
(メンバー集めに学校でポスター張る、初のギグが学園祭etc)
なのでロンドンに渡る際「デモテープは持ったよ」と言っているので
あの後成功したとすれば、元いじめっ子の用心棒含む他の仲間も晴れてロンドンに行ける…と僕は解釈しました。


・ヒロインに好感が持てない
中盤にヒロインのラフィナは、高校生のコナーではなく、髭を生やした年上の男についていくことを選択し、何も言い残さずに出て行ってしまいます。
ラフィナはすぐに帰ってきて、あまつさえ姉妹のふりをしてコナーから逃げようとします。
彼女は「バーガー屋で働こうかしら」と言い、コナーは「君が幸せなら」と返しますが……コナーは愛想を尽かしたように彼女が離れてしまいました。
まだラフィナは16歳なんだし、この選択や言動は責められないところがあるのですが、やっぱりちょっとでも謝ってほしかったんですよね。
その後にコナーの曲を再び聞いて涙を浮かべるシーンはあったのですが、これだけでは不十分だと思うのです。
※以下の意見をいただきました。
あんなに自信満々で夢と希望に溢れていたのに 男にあっさり騙されボロボロにされたソフィナを見て、どうしても僕は涙を浮かべてしまいました。


・主人公がバンドメンバーにお別れを言わずに立ち去ってしまう
(メンバーのひとりにはイギリスに旅立つことを相談していましたが)旅立つ前、バンドメンバーにお別れを言うシーンがありません。
コナーはラフィナが自分に何も伝言を残さなかったことにショックを受けていたのに、その自分が何もメンバーに伝言を残さなかった、というのが気になってしょうがなかったのです。
※以下の意見をいただきました。
製作したMVや淡白なお別れについて、これはコナーがロンドンに到着後なにかしらの評価を得たのだと思いました(願望ですが)。「ぼくらを救い出してくれ」とメンバーの一人が言っていたことを実行し、その結果としてぼくら観客があのMVを観れているのだとしたら、なかなか素敵な帰結だなと。(ちゃんとモテモテになったのかも)


・ゲロシーン
これは見間違いじゃないと思うんだけど、コナーとラフィナが手をつなぎながら外に出るシーンで、なぜかゲロを吐いている男性がいました。
「いまいる場所のひどさ」を示す演出としては、あまり好きになれなかったというのが本音です。
※以下の意見をいただきました。
ゲロシーン、ぼくは拍手でしたよ。華やかで騒がしいギグの外側はこんなもん、という説得力が、ぼくらの世界とは無関係ではない地続きである、そんなような気がして好きです。


※追記
コメントを受けて思ったのですが、本作は未来の主人公にバンドメンバーの想いを託している、だからでこそメンバーの顛末や、ミュージックビデオが評価されるシーンを描かなかったと取れますね。
観客に幸せな未来を想像させるために「描きすぎない」、その意義を確かに感じます。


〜親への愛〜

コナーは離婚する両親に鬱積した思いを持っていましたが、旅立つ前に寝ている母に「愛しているよ」と言い残していることがよかったですね。

ラフィナが「悲しみと喜びを知って、それが愛よ」と言ったこともありました。
ひどい環境で、悲しみがあっても、親を恨まず、愛していることをただ告げる。普遍的な親の愛情は、そのようなものですよね。


〜兄貴の学校〜

もうね、ジャック・レイナー演じるお兄ちゃんが大好きすぎでした。

彼は、家の経済状況の悪化のため大学中退を余儀なくされ、ひきこもりになっていたものの、弟のコナーのために「学校」を開いて音楽指導をしてくれました。

お兄ちゃんが「どんなことでも天職さ(その天職に就けなかった)」と言っていたことは切なかったのですが、これこそコナーを送り出した理由になっています。
新天地に向かうコナーのすべてを肯定してくれるお兄ちゃんを見て、兄貴ーーー!と叫びたくなりました。


〜解放〜

作中屈指の名シーンが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をリスペクトをしながら、コナーが「自分の望むミュージックビデオ」を観るシーンでしょう!

