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子どもも楽しめるけど非道徳的なアニメ「ももへの手紙」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はももへの手紙です。

ももへの手紙


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:堅実さ重視の「田舎暮らし」アニメ


あらすじ


小学六年生の女の子「もも」は瀬戸内海の島・汐島に母親のいく子と共にやってくる。

ももは父親を事故で失い、約束を破ったことに対して最後にひどいことを言ってしまっていた。
父親が残していた手紙の内容は「ももへ」と一言だけ。
彼女は、父親がなんて書きたかったのかを知りたがっていた。

ももは、家の中で誰かの気配を感じ始める。
はじめは影のようなものだったが、次第にその姿がはっきりとしていき・・・





面白いアニメ映画でした。
今作は「田舎に引っ越してきた女の子が人外のものと出会い、交流する」という内容。
多くの方は「となりのトトロ」を連想しそうな内容であり、目新しさもそれほど感じません。

それは裏を返せば王道ということ。
誰もが楽しめる物語であることは間違いありません。
父を失った少女の心の変化がしっかりと描かれていますし、妖怪たちのコミカルな動作や立ち振る舞いもクスクス笑えます。

アニメーションとしても確かな出来栄え(制作期間はなんと7年!)で、キャラクターもよく動きます。
特筆すべきはその心理描写。
映画を観る前は無表情っぽく思えた主人公も、実際はとっても表情豊かです。
見た目が全然可愛くない妖怪たちも、何とも愛おしい。
驚いたり、わめいたり、喜んだり、その描写がとっても丁寧なのです。

その表情の描きわけ、心理描写の上手さは、沖浦啓之監督の前作「人狼(じんろう)」から引き継がれたものです。

藤木義勝
3696円
powered by yasuikamo

ももへの手紙は子どもからお年寄りまで分け隔てなく楽しめる作品ですが、こちらの作品は人を選びます。
押井守脚本による「赤ずきん」になぞらえたストーリーや、その重苦しい雰囲気は拒否反応を起こす方も多いでしょう。
PG-12指定では甘いと思える殺人描写が出てきますので、大人のみの鑑賞をオススメします。

楽しい作品である「ももへの手紙」にも「父親の死」という重い題材が出てきてますし、登場人物にはどこか「陰り」があるようにも感じました。
これは監督の作家性でもあるのでしょう。


自分はこの映画を観て、「トトロ」よりも「かみちゅ」という深夜アニメ作品を思い出しました。

MAKO
4000円
評価平均:
powered by yasuikamo
ますます「30禁」っぽいR.O.Dスタッフの新作
癒されます
最終話の8巻まで一気に見ました。面白かった!

瀬戸内海に面している舞台設定など、多くの共通点があるように思いました(作品のトーンは全く異なりますが)。
こちらも子どもが観ても楽しめる質の高いアニメーション作品なので、「かみちゅ」が好きな人には「ももへの手紙」を、「ももへの手紙」が好きな人にも「かみちゅ」をオススメしたいと思います。


ただ、映画としては残念に感じたこともいくつかあります。

ひとつが「主人公が妖怪と交流して成長する」という最も重要であるであろう要素が、ちょっと中途半端に思えることです。

この原因は妖怪たちが「いいやつ」なんかじゃないことが大きいです。
つーかめっちゃ迷惑なやつらです。
あまりにやっていることが非道徳的です。教訓に残ることもほとんどしてくれません。
自分はこいつらのこと嫌いじゃありませんが、憤りを感じる人もいると思う。

主人公の健気さと対比するように傍若無人な妖怪たちをみると、すでに妖怪たちより人間として出来ている主人公の成長話に説得力がありません
もう少し妖怪たちの「いいところ」を観たかったのは自分だけではないと思います。

ラストにちょっとしたスペクタクルも用意されているのですが、この行動をするまでの説得力も薄く感じます。
「どうやって〇〇したの?」と誰もが気になる部分が端折られていて、どうにもスッキリしないのも残念でした。

