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死でも奪えないもの「アントキノイノチ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアントキノイノチです。


個人的お気に入り度:5/10

一言感想:台詞で説明しすぎな上に、展開が納得できないんだけど・・・


あらすじ


永島杏平(岡田将生)は親友を「二度殺した」。
そのトラウマから、高校中退後もうつ病に悩まされていた。

彼が出会ったのは孤独死を迎えた人などの遺品を整理する仕事だった。
上司の佐相(原田泰造)は、その仕事を「天国の引越し屋さん」と呼んでいた。

そこで働いていた久保田ゆき(榮倉奈々)と出会い、彼は、彼女が「一度死んだ」ことを知る。





感染列島」「ヘヴンズストーリー」の瀬々敬久監督最新作です。

タイトルは某プロレスラーを思わせます(作中でも言われている)が、映画の作風はハードです。
いじめの描写や、重く苦しいシーンが多々あるので、それが苦手な方は避けたほうがいいでしょう。


この映画、個人的にどうしても好きになれない要素があります。

それは「TVドラマっぽい」不自然な台詞と、それにそぐわない登場人物の行動です。

要するに内面を言葉で説明しすぎです。
唐突な行動にも「え?」と違和感を覚えます。
それは主人公の「叫び」の描写だったり、予告編でもあった浜辺のシーン、ラストの「一言」でも顕著です。

優れた映画は、登場人物の一挙一動や何気ない台詞で「それを匂わせる」描写がされているのですが、今作ではそれは感じられません。
あまりにも格好つけすぎで、露骨な台詞にどうしても興ざめ感が拭えませんでした。

そもそも主人公2人の設定もどうにも記号的で好きではなかったですし、不快感を持つ方が多いと思われます。
素人目に見てももっと描きようがあっただろう・・・と思わずにはいられません。


映画では
①主人公がどのようにして「親友を二度殺した」のか。
②遺品整理の仕事を通じて描かれる主人公とヒロインの交流。
が同時並行に描かれます。
遺品整理の仕事と、主人公たちの境遇はシンクロしており、これは成功していると思います。

しかしそこにも展開の唐突さ、理解しがたい行動や台詞が顕著です。
せっかく主題はいいのに、その他で台無しというのは勿体なく思えるのです。

ラストに至るまでの展開も多くの方が拒否反応を覚えるでしょう。
テーマの重さもあり、どう贔屓目に見ても万人にオススメできる映画ではありません。



それでもこの映画でよかったこと・・・
それは人に傷つけられた2人が、遺品整理の仕事を通じて、「生と死」に向き合っていく過程です。

似た作品に「サンシャインクリーニング」があります。

エイミー・アダムス
3000円
評価平均:
powered by yasuikamo
それぞれが踏み出した1歩のラストがあたたかい
ザ・クリーナー(♀) 焼かれた家屋
深みがある

主人公たちが遺品整理の仕事をすることと、死を通じて生への希望を掴むという主題は共通しています。


もうひとつよかったのが、役者の入魂の演技です。

主演2人はちょっと美男美女すぎる気がしないでもないですが、岡田将生は繊細な心を持つ吃音者という難しい役どころを見事に演じています。
彼の一番のハマリ役は「重力ピエロ」の準主人公だと思っていますが、今作でもその存在感は一見の価値があると思えました。

脇を固める吹越満、柄本明もよかったですし、落ち着いた演技の原田泰造も(失礼ながら)予想に反してさまになっていました。

来年公開の映画「ヒミズ」に出演する染谷将太も見られて嬉しい限り。さすがの演技力です。



また遺品整理の仕事は、実際にキーパーズという会社が請け負っており、この映画に協賛しています。
原作者のさだまさしさんも、この会社をモデルにしたそうです。

さだ まさし
630円
評価平均:
powered by yasuikamo
タイトルへの違和感を差し引いても5つ星
「これが真のさだまさし!」と言える感動の名作をぜひ多くの方に読んで頂きたいです。
人の死を通して生を見つめる小説。

小説を読んだ方には、この映画は少々不評の様子。
設定や内容は大きく異なるようです。ラストは特に・・・

無縁社会と言われる今の日本でこういう映画が作られるのはとても意味のあることだと思いますし、とことん「人のつながり」を重視した描き方は非凡さを覚えました。

気軽に「観に行って」とは言えませんが、個人的にはとても印象にのこった作品でした。
役者のファンや、岩井俊二監督の「リリイ・シュシュのすべて」が好きな人にはオススメです。


以下、ネタバレです 未見の方はご遠慮下さい↓















~いろいろ気になったこと~

オープニング。いきなり主人公が全裸で屋根の上で座っているという意味不明なシーンからはじまります。
単なる奇をてらった演出かな?と思っていたのですが、本当にそうだから困ります


ヒロイン(ゆき)は男性恐怖症であり、遺品を捜しに来た男性に手を握られたとき悲鳴をあげていましたが・・・
飲みに行くシーンで、永島(主人公)に思い切り手を握られています

そこは「嫌がる」シーンでないと説得力がありません。
トラックでも男2人に挟まれて座っているし・・・
細かいところに気を使ってほしかったです。


遺品整理の仕事中、「ご供養品」「ご不用品」と言いながらを仕分けをするシーンがあるのですが、いくらなんでももゴロが似すぎで間違えやしないかと思った。
音素しか違わないんじゃん。