バック・トゥ・ザ・フューチャー [Blu-ray]
ジェネオン・ユニバーサル (2012-04-13)
売り上げランキング: 14,991

自分をいじめていたはずの校長はバク転する、ラフィナもいる、みんなが自分たちの歌に熱狂をしている……。
このシーンでは、彼の「環境の悩み」が解放されています。

これは願望ではあったけど、最後に彼は本当に解放への道を選択する。
だからでこそ、この映画は爽快感に溢れているのでしょう。


〜船出〜

ラストの船出は、嵐と言えるほどの強い雨に見舞われてしまいます。
しかしコナーとラフィナは振り返らない。
大きな船とぶつかりそうになっても、コナーは笑顔でそれを見ていた……

これはラフィナが海辺でのミュージックビデオの撮影のとき、躊躇せずに海に飛び込んだことともリンクしています(ラフィナは「中途半端にしてはいけない」と言っていた)。
解放された彼らは、もう何も恐れない、ただただ自分の望む場所で、自分の夢に向かって生きるのでしょう。


おすすめ記事、楽曲の確認もこちらで↓
「シング・ストリート 未来へのうた」(ネタバレ) 外に出ていけなくても、託すことはできる。 - 行列のできるラブホテル

※楽曲の試聴が可能です↓
シング・ストリート 未来へのうた
サントラ
ユニバーサル ミュージック (2016-07-06)
売り上げランキング: 482
(C)2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2016-07-14 : 映画感想 : コメント : 7 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

No title
さっそく読みたかったヒナタカさんの不満点がお目にかかれて嬉しいです! いつも世評に流されない姿勢がいいですね(マジで)

ちなみに、ぼくの見間違えでなければスイッチを壊して追い出されたのは例のいじめっ子ではなく、別人ではないかと。いじめっ子はローディーとしてメンバー入りし、そのあともっとも盛り上がる曲でボディーガードのような働きも見せていましたし、物語的にもかなり報われているではないでしょうか。

製作したMVや淡白なお別れについて、これはコナーがロンドンに到着後なにかしらの評価を得たのだと思いました(願望ですが)。「ぼくらを救い出してくれ」とメンバーの一人が言っていたことを実行し、その結果としてぼくら観客があのMVを観れているのだとしたら、なかなか素敵な帰結だなと。(ちゃんとモテモテになったのかも)

ゲロシーン、ぼくは拍手でしたよ。華やかで騒がしいギグの外側はこんなもん、という説得力が、ぼくらの世界とは無関係ではない地続きである、そんなような気がして好きです。

とはいえ、ぼくも絶賛派ではないのですが、いい映画でした!
2016-07-14 20:55 : コタツ URL : 編集
失敗したっていいじゃない、人間だもの
まず最初にこの映画に僕はやられちゃったのでベタ褒めしますw(すいません)
端的に言ってスカッと突き抜ける青春映画は個人的に久々だと感じましたし
『ズートピア』の「Try everything」は本作も象徴しているテーマだと僕は感じました。

先ず何しろ切っ掛けが大好きですwたまたま見掛けたストライクな女の子口説く為に
「いや俺…バンドやってっから。MV撮らない?」と言う
あの辺の絶妙なボンクラ感が最高でした。その後のメンバー集めがサクサク進みすぎじゃね?…と言えなくもないですが
そんなしょうもない理由から集まった『そこそこ』才能ありげなメンバーでMVを作りますが
主人公コナーの音楽の師匠である兄ちゃんに「ク◯だな、臭っせえ!」と見事に酷評されます。
その後ヒロインであるソフィナがロンドンに旅立つまでMV作りに励むわけですが
「本気なんでしょ?だったら徹底的にやろうよ!」とソフィナが
率先して海にダイブしたりして「シングストリート」を引っ張っていくとことか凄く好きですし
僕はヒナタカさんと逆で他のメンバーが影薄いとは思いませんでした。
視点があくまで主人公コナーに絞ってあるだけで
登下校する際のコナーの髪型と自信を深めるメンバーとか大好きですし
「俺テストなんだ…」→「女の子くるよ?」→「やろうか」の下りとか腹抱えて笑いましたw

