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絵柄も物語もノスタルジック「虹色ほたる」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は虹色ほたる ~永遠の夏休み~です。

nijiirohotaru.jpg



個人的お気に入り度:6/10

一言感想:独特の絵はやっぱり気になるよね・・・


あらすじ


小学6年生のユウタは、1年前に交通事故で父親を亡くしていた。

ユウタは夏休みに山奥のダムに訪れ、不思議な老人と出会う。
その後の豪雨で足を滑らせたユウタが目覚めると、そこにはさえ子と名乗る女の子がいた。
そして目の前に広がるのは、ダムの底に沈んだはずの村の風景だった・・・





ノスタルジー全開。楽しいけれどちょっと切ない、素敵なジュブナイル作品でした。

原作は川口雅幸による小説です。
川口 雅幸
599円
評価平均:
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心に残った本
思い出

自身のホームページ(現在は検索しても見つからないようです)で連載していた作品が話題となり、出版された作品です。
コミック版」も発売されるなど、確かな人気を誇っているようです。


今作の魅力は、主人公と共に「子どもの頃の夏休み」を過ごせることにあります。

そこにはやれ環境破壊への批判だの、やれ憎たらしい悪役などは存在しません。
展開はとことん甘酸っぱく、なおかつ繊細に子どもたちの内面を描いているのです。


主人公の少年は昭和52年にタイムスリップしてしまい、そこで「ひと月だけ」の夏休みを過ごすことになります。

秀逸なのが、「時間制限」があることです。
もちろん夏休みがいつか終わってしまうのは当然のことなのですが、この主人公の場合はちょっと違います。

なにせ、今いる場所はいずれ「ダムの底に沈んでしまう」のです。
そこに住む人たちも、もうすぐここを離れないといけないことを知っていて「これが最後」と思い、今を楽しんでいるのです。

主人公は、はじめは「すぐ帰りたい」と思っているのですが、村に住む人たちと楽しい日々を過ごしているうちに、そうは思わなくなります。
ひと月の冒険を経て、「いつか終りを向かえてしまう」を知り、成長する主人公に、自分はすっかり感情移入をしてしまいました。

ノスタルジーに浸れる反面、本作に切なさを感じるのはこの「終わり」へのカウントダウン、焦燥感が描けているからでしょう。

また、サブタイトルは作品と相反するように「『永遠の』夏休み」となっています。
逆説的に思えるこのタイトルに、観たあとは想いを馳せてみるのもいいかもしれません。



さて、多くの方が気になることはやはりその作画。
↑の画像の通り、独特です。

これを「手抜き」と見るか「味」と見るかで作品への思い入れが異なってくるでしょう。
動画だとさらにキャラクターの造形は崩れるので、はっきりした絵のキャラクターのアニメに慣れていると、どうしても違和感を覚えるのではないでしょうか。

個人的にはこの絵柄も好きです。
水彩画のような素朴さがあるし、「少年たち」が主役の映画には合致しています。

それは子どもの頃に描いた、躍動感ある絵をそのままアニメーションにしたかのよう。
山々を走り抜け、語り合い、夏休みを満喫するキャラクターたちは実に魅力的です。

これだけキャラの造形が画一的でないのに、感情表現もしっかりできています。
キャラクターと同年代の子役たちの熱演も素晴らしく、文句のつけようがありません。
特に女の子「さえ子」の笑顔は悶絶するほど可愛いです


なぜあえてこの絵柄で制作したのかと言えば、それは「古きよきアニメ」作品の再現のためでもあるのでしょう。

公式ページのイントロダクションにはこうあります。

ハードなアクションや機械だらけのSFなど、過激な視覚表現だけで訴えかけようとする映画が乱立している中、『虹色ほたる〜永遠の夏休み〜』は、温かな日本人の原風景と人と人との絆を、実写映画にはない、アニメーションならではの自然の描写、そして生き生きとした少年少女たちの姿を圧倒的な映像美で描き出しています。
1958年の「白蛇伝」から始まる、伝統ある東映アニメーション株式会社が、全社を挙げて製作し、満を持して送るオリジナルアニメーション映画です。