「子どもを捨てた母」の手紙を、その子に届けるシーンがありますが・・・このときの永島はちょっと無理やり過ぎです。
佐相の言う「余計なことすんな」は全くその通りだと思います。
結果としてはよかったものの、その後に道端で叫んだりするのも(しかも主人公が唐突に叫ぶのは観覧車のシーンに続き2回目)感情移入できなくて困ります。


山岳部の描写も違和感あります。
先生が「生徒が落ちて死にそうになっている写真」を撮っていて、勝手に掲示して、何も言わなかったって・・・?
主人公の「なんでだよ!」に同意してしまいます。悪い意味で。

「松井」が危険な道に行く永島についていったのは、「死が怖い」ほかにも、「死にたい」という矛盾した感情の表れだと思います。

またゆきを強姦した相手は、原作では松井であるとはっきり描かれているようです→参考
この映画ではそこをぼやかしたような印象になっているのは気になります。



~終盤の不満点~

一番違和感があったのは、浜辺の「元気ですかー!」のあとのシーン。

ゆきが長嶋の胸に手を置き、「永島君の心臓の音が聞こえる」と言う

ゆきがいきなり歩いてどっか行こうとする

永島が後ろからゆきを抱きかかえる

正面から抱き合う

どういうことだってばよ。
心臓の音が聞こえる、というのはヒロインが「生」を感じた重要なシーンですが、その後に歩き出す意味がさっぱりわからない。

思うに監督が「後ろから抱きかかえる」画を撮りたかっただけなんじゃないかと・・・ここで興ざめさせないで欲しいです。

しかもその後、ゆきはナレーションで永島のことを「キョウヘイ」といきなり下の名前で呼んでいます。いままで「永島君」って呼んでいたよね?
そこは初めて名前で呼ぶシーンが必要だったんじゃないかと。


そして・・・ゆきは子どもをかばい、交通事故で死んでしまいます。

普通だったらこの後、主人公の喪失がこれでもかと描かれるところですが、この映画では次のシーンは主人公が仕事の話を電話でしているシーンです。
唐突かつ感情移入できません。

その後にゆきの遺品整理を始める永島が、「今日はお前がリーダー」だと上司の佐相に言われるのは良かったです。
佐相はゆきとの交流のことを知っており、そのために任命したのでしょう。



~永島の写真~

永島は、遺品整理をしているさなかに見つけます。
ゆきが、カメラで永島を撮り、その写真を大切そうに保管していたことを・・・。

中盤では、ゆきは遺品整理の仕事中にカメラで部屋の様子を撮っていました。

飲み屋で、唐突に永島はゆきに聞きます。「生きている人間は撮らないの?」と。
その後ゆきは「自分に死にそうな時期があった」と語る永島を撮り、「一度死んだ人ならいいかな、と思って」と言います。

そのときは、確かにそんな心境で撮っていたのでしょう。
しかし、永島と交流するうちに、彼女には違った感情が芽生えていったのではないのでしょうか。

それは浜辺で語った「あの時の命が、今の君に繋がっている」というメッセージにあられています。
そのときの写真には「アントキノイノチ」というタイトルが振られていました。

彼女は性被害にあい、流産したことの子どものことを想い、自分を責め続けていました。
その彼女も、生の尊さを「誰かがいたから、誰かの命がある」という形で知ったのです。

撮っていた永島の姿は、彼女にとって、生そのものの体現でもあったと思います。



~作品のメッセージ~

その後に助けた女の子のところまで行くシーンの音楽が大仰すぎたり、小さな女の子に向かって二回も「元気ですかー!」と大声で叫ぶ(怖いだろ)など不満はなくはないです。

しかし後味は悪くありませんでした。

「もう一度生きることを選んだ」ヒロインの死はいたたまれないものです。
しかし、「死」だけでは終わらないということを映画では深く描いているのです。

ゆきは「死んでも、消えたりなんかしない」と言っていました。

それもそのはずです。

子ども二人を餓死させたという部屋(鍵がボロボロになっていたり、蛇口が針金で巻かれていたのが残酷極まりない)でさえも、幼い子どもの服があります。
*おそらくモデルになったのはこの事件です→大阪2児餓死事件

迷惑をかけたくないから老人ホームに来た女性も、夫婦でおそろいのカップを持ってきており、留守番電話には「ごめんなさい」というメッセージが入っていました。

子どもを捨てた母も、子どもへ出せなかった手紙を持っていました。

その全てが、当事者が死んだあとも残っていたものでした。

その残されたもので、人は救われることができる

そういった想いを感じるのです。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2011-11-20 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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No title
昨夜仕事終わりに見てきました
小説は2度読みました、高2の息子も読んでましたが
映画は薦めませんでした。
映画に不満の方是非小説を読んで頂きたいです。
ひと言「詰めすぎの幕の内弁当」
2012-01-18 20:39 : URL : 編集
Re: No title
コメントありがとうございます

> 昨夜仕事終わりに見てきました
> 小説は2度読みました、高2の息子も読んでましたが
> 映画は薦めませんでした。

自分は読んでいないのですが、ものすごく評判がいいですよね

> 映画に不満の方是非小説を読んで頂きたいです。
> ひと言「詰めすぎの幕の内弁当」

いろいろ詰め込んだ挙句小説にない余計な要素が入っている気が・・後半の展開はちょっと好きになれません。
2012-02-06 12:16 : ヒナタカ URL : 編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013-02-19 03:51 : : 編集
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『UFO学園の秘密』
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<2013年上半期公開>
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『脳男』
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<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
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『るろうに剣心』
『プロメテウス』
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『アナザー Another』
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<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
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『手塚治虫のブッダ』
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