全てにおいてネタ豊富 漫画「百姓貴族」2巻レビュー
今日は漫画感想です。
お百姓さんの生活&実態のあんなことやことやこんなことを知れるエッセイコミック、「百姓貴族」2巻が発売されました。
いやーすごいですね。
この漫画は農家に関する珍エピソードをとにかく紹介しまくるスタンスなのですが、その全てが滑り知らずです。
例をあげてみましょう。
農家に生まれた子どもは、動物(家畜)に囲まれた生活を送っているので、クリスマスプレゼントがこうなります。

トラウマになるわ。
*近所の鶏屋さんがくれたプレゼントです。
作者のお父さんの行動はいつも常識はずれです。

「いい所連れて行ってやるつって家畜処理場に連れてくる親父ですよ?」
うわあ。こりゃあタフな子どもに育つね(棒読み)。
とまあ、全編こんな感じなのですが、2巻になってから新しい要素もあります。

「北海道はソ連(現・ロシア)の領土になっていたのかもしれない!」
もし北海道がロシアの領土だったらどうなっていたか?とIF形式で歴史を教えてくれたりします。
*ちなみにこの話のラストにはプーチンが登場するので消されないか心配になります。

「小柄な牛(0.5トン)を使ってシミュレートしてみましょう!」
もし牛を四畳半の部屋の中で飼おうとするとどうなるか?(飼わねーよ)を教えてくれます。
などなど、バリエーション豊かで全てが楽しくって仕方がありません。
これが描けるのも、作者の豊富な知識と経験の賜物なのでしょう。
きちんと事実の裏付けがされているため、トンデモな話題にも信ぴょう性が感じられるのです。
またカバー裏には「『百姓』というタイトルをよくつけれましたね」という話題があって、これも興味深いものでした。
百姓は差別用語と捉えられることも多いのでしょうが、実際本人たちの中には気にせず使っている人もいるし、言葉刈りももすぎれば逆に差別になるのではないか、とも思えるのです。
ちょっと気になったのは、作中「信用は築くのが難しく、崩すのは容易い」という台詞があったこと。
今作には時代を反映したTPPや放射能汚染の話題はありませんでしたが、この台詞はそれに対しての意見のようにも感じられます。
*コメントで教えていただきましたが、この台詞があるコマをよく見ると・・・わりと直接的にメッセージが書かれていました。
とにかく、難しいことを考えずとも最高に面白いエッセイコミックです。
1巻を読んでいなくても十分楽しめます。
ただし、今回は痛い話題(牛の角切り)や、下ネタ(エリートの牛が擬牝台で子種を提供する過程)など、若干読者を選ぶ要素もありますので注意してお読みください。
北海道の開拓の歴史も知れますので、単純に楽しむだけでなく勉強目的でもオススメです。
読んだ後はじゃがいもを大切に食べたくなることうけあいですよ。
そうそう、この本を開くとはじめに
「誰かこの親父をハリウッドに連れて行け!」
という意味不明な標語(?)が目に飛び込んでくるのですが、これが読んでみると実に納得ですので、是非ご覧あれ。
ていうかあの映画の、あの超有名なシーンを実際にやってのけた人が存在するなんて信じられません。
この漫画の真の主人公は間違いなく親父さんです(エッセイだけど)。
こちらでも冒頭が読めます↓
月刊Wingsから荒川弘「百姓貴族」など話題作を集めたWingsセレクションを配信中 - ニコニコ静画(電子書籍)
お百姓さんの生活&実態のあんなことやことやこんなことを知れるエッセイコミック、「百姓貴族」2巻が発売されました。
![]() | 荒川 弘 714円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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いやーすごいですね。
この漫画は農家に関する珍エピソードをとにかく紹介しまくるスタンスなのですが、その全てが滑り知らずです。
例をあげてみましょう。
農家に生まれた子どもは、動物(家畜)に囲まれた生活を送っているので、クリスマスプレゼントがこうなります。

