どこにいても大丈夫「マイ・フレンド・フォーエバー」ネタバレなし感想+お気に入りシーン
![]() | ブラッド・レンフロ 2928円 評価平均: ![]() powered by yasuikamo |
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個人的お気に入り度:9/10
一言感想:母の想いを知れる、ジュブナイルムービーの傑作
あらすじ
少年エリック(ブラッド・レンフロ)は、隣に住むデクスター(ジョセフ・マッゼロ)と出会う。
デクスターはHIVにかかっており、そのためにからかいの対象となっていた。
次第に交流を深めていく2人は、やがてたった一度だけの冒険に出かける・・・
TSUTAYA「名作復刻リクエスト」で最多得票を獲得した作品です。
やっとのDVD化に感涙した人はきっと多いことでしょう。
公開されたのが1995年、DVDが普及され始めたのが1997年前後、そして今回発売されたのは2012年5月・・・15年以上もかかっているのです。
自分ははじめてこの映画を観たのですが、本当にいままでDVD化されていなかったことが勿体なく思える名作でした。
この映画の素晴らしいところは、幼い少年たちの友情と、危うい冒険をみずみずしく描いていること。
そして、母親の子への愛情を描いてることです。
主人公の「エリック」はガキ大将的な悪ガキで、HIVにかかっている「デクスター」はそのエリックに寄り添い冒険をします。
デクスターの母親(アナベラ・シオラ)は、全ての母に見せたいと思うほどの、最高のお母さんです。
息子ばかりか、息子と仲良くなってくれたエリックにでさえ惜しみない愛情を当てるその姿は、忘れることはできないでしょう。
ちなみにソフト版の吹き替えを担当しているのは、幼き日のタッキー&翼。
正直棒読みっぽさも大いに感じるのですが、初々しい魅力がありますし、役柄にすごくあっているので、一度は聞いてみることをオススメします。
この映画は、「スタンド・バイ・ミー」と同じく、観るタイミングによって違った印象を持つことができる作品だと思います。
子どもが観れば主人公たちの友情と冒険を楽しめ、青年はもう戻ってこない少年の日々を回想でき、親になった人は母親の気持ちに同調できる・・・・そんな気がするのです。
人の死で安い涙を誘おうとするのとは全く異なる、優れた「難病映画」です
旧作のレンタル料金で借りれますし、未見の方は是非。
ps.続いて「アダムス・ファミリー」「ブレインデッド」あたりも再販して欲しいものです(価格がエラいことに・・・)
以下は作中のシーンが少しだけネタバレです↓ 未見の方は要注意。画像は使っていません。
エリックとデクスターの交流は、そのすべてが名シーンといっても過言ではありません。
その中でも、2人が大人とは対照的に「焦り」を見せるシーンが強く印象に残っています。
船での冒険の途中、ボートの持ち主の大人が船の上で楽しそうに遊び、のんびりとしているのに対し、岸にいるエリックは「早く行かないととデクスターの薬が切れて死んでしまうんだ!」と焦ります。
2人に残された時間は少ない、しかし、大人にはいくらでも時間は残されていて人生を謳歌している。
船上と対岸で、そのことを示すこのシーンは切なく、何故こんなにを2人が生き急がなければならないのか・・・と憤りを覚えます。
そしてこの映画を語る上で、『靴』の存在は欠かせません。
実は、映画のファーストカットも、靴のアップから始まっています。
冒険の途中、エリックは自分の靴デクスターに渡してこう言います。
「目が覚めて怖くなったら、この靴を抱いて寝ればいい。そうすればどこにいたってここは地球だってわかる。こんなに臭いんだからさ」
2人だけの絆が、嬉しくて、微笑ましくて、泣けて仕方がありませんでした。
そして母は強い!
道行く親に抱かれている赤ん坊を見つめ、青信号でも車で渡ることができないデクスターの母。
それでもエリックを抱きしめ、エリックの母親に激高する彼女は、この映画の中で一番愛おしい存在でした。
原題は「The Cure」。
結末と、デクスターとエリックの交流を観れば、きっとそのタイトルの意味することに気づけると思います。
オススメ↓
美少年図鑑 欧米映画編 ブラッド・レンフロ