邦題詐欺だけど面白い!「ミケランジェロの暗号」ネタバレなし紹介+お気に入りシーン
DVDで観た映画「ミケランジェロの暗号」(原題:Mein Bester Feind)の感想です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:コメディじゃん、これ
あらすじ
1938年のウィーン。
画商カウフマンの息子・ヴィクトルは、親友のルディに貴重なミケランジェロの絵画の隠し場所を教える。
しかしルディはナチスの一員であり、自らの出世のため軍に密告してしまう。
軍は絵を奪い、ヴィクトルとその両親は収容所へと送られた。
しかし、軍が奪い取った絵は贋作(偽物)であるとわかる。
ヴィクトルはそのさなか、母を救い出すためある駆け引きに乗り出す。
「ミケランジェロの暗号」なんて大仰なタイトルを聞くと「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなサスペンス映画を予想してしまいますよね(自分がそうでした)。
↑の画像を見ても、お堅い戦争ものっぽい印象を受けますよね。
それを踏まえて、製作国(オーストリア)の公式ホームページのTOP画像をご覧ください。

・・・・何か雰囲気違くね。
そう、この映画は重圧な映画なふりをして、実はコメディ映画なのです。
コメディ映画といってもギャグ一辺倒ではなく、落ち着いた雰囲気の中に大人向けのウィットの効いたシーンがいくつかある塩梅です。
ときにはサスペンスシーンでハラハラし、ときには登場人物に感情移入をしてしまう、まっとうな娯楽作品になっています。
ナチス・ドイツの圧政があった時代の物語ですが、このあたりの歴史を知らないと楽しみにくいかと言えばそんなこともありません。
*もちろんSS、ヒムラー、ムッソリーニなど、用語&人物を知っていたほうがより楽しめます。
それはメインのストーリーが簡潔でわかりやすく、かといって単純すぎでもない、絶妙なバランスで作られているからです。
そして観ていて頬が緩んでしまう愉快なシーンも満載で飽きさせません。
映画ファンにこそオススメしたい、隠れた良作と言えそうです。
ていうか邦題の「ミケランジェロの暗号」はひどくって、そんなもんは作中に登場しません。
いや「ミケランジェロの絵」「暗号」はそれぞれ別の場所で出てくるんですけど・・・何故くっつけた。
そのタイトルは誤解しか生まないって。
原題は「My Best Enemy」を意味しています。直訳すれば「私の最良の敵」といったところ。
これはラストまで観てみると、とても味のあるタイトルだと思います。
あらすじどおり、主人公の友人は裏切り、ナチスに売ってしまうという最低な人間です。
これが何故「最良の敵」となるのか。
是非ご覧になって確認していただきたいです。
はじめの15分くらいは話が進まなくてタルく感じたり、ミステリー部分が大したことなかったりするので手放しでは絶賛しませんが、そこを乗り切ってしまえば本当に面白い映画です。
クスクス笑って、最後には晴れやかな気持ちになる映画を観たい方にオススメです。
以下は結末に触れていませんが、作中のシーンが少しだけネタバレしているので未見の方は要注意↓
![]() | モーリッツ・ブライプトロイ 3061円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:コメディじゃん、これ
あらすじ
1938年のウィーン。
画商カウフマンの息子・ヴィクトルは、親友のルディに貴重なミケランジェロの絵画の隠し場所を教える。
しかしルディはナチスの一員であり、自らの出世のため軍に密告してしまう。
軍は絵を奪い、ヴィクトルとその両親は収容所へと送られた。
しかし、軍が奪い取った絵は贋作(偽物)であるとわかる。
ヴィクトルはそのさなか、母を救い出すためある駆け引きに乗り出す。
「ミケランジェロの暗号」なんて大仰なタイトルを聞くと「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなサスペンス映画を予想してしまいますよね(自分がそうでした)。
↑の画像を見ても、お堅い戦争ものっぽい印象を受けますよね。
それを踏まえて、製作国(オーストリア)の公式ホームページのTOP画像をご覧ください。

・・・・何か雰囲気違くね。
そう、この映画は重圧な映画なふりをして、実はコメディ映画なのです。
コメディ映画といってもギャグ一辺倒ではなく、落ち着いた雰囲気の中に大人向けのウィットの効いたシーンがいくつかある塩梅です。
ときにはサスペンスシーンでハラハラし、ときには登場人物に感情移入をしてしまう、まっとうな娯楽作品になっています。
ナチス・ドイツの圧政があった時代の物語ですが、このあたりの歴史を知らないと楽しみにくいかと言えばそんなこともありません。
*もちろんSS、ヒムラー、ムッソリーニなど、用語&人物を知っていたほうがより楽しめます。
それはメインのストーリーが簡潔でわかりやすく、かといって単純すぎでもない、絶妙なバランスで作られているからです。
そして観ていて頬が緩んでしまう愉快なシーンも満載で飽きさせません。
映画ファンにこそオススメしたい、隠れた良作と言えそうです。
ていうか邦題の「ミケランジェロの暗号」はひどくって、そんなもんは作中に登場しません。
いや「ミケランジェロの絵」「暗号」はそれぞれ別の場所で出てくるんですけど・・・何故くっつけた。
そのタイトルは誤解しか生まないって。
原題は「My Best Enemy」を意味しています。直訳すれば「私の最良の敵」といったところ。
これはラストまで観てみると、とても味のあるタイトルだと思います。
あらすじどおり、主人公の友人は裏切り、ナチスに売ってしまうという最低な人間です。
これが何故「最良の敵」となるのか。
是非ご覧になって確認していただきたいです。
はじめの15分くらいは話が進まなくてタルく感じたり、ミステリー部分が大したことなかったりするので手放しでは絶賛しませんが、そこを乗り切ってしまえば本当に面白い映画です。
クスクス笑って、最後には晴れやかな気持ちになる映画を観たい方にオススメです。
以下は結末に触れていませんが、作中のシーンが少しだけネタバレしているので未見の方は要注意↓
この映画のコメディの主体・・・それは主人公自らが、かつての親友と「入れ替ってしまう」というものでした。
主人公の「ヴィクトル」は、言葉巧みに「ルディ」を騙して、服を入れ替えます。
おかげで「ナチスの偉い人」と「捕虜のユダヤ人」の立場が逆転します。
それに気づいたルディは当然「こいつは偽物だ!」と訴えますが、主人公は速攻キックで黙らせる。
ルディは今まで最低っぷりを見せているので、可哀想とは思うことなく、素直に大笑いしました。あ~スッキリ。
それにしても偽物の絵をつかまされた挙句に、自身が偽物として扱われるようになるとは・・・
皮肉もここに極めりという感じです。
しかしその後、どうも様子がおかしいと気づいた軍の部下。
上官に「ユダヤ人なら割礼のあとがあるはずだ」と言われ、ズボンを下ろして確認するのですが・・・
それは包茎を治したあとだった。さすがに可哀想。
*なんとなく下ネタシーンをあげてしまいましたが、ほかのシーンは一切そんなことありませんのでご安心を。
秀逸なのが、主人公の恋人の描写。
彼女がこの「立場が入れ替わった2人」の前に現れるシーンは痛快だし、芯の通った強さを感じるシーンも多くあります。
これは徹底して迫害されてきたユダヤ人の、一種の「仕返し」の物語です。
それが重くなりすぎず、観ていて微笑ましく、何より楽しいなんてのは、今までになかったのではないのでしょうか。
観ている人みんなが幸せになれる素敵な映画でした。
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