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何もしていなかった人間 映画版「桐島、部活やめるってよ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想は桐島、部活やめるってよです。


個人的お気に入り度:9/10

一言感想:変化の過程を楽しむ傑作青春映画!

あらすじ


ある日、バレー部のキャプテンである桐島が、部活をやめた。
そのことは野球部の幽霊部員である菊池宏樹(東出昌大)をはじめ、学校の人間たちに影響を与えていた。
一方、映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)はいつもと変わらず部活に励んでいたが、しばらくして彼のところにも、その波紋が広まっていく・・・




これは大好きだ!
リアルな高校生の日常、人間関係が変わる様を描いた傑作です!

原作は朝井リョウによる小説です。

朝井 リョウ
500円
powered by yasuikamo

小説すばる新人賞を受賞し、ベストセラーとなりました。
自分はこの小説は未読でしたが、映画は小説が好きだった方にも満足できる出来に仕上がっていると思います。

本作の良いところの筆頭にあがるのが、キャラクターの魅力です。
少しですが紹介してみます。

・前田涼也(神木隆之介
桐島<オタクっぽい映画部の監督

・かすみ(橋本愛
桐島ーかすみ<可憐なバトミントン部員

・菊池宏樹(東出昌大
桐島ー広樹<野球部員であるが、ほぼ幽霊部員になっている

・沙奈(松岡茉優
桐島ーいじわるなさな<宏樹の彼女。意地の悪い少女

・梨紗(山本美月
桐島ー彼女のりさ<桐島の彼女。スマートフォンをよく触っている

実果(清水くるみ
桐島ーみか<内に秘めたものがあるバトミントン部員。姉が事故死している
WOWOWで彼女を主演したスピンオフドラマが公開されている(8月27日まで)

・沢島(大後寿々花
桐島ー沢島<放課後に屋上に訪れている、吹奏楽部の部長

このほかにもサブキャラクターがたくさんいるのですが、観ていて混乱することはありません。
キャラクターがしっかり肉付けされていて、役者の演技もまた、格別です。

高校生の「格差社会」がしっかり描かれていることも面白いです。
特に作中の「映画部」はヒエラルキーの底辺にいるような存在で、他人に蔑まれていいるような描き方にはニヤニヤしてしまいました(こう言うと意地悪ですが)

そして本作は、バレー部に所属している「桐島」がいなくなり、それによる変化が起こる様を描いています。
桐島をよく知る人物には直接的に、ほとんど接触がない人物には間接的にそれは訪れます。
その変化は初めは「ほんのちょっと」だったけど、やがて大きな波となり、登場人物に襲いかかります。
その過程に、ゾクゾクしっぱなしでした。

構成も特殊ですが、それも成功しています。
本作は同じ時間軸をたびたび繰り返し、複数の視点から登場人物の行動を描くという「羅生門」スタイルです。
このおかげで桐島がなくなった日のそれぞれの登場人物の「反応」が多角的にわかるのです。決して奇をてらっただけの演出になっていません。

高橋優による主題歌「陽はまた昇る」も素晴らしかった。
観たあとは、その歌詞に思いを馳せてみてください。
なお、PVは本作品の「前田」のその後を描いているようです。



好き嫌いはわかれる映画であると思います。
はっきりしている物語が好きな人には向かないし、高校生以下の人が観ても「ただみんなグダグダしているだけじゃん、なにが面白いの?」になる可能性は大です。

でも大人になると、「自分の高校生活を思い出すと似たようなことがあったなあ」と回想できる面白さがあるのです。
ある意味大人よりもやっかいで、うっとおしいような人間関係。
それは大人になった今になると、なんとも愛おしく感じる「痛面白さ」なのです。

これは日本人だからでこそわかる、日本ならではの映画です。
アベンジャーズに対抗して「ハリウッドよ、これが日本映画だ」と銘打ったキャッチコピーも素晴らしいと思います。

この作品は映画が好きな人にこそオススメしたいです。
映画部の監督がクエンティン・タランティーノジョージ・A・ロメロ監督について語るシーンなどは、映画好きじゃなければ伝わらないものです。
映画オタクな自分は、よけいに感情移入してしまい、何とも切なくなってしまいました。


