B級スメルがむしろステキ「スカイラインー征服ー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:ストーリーが見事にぶん投げ(でも好き)
あらすじ
やたらまぶしい宇宙生物から逃げ惑うお話。
いやあ楽しかったです。
実は今作はかなりの低予算。
約1000万ドルで、トランスフォーマー1作目の18分の1くらいのもんです。
舞台もほぼビルの中のみ。
「窓の外に宇宙船がいるカットがあっても、ブラインドを閉めてしまえば合成が少なくてすむ」などなど、なるべく低予算にしようとする工夫が見られます。
そして内容もその制作費に見合うB級感です。
ストーリーは↑のあらすじどおりシンプル極まりないですし、あんまり伏線が使われていないし、いろんな意味で驚愕のオチが待ち構えています。
CGのクオリティがものすごく、安っぽさを感じないのに、脚本がチープというステキさ。
B級パニック映画が好きならとりあえず観ればいいと思います。
ちなみに監督は「AVP2 エイリアンズVS. プレデター」で大酷評をほしいままにしたストラウス兄弟です。
![]() | スティーブン・パスカル 315円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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今回はこの映画の「画面が暗くて観にくい」という反省点が思いっきり生かされています。
何故ならエイリアン自体が光るから(おかげで画面がくっきり)。
あはは。もう「僕たち頑張ったんです」感がして大好きだ。
そんな素直なこの監督のファンになりました。
この映画で特によかったのは「情報を出しすぎず、主人公たちの目線でのみ話を進めたこと」
これは「クローバーフィールド」を彷彿とさせます。(ついでに「宇宙戦争」っぽいシーンもある)
この「説明がないこと」に賛否はあるとは思いますが、自分は猛烈に「賛」」です。
「未知」の生物に対する恐怖を徹底的に描き、主人公の目線でのみ話を進行させることに成功してします。
他の特徴を書くと
・いちおうキャラ紹介するけど、特に必要がない感じ
・一人ひとりやられていく緊張感(誰が生き残るのか?)
などなど、なんにも考えずに観れる正しい地球侵略系ムービーです。
意外とオススメですよ。
ps:あとこんな意味不明なコラボもしているこの映画。(←リンク先18禁注意)
誰が得するんだよ。
以下ネタバレです↓いきなりオチ部分を書いていますので未見の方は読まないように。
はい、というわけでオチはこんな感じでした。
空中戦をバックにキスをするヒロインと主人公(画は素晴らしい絶望感)
↓
宇宙船に体ごと吸い上げられる
↓
宇宙船の中。主人公は脳みそを奪われ、死ぬ
↓
主人公の脳みそは、何故か赤く光っている
↓
それを食う(取り込む?)エイリアン
↓
エイリアン苦しむ
↓
エイリアンが絶体絶命のヒロインを救う。ヒロイン「ジャロッド(主人公)なの?」
↓
エイリアンになったジャロッド。俺たちの戦いはこれからだ!
完
なんでやねん!Σ\( ̄ー ̄;)
まあ考えても無駄だとは思いますが、何故こうなったか考察をしてみます。
①主人公は、はじめのほうに「光」を浴びていた
②主人公は途中で、光に「パワーを感じていた」と言っている
③ホテルマンを片手で持ち上げる
④浴びたときにできていたアザ(血管が浮き出ている)の存在
このあたりから「光をあびて、時間がたったことにより主人公に特別な力が生まれた」と考えれ・・・るけど、ねえ。
すごいぶん投げラストです。
大笑いしてしまったというか誰も想像だにしないオチです。
そりゃ他の作品との差別化ははかれていますが、誰も納得しない意味不明な「続編に続く」オチはどうなんでしょ?
いや好きなんですけどね、この超展開も。
続編があったら主人公がエイリアンをぶっ殺しまくるんでしょうか。すげー観たいよ、それ。
~他気になったこと~
・途中賛成の太ったホテルマン
「苦情がでているんで~」と言って、ちら見せ程度に登場していたこの人。
仲間割れをして、「ここに残っていることで、俺たちは生きている」という主張をしているのに、自爆を選ぼうとしているのはちょっと腑に落ちないなあ。水は出ずともガスは出るし。
あと自爆をしようとしていたときに、バックにはカミカゼ的な軍人のポスターが。安易だなオイ!
<参考>←
でもあんだけ外に出よう出よう言っていた主人公よりはまともです(作中でも突っ込まれてるけど)
・ボートで逃げよう→結局そこに行ってない
結局、屋上で助けてもらおうとしただけ・・しょうがないんですが、あれだけ主張していたのに使わないのはどんなもんでしょ。
・テリー(黒人の人)の浮気
これにより「キャンディス」が生き残るわけですが、生き残った彼女がそのあたりについて言及していなかったのは残念。
・ブラインドがタイマー設定のせいで開いちゃう
これは面白い。主人公たちはずいぶん間抜けですが。
あと布で隠すよりも他の部屋に行ったほうがいいと思うよ。
・脳みそを奪い取るエイリアン
思い切り「スターシップ・トゥルーパーズ」を彷彿とさせますよね。
この映画で「なんで脳みそ取るの?」と思った方は是非こちらのアホ映画をご覧ください。驚愕の理由が描かれていますから。
A:何故取り上げた脳みそまで青白く光るの?
Q:前にも書いたけど、グロシーンをくっきり見せるため。
大変ご趣味がよろしくて大好きです。
・ヒロインは主人公を「脳みそに斧を突き刺して」助ける。
これはつまり「エイリアンが動いていたのは人間の脳みそを使っていたから」というのでOK?
えー?
とまあツッコミどころは満載なんですが、これぐらい大味のほうがむしろ好きです。
こういった映画に必要なのは、観客を飽きさせないテンポのよさと緊張感、派手な戦闘だと思います。
ストーリーとかテーマ性などはどうでもいいで感じで、主人公たちのバックグラウンドは最小限、さらにはじめにエイリアン来襲のシーンを見せておいて、15時間前に戻る構成も成功していると思います。
キャラの日常描写自体なくてもいいと思うけど。
また、予告編では「TVのナレーション」っぽいのが流れていますが、実際にはそのシーンがなかったのも驚き。これは予告編のために作ったものなのでしょうね。
それにしても、予告編でいいところを見せすぎてると思う。「来る」場所がわかってしまうのは残念だなあ。
最後まで軍隊などの目線からの描写はなし、ひたすら主人公たちと逃げ惑うシチュエーションを体験できました。
そんな細かいこだわり、結構好きです。
なるほど、低予算でしょう、恒例の群集による逃避シーンが全くないですし、世界はあの5人だけなのかな?と思うような世界の狭さです。
人間を吸い上げてゆくくらいの大雑把なエイリアンが、重箱の隅をつつくように、人間を探し回る。
(そうそう、ここが宇宙戦争)
SKYLINEと言えば、「ケンとメリーの愛のSKYLINE」を思い出す世代です。
題名、何とかならなかったのか?(残念ながら、原題ですね)
それにしても、CGと云うのですか、便利なものが、安くできるようになったんですなあ。
>「エイリアン4部作+プレデタ-+アバタ-」÷100
実際そんくらい割っている印象&予算です(笑)
スカイラインってタイトルは確かにあまり生かされてなかった気がしますね。
ケンとメリーの~は車のCMソングなんですね。70年~80年代の文化は自分は大好きです。
ばかばかしくも楽しい作品だったので、周りの評価は散々でも好きな映画でした。