トラウマになるわ。
*近所の鶏屋さんがくれたプレゼントです。
作者のお父さんの行動はいつも常識はずれです。

「いい所連れて行ってやるつって家畜処理場に連れてくる親父ですよ?」
うわあ。こりゃあタフな子どもに育つね(棒読み)。
とまあ、全編こんな感じなのですが、2巻になってから新しい要素もあります。

「北海道はソ連(現・ロシア)の領土になっていたのかもしれない!」
もし北海道がロシアの領土だったらどうなっていたか?とIF形式で歴史を教えてくれたりします。
*ちなみにこの話のラストにはプーチンが登場するので消されないか心配になります。

「小柄な牛(0.5トン)を使ってシミュレートしてみましょう!」
もし牛を四畳半の部屋の中で飼おうとするとどうなるか?(飼わねーよ)を教えてくれます。
などなど、バリエーション豊かで全てが楽しくって仕方がありません。
これが描けるのも、作者の豊富な知識と経験の賜物なのでしょう。
きちんと事実の裏付けがされているため、トンデモな話題にも信ぴょう性が感じられるのです。
またカバー裏には「『百姓』というタイトルをよくつけれましたね」という話題があって、これも興味深いものでした。
百姓は差別用語と捉えられることも多いのでしょうが、実際本人たちの中には気にせず使っている人もいるし、言葉刈りももすぎれば逆に差別になるのではないか、とも思えるのです。
ちょっと気になったのは、作中「信用は築くのが難しく、崩すのは容易い」という台詞があったこと。
今作には時代を反映したTPPや放射能汚染の話題はありませんでしたが、この台詞はそれに対しての意見のようにも感じられます。
*コメントで教えていただきましたが、この台詞があるコマをよく見ると・・・わりと直接的にメッセージが書かれていました。
とにかく、難しいことを考えずとも最高に面白いエッセイコミックです。
1巻を読んでいなくても十分楽しめます。
ただし、今回は痛い話題(牛の角切り)や、下ネタ(エリートの牛が擬牝台で子種を提供する過程)など、若干読者を選ぶ要素もありますので注意してお読みください。
北海道の開拓の歴史も知れますので、単純に楽しむだけでなく勉強目的でもオススメです。
読んだ後はじゃがいもを大切に食べたくなることうけあいですよ。
そうそう、この本を開くとはじめに
「誰かこの親父をハリウッドに連れて行け!」
という意味不明な標語(?)が目に飛び込んでくるのですが、これが読んでみると実に納得ですので、是非ご覧あれ。
ていうかあの映画の、あの超有名なシーンを実際にやってのけた人が存在するなんて信じられません。
この漫画の真の主人公は間違いなく親父さんです(エッセイだけど)。
こちらでも冒頭が読めます↓
月刊Wingsから荒川弘「百姓貴族」など話題作を集めたWingsセレクションを配信中 - ニコニコ静画(電子書籍)
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はじめまして
レビュ、的確で面白いです(ノ∀`)
ところで、百姓貴族の2巻、放射能の話は
ものすごく遠まわしには、掲載されていましたね。
菌も混ぜて薄めれば基準値以下になるっていう話で
編集さんが「菌に限った話じゃないですよね」
と言いながら持っている新聞紙が、放射性セシウムの記事でした。
ところで、百姓貴族の2巻、放射能の話は
ものすごく遠まわしには、掲載されていましたね。
菌も混ぜて薄めれば基準値以下になるっていう話で
編集さんが「菌に限った話じゃないですよね」
と言いながら持っている新聞紙が、放射性セシウムの記事でした。
2012-08-01 08:34 :
anzu URL :
編集
Re: はじめまして
> 編集さんが「菌に限った話じゃないですよね」
> と言いながら持っている新聞紙が、放射性セシウムの記事でした。
な、なんだってー!むしろ直接的に描かれている!
これは気づかなかったです、ご指摘感謝です。
2012-08-02 21:41 :
ヒナタカ URL :
編集