以下、ネタバレです 結末に触れまくっているので鑑賞後にお読みください↓












~物語の構成~

本作は
①金曜日×3回
②土曜日
③日曜日
④月曜日
⑤火曜日×2回
を順番に描いています。

それぞれについて簡単に観てみましょう。

①金曜
「桐島」がバレー部からいなくなった日です。
映画部がゾンビ映画作成に乗り出し、屋上へ行った日でもあります。
「宏樹」「沙奈」「梨紗」は桐島が部活をやめたことを知ります。

②土曜
バレー部の試合。背の低い「小泉風助」は頑張るが、敗れてしまいます。

③日曜
映画部の監督「前田」が、映画を観ている「かすみ」と出会います。

④月曜
沙奈はバレー部の「久保」をなじり、「実果」は小泉風助が負けたことに憤りを覚えます。
桐島を待つためにバスケをしていた宏樹を含む3人は、「なぜ俺たちはバスケをしているんだろう?」と疑問に思います。

⑤火曜
前田は恋焦がれていたかすみに、恋人がいることを知ります。
前田は校舎裏で撮影を始めますが、吹奏楽部の沢島と話し、屋上へと移動します。
宏樹と沙奈は、沢島が見ている前でキスをします。
宏樹たち3人、バレー部員、映画部が屋上に集まります。

ときに登場人物が交錯し、そのキャラクターがわかる構成は巧みです。
そして、話題の中心である「桐島」は一度も姿を現しません
それでいいのでしょう。彼は物語を牽引するマクガフィンにすぎないのですから。

また、途中で屋上から飛び降りたように見えた人影は、誰のものだったのでしょうか。
桐島かもしれませんが、エンドロールではこの役名は「屋上の男子」でした。
この答えは、映画の中にはないと思います。


~映画部の活躍~

映画部は「君は拭け、僕の熱い涙を」という恥ずかしいタイトルの映画を先生に強要され、朝礼では嘲笑のまとになってしまっています。
加えて部室は部屋の隅においやられ、部員たちも「実際吹奏楽部の方が強いよな」と自らを卑下しています。
女性部員がいないので、ロン毛の男子生徒に女装させているあたり、もうね・・・

そんな彼らも、ゾンビ映画を撮り、日々を楽しんでいました。
ときどきシーンにほかの人間が映るなどのトラブルがありましたが、部長の親友である「タケちゃん」も「こんな楽しいのははじめてだよ」と言います。

彼らは「桐島が部活をやめた」こととは関係のない人種に見えます。
しかし、火曜日の最後、彼らの撮影は思いも寄らぬ形で、じゃまが入ることになるのです。


そして、映画オタクの彼らの会話は実に楽しかった!
・「おーまたー♫(お待たせ)」と言って女子に嘲笑され、「俺が監督だったらあいつら絶対使わないね」と言う
・「昨日『スクリーム3』を最後まで観ちゃったんだよね。あれやっぱり2のほうが面白いね」
・「『ガンツ』の32巻持っていない?」
・「昨日満島ひかりを見たんだよね」「まじで?」
・「8mmカメラにはデジタルじゃ絶対出ない味がある」「ないよ。汚いし、現像は大変だし、フィルムは手に入らないし・・」
他にも雑誌「映画秘宝」を読んでいるシーンも好きです。

吹奏楽部の沢島との不慣れな「交渉」も含めて、その会話が自然すぎてついつい頬が緩んでしまいます。
屋上からどいてもらうため「許可書はあるの?」と聞くとか、もはや屁理屈のレベルですね。


~日曜日の前田~

前田は日曜日に「鉄男」を観ているかすみと出会います

<この映画
これは確かにマニアックだ・・・ちなみにR15+指定の怪作です。

そしてこのあとの前田とかすみとのぎこちない会話がまた素晴らしいです。
「何か人間が変わっちゃう映画があったんだけど・・・」と言われて、「ザ・フライ」?「ボディ・スナッチャー」?「遊星からの物体X」?と思いつくままにあげるけど、わからないと一掃されます。
「タランティーノは知ってる?」と聞き、「何か人がいっぱい死ぬ映画だった」と返され、「だいたい全部たくさん死んじゃうけど」とか、わかる人にしかわからないネタでクスクス笑わせてくれました。
タランティーノが「鉄男」をリメイクする企画があったことは、初めて知りました。


