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残されたものがあれば・・・「パーフェクトセンス」ネタバレなし感想+お気に入りシーン

DVDで観たパーフェクトセンスの感想です。

ユアン・マクレガー
3621円
評価平均:
powered by yasuikamo
あまり共感できませんでした


個人的お気に入り度:7/10

一言感想:寓話的終末ストーリー


あらすじ


ある日、世界中から嗅覚が消え去った。
人々はその前に愛しく感じていた人を思いだし、涙していた。

さらに次に失われたのは、味覚。
シェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と厨房の仲間たちは、たとえ味覚と嗅覚がなくても楽しめる料理を作ろうと画策する。

科学者のスーザン(エヴァ・グリーン)とマイケルは、次々に感覚が失われていく世界の中で、愛を育んでいく・・・





これは「好き嫌いのわかれる映画」のひとつだと思います。

賛否両論の映画にもいろいろあるとは思いますが、これは設定と語り口そのものが独特で、拒否反応を起こす人もいるでしょう。

なにせ「世界から五感が失われていく」です。
さらに感覚が失われる前、人々は常軌を逸したような「行動」をするのです。
あまりに荒唐無稽で、現実にはありえないことです。

さらに序盤に少しだけ「この症状の原因は感染症なのか?」と言及するシーンはありますが、それ以上五感が失われていくことについての説明はありません。

また、病気を根絶させることを目的とはしていません。
映画は感覚が次々と失われていく登場人物たちの行動を繊細に描き出す作風であり、ラブストーリーなのです。

リアリティのあるパニック系ムービーではなく、どこか寓話的。
五感が次々に失われていく世界とどう向き合い、受け入れ、どう生きるかが主題なのでしょう。


この映画で秀逸なのは、その「受け入れていく人たち」の描き方。

こういうパニック系ムービーだと、金持ちが生き残るために大枚をはたいてシェルターを買う、各地で暴動が起きるなど、襲いくる恐怖にあらがい、抵抗する人たちの姿が描かれているのが普通です。

でもこの映画はそうではなく、世界が大きく変わっても「新たな生きるためのルール」ができるなどして、日常が保たれていくのです。

実際でも病気にかかり、もう回復の見込みがない、という場合に「病気受け入れて生活をする」という方は多くいます。
この映画では、耳が聞こえない、目が見えない人たちの気持ちを思い起こさせてくれるように思います。


五感ではないですが、「ことばが失われていく人々」を描いた小説に「残像に口紅を」があります。

筒井 康隆
780円
評価平均:
powered by yasuikamo
超虚構のなかの現実
愛するものが消えていく哀しみ
感動のラスト10文字

こちらも「消えること」について実験的、寓話的に描きだした作品です。


ラストも賛否がわかれるでしょうし、設定もご都合主義に感じる人もいるでしょう。
正直この映画はそんなにオススメしません。

でも淡々としたナレーションとともに流れる美しい映像、そして変わり行く世界を受け入れていく人たちの描写には一見の価値があります。

R15+指定の作品ですが、ベッドシーンが少々多いくらいでそれほど過激な画はありません(ただし役者の陰部が映っているシーンがあります)。
むしろ、哲学的なことを考え始める若いうちに観てほしいと思えます。


以下、作中の展開が少しだけネタバレしています↓ラストにも少々触れているので、未見の方は要注意。




失われる感覚の順に書いてみます。

~嗅覚~

嗅覚を失った人たちは、「大切なもの」を思い出していました。
亡くなった友達、恋人。
まず悲しみを知り、そして嗅覚を失うのです。

小説「失われた時を求めて」に登場する「無意志的記憶」がアイディアのもとでしょう。

そして「新しいにおいの感じ方を教える人」が登場します。
「胸いっぱいに息を吸って」などと、なおも「におい」を楽しもうとする描写が秀逸でした。


~味覚~

急激な飢餓に襲われ、目の前にあるもの(ソース、口紅その他もろもろ)を食べる人たちの姿はゾンビみたいで怖かった・・・。

そしてシェフの皆は希望を失わず「触感だけで楽しめる」料理を作り始めます。

カリカリ、暖かい、ふわふわ。
そういったものでも、食を楽しく感じれるのです。


~聴覚~

聴覚を失う人たちは、ヒステリーを起こし、叫び、身の回りをめちゃめちゃにします。

何故聴覚を失う前がこれなのかと言えば、「怒る」という感情を一番伝えるのが「声」であり、それを受けるのが聴覚だからなのでしょう。

ここでやっと、「人から物を奪う者」がナレーションの中だけですが登場します。
しかし、それは世界が終わると思っている人たちのみでした。

命は続くと思っている者たちは、穏やかな日常を形成し、生きていこうとするのです。

新たな「伝え方」も登場します。

パーフェクトセンス1

ポスターに書かれているのは「Basic Sign」だけど、字幕が「気持ちを伝えるためのサイン」となっているのが素敵です。

ライブハウスで「振動」を感じるシーンも大好きです。


~視覚~

人にとって一番重要な感覚といえばこれでしょう。

しかし、この映画では、たとえ視覚が失われても、「希望」と「愛」を描くのです。
その「残されたもの」の描き方は、心地よい余韻を残してくれました。



~「一人でなければ眠れない」マイケル~

序盤にマイケルは、そうつぶやいていました。
しかし、感覚が失われていく中で、次第にスーザンとのつながりを求めるようになります。

人は満ち足りていると誰かとのつながりを求めることがなく、「欠けたもの」があれば誰かと寄り添いたいと願うのかもしれません。


~この世は油と小麦粉だけじゃない~

感覚が失われ、食べることの意義をなくしたおじさんは「食べるのは油と小麦だけでいい」とつぶやきます。
しかし、残された感覚で、シェフたちは人を喜ばせる食事を作ることができました。

多くのものを失っても、それでも「残されたもの」があれば、生きていける。
そういったメッセージを感じます。


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2012-05-10 : 旧作映画紹介 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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