漫画「Waltz」に見る「殺し」の価値観
今日は漫画紹介。
紹介するのは現在連載中の「Waltz」です。
個人的お気に入り度:9/10
一言感想:殺し屋たちの超A級アクション&サスペンス
4巻が先日発売されたばかりですが、もう面白くてしょうがない。
月間連載なので展開が遅くてもどかしい。
もう大推薦な作品なのです。
原作者は今をときめく作家・伊坂幸太郎さん。
この作品のために原作を書き下ろしたそうです。
「小説の漫画化」は数多く存在しますが、小説家の方がオリジナルの漫画のために話を作り上げたというのは珍しいのではないでしょうか。気合の入り方が違うわけです。
そして今作のジャンルはサスペンス&アクション。
少年誌と思えないほど人が死にます。映画だったらR15+指定でしょう。
話のほうも、身寄りのない少年が「殺し屋」として成長していく・・・という教育上たいへんよろしくございません。
でも自分は悪趣味なので、こういう非・道徳的な作品こそ大好き。
作中の殺し屋たちの「持論」が面白いのです。
4巻で、殺しの会社の社長「岩西」はこう言います。

「毎日何かを殺している」というのは仏教の「業」に通じます。
それを人間は忘れてしまっている、という言葉に対して、主人公の少年「蝉(せみ)」はこう言い放ちます。
「そんなの当たり前じゃねえか」と。
さらには一家全員を殺したこともある少年は「何故子どもや女を殺すのを嫌がるんだ?」と疑問に思うのです。

全然共感できない台詞です。病んでます。
自分はどんなことがあっても人を殺すのは嫌だし、女性や子どもなんてもってのほかです。
でもそんなことを思うのは人間だけかもしれない。
意外と「当然」「倫理的に許されない」ことって、価値観の範疇から外れると、全然当然じゃないんです。
この言葉を当たり前とまでは思いたくはありませんが、面白い、とは思ってしまうのです。
さらに主人公は「殺し屋」という職業にプライドを持つようになります。

「人殺し」は自己満足、「殺し屋」はそうじゃないと言っています。
どっちでも同じだろ、と言いたいところですが、彼がその後に言う仕事の持論は共感できるんです。
それは全ての仕事を請け負う人が持つべき感情。
ぜひ単行本で、「殺し屋」の彼の言葉を読んでほしいです。
まあそんな「殺人」に関する哲学的なことを考えなくてもエンターテイメントしても最高に面白い作品です。
読んでてすごい!と思ったのは
「殺人者たちが三つ巴ならぬ四つ巴の攻防を繰り広げる」という内容なのに全然混乱しない
ことです。
書き分けと、エピソードの整理がしっかりしているためでしょう。これだけで作者の力量は計り知れません。
3巻のラストがいいところで途切れているので、とりあえず一気読みがオススメです。
こちらは、この原作者&作画コンビの前作。
これもすごく面白い。読んでおくと「Waltz」の世界をより楽しめます。
伊坂幸太郎さんの原作は、映画になってもクオリティが高く、漫画もこの面白さと言うのはいちファンとしてうれしいです。
映画のなかでも一番好きなのはこれ。
瑛太が素晴らしい演技を見せてくれますよ。
紹介するのは現在連載中の「Waltz」です。
個人的お気に入り度:9/10
一言感想:殺し屋たちの超A級アクション&サスペンス
4巻が先日発売されたばかりですが、もう面白くてしょうがない。
月間連載なので展開が遅くてもどかしい。
もう大推薦な作品なのです。
原作者は今をときめく作家・伊坂幸太郎さん。
この作品のために原作を書き下ろしたそうです。
「小説の漫画化」は数多く存在しますが、小説家の方がオリジナルの漫画のために話を作り上げたというのは珍しいのではないでしょうか。気合の入り方が違うわけです。
そして今作のジャンルはサスペンス&アクション。
少年誌と思えないほど人が死にます。映画だったらR15+指定でしょう。
話のほうも、身寄りのない少年が「殺し屋」として成長していく・・・という教育上たいへんよろしくございません。
でも自分は悪趣味なので、こういう非・道徳的な作品こそ大好き。
作中の殺し屋たちの「持論」が面白いのです。
4巻で、殺しの会社の社長「岩西」はこう言います。

「毎日何かを殺している」というのは仏教の「業」に通じます。
それを人間は忘れてしまっている、という言葉に対して、主人公の少年「蝉(せみ)」はこう言い放ちます。
「そんなの当たり前じゃねえか」と。
さらには一家全員を殺したこともある少年は「何故子どもや女を殺すのを嫌がるんだ?」と疑問に思うのです。

全然共感できない台詞です。病んでます。
自分はどんなことがあっても人を殺すのは嫌だし、女性や子どもなんてもってのほかです。
でもそんなことを思うのは人間だけかもしれない。
意外と「当然」「倫理的に許されない」ことって、価値観の範疇から外れると、全然当然じゃないんです。
この言葉を当たり前とまでは思いたくはありませんが、面白い、とは思ってしまうのです。
さらに主人公は「殺し屋」という職業にプライドを持つようになります。

「人殺し」は自己満足、「殺し屋」はそうじゃないと言っています。
どっちでも同じだろ、と言いたいところですが、彼がその後に言う仕事の持論は共感できるんです。
それは全ての仕事を請け負う人が持つべき感情。
ぜひ単行本で、「殺し屋」の彼の言葉を読んでほしいです。
まあそんな「殺人」に関する哲学的なことを考えなくてもエンターテイメントしても最高に面白い作品です。
読んでてすごい!と思ったのは
「殺人者たちが三つ巴ならぬ四つ巴の攻防を繰り広げる」という内容なのに全然混乱しない
ことです。
書き分けと、エピソードの整理がしっかりしているためでしょう。これだけで作者の力量は計り知れません。
3巻のラストがいいところで途切れているので、とりあえず一気読みがオススメです。
こちらは、この原作者&作画コンビの前作。
これもすごく面白い。読んでおくと「Waltz」の世界をより楽しめます。
伊坂幸太郎さんの原作は、映画になってもクオリティが高く、漫画もこの面白さと言うのはいちファンとしてうれしいです。
映画のなかでも一番好きなのはこれ。
瑛太が素晴らしい演技を見せてくれますよ。
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