放射能の被害を受けた本屋さんの物語 漫画「ほんの森でまってる」紹介
今年に起きた未曾有の震災により、生活を奪われ、今の生活もままらない人たちが多くいます。
現地の人たちの意見や生活もたびたび報道され、書籍もいくつか発売されましたが、「物語」として現地の人の想いが綴られたものはまだ少ないと感じます。
今日はその数少ない、大震災の被害を受けた人たちを描いた漫画作品「ほんの森でまってる」を紹介します。

物語はこのように始まります。

緑がはえる山々をバックに、最後の2行が「放射能がふった」
ショッキングな一文ですが、これが美しい自然と人たちの笑顔を壊した、と思わせる描写になっています。
作品の舞台になっているのは、実在する飯舘村の本屋さん「いいたて」です。
主人公の女性は、念願となる山間の本屋さんで働き始め、希望に満ちた生活を送っていました。
しかし・・・震災と、その二次災害により、彼女の周りの生活は一変します。

東北関東大震災で引き起こされた、原子力発電所のメルトダウン、そして放射能の被害を作品では描きます。
作中では「東京電力」という名前も伏せ字ではなくしっかりと登場します。
主人公がネットの意見(中傷だけではない)を気にするシーンは現代的です。

風評被害にさらされ、子どもたちも放射能におびえる。
その現実の「どうしようもなさ」はとても苦しく思えるのです。
最後に主人公は、この状況を呪うことはせず、希望を持ったことばを言います。
こうであってほしいと思えることですが、なかなかそう思うことは難しいはずです。
現地の状態を知らない方に是非、そのことばを読んでほしい、そう思える作品でした。
震災以降、災害をテーマとした作品が公開を延期されたり、自粛されていますが、こういった現地の人たちの気持ちを伝える作品があるというのはとても意味があることだと思います。
小説、漫画、映画などのメディアは、こうした「実際に体験していない人も、疑似的にその気持ちが分かる」ということができる媒体です。
現地の人のことを考えれば自粛も致し方がない部分もあるとは思うのですが、その場所以外の人に気持ちを伝えるためには、「物語」は最も適していると思います。
こういった作品が増えてほしい。そう願います。
*この作品は漫画雑誌「エレガンスイブ」の1月号に掲載されています。
作中に登場する本はこちら
参考↓
福島第1原発:飯舘村唯一の書店が涙の閉店…「必ず戻る」 - 毎日jp(毎日新聞)
現地の人たちの意見や生活もたびたび報道され、書籍もいくつか発売されましたが、「物語」として現地の人の想いが綴られたものはまだ少ないと感じます。
今日はその数少ない、大震災の被害を受けた人たちを描いた漫画作品「ほんの森でまってる」を紹介します。

物語はこのように始まります。

緑がはえる山々をバックに、最後の2行が「放射能がふった」
ショッキングな一文ですが、これが美しい自然と人たちの笑顔を壊した、と思わせる描写になっています。
作品の舞台になっているのは、実在する飯舘村の本屋さん「いいたて」です。
主人公の女性は、念願となる山間の本屋さんで働き始め、希望に満ちた生活を送っていました。
しかし・・・震災と、その二次災害により、彼女の周りの生活は一変します。

東北関東大震災で引き起こされた、原子力発電所のメルトダウン、そして放射能の被害を作品では描きます。
作中では「東京電力」という名前も伏せ字ではなくしっかりと登場します。
主人公がネットの意見(中傷だけではない)を気にするシーンは現代的です。

風評被害にさらされ、子どもたちも放射能におびえる。
その現実の「どうしようもなさ」はとても苦しく思えるのです。
最後に主人公は、この状況を呪うことはせず、希望を持ったことばを言います。
こうであってほしいと思えることですが、なかなかそう思うことは難しいはずです。
現地の状態を知らない方に是非、そのことばを読んでほしい、そう思える作品でした。
震災以降、災害をテーマとした作品が公開を延期されたり、自粛されていますが、こういった現地の人たちの気持ちを伝える作品があるというのはとても意味があることだと思います。
小説、漫画、映画などのメディアは、こうした「実際に体験していない人も、疑似的にその気持ちが分かる」ということができる媒体です。
現地の人のことを考えれば自粛も致し方がない部分もあるとは思うのですが、その場所以外の人に気持ちを伝えるためには、「物語」は最も適していると思います。
こういった作品が増えてほしい。そう願います。
*この作品は漫画雑誌「エレガンスイブ」の1月号に掲載されています。
![]() | 630円 powered by yasuikamo |
作中に登場する本はこちら
![]() | 高橋 健司 2625円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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参考↓
福島第1原発:飯舘村唯一の書店が涙の閉店…「必ず戻る」 - 毎日jp(毎日新聞)
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