そんな何気無かった青春の幸福な日々が、ソフィナの旅立ちと両親の別居と言う形で終わりを告げる訳ですが
あんなに自信満々で夢と希望に溢れていたのに
男にあっさり騙されボロボロにされたソフィナを見て、どうしても僕は
ニックを裏切ってしまい魂抜けたようにニンジン売ってる時のジュディと重なってしまい涙出てきそうでした。
その後本作の白眉シーンである「Drive It Like You Stole It」のMVや
学園祭でのギグであのムカつく校長を罵倒するシーンに繋がる訳ですが
ここはもう僕ごときがグダグダ言うよりとにかく見てくれとしか言えないですねw

「仲間やいじめっ子ほったらかしかよ!」問題についてですが
この物語は監督の半自伝映画であると同時にダブリンから生まれた世界的バンド「U2」の若い頃もちょっと入ってるそうです。
(メンバー集めに学校でポスター張る、初のギグが学園祭etc)
なのでロンドンに渡る際「デモテープは持ったよ」と言っているので
あの後成功したとすれば、元いじめっ子の用心棒含む他の仲間も晴れてロンドンに行ける…と僕は解釈しました。
まああのボートに全員乗ったりしたらそれこそ「ザ・ブリザード」みたいになりかねませんし
別れを言わなかったのも、「俺が絶対お前らをロンドンに連れていく!」と無言のメッセージで
メンバーもそれは十分分かってるからなんでしょうね。

更に言えば僕は本作はあの大問題傑作「葛城事件」に対する肯定的なアンサー作品だとも感じました。
「葛城事件」は「人生は残酷で落ちぶれたらとことん堕ちるしかない」と描かれていましたが
この映画では「別居がなんだ!現実がなんだ!荒波が来ようが俺達は負けない。乗り越えてやる!!」と言う力強いメッセージが
最後の最後のあのラストシーンに込められていたと感じました。
僕も彼らのように、絶望を感じる前に先ず希望を持ち続けて前進したら何か良いことあるぞ!と勇気付けられましたし
運命を呪う前にやれることがあるだろうと、ジョン・カーニー監督にケツを蹴られたような気分になりました。

長々と書いてしまいましたが、この映画は細かい穴も含めそこ込みで本当に愛せる大傑作になったと思っています。
公開規模は大きくないですが、一人でも多くの人に見て欲しいです。
2016-07-14 21:11 : ラリーB URL : 編集
Re: 失敗したっていいじゃない、人間だもの
コタツさん、ラリーBさんありがとうございまーす。
スイッチ壊したのが彼かどうか自信がなかったのですが、やっぱりか・・・失礼いたしました。
U2のってのもいいなあ!丸ごと追加&修正します。
2016-07-14 21:18 : ヒナタカ URL : 編集
No title
PG12となっていますが
見て欲しい対象としては思春期か
その前の男の子な気がします
2016-07-16 17:56 : URL : 編集
最後の船のシーンは、兄貴の『俺が道を切り開いた』とかさなると思います。デカイ船が兄貴、その後ろに続く小さい船が弟。
2016-07-18 00:46 : まえだ URL : 編集
No title
はじめまして、感想読ませていただきました。
3回鑑賞したものですが、
拝見した不満点にやや疑問を感じる部分があるのでコメントさせていただきます。
作ったMVを劇中に観てもらうシーンがない
っとありますが、序盤、THE RIDDLE OF THE MODEL のMV撮影後、兄貴にそれを見せ、兄貴がラフィーナを褒め、MV含めた曲の感想をコナーに述べるシーンがあり、また後半にもコナーの父親がソファに横たわりながら観ているカットもありましたが
ああいったくだりは覗いて、その他の曲におけるMVを観る、評するシーンがない、というところに不満を持たれている、という認識でよろしいのでしょうか?

