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失った者たちの交錯「ヒアアフター」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はヒア アフターです。


個人的お気に入り度:6/10

一言感想:少々退屈さは否めないけど、さすがのイーストウッド印


あらすじ


ジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は津波に巻き込まれ、臨死体験をする。
かつての霊能力者のジョージ(マット・デイモン)は死者と「交信」することに疲れ、今は工場で働いていた。
少年マーカスは、突然の交通事故で双子の兄を亡くしてしまう。

愛を失った3人の人生が、同時に描かれる。





この映画は展開のダイナミズムさに乏しく、実に淡々としています
これは作品の味でもあるので批判するのはナンセンスなのですが、正直言って退屈に感じたシーンも少なくないです。


それでもそれぞれのストーリーの役者の演技、心理描写には文句のつけようがないですし、演出も「描きすぎない」さじ加減が見事だと思います。
「さすがはクリント・イーストウッド!」と、心から思える丁寧な仕事っぷりです。


この物語は3人の「何か」を失った者たちの物語です。
大切な人や、何かを失っても、どこかで手を取り合えば・・もしくは誰かと向き合うことができれば・・
何かを得ることや、生きていけると思うことがあるのではないか、そう考えさせてくれます。



単純に「面白かった!」と言うには、もう少し展開が欲しかったところですが、同監督の「グラントリノ」「ミリオンダラーベイビー」などが好きな人には十分にオススメできる質の高い作品です。それよりはだいぶ満足感は低かったけれどね。




以下、ネタバレです↓結末に触れています!













・何故「ヒアアフター(来世)」というタイトルなのか

一番違和感を感じたのはこれだったりします。
この映画では「生きている人」に焦点が当たっていて、ドラマの向かうべきところは来世ではないと思います。
*追記「here after」という言葉から「今からの生き方」「今後」「将来」というふうにも解釈できると思います。
単純にタイトルの意味を「来世」ととらえないほうがいいかもしれません。


・ジョージや、周りの人たちの気持ち

この映画で優れていると思ったのは「死者と交信をすることで、傷ついてしまう」人たちの姿を描いたところ。
彼の兄は商売に役立てたいのだけど、ジョージは「これは能力なんかじゃない、呪いだ」と言っている。
初めてこれを言ったときに、この言葉に共感する要素は少ないです。
ですが料理教室で出会ったメアニーのエピソードでそれを痛感させてくれます。
死んだ人ともう一度会いたいと願う人はいるでしょうか、これを見ると「悲しいだけで、いいことなんてないんじゃないか」そう思います。

それでも、双子の兄のジェイソンが、弟のマーカスを救ってくれたことを教えてくれたのは、本当によかったと思いました。



・ジョージは何故料理教室に通っていたの?

おそらく彼は家庭を持ちたいと願っていたのでしょう。
しかし彼の呪いの重さはメアニーとは共有することができなかった・・。
彼はこの能力を背負って生きなければならかったのです。



・ジョージが好きなチャールズ・ディケンズ

何故ジョージが作家のディケンズが好きなのかは明かされませんでしたが、彼の代表作の「クリスマス・キャロルは「死んだあとの世界を見せる」という物語です。
作中に登場した絵画のディケンズの夢も、彼が共感したもののひとつだったのでしょう。
彼が共感することが、ディケンズの物語の中にあったのだと思います。



・死者の世界の描写

オカルト的要素を期待した人にはちょっとがっかりかも。
白い靄がかかったような世界をちょっぴり見せるだけですからね。
ほとんどはマットデイモンの「語り」で死者の言葉が生きている人に伝わります。
自分はこの語り口が気に入っています。



・ラスト。ジョージとマリーの再会。

直前の「キスをしたと思わせる」シーンはちょっと蛇足なんじゃないかとも思いました。
意味深ですが、人によって解釈は異なるでしょう。
これから「惹かれあう」のであって、2人の再会は「始まり」にしか過ぎないのだとおもいます。
そう解釈するなら、あのキスはきたる未来の暗示なのかも。

メアニーという、もっと恋人に近い存在の彼女を登場させたのに、フェードアウトしてしまったのも残念。

本来感動的であるはずのラストで、そんな余計なことを考えてしまった自分はちょっと損をしているのかもしれません。

「手を取ること」はジョージにとって死者と「繋がる」ための方法だった。
それでもラストでは生きる者と繋がるために、自ら彼女の手を取った・・・。

そう考えると、とてもいいラストシーンです。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2011-02-20 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 1
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<2011年下半期公開>
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