~映画部の反乱~

屋上で映画部が映画を制作中、またも他の連中にじゃまをされます。
バレー部の「久保孝介」は、桐島がそこにいないことに憤り、映画部が作った「隕石」を蹴り上げます。

今までおとなしかった前田は怒りました。
「俺たちに謝れ!」と。

この隕石は、他人にはとるにたらないことがらでも、本人には重要であることのメタファーだと思います。

吹奏楽部部長の澤島が自分を律するために(宏樹を見るために)「場所」にこだわったり、
優秀な桐島に嫉妬する小泉風助は「俺は何かをしようとしてこの程度なんだよ!」と自分を卑下したり、
桐島が数日だけいなくなっただけもあたふたしたり・・・

登場人物はささいなことで傷つきます。
それは他人のちょっとした影響によるものなのかもしれません。
彼らにとって「桐島」の影響はあまりに大きいものでした。

彼らを笑う沙奈を、かすみは殴ります。
努力をしているひとが嘲笑されることを、彼女は許せませんでした。
彼女は親友の実果が、努力をしていた小泉くんを想っていたことを知ったのですから。

そして、桐島と縁もゆかりもない前田にとっても、自分たちの創作物をないがしろにされた行為は耐えがたいものでした。
前田は「こいつら全員食い殺せ!」と映画部員(ゾンビたち)に命じます。
フィルムの中のイメージでは、みんなゾンビに噛まれ、恋焦がれていたかすみもゾンビに殺されます。
彼はイメージの中で、自分の望まないもの(恋人がいるかすみ含む)を壊したのでしょう。

ゾンビ映画の最後のセリフは「俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから」というものでした。
これは映画だけでなく、この高校という社会を生きる自分たちに向けてのものに思えます。


~菊池宏樹が泣いた理由~

宏樹と前田は、屋上で初めて会話をします。
最後に、宏樹は前田に「インタビュー」をされ「いいって、俺は、いいって」と言いながら涙を流します。

彼は、なぜ泣いたのでしょうか。
以下にその要因となりそうなことがらを書き出してみます。

彼は野球部の幽霊部員であり、ほぼ帰宅部同然になっています。

彼は帰宅部同士でバスケをしているとき「できるやつは何をやってもできる、できないやつは何をやってもできないんだよ」と言っていました。

彼は野球部のキャプテンに試合に出るように誘われますが、結局行きません。
その会話は「今日は寒いな、そんなに寒くないか」などと、とてもぎこちないものでした。

キャプテンが夜中に素振りの練習をしているのを見て、思わず逃げるように隠れてしまいます。

再び学校でキャプテンと出会ったときには「応援だけでもいいから来てくれよ」とハードルを下げられます。
彼はキャプテンが3年生なのに、引退しないことに疑問を持ち、キャプテンはその疑問に「ドラフトが終わるまではな」と返します。

恋人と長いキスをしているとき、彼は「視線」に気づいていました。

前田が持っていた8mmカメラの部品を拾いますが、一度はそれを取って去ろうとします。

そして映画の最後は、野球部の夜の練習をみて、桐島に電話をかけようとしている、彼の後ろ姿で終わります。

エンドロールでは、ほかの登場人物には名前のあとに部活の名前があったのに、彼は空欄になっていました。

彼は「頑張っていない」自分に疑問を持ったのだと思います。
「できないやつは何をやってもできない」と言いながら、自分は何もやっていない。
キャプテンは試合に負けて監督にどやされても野球をやめないのに、自分は幽霊部員になっている上に、試合を見ようともしない。
視線に気づきながらもキスをするデリカシーのなさ。
前田の大事なものを届けようとしなかったあさはかさ。

そうした自分を恥じ、涙を流したのでしょう。

最後に彼が桐島に電話をかけた理由は、桐島が彼と同じく部活に来なくなった人間であるからにほかなりません。

彼は桐島に悩みを相談したかったのかもしれないし、桐島の今の気持ちを聞きたかったのかもしれません。
唐突な結末に思われるかもしれませんが、これは積み上げてきた彼の思いが凝縮された、素晴らしいラストシーンだと思います。