仮にそう仮定すると個人的にですが、後半はMVは付属物程度、コナー→ラフィーナの恋愛パート、またコナーの自己表現媒体として音楽が扱われるようになるため、そう何度も何度もMV自体をを評するシーンを入れる必要性があまり感じられません。また一度目のものをああもじっくりブレンダンが観る、評する仮定を見せているのでその後の曲も行っているのだろうと容易に想像は可能です。
また本作は鬱積した状況下でのコナーらの奮闘、コナーの自己表現としての音楽の扱いがあるからこそ僕はのめり込めました。コナーらが公的に評価されるシーンがないからこそです。ギグにおいても男子にはヤジを飛ばされまくっています。あそこに評価されるような描写が入ると一気に展開のリアリティが損なわれます。本作が幻想のリハーサルシーン後につきつける現実からも、そういったたリアリティを重要視しているのは明らかです。最後もコナーが成功した、というような見せ方はしませんし。

また、他のバンドメンバーの大半が女にモテたいからバンドを始めたと解釈されていますがその根拠は何処にあったでしょう?
少なくともラリーとゲイリーに関してはそもそもベースとドラムを二人でやっていたと思われる表現があるため、単純に音楽が好きで入ったと想像できます。またンギグも手違いでバンドに勧誘され、モテたいからバンドの加入を希望したというような描写は無いです。目立ちたがりって描写はありましたけど。またかのエイモンに関してはガチガチの音楽ギークであり女が動機にはなっていません。ギグで女を呼ぶ→やろうのくだりをはじめ、モテたいと言うような感慨はあったのかとも思われますが、コナーは高校の前にいるラフィーナに自ら声をかけにいって、自ら詩を書いて、バンドの音の良さもあるものの、自分からアプローチしてラフィーナを射止めています。別に"バンドをやっていた"からモテた、というわけではありません。ので多分と書かれてはいますが、このあたりの不満点は少々根拠がぶれすぎかな、と思います。

でも自分じつは本作は見終わった瞬間に確実に割れるだろうと想像してましたのでトマトでの平均点には少々驚きました。コナーに少しでも嫉妬の感情がでると確実にのめり込めないだろうと思いましたので。
2016-07-23 13:45 : 今 URL : 編集
Re: No title
詳細なご意見をありがとうございます!

> はじめまして、感想読ませていただきました。
> 3回鑑賞したものですが、
> 拝見した不満点にやや疑問を感じる部分があるのでコメントさせていただきます。
> 作ったMVを劇中に観てもらうシーンがない
> っとありますが、序盤、THE RIDDLE OF THE MODEL のMV撮影後、兄貴にそれを見せ、兄貴がラフィーナを褒め、MV含めた曲の感想をコナーに述べるシーンがあり、また後半にもコナーの父親がソファに横たわりながら観ているカットもありましたが
> ああいったくだりは覗いて、その他の曲におけるMVを観る、評するシーンがない、というところに不満を持たれている、という認
識でよろしいのでしょうか?

そうなのですか!
おそらくそこで、「MVをみている」という感覚が自分になかったんだろうなあ・・・追記させてください!
>
> 仮にそう仮定すると個人的にですが、後半はMVは付属物程度、コナー→ラフィーナの恋愛パート、またコナーの自己表現媒体として音楽が扱われるようになるため、そう何度も何度もMV自体をを評するシーンを入れる必要性があまり感じられません。また一度目のものをああもじっくりブレンダンが観る、評する仮定を見せているのでその後の曲も行っているのだろうと容易に想像は可能です。
> また本作は鬱積した状況下でのコナーらの奮闘、コナーの自己表現としての音楽の扱いがあるからこそ僕はのめり込めました。コナーらが公的に評価されるシーンがないからこそです。ギグにおいても男子にはヤジを飛ばされまくっています。あそこに評価されるような描写が入ると一気に展開のリアリティが損なわれます。本作が幻想のリハーサルシーン後につきつける現実からも、そういったたリアリティを重要視しているのは明らかです。最後もコナーが成功した、というような見せ方はしませんし。

