ほのぼのスプラッター「タッカーとデイル」ネタバレなし感想+お気に入りシーン
DVDで観た「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」の感想です。
*レンタルはTSUTAYAオンリーです
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:すげえ可哀想・・・
あらすじ
仲の良い中年男性のタッカーとデイルは、休暇で憧れの別荘に訪れていた。
2人はそこで出会った大学生の集団に、殺人鬼ではないかと疑われてしまう。
タッカーとデイルは溺れかけた女子大生を助けるのだが、さらに誤解を招く結果となり・・・
うわー!すげー面白えー!
超低予算かつB級臭ぷんぷんの作品ですが、間違いなく隠れた良作コメディです。
Rotten Tomatoesの高評価も大納得でした。
映画のプロットは「心優しい中年男性が殺人鬼と勘違いされちゃったせいで、次から次へと人が死んでいく」というもの。
この映画で秀逸なのは、そんな普通に考えれば起こり得そうもない事態にわりと説得力があることです。
ありえない設定だけど、ぎりぎりの線で納得できる点もある。
「そんなわけないじゃん」というバカバカしさもあり、「でもそうしてしまうかも・・・」というもっともに感じる部分もある。
そのさじ加減が絶妙です。
素晴らしいのは伏線の使い方の上手さ。
ちらっと見せたアイテムや言動が後半の展開に生きています。
「アホな学生たちがキャンプ」「やばそうな奴が乱暴に車を追い越す」「殺人鬼が棲んでいそうな小屋」とかホラー映画の「あるある」も満載なのも嬉しいところ。
そして時折見せるモテない中年男性の悲哀。
デール(太った方)はその風貌と引っ込み思案な性格のおかげで女性と上手く話せません。
タッカー(痩せた方)はそんな親友を気遣い、ときには言い過ぎなぐらいのアドバイスをします。
この2人の掛け合いだけでも楽しいです。
そればかりか、自分を卑下してばかりのデールが、後半に大きく成長する姿はガチで感動します。
こんな映画(←失礼)で泣かされるとは思いませんでした。
ちなみに原題は「Tucker and Dale vs Evil」。
見たところタッカーとデイルも大学生も勘違いしただけであり、Evil(悪)と呼べそうな者はいないように見えます。
でも観終わって観るとこの原題にもちゃんと意味があることがわかるのです。
R15+も納得のスプラッター描写アリアリ&人がポンポンとテンポ良く死んでいくという点では悪趣味ですが、全体的な雰囲気はほのぼのとしています。
いや人が死んでいるのにそんなこと言うのもアレなのはわかっています。
正直あまりに登場人物たちが共倒れしまくるので、笑う前に可哀想にもなってきます。
それでもほっこりと癒されてしまう、後味爽快な作品に仕上がっているのです。
映画ファンであればあるほどオススメです!
しっかしこういう「モテないけど女性に優しい中年男性」って可愛いよね。
自分はピュアなおっさんが大好きです。
以下はちょっとネタバレ 核心部分は反転しています↓
![]() | アラン・テュディック 2966円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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個人的お気に入り度:8/10
一言感想:すげえ可哀想・・・
あらすじ
仲の良い中年男性のタッカーとデイルは、休暇で憧れの別荘に訪れていた。
2人はそこで出会った大学生の集団に、殺人鬼ではないかと疑われてしまう。
タッカーとデイルは溺れかけた女子大生を助けるのだが、さらに誤解を招く結果となり・・・
うわー!すげー面白えー!
超低予算かつB級臭ぷんぷんの作品ですが、間違いなく隠れた良作コメディです。
Rotten Tomatoesの高評価も大納得でした。
映画のプロットは「心優しい中年男性が殺人鬼と勘違いされちゃったせいで、次から次へと人が死んでいく」というもの。
この映画で秀逸なのは、そんな普通に考えれば起こり得そうもない事態にわりと説得力があることです。
ありえない設定だけど、ぎりぎりの線で納得できる点もある。
「そんなわけないじゃん」というバカバカしさもあり、「でもそうしてしまうかも・・・」というもっともに感じる部分もある。
そのさじ加減が絶妙です。
素晴らしいのは伏線の使い方の上手さ。
ちらっと見せたアイテムや言動が後半の展開に生きています。
「アホな学生たちがキャンプ」「やばそうな奴が乱暴に車を追い越す」「殺人鬼が棲んでいそうな小屋」とかホラー映画の「あるある」も満載なのも嬉しいところ。
そして時折見せるモテない中年男性の悲哀。
デール(太った方)はその風貌と引っ込み思案な性格のおかげで女性と上手く話せません。
タッカー(痩せた方)はそんな親友を気遣い、ときには言い過ぎなぐらいのアドバイスをします。
この2人の掛け合いだけでも楽しいです。
そればかりか、自分を卑下してばかりのデールが、後半に大きく成長する姿はガチで感動します。
こんな映画(←失礼)で泣かされるとは思いませんでした。
ちなみに原題は「Tucker and Dale vs Evil」。
見たところタッカーとデイルも大学生も勘違いしただけであり、Evil(悪)と呼べそうな者はいないように見えます。
でも観終わって観るとこの原題にもちゃんと意味があることがわかるのです。
R15+も納得のスプラッター描写アリアリ&人がポンポンとテンポ良く死んでいくという点では悪趣味ですが、全体的な雰囲気はほのぼのとしています。
いや人が死んでいるのにそんなこと言うのもアレなのはわかっています。
正直あまりに登場人物たちが共倒れしまくるので、笑う前に可哀想にもなってきます。
それでもほっこりと癒されてしまう、後味爽快な作品に仕上がっているのです。
映画ファンであればあるほどオススメです!
しっかしこういう「モテないけど女性に優しい中年男性」って可愛いよね。
自分はピュアなおっさんが大好きです。
以下はちょっとネタバレ 核心部分は反転しています↓
「説得力のある設定」のひとつがこれ。
大学生たちが死んでしまった現状を見て、デイルは当然「警察に知らせよう」と言うのですが、タッカーは・・・
「警察は起こった真実より現場で見た推測を信じる」
うん、確かに。
客観的にこの状況を見れば、「大学生たちが集団自殺(違うけど)」よりも「2人が大学生たちを殺した」のほうが信じてしまいそうです。
心優しいデイルと、現実主義者のタッカーはこういうところでも名コンビなんですよね。
デイルはとにかく優しいので・・・
大学生に銃をつきつけられると「安全装置を外していないよ」と言ってしまうのです。
あららおバカ。
これも悲劇を呼ぶ結果になってしまうので、笑っていいのか悲しむべきなのやら、わからなくなります。
とことん勘違いをされたタッカーとデイル。
それでもデイルは心優しいことばをかけます。
「君みたいな子に話しかけたら、殺されると思われるんだね」
「友だちにあったら、俺は誰も傷つけないと伝えてくれ」
とか何とも泣けるじゃないか!
これがあるからこそ、女子大生がデイルの知性を肯定してくれたこと、タッカーが言う「お前は自分に対する評価が低すぎるんだよ」「望むものを自分で手に入れろ」が生きてきます。
あと、冒頭の映像は「チャドは実は生きていた!」ということなんですね。
今作の「恋が実るハッピーエンド」を邪魔しないためにこういう構成にしたのでしょう。
そういう気遣い、大好きです。
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