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難解な巨匠の小品 映画「Virginia/ヴァージニア」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はVirginia/ヴァージニア(原題:TWIXT)です。


個人的お気に入り度:4/10

一言感想:雰囲気は最高だけど、お話のほうは・・・


あらすじ


三流小説家のホール(ヴァル・キルマー)は、本のサイン会をする名目で、とある町を訪れる。
そこでは数日前に、少女が胸に杭を打ち込まれ、死亡するという猟奇殺人事件が起きていた。
ホールはミステリー小説好きの保安官(ブルース・ダーン)と協力し、調査とこの事件を題材とした小説を書こうと試みる。
ある夜ホールは森へ足を運び、そこで「V」と名乗る少女(エル・ファニング)と出会うのだが・・・




ゴッドファーザー3部作」「地獄の黙示録」のフランシス・フォード・コッポラ最新作です。

巨匠の作品としては本作の公開館は非常に小規模です。
これは題材が日本には受けにくいこと、映画自体が小粒な印象であること、もしくは映画としての評価があまり高くないがゆえのことかもしれません。

公式ページを観た段階では、多くの人が「中年の小説家が、ミステリアスで可愛い少女と協力して、殺人事件を解決する」という内容を想像すると思います。
しかし実際は「三流小説家が、殺人事件を題材に小説を書こうとして、そのうちに夢か現実かわからない世界に囚われる」という内容です。

そこにはミステリーとしての整合性がほとんどありませんし、展開のダイナミズムにも欠けています。
この作品にストーリーの面白さを期待すると、確実に裏切られると思います。


それではこの映画の魅力が何かと問われれば、
①美しい世界観
②何が夢かがわからなくなる不思議さ
にあります。

モノクロームを基調とし、そこに赤色が映える画はこの上なく美しく仕上がっています。
中~終盤からの難解かつ抽象的な展開は、デヴィッド・リンチを思わせるものでした。


ただリンチ作品ほどの緊張感や引き込まれるような魅力は感じられず、ただわけのわからないまま終わってしまったのかのような印象を持ちました。
特に残念だったのが、せっかく何が現実かがわからなくなる魅力的な世界を作り上げているのに、ナレーションやテロップで語ってしまっていることです。
本作のこの親切心は、むしろ野暮としか感じなかったのです。

エル・ファニングの出演も魅力のひとつですが、わりと出番も少なめです。
むしろ多いのは主人公の中年ダメおっさん(ヴァル・キルマー)が悩んでいるシーンなのです。
主人公が悩むシーンはコメディっぽく描かれていますが、それもあまり笑えるものではありませんでした。
エル・ファニングの歌舞伎役者のようなメイクも、ちょっとやりすぎに思えます。

そんなわけでミステリーを期待する人、コッポラ監督のファン、エル・ファニングのファンにも少々オススメしづらい作品になってしまっています。

しかし、本作はエドガー・アラン・ポー好きには嬉しい要素もあります。
ポーのファン、ゴシック調の美しい画が気に入った方、リンチ監督作品が好きであれば、観てみるのもいいかもしれません。


以下、ネタバレです 結末に触れているので鑑賞後にご覧ください↓今回は短めです。













~エドガー・アラン・ポーの亡霊~

主人公を導き、過去に起きた事件を説明する存在です。
彼はチャールズ・ディケンズから教わった「結末から書く方法」や、リフレーンについて主人公に教えていました。
ちなみに「ヴァージニア」とは、ポーの少女妻(当時13歳)の名前でもあります。


~過去~

過去に起きた事件は、一人の男が、少女たちが川の向こうにいるティーンエイジャー(ヴァンパイアと言われている)のようにならないようにするために、のどを切り裂いて殺した・・というおぞましいものでした。

ただ一人、「V(ヴァージニア)」は何故かバイクで駆けつけたティーンエイジャーのリーダーである「フラミンゴ」に助けられたのですが・・・その後に、結局男に鎖でつながれ、幽閉されてしまいます。
「V」は男をうらみ、その思いをつたえたくて、主人公の前に姿を現したように思えます。


~回収していない伏線?~

①ヴァージニアと会った後に訪れた24時間営業の店はなんだったのか?
②7つのそれぞれの時計が違った時間を指す時計台は?
③主人公がサイン会で挨拶した主婦は?
④保安官が「杭を打ち込む機械の模型」を作ったことに意味はあったのか?

②においては、終盤に夢の中で、主人公が時計台を上り、そこにある少女の死体が蘇り、主人公が時計台の下まで落下してしまうという展開がありました。
それ以外はほぼ回収されていない伏線のように思えるので、かなりもやもやが残ってしまいます。


~結末~

主人公が保安官のいる駐在所に行くと、そこでは保安官の部下が殺され、保安官が首吊りにされ、腹には「罪人(GUILTY)と描かれていました。

主人公が杭の埋め込まれた少女の死体を見ると、少女は目を開け「助けて」と言います。
さらに「パパ」とまで口にします。

主人公が杭を抜くと大量の血が出ます。
しかし少女は「矯正の歯」を見せ、矯正具を飛ばし、まるで吸血鬼のように主人公に襲い掛かります。

主人公は絶体絶命・・・かと思いきや、そこで場面が転換し、友人のサムが小説のラストを「文句のつけようがない」と賞賛するシーンになります。
最後に主人公が言ったのは「消え去りぬ(NEVER MORE)」ということでした。

これはどういうことか?
まとめると・・・・
①少女の死体の正体は、主人公の娘「ヴィッキー」だった
②ヴィッキーと「V(ヴィクトリア)」は同一人物だった
③それらは小説のストーリーである
ということなのかもしれません。

序盤、「V」は矯正具を気にしていることを主人公に言っていました。

中盤、ウィジャボードで、「HIM(彼)」「I AM HER(私は彼女の・・)」とも示されました。
これは少女の死体のものからで、自分の正体=主人公の娘のヴィッキーであり、「V」でもあるということを示してるのかもしれません。

でも①と②は明らかに矛盾しているし、船のボートの事故で死んだはずのヴィッキーがこんなところにいるはずもありません。

答えはないのでしょう。
ただ、最後のナレーションでは「主人公は家に帰った」とあるので、やはり最後に主人公が襲われることや、作中であった不思議な出来事は「夢」であり、フィクションであるのだと思います。


オススメレビュー→【ネタばれ】ジャンルと作家の狭間で/Yahoo!映画

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2012-08-13 : 映画感想 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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