> また、他のバンドメンバーの大半が女にモテたいからバンドを始めたと解釈されていますがその根拠は何処にあったでしょう?
> 少なくともラリーとゲイリーに関してはそもそもベースとドラムを二人でやっていたと思われる表現があるため、単純に音楽が好きで入ったと想像できます。またンギグも手違いでバンドに勧誘され、モテたいからバンドの加入を希望したというような描写は無いです。目立ちたがりって描写はありましたけど。またかのエイモンに関してはガチガチの音楽ギークであり女が動機にはなっていません。ギグで女を呼ぶ→やろうのくだりをはじめ、モテたいと言うような感慨はあったのかとも思われますが、コナーは高校の前にいるラフィーナに自ら声をかけにいって、自ら詩を書いて、バンドの音の良さもあるものの、自分からアプローチしてラフィーナを射止めています。別に"バンドをやっていた"からモテた、というわけではありません。ので多分と書かれてはいますが、このあたりの不満点は少々根拠がぶれすぎかな、と思います。

これもおっしゃる通りです!修正します。

> でも自分じつは本作は見終わった瞬間に確実に割れるだろうと想像してましたのでトマトでの平均点には少々驚きました。コナーに少しでも嫉妬の感情がでると確実にのめり込めないだろうと思いましたので。

宇多丸師匠へのメールはわりと賛否両論でしたね。自分も主人公へのイチャラブっぷりにちょっとイラっとするほうですw
2016-07-24 10:57 : ヒナタカ URL : 編集
Pagetop




« next  ホーム  prev »

最新の記事

最近のおすすめ映画

sully ポスター
イーストウッド、真骨頂
こえのかたちぽすたー
生きてくれて、ありがとう
怒り映画ポスター
信じていいのか

広告(同じウィンドウで開きます)


Twitter...

反響のあったorおすすめ記事

<初めて来られた方へ(ブログの説明)>
<著者プロフィール>
こちらでも記事を執筆中↓
<ヒナタカ | シネマズ by 松竹>

ご連絡の際は、以下のメールアドレスまでお願いします(☆を@に変えてください)
hinataku64_ibook☆icloud.com

2015年ベスト映画20
2015年ワースト映画10

2014年映画ベスト20
2014年映画ワースト10

2013年映画ベスト20
2013年映画ワースト10

2012年 映画ベスト20
2012年 映画ワースト10

2011年 映画ベスト20
2011年 映画ワースト10

映画パロディAVタイトルベスト10
映画邦題ベスト10&ワースト10
Yahoo!映画のステマ評価ワースト5
レビューサイト「Filmarks」の優れた点&ちょっと微妙なところ
剛力彩芽のゴリ押しっぷり
真のレゴムービーの日本版予告編


<2015年下半期>
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
『ハーモニー』
『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
『マッドマックス4』
『チャッピー』
『ワイルド・スピード7』
『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
『ゼロ・グラビティ』
『かぐや姫の物語』
『ウルヴァリン:SAMURAI』
『貞子3D2』
『ガッチャマン』
『劇場版銀魂 完結篇』
『モンスターズ・ユニバーシティ』
『サイレントヒル:リベレーション3D』

<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
『G.I.ジョー バック2リベンジ』
『藁の楯』
『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
『ソウ ザ・ファイナル3D』
『リミット』

<そのほか>
漫画『花のズボラ飯』全話レビュー

守銭奴すぎるバンナムの課金ゲーム

検索フォーム

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
未設定
--位
アクセスランキングを見る>>

カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

09月 | 2017年10月 | 11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。