派手な絵柄や演出ではなく、昔ならではの表現でつくりたいという思いが製作者にはあったのでしょう。
この作品は、物語だけでなく、表現方法もノスタルジックなのです。


残念だったのは、終盤にほんの少しだけ、全く違う絵柄への転換がされたことです。
この画が・・その・・・正直「キレイ」じゃないのです。

作中にアニメの絵柄を変化させることは「マインド・ゲーム」(←万人向けじゃないけど傑作!)などでもありましたし、今作での狙いもすごくよくわかります。

しかしはっきり言ってこれは「やりすぎ」です。
多くの人が「否」をつきつけるであろうこの転換は、失敗していると言わざるを得ません。

本来とても感動できるシーンのはずなのですが、劇場からはどよめきにも似た失笑が聞こえました。
いままでがとても繊細な表現だったので、ここでも丁寧な画がほしかった・・・と思います。



ファンタジー色の少ない作品ですので、お子様にはあんまりおススメしません。
冒険らしい冒険をすることはほとんどないですし、日常の描写が多いので、正直退屈してしまうと思います。

むしろ観るべきなのは、大自然で元気に遊んだことのある(遊びたかった)大人たちでしょう。
子どものころの夏休みをたっぷりと思い出したい人は、是非劇場へ。


↓以下は結末も含めてネタバレです。鑑賞後にお読みください
















まずはラストの描写で気になったことから書き、その後に展開に沿い書いてみます。

~気になったこと~

地味ながら好きなのは、ラストの大人のユウタ、さえ子、ケンゾーが登場した時に、初めてそれぞれのフルネームが明らかにされたことです。

子どもの頃は名字なんかどうでもよくって、名前で簡単に呼び合っているのですよね。
「苗字」なんてのは、大人からで十分なのです。


そして大人になった登場人物を演じるのは「櫻井孝宏」「能登麻美子」「中井和哉」と豪華声優陣。
声優に詳しくない自分でも、ちょっと笑ってしまいました。


残念だったのが、さえ子が盲目になったことについてのフォローがなかったこと。
交通事故で「盲目」だけになったのは不自然(他に障害を抱えた部分がないように見える)に思えます。


あとメインの3人の中でケンゾーだけがタイムスリップをしていない人間なのですが・・・ユウタとさえ子とほぼ同年代の青年のように描かれていたことにも違和感がありました。
もっと歳上なのでは?

タイムスリップをしたのは1977年。
ユウタがもともといたのは、旧式ながらも携帯電話が存在していたので1990年代。
そしてラストシーンではそれから+10年くらいと考えて、大体2005年くらいとしましょう。

登場人物の学年(ユウタとケンゾーは小学6年生、さえ子は小学3年生)から、ラストシーンの年齢を考えるとこうなります。
ユウタ:22歳
さえ子:19歳
ケンゾー:40歳

・・・やっぱ無理あるんじゃね。



~兄を失ったさえ子~

この映画では2人の「肉親を失った子ども」が描かれていました。

それはユウタと、さえ子。
2人は同じ交通事故で、それぞれ父と、兄を失っていたのです。

2人の共通点は、タイムスリップをしてきたことにもありました。
しかし、1ヶ月をすごせばもとに戻れることが約束されているユウタに対し、さえ子はそうではありません。
もとの時代に戻ることはなく、「兄のもとに行く」かもしれないことを、ユウタは知らされるのです。

後に「青天狗」は、古き友のことをユウタに語り「生きていてくれればいい」と言っていました。
それはユウタのさえ子に生きていて欲しいと願いと同一のものです。

ユウタの願いを叶えてほしいと、切に願いました。


~走り出す2人~

さらにユウタは夏祭りの日、さえ子がこの世界からいなくなると、その記憶までもを失ってしまうことを知ります。

ユウタは、さえ子に聞いた「ほたるは、運命の相手を見つけるために光る」ことを思い出し、走り出します。

目指したのは、前に「ほたるの海」を見たあの場所。
途中に通った灯篭の道で、さえ子は死んだはずの兄の姿を見ます

灯籠流しには死者を弔うという意味があります

ユウタの言う「死んだ人間に会えるなんてウソだ!」ということも真実です
しかしこの映画では、亡くなった人を灯篭の道で幻想のように描くことで、そのことに異を唱えるのです。

作中屈指の名シーンだと思いますが・・・・疾走シーンで、いままで可愛かったさえ子の顔が、見るに耐えないほどゆがんでいるのはちょっと・・・キャラクターの顔まで変えなくてよかったのにね。