他はとても堅実的な仕上がりで、伏線もしっかり張られている作品です。
それだけに、大事な部分に違和感を覚えるのは惜しいと言うほかありません。


いろいろ言いましたが、のんびりと楽しめるアニメ作品が観たい方には大プッシュでオススメできます。

作中の舞台「汐島」は架空の島ですが、モデルになっているのは大崎下島です。
映画そのままの風景が見られますので、映画を観たあとに旅行してみるのもいいでしょう(そのコンセプトの特集も組まれています)。
その風景の美しさは、きっと忘れられないものだと思います。

以下は少しだけですがネタバレです。鑑賞後にご覧ください↓












~メインキャラクターたち~

・もも
おとなしいようで、意外と「通行手形」を脅迫の道具に使ったりもする。
どう考えてもいい加減な妖怪たちよりも上手です。

・母・いく子
優香の声がものすごく上手かったですね。
勝手なように思える彼女ですが、大切にしていた鏡が割れた時はまっさきにももを心配し「鏡なんかどうだっていいの!」と娘のことを想っていました。
ちなみに彼女がヘルパーの講習に向かっていた今治は愛媛県の市です。
タオルや、ゆるキャラのバリィさんでも有名ですね。

・イワ
西田敏行の声が合いすぎているなあ。
嘘の経歴を言ったりとしたたかなのですが、基本マヌケです。
ももへの手紙を間違えて送った時にはさすがにムカついた。
でも妖怪3人の中では話が通じる方です。

・カワ
妖怪たちのブレイン的役割。
特殊武器はおならです。お前はねずみ男か。

・マメ
可愛いですよね。すぐ物事を忘れすぎです。
あんな涙目で「踊って」と頼まれたらNOとは言えません。


~野暮な不満点いろいろ~

・台風の橋

終盤、母のいく子がぜんそくの発作に苦しみます。

「お母さんが死んでしまう」と思ったももは、幸市おじさんのバイクに乗り、台風の中橋を渡って医者を呼びに行こうとします。

いやいやいや。
レインコートも着ない、ヘルメットもかぶらない、あまつさえ原付の2人乗り、それで台風まっただ中の橋(未開通)を渡るなんて・・・
それで何か怪我でもしたら大変でしょう。幸一おじさんはモノローグで語ってないで止めてください。

さらに大橋を渡りきったとき、そこでフェードアウトして次のシーンが朝になり、お母さんが寝ている姿・・・というのも腑に落ちません。

最も盛り上がるところで話を切り上げるのはいい方法だとは思うのですが、この映画の場合は「どうやって医者を呼び戻し、どうやって喘息の処置をしたのか」のほうが気になって仕方がありません。


・泥棒がとがめられない

妖怪たちが傍若無人なのはいいのですが・・・最後まで野菜や果物を泥棒をしたことを反省することもなく、罰も受けられずに終わるのはちょっと納得いきません。

ももはももで、妖怪たちとみかん農場の機械を壊してしまうし、最後のお別れの時に「思い出は美しいなままにしておくから」だけなのは、ちょっとなあ・・・

せめて最後に「妖怪絵巻」に戻ったときに、泥棒の罰を受けている絵になるとか、何らかの方法で彼らをとがめてほしかったです。

他にも妖怪たちはももへ迷惑をかけてばかり。
最後に助けにきたのもほとんど自分の保身のためだし(カワもそのことをつっこんでいました)。

他にしたことは「海に突き落とした」くらいなのですよね。

また、母はももが泥棒をしたと勘違いしていましたが、これは母も「妖怪がいること」を信じたことで解決したのだと思います。
おそらく幸市おじさんが話してくれたのでしょうね。

