喜劇しか作れなくても、面白い「ステキな金縛り」ネタバレなし感想+お気に入りシーン
![]() | 深津絵里 2912円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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個人的お気に入り度:6/10
一言感想:荒唐無稽&あいも変わらずの三谷ワールド
あらすじ
失敗ばかりの弁護士のエミ(深津絵里)は、上司の速水(阿部寛)からとある「やっかいな」殺人事件を担当することを命じられる。
その容疑者は「犯行が行われたときに、自分は金縛りにあっていたのでアリバイがある」と自らの身の潔白を主張した。
エミはそのアリバイを証明するため、容疑者が泊まっていた旅館に訪れる。
彼女がそこに泊まると、案の定、六兵衛(西田敏行)と名乗る幽霊があらわれた・・・
いや~いいですね!素直に面白かったです。
伏線の張り方、豪華俳優陣を惜しげもなく使った演技の応酬、ギャグにもクスクス笑ってしまうなど、観ていて楽しい要素が盛りだくさんです。
2011年の実写映画の最高興行成績を記録したことも頷ける、万人が楽しめる作品だと思いました。
本当役者は魅力的です。
出色なのは主人公を演じる深津絵里さんと、非科学的なものを信じない検事役の中井貴一さん。
あまりにステレオタイプだけど、その極端なキャラクター設定と、それに見合った素敵な演技にどうしても魅了されてしまいます。
西田敏行さんも忘れちゃいけない。
キャストのみなさんはほぼ台本どおりに喋っていたようですが、西田さんだけはアドリブが入りまくっていたそうです。
見ているとき「もうこれ演じてねえ、西田敏行まんまじゃねーか」と思うシーンが多々ありました。
でもそこがいい。
自然体で、いきいきとして演じている西田さん、その周りの人々の演技を見るだけでついニヤニヤしてしまいます。
監督&脚本の三谷幸喜さんは「自分は喜劇しか書けない」と言っていて、それは作品を観れば納得してしまうところがあります。
登場人物の葛藤や悩むシーンなどは必要最小限ですし、そこに大きな因縁が絡んだり、憎たらしい悪役は登場しません。
でもそこがむしろ心地よく、安心して観られる「三谷ワールド」なんでしょうね。
そんな「喜劇」一辺倒の作品ですが、物語にはとっても気が効いています。
荒唐無稽ながらも納得できる描写も多々あり、堅実的な仕上がりなのです。
たとえば、「冒頭で主人公がトラックにひかれそうになる」という伏線をどう生かすのかな?と思っていたのですが、その使い方は予想だにしないもので、ちゃんと大筋の展開にからめてあるとこが上手いと思います。
でも、今作を手放しで褒めるのはやや複雑なところもあったりします。
そのひとつが上映時間の長さ。この作品のユルいノリに対し、2時間20分はちょっと長く思えます。
観ているときは、あまりその長さは感じませんが、シーンひとつひとつが全てが必要かと言えば、それは疑問。
明らかに監督の趣向が前面に出すぎてクドく感じるところがあるのはやや残念でした。
しかし、そこに目をつむればとっても楽しめる作品です。
役者のファンの方は迷う事無く観ることをオススメしますよ。
以下は少しだけネタバレで作中のシーンと不満点を書いています↓ エンドロールである意味「結末」がネタバレしているので、未見の方はご注意を
~いろいろ不満点~
・「幽霊の無実を晴らす」という要素が最終的にはおざなり
これが最も不満な要素。
六兵衛(幽霊)の「疑い」が全くはれることなく、映画が終わってしまうのです。スッキリしなさすぎます。
・佐藤浩市さんが演じる、役者の「村田大樹」
「ザ・マジックアワー」にも登場したキャラで、これもファンサービスではあるのだと思うのだけど・・・全体をみてみるとあまり必要なエピソードとは思えませんでした。
TKOの木下さんの演技を見て、六兵衛が「あまりにも早く死にすぎ」と指導をするのは面白かったです。
・小日向文世さん演じる「段田」のエピソード
「フランク・キャプラ」監督の「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生!」のことを語るのですが・・・これは正直、知識をひけらかす(スノッブ)ようないやらしさを感じました。
段田は「映画の上映時間のぶんだけ待ってやる」と言うのですが、それが時間制限的なサスペンスに全く生かしていないことも不満です。
・市村正親演じる陰陽師のシーン
全く笑えなかった。
あとなんで主人公の庭にいたの?
~好きなシーン~
深津絵里演じる弁護士は、共に法廷に立ってもらうために「瞬間移動して!」と幽霊に頼むのですが・・<無理よ無理っすよできるわけねえじゃん
これ、西田敏行の素のまんまじゃん。
戦国武将がそんな口調になるわけねえだろ・・・と思うところですが、理由はありました。
彼は旅行者がつけたTVを観て、現代のことをよく知っていたのです。<相身互い、ギブアンドテイク
だから横文字だって使っちゃうよ!
その後証明のために、心霊写真を撮ろうとするのですが・・・<手の場合は10ポイント!
なんと、幽霊として映るにはポイントを駆使しないといけないのだった!
そのポイントどうやったら手に入れれるの?
これとほぼ同じネタがとある漫画にありました。<「それでも町は廻っている」2巻より
もちろんただの偶然でしょうが、「奇抜な心霊写真を撮るには大枚を叩かないといけない」というところが共通なのが面白いですね。
そして、裁判があまりにこの幽霊中心で進むので・・・<最近ないがしろにされていない?
もともとの容疑者がふてくされるのだった!
確かにこうして面白おかしく注目され、あまつさえないがしろにされたら不満に思うだろうなあ。
他にも
・幽霊に「YES/NO」を答えさせるためのアイディア
・落ち武者ヘアーの生瀬勝久さん
・負けず嫌いにもほどがある&ツンデレ丸出しな中井貴一さんの演技
が大好きです。
~大泉洋~
この映画にカメオ出演している大泉洋さんですが・・・一見どこにもいないように見えます。
実はエンドロールの中だけにいました。
そこかよ!
主役級をはれる俳優でもこの扱い。
他にも深田恭子&唐沢寿明さんはチョイ役すぎて気付かなかったくらいです。
とにかく役者たちの使い方が贅沢な作品でした
② 西田さんの演技は、舞台なら、面白いのかもしれませんが、映画ではその面白さが「邪魔になりました」
③ 市村さんは、「テルマエ・・・」でも感心しませんでした。
④ 楽しい映画でした。
> ① 深津絵里さんの歌がうまいのに、感動しました。
主題歌が素晴らしかったですね。演技もキュートで大好きでした。
心霊写真のポイントの獲得については私も知りたいと思いました。
ロクベイサンは結構使ってたみたいだけど・・・