~約束~

ユウタはたくさんのほたるを期待していましたが、少ししかその場所にいませんでした。

さえ子は「一生懸命光るから、また一緒に観よう」と約束します。

さえ子は「雌のほたるは、運命の相手を待つために小さく光る」ということも言っていました。
ほたるの行動に、自分の想いを当てはめたのです。

2人は指切りを交わし、さえ子は「ケンゾーと同じ」と微笑みます。

そして消えるさえ子・・・
ケンゾーもユウタも、もうさえ子のことを覚えておらず、「いなかったこと」になっています。

このことは観客しか知りません。
いままで感情移入をしていたユウタが、いままで一緒に過ごしたさえ子のことを覚えていないことが、あまりに切なく感じました。

さらにケンゾーとの別れでは、「これから」記憶を失うことことを、観客は知っています。
「さようなら、僕の夏休み」というユウタの独白が、より一層切なく思えるのです。


~ラスト~

成長したケンゾーは、バイクツアーの「ほたるラリー」の主催者として登場しました。

その奥さんは、はっきり明示されてはいませんでしたが、彼に想いを寄せ、都会に先に引っ越した「よしざわさん」なのでしょう。
嬉しかったのが、ケンゾーの子どもがユウタに貰った帽子をかぶっていたこと。

記憶は消えていても、ユウタがそこにいたこを示すものが見れてよかったです。


そして巡り合う、青年になったユウタと、盲目のさえ子。

「蛍じい」は「覚えておらんはずなんじゃがの」と口にします。

手を握り、歩く2人の前に、虹色に輝くほたるたちが姿を表します。

ほたるの光により、水下に映し出されたのは、2人が過ごした、村の風景でした。

盲目だったさえ子は目を開きます。

「さえちゃん」
「約束守ってくれて、ありがとう、ユウタくん」
そう2人はことばを交わします。

「記憶が消えてしまう」「さえ子はもとの世界に戻らず、死んでしまうかもしれない」ということを覆した、奇跡的な再会でした。

この結末に甘さを感じる人も多いでしょうが、それでも、ユウタとさえ子とケンゾーが暮らした日々が存在していたことを証明し、2人が約束を果たすことができたラストを見れて、本当によかったと思います。


~作品のテーマ~

エンドロールの最後に提示されたのは「それでも子どもたちは今を生きる、そして未来へ」というテロップでした。

「青天狗」は、「どうして大事なものはすぐ消えちゃうんだろう?」と疑問に思ったユウタに対し、「何にでも終わりはあり、時は止まらない。だから人は今を一生懸命に生きる」と応えていました。

子どもたちの楽しい時間はあっと今にすぎ、それは二度と手に入らない時間です。
しかし、だからでこそ、そのときの思い出は一生の宝物になるのだと思います。

サブタイトルの『永遠』とは、いつまでもなくならない思い出のことであり、ユウタとさえ子とケンゾーが暮らした、かけがけないのない時間をさしてのことー
そう思えるのです。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

2012-05-18 : 映画感想 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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非公開コメント

No title
全く期待しないで見に行ったので、完成度の高さにびっくりしました。最近のアニメ映画では一番好きです。
ユウタとさえ子の疾走シーンは確かにやりすぎだと思う反面、彼らの気持ちは痛いほど伝わってきました。初見だとどうしても笑ってしまいますが、見直してみると違った感想が出るかもしれません。
なので僕はブルーレイが出たら買うつもりです。
ゆーみんの曲も最高でした。
2012-08-07 23:34 : ぎお URL : 編集
Re: No title

> ユウタとさえ子の疾走シーンは確かにやりすぎだと思う反面、彼らの気持ちは痛いほど伝わってきました。初見だとどうしても笑ってしまいますが、見直してみると違った感想が出るかもしれません。
> なので僕はブルーレイが出たら買うつもりです。
> ゆーみんの曲も最高でした。

あのシーンはいままでと同じ絵柄でやってほしかったな・・・他はとても丁寧作られている作品だと思います。
ユーミンの主題歌は自分も大好きでした。
2012-08-08 12:32 : ヒナタカ URL : 編集
良かった
皆さんの言われるように確かに疾走シーンの描写変更は抵抗がありました。
しかし、2回、3回と見続けていくうちに、素晴らしくかんじるようになりました。
あのシーンは此の世とあちらの世との描写に切り替わっているのです。現にお兄さんが現れましたし。
あの描写に深さを感じます。また、兄を振り返ることなく、ユウタの手を握りかえすサエコ。心打たれました。
最後の二人は結婚に至ったのでしょうか?
そこは色々な見解があるでしょうが、二匹のほたるが最後に出会えて良かった。
井上水晶さんの水の影も素晴らしい。
素晴らしい映画です。
2013-11-25 23:21 : アドル URL : 編集
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