この妖怪たちの行為には肯定的な意見もあるので、是非参考にしてみてください→Yahoo!映画


・なぜももの友達の妹に妖怪の姿が見えるのか。

ももが見えていたのは妖怪の「水滴」が触れていたから。
でも「うみ」に「マメ」が見えていた理由は不明です。

せっかく主人公の「見えた理由」を説明したのだから、こちらにも納得できる理由が欲しかったです。


~6時になる時計~

今まで止まっていた時計が、父の手紙とともに妖怪が帰ったときに動き出します。

針が止まっていたのは、ももが父の死を乗り越えられず、「ももの時間」がそこから動かなかったことの象徴だと思います。


~一歩を踏み出そう~

最後、ももは子どもたちと一緒に海へと飛び込みます。

人見知りで、子どもたちの飛び込みを観たときは恐れ、入ることができなかったももですが、イワに2回もつき落とされたおかげで怖くなくったのです。

本当妖怪たちはいやなやつらなんですが、それでも、ももの成長のきっかけになったのです。


~お父さんの手紙~

お父さんは手紙は苦手でした。
それでも、最後に「いつも見守っている」ことを教えてくれるお父さん。

成長したももと、優しい登場人物の想いに胸が熱くなりました。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2012-04-03 : 映画感想 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
 初めまして。ももへの手紙を一昨日観てきたばかりの匿名と申します。
 わたしも、盗みの場面がどうしてもやるせなくて…リンク先の説明(もともと自然は身勝手云々)も読みましたがまだ納得がいきません。ならばその旨が分かるようなおじいさんが諭すとか(人間は勝手だから、妖怪たちが盗みをするのもあたりまえなんだとか)そういう場面があってしかるべきでは、と。
 感動を誘いすぎて失敗してしまったような、後味の悪い感想が残ってしまい、感想サイトをかたっぱしから読破しておりますがやっぱりいろいろ納得いかない部分が多いです、いきなり百鬼夜行出てくるところとかww
 素敵な感想を拝見することができました、ありがとうございます
 じつはこちらのサイトには『アントキノイノチ』の感想さがしの際に発見してそれからずーと訪れております…
2012-04-26 23:54 : 匿名ちゃん URL : 編集
Re: No title
コメントありがとうございます。

>  初めまして。ももへの手紙を一昨日観てきたばかりの匿名と申します。
>  わたしも、盗みの場面がどうしてもやるせなくて…リンク先の説明(もともと自然は身勝手云々)も読みましたがまだ納得がいきません。ならばその旨が分かるようなおじいさんが諭すとか(人間は勝手だから、妖怪たちが盗みをするのもあたりまえなんだとか)そういう場面があってしかるべきでは、と。

少しくらいは天誅が欲しかったですね。
ももがかわいそうな目(泥棒の疑いを母親にかけられ、ぶたれる)にあっているので、余計にそう思います。

>  感動を誘いすぎて失敗してしまったような、後味の悪い感想が残ってしまい、感想サイトをかたっぱしから読破しておりますがやっぱりいろいろ納得いかない部分が多いです、いきなり百鬼夜行出てくるところとかww

妖怪たちがいた「妖怪絵巻」ですね。
自分はあまり気にならなかったのですが、確かに必然性はあまりないかも。


>  素敵な感想を拝見することができました、ありがとうございます
>  じつはこちらのサイトには『アントキノイノチ』の感想さがしの際に発見してそれからずーと訪れております…

ありがとうございます!また見に来てください。
2012-04-27 18:22 : ヒナタカ URL : 編集
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『ガールズ&パンツァー 劇場版』
『PAN』
『ギャラクシー街道』
『UFO学園の秘密』
『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
『キングスマン』
『リアル鬼ごっこ(2015)』
『バケモノの子』

<2015年上半期>
『極道大戦争』
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『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
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<2014年下半期>
『ゴーン・ガール』
『寄生獣 PART1』
『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
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<2014年上半期>
『渇き。』
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『LIFE!』
『アデル、ブルーは熱い色』

<2013年下半期公開>
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『モンスターズ・ユニバーシティ』
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<2013年上半期公開>
『箱入り息子の恋』
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『クラウドアトラス』
『横道世之介』
『脳男』
『ライフ・オブ・パイ』

<2012年下半期公開>
『レ・ミゼラブル』
『悪の教典』
『バイオハザードV』
『るろうに剣心』
『プロメテウス』
『桐島、部活やめるってよ』
『アナザー Another』
『ヘルタースケルター』

<2012年上半期公開>
『スノーホワイト』
『ファイナル・ジャッジメント』
『メン・イン・ブラック3』
『貞子3D』
『TIME/タイム』
『ドラゴンタトゥーの女』

<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
『トランスフォーマー3』
『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
『ブラック・スワン』
『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
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