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2012-08-13 : 映画感想 : コメント : 18 : トラックバック : 1
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 ・・・勉強しろ。    桐島、部活やめるってよ。  (2012年 日本映画)85/100点 本作は、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞しています。 ま、日本アカ...
2013-04-22 00:27 : 素人目線の映画感想ブログ
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初めてコメントします。
初めてコメントします。
『桐島、部活やめるってよ』、とてもいい映画でしたよね。
自分には上手くそれが表現できませんでしたが。
ヒナカタさんのレビュー、とてもよいと思いましたが、人物紹介の名前の欄が間違ってはいませんか?
重箱の隅を突くようで申し訳ありません。
2012-08-13 23:49 : せぷ URL : 編集
Re: 初めてコメントします。
コメントありがとうございます。
wikiを見ながら書いたので間違っていないとは思うのですが・・・
ただ作中で苗字しか出ていなかったと思った「沢島」は苗字だけ書いています。

どう間違えているのか、自分ではわからないので、わかれば教えていただければ幸いです。
2012-08-14 00:10 : ヒナタカ URL : 編集
すみません。
指摘がわかりにくかったですね。
大後寿々花と清水くるみの名前が逆だと思うのですが…。
2012-08-14 01:09 : せぷ URL : 編集
Re: すみません。
> 指摘がわかりにくかったですね。
> 大後寿々花と清水くるみの名前が逆だと思うのですが…。

役名ではなく、演じている方の名前だったのですね。
申し訳ないです、失礼極まりないですね・・・(どこにも役名との対応がなかったので作ったのですが)
ありがとうございました!
2012-08-14 08:39 : ヒナタカ URL : 編集
No title
いつも拝見してます。

「桐島、部活やめるってよ」とてもよかったです。
人の名前を覚えるのが苦手なので、「桐島」っていう名前を覚えさえすれば、ついていける位個人名が出てくる頻度が少ないこの映画は、混乱せずに見ることが出来ました。

あと、主題歌を歌っている人の名前は高橋優だと思います。ザブングルの「カッチカチ」じゃない方に似ている人です。
2012-08-14 20:48 : ヒガシ URL : 編集
Re: No title

> あと、主題歌を歌っている人の名前は高橋優だと思います。ザブングルの「カッチカチ」じゃない方に似ている人です。

素でリンクを間違えていましたwバカだ~すみません。
2012-08-14 21:56 : ヒナタカ URL : 編集
No title
はじめまして。
私は原作を読み、映画を観たのですが、
曖昧な場面が多かったので検索していたところ、
このブログを拝見させていいただくこととなりました。

レビュー、素晴らしいです!
私は、屋上での出来事が周りの人にどう影響させたのか全く分かりませんでした。
でもこのレビューを見て、本人にしかわからない(?)、
という意味が込められていたことに気が付きました。

スッキリしました!
DVD販売したら、また改めて観たいと思います。

そして、おせっかいだとは思うのですが…
身長の低いバレー部は、
「小泉風助」という名前だと思います。
屋上で隕石を蹴るバレー部が、
「久保孝介」だと思います。

長々と失礼しました。
2012-08-24 17:15 : なつみ URL : 編集
Re: No title
お褒めの言葉、ありがたく頂戴します!

> そして、おせっかいだとは思うのですが…
> 身長の低いバレー部は、
> 「小泉風助」という名前だと思います。
> 屋上で隕石を蹴るバレー部が、
> 「久保孝介」だと思います。

参考になりました。
追記しておきます。
2012-08-25 20:14 : ヒナタカ URL : 編集
泣いた理由で、「他人の物を持ち帰ろうとした浅はかさ」 とありますが

それは、どうかなと思います
だって、宏樹って持って帰る意味ありますか?

あそこは、頑張ってる前田に声を掛けれなかったから、思いとどまったけど、勇気を出して行った的な??


でも、あそこでカメラの部品拾う意味無いですよね…
2012-09-03 02:20 : URL : 編集
Re: タイトルなし
> 泣いた理由で、「他人の物を持ち帰ろうとした浅はかさ」 とありますが
> それは、どうかなと思います
> だって、宏樹って持って帰る意味ありますか?
> あそこは、頑張ってる前田に声を掛けれなかったから、思いとどまったけど、勇気を出して行った的な??
> でも、あそこでカメラの部品拾う意味無いですよね…

こんばんは。
たしかにそうですね。持ち帰る理由がそもそもないのに・・・・
ちょっと気になったので、少し訂正します。
ご指摘感謝です。
2012-09-03 19:52 : ヒナタカ URL : 編集
No title
お久しぶりです。

ずっと気になっていた作品ですが、行く時間がなく…。
でも、そろそろ終映になってしまうので、今日の夕方、
慌ててシネコンに駆けつけ、観て来ました。

高校という閉じられた空間と、そこで多くの時間を
過ごす生徒たちの空気感が見事だと思いました。


僭越ながら、
レビューで、少し、気になったことが…。

〉吹奏楽部部長の澤島が自分を律するために「場所」にこだわったり、

澤島は自分を律するために「場所」にこだわったのではなく、
恋心を抱く宏樹の姿をこっそり見つめていたいがために、
練習のフリをして、宏樹を見ていたのだと思います。

だから、宏樹たちがバスケをしている間は屋上にこだわり、
彼らが帰ってしまうとあっさり後輩と部活に行きます。

そして、場所を変えた日は、その前のシーンで、
放課後に、宏樹と沙奈があの場所で待ち合わせするのを聞き、
わざわざ行ったのです。

屋上から、バスケをしている彼を見たい気持ちは解るけど、
私だったら、好きな彼が彼女と待ち合わせしている姿なんか、
見たくもないですけどね…。

場所を譲らないことを前田に問いただされた澤島が、
「こんなこと、今日で止めたいの!部長なんだから、
私がしっかりしないといけないのに、こんなこと…」と
言っていたのは、大事な演奏会を前にしているのに、
恋心のために部活に遅れて行くなどしている自分を
責めていたのだと思います。しかも、宏樹には彼女がいて、
自分の想いは叶わないと解っているのに……。

前田にとっては意味不明の釈明だったと思うのですが、
それでも澤島の様子から、それが彼女にとって、
とても大事なことなのだろうと察して、撮影場所を
変えてあげるところが、すごく良かったです。

…ってか、登場する女子たちよ!
前田(神木くん)の涼やかさに気付かないなんて、
数年後に、絶対、後悔するぞっ!!!

神木くん、あんなに綺麗な顔立ちなのに、
すっかりオタク男子になりきっていて、感心しました。

長々と失礼しました。
原作も読んでみたいです。

2012-09-14 23:01 : まゆまゆ URL : 編集
Re: No title
ながながと、コメント感謝です。


〉吹奏楽部部長の澤島が自分を律するために「場所」にこだわったり、
>澤島は自分を律するために「場所」にこだわったのではなく、
>恋心を抱く宏樹の姿をこっそり見つめていたいがために、
>練習のフリをして、宏樹を見ていたのだと思います。

一応そのつもりで書いていたのですが、たしかにことば足らずでした。訂正しておきます。

素敵な映画でしたね。
神木くんの純朴さは大好きなので、普通だったらモテモテだと思います。
でもあの「サッカーボール空振り」はそりゃ「ダサっ」と言われるよなあ・・・とも思いました。

自分も原作は未読ですが、是非読んでみたくなりました。
2012-09-16 00:00 : ヒナタカ URL : 編集
No title
橋本愛の配役はずるいよなぁ。あれでは前田じゃなくても勝手に傷つく。
2012-10-15 12:34 : 名無しさん(笑)@nw2 URL : 編集
カメラの部品の件ですが、菊池は自分でうすうす気付いている自分の空虚さと、その空虚さを埋めているように見える前田にどの段階かは分からないが興味を持っていたのではないでしょうか。
だからカメラに興味を持って部品を持っていったり、今まで何の接点もなかった前田にコンタクトを取りに行ったりしたのでしょう。
自分がうすうす気付いているダメさって他人に指摘されると結構傷つきますよね。菊池の場合、今までの高校生活の否定みたいなものでしたから、察するに余りあります。
素晴らしいブログ、ありがとうございました。
駄文失礼しました。
2012-12-16 04:38 : 松ちゃん URL : 編集
Re: タイトルなし
>松ちゃん

コメント、お褒めのことばありがとうございます。

>カメラの部品の件ですが、菊池は自分でうすうす気付いている自分の空虚さと、その空虚さを埋めているように見える前田にどの段階かは分からないが興味を持っていたのではないでしょうか。

これは素晴らしい解釈ですね!
いままで菊池と前田は全く接点がなかったですが、目の前のことに一生懸命な前田は、菊池にとっては「羨ましい」と言ってもいいほどの存在だったようにも思えます。

菊池はダメ人間であり、さらにそれをわかっていながらダメな人間を否定している。
それがラストの涙につながっているのだと思います。
2012-12-16 23:07 : ヒナタカ URL : 編集
No title
レビュー、とても面白かったです。
頭の中でこんがらがっていたことを、キレイに整理して頂いた気分です。
ヒロキがカメラの部品を拾って届けたところ。
皆さんいろんな見解を持っていておもしろいです。
私も自分の見解を少し。うすうす自分がからっぽで、
桐島に頼りきっていることを気づき始めていたヒロキが、
カメラの部品を拾って「自分にとってはどうでもいいけど、
他人にとっては大事なものがある」と確信を持って返しに行く様子に見えました。
そして追い打ちをかけるように、
映画に本気で取り組んだ上で映画監督は無理だろう、と
未来を見据えている前田を目の当たりにする。
カメラを向けられたヒロキは「かっこいいな」と言われる。
「え?」「やっぱりかっこいい」というやりとり。
カメラを向けられて、何もしゃべれないヒロキ。
自分はなんてからっぽなんだ、と虚しくて泣き出すようにも見えました。
そして最後のシーン。それでもまだ桐島に頼ろうとするヒロキ。
部活動も微妙、微妙な彼女、微妙なモテ方、進路ももちろん白紙。
そしてエンドロールの(   )コレ。
モヤッとしたものが描かれていて、すごくリアルに感じました。
高校生ってやっぱり外見至上主義なんですよね。
あのからっぽな感じ。うーん、リアルだった。
2013-03-20 12:25 : nag URL : 編集
No title
地元の映画祭で再上映されていたので観に行きました。
公開当時に観に行かなかったのが惜しまれる傑作で、なるほど、ヒナタカさんが大絶賛するのが納得できる作品でした。

登場人物のバックグラウンドもしっかりしていて、かつ演技も秀逸。
そして原作は知りませんでしたが、最後まで桐島が出てこないことにも騙されました。ここまでマクガフィンを効果的に使った作品もそうそうないのでは…と。

ザッピングの描き方も特異で、一般には個々のキャラクターや事件に焦点を当てつつクロスオーバーさせていくところを、固有のキャラにも事件にも焦点をあてずに何度もクロスさせて行く技法も効果的。
これのおかげで観ている者に「桐島が何者なのかを推理させる」というカモフラージュになっており、終盤の“モブ撮影シーン”のインパクトに繋がっていると思いました。

> マニアックな映画話

「イオンの映画館」と言いつつ、(旧)イオンシネマでも旧ワーナーマイカルでも無く、じつはイオンモールにあるTOHOシネマズだという辺りもニヤリとさせられました。

> 隕石はメタファー

これ以外にも、個々の人物の背景や視点が描かれており、多くのメッセージ性が感じられました。
こういうのを「群像」と呼ぶのだろうなぁ…。
2014-06-16 14:45 : シオンソルト URL : 編集
素晴らしい解説ですね♪

この映画は本当に楽しめました。
映画部の副部長(?)タケちゃん(?)
個人的にツボでしたわ~(笑)

「ハリウッドよ!!!これが…日本の映画だ!!!」

(笑)
2014-07-27 05:46 : 蛇口 URL : 編集
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『ファンタスティック・フォー』
『進撃の巨人 後編』
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<2015年上半期>
『極道大戦争』
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『バードマン』
『恋する♡ヴァンパイア』
『イミテーション・ゲーム』
『イントゥ・ザ・ウッズ』

<2014年下半期>
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『紙の月』
『近キョリ恋愛』
『るろうに剣心 伝説の最期編』
『複製された男』
『思い出のマーニー』

<2014年上半期>
『渇き。』
『チョコレートドーナツ』
『LEGO® ムービー』
『LIFE!』
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<2013年下半期公開>
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『ガッチャマン』
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『モンスターズ・ユニバーシティ』
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<2013年上半期公開>
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『脳男』
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<2012年下半期公開>
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『悪の教典』
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『るろうに剣心』
『プロメテウス』
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『メン・イン・ブラック3』
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『TIME/タイム』
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<2011年下半期公開>
『ミッション:インポッシブル4』
『アントキノイノチ』
『ミッション:8ミニッツ』
『ツレがうつになりまして』
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『コクリコ坂から』

<2011年上半期公開>
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『八日目の蝉』
『手塚治虫のブッダ』
『わたしを離さないで』
『パラノーマル・アクティビティ2』

<2010年公開作品>
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